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JP4181017B2 - 成形用金型 - Google Patents
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Description

本発明は、成形用金型、特に、コンパクトディスク(CD)やデジタルバーサタイルディスク(DVD)等の光ディスク用プラスチック基板あるいは、パーソナルコンピュータや携帯電話等に使用される液晶表示装置用またはその他の用途に使用される透明樹脂製の導光板等を形成するために好適な成形用金型に関する。
一般に、CDやDVD等の光ディスク用プラスチック基板は、鋼材等の金属材料で構成された可動側金型及び固定側金型を使用し、これらの金型が組み合わされたとき形成されるキャビテイ内に記録情報に対応するスタンパを配置して、このキャビテイ内にポリカーボネート樹脂等の溶融プラスチックを充填し、冷却、固化後金型から分離して形成される。
しかし、近年、光ディスクの高密度化に伴い、このような光ディスク用プラスチック基板の成形においては、サブミクロンオーダーの情報ピットやレーザー案内溝の精密転写が最重要課題となっている。特に高密度化のために、基板厚みを0.6mm以下の薄型とすると、溶融プラスチック樹脂がスタンパの溝深さに対して十分に転写しにくく転写性が悪い問題がある。このような問題は、前記導光板の成形においても生じ、導光板の表面の光反射面となる微小な凹凸面の形成において、十分な転写性が得られず、良好な反射面が形成されない問題がある。
このような問題を解消するために、スタンパと金型コアとの間に溶射法によってセラミックス材による断熱層を形成した成形金型を使用することが提案されている。(例えば、特許文献1)
この方法によれば、スタンパと金型コアとの間に溶射法によってセラミックス材による断熱層を形成するので、充填直後の溶融樹脂温度が、ゲートに近い基板内周部より低い基板外周部でも、樹脂充填直後のスタンパとの境界面温度が樹脂の熱変形温度を越え、しかも基板内周部と外周部とで同じ温度となり、内、外周部とも良好な転写性を得ることができるが、セラミックスによる断熱層を溶射法によって形成するため、スタンパと接触する断熱層の表面の面精度を出すことが困難であり、表面に空隙などによる凹凸部が形成されやすく、その結果、スタンパとの摺接によって、スタンパの摩耗粉が発生する等の問題が生じた。
また、このようなセラミックス材による断熱層を導光板の反射面面等の成形体表面を形成するキャビティ面として利用する場合には、セラミックス材は、一般的に硬度が大きく、断熱層の表面の微細な加工が難しい問題がある。
特開平10−149587号公報
本発明は、このような問題点を解決しようとするもので、表面平滑なキャビティ面が容易かつ確実に形成されてスタンパによる摩耗粉の発生を抑えた成形用金型を提供することを目的とする。
本発明は、第1の発明および第2の発明において、属材料からなる可動側金型及び固定側金型のキャビテイを構成する少なくとも一方の表面に、溶射法によるセラミックからなる断熱層を形成し、この断熱層の表面に、アモルファスのダイヤモンド状炭素質薄膜を形成した成形用金型とすることにより、表面平滑で、スタンパの摩耗を防止して、スタンパによる摩耗粉の発生を抑制することができる。
さらに、本発明の第1の発明は、前記断熱層は、ジルコニア、酸化チタン、アルミナ、チタン酸アルミニウムの少なくとも1種から選ばれたセラミック材で構成された成形用金型とすることにより、溶融樹脂のスタンパあるいはキャビティ面からの情報記録部分あるいは導光板の凹凸反射面の転写性が改善される。
また、本発明の第2の発明は、前記断熱層は、ジルコニアで構成された第1の断熱層とその上に積層される酸化クロム、窒化クロム、アルミナ、窒化アルミ、窒化珪素、炭化珪素の少なくとも1種から選ばれた材質からなる第2の断熱層から構成された成形用金型とすることにより、断熱層の表面をより平滑とすることができる。
