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JP4174637B2 - 自動車のエネルギー吸収構造 - Google Patents
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JP4174637B2 - 自動車のエネルギー吸収構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車のエネルギー吸収構造に関し、特に、衝突時に衝撃吸収部材の外周壁を車体フレームの内部に折返しながら没入させるようにしたエネルギー吸収構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車の衝突エネルギーを吸収する構造として、車体のフロントサイドフレームの前端部にプレート部材を固着し、そのプレート部材に前方程細くなるテーパー状の外周壁を有するバンパーステイ(衝撃吸収部材)の基端部側を固着し、衝突時、バンパーステイを座屈させることにより、衝突エネルギーを吸収するエネルギー吸収構造が実用に供されている(例えば、特開平7−40858号公報参照)。
【0003】
一方、特開平10−7025号公報には、筒状の第1部材と、第1部材よりも外形が大きく且つ高強度の筒状の第2部材と、同心状に配置した第1部材の後端部と第2部材の前端部を部分的に連結するトリガー部を備え、衝突時、先ずトリガー部を第2部材の内面側へ変形させることにより、第1部材をトリガー部から曲げ変形させて第2部材内に侵入させ、衝突エネルギーを吸収するエネルギー吸収構造が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特開平7−40858号公報のエネルギー吸収構造では、プレート部材にバンパーステイの基端部側全体を支持し固着しているので、衝突直後、実施形態に係る図7のエネルギー吸収特性図の荷重曲線bからも分かるように、バンパーステイが略座屈を開始する迄の間に衝突荷重が急激に高くなり、自動車乗員への衝撃が大きくなるという問題がある。
【0005】
衝突荷重によりバンパーステイが座屈する際、外周壁が全体的に崩壊するけれども、外周壁全体が効果的にエネルギー吸収を行う訳ではなく、外周壁の複数の崩壊個所の座屈によるエネルギー吸収が生じるため、また、バンパーステイの座屈開始後には支持可能な荷重(又は、衝突荷重に抵抗する力)が極端に低下するため、衝突エネルギー吸収性能を十分に高めることが難しいという問題がある。
【0006】
しかも、バンパーステイの座屈した部分はフレームの前側に塊状に積み重なるため、バンパーステイが衝撃吸収ストローク分座屈した後には、エネルギー吸収機能が殆どなくなり、バンパーステイの長さ(例えば、約100mm )よりも短い衝撃吸収ストローク(例えば、約80mm)しか確保できなくなるため、エネルギー吸収性を高めることができないし、衝撃吸収ストロークを大きくするとバンパーステイが大型化するという問題がある。
【0007】
一方、特開平10−7025号公報のエネルギー吸収構造では、衝突直後、トリガー部は第2部材の内面側へ容易に変形するものの、第1部材がストレート状の筒状に構成されているため、実施形態に係る図9のエネルギー吸収特性図の荷重曲線dからも分かるように、第1部材の一部が第2部材の前端側に積み重なり易く、衝撃吸収ストロークがバンパーステイの長さ(例えば、約100mm )よりも短いストローク(例えば、約87mm)になり、前記同様エネルギー吸収性を高めることが難しいという問題がある。
【0008】
しかも、第1部材がストレート状の筒状に構成されているため、第1部材にその長さ方向に対して傾いた角度で衝突荷重が入力した場合、第2部材に対して第1部材が傾き、第1部材が第2筒部材内に円滑に没入しにくくなり、エネルギー吸収性が低下する虞がある。
【0009】
