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JP4173082B2 - X線管装置 - Google Patents
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JP4173082B2 - X線管装置 - Google Patents

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Description

本発明は、X線CT(Computed Tomography)装置などに使用されるX線管装置に係り、特にX線管装置に収納される回転陽極X線管の回転陽極構造の改良に関する。
X線CT装置などの医用X線装置に使用されるX線管装置には、通常許容負荷容量の大きい回転陽極X線管が収納されている。回転陽極X線管(以下、X線管と略称する)は真空中で回転する回転陽極を備えており、この回転陽極のX線発生源となるターゲットなどの回転部分は軸受によって回転自在に支持されている。回転陽極の軸受は真空中で高温で使用するため、潤滑剤として潤滑油が使用できず、通常固体潤滑剤が使用されている。固体潤滑剤としては、銀、鉛などの軟質金属、あるいは二硫化モリブデンなどの劈開しやすい化合物が用いられている。その用い方は特許文献1などに開示されている。また、最近では、液体金属を用いた流体潤滑軸受なども採用されている。しかし、コスト面で高価であり、現状では固体潤滑方式の回転陽極が主流となっている。
特開平5−26245号公報
固体潤滑剤を回転陽極の軸受に使用した場合、以下に述べるような問題がある。先ず、固体潤滑剤は潤滑油と異なり、軸受のボールの表面および内輪、外輪のボール転走面に形成される潤滑膜の厚さが不均一になり易い。軸受の潤滑膜厚が不均一になると、その硬度差に起因して、回転陽極が真空中で回転した際に、大きな騒音や振動が発生し、それらの規制限度値を越えてしまう場合がある。このため、回転陽極の軸受に固体潤滑剤を使用する場合、軸受の転走面などにおける潤滑膜厚を均一にするために、様々なプロセスが考案されている。
軸受の潤滑膜形成プロセスの一例を上げると、回転陽極に軸受を組み込む前に、予め軸受のボールまたは内輪、外輪のボール転走面に固体潤滑剤を蒸着または塗布などをして付着させた後に、軸受に適当な荷重をかけるなどして回転させる。この軸受の回転は慣らし回転と呼ばれるが、この方法は軸受母材と固体潤滑剤との密着度を高め、軸受の表面の凹凸を均すために行われるものである。この軸受の慣らし回転は回転陽極の組立前や組立時に行われる。このようなプロセスによって軸受に付着した固体潤滑剤は、上記の軸受の慣らし回転時およびX線管の使用時に、わずかずつ軸受から脱落していく。この固体潤滑剤の軸受からの脱落量は経時的に増加して行くが、軸受に加わる荷重や回転数などの条件の違いによって差が生じる。
また、軸受に付着した固体潤滑剤の膜厚が均一であって、回転時の騒音や振動などの問題がないときでも、X線管の使用時の軸受の温度がそれぞれの潤滑剤の融点に近い温度に上昇するため、軸受に付着した潤滑剤の蒸発量が増加し、軸受の転走面およびその近傍の潤滑剤の量が減少する場合がある。
上記の如く、軸受からの潤滑剤の脱落により軸受の潤滑膜厚が薄くなった場合や軸受の転走面などの潤滑剤の量が減少した場合には、潤滑剤の量がX線管の回転寿命に必要な適正量に対し不足し、X線管の使用中に予定した回転寿命よりも短期間で潤滑剤が枯渇し、軸受の回転に不具合を生ずる場合がある。
また、X線管内で軸受から脱落した潤滑剤(以下、脱落潤滑剤という)は、粉体または塊状となり、回転陽極の軸受を支持する固定部の内部に残留する。これらの脱落潤滑剤のうちの大部分は軸受の表面やその近傍の固定部の内面に付着しているが、その一部分は固定部の内部で移動する。この移動する脱落潤滑剤は、軸受のボールと内、外輪の転走面に入り込む場合があり、その結果、軸受の正常回転を妨げ、騒音、振動の増加や回転停止などの回転異常を発生する場合がある。
また、上記の脱落潤滑剤は、固定部内部に蓄積する量が多くなると固定部内部から外に出て、固定部とロータの間の隙間を経由してX線管内部に移動する場合がある。このとき、脱落潤滑剤がX線管の外囲器の内面や陰極と回転陽極との対向部近傍などに付着していると、X線管の陰極と回転陽極との間に高電圧が印加された際に放電を起こす原因となる。
以上で説明した如く、X線管装置に内挿される回転陽極X線管では、現在広く使用されている軸受の固体潤滑剤の密着度の向上や形成された潤滑膜厚の均一化のために種々のプロセスの改善が行われているが、軸受の転走面への潤滑剤の密着度などの特性は様々な因子の影響を受けるため、それらの特性を完全に安定させることは困難である。
