JP4173203B2 - 液体加熱容器のための加熱要素 - Google Patents
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Description
こうした形式の加熱要素は、電気湯沸かし器に次第に多く用いられるようになっており、この加熱要素は、湯沸かし器内部の清掃がより楽であり、また従来の浸水式加熱要素が必要とするよりも、加熱要素を覆うのに必要な水の量がより少なくて済むため、少量の水を沸かすことが可能であるという利点を有する。安全の必要性から、電気湯沸かし器の過熱が生じた場合(例えば沸騰しないための蒸気感受性のカットオフスイッチ、あるいは水が入っていないのにスイッチがオンになった場合)に、加熱要素への電気の供給を止めることを保証する、二つの防護装置を必要とする。従来は、二つの過熱防護装置は電気湯沸かし器の制御ユニットと一体となっており、その一方あるいは両方の過熱防護装置は、バイメタル帯材が所定の温度に達した時にスイッチオフとなるバイメタル式スイッチを具えても良い。これに加えて、あるいはその代わりに、制御ハウジングの一部を、所定の温度で溶融するプラスチックから形成しても良く、それによって、他の全ての過熱防護装置が破損した際に、制御ハウジングの本体が溶融して要素を移動させて、加熱要素への電気の供給を遮断することとなる。もし、この溶融式の防護を用いる場合、バイメタル式スイッチの形を取る一つの熱防護装置のみが必要となり得る。
欧州特許第715483号は、基板上に設けた導電性の加熱トラックを具え、このトラックが二つの接点端子の間に延在する電気加熱要素を開示する。このトラックは、加熱要素の周縁部の周りに延在する第一の部分を具え、この部分はトラック中の加熱されない部分である。この第一の部分は、それに続く第二の、内側のトラックの加熱部分と接続する。トラックの非加熱部分は熱ヒューズとして働き、加熱要素が過熱した時に、二つの接点パッドの間の接続を切断する。
本発明は、加熱トラック自体が熱ヒューズとして働くことができ、それによって熱ヒューズとして働くために設けられた追加の非加熱トラック部分を必要とすることが避けられるものを実現することに基づくものである。
本発明の第一の特徴によれば、本発明は、液体加熱容器のための加熱要素であって、金属製基板と、前記基板上に設けた絶縁体層と、前記絶縁体層上に設けた電気伝導性の加熱トラックとを具え、前記加熱トラックが二つの接点パッドの間に延在する経路を具え、また前記加熱トラックは、当該トラック部分の相対的に高い密度の領域と、相対的に低い密度の領域とを規定した加熱要素において、前記接点パッドを前記相対的に密度の低い領域に配置し、前記トラックのレイアウトを、前記要素の過熱が生じた場合に、前記加熱トラックの前記高い密度の領域内の予定された位置において、当該トラックの断線が生じるように設計した加熱要素を提案するものである。
本発明の加熱要素においては、トラックのレイアウトを、当該トラックの高密度領域と低密度領域とを有し、これが加熱トラックによる局所的な過熱点(hot spot)を生じさせるように設計する。これらの過熱点を適切に設定することにより、過熱発生時におけるトラック断線箇所を選択することが可能となり、そのため加熱トラックが信頼性の高いヒューズとして働くことができるようになる。断線が生じる位置は重要である。なぜならば、これが、トラック断線の際に高い電流サージが発生する危険性のみならず、アークが発生する危険性をも最小化するからである。
前記予定位置は接点パッドから離れていることが望ましく、それによって、選択された位置でトラックが断線した時に、潜在的に火災に至ることがあり得る、断線箇所から接点パッドへのアークが発生しなくなる。
トラック断線時に発生する電流サージのレベルを制限するために、トラックの断線を加熱トラックの中間部に向けて発生させることが望ましく、そのため断線箇所と各接点パッドとの間に、加熱トラックの抵抗部分を設ける。したがって、接点パッドに印加される電圧の極性にかかわらず、高電圧側(電気が流れている側)の接点から断線箇所への経路において、いくらかの抵抗が生じ、これがトラック断線時に生じる電流サージを制限する。