本発明の目的は、自動車のエネルギー吸収構造において、衝突直後の乗員への衝撃を緩和すること、エネルギー吸収性を高めること、衝撃吸収ストロークを大きくすること、衝撃吸収部材が機能可能な衝突荷重入力方向を拡大すること、等である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の自動車のエネルギー吸収構造は、自動車の衝突エネルギーを吸収する構造において、車体フレームの車両前後方向の方側の端部に、車両前後方向の外方程細くなるテーパー状の外周壁とこの外周壁の基端に折曲状に連なる連結壁部とを有する基端開放状の衝撃吸収部材を、連結壁部を介して車両前後方向の外方へ突出する状態に固着し、前記車体フレームの車両前後方向の方側の端部に衝撃吸収部材の外周壁の基端よりも大きな開口部を形成し、衝突時に外周壁を前記開口部から車体フレームの内部に折返しながら没入させることで、衝突エネルギー吸収を行うように構成したことを特徴とするものである。
【0011】
このエネルギー吸収構造では、衝突時、衝撃吸収部材に車両前後方向の外方側から衝突荷重が入力すると、車両前後方向の外方程細くなるテーパー状の外周壁にはその外周壁を内方へ曲げる曲げモーメント(この曲げモーメントは外周壁の基端側程大きくなる)が作用するとともに、連結壁部にも曲げモーメントが作用する。衝突後最初に、連結壁部の曲げ変形を介して外周壁の基端部分が、車体フレームの開口部から車体フレームの内部へ折り返し状に座屈変形し、その座屈変形が外周壁の基端部から外端側へ向かって連続的に発生し、最終的に衝撃吸収部材の全部が開口部から車体フレームの内部へ折り返し状に没入する。こうして、衝撃吸収部材の外周壁の全部が確実に塑性変形して衝突エネルギーが効果的に吸収される。
【0012】
衝撃吸収部材の外周壁を車両前後方向の外方程細くなるテーパー状に形成し、外周壁の基端に折曲状に連なる連結壁部を介して衝撃吸収部材を車体フレームに固着し、車体フレームの車両前後方向の方側の端部に衝撃吸収部材の外周壁の基端よりも大きな開口部を形成したので、衝突直後から連結壁部と外周壁の基端部分が崩壊し易くなるから、衝突直後の乗員への衝撃を緩和できる。
【0013】
そして、外周壁の基端部分から外端側へ向かって順々に連続的に座屈変形させていくことができるから、外周壁の全体を衝突エネルギー吸収に寄与させることができる。外周壁の変形した部分が車体フレームの車両前後方向の外端側に塊状に積み重なることがなく、衝撃吸収部材のほぼ全長に等しい衝撃吸収ストロークを確保することができるため、エネルギー吸収性を格段に高めることができる。
【0014】
外周壁を車両前後方向の外方程細くなるテーパー状に形成したので、衝突時、衝撃吸収部材にその長さ方向に対して少々傾いた角度で衝突荷重が入力しても、衝撃吸収部材の前記の衝撃吸収機能を確保することができる。
【0015】
請求項2の自動車のエネルギー吸収構造は、自動車の衝突エネルギーを吸収する構造において、車体のフロントサイドフレームの前端部に、前方程細くなるテーパー状の外周壁とこの外周壁の後端に折曲状に連なる連結壁部とを有する後端開放状の衝撃吸収部材を、連結壁部を介して前方へ突出する状態に固着し、前記フロントサイドフレームの前端部に衝撃吸収部材の外周壁の後端よりも大きな開口部を形成し、衝突時に外周壁を前記開口部からフロントサイドフレームの内部に折返しながら没入させることで、衝突エネルギー吸収を行うように構成したことを特徴とするものである。
【0016】
従って、自動車が正面衝突した場合、請求項1の作用と同様に、衝突直後の衝撃を抑制して乗員への衝撃を緩和でき、外周壁の全体を衝突エネルギー吸収に寄与させることができ、衝撃吸収部材の略全長に等しい衝撃吸収ストロークを確保して衝突エネルギー吸収性を格段に高めることができる。フロントサイドフレームの前端部付近はスペース的に余裕がないが、衝撃吸収部材の全長を増すことなく、衝撃吸収ストロークを大きくし得るので非常に有利である。
