JP4181264B2 - コントロールケーブル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はアウタケーシングにインナケーブルを摺動自由に挿通したコントロールケーブルに関し、特に、耐久性及び荷重効率が著しく高いコントロールケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、耐久性及び荷重効率を高めるために、インナケーブルの外周に合成樹脂製のインナコートを被覆するとともにアウタケーシングの内周に合成樹脂製のライナを形成したコントロールケーブルが使用されており、例えば、第2664435号特許公報にはインナコートがポリアミド樹脂組成物からなり、ライナがポリブチレンテレフタレート樹脂組成物から形成されたコントロールケーブルが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このコントロールケーブルのライナは耐久性を高めるために実質的にチタン酸カリウムウイスカーからなるフィラーを含むものであるが、このチタン酸カリウムウイスカーはコスト高であり、また、耐久性の点でも不十分であるという課題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、無害であり、かつ、低コストで、耐久性及び荷重効率の高いコントロールケーブルを提供するための手段として、インナコートにポリアミド系合成樹脂を用い、ライナが、ポリブチレンテレフタレート(以下、PBTという)とポリブチレンデカンジカルボキシレート(以下、PBDという)との共重合体(以下、PBT/Dという)にエポキシ基含有オレフィン系共重合体を必須成分とするエラストマーを全樹脂組成物に対し0〜30重量%配合したものであり、インナコートの曲げ弾性率が吸水時(50%飽和、23℃)8400〜13500kg/cm 2 である。
また、本発明は、無害であり、かつ、低コストで、耐久性及び荷重効率の高いコントロールケーブルを提供するための手段として、インナコートにポリアミド系合成樹脂を用い、ライナが、ポリブチレンテレフタレート(以下、PBTという)とポリブチレンデカンジカルボキシレート(以下、PBDという)との共重合体(以下、PBT/Dという)にエポキシ基含有オレフィン系共重合体を必須成分とするエラストマーを全樹脂組成物に対し0〜30重量%配合したものであり、ライナのASTM D790に従って測定した曲げ弾性率がインナコートの組成物より小さい3300〜8000kg/cm 2 である。好ましくは、インナコートの曲げ弾性率が吸水時(50%飽和、23℃)8400〜13500kg/cm 2 である。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のライナ用樹脂組成物で用いる共重合体PBT/Dはテレフタル酸と1,4−ブタンジオールを縮重合してなるポリブチレンテレフタレート(PBT)とドデカンジカルボン酸と1,4−ブタンジオールを縮重合してなるポリブチレンデカンジカルボキシレート(PBD)との共重合体(PBT/D)であり、本発明の組成物の曲げ弾性率が3300〜8000kg/cm2の範囲であれば、PBTとPBDのモル比に特に制限はなく、PBT/Dモル比の異なる複数のPBT/Dを混合して用いること、PBTとPBT/Dを混合して用いることも可能であり、通常PBT/Dの実質的モル比が95/5〜80/20の範囲が選択される。
【0006】
本発明のライナ用樹脂組成物として用いるエポキシ基含有オレフィン系共重合体とは、側鎖または主鎖にエポキシ基を含有するオレフィン系共重合体であり、通常のエポキシ樹脂は含まれない。エポキシ基含有オレフィン系共重合体としては、側鎖にグリシジルエステル、グリシジルエーテル、グリシジルアミンなどのグリシジル基を有するオレフィン系共重合体および二重結合含有オレフィン系共重合体の二重結合をエポキシ酸化したものなどがあげられる。本発明ではこれらのエポキシ基含有オレフィン系共重合体のうち、α−オレフィンとα、β−不飽和酸のグリシジルエステル、からなる共重合体が好ましく用いられる。ここでいうα−オレフィンとしてはエチレン、プロピレン、ブテン−1などがあげられる。
またα、β−不飽和酸のグリシジルエステルとは化学式1で示される化合物であり、具体的にはアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルおよびエタクリル酸グリシジルなどがあげられる。
【0007】
【化1】
【0008】
