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JP4180717B2 - 処理済みコードの製造方法 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主としてタイヤ用補強材として使用する接着剤や樹脂処理等の処理済みコードを製造する方法に関し、特に多数本の経糸に対し長手方向所要間隔毎に緯糸を打込んで製織した長尺のすだれ織物から処理済みコードを得るための方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
近年、タイヤにおける補強層等のコードを補強材とする構成部分を、シングルのコードを用いて周方向でジョイント部を生じさせない構造(ジョイントレスタイヤ)にすることが提案されている。
【0003】
これに使用するコードは、ゴムとの接着性や形態安定性を改善するために、接着剤や樹脂処理等のディッピング処理、ヒートセット等の処理を施しておく必要があるが、下記の製造上の問題から、ディッピング等の処理済みコードはかなりコスト高なものとなっている。
【0004】
すなわち、ディッピング等の処理済みコードを得るために、ボンに巻かれたコードを1本ずつ引き出して、ディッピング処理、ヒートセットを行なうのは、エネルギー効率が悪い。
【0005】
また、シングルのコード1000〜2000本を並列させて、デッピング処理、ヒートセットする大型設備を使うにしても、各コードが相互につながれていないために動き易く、ディッピング等の処理工程でコード切れ等のトラブルが発生し易く、仮にコード切れが発生すると、切れたコードが全体に絡みつき、その糸の除去や糸の通し直しに多大な労力を要することになる。
【0006】
そのため、ジョイントレス構造のタイヤを安価に得るために、ディッピング等の処理済みコードを容易にしてコスト安価に製造できる方法の出現が望まれている。
【0007】
本発明は上記に鑑みてなしたもので、従来よりタイヤの補強層に使用されているすだれ織物、すなわち繊維コード等よりなる多数本の経糸に対し、その長手方向所要間隔毎につなぎの役割を果す細い緯糸を打込んで製織したすだれ織物であれば、糸の切断や絡みつきのおそれがなく、接着剤や樹脂処理およぴヒートセット等の処理を効率よく行えることに着目し、該処理を施したすだれ織物から、経糸であるコードを解除して引き出すことにより、処理済みコードを容易にコスト安価に得られるようにしたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決する本発明の処理済みコードの製造方法は、多数本の経糸に対し長手方向所要間隔毎に緯糸を打込んで製織した長尺のすだれ織物を、樹脂処理等の処理を施した後でロール状に巻回しておき、このすだれ織物の巻回体から、該織物の経糸を、軸方向一方端側より1本ずつ順次切離して、軸方向に引出す処理済みコードの製造方法であって、 経糸引出し側の巻芯端部に、径方向に延出しかつ該延出端部に導糸孔を有するガイド部材を回動自由に配しておいて、経糸を前記導糸孔を通して、引出しに伴う経糸引出し位置の移行に合せてガイド部材を回動させながら経糸を軸方向に引出すようにしたことを特徴とする。
【0009】
前記において、請求項2のように、すだれ織物の巻回体を、軸心を上下方向にして軸方向一方端側を上方に開放させて支持するか、または軸心を略水平にして軸方向一方端側を側方へ開放させて片持ちで支持し、経糸を上方もしくは側方へ軸方向に引出すことができる。
記において、請求項3の発明のように、前記導糸孔の位置を巻回体の巻厚の略中間に位置させるか、あるいは該ガイド部材の径方向の延出長さを経糸引出し位置に応じて可変できるようにしておくのがよい。
【0010】