本発明者らは、従来公知のスタンパと金型コアとの間に、セラミックスによる断熱層を溶射法によって形成した成形金型は、光ディスク基板用スタンパの内、外周部とも良好な転写性を得ることができるが、セラミックスによる断熱層を溶射法によって形成するため、スタンパと接触するセラミックスの面精度を出すことが困難であり、表面に空隙などによる凹凸部が形成されやすく、その結果、スタンパとの摺接によってスタンパが摩耗されて、スタンパの摩耗粉が発生することを究明し、この究明に基づき、その解決策を検討した結果、
射法によって形成されたセラミックスによる断熱層であってもキャビティ面側に断熱機能を有するジルコニアの溶射法による第1の断熱層の上に平坦な被膜を形成しやすい酸化クロム、窒化クロム、アルミナ、窒化アルミ、窒化珪素、炭化珪素の少なくとも1種から選ばれた材質からなる溶射法による第2の断熱層を形成しても良好な表面平滑な表面を得ることができる。即ち、ジルコニアの第1断熱層は、鋼鉄製金型との密着性や熱膨張率が鋼鉄製金型とほぼ等しく、成形時の金型の熱膨張や収縮に対応して割れ等の発生を抑えることができ、好適であるが、良好な転写性を得るには、100μm以上の厚みがあればよく、厚みが増すほど転写性が良くなる。しかし、厚みが増すにつれ、転写性が改善される一方、冷却に要する時間も増し成形サイクルも長くなり生産性が低下するため、転写性、生産性のバランスから1000μm以下とするのが良い。このジルコニアによる断熱層は、溶着粒子間に間隙が形成されやすく、そのため、表面には、空隙などによる凹凸が形成されやすく、良好な表面平坦性が得られ難い。一方、酸化クロム、窒化クロム、アルミナ、窒化アルミ、窒化珪素、炭化珪素等を原料として、溶射法により形成した被膜は、前記溶融粒子間に間隙が形成されにくく、良好な表面平滑性が得られ易い。これらの特徴を考慮し、ジルコニアの溶射法による第1の断熱層の上に平坦な被膜を形成しやすい酸化クロム、窒化クロム、アルミナ、窒化アルミ、窒化珪素、炭化珪素の少なくとも1種から選ばれた材質からなる溶射法による第2の断熱層を形成すると両者の長所が相乗的に発揮して、良好な転写性と共に、良好な表面平滑性の断熱層が容易に得ることができる。この場合、第2の断熱層は、第1の断熱層と第2の断熱層の合計厚の1/10から1/2の範囲とすればよい。
さらにこの第2の断熱層上に、アモルファスのダイヤモンド状炭素質薄膜を形成するとさらに表面平滑性が改善され、好ましい。
本発明で使用される可動側金型及び固定側金型は、一般に、超硬合金、ステンレス鋼、炭素鋼、軟鋼等の金属から形成され、プラスチック材の射出成形に好適な金型として使用することができる。
本発明でいう溶射法としては、前記セラミック粉末を使用して、窒素ガス、水素ガス、不活性ガス等を電離させて生ずる高温、高速のプラズマジエットに、前記粉末を送り込み、ジエット中で溶融、加速して、金型母材に衝突させて被膜を形成するプラズマ・パウダー・スプレイ法やセラミックの焼結棒を使用し、約3000℃の酸素−アセチレン火炎中で、溶融し、その溶滴をエアジエット流で加速噴射して被膜を形成するローカイド・ロッド・スプレイ法やセラミック粉末を酸素−アセチレン火炎中で溶融し、ノズル口から燃焼炎の流れにのせて加熱しつつ溶射するサーモ・スプレイ法等が利用でき
本発明の成形金型を用いて成形されるプラスチック材料としては、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルホン、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等熱可塑性樹脂であれば、いずれも使用できる。
本発明においては、表面平滑なキャビティ面が容易かつ確実に形成されて、スタンパによる摩耗粉の発生を抑えた成形用金型を提供することができる。
