JP4172897B2 - 現像ローラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は現像ローラに関し、さらに詳しくは、複写機、プリンター等の電子写真装置や静電気録装置などにおいて、静電潜像を一成分現像剤で可視化するための現像ローラに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
近年、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真装置、特に小型機分野においては、メンテナンスの簡素化が進んでおり、乾式1成分トナーの現像方式が実用化されている。
【0003】
特に、特開昭53−3233号公報に開示されるような、ゴムまたはエラストマーの弾性材料で構成される現像ローラを用いた感光体への接触現像方式、またそれに用いられる現像ローラが種々提案されている。静電潜像の形成されたドラム感光体に、弾性を有する現像ローラを当接させて、現像ローラ表面に薄層化されたトナーを現像電界に応じてトナーを移動させ、可視像化する。この方法によれば、トナーに磁性材料を使うことなく、カラー化が容易であるという利点をもつ。
【0004】
現像ローラを感光体に当接させるため、現像ローラの構成は、金属シャフトの周囲に導電性の合成ゴム、ウレタンフォームなどからなる弾性層が形成されている。弾性層のゴム、ウレタンフォームなどからの可塑剤や低分子成分のブリードアウトによる感光体への汚染、あるいはトナーの粘着(タッキング)やフィルミングを防止する目的などから、弾性層の周囲には、可塑剤などの表面へのブリードをブロックし、トナー離型性のよい樹脂からなる表面層を被覆する構成が一般的である。また、表面層は、感光体あるいはトナーシール部材に押圧されながら回転するため、弾性層のゴムの変形に追従できずに、また長期にわたる使用によってヒビ割れなどの問題が発生する場合がある。ヒビ割れは画像欠陥となって出力画像に現れる不具合となるので、表面層には押圧された弾性層の変形に充分追従する可撓性が必要になる。
【0005】
最近の省エネ問題から、トナーの定着エネルギーを低減するために、低融点トナーの使用が検討されつつあり、低融点トナーの使用によって、現像ローラ表面により高いトナー離型性が求められるようになっている。
【0006】
従来から、電子写真式複写機等の現像ローラには、トナーとの離型性の良いフッ素樹脂を表面に被覆したローラが適していることは知られている。
例えばパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などのフッ素樹脂を、表面層として、ディスパージョン塗料を塗装して融点以上の温度域で加熱することにより成膜することなどにより形成するものや、前記フッ素樹脂を粉末状にしてバインダーに分散して、使用する方法が公知である。しかしながら、これらのフッ素樹脂は一般的に伸びが小さく、弾性層の変形に充分追従できなかったり、また融点が高いことから加工温度が高く、ゴム層が熱劣化するなどの問題がある。
【0007】
粉体を添加する場合は、バインダー中で溶融させるのではなく、固定するだけのため、表面の平滑性が損なわれる場合がある。また、フッ素樹脂は、現在、広く一般的に使用されている、反転現像におけるトナーの帯電極性であるマイナスに対して、同極性の帯電性を示すために、トナーの帯電性を高くすることが出来ないといった欠点があり、地汚れ、トナー飛散等の問題がある。
【0008】
本発明は、このような種々の問題点に鑑み、トナーに対して離型性がよく、また、加工温度が低く、弾性層を熱劣化させずかつ、トナー帯電性を高くすることができる表層を有する現像ローラを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の現像ローラは、トナーを担持すると共に、回転しながら静電潜像の形成された像担持体に接触もしくは近接して像担持体表面にトナーを供給し、前記静電潜像を可視化する現像ローラであって、芯軸の外層に導電性の弾性層が形成され、該弾性層の外層に、フルオロオレフィンとエチレン性不飽和単量体との共重合体よりなる主鎖もしくは側鎖末端にヒドロキシ基を有するフッ素系樹脂とトリアジン系樹脂との架橋物、および導電性粒子を少なくとも含有する表面層が形成されてなり、該フッ素系樹脂におけるフルオロオレフィンの含有率が30〜70重量%であり、かつ該トリアジン系樹脂の配合量が該フッ素系樹脂100重量部に対して20〜30重量部であることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の現像ローラは、前記フッ素系樹脂が溶剤可溶であることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の現像ローラは、前記表面層の膜厚が30μm以下であることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる現像ローラを図面を参照して説明する。
