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JP4177855B2 - 移動型ドラム - Google Patents
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この発明は、電子ドラム装置の改良に関する。
電子ドラム装置(例えば特許文献1を参照)は、パッドをドラムスティックで打撃することによりパッドに応じた演奏音を音源ユニットから出力するもので、電気楽器に分類される。小型、軽量で場所を取らず、いわゆる生ドラムとしてのアコースティックドラムとは異なる魅力ある楽器として幅広く使用されている。この種のドラムは、演奏時にはスタンドなどに固定した状態で使用される。
特開2004−37746号公報
ところで、一般にドラムの演奏者は定位置での演奏を余儀なくされている。アコースティックドラムは勿論のこと、電子ドラムであってもせいぜい立って演奏することができる程度で、ボーカルやギター演奏者のように自由に動き回ることができない。しかしながらドラムの演奏者にとっては、固定された場所でなくステージ上を自由に動き回り、聴衆とより密にコミュニケーションを図りたいという要求がある。
この発明は上記事情によりなされたもので、その目的は、演奏者が自由に移動することの可能な移動型ドラムを提供することにある。
上記目的を達成するためにこの発明の一態様によれば、内蔵音源を発音させるためのトリガ情報を取得するインタフェース部と、前記内蔵音源から発生されたオーディオ信号を出力するための出力端子とを備える電子ドラム部と、この電子ドラム部が取り付け固定され、演奏者の肩から吊り下げられて前記演奏者の身体正面に前記電子ドラム部を正対保持するための身体装着部と、前記出力端子に接続され、前記オーディオ信号を外部再生機器に無線送信する無線送信部と、前記演奏者の足による演奏を検知して前記トリガ情報を発生させ、このトリガ情報を前記インタフェース部を介して前記電子ドラム部に入力するトリガ発生手段とを具備し、前記トリガ発生手段は、前記演奏者の一方の足の靴に装着され、この一方の足による演奏に対応するトリガ情報を発生する第1センサと、前記演奏者の他方の足の靴に装着され、この他方の足による演奏に対応するトリガ情報を発生する第2センサとを備え、前記第1および第2センサは、金属薄板を折り曲げ成形した治具にそれぞれ取り付けられ、前記靴の内側側面の、前記足の親指の第1関節と第2関節との間に相当する位置に前記治具を介して装着され、前記治具に靴底よりも略2mm突出する湾曲部を形成し、この湾曲部の接地面に弾性部材を貼り付けたことを特徴とする移動型ドラムが提供される。
このような手段を講じることにより、電子ドラム部が身体装着部を介して演奏者の身体正面に保持され、電子ドラム部の内部音源から出力された演奏音は外部再生機器に無線送信される。従って演奏者が自由に動き回ることが可能になる。しかも、演奏者の足による演奏(バスドラム、ハイハットシンバルの操作など)による演奏がトリガ発生手段により検知され、インタフェース部を介して電子ドラム部に入力される。これにより、歩きながらのドラム演奏が可能になり、ドラム演奏者を椅子に座ったままでの演奏から開放することが可能になる。
この発明によれば、演奏者が自由に移動することの可能な移動型ドラムを提供することができる。
図1は、この発明に係わる移動型ドラムの実施の形態を示す外観図である。図1において符号1は電子ドラムであり、吊り下げ部2にクランプなどで固定される。吊り下げ部2は肩掛け部3を備え、演奏者が肩掛け部3を肩に装着することにより、図2に示すように電子ドラム1が演奏者の身体正面に正対保持される。
図1の電子ドラム1は内蔵音源(図示せず)を備える。この内蔵音源はパッド部4への打撃のタイミング、あるいは、バックパネル5の外部インタフェースから与えられるトリガ情報のタイミングで種々のオーディオ信号を発生させる。このオーディオ信号はバックパネル5に設けられる出力端子から出力され、図3に示す無線送信機6により外部再生機器(PAアンプ、再生スピーカなど)に無線送信され、ドラム打撃音として再生される。
電子ドラム1のバックパネル5には、オーディオ出力端子のほかヘッドフォン端子、トリガ入力インタフェース、バッテリー入力端子、ヘッドフォンボリュームスイッチなどが設けられる。これらの端子には種々のケーブル類(図1のヘッドフォンHPからのケーブルも含む)が装着されるが、これらを図3に示すように演奏者の胸、腹のあたりでまとめるようにすると良い。このようにすることで素早い装着、脱着、ヘッドフォンボリュームコントロールが可能となる。
