JP4180895B2 - 自動車用ホイールリムの溶接部検出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用ホイールリムの溶接部位置を検出する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用ホイールにあっては、ホイールリムの内周面に形成されたドロップ部に、ディスクのフランジ部を溶接して構成される、いわゆる2ピースタイプのものが主流となっている。このような2ピースタイプの自動車用ホイールにあって、ホイールリムは、略長方形の平板状基材を、その短辺同士を溶接することにより筒状基体を形成し、該筒形基体の両端の開口縁を拡口し、筒形の内外両方向から所定形状の金型で挟圧することによって成形される。
【0003】
このように成形されたホイールリムには、バルブ孔開け加工とエア漏れ検査が行われる。ここで、バルブ孔は溶接部を避ける位置に形成するようにしていること、またエア漏れ検査は溶接部で行われることから、溶接部の位置を明確に認識する必要がある。そのため、ホイールリムの溶接部を検出する方法として、従来、ホイールリム表面の渦電流の変化を渦電流センサによって検知して溶接部を検出するもの(例えば、特許文献1参照)、溶接する前に溶接位置から一定距離に刻印し、該刻印を振動センサで検知することによって溶接部を検出するもの(例えば、特許文献2参照)等が提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−280805号公報
【特許文献2】
特開平11−42903号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した従来の、渦電流センサによって検出する方法にあっては、ホイールリム表面の渦電流の変化量の大きい部分を溶接部として検出するものであるため、リム表面に傷や傷の修正個所があると、これら部分で渦電流の変化が大きく、溶接部の検出が困難となる。さらに、検出中にあって、ホイールリムに振動等が加わっても、渦電流が変化することとなるため、誤検出することともなっていた。一方、上記の、予め設けた刻印を振動センサで検出する方法にあっては、リム表面の平滑度が悪い場合や、傷がある場合には、刻印の検出が難しく、該刻印と異なる部位を誤って検出するという問題が生じていた。
【0006】
さらに、このような従来の検出方法にあっては、ホイールリムを回転させ、その表面の比較的狭い領域を順次、渦電流センサ及び振動センサにより検知するようにしているものであるから、該回転で生ずる振動によってセンサの検知レベルを安定させることが難しく、溶接部を適正に検出するには限界があった。また、これらセンサが、回転するホイールリム表面で最初に検知した特異場所を溶接部位置として判断するようにしていることから、傷等を誤って溶接部と検出する可能性が非常に高いという問題もあった。
このように従来の検出方法では、溶接部を適正に検出することができていなかった。
【0007】
本発明は、かかる上記問題点を解決し、ホイールリムの溶接部を適正に検知することができる自動車用ホイールリムの溶接部検出方法を提案するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ホイールリムの、開口方向から映る映写面の画像データを入力する画像入力手段を備えると共に、この画像データを、円周方向と半径方向とで複数の微小区画域に分割し、その半径方向に沿った各微小区画域列の明度を、各微小区画域の積算により算出し、この積算明度が所定の判定明度に比して低くなる微小区画域列である場合に、その相互に隣接する当該微小区画域列の集合を目標部位と判定する明度検出処理判定と、前記積算明度から、連続する円周方向の微小区画域列間における変化量を算出し、この明度変化量が所定の明度変化形態となった場合に、これを目標部位と判定する変化量検出処理判定と、明度検出処理判定により判定された目標部位と、変化量検出処理判定により判定された目標部位のいずれにも該当する部位を溶接部として判定する溶接部検出処理判定とを具備する溶接部検出手段を備えていることを特徴とする自動車用ホイールリムの溶接部検出方法である(請求項1)。ここで、ホイールリムの開口方向から映る映写面は、該ホイールリムの略中心軸に沿った上方又は下方の所定位置から、ホイールリムの開口を望んで映写される面である。そのため、ホイールリムの中心軸に対する垂直面に近い面ほど、実体の形状に即して映写されることとなる。