図1は本発明に係わる現像ローラを用いた画像形成装置の一例を示す図である。現像ローラ1、芯軸の周囲にスポンジが形成されたトナーの補給ローラ2およびトナー攪拌部材3は、トナー7を収納するケース4の側板に軸支されている。トナー7はトナー攪拌部材3、及び補給ローラ2を介して現像ローラ1の表面に供給される。現像ローラ1上に供給されたトナー7は、さらに、トナー層形成部材5によって所定量に薄層化され、現像ローラ1を回転させて感光体6に搬送される。現像ローラ1は感光体6に接触し、バイアス電源8を介して感光体6の帯電電位と光書き込み後(露光後)の残留電位の中間のバイアス電圧が印加されている。現像ローラ1上のトナーが感光体6との接触部に搬送され、感光体電位と現像バイアスによる現像電界に応じて、帯電したトナーが感光体6に付着し静電潜像が可視像化される。
【0014】
本発明で使用した現像ローラは、図2にその断面図を示すように、金属の芯金(芯軸)11の外層に弾性層12が形成され、トナー帯電性、トナー固着性等を考慮して、弾性層12の外層に表面層13が設けられている。弾性層12としては例えば、エチレンプロピレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、スチレンゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴムまたはフォームなど公知のゴム、エラストマーが使用可能である。その周囲に、例えばディップ法、スプレーコート、ロールコートなどの種々公知のコーティングをすることにより、表面層13を形成する。
【0015】
トナー層形成部材5は、金属(ステンレス)を用い、その現像ローラ1との接触部に種々の材料をコーティングによって形成した。なお、トナー層形成部材5はステンレスに限らず、リン青銅等、種々の金属も使用することができる。また、ウレタンゴム、シリコーンゴム等の弾性体を用いることもできる。また、トナー層形成部材5上へのコーティングの方法は、種々の樹脂を溶剤中で適当な粘度に希釈した後、ディッピング、スプレーコート、バーコート、ロールコートなどの種々公知のコーティング方法を用いて行う。
【0016】
本発明において、現像ローラ1は、芯軸11の外層に導電性の弾性層12が形成され、該弾性層の外層には、フルオロオレフィンとエチレン性不飽和単量体の共重合体よりなる主鎖もしくは側鎖末端にヒドロキシ基を有するフッ素系樹脂と、トリアジン系樹脂、トリアジン系樹脂誘導体、トリアジン系縮合物のうち少なくとも1種との架橋物、および導電性粒子を少なくとも含有する表面層13が形成されている。
【0017】
フッ素系樹脂は溶剤に可溶にすることによりトリアジン系樹脂類との架橋物を形成することができる。
フッ素系樹脂は、フルオロオレフィンとビニルエーテル類、アリルエーテル類、ビニルエステル類などのエチレン性不飽和単量体との共重合体である。ここでフルオロオレフィンに基づく単位の含有割合が30〜70%のものが好ましい。フルオロオレフィンに基づく単位の割合が小さすぎるものはフッ素系樹脂の特徴が得られず、大きすぎるものは溶剤への溶解性が損なわれ好ましくない。
【0018】
フルオロオレフィンとしては、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレンなどが例示される。
【0019】
エチレン性不飽和単量体としては、ビニルエーテル類、アリルエーテル類、ビニルエステル類、アリルエステル類、オレフィンなどが例示される。中でもフルオロオレフィンとの共重合性、フッ素系樹脂の溶剤溶解性などの点から、アルキルビニルエーテル、特に、炭素数1〜15程度の直鎖状、分岐状あるいは脂環状のアルキル基を有するアルキルビニルテーテルが好ましい。エチレン性不飽和単量体は、炭素に直接結合した水素の少なくとも一部がフッ素に置換されたものであっても良い。
【0020】
また、溶剤可溶性フッ素系樹脂はヒドロキシ基を有するものがトリアジン系樹脂との架橋性の点で好ましい。ヒドロキシ基は、ヒドロキシ基含有単量体、例えば、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルアリルエーテル、アリルアルコールなどを共重合させることにより導入することができる。フッ素系樹脂としては、ルミフロン601C(旭硝子社製商品名)が挙げられる。
【0021】
トリアジン系樹脂としては、メラミン、グアナミン化合物であり、その縮合物は、例えばグアナミン誘導体の脱水、脱アルコール反応による縮合反応物である。
【0022】
これらの樹脂を溶剤中で混合して、ゴムローラ上に塗布して、加熱硬化させることにより、架橋させることができる。フッ素系樹脂100重量部に対するトリアジン系樹脂類の割合は、5〜50重量部とすることが望ましく、20〜30重量部とすることがより望ましい。5重量部を下回ると、架橋部が少なくなり、塗膜の耐久性が低下してくるとともに、帯電性が劣る。一方、50重量部を上回ると、塗膜の硬度が高くなり、割れが発生する可能性がある。この割合は、使用するトナーに応じてこの範囲で適宜使用することができる。
