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JP4174019B2 - 金属光沢受容層転写材 - Google Patents
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JP4174019B2 - 金属光沢受容層転写材 - Google Patents

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Description

本発明は、熱転写記録方式を利用して、昇華転写受像シート上に通常の画像と共に金属光沢を有する任意の文字や図柄をフルカラーで記録するための画像形成方法、画像形成物および金属光沢受容層転写材に関する。
従来より、金属光沢を有する画像を形成する方法として、金属光沢層を有する昇華転写リボンとサーマルヘッドとを用いた熱転写記録方式が公知である(例えば特許文献1〜4参照)。
特平開2-238994号公報(特許請求の範囲、実施例1) 特平開7-112572号公報(請求項1、請求項5、図1) 特平開7-304270号公報(請求項5、図1) 特平開9-30139号公報(0006、0007、図1)
例えば、特許文献1には、紙カード、普通紙等の被転写記録媒体の表面に昇華染料に対し染着性を有し、金属光沢の意匠性を有する受容層を形成する方法が記載されている。具体的には「基材/剥離層/受容層/金属蒸着層/接着アンカー層/接着層」の層構成を有する転写リボンを用いて、被転写記録体を重ね、加熱加圧することで、受容層を被転写記録体の表面に転写する。
また特許文献2は「基材/受容層/金属薄膜層/接着層」からなる層構成を有する受容層転写材料が記載されている(図1)。そしてこの受容層転写材料を用いて、被転写体上に受容層を形成した後、支持体上に熱拡散性色素を含有するインクシートのインク層を受容層に対面させ熱エネルギーを与えて色素を拡散させる画像形成方法が記載されている。
上記特許文献3は、基材フィルムに染料受容層及び金属薄膜層を含む転写層を剥離可能に設けて成る受容層転写シートを用いて、物品の表面に転写形成することで、染料受容層を金属薄膜層を転写して、染料受容層にメタリック調の画像を形成する方法が記載されている。
上記特許文献4は、金属光沢を有するカラー表現可能な記録物の記録方法が記載されている。金属光沢を有する熱転写リボンによって、まず金属光沢を層を有する転写部を形成し、その転写部に熱転写リボンによる熱転写などの印刷方式により所望の記録層を形成して、メタリック調のカラー記録物を得る方法が記載されている。
上記特許文献記載の転写層に金属薄膜層と受容層を備える金属光沢受容層転写リボンでは、アンカー層に任意の着色を施すことで金属光沢に着色することが可能である。しかしながらその転写リボンを用いて転写した場合、単色の金属光沢しか付与することができなかった。金属光沢層に任意の色に着色しようとすると、各種の色に着色した金属光沢受容層リボンを多数準備する必要があった。
また上記特許文献に記載の金属光沢受容層転写リボンは、カードやシート状の被転写体に、光沢を有する受容層を全面ベタに一様に転写することを目的としている。この場合、十分な印画性能を確保する為に、転写層の膜厚を厚くせざるを得ない。その結果、転写層のキレ性が十分得られず、転写性が劣り、転写層をパターン状に転写したり、細かい文字など転写することは不可能である。
特に、近年、オンデマンド印刷の形態で、必要に応じて適宜に各種パターンを印刷することが要求されている。しかし、上記従来の金属光沢受容層転写リボンを用いてオンデマンド印刷をしようとすると、転写層のキレ性が不十分で細かいパターンの転写ができない為、そのような用途には利用することはできなかった。
また、金属光沢受容層転写リボンを転写する被転写体が昇華転写用の受像シートである場合、これらの受像シートには転写リボンとの熱融着を防ぐ目的でシリコーン等の離型剤が含まれている。このように受像シートが離型剤を含んでいると、転写リボンの金属薄膜および受容層を含む転写層を転写した際に、受像シートとの間で充分な接着性が得られないという問題がある。
また上記特許文献1および2に記載の金属光沢受像シートは、受容層とアンカー層の層間接着性が低いという問題があった。
本発明は上記従来技術の欠点を解消するためになされたものであり、画像中にフルカラーの金属光沢を持つ任意の部分と写真調のフルカラー画像を併せ持つ高意匠性画像を形成するための画像形成方法、画像形成物を提供することを目的とする。また本発明は、上記画像形成に用いられる金属光沢受容層転写材において、被転写体となる受像シート等に任意のパターン状に金属光沢受容層を良好に転写し得る転写性(キレ性)および光沢性を兼ね備えていると共に、受像シートとの接着性に優れ、受容層とアンカー層間などの層間接着性が良好であり、更に印画離型性を確保することが可能である金属光沢受容層転写材を提供することを目的とする。