上記の如く、軸受から脱落した脱落潤滑剤は、X線管の回転騒音や振動を発生させて回転寿命を低下させ、またX線管内放電を発生させて耐電圧寿命を低下させるため、X線管の製品信頼性を低下させる要因となっている。このため、本発明では、X線管の回転陽極の製造過程において、回転陽極内の軸受からの潤滑剤の脱落状況や脱落量を把握するとともに、脱落潤滑剤を除去して、軸受の潤滑性能に関する製造ばらつきを抑制し、X線管の回転寿命および耐電圧寿命を延長し、製品の信頼性を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のX線管装置はX線源となる円盤状のターゲットと、ターゲットを支持する細径部と円筒状で高導電性の大径部と両者を結合する接続部とを有するロータと、ロータをその接続部において支持する回転軸と、回転軸を回転自在に支持する軸受と、円筒部を有し、その内周側で軸受を支持する固定部と、ロータの大径部と固定部の円筒部との間に配設された強磁性体から成る磁性部とを有する回転陽極と、回転陽極のターゲット上にX線源となる焦点を形成するための電子流を放出する陰極と、回転陽極と陰極とを絶縁支持し真空気密に封入する外囲器とを具備する回転陽極X線管を、防X線、防電撃構造のX線管容器内に絶縁油にて浸漬して収納するX線管装置において、前記回転陽極の固定部の円筒部側面の、回転陽極組立時に外部から目視可能な位置に部品の段階で前記円筒部の内側の中空部に貫通する穴が設けられ、前記回転陽極の組立の段階で前記固定部の穴が蓋にて塞がれるものである(請求項1)。
この構成では、X線管の回転陽極の固定部の円筒部側面の、外部から目視可能な位置に、固定部内の中空部に貫通する穴が設けられているので、この穴から軸受が支持される円筒部内の中空部を覗くことが可能となる。この結果、回転陽極を組立てて軸受の慣らし回転をした後に、この穴から固定部の中空部の潤滑剤の付着状況を把握することができるとともに、この穴から固定部の中空部に脱落した潤滑剤を取り出し、脱落量の計測と脱落潤滑剤の除去が可能となる。これらの脱落潤滑剤に関するデータは軸受の回転性能の管理データおよび回転性能改善のデータとして利用できまた脱落潤滑剤の除去により、回転寿命および耐電圧寿命の向上に寄与する。更に、固定部の穴に蓋をすることにより、X線管内への脱落潤滑剤の移動を抑制することができ、耐電圧寿命を向上することができる。
また、本発明のX線管装置では、前記回転陽極の固定部の穴は該固定部の内側の中空部の底部の近傍にあけられている。この構成では、固定部の穴が軸受などを収容する中空部の底部の近傍にあけられているので、固定部の穴を通して中空部の底部およびその周辺部を覗き見ることができる。中空部の底部は軸受から脱落した脱落潤滑剤が溜まりやすいところであるので、脱落潤滑剤の中空部内面への付着状況が良く観察できるとともに、脱落潤滑剤を中空部の底部から固定部の外へ容易に取り出すことができる。
また、本発明のX線管装置では、前記回転陽極の固定部の穴を塞いだ蓋については、前記回転陽極の組立の段階の終了までは開放および閉塞が可能なものとする。この構成では、固定部の穴を塞ぐ蓋の開閉が回転陽極の組立中に行うことができるので、回転陽極の組立時の軸受の慣らし回転後の固定部内の軸受を収容する中空部における脱落潤滑剤の付着状況の観察や脱落量の計測、除去などを固定部の穴を通して行うことができ、その後で蓋で穴を塞ぐことにより、X線管使用中の脱落潤滑剤の漏出を低減することができる。
また、本発明のX線管装置では、前記回転陽極の固定部の穴をねじ穴とし、このねじ穴を外周の一部に同じねじを切った蓋にて閉塞するものである。この構成では、固定部の穴をねじ穴構造とし、この穴にねじ構造の蓋を嵌合させる方式をとっているので、穴の閉塞時には蓋をねじ込み、穴の開放時に蓋を取りはずすことによって、固定部の穴の開閉を容易に行うことができる。
また、本発明のX線管装置では、前記回転陽極の磁性部を前記固定部の円筒部の外周の、前記固定部の穴を覆うことが可能な位置に、移動可能に取り付け、前記磁性部の移動により前記固定部の穴の開放および閉塞を行うものである。この構成では、回転陽極のロータと固定部との間に配設されている磁性部を固定部の穴の蓋に利用しているので、他の部品を追加することなく実施可能である。固定部の穴の開閉は磁性部を固定部の外周に沿って移動することによって行われる。
また、本発明のX線管装置では、前記磁性部を前記固定部の円筒部の中心軸方向に前記穴に向かって後退、前進移動することにより前記穴の開放および閉塞を行うものである。この構成では、固定部の穴の開閉は磁性部を固定部の中心軸方向に移動することによって行われる。磁性部を陽極端側に移動することにより穴は閉塞され、磁性部をターゲット側に移動することにより穴は開放される。