【0017】
請求項3の自動車のエネルギー吸収構造は、請求項1又は2の発明において、前記衝撃吸収部材の車両前後方向の車両外方側の端が閉じられていることを特徴とするものである。従って、衝突荷重を衝撃吸収部材の外周壁にほぼ一様に伝達させ、外周壁をほぼ一様に座屈変形させることができる。
【0018】
請求項4の自動車のエネルギー吸収構造は、請求項1又は3の発明において、前記車体フレームに衝撃吸収部材を取付ける為の取付けプレートを固着し、その取付けプレートに前記開口部を形成したことを特徴とするものである。従って、衝撃吸収部材を取付けプレートを介して車体フレームの外端部に簡単且つ確実に取付けることができる。
【0019】
請求項5の自動車のエネルギー吸収構造は、請求項4の発明において、前記取付けプレートの開口部の内縁部分に、車体フレームの内部側へ折り曲げた折り曲げフランジ部を設けたことを特徴とするものである。従って、取付けプレートの開口部の内縁部分の強度を高め、しかも、折り曲げフランジ部により外周壁をガイドして車体フレームの内部に円滑に折返して没入させることができる。
【0020】
請求項6の自動車のエネルギー吸収構造は、請求項4又は5の発明において、前記車体フレームはフロントサイドフレームであることを特徴とするものである。従って、基本的に請求項2とは同様の作用を奏するうえ、請求項4又は5と同様の作用を奏する。
【0021】
請求項7の自動車のエネルギー吸収構造は、請求項6の発明において、前記衝撃吸収部材の付近において、フロントサイドフレームにタイダウンフックを設けたことを特徴とするものである。従って、フロントサイドフレームの前端部分は強度が高まり変形しない部位となり、そのフロントサイドフレームの前端部分の内部に、外周壁を確実に折返して没入させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態は、自動車の衝突エネルギーを吸収する構造に本発明を適用した場合の一例である。
【0023】
図1〜図5に示すように、自動車1の車体2は、閉断面フレームである前方開放状のフロントサイドフレーム3と、左右1対のフロントサイドフレーム3の前端部分を連結するフロントクロスメンバ4を有し、エネルギー吸収構造として、各フロントサイドフレーム3の前端部に、フロントサイドフレーム3の閉断面よりも大きな矩形板状の取付けプレート10が固着され、その取付けプレート10に衝撃吸収部材20が取付けられている。
【0024】
フロントサイドフレーム3の左右両面の前端にはブラケット5,6が溶接等で夫々固着され、取付けプレート10は、その後面部をフロントサイドフレーム3及びブラケット5,6の前端面に当接させた状態で、取付けプレート10のボルト孔10a〜10cとブラケット5,6のボルト孔5a,6b,6cに夫々装着されるボルト(図示略)により締結されている。
【0025】
図2、図3に示すように、フロントサイドフレーム3の前端部分にはタイダウンフック7が設けられ、そのタイダウンフック7にワイヤ(図示略)を引っ掛けて、例えば、自動車1を牽引できるようになっている。尚、タイダウンフック7の上端部分がフロントサイドフレーム3の外面に接合され、更に、中段部分がフロントクロスメンバ4の外側面に接合される。
【0026】
ここで、通常、フロントサイドフレーム3は、衝突時に座屈変形することでエネルギー吸収可能に構成されるが、フロントサイドフレーム3の前端部分は、タイダウンフック7の他フロントクロスメンバ4やブラケット5,6を固着する関係上強度が高まり変形しない部位となるため、フロントサイドフレーム3の前端部に設けられた衝撃吸収部材20を確実に機能させることができる。
【0027】