本発明は、
)基材の一方の面に離型層、染料受容層、アンカー層、金属蒸着層、接着層が順次設けられ、染料受容層、アンカー層および接着層の厚みがそれぞれ0.2μm〜3μmであり、金属蒸着層の厚みが150Å〜450Åである金属光沢受容層転写材であって、アンカー層が染料受容層の樹脂と同種の樹脂からなり、染料受容層側に形成された第1アンカー層と、Tgが120℃〜280℃の樹脂からなり金属蒸着層側に形成された第2アンカー層とからなることを特徴とする金属光沢受容層転写材、
)基材の一方の面に離型層、染料受容層、アンカー層、金属蒸着層、接着層が順次設けられ、染料受容層、アンカー層および接着層の厚みがそれぞれ0.2μm〜3μmであり、金属蒸着層の厚みが150Å〜450Åである金属光沢受容層転写材であって、アンカー層が、染料受容層の樹脂と同種の樹脂およびTgが120℃〜280℃の樹脂との混合物からなることを特徴とする金属光沢受容層転写材、
前記染料受容層が熱可塑性樹脂と離型剤の混合物であることを特徴とする、前記(1)又は(2)に記載の金属光沢受容層転写材、
を要旨とする。
本発明画像形成方法は、上記構成を採用したことにより、画像中にフルカラーの金属光沢を持つ任意の部分と写真調のフルカラー画像を併せ持つ高意匠性画像を容易に形成することができる。
また、本発明金属光沢受容層転写材は、染料受容層、アンカー層および接着層の厚みがそれぞれ0.2μm〜3μmとし、金属蒸着層の厚みを150Å〜450Åとして、転写層の厚みを特定の範囲に限定したことにより、転写性(キレ性)が良好となり優れた転写性が得られた。その結果、転写層をパターン状に転写したり、細かい文字などを確実に転写して形成することが可能となった。このような細かいパターンの転写が可能となったことから、従来は不可能であった、オンデマンド方式により任意のパターンにフルカラーの金属光沢受容層を形成することが実用化できた。
金属光沢受容層転写材とし染料受容層が熱可塑性樹脂と離型剤の混合物であり、アンカー層が染料受容層の樹脂と同種の樹脂およびTgが120℃〜280℃の樹脂との混合物あるいは2層系とした場合には、印画適性(接着性、層間接着性、印画離型性)と光沢感のすべて満足することができる。
図面に基づき本発明を詳細に説明する。図1は本発明金属光沢受容層転写材の1例を示す縦断面図である。図1に示す態様の金属光沢受容層転写材1は、基材2の一方の面に離型層3、染料受容層4、アンカー層5、金属蒸着層6、接着層7が順次設けられて構成されている。基材2および離型層3は転写時にサーマルヘッドなどにより加熱される側となる転写基材8となる層であり、染料受容層4、アンカー層5、金属蒸着層6、および接着剤層7は、転写時に熱転写受像シート(単に受像シートと言うこともある)側に転移する転写層9として構成されている。
図2は金属光沢受容層転写材の他の例を示す縦断面図である。図2に示す態様の金属光沢受容層転写材1は、転写基材8の基材2の背面側に、耐熱滑性層10が設けられ、転写層9のアンカー層を第1アンカー層5aおよび第2アンカー層5bの2層構成としたものである。
図3は本発明画像形成方法を説明する為の説明図であり、図4は図3の要部拡大図である。図3に示すように、金属光沢受容層転写材1は熱転写プリンタの熱転写リボンとして用いられ、被転写体として基材シート12の表面に受像層11が設けられた受像シート13が用いられる。金属光沢受容層転写材1は、受像シート13の受像層11と転写層9の接着剤層7を対向せしめ、熱転写プリンタのサーマルヘッド15により任意のパターン状に加熱・加圧した後、転写基材8を剥離することで、パターン状の転写層9を受像層11の表面に転移させる。
なお図3に示すようには、受像シート13の金属別光沢受容層転写材1を用いて転写を行なう部分以外の領域に、少なくとも3色以上の染料転写材料としてYMC3色を有する染料転写リボン14を用いてサーマルヘッド15により加熱することで、写真画像などのフルカラーの画像16が設けられている。
金属光沢受容層転写材1を転写した部分は、図4に示すように、受像層11の表面に、該受像層11側から順次、接着層7、金属光沢層6、アンカー層5および染料受容層4からなる転写層9がパターン状に形成されている。このパターン状の転写層9の染料受容層4に、さらにYMC3色などの少なくとも3色以上を有する染料転写リボン14(昇華転写インクリボンあるいは溶融転写インクリボンなど)を用いてサーマルヘッド15で転写層9と同じパターンに転写して染料受容層4を任意の色に着色することで、金属光沢層6の色が任意の色に着色されてなる画像形成体が得られる。
この画像形成体は、YMC3色などの少なくとも3色以上をを有する染料転写リボン14を用いることにより、フルカラーの中から所望する任意の色を選択可能であるから、画像中にフルカラーのなかの所望の色の金属光沢を持つ所定のパターン部分と、写真調のフルカラー画像とを併せ持つ高意匠画像とを備えることになる。