また、本発明のX線管装置では、前記磁性部の前記固定部の円筒部の外周に沿って回転摺動可能とし、該磁性部の前記固定部の穴に対応する位置に該穴とほぼ同じ大きさの連結穴を設け、前記磁性部を回転摺動させることにより、前記連結穴を前記固定部の穴に一致させること、および完全にずらすことにより、前記固定部の穴の開放および閉塞を行うものである。この構成では、固定部の穴の開閉は磁性部を固定部の外周に沿って回転摺動することによって行われる。磁性部の長さが長いとか、固定部の長さが短いとかして、固定部の中心軸方向に沿って移動するのに寸法的に余裕のない場合などに特に有効である。
以下、本発明の実施例について、添付図を用いて説明する。
図1および図2は、本発明に係るX線管装置の第1の実施例の構造図を示したものである。図1は、X線管装置全体の構造図、図2は、本発明の要部となる回転陽極の構造図である。本発明では、X線管装置に内挿される回転陽極X線管の回転陽極の構造に特徴があり、以下では、図1と図2によって本実施例の全体構造と要部構造について説明する。
図1において、本実施例のX線管装置10は、X線管容器12内にX線発生源となる回転陽極X線管(以下、X線管と略称する)14と、X線管14の回転陽極(以下、単に陽極という場合もある)16を回転駆動するステータ18と、X線管14の陰極側を絶縁支持する陰極側支持体20と、X線管14の陽極側を絶縁支持する陽極側支持体22と、X線管14の陰極24に負電位の高電圧を給電する陰極側ケーブルレセプタクル26と、X線管14の回転陽極16に正電位の高電圧を給電する陽極側ケーブルレセプタクル28と、X線管14などを絶縁し、冷却する絶縁油30などを内包する。
次に、X線管14の構造について説明する。X線管14は、熱電子を発生する陰極24と、陰極24からの熱電子が衝突してX線を発生する回転陽極16と、陰極24と回転陽極16とを真空気密に内包し、絶縁支持する外囲器32とから構成される。
陰極24は加熱されて熱電子を放射するフィラメント24aと、この熱電子を集束して回転陽極16上に焦点34を形成する集束電極24bと、集束電極24bを支持するホルダー24cと、ホルダー24cを絶縁支持するステム24dなどから構成される。ステム24dは大部分がガラスまたはセラミックなどの絶縁物から成り、その中央部に複数本のステムリード36が埋め込まれている。ステムリード36は、X線管14内ではフィラメント24aおよびホルダー24bに接続されており、X線管14外では陰極側ケーブルレセプタクル26からの陰極リード38に接続されている。この陰極リード38を経由して、集束電極24bとホルダー24cに負電位の高電圧、フィラメント24aにフィラメント加熱電圧がそれぞれ供給される。
回転陽極16は、陰極24からの熱電子を焦点に受けてX線を発生するターゲット40と、ターゲット40を支持しステータ18から回転駆動力を受けて回転するロータ42と、ロータ42を支持する回転軸44と、回転軸44を回転自在に支持する軸受46と、軸受46を支持する固定部48と、ロータ42と回転軸44を接続し回転軸44への熱伝達を低減する断熱部50と、固定部48とロータ42の間に配設されステータ18からの回転磁界を集める役割を果たす磁性部56などで構成される。
外囲器32は中央に位置しターゲット40などを内包する大径部32aと、陰極24を絶縁支持する陰極絶縁部32bと、回転陽極16を絶縁支持する陽極絶縁部32cなどから構成される。大径部32aは銅やステンレス鋼などの金属材料から成り、その側面のターゲット40上の焦点34に近接する位置にX線放射窓58が取り付けられている。X線放射窓58はX線を外部に取り出すための窓であり、ベリリウムなどのX線透過性の良い材料から成り、ろう付けや溶接によって大径部32aに結合されている。陰極絶縁部32bの主要部はガラスまたはセラミックなどの絶縁物から成り、一端は大径部32aと結合され、他端は陰極24のステム24dと結合されている。陽極絶縁部32cも主要部はガラスまたはセラミックなどの絶縁物から成り、一端は大径部32aと結合され、他端は回転陽極16の固定部48に結合されている。
また、X線管14の陽極側においては、回転陽極16の固定部48の陽極端48bが陽極側支持体22によって支持されるとともに、陽極側ケーブルレセプタクル28からの陽極リード54が接続され、この陽極リード54を経由して正電位の高電圧が供給される。