請求項4の発明は、前記のすだれ織物の巻回体の外周に装着したゴムバンドあるいは巻回体の外周に押接するローラ等の押圧手段により、引出される経糸に隣接する次の経糸の引出しを規制しながら、経糸を引出すことを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、前記方法において、すだれ織物の巻終り端部に緯糸密度を高くした部分を形成しておいて、緯糸密度を高くした部分を含む巻終り端部近傍で経糸を1本ずつ前記巻終り端部を残余させるように順次カットして、カットした経糸を巻回体側の部分から切離して軸方向に引出すことを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、巻回体の外周において、前記のように残余させた前記巻終り端部を巻回体内方への倒れを規制するように巻回体外周に添う当て板に接着しておくことを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明は、前記方法において、経糸の引出しによりヒゲ状に残存する緯糸端部が一定長さ以上にならないように、該緯糸端部を適宜カットし除去しながら、経糸を引出すことを特徴とする。
【0014】
請求項8の発明は、ヒゲ状の緯糸端部の長さが40mmを越えないようにするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を使用装置とともに図面に基いて説明する。
【0016】
図1は、本発明の1実施態様の概略を示す斜視図、図2はすだれ織物からの経糸の引き抜き状態を拡大して示している。
【0017】
素材となる長尺のすだれ織物(1)は、製造対象の繊維コード等を経糸に使用し、該コードを多数本、例えば1000本〜2000本の経糸(2)と、これら経糸(2)の長手方向所要間隔毎に打ち込まれて各経糸(1a)をつなぐ細い緯糸(3)とより製織されている。緯糸(3)は、織物の側端部で折返すことにより1本の糸を連続して打ち込むほか、両側端部で切断した有限糸を打ち込んで製織したものであってもよい。前記緯糸(1)の間隔は、後の接着剤や樹脂処理および熱処理等の取扱い上の問題が生じず、しかも処理後のすだれ織物(1)からの経糸(2)の引出しを容易に可能にできるように比較的大きい間隔とし、例えば10〜150mmの範囲に設定する。この緯糸(3)には、樹脂処理等により経糸(2)と緯糸(3)が強固に接着された状態になると、経糸引出しが困難になる場合があるので、緯糸にテフロンコーティング加工を施して接着性を低下させておいてもよい。
【0018】
前記のすだれ織物(1)は、タイヤのベルト等の補強層をシングルコードで構成する場合、タイヤサイズによっても異なるが、一般には700〜1000mを必要とすることから、通常、前記より長く、例えば1000〜3000mの長尺に製織し、製織したすだれ織物(1)は、通常の手段により必要な接着剤や樹脂処理および熱処理等の処理を施す。この処理は、通常の織物の処理と同様にして容易に行なえ、しかも多数本のコードになる経糸(2)を一度に能率よく処理できる。
【0019】
この処理の後、すだれ織物(1)をロール状に巻回しておく。(4)はその巻芯を示し、すだれ織物(1)の巻始め端を接着テープ等の止め手段により、巻芯(4)に止着して巻回する。(5)はその巻回体を示し、巻終り端は巻回状態を保持できるように止めておく。
【0020】
なお、すだれ織物(1)の巻始めおよび巻終り端部には、50〜150mm程度の幅で、緯糸(3)の打込みを密にした部分、つまり緯糸密度を高くした部分(6)が形成されており、織物形態を保持できるようになっている。
【0021】
前記すだれ織物(1)から経糸(2)を引き抜く際は、例えば図1のように、前記の巻回体(5)を、軸心つまりは巻芯(4)を上下方向にして軸方向一方端側を上方に開放させて支持する。(10)はその支持装置を示し、前記巻回体(5)の下部側の側端部を受支できるトレー状をなしている。前記巻回体(5)はその巻径や織物幅によって異なるが、かなり重くなるので、その重量を安定性よく支えるように、巻回体(5)をボックスに収容して、前記のように竪型に支持してもよい。
【0022】
前記のように支持した巻回体(5)から経糸(1)を引き出すには、軸方向の一方端である上端側から、前記緯糸密度を高くした部分(6)を有する巻終り端部の近傍において引き出そうとする経糸(2)を1本ずつ図2のように前記巻終り端部を残余させるようにカット(C)して、カットした経糸(2)をすだれ織物(1)の巻回体(5)における下部側部分から切離し、上方へ軸方向に引出すようにして、該引出し力で緯糸(3)との絡みあるいは樹脂処理等による固着を解除しながら引出し、例えば図に示すようにガイドローラ(11)を経て巻取手段(12)でボビン等に巻取る。このほか、引出した経糸(2)を次の工程へ直接おくることもできる。(13)は巻取り用のモータを示す。