【0009】
一般的に、スチール等の金属は溶接による熱を受けると、この溶接部は酸化されることとなるから、それ以外の部分に比して光を反射し難くなり暗くなる。また、この溶接部は、該ホイールリムの軸方向に、その形状に沿って存在するから、開口方向から映す映写面では、半径方向に沿って映し出されることとなる。かかる構成にあっては、このような溶接部とそれ以外の部分との明度の差を利用して、該溶接部を検出する方法であり、明度検出処理判定によって明度から特定した目標部位と、変化量検出処理判定によって明度の変化量から特定した目標部位とのいずれにも該当する部位を溶接部として検出するようにしている。
【0010】
ここで、ホイールリムの明度は、画像入力手段により入力された映写面の画像データを仮想的に微小区画域に分割して、各微小区画域毎の明度を検出した後、該明度を半径方向に沿って積算することによって、微小区画域列の積算明度を算出し、円周方向に沿った明度分布として検出するようにしている(図6参照)。この微小区画域に分割する映写面の画像データにあっては、映写面に映し出されたホイールリムの、軸方向に対し比較的垂直に近い面や、半径方向に比較的広い幅で映し出された面等が好適に用いられる。また、映写面は、ホイールの意匠面側となる開口方向、及び裏面側となる開口方向のいずれに設定しても良い。
【0011】
また、明度検出処理判定としては、溶接部の明度となる基準として設定した所定の判定明度に比して、上記の積算明度が低くなる微小区画域列を選出し、当該微小区画域列の相互に隣接する集合部位を、溶接部である可能性の高い目標部位として検出するものである。ここで、目標部位は、相互に隣接する集合であることから、離間する複数の微小区画域列がそれぞれ判定明度により低いと判定された場合には、それぞれを独立した目標部位として認識することとなる。この明度検出処理判定にあっては、該判定明度より明るい部位を目標明度として特定することが無いから、溶接部を確実に判定することができると共に、反射光等による高明度の部位が誤まって検出されることを防止できる。但し、汚れ等の付着した部位を検出する可能性はある。
【0012】
さらにまた、変化量検出処理判定としては、連続する微小区画域列間における明度の変化量が、所定の明度変化形態となる部位を、目標明度として検出するものである。ここで、溶接部における明度変化形態は、円周方向に比較的狭い間隔で、マイナス側(暗くなる方向)に急激に減少した後、プラス側(明るくなる方向)に向かって増加し、急激に減少する形態となる(図7参照)。従って、このような明度変化形態となる部位を、溶接部である部位として特定することが可能である。尚、汚れや傷等にあっては、明度変化量が比較的緩やかに減少又は増加したり、円周方向に幅広い間隔で変化する等の形態となるから、該汚れや傷等を誤って検出することが、本変化量検出処理判定により防止できる。ここで、微小区画域列間の変化量は、微分量を算出することによって求めても良いし、隣接する微小区画域列の差を算出することで求めるようにしても良い。
【0013】
そして、このような明度検出処理判定によって特定された目標部位と、変化量検出処理判定によって特定された目標部位とのいずれにも該当する部位を判定する溶接部検出処理判定によって、ホイールリムの溶接部を適正かつ明確に検出することが可能となる。これにより、バルブ孔開け加工工程やエア漏れ検査工程に移送するホイールリムを、溶接部が適正な位置となるように回動させる等の位置決め作動を適切に行うことが可能となる。而して、汚れや傷等を誤って溶接部として検出することがないから、バルブ孔開け加工工程にあって、バルブ孔を誤って溶接部近隣に加工することを防ぎ得るため、不具合品の発生率を著しく減少させることができ、生産性が一層向上する。同様に、エア漏れ検査工程も溶接部で適切に行われることとなるから、不良品を見逃すこともなく、該エア漏れによる苦情の発生を防止できる。また、溶接部の検出を、画像データの解析処理で行うことにより、上述した従来の検査方法に比して、溶接部検出に要するホイールリムの情報の入力にかかる時間を短縮することができるから、この溶接部検出の工程が迅速に進行することとなり、ホイールリムの生産効率を一層高めることができる。さらにまた、明度検出処理判定や変化量検出処理判定において、比較的大きな汚れや傷等を検出することも可能であるから、このような不具合品を容易に発見することができるという優れた利点もある。