次に、図2を用いて本実施例の要部となる回転陽極の構造の詳細について説明する。図2において、図2(a)は回転陽極全体の構造図、図2(b)、図2(c)は要部拡大図である。先ず、図2(a)を用いて回転陽極の全体構造について説明する。図2(a)において、本実施例の回転陽極16のターゲット40はタングステンまたはタングステン合金などから成る円盤状体で、その裏面にターゲットの熱容量を大きくするために、モリブデン板やグラファイト板などが裏打ちされている。ターゲット40は陰極24の集束電極24bと対向して配置され、この集束電極24bに対向する傾斜面に焦点34が形成される。ロータ42はターゲット40を支持する細径部42aと、X線管14の外部に配置されたステータ18から回転駆動力を受ける大径部42bと、両者を結合する接続部42cとから構成される。ロータ42の細径部42aはモリブデンなどの高耐熱、高強度の金属材料から成り、大径部42bは円筒状をしており、銅などの高導電性の金属材料から成る。ロータ42の接続部42cは高強度の金属材料から成り、細径部42aおよび大径部42bとろう付けなどにより結合されている。
ロータ42と回転軸44とはロータ42の接続部42cにおいて結合されている。ロータ42の回転軸44との結合は、直接結合される場合と、両者の間に断熱部50が挿入される場合がある。後者の場合、断熱部50はロータ42と回転軸44との間の熱抵抗を大きくして、ターゲット40で発生した熱が軸受46に極力伝わらないようにしている。このため、断熱部50は薄肉の円筒部を有し、熱伝導率の低いステンレス鋼などから成る。この断熱部50は通常X線管の回転陽極16の熱容量の大きい場合に適用される。本実施例では、後者の構造を採用している。
回転軸44はロータ42または断熱部50と結合する円板状のフランジ部44aと、2個の軸受46と結合する細径部44bとを有し、高強度の鋼材などから成る。軸受46は外輪と内輪とボールなどで構成され、高強度の鋼材などから成る。ボールの表面や外輪、内輪の転走面には潤滑剤が適当な膜厚で付着されている。潤滑剤としては、真空中で使用されることを考慮して、銀や鉛などの軟らかい金属または二硫化モリブデンなどの劈開しやすい化合物などが用いられる。軸受46の内輪は回転軸44の細径部44bの表面に内輪の転走面を設けることで省略される場合もある。図2(a)に図示した回転軸44もこの例である。軸受46は2個用いられており、適当な間隔をとって回転軸44の細径部44bに取り付けられている。軸受46は固定部48の中空部52の壁面に固定されている。
固定部48は軸受46を支持する円筒部48aと、回転陽極16全体の支持部となる陽極端48bと、外囲器32の陽極絶縁部32cに接続されるリング部48cなどを有する。円筒部48aと陽極端48bは通常一体で作られており、銅やステンレス鋼などの金属材料から成る。円筒部48a内側は中空部52を形成し、その底部62は陽極端48bの付け根の近傍に位置する。固定部48の円筒部48aの内側の中空部52に回転軸44と軸受46が収容され、中空部52の壁面に2個の軸受46の外輪が適当な間隔をとって固定される。
固定部48の円筒部48aとロータ42の大径部42bとの間には円筒状の磁性部56が配設されている。磁性部56は鉄などの強磁性の金属材料から成り、ステータ18からの回転磁界を集める役割をしている。この磁性部56は固定部48の円筒部48aまたはロータ42の大径部42bに固定されるが、本実施例では固定部48の円筒部48aの外周に固定される。磁性部56の厚さは1mm前後(0.5mm〜3mm程度)であり、陽極端48b側の長さに関してはロータ42の大径部42bの陽極端48b側の端部よりも少し長く、例えば5〜10mm延在している。
次に、本実施例の要部となる回転陽極16の固定部48およびその周辺の構造について、図2(a)を参照しながら、図2(b)および図2(c)を用いて説明する。本実施例では、固定部48の円筒部48a側面に、その内側の中空部52を覗くことができる穴60を設け、その蓋として固定部48の外周に配設された磁性部56を利用している。図2(b)は固定部48の穴60が開放された状態を、図2(c)は固定部48の穴60が磁性部56によって閉塞された状態を、それぞれ示している。