エポキシ基含有オレフィン系共重合体におけるエポキシ基の含有量は、通常0.1〜30重量%であり、特に0.2〜20重量%が好ましく、0.1重量%未満ではPBT/Dとの好ましい反応による目的とする効果が十分に得られず、30重量%を越えるとPBT/Dとの溶融混練時にゲル化を生じ、押し出し安定性、成形性および機械特性が低下するため好ましくない。
【0009】
エポキシ基含有オレフィン系共重合体には、本発明の効果を損なわない範囲で他のオレフィン系モノマ、例えばアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニルおよびビニルエーテルなどを共重合してもよい。
【0010】
本発明のライナ用樹脂組成物として用いるエポキシ基含有オレフィン系共重合体と併用して用いるエラストマーの例としては、例えばポリオレフィン系エラストマー、ジエン系エラストマー、アクリル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステルエラストマー、シリコーンエラストマー、フッ素エラストマーおよび多硫化物エラストマーなどがあげられ、これらのエラストマーは1種または2種以上使用できる。
【0011】
本発明のライナ用樹脂組成物に用いる共重合体PBT/Dの成分の配合割合は70〜100重量%の範囲で、かつ、本発明の組成物の弾性率が3300〜8000kg/cm2 の範囲で選択される。配合割合が70重量%に満たないとコントロールケーブルの耐熱性が不足するため好ましくない。本発明のライナ用樹脂組成物として用いるエポキシ基含有オレフィン系共重合体の成分の配合割合は0〜30重量%の範囲で、かつ、本発明の組成物の弾性率が3300〜8000kg/cm2の範囲で選択され、より好ましくは5〜20重量%である。曲げ弾性率が8000kg/cm2を越えると荷動効率が低下し、3300kg/cm2未満であると耐久性が低下する。
【0012】
本発明のライナ用樹脂組成物の溶融粘度は、ライナの押し出し成形が可能な範囲であればとくに制限はないが、通常、250℃、1kg荷重でのメルトフローレイトが1〜30g/10分の範囲が選択され、より好ましくは、1〜20g/10分、更に好ましくは1〜10g/10分の範囲が選択される。
【0013】
本発明のライナ用樹脂組成物の調整方法はとくに制限はなく、PBT/Dおよびエラストマーの粉末、ペレット、細片をリボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、Vブレンダーなどを用いてドライブレンドしたのち、バンバリーミキサー、ミキシングロール、単軸または2軸の押出機、ニーダーなどを用いて溶融混練する方法などがあげられる。また、ドライブレンドを行わずに、溶融混練装置に逐次供給することも可能である。なかでも充分な混練力を有する単軸または2軸の押出機を用いて溶融混練する方法が代表的である。
【0014】
また、本発明のライナ用樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、結晶核剤、紫外線防止剤、着色剤、難燃剤などの通常の添加剤および少量の他種ポリマーを添加することができる。
【0015】
また、本発明のライナ用樹脂組成物で必須成分ではないが、摺動性を改善する目的でポリテトラフルオロエチレン、シリコーンオイル、二酸化モリブデン、グラファイト、窒化硼素などの潤滑剤を10重量%を越えない範囲で配合することが可能である。
【0016】
さらに、本発明のケーブルライナー用樹脂組成物において、繊維状および/または粒状の強化材を必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で配合することが可能である。
【0017】
繊維状強化材としては、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石膏繊維、金属繊維などの無機繊維および炭素繊維などがあげられる。また粒状の強化材としては、ワラステナイト、セリサイト、カオリン、マイカ、クレー、ベントナイト、タルク、アルミナシリケートなどの珪酸塩、アルミナ、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタンなどの金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、ガラスビーズ、炭化珪素、サイアロンおよびシリカなどがあげられ、これらは中空であってもよい。これら強化材は2種以上を併用することも可能であり、必要によりシラン系およびチタン系のカップリング剤で予備処理して使用することができる。
【0018】