ところで、図1の移動型ドラムは図4の専用靴7,8と合わせて使用される。すなわち図5に示すように、専用靴7,8にはそれぞれ移動型ドラムの一部をなすセンサ9が治具10を介して取り付けられる。センサ9は演奏者の足の動きによる演奏を検知するもので、右足(専用靴7)、左足(専用靴8)ごとに異なるトリガ情報を発生させる。センサ9はコネクタ11から専用ケーブル(図示せず)を介してバックパネル(図1)のインタフェース端子に接続され、トリガ情報は内蔵音源に伝達される。これにより足による演奏によっても電子ドラム1の内蔵音源を発音させることが可能になる。なお電子ドラム1の設定により、センサ9のトリガ情報の有効/無効を選択指定することができる。すなわち歩行する際にセンサ9がトリガが反応する、または反応しないを任意に選択することが可能である。
右足および左足に個別にセンサを取り付けることにより、例えば両足を足踏みすることでツイン・バスドラム演奏を模倣することが可能になる。なお専用靴7,8として、足の親指の第2関節近傍にくびれ持つものを使用すれば、指先が動きやすく好ましい。
ところで、靴底にセンサ9を直接取り付けると歩行による震動が常にセンサ9に伝わり、誤動作(2度鳴り)が多発する。また靴のつま先に装着すると歩行時にかかとを上げた段階でセンサ9が作動し、これも誤動作となる。さらに足の外側に装着してもセンサ9が良好に反応しないことが発明者の試行により解った。そこでこの実施形態では、センサ9を専用靴7,8に取り付けるために治具10を使用し、その形状、材質、および取り付け位置を工夫した。このことによる利点を以下に説明する。
図5に示すように治具10は金属薄板をL字型に折り曲げ成形したもので、湾曲部12に対し短い部分の内側にセンサ9を取り付け、長い部分を粘着テープなどで靴底に取り付ける。これによりセンサ9は、図5に示すように治具10の内側(靴と金属薄板との間)に位置する格好となる。なお金属薄板のセンサ9の取り付けられる部分を、若干のS字状に成形すると良い。靴底の側面終了場所からセンサ9の装着部までの長さは約25mmとすると良く、この長さが長すぎても短すぎてもセンサ9が良好に機能しない場合がある。
発明者による試行では、センサ9が足の親指の第1関節と第2関節との間に位置する場合に最も良好な結果を得た。このような位置にセンサ9を設けることで、足の指先の動きに最も反応しやすく、かつ歩行の邪魔にならず、演奏者が直立した状態で機能して誤作動も抑えることが可能になる。
治具10を形成する金属薄板の材質は洋白板(ニッケルシルバー)もしくはステンレス板などの、形状を保つことが容易で、かつある程度の弾性を有する材質が好ましい。発明者による実験では、幅が約30mm、長さが約130mm、厚さが0.3mmの金属薄板を用いるのが良いことが解った。勿論、使用者の靴のサイズ(特に横幅)および形状に応じて、金属板のサイズおよび厚みを変更しても良い。
図6は、治具10の取り付け状態を示す側面図である。図示するように治具10の湾曲部12が靴底面よりもほぼ2mmていど突出するようにし、靴が着地するよりもほんの少しだけ先に治具10が地面に着くようにする。さらに、図7に示すように治具10の接地面に帯状のゴム部材13を貼り付けるようにする。このように治具10の地面との接触面にゴム部材13を設けることにより、治具10が地面に接触する際に確実に1回だけセンサ9が反応し、地面から離れる際には反応しないようにでき、2度鳴りを防止できる。
図8、図9は演奏者が専用靴7,8を装着した状態を示す図である。これらの図に示すように専用靴7,8に取り付けられたセンサからのトリガ情報は、専用ケーブルを介して電子ドラム1に伝達される。コード類は粘着テープなどにより靴に固定したり、締結バンドなどで演奏者の足に固定すると良い。