【0023】
表面層13の塗膜の厚さとしては、30μm以下が望ましく、30μmを越えると弾性層12の硬度より硬くなってしまい、かつ割れやすくなる。
【0024】
さらに、本発明で使用されるような現像ローラは導電性が要求されるために、カーボンブラック、金属酸化物等の導電性粒子を添加する必要がある。抵抗の領域としては、体積抵抗率で108 Ωcm以下が望ましい。
【0025】
【実施例】
次に、本発明の実施例について説明する。
実施例1〜3,比較例1〜3
接着剤を塗布したφ8mmのSUS芯軸の周囲に、ポリオールとイソシアネートを用いて1ショット法にてウレタンエラストマーの弾性層を形成した。その後、外径研削により、φ16mmに調整することで4mm厚の弾性層12を得た。得られた弾性層の抵抗は、103Ωcm、硬度はJIS−A35度であった。
【0026】
上記弾性層上に表1,表2に示すような組成の樹脂をトルエン、酢酸ブチルの混合溶媒で希釈してスプレー塗装により塗装し、その後150℃で30〜60分加熱硬化させた。なお、表面層の抵抗は弾性層の抵抗と同等になるように、導電剤を添加した。なお、配合量(重量部)は、フルオロエチレン/ビニルエーテル100重量部に対するトリアジン系樹脂の重量部である。また、ビニルエーテルは、一部がヒドロキシ基およびカルボキシ基で変性されたアルキルビニルエーテルを用いた。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
比較例3は、従来良く用いられているアクリル/グアナミン樹脂にフッ素系樹脂を添加したものである。トナー固着の有無は、3時間空回した後のローラ表面観察による。
【0030】
表1の実施例1〜3よりフルオロエチレンの割合を30〜70%としたフルオロエチレン/ビニルエーテルを用いることでトナー固着が発生せず、かつトリアジン系樹脂と架橋構造をとっているために十分なトナー帯電量を得ることができるため、地汚れを防止することができる。
【0031】
すなわち、従来、フッ素系樹脂はトナー帯電極性と同極性のため帯電量が低く、地汚れ等の画像劣化が発生したが、主鎖もしくは側鎖末端にヒドロキシ基を有する溶剤可溶性のフッ素系樹脂とトリアジン系樹脂類との架橋物を含有することにより、トナー離型性とトナー帯電性を両立する表面層を提供できる。
【0032】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、可撓性や伸びに優れ、トナーの離型性を向上させ、かつトナー帯電性を維持することができる。また、架橋構造をとるために、膜の耐摩耗性が向上する。また、フッ素系樹脂がフルオロオレフィンとエチレン性不飽和単量体の共重合体であることにより、柔軟性に優れた表面層を提供することができる。また、フルオロオレフィンとエチレン性不飽和単量体の共重合体において、フルオロオレフィンの含有率を30〜70重量%にすることにより、溶剤可溶でかつ十分なトナー離型性を確保することができる。さらに、フッ素系樹脂に対するトリアジン系樹脂の割合が、フッ素系樹脂100重量部に対して、20〜30重量部配合することにより、膜の柔軟性を損なうことなくかつ適正なトナー帯電量を確保することができる。
【0033】
請求項2に記載の発明によれば、フルオロオレフィンとエチレン性不飽和単量体の共重合体が溶剤可溶であるために、成膜性が向上すると共に、トリアジン系樹脂との架橋構造をとることができる。
【0035】
請求項3に記載の発明によれば、表面層の膜厚を30μm以下にすることにより、硬度アップを防止することができかつ、弾性層に表面層が追従することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る現像ローラを用いた画像形成装置の概略構成図である。
【図2】本発明に係る現像ローラの断面図である。
【符号の説明】
1 現像ローラ
2 補給ローラ
3 トナー撹拌部材
4 ケース
5 トナー層形成部材
6 感光体
7 トナー
8 バイアス電源
11 芯軸
12 弾性層
13 表面層
Claims (3)
- トナーを担持すると共に、回転しながら静電潜像の形成された像担持体に接触もしくは近接して像担持体表面にトナーを供給し、前記静電潜像を可視化する現像ローラであって、
芯軸の外層に導電性の弾性層が形成され、該弾性層の外層に、フルオロオレフィンとエチレン性不飽和単量体との共重合体よりなる主鎖もしくは側鎖末端にヒドロキシ基を有するフッ素系樹脂とトリアジン系樹脂との架橋物、および導電性粒子を少なくとも含有する表面層が形成されてなり、該フッ素系樹脂におけるフルオロオレフィンの含有率が30〜70重量%であり、かつ該トリアジン系樹脂の配合量が該フッ素系樹脂100重量部に対して20〜30重量部であることを特徴とする現像ローラ。 - 前記フッ素系樹脂が溶剤可溶であることを特徴とする請求項1記載の現像ローラ。
- 前記表面層の膜厚が30μm以下であることを特徴とする請求項1記載の現像ローラ。
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