したがって、本発明の第二の特徴によれば、本発明は、液体加熱容器のための加熱要素であって、金属製基板と、前記基板上に設けた絶縁体層と、前記絶縁体層上に設けた電気伝導性の加熱トラックとを具え、前記加熱トラックが二つの接点パッドの間に延在する経路を具え、また前記加熱トラックが、当該トラックの部分の相対的に高い密度の領域と、相対的に低い密度の領域とを規定した加熱要素において、前記接点パッドが、当該加熱要素の内側部分の低密度領域に配置され、前記加熱トラックの部分が前記二つの接点パッドから、低密度領域を通して当該加熱要素の外側部分へと半径方向外側へ延在するように直接導かれ、当該要素の中心部に向かって進行する経路を進む加熱要素を提案するものである。
加熱トラックの断線箇所が、局所的な過熱点の条件が高電圧と同様に存在する加熱トラックの箇所で生じることが見出されている。その結果、加熱トラック部分が接点パッドから加熱要素の周縁部へと、当該要素の低密度領域を通して延在する時、接点パッドに隣接する加熱トラックの部分における当該加熱トラックの断線が避けられる。それ故、断線による最大電流サージを減少させることが可能となる。さらに、加熱トラックが要素の中心部に向かって進む経路に続く時、発生し得る複数の断線は加熱要素のより冷却された部分に向かって外側へ進行し、それゆえ消滅する。
トラックの相対的に密度の高い領域は、二つ以上の加熱トラック部分が近接し、かつ互いにほぼ平行となる領域を具えることが望ましい。
本発明はまた、本発明による加熱要素を含む電気湯沸かし器を提案するものである。本電気湯沸かし器は単一の過熱制御装置を具えても良く、それによって加熱トラック自体および過熱制御装置が、共に、二段階の過熱防護を提供する。
本発明を、添付図面に示した例示を参照してより詳細に説明する。
図1は、本発明による加熱要素のトラック形状を示すものである。
図2は、本発明による加熱要素を設けた電気湯沸かし器を示すものである。
図1は、本発明による加熱要素の平面図を示すものである。図ではその構成が詳細には示されてはいないが、本加熱要素は、絶縁性の誘電体層と、電気抵抗を有する加熱トラック4をその絶縁層の上に設けた基板を具える。
基板は、鋼またはステンレス鋼のような熱伝導性材料の板を具える。水を加熱する用途において、耐食性が有用であることからステンレス鋼が望ましい。基板は、通常金属の平坦なシートとして形成され、いかなる適切な形状としても良い。基板上に形成した絶縁層は、例えばガラスセラミックまたはポーセレンエナメル材料としても良い。その被覆の選択として、印刷、噴霧または浸漬を行っても良い。当業者であれば、種々の誘電体を選択することができ、また絶縁層を形成するための種々の適切な技術が利用できることを評価するであろう。
加熱トラック4は、厚膜技術を用いて絶縁層上に形成され、二つの端子6の間を接続する抵抗体の経路を具える。
本発明は、加熱トラックのレイアウトが信頼性の高いヒューズをもたらすように設計することが可能であれば、加熱トラックが過熱防護装置として機能しうることが実現できることに基づくものである。このことは、加熱トラックのレイアウトを、安全性の考慮を要求する別の熱的な過熱防護装置の一つに置き換えることを可能とする。
種々の要因が過熱を断ち切る間の加熱トラックを断線させる方法に影響し、またこれら要因は、加熱トラックのレイアウトを設計する際に考慮されなければならない。
本願発明者により、特殊なトラック形状のために、(全ての他の過熱防護装置が使用不能の際に生じる)加熱トラックの溶融は、常に一つまたはそれ以上の特定の箇所で生じることが見出された。局所的な過熱点が発生する加熱要素の領域においてトラックの溶融が生じ、この過熱点内でトラックに最大電圧が印加されることにより断線することが見出された。加熱トラック4の接点パッド6の一つは電気の流れている端子(a live terminal)と接続し、もう一つは中性端子(a neutral terminal)と接続する。したがって、加熱要素の過熱点中の、電気の流れている端子に最も近いトラックで最初に断線が生じる。トラックが断線する間、加熱要素を貫通してブローホールが生じ、電流が加熱トラックからそこを貫通して下の金属製基板へと瞬間的に流れ得ることとなる。そのため、このブローホールが、電流サージの間に加熱要素の断線が生じる原因となる。
もし加熱トラックの溶融が過熱防護装置として働くのであれば、過熱装置の動作が、プラグヒューズや屋内配線の本線中の全てのヒューズを含む、いかなる外部ヒューズの切断を生じさせないことが必要である。それゆえ、電流サージの発生する時間のみならずサージ電流のピークを制限するために、トラック断線の間に生じる電流サージの制御が必要である。