図2(a)、図2(b)において、固定部48の円筒部48aの内側には、前述の如く、回転軸44や軸受46などを収容する中空部52が設けられている。この中空部52は陽極端48の付け根に近い部分まで延在しており、その端部にほぼ平面状の底部62が存在する。固定部48の円筒部48aの側面には、その中空部52に貫通する穴60があけられている。穴60は直径約5mm程度の円形のものである。この穴60の寸法は直径5mmに限定されず、必要に応じて大きくしたり、小さくしたりしてもよい。しかし、この穴60は中空部52の内部を覗くためのものであるので、可能な範囲で大きい方が好都合である。穴60の形状は円形に限定されず、多角形などでもよいが、加工性の点からは円形のものが有利である。穴60の位置は、中空部52の底部62の近傍で、穴60を通して外部から底部62の状態が観察できるような位置がよい。また、ロータ42の大径部42bの端部との位置関係では、穴60は回転陽極16を組立てた際にも外部より見えるように、ロータ42の大径部42bの端部より陽極端48b側に位置してなければならない。
固定部48の穴60の蓋の役割を果たす磁性部56は、固定部48の円筒部48aの外周に取り付けられ、その外周で固定部48の中心軸方向に移動されるため、その内径は固定部48の円筒部48aの円筒部48aの外径との間で摺動可能なように作られている。磁性部56の陽極端48b側の端部には、固定部48の外周に固定するための皿穴66が設けられている。この皿穴66に対応して、固定部48の外周の側面の穴60に近接する位置に、磁性部56を固定するためのねじ穴64が設けられている。図示の場合、ねじ穴64の位置は穴60よりも陽極端48b側にあるが、これに限定されず、穴60の位置と同じ周方向の位置などにあってもよく、磁性部56を固定したときに皿ねじがロータ42の大径部42bにかからない範囲に配置されていればよい。
図2(c)は固定部48の穴60が閉塞された状態を示している。図2(c)では、図2(b)に対し、磁性部56が固定部48の外周上を陽極端48b側へ摺動して移動され、皿ねじ68によって固定部48の外周に固定されることにより、固定部48の穴60を閉塞している。図2(c)の状態は通常回転陽極16の組立完了時の状態に相当する。ここで、磁性部56を固定するねじとして直径3mm程度の皿ねじ68を使用しているが、これに限定されず、寸法の異なるねじを使用してもよく、また他の種類のねじを使用してもよいことは言うまでもない。
本実施例のX線管装置10の回転陽極16においては、組立時に図2(c)の如く組立てられ、組立後に図2(b)の如き構造にすることが可能となっている。すなわち、組立時は図2(c)に示す如く、固定部48の外周の正規の位置に磁性部56が配置され、皿ねじ68で固定されることにより、固定部48の中空部52から外部に通じている穴60が塞がれる。さらに、組立後においても、皿ねじ68を取りはずして、磁性部56をターゲット40側に移動することによって穴60が現れ、この穴60を通して固定部48の中空部52の内部を覗くことが可能となる。
次に、本実施例の効果について説明する。本実施例のX線管12の回転陽極16の組立工程においては、軸受46に潤滑剤を付着させた後、その軸受46を回転軸44の細径部44bに取り付け、固定部48の中空部52に挿入し、固定する。その後、固定部48の外周に磁性部56を取り付けた後に、ロータ42を回転軸44のフランジ部44aに結合する。(断熱部50を用いる場合には、回転軸44のフランジ部44aとロータ42の接続部42cの間に挿入する。)最後に、ターゲット40をロータ42の細径部42aに取り付けることによって、回転陽極16の組立が完了する。
回転陽極16の組立後には、軸受46への潤滑剤の付着を良好にするために、回転陽極16の慣らし回転を行う。回転する雰囲気としては、窒素ガス中や真空中など、潤滑剤を劣化させない雰囲気が用いられる。この慣らし回転によって、軸受46の潤滑剤はボールや内、外輪の転走面に良く付着するとともに、一部の余分な潤滑剤などは軸受46から脱落し、固定部48の中空部52内の部品や中空部52の内面に付着する。慣らし回転後、回転陽極16をターゲット40が上側となる垂直位置で保持し、回転陽極16を叩いたり振動させたりして、回転陽極16に衝撃を与えると、上記の脱落した潤滑剤のうちの大部分は固定部48の中空部52の底部62に落下して来て溜まる。
この状態で、磁性部56を固定している皿ねじ68を取りはずして、磁性部56をターゲット40側に移動することにより、穴60が現れるので、この穴60から固定部48の中空部52内の底部62およびそのまわりを見ることができ、潤滑剤の脱落状況を確認することができる。ここで、確認される潤滑剤の脱落量(底部62まで脱落して来たもの)や底部62のまわりの潤滑剤の付着状況などのデータは個々の回転陽極16の回転性能と関連した指標として利用できる。また、これらのデータは回転陽極16の回転性能の管理データとして、回転陽極16の製造プロセスへフィードバックして回転性能の改良にも利用することができる。この結果、回転陽極16の回転性能の信頼性を向上することが可能となる。