取付けプレート10には、その中央部分にフロントサイドフレーム3の前端の開口よりも小さな開口部11が形成され、開口部11の内縁部分に、フロントサイドフレーム3の内部側(後側)へ少し折り曲げた折り曲げフランジ部12が設けられている。尚、折り曲げフランジ部12は取付けプレート10に一体形成されているが、取付けプレート10に開口部11だけを形成し、折り曲げフランジ部12に相当するフランジ部材を別途固着し設けてもよい。
【0028】
衝撃吸収部材20は、前方程細くなるテーパー状の外周壁21、外周壁21の前端部に繋がり衝撃吸収部材20の前端を閉じる前壁22、外周壁21の後端部に折曲状に連なり外側へ広がる環状のフランジ23(これが、連結壁部に相当する)を一体形成して後端開放状に構成され、フロントサイドフレーム3の前端部に前方へ突出する状態に設けられている。
【0029】
取付けプレート10の開口部11は、外周壁21の後端よりも大きく形成され、その開口部11の前側に外周壁21の後端が位置する状態で、取付けプレート10の前面にフランジ23の後面を溶接して、衝撃吸収部材20が取付けられている。フランジ23の開口部11の前側に位置する部分は、取付けプレート10に当接していないため、衝突荷重が作用したときに曲がり易い変形促進部23aになっている。
【0030】
ここで、例えば、衝撃吸収部材20の前後長さL=100mm 、厚さt=1.6mm 、外周壁21のテーパ角度θ=10度、開口11の内縁部から内側へ張り出した変形促進部23aの長さβ=5mmに形成されている。尚、衝撃吸収部材20の前後長さL、厚さt、外周壁21のテーパ角度θ、変形促進部23aの長さβは、前記の値に限定される訳ではないが、変形促進部23aの長さβは少なくとも5mm位の大きさに設定することが望ましい。
【0031】
衝突時、衝撃吸収部材20に略正面側から衝突荷重が入力すると、外周壁21にその外周壁21を内側へ曲げようとする曲げモーメントが作用し、その曲げモーメントは後方程大きくなる。そして、フランジ23の変形促進部23aにも曲げモーメントが作用する。衝突直後に、図4に示すように、最初に変形促進部23aが取付けプレート10の開口部11の内縁側へ変形するとともに、この変形促進部23aの変形に連動して、外周壁21の後端部が座屈変形してフロントサイドフレーム3の内部へ折り返されていく。このとき、変形促進部23aと外周壁21の後端部が取付けプレート10の折り曲げフランジ部12にガイドされる。
【0032】
その後、図5に示すように、外周壁21の全体が、後端側から前端側に向かって順々に連続的に座屈変形して、開口部11からフロントサイドフレーム3の内部に折り返し状に変形していき、最終的には、衝撃吸収部材20の前端が取付けプレート10と一致するような状態まで崩壊が進行する。
【0033】
次に、衝撃吸収部材20のエネルギー吸収特性について本願発明者等が行った実験の結果について、図6〜図9を参照して説明する。図6、図8は夫々従来技術におけるエネルギー吸収構造(比較例)、図7は図6の衝撃吸収部材20Aと衝撃吸収部材20のエネルギー吸収特性の線図、図9は図8の衝撃吸収部材20Bと衝撃吸収部材20のエネルギー吸収特性の線図である。図7、図9の横軸は衝撃吸収部材の変形量(潰れ量)、縦軸は衝撃吸収部材に作用する衝突荷重を示す。
【0034】
図6のエネルギー吸収構造は、前記衝撃吸収部材20と同じ構造の衝撃吸収部材20A(外周壁21A、前壁22A、フランジ23Aを有する)を、フロントサイドフレーム3の前端部に固着の開口部を形成していない取付けプレート30に前方突出状に取付けたものである。
【0035】
図6のエネルギー吸収構造では、図7の荷重曲線bに示すように、衝突直後、衝撃吸収部材20Aが座屈を開始する迄の間に衝突荷重が 100KN近くまで急激に高くなり、その後、衝撃吸収部材20Aの座屈崩壊が始まると、衝突荷重が40KN以下に低下し維持される。衝撃吸収部材20Aの座屈した部分は取付けプレート30の前側に塊状に積み重なるため、衝撃吸収ストロークは約80mmしか確保できず、変形量が約80mmを越えるとエネルギー吸収機能が殆どなくなり、衝突荷重が著しく上昇する。