金属光沢転写材1に用いられる基材2は、熱転写記録時のサーマルヘッドの加熱に耐え且つ所望の伝熱性、機械的強度を有する材料であれば特に限定されず、従来の熱転写リボンなどに使用される公知の材料が利用できる。例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、セロハン、酢酸セルロース、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイミドなどのプラスチックフィルム、グラシン紙、コンデンサー紙、パラフィン紙などの紙類、不織布などが挙げられる。また、これらの単層あるいは複数層積層したものであっても良い。
基材2の厚みは、その機械的強度および熱伝導性の点から適宜選択することができる。通常、10μm〜400μm、好ましくは100〜300μmである。
基材2の背面側には、図2の態様の如く、耐熱滑性層10などの背面層を設けても良い。背面層は、サーマルヘッドとの熱融着の防止、滑性の付与などを目的とする。耐熱性を目的とする場合は、公知のメラミン樹脂などの熱硬化性樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などの耐熱性樹脂が用いられる。また、滑性を得るには、充填剤、滑剤、帯電防止剤などの添加剤を添加する。耐熱滑性層10の厚みは、融着防止、滑性を持たせられることが可能な厚みであればよく、通常、1〜3μm程度に形成される。
転写記録時に離型層3は基材2側に留まる。金属光沢受容層転写材1は、離型層3と染料受容層4との間で剥離する。離型層3は、水溶性樹脂、親水性樹脂、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂などが用いられる。離型層3の厚みは、通常、0.5〜5μm程度に形成される。また、転写後に艶消しの受容層が望ましい場合は、離型層中に各種の粒子を添加したり、離型層表面をマット処理すことで表面マットの画像形成体が得られる。
染料受容層4は、被転写体(受像シート)などの画像形成物の基材に受容層を形成して、熱転写シートから移行してくる染料を受容し、形成された画像を保持するためのものである。染料受容層を構成するための樹脂(染料受容層形成用樹脂)としては、例えば、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステルなどのビニルポリマー、ポリエチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレンなどのオレフィンと他のビニル系モノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジアセテートなどのセルロース系樹脂、ポリカーボネートなどが挙げられる。好ましい樹脂は、ビニル系樹脂およびポリエステル系樹脂である。染料受容層4の厚みは、0.2μm〜3μmに形成され、好ましくは0.3μm〜2.0μmである。染料受容層4の厚みが0.2μm未満では、充分な印画濃度、接着性および印画離型性が得られず、3μm超えると印画濃度は得られるが、層間接着性、転写性(キレ性)が得られず、パターン状に転写できないことがある。
染料受容層4には、染料転写シート14と該染料受容層4との融着もしくは印字感度の低下などを防止するために、上記樹脂に離型剤を添加することができる。離型剤はシリコーンオイル、リン酸エステル系界面活性剤、フッ素系界面活性剤などが用いられ、好ましいのはシリコーンオイルである。シリコーンオイルは、エポキシ変性、アルキル変性、アミノ変性、カルボキシル変性、アルコール変性、フッ素変性、アルキルアラルキルポリエーテル変性、エポキシ・ポリエーテル変性、ポリエーテル変性などの変性シリコーンオイルが好ましい。離型剤は1種もしくは2種以上混合して使用される。離型剤の添加量は、染料受容層形成用樹脂100質量部に対し0.5〜30質量部が好ましい。転写後の染料受容層表面に上記離型剤がブリードアウトして離型層が形成される。
染料受容層4は、染料染着性と離型性の確保の理由から熱可塑性樹脂と離型剤との混合物から形成するのが好ましい。また染料受容層4には、該層の箔切れを良好にする目的で、カオリンクレー、炭酸カルシウム、微粉末シリカなどの充填剤を添加することができる。染料受容層4は、溶剤を使用した塗工液より形成してなる連続層が好ましいが、エマルジョンや分散液を用いた塗工液から形成してなる不連続の被膜であってもよい。