もし過熱点が加熱要素の接地点に隣接して、あるいは接点パッド6に隣接して発生した場合、トラックは、接地点または接点パッドと、過熱点内の最も近い箇所との間で生じるアークにより断線し得る。これは、より大きなサージ電流が発生し得る結果となる、ほとんど予測し難い溶融作用をもたらすこととなる。
図1に示すトラック形状は、上述した考慮すべき事項に留意して設計されたものであり、以下の記述において説明する。
上述したように、加熱トラック4は二つの接点パッド6の間に延在する経路を具える。加熱トラックの配置は、加熱トラックの経路の異なる密度を有する基板の異なる領域をもたらすこととなる。例えば図1において、領域8はトラック部分の密度が比較的高い領域であると考えて良く、また、それ以外の領域はトラック部分の密度が比較的低い領域であると考えて良い。これに関し、高い密度の領域は、二本以上の加熱トラック部分が互いにほぼ平行に、かつ互いに近接している領域であると定義して良い。しかしながら、本発明の目的のために、要素の選択した領域は、加熱トラック部分によって密度が他の領域よりも集中していることが必要なだけであり、そのため過熱点は、加熱要素基板の予め定義された箇所に発生することとなる。
図1に示す加熱トラックは二つの接点パッド6と、適切な制御ユニットを通してこれら接点パッドを経る加熱要素とのコンセントからの接続部とを具える。制御ユニットと加熱要素との接続は、接地点10として示す。接点パッド6および接地点10は、それぞれ加熱要素の密度が低い領域に配置される。これら端子は、それゆえ加熱要素の過熱点からは離間する。
上述したように、トラックの断線は接点パッド6からいくらか離れた箇所で発生することが望ましく、そのため断線箇所と電気の流れている端子(これは接点パッド6の一方または他方であろう)との間にはいくらかの抵抗がある。幾つかの国においては、極性を逆にできるプラグソケットの結果として、接点パッド6を電気が流れている側と接続する、および中性側と接続すると定義することは不可能である。その結果、断線箇所はどちらかの接点端子6から加熱トラックに沿っていくらか離れた所で発生するはずであり、このことは、加熱トラックの形状を、二つの接点端子から等距離の線(図1の垂直線12)に対して対称とすることが望ましい特徴であることをもたらす。
トラックの断線が接点パッド6から加熱トレード(the heating trade)に沿ってわずかな距離の箇所でしか生じないことを保証するために、接点パッド6から直ちに導かれるトラック部分14が、加熱要素の、使用時には比較的冷えた領域となる、加熱要素の周縁の低密度領域を通して延在する。この時、加熱トラック部分は、高密度領域8内の、矢印16で示される内向きの経路の方へ進む。
図1に示すトラック形状は、過熱試験の際に、おおよそ符号18で示す箇所(接点パッド6の極性に依存する)で断線した。したがって、加熱要素の形状は、電気の流れている側の端子と断線箇所との間にいくらかの加熱トラックが存在することを保証し、それによってブローホール(断線箇所)を通して基板へ流れる最大電流が制御される。
加熱トラックの最初の断線の後、第二および、さらなる断線が、電気の流れる端子に向かって加熱トラックに沿って連続的に発生し得ることが見出される。これは、最初の断線後には接点パッド6間には加熱トラックに沿って電流が流れることができず、加熱要素の過熱点は存在し続け、また、加熱トラックに熱が蓄積される結果として、加熱要素の温度が上昇し続けることにより生じるものである。それ故、さらなるブローホールが、加熱トラックに沿って、より高い電圧の箇所に発生し得る。このことは、符号18a,18b,18c,18dで示す連続的なブローホールを、この順番で発生させ得るものとなる。各々の場合において、ブローホールは、図示のように電流の流れている端子に向かって進行し、またトラック部分を横切ってスキップし得る。矢印16で示す、加熱要素が内側へ進行する結果として、これらブローホールは加熱要素の外周に向かって外向きに進行する。加熱要素の外周が、要素の温度がより低い領域であるため、断線が過熱点の縁部に達しようとする点において、電圧と温度が組み合わさっても、もはやトラックの断線を発生させるに十分なものとはなくなる。その結果、ブローホールは時間と共に消滅する。
このことは、重要な考察であることが見出される。なぜならば、もし、多量のブローホールの連続的な発生が許容されるのであれば、プラグヒューズを飛ばすのに十分な大量のサージ電流を発生させ得るからである。本発明によるトラック形状は、ブローホールのあらゆる連続的な発生が時間と共に消滅することを保証し、それによって温度的に過熱される間の電流サージの発生が抑制される。