【0014】
上述した変化量検出処理判定における所定の明度変化形態が、明度変化量の絶対量と、明度変化量の変化率とによって設定される検出方法(請求項2)が提案される。ここで、明度変化量の変化率としては、明度変化量の連続する微小区画域列間における増加又は減少割合であり、明度変化量の勾配を表すものである。このように、明度変化量の絶対量と、明度変化量の変化率とにより、上述したように、円周方向に沿って、マイナス側に急激に減少した後、プラス側に向かって増加し、急激に減少する形態となる溶接部の明度変化形態を設定できる。これにより、変化量検出処理判定によって、溶接部と汚れや傷等とを的確に区別することが可能となるから、本発明の溶接部検出手段により溶接部を適切かつ明確に検出することができる。
【0015】
また、上述した溶接部検出手段が、ホイールリムの開口方向から映る、ビードシート部からリムフランジに立ち上がる部位の内周面、及び/又は、ビードシート部からドロップ部に連成するウエル部の内周面の画像データにより、溶接部を検出するようにした検出方法(請求項3)が提案される。ここで、リムフランジに立ち上がる部位の内周面や、ウエル部の内周面は、ホイールリムの開口方向から映る映写面にあって、軸方向に対し比較的垂直面に近く、半径方向に幅広い領域を有している。これにより、微小区画域の明度を比較的明るい範囲で検出することができるから、明度の低い溶接部を明確かつ容易に検出することが可能である。また、微小区画域列の半径方向幅が広くなることにより、明度を検出し解析処理する領域が増加することとなるから、汚れや傷等と溶接部とを区別し易く、溶接部を一層適正に検出することができる。
【0016】
さらにまた、上述の画像入力手段が、ホイールリムを、開口方向から単一画像体として入力する画像入力装置を設けている検出方法(請求項4)が提案される。かかる画像入力手段にあって、画像入力装置がホイールリムの映写面を単一画像として撮ることにより、一度の画像データ入力によってホイールリム全体の明度分布及び明度変化量の分布を検出することができる。これにより、溶接部検出手段によって、溶接部としての特徴を最も表している部位を特定することができるから、的確に溶接部を検出でき、異なる部位を検出する誤検出を防止し得る。さらに、一度の画像データにより解析処理されることにより、複数の画像データを組み合わせるための処理が必要ないから、この溶接部検出の工程が一層迅速に進行することとなる。また、溶接部の他にも、明度の低い部位や明度変化量が大きい部位を検出することができるから、汚れや傷等を適切に把握でき、そのレベルに応じて製造ラインから取り出して、修正等を行うこともできる。さらにまた、このような画像入力装置にあっては、ホイールリムを固定した状態で画像データを入力できることから、上述した従来の検出方法のように、検出中にホイールリムを回転させる制御装置が必要ないという優れた利点もある。
【0017】
一方、画像入力手段が、ホイールリムをその開口方向から、円周方向に同じ明るさで照らす照射装置を備えるようにした検出方法(請求項5)が提案される。かかる照射装置を備えることにより、ホイールリムが、円周方向に沿ってほぼ一定の明度となることから、溶接部、汚れ、傷等によって生じる異なった明度を、一層明確に検出することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態例を図面に従って説明する。
図1は、その内周面にホイールディスク(図示せず)を内嵌してなる2ピースタイプの自動車用ホイールリム1の縦断面図である。尚、このホイールリム1はスチールにより成形されている。このホイールリム1にあって、両側の開口縁にタイヤのサイドウォール部を支持するリムフランジ5a,5bが形成され、そのホイール軸方向内側に、タイヤのビードを着座させるビードシート部7a,7bが夫々に隣接されている。ここで、ビードシート部7a,7bからリムフランジ5a,5bに立ち上がる部位の内周側に、ホイールリム1の軸方向に対しほぼ垂直面となるフランジ首面9a,9bが形成されている。さらに、ホイール意匠面側のビードシート部7aの、ホイール軸方向内側にはタイヤ装着時にタイヤのビードを落とすためのドロップ部3が、該ドロップ部3からホイール径方向に立ち上がったウエル部6aを介して設けられている。そして、このドロップ部3のホイール裏面方向には、ウエル部6bを介してレッジ部4が連成されている。
【0019】