アンカー層5は、染料受容層4表面に金属蒸着層6の下地を提供すると共に、蒸着時の熱から基材2(転写基材8)や染料受容層4を保護し、良好な金属蒸着層6を形成するための蒸着下地層として設けられている。また転写層9を転写した際には金属蒸着層6と共に被転写体側に転写移行し、金属蒸着層6の上層に位置し金属蒸着層6に密着してすり傷や腐食などから保護し機械的強度および化学的強度を向上させる保護層として機能する。また蒸着層や受像層との接着性および転写後の金属光沢を保持する機能を持つ。アンカー層5の厚みは、0.2μm〜3μmに形成される。アンカー層5の厚みが0.2μm未満では充分な印画濃度、接着性および印画離型性が得られず、3μmを超える光沢性・層間接着性は得られるが転写性(キレ性)が低下し、パターン状の良好な転写ができなくなる。アンカー層を2層構成とする場合は、2層の合計厚みを上記範囲内とする。
アンカー層5は、金属蒸着層6の金属光沢を透視可能な程度に透明性を有するものであれば、材料は特に限定されないが、染料受容層4に用いた樹脂と同種の樹脂およびTgが120℃〜280℃の樹脂とを混合してなる混合系から形成するのが好ましい。アンカー層は図2に示すように、第1アンカー層5aおよび第2アンカー層5bから構成して、2層構成とすることもできる。そして染料受容層4側の蒸着アンカー層5aに染料受容層4に用いた樹脂と同種の樹脂を用い、蒸着層6側の第2アンカー層5bにTgが120℃〜280℃の樹脂を用いて構成してもよい。
アンカー層5にTgが120℃〜280℃の樹脂(高Tg樹脂という場合もある)を用いることで、金属蒸着層6の光沢感が向上する。ただし、それだけでは染料受容層4とアンカー層5の層間接着性およびキレ性が不十分となるおそれがある。これに対し、Tgが120℃〜280℃の樹脂に染料受容層4に用いた樹脂を混合した混合系によりアンカー層4を構成するか、あるいは上記した様に、アンカー層5a、5bの2層構成とし各層の樹脂に上記樹脂をそれぞれ用いることで、染料受容層4とアンカー層5(5a)の充分な接着性を確保できると、充分な層間接着性が得られ、印画離型性およびび高い光沢感を満足することができる。
金属蒸着層6は、金属蒸着やメッキ等により形成された金属蒸着膜から形成される。これらの中でも、優れた光沢のあるメタリックチ調の画像形成物が得られる点で金属薄膜、特に金属蒸着膜が好ましい。またメッキ層は、工程が複雑な点があるが、意匠的には金属蒸着膜と同様の光沢が得られる。金属蒸着層6の厚みは、150Å〜450Åに形成するのが好ましい。金属蒸着層の厚みが150Å未満では充分な光沢感が得られない虞があり、450Åを超えると光沢感は満足するがパターン状に良好に転写できなくなる虞がある。
金属蒸着膜は、アルミニウム、亜鉛、スズ、クロム、金、銀などの金属、あるいは真ちゅうなどの合金を真空蒸着法、スパッタリング等の真空下によるメタライジング法、すなわち、物理蒸着法(PVD:Physical Vapor Deposition)により形成した薄膜の金属層である。
接着層7は、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、パラフィンワックスなどのワックス類や、各種低分子量ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体などの従来公知の熱可塑性樹脂の単独もしくはこれらの混合物が用いられる。接着層7の厚みは0.2μm〜3μmであるのが好ましい。接着層7の厚みが0.2μm未満では充分な印画濃度、接着性および印画離型性が得られない虞があり、厚みが3μmを超えると充分な接着性が得られるが、転写性(キレ性)が不十分となってパターン状に良好な転写ができない虞がある。
基材2上に離型層3、染料受容層4、アンカー層5(5a、5b)、金属蒸着層6の樹脂含有膜、接着剤層7、あるいは背面層10などを形成するには、各層を構成する材料を有機溶剤などの溶剤または水などに溶解あるいは分散して塗工組成物とし、従来公知のグラビアロール、グラビアリバースロール、ロールコート、ナイフコート、その他の塗工手段により塗布して形成される。また、ワックスなどが主体となる層の場合は、ホットメルト、ホットラッカーコートなどの塗工手段も使用できる。
少なくとも3色以上の染料転写材料として用いられる染料転写リボン14は、溶融転写方式、昇華転写方式などに用いられる公知のフルカラー印字可能な熱転写フィルムが利用できる。以下、昇華転写方式の染料転写リボン(熱転写フィルム)について説明する。
昇華転写方式の熱転写フィルムは、一方の面に耐熱層を設けたフィルム基材の他方の面に熱移行性染料層を設けたもので、該染料層が色相の異なる染料を含む複数の染料層領域からなる。熱移行性染料層は、熱移行性染料を任意のバインダーにより担持してなる層である。使用する染料としては、熱により、溶融、拡散もしくは昇華移行する染料であって、従来公知の昇華転写型転写シートに使用されている染料は、いずれも本発明に使用可能であるが、色相、印字感度、耐光性、保存性、バインダーへの溶解性などを考慮して選択する。