【0036】
一方、本案のエネルギー吸収構造では、図7の荷重曲線aに示すように、衝突直後、衝撃吸収部材20が変形を開始する迄の間に衝突荷重が70KN以下に抑えられ、その外周壁21の座屈崩壊の開始後にも衝突荷重があまり低下せず約50〜60KNに維持される。しかも、衝撃吸収部材20はフロントサイドフレーム3の内部に折返しながら没入するため、衝撃吸収ストロークは略衝撃吸収部材20の長さ分の 100mm確保することができ、変形量が 100mm近くになる迄衝突荷重が約50〜60KNに維持される。
【0037】
つまり、本案のエネルギー吸収構造では、図6のエネルギー吸収構造に比べると、衝突直後の衝撃を緩和でき、図の面積(A+B−α)に相当する分だけエネルギー吸収性能が向上する。
【0038】
次に、図8のエネルギー吸収構造は、円筒状の外周壁35と前壁36とフランジ37を有する衝撃吸収部材20Bを、フロントサイドフレーム3の前端部に固着の前記取付けプレート10と同様の取付けプレート10B(開口部11B,折り曲げフランジ部12Bを有する)に前方突出状に取付けたものである。
【0039】
図8のエネルギー吸収構造では、図9の荷重曲線dに示すように、衝撃吸収部材20Bの変形量が約15mm〜40mmのとき衝撃荷重は60KN前後で略一定に維持されるが、衝撃吸収部材20Bの変形量が約43mm〜80mmのとき衝撃荷重がかなり低下し、しかも、変形量が約80mmを越えると衝突荷重が急激に上昇してエネルギー吸収機能が殆どなくなり、衝撃吸収ストロークは約87mmしか確保することができない。
【0040】
つまり、本案のエネルギー吸収構造では、図8のエネルギー吸収構造に比べると、エネルギー吸収量が、略斜線で示した面積D,Fと逆斜線で示した面積C,Eの差(D+F−C−E)の分だけ多くなる。特に、エネルギー吸収ストロークの増加による面積F分が大きいため、エネルギー吸収性能が大幅に高まる。尚、図9の荷重曲線cは図7の荷重曲線aと若干異なるが、これは構造等が若干異なる為である。
【0041】
このように、上記エネルギー吸収構造によれば、前方開放状のフロントサイドフレーム3の前端部に、取付けプレート10を介して、前方程細くなるテーパー状の外周壁21とフランジ23とを有する後端開放状の衝撃吸収部材20を、フランジ23を介して前方へ突出する状態に設け、取付けプレート10に衝撃吸収部材20の外周壁21の後端よりも大きな開口部11を形成したので、衝突直後の最初に外周壁21の後端部とフランジ23の変形促進部12aを開口部11側へ変形させ、その後、外周壁21の全体を、その後端部から順々に前方へ向かって座屈変形させて、開口部11からフロントサイドフレーム3の内部にその後端部から前方へ向かって順々に折返しながら没入させることができる。
【0042】
その結果、衝突直後に衝突荷重が急激に高くなるのを抑制し、乗員への衝撃を緩和できるとともに、外周壁21の全体をエネルギー吸収に寄与させることができ、しかも、外周壁21の変形した部分がフロントサイドフレーム3の前側に塊状に積み重なることがなく、衝撃吸収部材20の略全長L分の衝撃吸収ストロークを確保できるため、エネルギー吸収性を格段に高めることができる。
【0043】
しかも、外周壁21を前方程細くなるテーパー状に形成したので、衝突時、衝撃吸収部材20にその長さ方向に対して傾いた方向から衝突荷重が入力しても、その傾き角度が所定角度以下の場合には、外周壁21をフロントサイドフレーム3の内部に確実に没入させることができ、衝撃吸収部材20が機能可能な衝突荷重入力方向を拡大することができる。衝撃吸収部材20の前端が前壁22により閉じられているので、衝突荷重を衝撃吸収部材20の外周壁にほぼ一様に伝達させ、外周壁21をほぼ一様に座屈変形させることができる。
【0044】