また、固定部48の中空部52内の底部62に落下した脱落潤滑剤については、穴60から外部に取り出し、除去される。外部に取り出した脱落潤滑剤については、通常重量などの計測や外観検査などが行われる。これらのデータは上記の如く回転陽極16の回転性能の管理データとして利用される。脱落潤滑剤の除去後には、再度磁性部56を陽極端48b側に移動し、皿ねじ68によって固定部48に固定して、穴60を塞ぐ。
上記の脱落潤滑剤除去作業によって、回転陽極16の組立時に固定部48の中空部52内に残存する脱落潤滑剤の量を激減させることができる。この結果、従来回転陽極16の固定部48の中空部52からロータ42と固定部48および磁性部56の隙間を経由してX線管12内に漏れ出して行く脱落潤滑剤の量が激減するため、この脱落潤滑剤に起因して発生するX線管12内の放電も激減させることができ、X線管装置10の耐電圧特性を大幅に向上させることができる。
また、上記の潤滑剤の脱落状況の確認作業については、回転陽極16の慣らし回転後のみならず、回転陽極16の回転バランス調整時その他、製造工程中において回転陽極16を回転させた作業の後に、必要に応じて行うことができる。
次に、本発明に係るX線管装置の第2の実施例について説明する。本実施例は、上記の第1の実施例に対し、X線管装置に内挿される回転陽極X線管の回転陽極の構造を除いてほぼ同じ構造をしているので、以下図3を用いて、本実施例の回転陽極の構造について説明する。図3は本実施例の回転陽極の要部の断面図を示したものである。図3において、図3(a)は、回転陽極の固定部近傍のX線管軸方向の断面図、図3(b)、図3(c)は図3(a)のA−A’線での断面図で、図3(b)は固定部に設けた穴に蓋をした状態を、図3(c)は固定部に設けた穴を開放にした状態を、それぞれ示している。図3(a)において、本実施例の回転陽極70は第1の実施例と同様にターゲット40とロータ42と回転軸44と軸受46と固定部48と磁性部72などから構成される。ターゲット40とロータ42と回転軸44と軸受46と固定部48は第1の実施例とほぼ同じ構造をしており、磁性部72の構造のみが異なる。
図3(a)〜 図3(c)において、固定部48の円筒部48a側面には、中空部52の底部62に近接して、第1の実施例と同様に、穴60が設けられており、磁性部72には穴60とほぼ同じ直径の連結穴74が設けられている。磁性部72の連結穴74は磁性部56の陽極端48b側の端部に設けられており、磁性部72を固定部48の円筒部48の外周上で回転摺動させることにより、この連結穴74と固定部48の穴60が連結するように構成されている。また、固定部48の中空部52の底部62の近傍にはねじ穴64が、磁性部72の端部には皿穴66が、それぞれ設けられている。
本実施例のX線管装置の回転陽極70では、その組立時には図3(a)、図3(b)に示す如く、固定部48の円筒部48aの外周に磁性部72を取り付ける際に、固定部48の穴60が塞がれるようにして、磁性部72を皿ねじ68によって固定する。回転陽極70の部品組立後、慣らし回転などの軸受46の回転操作を行ったあとでは、図3(c)に示す如く、皿ねじ68をはずし、磁性部72を回転摺動させて、固定部48の穴60に磁性部72に設けた連結穴74を重ね合わせることにより、固定部48の中空部52の内部の観察することができる。この中空部52の観察では第1の実施例と同様に、中空部52の底部62およびその近傍への脱落潤滑剤の付着状況の観察や底部62に落下した脱落潤滑剤の量の計測、その除去などが行われる。中空部52の観察後には、磁性部72を回転摺動して元の位置に戻し、皿ねじ68によって固定する。
本実施例では、第1の実施例の如く磁性部56を固定部48の中心軸方向に移動することもなく、磁性部72を固定部48の周りに回転摺動するのみで、固定部48の穴60を塞いだり開けたりすることが可能となっている。このため、固定部48の円筒部48aの長さが短いときや磁性部72の長さが長いときなど、磁性部72を固定部48の中心軸方向に移動することが困難な場合などには、本実施例は特に有効である。
次に、本発明に係るX線管装置の第3の実施例について説明する。図4は本実施例の回転陽極の要部の断面図を示したものである。本実施例も、上記の第1の実施例に対し、X線管装置に内挿される回転陽極X線管の回転陽極の構造を除いてほぼ同じ構造をしている。以下、図4を用いて回転陽極の構造について重点的に説明する。図4において、図4(a)は回転陽極の固定部近傍のX線管軸方向の断面図、図4(b)、図4(c)は図4(a)の固定部の穴の近傍の拡大断面図である。図4(b)は固定部に設けた穴に蓋をした状態を、図4(c)は固定部に設けた穴を開放にした状態を、それぞれ示している。図4(a)において、本実施例の回転陽極80は、第1の実施例と同様に、ターゲット40とロータ42と回転軸44と軸受46と固定部48と磁性部82などから構成される。ターゲット40とロータ42と回転軸44と軸受46は第1の実施例とほぼ同じ構造をしており、固定部48と磁性部82の構造が異なる。