ここで、ホイールリム1は、図示しない製造工程によって成形される。この製造工程にあっては、所定の略長方形状としたスチール製の板状基材を、その短辺同士を隅肉溶接又はスポット溶接により接合して筒形基体とし、次にその両開口縁の開口度を拡大させるフレアー加工を行った後、所定の金型を内外から挟圧するロール加工により所定形状を形成し、さらに真円形状に整えるエキスパンダー加工を行って、所望のホイールリム1が成形されることとなる。
【0020】
このように成形したホイールリム1は、バルブ孔開け加工工程やエア漏れ検査工程に送られる前に、溶接部検査工程に移送される。図2は、本発明にかかる自動車用ホイールリム1の溶接部検出装置11の具体例である。この溶接部検出装置11には、搬送コンベア14により移動してきたホイールリム1を撮影位置で固定する固定装置13と、該ホイールリム1の開口に所定の光を照射する照射装置15と、ホイールリム1の意匠面側開口方向から映す映写面の画像を撮影し、該画像データを入力する検出カメラ16とが配設されている。さらに、固定装置13と検出カメラ16と夫々に接続され、これらの制御及び、該検出カメラ16から得た画像データにより、解析処理を行い、ホイールリム1の溶接部2(図1参照)を検出する検出処理装置12が備えられている。
【0021】
ここで、上記の固定装置13には、ホイールリム1が搬送コンベア14により間欠的に移送される。そして、固定装置13は、当該ホイールリム1を油圧式係止具17によって、該ホイールリム1を開口方向から映す映写面を、検出カメラ16が一度に撮影可能な範囲内に収まるように、所定の水平方向位置と、所定の垂直距離とする垂直方向位置とが設定された撮影位置に係止させる。さらに、この固定装置13にあっては、ホイールリム1の溶接部2が検出されると、該溶接部2がホイールリム1の中心に対して所定位置となるように、該ホイールリム1を回転させる回動機能も有している。
【0022】
また、検出カメラ16は、上記した固定装置13により係止されたホイールリム1の略中心軸に沿って、上方の所定垂直距離にある所定位置に設けられており、固定装置13により固定されたホイールリム1の映写面を、一度に撮影可能な範囲内に収まるようにしている。そして、このホイールリム1の映写面の画像を撮影し、該画像データを検出処理装置12に送信する。尚、検出カメラ16は、ホイールリム1の外径が同等の種類の場合には垂直方向距離を一定とし画像を入力し、外径が異なるホイールリム1の場合には、該ホイールリム1の外径に応じて、検出カメラ16の垂直位置を変更して、垂直距離を変えるように制御している。また、検出カメラ16は、ホイールリム1の、上述したフランジ首面9aに焦点が合うように制御されている。すなわち、本実施形態例にあっては、このフランジ首面9aの画像データによって、溶接部2を検出するようにしている(図4参照)。
【0023】
また、上述した照射装置15にあっては、ホイールリム1の開口に所定の明るさの光と照射し、ホイールリム1が円周方向に、一定の明度となるようにしている。この照射装置15,15は、上記した検出カメラ16によるホイールリム1の映写面の撮影を妨げず、かつ、該ホイールリム1との間に、照射する光を妨げるものが存在しないように配置されるものである。
【0024】
また、上述した検出処理装置12にあっては、中央演算装置(図示せず)及び記憶装置(図示せず)を配する基板回路(図示せず)を備える、いわゆるコンピュータ制御装置によって構成されている。この検出処理装置12の記憶装置には、検出カメラ16と固定装置13とを制御作動させる作動プログラムと、検出カメラ16が撮影した映写面の画像データにより、ホイールリム1の溶接部2を検出する検出処理プログラムとが備えられている。そして、この検出処理装置12の基板回路は、画像データ等を受信する入力ポート及び、作動指令等を送信する出力ポートを介して、固定装置13や検出カメラ16と夫々に接続されている。さらに、この記憶装置には、照射装置15によって照射される明るさに従って、溶接部の明度とする判定基準値の判定明度Xと、溶接部2の明度変化を表す判定明度変化形態Yとが記憶されている。ここで、判定明度変化形態Yにあっては、明度変化量の所定の絶対量と、明度変化量の所定の変化率によって定められている。
【0025】