フロントサイドフレーム3に取付けプレート10を固着し、その取付けプレート10に開口部11を形成したので、衝撃吸収部材20を取付けプレート10を介してフロントサイドフレーム3に簡単且つ確実に取付けることができ、しかも、取付けプレート10の開口部11の内縁部分に、フロントサイドフレーム3の内部側へ折り曲げた折り曲げフランジ部12を設けたので、その内縁部分の強度を高めるとともに、折り曲げフランジ部12により、外周壁11をガイドしてフロントサイドフレーム3の内部に円滑に折返して没入させることができる。
【0045】
衝撃吸収部材20の付近において、フロントサイドフレーム3にタイダウンフック7を設けたので、フロントサイドフレーム3の前端部分は強度が高まり変形しない部位となり、そのフロントサイドフレーム3の前端部分の内部に、外周壁21を確実に折返して没入させることができるようになる。尚、前記実施形態では、衝撃吸収部材20の外周壁21を断面角筒状に構成したが、外周壁を断面円筒状に構成してもよい。
【0046】
尚、前記実施形態のエネルギー吸収構造は一例を示すものに過ぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を付加し、前記フロントサイドフレーム以外の車体フレームの外端部(例えば、リヤサイドフレームの後端部等)に衝撃吸収部材20を固着した構造のエネルギー吸収構造にも本発明を同様に適用することができる。
【0047】
【発明の効果】
請求項1の自動車のエネルギー吸収構造によれば、前記の作用の欄で説明したように、衝突直後から連結壁部と外周壁の基端部分が崩壊し易くなるから、衝突直後の乗員への衝撃を緩和できる。そして、外周壁の基端部分から外端側へ向かって順々に連続的に座屈変形させていくことができるから、外周壁の全体を衝突エネルギー吸収に寄与させることができる。
【0048】
外周壁の変形した部分が車体フレームの車両前後方向の外端側に塊状に積み重なることがなく、衝撃吸収部材のほぼ全長に等しい衝撃吸収ストロークを確保することができるため、エネルギー吸収性を格段に高めることができる。外周壁を車両前後方向の外方程細くなるテーパー状に形成したので、衝突時、衝撃吸収部材にその長さ方向に対して少々傾いた角度で衝突荷重が入力しても、衝撃吸収部材の前記の衝撃吸収機能を確保することができる。
【0049】
請求項2の自動車のエネルギー吸収構造によれば、基本的に請求項1と同様の効果が得られるうえ、自動車の正面衝突時の衝突エネルギーを吸収できるエネルギー吸収構造がえられる。特に、フロントサイドフレームの前端部付近はスペース的に余裕がないが、衝撃吸収部材の全長を増すことなく、衝撃吸収ストロークを大きくし得るので非常に有利である。
【0050】
請求項3の自動車のエネルギー吸収構造によれば、請求項1又は2と同様の効果を奏するが、衝撃吸収部材の車両前後方向の車両外方側の端が閉じられているので、衝突荷重を衝撃吸収部材の外周壁にほぼ一様に伝達させ、外周壁をほぼ一様に座屈変形させることができる。
【0051】
請求項4の自動車のエネルギー吸収構造によれば、請求項1又は3と同様の効果を奏するが、車体フレームに衝撃吸収部材を取付ける為の取付けプレートを固着し、その取付けプレートに前記開口部を形成したので、衝撃吸収部材を取付けプレートを介して車体フレームの外端部に簡単且つ確実に取付けることができ、しかも、衝撃吸収部材のエネルギー吸収機能を確保することができる。
【0052】
請求項5の自動車のエネルギー吸収構造によれば、請求項4と同様の効果を奏するが、取付けプレートの開口部の内縁部分に、車体フレームの内部側へ折り曲げた折り曲げフランジ部を設けたので、取付けプレートの開口部の内縁部分の強度を高めるとともに、折り曲げフランジ部により外周壁をガイドして車体フレームの内部にスムースに折返して没入させることができる。
【0053】
請求項6の自動車のエネルギー吸収構造によれば、請求項2と同様の効果を奏する上、請求項4又は5と同様の効果を奏する。
【0054】