図4(a)〜 図4(c)において、固定部48の円筒部48a側面には、中空部52の底部62に近接する位置に、第1の実施例とは異なる形状の穴84が設けられている。この穴84はザグリ穴84aとねじ穴84bとから成り、ねじ穴84bの直径が第1の実施例の穴60の直径とほぼ同じになっている。図4(a)、図4(b)においては、穴84に蓋86が取り付けられ、穴84は塞がれている。蓋86は上部にフランジ部86a、下部にねじ部86b、フランジ部86aの上面にスリット状の溝86cを有し、ねじ部86bを固定部48の穴84のねじ穴84bに嵌合させ、スリット状の溝86cを用いて締め付けることにより、穴84が塞がれる。
図4(c)では、蓋86が固定部48の穴84から取りはずされて、穴84は開放された状態にある。磁性部82は中心軸方向の長さが第1、第2の実施例のものより少し短めに作られており、固定部48の円筒部48の外周に取り付けた時に、その穴84側の端部が穴84にかからないような寸法になっている。また、磁性部82の固定部48の外周への取り付けは、回転軸44や軸受46などを固定部48の中空部52に組み込む時に一緒に行われ、あと固定したままとなる。磁性部82の固定は他の実施例と同様皿ねじなどで行われる。
本実施例のX線管装置の回転陽極80では、その組立時には、図4(a)、図4(b)に示す如く、固定部48の穴84に蓋86をねじ込むことにより、固定部48の穴84を塞ぐ。回転陽極80の部品組立後、慣らし回転などの軸受46の回転操作を行ったあとでは、図4(c)に示す如く、蓋86をはずして穴84を開放状態にすることにより、固定部48の中空部52の内部を観察することができる。この中空部52の観察では、他の実施例と同様に、中空部52の底部62およびその近傍への脱落潤滑剤の付着状況の観察や底部62に落下した脱落潤滑剤の量の計測、その除去などが行われる。中空部52の観察後には固定部48の穴84に蓋86を取り付けて塞ぐ。
本実施例では、固定部48の穴84に蓋86を取り付けたり、取りはずしたりすることにより、固定部48の中空部52に貫通する穴84を塞いだり、開放したりすることができるので、この穴84を通して、回転陽極80の慣らし回転後などの軸受46の潤滑状態の管理と脱落潤滑剤の除去を行うことができる。その結果、X線管の回転寿命の向上やX線管内での脱落潤滑剤による放電の防止などを図ることができる。
以上説明した如く、本発明によれば、X線管装置に内挿する回転陽極X線管の回転陽極を構成する固定部の側面に、回転軸や軸受を収容する中空部に貫通する穴およびそれを塞ぐ蓋を設けているので、回転陽極の製造時において固定部の中空部の内部の観察などを行うことができる。その結果、回転陽極の製造時の軸受の慣らし回転後などに、蓋を開けて固定部の中空部内における軸受の潤滑剤の脱落状況の観察や脱落潤滑剤の量の計測並びに脱落潤滑剤の除去などを行うことができるので、直接的にはX線管の回転寿命の向上とX線管内の放電の低減を図ることができ、間接的にはこれらを管理データとして回転陽極の製造工程にフィードバックすることにより、X線管の回転性能および放電防止に関する製造ばらつきを抑制することができ、製品の信頼性を向上することができる。また、固定部の中空部内の観察後には、穴に蓋をしているので、脱落潤滑剤が固定部の中空部内から外部に漏出する量は激減し、X線管の放電の低減に大きく貢献する。
また、本発明によれば、回転陽極の固定部の側面に、中空部に貫通する穴を設け、この穴の開閉を固定部の外周に配設される磁性部を固定部の中心軸方向または周方向に移動することにより行っているので、特別な蓋部品を設けることなく、回転陽極の製造時に固定部の中空部の内部の観察などを行うことができる。
本発明に係るX線管装置の第1の実施例の構造図。 第1の実施例の要部となる回転陽極の構造図。 本発明に係るX線管装置の第2の実施例の回転陽極の要部の断面図。 本発明に係るX線管装置の第3の実施例の回転陽極の要部の断面図。
符号の説明
10・・・X線管装置
12・・・回転陽極X線管(X線管)
14・・・X線管容器
16、70、80・・・回転陽極(陽極)
18・・・ステータ
24・・・陰極
32・・・外囲器
40・・・ターゲット
42・・・ロータ
42b・・・大径部
44・・・回転軸
46・・・軸受
48・・・固定部
48a・・・円筒部
48b・・・陽極端
50・・・断熱部
52・・・中空部