【0023】
こうして、最上段の経糸(2)の引出しが完了すれば、次の経糸(2)を前記同様に巻終り端部近傍で切離して上方へ引出すようにして、上段側から1本ずつ順次上方へ引出せばよい。これにより接着剤や樹脂処理等の処理が施されており、タイヤの補強層等に使用できるシングルの処理済みコードが得られる。
【0024】
前記の経糸(2)の引出しの際、その引出し位置は、引出しに伴って巻回方向とは逆方向に移行するので、図1のように、経糸(2)の引出し側になる上部側の巻芯(4)の端部に、径方向に延出しかつ該延出端部に導糸孔(14a)を有するガイド部材(14)を回動自由に配しておき、経糸(2)を前記導糸孔(14a)を通して、前記経糸引出し位置の移行に合せてガイド部材(14)を回動させながら経糸(2)を常に略軸方向に引出せるようにする。このようにすることにより、緯糸(3)の絡みによる抵抗が小さく比較的容易に経糸(2)を引出すことができる。
【0025】
また前記の経糸(2)の引出し位置は、その引出しに伴って巻回体(5)の外径部から内径部まで径方向にも変化する。したがって、前記ガイド部材(14)の導糸孔(14a)の位置を巻回体(5)の径方向の略中間に位置させておくか、あるいはガイド部材(14)の延出長さを前記引出し位置の変化に応じて自動的に変化するように構成しておき、経糸引出し方向の軸方向に対する角度変化をできるだけ小さくするのが、経糸の引出し抵抗の増大を抑える上で望ましい。
【0026】
前記の経糸(2)の引出しの際、すだれ織物の巻回体(5)の外周には、図のようにゴムバンド(15)を引出される経糸(2)に隣接する経糸(2)を抑えるように装着しておく。これにより隣接経糸(2)の引出しを規制して、1本の経糸(2)のみを確実に引出せることになる。このゴムバンド(15)は各経糸(2)の引出し毎に装着位置を経糸1本ずつ下方にずらせる。
【0027】
なお、前記のゴムバンド(15)に代えて、ローラ等の押圧手段により、引出される経糸(2)に隣接する経糸(2)を押えるようにしてもよい。
【0028】
また前記の経糸(2)の引出しが進んだ場合に、残された巻終り端部が巻回体(5)の内方に倒れないように、巻回体(5)の外周に添うように立設された支持装置(10)の当て板(16)に前記巻終り端部を接着しておくのがよい。これにより、前記のようにカットして残した前記巻終り端部が巻回体(5)の内方へ倒れて経糸(2)の引出しを阻害するのを防止できる。
【0029】
さらに前記の経糸(2)の引出しによって、緯糸(3)の端部がヒゲ状に残存することになり、このヒゲ状の緯糸端部(3a)が長くなるほど、引出される経糸(2)に絡みつき易くて経糸の引出し抵抗が増し、ひいては大きな引出し力を必要とする。また前記緯糸端部(3a)が切断された場合、その切れ端が経糸(2)に絡み付いてそのまま引出されると、処理済みコードとして使用する場合の障害となる。
【0030】
そのため、前記のヒゲ状に残存する緯糸端部(3a)が一定長さ以上にならないように、該緯糸端部(3a)を鋏やバリカン等の切断手段により適宜カットし、さらに吸引手段等によりカットされた切れ端を除去しながら、経糸(2)を上記のように引出す。
【0031】
特に、引出し実験によれば、前記のヒゲ状に残存する緯糸端部(3a)の長さが40mm程度までは、経糸引出し力は20g以下であるが、緯糸端部(3a)の長さが40mmを越えると、経糸引出し力が急激に増大し、緯糸切れが生じたりすることになる。したがって、ヒゲ状の緯糸端部(3a)の長さが40mmを越えないように、カットし除去しながら経糸(2)を引出すのがよい。
【0032】
なお、上記の実施例では、すだれ織物(1)の巻回体(5)を竪型に支持して、経糸(2)を上方へ引き出すようにした場合を示したが、このほか、前記巻回体(5)を軸心を略水平にして軸方向一方端側を側方へ開放させるように巻芯(4)の部分で片持ちで支持しておいて、経糸(2)を前記支持側とは反対側の軸方向一方端側より軸方向に引出すようにしてもよい。この場合、竪型か横型かの違いがあるだけで、経糸の引出しの手段、方法は上記した実施例と同様に行なうことができる。