このような検出処理装置12は、ホイールリム1の溶接部2を、映写面の画像データに基づいて、該ホイールリム1のフランジ首面9aの明度を解析処理することによって検出するようにしている。ここで、明度の解析処理としては、検出カメラ16から入力したホイールリム1の画像データから、フランジ首面9aの画像データを取り出し、図5のように、該画像データを円周方向と半径方向とで複数の微小区画域20に分割し、各微小区画域20毎の明度を画像データより検出する。そして、半径方向に沿った微小区画域列21毎に、その微小区画域20の明度を積算し、微小区画域列21の積算明度が算出される。これにより、図6のように、円周方向における積算明度の分布が求まる。また、この積算明度を、微小区画域列21によって微分することにより、連続する微小区画域列間の明度変化量を算出する。これにより、図7のように、円周方向における明度変化量の分布が求まる。さらに、この明度変化量の分布から、その変化率を算出する。このように算出された積算明度及び、明度変化量と変化率を、上記した判定明度X、判定明度変化形態Yにより判定することによって、溶接部2を検出する処理が行われる。
【0026】
このような、上述した検出処理装置12によりホイールリム1の溶接部2を検出する検出制御方法を、図3のフロー図に従って説明する。
上述したように、搬送コンベア14によって固定装置13にホイールリム1が移送されると、検出処理装置12は作動プログラムに従って、固定装置13の油圧式係止具17を制御作動させて、該ホイールリム1を所定の撮影位置に固定する。さらに作動プログラムに従って、検出カメラ16により、ホイールリム1を意匠面側の開口方向から映る映写面を撮影し、この画像データを検出処理装置12に入力する。この画像データにより、検出処理プログラムによる解析処理が実行される。先ず、画像データに基づき当該ホイールリム1の中心を算出し、ホイールリム1のみの画像データを抜き取ると共に、フランジ首面9aを抽出する(図4参照)。そして、このフランジ首面9aの画像データを、ホイールリム1の中心を基点として、上述のように、仮想的に円周方向と半径方向とに分割して、複数の微小区画領域20をつくる(図5参照)。尚、この微小区画領域20の数は、検出カメラ16の有する最小画素に応じて決まり、最小画素と同じ大きさか、その正数倍の大きさのいずれかに設定することができる。そして、各微小区画領域20における明度を画像データから検出し、微小区画域列21の積算明度を算出する。各微小区画域列21の積算明度を、上述した判定明度Xと比較して、該判定明度Xより低い積算明度である微小区画域列21の、相互に隣接する微小区画域列21の集合を目標部位22とする。
【0027】
一方、前記微小区画域列21の積算明度から、連続する微小区画域列間の明度変化量を算出すると共に、その変化率も算出する。この明度変化量とその変化率によって求まる明度変化形態が、判定明度変化形態Yとを比較して、略同形態となる部位を目標部位23とする。そして、上記の積算明度で判定した目標部位22と、明度変化形態で判定した目標部位23とのいずれにも該当する部位を溶接部2として判定する。このようにして、ホイールリム1の溶接部2が検出されることとなる。
【0028】
尚、ここで、ホイールリム1のフランジ首面9aに、汚れや傷等があった場合でも、積算明度によっては目標部位22となる可能性もあるが、明度変化形態Yとは異なる変化形態となることから、溶接部2として判定されることはない。
【0029】
このようにして溶接部2が検出されると、該溶接部2が当該ホイールリム1の中心に対して所定位置となるように、検出処理装置12は、固定装置13によってホイールリム1を回動させる。その後、当該ホイールリム1は固定装置13から開放され、該位置を保持した状態で、次のバルブ孔開け工程(図示せず)に移送され、ホイールリム1の、溶接部2から離れた所定位置にバルブ孔が形成されることとなる。さらには、次のエア漏れ検査工程で、この溶接部2でエア漏れ検査が行われる(図示せず)。一方、溶接部検出装置11の固定装置13には、新たなホイールリム1が搬送コンベア14によって移送され、上述と同様に、溶接部2が検出されることとなる。
【0030】
このように、本実施形態例にあっては、汚れや傷等を誤って検出することなく、ホイールリム1の溶接部2を適正に検出することが可能である。従って、これ以降のバルブ孔開け加工工程によって、適切な位置にバルブ孔加工が施されることとなる。さらに、エア漏れ検査工程にあっても、溶接部2で適切に行われることとなる。而して、溶接部2を誤って検出することによって生じる、バルブ孔位置不良や、エア漏れ検査不良等の不具合品が発生することを防止できるから、所望のホイールリム1の生産効率を一層高め得る。