上記染料としては、例えばジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メロシアニン等のメチン系、インドアニリン、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチンイミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチンに代表されるアゾメチン系、キサンテン系、オキサジン系、ジシアノスチレン、トリシアノスチレンに代表されるシアノメチレン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、ベンゼンアゾ系、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジズアゾ等のアゾ系、スピロピラン系、インドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンラクタム系、ナフトキノン系、アントラキノン系、キノフタロン系等のものが挙げられる。
上記の熱転写フィルムにおける熱移行性染料層で使用する染料は、異なる染料層領域で比較して、ある1色とそれ以外の色相との高濃度域濃度差が0.1以上になるように、色相毎に調整できるようにする。例えば、染料/バインダーの比率を一定にしている場合は、染料種を選定して、上記の高濃度域濃度差が生じるようにする。また、染料の染料層における含有比率を調整することにより、上記の高濃度域濃度差が生じるようにすることも可能であり、上記の染料種の選定と、染料層の含有比率の調整を合わせて行なうことが好ましく、行われる。
熱移行性染料層のバインダーとしては、従来公知の樹脂バインダーがいずれも使用でき、好ましいものを例示すれば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。これらの中で、耐熱性、染料の移行性等の観点から、セルロース系、アセタール系、ブチラール系及びポリエステル系等が特に好ましい。
また、本発明では上記の樹脂バインダーに代えて、次のような離型性グラフトコポリマーを離型剤またはバインダーとして用いることができる。この離型性グラフトコポリマーは、ポリマー主鎖にポリシロキサンセグメント、フッ化炭素セグメント、フッ化炭化水素セグメント、または長鎖アルキルセグメントから選択された少なくとも1種の離型性セグメントをグラフト重合させてなるものである。これらのうち、特に好ましいのはポリビニルアセタール樹脂からなる主鎖にポリシロキサンセグメントをグラフトさせて得られたグラフトコポリマーである。
熱移行性染料層は、上記染料、バインダーと、その他必要に応じて従来公知と同様な各種の添加剤を加えてもよい。その添加剤として、例えば、受像シートとの離型性やインキの塗工適性を向上させるために、ポリエチレンワックス等の有機微粒子や無機微粒子が挙げられる。このような染料層は、通常、適当な溶剤中に上記染料、バインダーと、必要に応じて添加剤を加えて、各成分を溶解または分散させて塗工液を調製し、その後、この塗工液をフィルム基材の上に塗布、乾燥させて形成することができる。この塗布方法は、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の公知の手段を用いることができる。このように形成された熱移行性染料層は、0.2μm〜6.0μm、好ましくは0.4μm〜3.0μm程度の乾燥状態での厚さである。
また、被転写体として画像形成に用いられる受像シート13を構成する基材シート12や受像層11について以下に説明する。
基材シート12の材質としては、特に限定されるものではなく、その用途に応じて従来公知の材料が適宜用いられ得る。基材シート12は、受像層11を保持するという役割を有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、加熱された状態でも取り扱い上支障がない程度の機械強度を有することが好ましい。
このような基材シート12の材料は特に限定されず、例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、またはサイズ度の高い紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系等)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打ち用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、あるいはポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネイト、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘電体、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニールアルコール、ポリビニールブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−エチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等の各種プラスチックフィルム又はシートが使用でき、又これら合成樹脂に白色顔料や、充填剤を加えて成膜した白色不透明フィルム或いは発泡させた発泡シートも使用でき特に限定されない。