【0033】
【発明の効果】
上記したように本発明の処理済みコードの製造方法によれば、製造対象のコードを経糸に使用して製織したすだれ織物に、従来同様に接着剤や樹脂処理あるいは熱処理等の処理を施しておくので、多数本のコードを並列させて樹脂処理等をする特別の設備が必要でなく、多数本のコードを容易に能率よく処理できる。
【0034】
しかもこのすだれ織物の巻回体から経糸を引出すだけで、樹脂処理等の処理が施されたシングルの処理済みコードを容易に得ることができ、その生産効率を高め、この種コードの製造コストを大幅に低減できる。
【0035】
特に前記巻回体の軸方向に経糸を1本ずつ順次引出すので、緯糸の絡みつきが解除され易く、比較的小さい力で容易に引出すことができ、以て本発明の方法の実施が問題なく可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施態様の概略を示す斜視図である。
【図2】 経糸の引出し状態を示す一部の拡大正面図である。
【符号の説明】
(1) すだれ織物
(2) 経糸
(3) 緯糸
(3a) ヒゲ状の緯糸端部
(4) 巻芯
(5) 巻回体
(6) 緯糸密度を高くした部分
(10) 支持装置
(12) 巻取装置
(14) ガイド部材
(14a) 導糸孔
(15) ゴムバンド

Claims (8)

  1. 多数本の経糸に対し長手方向所要間隔毎に緯糸を打込んで製織した長尺のすだれ織物を、樹脂処理等の処理を施した後でロール状に巻回しておき、このすだれ織物の巻回体から、該織物の経糸を、軸方向一方端側より1本ずつ順次切離して、軸方向に引出す処理済みコードの製造方法であって、
    経糸引出し側の巻芯端部に、径方向に延出しかつ該延出端部に導糸孔を有するガイド部材を回動自由に配しておいて、経糸を前記導糸孔を通して、引出しに伴う経糸引出し位置の移行に合せてガイド部材を回動させながら経糸を軸方向に引出すようにしたことを特徴とする処理済みコードの製造方法。
  2. すだれ織物の巻回体を、軸心を上下方向にして軸方向一方端側を上方に開放させて支持するか、または軸心を略水平にして軸方向一方端側を側方へ開放させて片持ちで支持し、経糸を上方もしくは側方へ軸方向に引出すようにしたことを特徴とする請求項1に記載の処理済みコードの製造方法。
  3. 前記導糸孔の位置を巻回体の巻厚の略中間に位置させるか、あるいは該ガイド部材の径方向の延出長さを経糸引出し位置に応じて可変できるようにする請求項1又は2に記載の処理済みコードの製造方法。
  4. すだれ織物の巻回体の外周に装着したゴムバンドあるいは巻回体の外周に押接するローラ等の押圧手段により、引出される経糸に隣接する次の経糸の引出しを規制しながら、経糸を引出すことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の処理済みコードの製造方法。
  5. すだれ織物の巻終り端部に緯糸密度を高くした部分を形成しておいて、緯糸密度を高くした部分を含む巻終り端部近傍で経糸を1本ずつ前記巻終り端部を残余させるように順次カットして、カットした経糸を巻回体側の部分から切離して軸方向に引出すことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の処理済みコードの製造方法。
  6. 残余させる前記巻終り端部を巻回体内方への倒れを規制するように巻回体外周に添う当て板に接着しておくことを特徴とする請求項に記載の処理済みコードの製造方法。
  7. 経糸の引出しによりヒゲ状に残存する緯糸端部が一定長さ以上にならないように、該緯糸端部を適宜カットし除去しながら、経糸を引出すことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の処理済みコードの製造方法。
  8. ヒゲ状の緯糸端部の長さが40mmを越えないようにする請求項に記載の処理済みコードの製造方法。
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