以下本発明による直径120mm、厚み0.2mmのDVDディスク用基板の成形のための成形用金型の一実施例について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明による成形用金型を用いて製造されたDVDディスク用基板の記録情報に対応する凹凸部4に相当する部分の拡大断面図であり、DVDディスク基板1の凹凸部4は、ポリカーボネート樹脂で成形され、凹部2の深さHは、約85nm、凸部3間の間隔W、0.8μmで形成されている。
このようなDVDディスク1に使用されるプラスチックディスク基板1を製造する一実施例の成形用金型及び射出成形装置について、図2及び図3に基づいて説明する。
図2は、金型が閉じられた射出成形装置の概略断面図を示し、4は、DVDディスクの記録情報に対応する凹凸面4を形成する面を内面に有するニッケル材からなるスタンパ、5は、固定側金型、6は可動側金型、7はスタンパ外周ホルダーで、これらの金型は、ステンレス系工具鋼から形成されている。これらの金型を射出成形装置上で組み合わせて閉じられると、成形品、この場合、基板1を成形するキャビテイ8が形成される。キャビテイ8は、固定側金型5に取り付けられたゲート部9及び可動側金型6に上下動自在に取り付けられたゲートカット部材10に形成されたランナー12及びスプルー11とに連通されており、樹脂供給口13から供給される射出成形用樹脂は、スプルー11及びランナー12、ゲート部9を経由してキャビテイ8内に充填される。この樹脂の固化後ゲートカット部材10が上方に移動して、射出された樹脂をゲートカット部で切断し、その後可動側金型6が移動して金型が開き、成形品が図示されない突き出しピンにより突き出されて基板1が製造される。なお、固定側金型5は、固定側取り付け板19に、また、可動側金型6は、可動側取り付け板20に、取り付けられている。前述のスタンパ4は、外周部分をスタンパ外周ホルダー7で、また内周は、スタンパ内周ホルダー14で保持されて可動金型6上に取り付けられている。
参考例1
参考例1の特徴部分である可動側金型6部分の構造について、図3に従って説明すると、可動側金型6のキャビテイ面15に、ジルコニア粉末を焼結して得られ、表面が研磨された約100μm厚の円盤状板状部材16が約50μm厚みの銀ろう17によって前記キャビテイ面上に固着されている。この場合、セラミックからなる円盤状板状部材16は、この参考例1で示すように、基板1の全面に相当する部分の面積で設けても良いが、基板の凹凸面からなる記録情報部分に相当する部分のみに配置しても良い。
この板状部材の16の表面には、アモルファスのダイヤモンド状炭素質薄膜18が、マグネトロンスパッタリング法等でカーボンターゲットを用いて約3μm厚みで形成されている。この場合、ダイヤモンド状炭素質薄膜18だけでなく、この薄膜18と板状部材16との被着性を改善するため、薄膜18と板状部材16との間に、Cr、W、Ti、Si等からなるスパッタリング下地層を形成しても良い。さらに、薄膜18の摩擦係数を改善するため、フッ素含有のダイヤモンド状薄膜を用いても良い。
この金型部分は、金型6のキャビテイ面15上に、約750℃の融点を有する銀ろう17を配置し、ジルコニア材からなる円盤状板状部材16をその表面載置し、加熱炉内で、1000℃で加熱されて銀ろう17が溶融され、その後冷却されて銀ろう17が固化して板状部材16が可動側金型6に固着される。この場合、前記加熱処理によって、銀ろうの銀成分がジルコニア材からなる円盤状板状部材16及び金型6の接合面内に拡散して、強固に接合する。
このようにして、固着されたジルコニア材からなる円盤状板状部材16は、研磨装置で研磨され、その表面を面精度よく、表面平滑に研磨される。その後、この金型部分を、マグネトロンスパッタ装置内に導入して、カーボンをターゲットとして板状部材16の表面にアモルファスのダイヤモンド状薄膜18を形成する。このようにして形成された金型部分にスタンパ4を設置して、可動側金型部分を成形装置に組み込む。