【0031】
このような実施形態例にあって、検出制御手段に、比較的大きな汚れや傷等を検出できるように、不具合判定基準や不具合変化形態を設定するようにしても良い。これにより、微小区画域列21の積算明度とその明度変化量とから、不具合品を容易に検出することができるから、不具合品を検出した場合には、一旦製造ラインから取り出して、さらなる検査及び修正等を行うことも可能となる。
【0032】
上述の実施形態例にあっては、溶接部2を検出するために、フランジ首面9aの画像データを用いた検出方法であるが、その他の方法として、ウエル部6aの内周面の画像データを用いる方法や、フランジ首面9aとウエル部6aの両方の画像データを用いる方法とすることもできる。また、ホイールリム1の裏面側から検知カメラ16によって、映写面を撮影し、フランジ首面9bやウエル部6bの内周面における明度を解析処理することにより、溶接部2を検出するようにしても良い。
【0033】
上述した実施形態例にあっては、図1のように搬送コンベア14上を移送されてきたホイールリム1を固定装置13により固定して、検出処理装置12が検出カメラ16によって入力した画像データを解析処理して溶接部2を検出するようにした方法であるが、その他の方法として、搬送コンベア14上にあるホイールリム1をロボットハンド等によって掴み、固定された検出カメラ16により単一画像として入力可能な所定の撮影位置まで運び、ホイールリム1の映写面を撮影するものとすることもできる。この方法にあっては、映写面の画像データから検出された溶接部2に従って、ロボットハンドが、当該ホイールリム1を、その溶接部2が所定位置となるように、次工程に移送される搬送コンベア14にセットする制御作動や、バルブ孔開け装置に直接セットする制御作動等を行うようにすることもできる。このようにロボットハンドにより、固定された検出カメラ16の撮影位置にホイールリム1を運ぶ方法にあっては、ロボットハンドが掴むホイール外径によって、撮影位置を随時変更することも可能であるから、様々なサイズのホイールリム1に容易に対応することができるという優れた利点もある。
【0034】
かかる本発明はこの形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な形態で実施しうるのものであり、スチール製のホイールリム以外にも、アルミニウム製やマグネシウム製などのホイールリムにも適宜実施し得る。
【0035】
【発明の効果】
本発明は、画像入力手段により入力されたホイールリムの映写面の画像データを、溶接部検出手段の、明度検出処理判定によって、円周方向と半径方向とで複数の微小区画域に分割し、各微小区画域の明度から算出した微小区画域列の積算明度が、所定の判定明度に比して低くなる微小区画域列の、その相互に隣接する当該微小区画域列の集合を目標部位と判定すると共に、変化量検出処理判定によって、前記積算明度から、連続する円周方向の微小区画域列間における変化量を算出し、この明度変化量が所定の明度変化形態となる目標部位を判定し、前記明度検出処理判定と変化量検出処理判定とのいずれにも該当する部位を溶接部として検出するようにした溶接部検出方法(請求項1)であるから、汚れや傷等を誤って溶接部として検出することなく、ホイールリムの溶接部を適正かつ明確に検出することが可能となる。さらに、溶接部の検出が適正に行われることによって、バルブ孔加工位置の不具合を防止できると共に、溶接部のエア漏れによる不具合を見逃すこともなくなるため、ホイールリムの生産性を一層向上させることができる。また、明度検出処理判定や変化量検出処理判定において、比較的大きな汚れや傷等を検出することも可能であるから、このような不具合品を容易に発見することができるという優れた利点もある。
【0036】
ここで、上記した変化量検出処理判定における所定の明度変化形態が、明度変化量の絶対量と、明度変化量の変化率とによって設定される検出方法(請求項2)にあっては、変化量検出処理判定によって、溶接部と汚れや傷等とを的確に区別することが可能となるため、本発明の検出方法によって溶接部を一層適切かつ明確に検出できる。
【0037】