請求項7の自動車のエネルギー吸収構造によれば、請求項6と同様の効果を奏するが、衝撃吸収部材の付近において、フロントサイドフレームにタイダウンフックを設けたので、フロントサイドフレームの前端部分は強度が高まり変形しない部位となり、そのフロントサイドフレームの前端部分の内部に、外周壁を確実に折返して没入させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る車体右側のフロントサイドフレームとその衝撃吸収部材の分解斜視図である。
【図2】前記フロントサイドフレームとエネルギー吸収構造の斜視図である。
【図3】図2のIII −III 線断面図である。
【図4】エネルギー吸収構造(衝突直後状態)の縦断面図である。
【図5】エネルギー吸収構造(衝突後座屈変形途中状態)の縦断面図である。
【図6】従来技術におけるエネルギー吸収構造の縦断面図である。
【図7】図3と図6のエネルギー吸収構造のエネルギー吸収特性図である。
【図8】従来技術におけるエネルギー吸収構造の縦断面図である。
【図9】図3と図9のエネルギー吸収構造のエネルギー吸収特性図である。
【符号の説明】
1 自動車
2 車体
3 フロントサイドフレーム
7 タイダウンフック
10 取付けプレート
11 開口部
12 折り曲げフランジ部
20 衝撃吸収部材
21 外周壁
23 フランジ
23a 変形促進部

Claims (7)

  1. 自動車の衝突エネルギーを吸収する構造において、
    車体フレームの車両前後方向の方側の端部に、車両前後方向の外方程細くなるテーパー状の外周壁とこの外周壁の基端に折曲状に連なる連結壁部とを有する基端開放状の衝撃吸収部材を、連結壁部を介して車両前後方向の外方へ突出する状態に固着し、前記車体フレームの車両前後方向の方側の端部に衝撃吸収部材の外周壁の基端よりも大きな開口部を形成し、
    衝突時に外周壁を前記開口部から車体フレームの内部に折返しながら没入させることで、衝突エネルギー吸収を行うように構成したことを特徴とする自動車のエネルギー吸収構造。
  2. 自動車の衝突エネルギーを吸収する構造において、
    車体のフロントサイドフレームの前端部に、前方程細くなるテーパー状の外周壁とこの外周壁の後端に折曲状に連なる連結壁部とを有する後端開放状の衝撃吸収部材を、連結壁部を介して前方へ突出する状態に固着し、前記フロントサイドフレームの前端部に衝撃吸収部材の外周壁の後端よりも大きな開口部を形成し、
    衝突時に外周壁を前記開口部からフロントサイドフレームの内部に折返しながら没入させることで、衝突エネルギー吸収を行うように構成したことを特徴とする自動車のエネルギー吸収構造。
  3. 前記衝撃吸収部材の車両前後方向の車両外方側の端が閉じられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車のエネルギー吸収構造
  4. 前記車体フレームに衝撃吸収部材を取付ける為の取付けプレートを固着し、その取付けプレートに前記開口部を形成したことを特徴とする請求項1又は3に記載の自動車のエネルギー吸収構造。
  5. 前記取付けプレートの開口部の内縁部分に、車体フレームの内部側へ折り曲げた折り曲げフランジ部を設けたことを特徴とする請求項4に記載の自動車のエネルギー吸収構造。
  6. 前記車体フレームはフロントサイドフレームであることを特徴とする請求項4又は5に記載の自動車のエネルギー吸収構造。
  7. 前記衝撃吸収部材の付近において、フロントサイドフレームにタイダウンフックを設けたことを特徴とする請求項6に記載の自動車のエネルギー吸収構造。
JP22152498A 1998-08-05 1998-08-05 自動車のエネルギー吸収構造 Expired - Fee Related JP4174637B2 (ja)

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