このようにして形成されたダイヤモンド状薄膜18の表面には、ジルコニア粒子間の空隙は、ほとんど認められず、良好な表面平滑性を有すると共に、その表面粗さRmaxは、0.01μmと良好な表面粗さ及び、0.1と低摩擦係数を示し、100万回の成形を行ってもスタンパによる摩耗粉の発生は認められなかった。
参考例2
前記参考例1において、アモルファスのダイヤモンド状炭素質薄膜18を省いて同様にして可動側金型部分を作成した。このようにして形成された可動側金型部分の円盤状板状部材16の表面には、ジルコニア粒子間の空隙は、ほとんど認められず、良好な表面平滑性を有すると共に、その表面粗さRmaxは、0.02μmと良好な表面粗さ及び、0.05と低摩擦係数を示し、10万回の成形を行ってもスタンパによる摩耗粉の発生は認められなかった。
参考例3
図4に示すように、可動側金型6のキャビテイ面15上に、前記プラズマ・パウダー・スプレイ法によって、ジルコニア粉末を使用してジルコニア材からなる断熱層を約100μm厚みで形成し、この表面を研磨した後、約50μm厚みで水ガラスからなる封口層22を形成し、この封口層22上にスタンパ4を設置した。このようにして形成された封口層22の表面は、ジルコニア粒子間の間隙が封口されて、良好な表面平滑性を示すと共に、その表面粗さRmaxは、0.03μmと良好な表面粗さを示し、10万回の成形を行ってもスタンパによる摩耗粉の発生は認められなかった。
(比較例)
前記参考例3において、封口層22を除き同様にして、可動側金型部分を作製した。この断熱層の表面には、ジルコニア粒子間の間隙が多数認められ、その表面粗さ、Rmaxは、0.1μmと粗く、1000回の成形でスタンパの摩耗粉の発生が認められた。
参考例4
参考例3において、封口層として、水ガラス膜に代えて、無電解Ni-Pメッキ膜を使用した以外同様にして可動側金型部分を作製した。この封口層の表面は、ジルコニア粒子間の間隙が封口されて、良好な表面平滑性を示すと共に、その表面粗さRmaxは、0.05μmと良好な表面粗さを示し、10万回の成形を行ってもスタンパによる摩耗粉の発生は認められなかった。
参考例5
図5は、参考例5によって形成される導光板23の平面図、図6は、図5のA−A線上で切断した断面図、図7は、図6のB部の一部を切り欠いた拡大断面図である。
参考例5により形成された導光板23は、ポリカーボネートからなり、後述する成形金型により射出成形して形成される。図5及び図6から明らかなように、長さが46mmで、幅が31mmの長方形状で、その表面に段階的に傾斜する反射面24を有しており、図6の左方から入射される光源(図示せず)からの光線がこの反射面で上方に屈曲反射されるようになっている。この反射面24は、図7から明らかなように、0.3mm幅で、図5の幅方向に平行な部分的反射面24aが、長手方向に向かって、7μmづつ段階的に下降傾斜しながら160面形成されて構成されている。このような反射面24は、反射効率を上げるためにも、微小な凹凸となる多数の傾斜する部分的反射面24aが精度良く形成される必要があり、このような微小凹凸を有する反射面24を、通常の超硬合金、ステンレス鋼、炭素鋼等の金属に、直接Ni―Pメッキ膜を形成しそのメッキ膜に凹凸の成形面が形成された金型を使用した場合には、射出される溶融樹脂が金型形状に精度よく対応した状態で、転写され難く、光学的特性に問題があった。参考例5では、このような微小な凹凸面を有する導光板成形体を光学的特性が良好な状態で射出成形可能なように、金型の微小な凹凸面に対応するキャビティ表面と前記金属金型間にセラミックス材からなる断熱層を配して、射出される溶融樹脂が精度よく前記キャビティ表面が転写されるようにすると共に、微小な凹凸面を有するキャビティ表面を容易且つ確実に形成できるようにしたものである。