56、72、84・・・磁性部
60、84・・・穴
62・・・底部
64・・・ねじ穴
66・・・皿穴
68・・・皿ねじ
74・・・連結穴
86・・・蓋

Claims (8)

  1. X線源となる円盤状のターゲット、前記ターゲットを支持する細径部と円筒状で高導電性の大径部と両者を結合する接続部とを有するロータ、前記ロータを当該ロータの接続部において支持する回転軸、前記回転軸を回転自在に支持する軸受円筒部を有して当該円筒部の内周側で前記軸受を支持する固定部、および前記ロータの大径部と前記固定部の円筒部との間に配設された強磁性体から成る磁性部を有する回転陽極と、前記回転陽極のターゲット上にX線源となる焦点を形成するための電子流を放出する陰極と、前記回転陽極と前記陰極とを絶縁支持し真空気密に封入する外囲器とを具備する回転陽極X線管を、防X線、防電撃構造のX線管容器内に絶縁油にて浸漬して収納するX線管装置であって
    前記回転陽極の固定部の円筒部の側面に設けられた、当該円筒部の内側の中空部に貫通する穴と、
    前記穴を開閉自在に覆う蓋手段と、を備え、
    前記穴は、前記ロータの大径部の端部より前記回転陽極の陽極端よりに位置すること
    を特徴とするX線管装置。
  2. 請求項1記載のX線管装置であって、
    前記穴は、当該穴を通して、外部から、前記中空部の前記回転陽極の陽極端側の端部を目視可能な位置に設けられていること
    を特徴とするX線管装置
  3. 請求項1または2記載のX線管装置であって、
    前記蓋手段は、前記磁性部により実現され、
    前記磁性部は、円筒形状を有し、前記円筒部の外周上で回転可能に配設されるとともに、当該磁性部を貫通し、前記穴と略同じ大きさの連結穴を備え、
    前記連結穴は、前記円筒部の中心軸方向に関して前記穴と略同位置に設けられること
    を特徴とするX線管装置
  4. 請求項1または2記載のX線管装置であって、
    前記穴は、ザグリ穴とねじ穴とを備え、
    前記蓋手段は、ザグリ穴に嵌合するフランジ部と前記ねじ穴に嵌合するねじ部とを有すること
    を特徴とするX線管装置
  5. 請求項1または2記載のX線管装置であって、
    前記蓋手段は、前記磁性部により実現され、
    前記磁性部は、前記円筒部の外周上で前記固定部の中心軸方向に摺動可能に配設され、
    前記磁性部の前記円筒部の中心軸方向の長さは、前記ロータの大径部の前記回転陽極の陽極端側の端部の位置より長く、前記ターゲット側に摺動させた際、前記穴を塞がない長さであること
    を特徴とするX線管装置
  6. X線源となる円盤状のターゲット、前記ターゲットを支持する細径部と円筒状で高導電性の大径部と両者を結合する接続部とを有するロータ、前記ロータを当該ロータの接続部において支持する回転軸、前記回転軸を回転自在に支持する軸受円筒部を有して当該円筒部の内周側で前記軸受を支持する固定部、および前記ロータの大径部と前記固定部の円筒部との間に配設された強磁性体から成る磁性部を有する回転陽極と、前記回転陽極のターゲット上にX線源となる焦点を形成するための電子流を放出する陰極と、前記回転陽極と前記陰極とを絶縁支持し真空気密に封入する外囲器とを具備する回転陽極X線管を、防X線、防電撃構造のX線管容器内に絶縁油にて浸漬して収納するX線管装置であって、前記回転陽極の固定部の円筒部の側面に設けられた、当該円筒部の内側に貫通する穴であって、前記ロータの大径部の端部より前記回転陽極の陽極端よりに位置する穴と、前記穴を開閉自在に覆う蓋手段と、を備えるX線管装置における前記回転陽極の製造方法であって、
    前記軸受に潤滑剤を付着させた後、前記回転陽極を組み立て、前記穴を前記蓋手段で塞ぐステップと、
    前記回転陽極の慣らし回転を行うステップと、
    前記回転陽極を前記ターゲットが上側となる垂直位置で保持しながら当該回転陽極に衝撃を与えるステップと
    前記蓋手段により前記穴を開け、脱落した潤滑剤を除去する除去ステップと、
    前記穴を前記蓋手段により再度塞ぐステップと、を備えること
    を特徴とする回転陽極の製造方法。
  7. 請求項6記載の回転陽極の製造方法であって、
    前記除去ステップにおいて、さらに、前記潤滑剤の脱落状況を確認すること
    を特徴とする回転陽極の製造方法
  8. 請求項6または7記載の回転陽極の製造方法であって、
    前記除去ステップ後に、前記除去した潤滑剤の量を計測するステップをさらに備えること
    を特徴とする回転陽極の製造方法
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