あらゆる特殊なトラック形状により生じる温度分布は、他の過熱防護装置を使用不能にした状態で加熱トラックに電圧を印加した時に、熱画像化技術を用いて調べることが可能である。これは、トラック形状に対する断線箇所を正確に予測することを可能とする。
本発明による加熱要素は、種々の加熱容器に適用し得るが、一つの好適な例として、図2には、本発明による加熱要素を組み込んだ電気湯沸かし器を示す。
従来の方法によって、加熱要素は、湯沸かし器20の基部に、加熱トラック4を下に向けて固定される。湯沸かし器の動作中には、熱は加熱要素4から絶縁体層および基板を通して湯沸かし器20の本体22へ伝達される。湯沸かし器20は接地点10で接続する制御ユニット24を含み、この制御ユニットは接点パッド6と電気的に接続する。制御ユニット24はコードレス式、あるいは従来型のコネクタを含んでも良く、また、一つもしくはそれ以上の過熱防護装置を含んでも良い。もし、制御ユニット24に過熱防護装置が一つしか含まれていない場合であっても、加熱トラック自体の熱溶融作用によって、二重の防護が得られることとなる。
Claims (8)
- 液体加熱容器のための加熱要素であって、金属製基板と、前記基板上に設けた絶縁体層と、前記絶縁体層上に設けた電気伝導性の加熱トラックとを具え、前記加熱トラックが二つの接点パッドの間に延在する経路を具え、また前記加熱トラックが、局所的なホットスポットの条件を持つ前記加熱トラックの部分の密度が相対的に高い領域と、前記加熱トラックの部分の密度が相対的に低い領域とを規定した加熱要素において、前記接点パッドを前記密度が相対的に低い領域に配置し、当該加熱要素の過熱が生じた場合に、前記加熱トラックの部分の密度が相対的に高い領域内の局所的なホットスポットにおける予定された位置の断線箇所であって、該断線箇所と前記接点パッドのそれぞれとの間に前記加熱トラックの抵抗部分が存在するところの断線箇所において前記加熱トラックの断線が生じるように前記加熱トラックのレイアウトを設計した加熱要素。
- 前記予定された位置が前記接点パッドから離れた位置にある、請求項1記載の加熱要素。
- 前記加熱トラックは、当該加熱要素の内側部分に配置された前記接点パッドから、使用時には比較的冷えた領域となる当該加熱要素の周縁に向かって外側に進行し、そして、前記加熱トラックの部分の密度が相対的に高い領域を経て前記接点パッドに向かって内側に進行する経路であって、過熱時に断線が連続して生じた場合には、前記断線箇所が、前記加熱トラックから前記基板に電流が流れるようにするブローホールを生じさせながら、前記経路に沿って当該加熱要素の周縁における前記比較的冷えた領域に向かって時間と共に進行するところの経路を含む、請求項2記載の加熱要素。
- 液体加熱容器のための加熱要素であって、金属製基板と、前記基板上に設けた絶縁体層と、前記絶縁体層上に設けた電気伝導性の加熱トラックとを具え、前記加熱トラックが二つの接点パッドの間に延在する経路を具え、局所的なホットスポットを生じさせ、ひいては、断線を生じさせる前記加熱トラックの部分の密度が相対的に高い領域と、前記加熱トラックの部分の密度が相対的に低い領域とを規定した加熱要素において、前記接点パッドが、当該加熱要素の内側部分における前記加熱トラックの部分の密度が相対的に低い領域に配置され、前記加熱トラックの部分が、前記二つの接点パッドからそれぞれ前記加熱トラックの部分の密度が相対的に低い領域を経て直ちに当該加熱要素の外側部分まで半径方向外側へ延在するように直接導かれ、そして、前記加熱トラックの部分の密度が相対的に高い領域を経て当該加熱要素の中心部に向かって進行する経路を進む、加熱要素。
- 前記加熱トラックの部分の密度が相対的に高い領域は、二つ以上の前記加熱トラックの部分が近接し、かつ互いにほぼ平行となる領域を具える、請求項1〜4のいずれか1項記載の加熱要素。
- 前記接点パッドと結合する制御ユニットと、接地部とを更に具え、前記接地部を当該要素の内側部分で、かつ、前記加熱トラックの部分の密度が相対的に低い領域に配置した、請求項1〜5のいずれか1項記載の加熱要素。
- 請求項1〜6のいずれか1項記載の加熱要素を含む電気湯沸かし器。
- 一つの過熱制御装置を具え、前記過熱制御装置および前記加熱トラックが、それによって二段階の過熱防護を設けた、請求項7記載の湯沸かし器。
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