前記良好な光学的特性を有する導光板を得るために、図8で示される成形用金型を提供しようとするものである。図8は、図2に示すような成形装置の固定金型5または可動金型6の中に組み込まれ、キャビティ8の表面を形成する成形金型の入れ子25の断面図を示し、この入れ子25は、ステンレス鋼からなる入れ子本体26と断熱層27と封口層28とから構成されている。この入れ子本体26には、その上面に、前記導光板の長さ及び幅より長い径で深さが0.5mmの四角形状の凹み部29が形成されており、この凹み部29内に、部分安定化材YO3を含有したジルコニア(ZrO)セラミックス粉末を使用し、プラズマ・パウダースプレイ溶射法により断熱材を充填し、研磨して平坦化処理を施し、さらにこの表面にフッ化水素酸でエッチング処理を施し粗面化して断熱層27を形成する。この場合、入れ子本体26と断熱層27の密着性を良くするため、前記凹み部29の四方の内側面を図8に示すように、θ度傾斜した傾斜面30とされている。さらにこの断熱層27上及びこの断熱層27の周辺の入れ子本体26に、Ni-P無電解メッキからなる封口層28が約130μmの厚みで形成されている。ここで、前記傾斜面の角度θは、この参考例5では、30度が採用されているが、10〜60度の範囲が好ましく、角度が小さい場合には、断熱層27の入れ子本体との密着性がわるく、この角度が大きくなるにつれ密着性が改善される。しかし、この角度θが大きくなるにつれ、断熱層厚が薄くなって断熱機能が低下する部分が多くなるので、60度までの範囲が好ましい。また、この断熱層の厚みは厚いほど断熱機能が良好となるが、厚くなるに従い、溶射法による断熱層の形成に長時間を要することになるので、100〜1000μm厚みとするのがよい。
さらに、封口層28の厚みは、前述のように、1μm以上の厚みとすることで、断熱層の表面に形成される空隙を封口して、表面の平滑な面を形成することが可能であるが、さらに、この封口層28の表面をキャビティ表面33として利用する場合には、切削加工する関係上、ある程度の厚みが必要であり、厚みが厚くなるにつれ、Ni-P無電解メッキ法によるNi-P被膜の形成に長時間を要するので、500μm以下の厚みとすることが好ましい。
この封口層28は、前記断熱層27の表面のエッチング処理により、断熱層27との密着性が改善されるとともに、鋼材からなる入れ子本体26の外周側面に幅(h1)が100〜500μmの広幅の第1段部31及び幅(h2)が10〜100μmの第1の段部31より狭幅の第2段部32を形成し、これらの段部31及び32をも被覆する構造とすることにより、断熱層27及び入れ子本体26との密着性が良好となり、成形時に封口層28の剥離や破損を防止することができる。
この封口層28の表面は、キャビティ表面33となるが、このキャビティ表面33は、導光板23の反射面24に対応する微細な凹凸面34が前述の長さ、幅、段差でダイヤモンド工具を使用した切削加工によって形成されている。Ni-Pからなる封口層28は、セラミックスからなる断熱層27に比較して加工性が良く、微細な凹凸がダイヤモンド工具を使用した切削加工により、容易に形成することができる。
このような金型を使用し、ポリカーボネートにより、導光板23を射出成形した結果、光学的特性の良好な導光板23を容易かつ確実に成形することができた。
(実施例)