実施例
以下、本発明の実施例を比較例とともに説明する。
図1において、1はインナケーブル、2はアウタケーシング、3はインナコート、4はライナである。
【0019】
インナケーブル1は鋼索線7本を撚り合わせて1本のストランドを作り、そのストランドを7本撚り合わせて作った7×7構造のケーブルであり、外径が3.0mmであって、その外周に厚さ0.4mmのインナコート3が形成されている。
【0020】
アウタケーシング2はライナ4の内径が5.0mmとなるようにライナ4の上から平鋼線5を螺旋状に密着巻した外周にポリプロピレンの被覆6を施したものである。
【0021】
インナコート3とライナ4の間には直径方向で0.8mmの隙間があって、シリコングリースが塗布されている。
【0022】
実施例と比較例のインナコート3の組成物を表1に、ライナ4の組成物を表2にそれぞれ示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
上記実施例及び比較例について荷重効率試験及び耐久試験を図2に示す装置を用いて実施した。
【0026】
図2において、8は直径300mmのプーリーであって、これに供試品のコントロールケーブルを180°巻き付けてそのアウタケーシング2を両端末を治具9に固定し、インナケーブル1の入力側の端末を入力側ロードセル10を介して駆動源であるエアーシリンダ12のピストンロッドに連結し、インナケーブル1の出力側の端末を出力側ロードセル11を介して圧縮コイルばね13の弾力により反力の付勢されたロッド14に連結してある。
【0027】
荷重効率は入力側荷重Fが120kgfのときの出力側荷重Wに対する比W/F×100で表す。
【0028】
荷重効率の試験結果を表3に、耐久性の試験結果を図3にそれぞれ示す。
【0029】
【表3】
【0030】
表3から明らかなように、インナコート1の組成物がAまたはBで、ライナ4の組成物が1、3、4、6及び12の場合に荷重効率が90%以上であるが、これは、ライナ4の組成物がPBT/Dであるからであり、ライナ4の組成物が10及び11の場合は荷重効率が90%未満であるが、これは、PBT/Dでないからである。
【0031】
なお、図3に示すように、インナコート1の組成物がAでライナ4の組成物が12の比較例3は耐久性に劣っているが、これは、ライナ4の曲げ弾性率が2000kg/cm2と小さいからである。
【0032】
【発明の効果】
本発明のコントロールケーブルは、従来のものに比べて、無害であり、かつ、低コストで、耐久性及び荷重効率が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコントロールケーブルの一実施の形態の一部切欠斜視図である。
【図2】その性能を測定するための測定装置の説明図である。
【図3】その耐久性試験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1:インナケーブル
2:アウタケーシング
3:インナコート
4:ライナ
Claims (3)
- アウタケーシングにインナケーブルを摺動自由に挿通したコントロールケーブルにおいて、前記インナケーブルの外周にポリアミド系合成樹脂製のインナコートを形成するとともに、前記アウタケーシングの内周にポリブチレンテレフタレートとポリブチレンデカンジカルボキシレートとの共重合体にエポキシ基含有オレフィン系共重合体を必須成分とするエラストマーを全樹脂組成物に対し0〜30重量%配合したライナを形成し、
前記インナコートの曲げ弾性率が吸水時(50%飽和、23℃)8400〜13500kg/cm 2 であることを特徴とするコントロールケーブル。 - アウタケーシングにインナケーブルを摺動自由に挿通したコントロールケーブルにおいて、前記インナケーブルの外周にポリアミド系合成樹脂製のインナコートを形成するとともに、前記アウタケーシングの内周にポリブチレンテレフタレートとポリブチレンデカンジカルボキシレートとの共重合体にエポキシ基含有オレフィン系共重合体を必須成分とするエラストマーを全樹脂組成物に対し0〜30重量%配合したライナを形成し、
前記ライナのASTM D790に従って測定した曲げ弾性率が前記インナコートの組成物より小さい3300〜8000kg/cm 2 であることを特徴とするコントロールケーブル。 - 前記インナコートの曲げ弾性率が吸水時(50%飽和、23℃)8400〜13500kg/cm2であることを特徴とする請求項2に記載のコントロールケーブル。
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