また、上記基材シートの任意の組み合わせによる積層体も使用できる。代表的な積層体の例として、セルロース繊維紙と合成紙、或いはセルロース繊維紙とプラスチックフィルム又はシートの積層合成紙が挙げられる。このような積層合成紙は2層体でもよいが、基材の風合いや質感を出す為に、両面に合成紙やプラスチックフィルムを貼合した3層体もしくは3層以上の積層体であってもかまわない。貼合方法は、ドライラミネーション、ウエットラミネーション、エクストリュージョン等手法は問わない。
また受像シート13は、上記基材シート12の任意の組み合わせによる積層体の中間に剥離可能なように粘着層を設け、シール形態にしたり、又得られた受像シート13の光沢を制御する為に好みの光沢感の層に受像層11を形成した後に上記基材シート12に転写したり、プリント後受像層を転写させて任意の支持体(カードや、曲面支持体)に転写させる為に受像層11を剥離可能な様に上記基材シート12に設けることもできる。
上記基材シート12の厚みは任意でよく、通常10μm〜300μm程度の厚みが一般的である。また、上記の如き基材シート12は、その表面に形成する受像層11との密着力が乏しい場合にはその表面に各種プライマー処理やコロナ放電処理を施すのが好ましい。
受像シート13は、その受像面が前記の染料に対して染料受容性を有するものであれば、いかなるものでもよい。受像シート13が、染料受容性を有しない紙、金属、ガラス、合成樹脂等である場合には、図3に示すように、その少なくとも一方の表面に染料受容性の受像層11を形成すれば良い。受像層11を形成しなくても基材のみで被転写体として用いることができるのは、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルエステル等のビニルポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等からなる繊維、織布、フィルム、シート、成形物等が挙げられる。特に、好ましいものは、ポリ塩化ビニルからなるシート、又はフィルムで、単層でも複層のラミネート構成でもよい。
また本発明では紙、金属、ガラスその他の非染着性の被転写体を受像シートとして用いる場合、その記録面に上記の染着性樹脂の溶液または分散液を塗布および乾燥させるか、あるいはそれらの樹脂フィルムをラミネートすることにより、利用できる。さらに、上記の染着性のある被転写体であっても、その表面にさらに染着性の良い樹脂から、上記のように受像層を形成してもよい。このようにして形成する受像層は、単独の材料からでも、また、複数の材料から形成してもよく、さらに本発明の目的を妨げない範囲で各種の添加剤を包含させてもよい。受像層を形成するには、上記に記載した樹脂、各種の添加剤を適当な溶剤により、溶解又は分散させて、受像層形成用インキを調製し、これを、上記の被転写体の表面に、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法等の形成手段により塗布し、乾燥して、形成することができる。
金属光沢受容層転写材の基材として厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルム〔東レ(株)製、ルミラー〕を用い、該フィルムの裏面に耐熱滑性層を設け、表面に離型層、染料受容層、アンカー層を順次塗工して形成し、金属蒸着層を蒸着形成し、接着剤層を形成して、耐熱滑性層/基材/離型層/染料受容層/アンカー層/金属蒸着層/接着層の層構成を有する金属光沢受容層転写材を作成した。受容層、アンカー層および接着層の厚みは夫々0.8μmとした。また金属蒸着層は、厚みが300Åのアルミニウム蒸着膜を用いた。離型層、染料受容層、アンカー層および接着剤層の各塗工組成物を以下に示す。
[耐熱滑性層用塗工液組成]
硬化性シリコーンオイル(KS-770A、信越化学工業社製) 100部
硬化触媒(CAT-PL8、信越化学工業社製) 1部
トルエン 400部
[離型層用塗工液組成]
シリコーン変性アクリル系樹脂(セルトップ226、ダイセル化学社製) 16部
アルミ触媒(セルトップCAT-A、ダイセル化学社製) 3部
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 16部
[染料受容層用塗工液組成]
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(1000A、電気化学工業社製) 100部
エポキシ変性シリコーン(X-22-3000T、信越化学工業社製) 7.5部