以上をまとめるとこの実施形態では、電子ドラム1を吊り下げ部2に固定し、この吊り下げ部2に設けられた肩掛け部3を介して電子ドラム1を演奏者の正面に正対保持する。また演奏者の使用する専用靴7,8にセンサ9を取り付け、足が地面に接触することによる振動を検知して、右足および左足による演奏をも電子ドラム1に入力できるようにした。また電子ドラム1から出力されるオーディオ信号を無線送信機6を介して外部再生機器に無線送信できるようにした。これによりオーディオケーブル(シールド)類を削除することができる。これらのことから電子ドラム1をスタンドなどに固定して演奏する必然性が無くなる。さらには、センサ9を専用靴7,8に取り付ける治具10を工夫し、金属板を変形させて振動を受けやすくし、この金属板にセンサ9を装着することで震動を確実に捉え、誤作動を抑えるようにした。このようなことからこの実施形態によれば、定位置でドラムを演奏するという固定観念を無くすることができ、演奏者は好きなときに好きな場所に移動して「ドラマーとして」の演奏が可能になる。
なお、この発明は上記実施の形態に限定されるものではない。ドラムの演奏では足によるハイハットオープン/クローズの操作も重要な要素である。そこで、この操作を検知してトリガ情報を発生させるセンサをさらに専用靴に取り付けるようにしてもよい。この操作は演奏者の利き足でないほうの足で行われることが多いので、演奏者の利き足が右であれば、左足用の専用靴8の靴底の中心近傍に小型のセンサ、またはスイッチを埋め込むようにする。これにより専用靴8にはドラム打撃とハイハット操作とを個別に検知する2つのセンサが付属することになる。
この他この実施形態では、センサ9により取得されたトリガ情報を専用ケーブルを介して電子ドラム1に入力するようにした。これに代えてセンサ9により取得されたトリガ情報を、電波または赤外線などを介して電子ドラム1に伝達するようにしても良い。このようにすれば無用なケーブルを削除できるので、演奏性はさらに向上する。
このほかオーディオ信号でなく、演奏情報(いわゆるMIDI(Musical Instrument Digital Interface)情報)を電子ドラム1から外部機器に伝達するようにしてもよい。その他、治具10の取り付け位置、素材など、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施を行うことができる。
この発明に係わる移動型ドラムの実施の形態を示す外観図。 図1の移動型ドラムが演奏者身体に装着された状態を示す図。 図1の移動型ドラムを演奏者の視点から見た状態を示す図。 演奏者に装着される専用靴7,8を示す外観図。 専用靴7を正面から見た図。 治具10の取り付け状態を示す側面図。 専用靴7,8を靴底面側から見た状態を示す図。 演奏者が専用靴7,8を装着した状態を示す図。 演奏者が専用靴7,8を装着した状態を示す図。
符号の説明
HP…ヘッドフォン、1…電子ドラム、2…吊り下げ部、3…肩掛け部、4…パッド部、5…バックパネル、6…無線送信機、7,8…専用靴、9…センサ、10…治具、11…コネクタ、12…湾曲部、13…ゴム部材

Claims (3)

  1. 内蔵音源を発音させるためのトリガ情報を取得するインタフェース部と、前記内蔵音源から発生されたオーディオ信号を出力するための出力端子とを備える電子ドラム部と、
    この電子ドラム部が取り付け固定され、演奏者の肩から吊り下げられて前記演奏者の身体正面に前記電子ドラム部を正対保持するための身体装着部と、
    前記出力端子に接続され、前記オーディオ信号を外部再生機器に無線送信する無線送信部と、
    前記演奏者の足による演奏を検知して前記トリガ情報を発生させ、このトリガ情報を前記インタフェース部を介して前記電子ドラム部に入力するトリガ発生手段とを具備し、
    前記トリガ発生手段は、
    前記演奏者の一方の足の靴に装着され、この一方の足による演奏に対応するトリガ情報を発生する第1センサと、
    前記演奏者の他方の足の靴に装着され、この他方の足による演奏に対応するトリガ情報を発生する第2センサとを備え、
    前記第1および第2センサは、金属薄板を折り曲げ成形した治具にそれぞれ取り付けられ、前記靴の内側側面の、前記足の親指の第1関節と第2関節との間に相当する位置に前記治具を介して装着され、
    前記治具に靴底よりも略2mm突出する湾曲部を形成し、この湾曲部の接地面に弾性部材を貼り付けたことを特徴とする移動型ドラム。
  2. 前記治具は、洋白板またはステンレス板であることを特徴とする請求項に記載の移動型ドラム。
  3. 前記トリガ発生手段は、さらに、前記他方の足の靴底に装着され、ハイハットオープン/クローズに対応するトリガ情報を発生する第3センサを備えることを特徴とする請求項に記載の移動型ドラム。
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