また、上述した溶接部検出手段が、ホイールリムの開口方向から映る、ビードシート部からリムフランジに立ち上がる部位の内周面、及び/又は、ビードシート部からドロップ部に連成するウエル部の内周面の画像データにより、溶接部を検出するようにした検出方法(請求項3)にあっては、微小区画域の明度を比較的明るい範囲で検出でき、かつ、明度を検出し解析処理する微小区画域列の半径方向幅が広くなるため、溶接部を一層適正かつ容易に検出することができる。
【0038】
上述した画像入力手段が、ホイールリムを、開口方向から単一画像体として入力する画像入力装置を設けている検出方法(請求項4)にあっては、一度の画像データ入力によってホイールリム全体の明度や明度変化量を検出できるため、溶接部としての特徴を最も表している部位を容易に特定でき、一層的確に溶接部を検出することが可能である。
【0039】
一方、画像入力手段が、ホイールリムをその開口方向から、円周方向に同じ明るさで照らす照射装置を備えるようにした検出方法(請求項5)にあっては、ホイールリムの映写面を、円周方向に沿ってほぼ一定の明度とできるため、溶接部、汚れ、傷等によって生じる異なった明度を、一層明確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車用ホイールリム1の縦断面図である。
【図2】本発明にかかる、自動車用ホイールリム1の溶接部検出装置11の具体例を示す側面図である。
【図3】本発明の溶接部検出方法における検出処理過程を表すフロー図である。
【図4】本発明にかかる画像入力手段により画像入力されたフランジ首面9aを表す平面図である。
【図5】本発明にかかる溶接部検出手段により、フランジ首面9aの画像データを微小区画域20に分割する処理内容を表す、図4におけるフランジ首面9aのA部拡大図である。
【図6】本発明にかかる溶接部検出手段により解析処理されたフランジ首面9aの明度分布の具体例を表す説明図である。
【図7】本発明にかかる溶接部検出手段により解析処理されたフランジ首面9aの明度変化量分布の具体例を表す説明図である。
【符号の説明】
1 自動車用ホイールリム1
2 溶接部
9a,9b フランジ首面
11 溶接部検出装置
15 照射装置
16 検出カメラ
20 微小区画域
21 微小区画域列
22 目標部位(明度検出処理判定による判定)
23 目標部位(変化量検出処理判定による判定)
Claims (5)
- ホイールリムの、開口方向から映る映写面の画像データを入力する画像入力手段を備えると共に、
この画像データを、円周方向と半径方向とで複数の微小区画域に分割し、その半径方向に沿った各微小区画域列の明度を、各微小区画域の積算により算出し、この積算明度が所定の判定明度に比して低くなる微小区画域列である場合に、その相互に隣接する当該微小区画域列の集合を目標部位と判定する明度検出処理判定と、
前記積算明度から、連続する円周方向の微小区画域列間における変化量を算出し、この明度変化量が所定の明度変化形態となった場合に、これを目標部位と判定する変化量検出処理判定と、
明度検出処理判定により判定された目標部位と、変化量検出処理判定により判定された目標部位のいずれにも該当する部位を溶接部として判定する溶接部検出処理判定とを具備する溶接部検出手段を備えていることを特徴とする自動車用ホイールリムの溶接部検出方法。 - 変化量検出処理判定における所定の明度変化形態が、明度変化量の絶対量と、明度変化量の変化率とによって設定されていることを特徴とする請求項1記載の自動車用ホイールリムの溶接部検出方法。
- 溶接部検出手段が、ホイールリムの開口方向から映る、ビードシート部からリムフランジに立ち上がる部位の内周面、及び/又は、ビードシート部からドロップ部に連成するウエル部の内周面の画像データにより、溶接部を検出するようにしていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の自動車用ホイールリムの溶接部検出方法。
- 画像入力手段が、ホイールリムを、開口方向から単一画像体として入力する画像入力装置を設けていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の自動車用ホイールリムの溶接部検出方法。
- 画像入力手段が、ホイールリムをその開口方向から、円周方向に同じ明るさで照らす照射装置を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の自動車用ホイールリムの溶接部検出方法。
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