メチルスチレン変性シリコーン(X-24-510、信越化学工業社製) 7.5部
ポリエーテル変性シリコーン(FZ2101、日本ユニカー製) 5部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 400部
[アンカー層用塗工液組成]
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(1000A、電気化学工業社製) 50部
ノルボルネン樹脂(ARTON、日本合成ゴム社製) 50部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 400部
[接着層用塗工液組成]
ポリエステル樹脂(UE3201、ユニチカ社製) 100部
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 300部
シリカ(ブロッキング防止剤) 0.1部
アンカー層を、0.5μmの塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂からなる第1アンカー層(染料受容層側)と0.5μmのアミドイミド樹脂からなる第2アンカー層の2層構成とした以外は、実施例1と同様にして金属光沢受容層転写材を作成した。
参考例1
染料受容層、アンカー層および接着層の厚みを夫々0.1μmとし、金属蒸着層の厚みを100Åとした以外は、実施例1と同様にして金属光沢受容層転写材を作成した。
参考例2
染料受容層、アンカー層および接着層の厚みを夫々5.0μmとし、金属蒸着層の厚みを500Åとした以外は、実施例1と同様にして金属光沢受容層転写材を作成した。
参考例3
アンカー層を下記の組成物より形成した以外は実施例1と同様にして金属光沢受容層転写材を作成した。
[アンカー層用塗工液組成]
ノルボルネン樹脂(ARTON、日本合成ゴム社製) 50部
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 400部
実施例1、2及び参考例1〜3の金属光沢受容層転写材の光沢感、受容層転写性、接着性、層間接着性、および印画離型性について試験した。その結果を表1に示す。
Figure 0004174019
表1の評価基準は以下の通りである。
a)光沢感
外観を目視にて確認した。
○;光沢良好
×;光沢感不足(ひび割れ有り)
b)受容層転写性
キレ性を目視確認した。
○;パターン状の転写が可能
×;パターン状の転写が出来ない
c)接着性
受像シートに転写後の転写層について、受像シートとの接着性をテープ剥離テストにて確認した。
○;テープ剥離無し
×;テープ剥離有り
d)層間接着性
受像シートよりも接着性の良い被転写体としてアクリルシートを用いて、テープ剥離テストを行なった。
○;テープ剥離無し
×;テープ剥離有り
e)印画離型性
Ye,Mg,Cyを転写して異常転写等の有無を確認した。
○;良好
×;異常転写あり
本発明金属光沢受容層転写材の1例を示す縦断面図である。 本発明金属光沢受容層転写材の他の例を示す縦断面図である。 本発明画像形成方法の説明図である。 図3の要部拡大図である。
符号の説明
1 金属光沢受容層転写材
2 基材
3 離型層
4 染料受容層
5 アンカー層
5a 第1アンカー層
5b 第2アンカー層
6 金属蒸着層
7 接着層
8 転写基材
9 転写層
10 耐熱滑性層
11 受像層
12 基材シート
13 受像シート
14 YMC3色を有する染料転写リボン
15 サーマルヘッド
16 フルカラーの画像

Claims (3)

  1. 基材の一方の面に離型層、染料受容層、アンカー層、金属蒸着層、接着層が順次設けられ、染料受容層、アンカー層および接着層の厚みがそれぞれ0.2μm〜3μmであり、金属蒸着層の厚みが150Å〜450Åである金属光沢受容層転写材であって、アンカー層が染料受容層の樹脂と同種の樹脂からなり、染料受容層側に形成された第1アンカー層と、Tgが120℃〜280℃の樹脂からなり金属蒸着層側に形成された第2アンカー層とからなることを特徴とする金属光沢受容層転写材。
  2. 基材の一方の面に離型層、染料受容層、アンカー層、金属蒸着層、接着層が順次設けられ、染料受容層、アンカー層および接着層の厚みがそれぞれ0.2μm〜3μmであり、金属蒸着層の厚みが150Å〜450Åである金属光沢受容層転写材であって、アンカー層が、染料受容層の樹脂と同種の樹脂およびTgが120℃〜280℃の樹脂との混合物からなることを特徴とする金属光沢受容層転写材。
  3. 前記染料受容層が熱可塑性樹脂と離型剤の混合物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の金属光沢受容層転写材。
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