この実施例では、DVD用プラスチック基板を作製するに好適な金型の構造を示すもので、図9の断面図でその構造を示す。この金型は、図2の成形装置の可動金型6に対応するものであり、この金型6は、ステンレス鋼からなる円板状本体34の上面に少なくともDVDの記録情報部分に相当する幅のドーナッツ状の凹み部35が形成されており、この凹み部35内に部分安定化材YO3を含有したジルコニア(ZrO)セラミックス粉末を使用し、プラズマ・パウダースプレイ溶射法により断熱材を充填して第1の断熱層36を0.4mm厚みで形成し、続いて、酸化クロム(Cr2O3)粉末を使用してプラズマ・パウダースプレイ溶射法により第2の断熱層37を第1断熱層36上に0.1mm厚みで積層形成し、この第2断熱層37の表面を研磨して、表面を平滑化する。このようにして形成された第2断熱層37の表面は、表面粗さRmaxは、0.03μmとなり、良好な表面粗さを示した。
さらに、この第2断熱層37上にアモルファスのダイヤモンド状炭素質薄膜38を、マグネトロンスパッタリング法により、3μm厚で形成されており、この炭素質薄膜38の表面粗さRmaxは、0.01μmとさらに平滑性が改善されている。
この炭素質薄膜38上にスタンパ4を配置して、可動側金型部分を成形装置に組み込み、射出成形を行った結果、100万回の成形を行ってもスタンパによる摩耗粉の発生が認められなかった。
本発明による成形用金型を使用して、CDやDVD等の光ディスク用プラスチック基板あるいはパーソナルコンピュータや携帯電話等に使用される液晶表示装置用または他の用途に使用される透明樹脂製の導光板等の分野においても有効に利用することができる。なお、本発明の実施例として、光ディスク用プラスチック基板の例を示したが、本発明の成形用金型は、光ディスク用プラスチック基板に限らず、ハードディスク用プラスチック基板やプラスチックレンズ等においても適用できるものである。
本発明による成形用金型を用いて製造されたDVDディスク用基板の記録情報に対応する凹凸部2に相当する部分の拡大断面図である。 本発明で使用される成形金型が閉じられた射出成形装置の概略断面図である。 参考例1の可動側金型部分の断面図である。 参考例3の可動側金型部分の断面図である。 参考例5による成形金型を用いて製造された導光板の平面図である。 図5のA−A線上で切断された断面図である。 図6のB部の拡大断面図である。 参考例5による成形金型の一部となる入れ子の断面図である。 本発明の実施例の可動側金型部分の断面図である。
符号の説明
1 DVDディスク基板
2 凹凸部
3 凹部
4 スタンパ
5 固定側金型
6 可動側金型
7 スタンパ外周ホルダー
8 キャビテイ
9 ゲート部
10 ゲートカット部材
15 キャビテイ面(固定側金型)
16 板状部材
17 銀ろう
18 ダイヤモンド状薄膜
19 固定側取り付け板
20 可動側取り付け板
21 断熱層
22 封口層
23 導光板
24 反射面
24a 部分的反射面
25 入れ子
26 入れ子本体
27 溶射法による断熱層
28 封口層
29 凹み部
30 傾斜面
31 第1段部
32 第2段部
33 キャビティ表面
34 金型本体
35 ドーナッツ状凹み部
36 第1断熱層
37 第2断熱層
38 炭素質薄膜

Claims (2)

  1. 金属材料からなる可動側金型及び固定側金型のキャビテイを構成する少なくとも一方の表面に、溶射法によるセラミックからなる断熱層を形成し、この断熱層の表面に、アモルファスのダイヤモンド状炭素質薄膜を形成し、かつ、前記断熱層は、ジルコニア、酸化チタン、アルミナ、チタン酸アルミニウムの少なくとも1種から選ばれたセラミック材で構成されたことを特徴とする成形用金型。
  2. 金属材料からなる可動側金型及び固定側金型のキャビテイを構成する少なくとも一方の表面に、溶射法によるセラミックからなる断熱層を形成し、この断熱層の表面に、アモルファスのダイヤモンド状炭素質薄膜を形成し、かつ、前記断熱層は、ジルコニアで構成された第1の断熱層とその上に積層される酸化クロム、窒化クロム、アルミナ、窒化アルミ、窒化珪素、炭化珪素の少なくとも1種から選ばれた材質からなる第2の断熱層から構成されたことを特徴とする成形用金型。
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