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JP4182011B2 - 排泥水の改質固化方法および改質固化土の使用方法 - Google Patents
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排泥水の改質固化方法および改質固化土の使用方法 Download PDF

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Description

本発明は、排泥水の改質固化方法および改質固化土の使用方法に関するものであり、さらに詳しくは推進工事など土木工事現場から発生する高含水比排泥水を改質造粒する改質固化方法および改質した造粒土を再利用する使用方法に関するものである。
土木工事で掘削工事を行った場合、埋め戻し材として山砂などが用いられてきたが、近年、自然保護などの観点から山砂の採取が制限されるなど埋め戻し材として入手が難しくなった。
また、掘削時の残土を保管しておき随時現場に運んで埋め戻し材として使用するのも、市街地では近隣からの苦情などや空き地の確保が難しい。
従来、高含水比の排泥水はフィルタープレスなどの脱水機により脱水処理されることが通常であった。しかし、脱水ケーキは固く通気性がないことから植物の生育基盤材などに利用するには不適である。さらに水を含むと柔らかい粘土となり埋め戻し地盤として用いることはできず、脱水ケーキは産業廃棄物として処理されるしかなかった。また泥水中には、ベントナイト、CMC、ポリカルボン酸などを含み脱水処理するには多量の薬剤を必要とする問題があった。
そこで、例えば、環境に害のないように処理する方法として、ボーリング排泥水に水溶性金属塩を添加した後、脱水する方法が提案されている(特許文献1参照)。
また、処理土が増加しないようにするために、高含水率泥水、泥土または汚泥に比較的乾燥した泥や砂を混合する前処理を行なう方法が提案されている(特許文献2参照)。
しかし、これらの方法は、泥水を脱水する操作が含まれること、あるいは乾燥土を添加するため処理土がどうしても増加してしまうなどの問題があった。
一方、排泥水に有機高分子凝集剤を添加して凝集させることが知られており、例えば高含水比の建設汚泥、汚泥並びにこれらの脱水ケーキに焼却灰、石炭灰などを混入した被処理物に添加剤として高分子ポリマーなどを添加して特定の構造を有するミキサによって混練し、盛土、覆土用資材、ドレーン材などとして使用可能な粒状物を製造する方法が開示されている(特許文献3参照)。また用いる有機高分子凝集剤の製品形態は、油中水型エマルジョン重合品あるいは塩水中分散重合品などが知られており、油中水型エマルジョンの製造法(例えば、特許文献4、特許文献5、特許文献6参照)および塩水溶液中分散液の製造法(例えば、特許文献7、特許文献8参照)も公知である。
特開平11−188392号公報 特開2001−121159号公報 特公昭34−10644号公報 特開2003−1297号公報 特公昭52−39417号公報 特公昭55−45783号公報 特公昭46−14907号公報 特開昭62−20511号公報
本発明の第1の目的は、従来の問題を解決し、従来産業廃棄物として処理するしかなかった推進工事など土木工事現場から発生する高含水比の排泥水を、脱水することなく、あるいは乾燥土を添加して処理土を増加させることなく、またどのような構造のミキサでも使用可能である簡便な操作により改質造粒する改質固化方法を提供することであり、
本発明の第2の目的は、このようにして改質固化した造粒土を再利用する使用方法を提供することである。
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意研究に努めた結果、高含水比の排泥水に、有機系高分子凝集剤、フライアッシュ、セメント、重金属溶出を防止するためのキレート剤を必須成分として添加し混合・攪拌すると、見かけ上水が無くなったようにバサバサの状態となり造粒化され、これを放置することで、造粒土の強度が増加するので埋め戻し用土や造成用土として再利用できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、前記課題を解決するための本発明の請求項1の排泥水の改質固化方法は、土木工事現場から発生する排泥水に(a)原液のまま分散された状態の分散液状(メタ)アクリル系水溶性高分子凝集剤、(b)フライアッシュ、(c)セメント、(d)重金属溶出を防止するためのキレート剤を必須成分として添加して造粒することを特徴とする。
本発明の請求項2の排泥水の改質固化方法は、請求項1記載の排泥水の改質固化方法において、前記排泥水が比重が1.2以下の高含水比の排泥水であることを特徴とする。
本発明の請求項3の排泥水の改質固化方法は、請求項1あるいは請求項2記載の排泥水の改質固化方法において、前記フライアッシュを、排泥水1m3 に対し500〜1500Kg添加することを特徴とする。
本発明の請求項4の排泥水の改質固化方法は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の排泥水の改質固化方法において、前記セメントを、排泥水1m3 に対し、50〜500Kg添加することを特徴とする。
本発明の請求項5は、土木工事現場から発生する排泥水に(a)原液のまま分散された状態の分散液状(メタ)アクリル系水溶性高分子凝集剤、(b)フライアッシュ、(c)セメント、(d)重金属溶出を防止するためのキレート剤を必須成分として添加して改質固化した造粒土を、埋め戻し材あるいは造成用土として再利用することを特徴とする改質固化土の使用方法である。
本発明の請求項1の排泥水の改質固化方法は、土木工事現場から発生する排泥水に(a)原液のまま分散された状態の分散液状(メタ)アクリル系水溶性高分子凝集剤、(b)フライアッシュ、(c)セメント、(d)重金属溶出を防止するためのキレート剤を必須成分として添加して造粒することを特徴とするものであり、
土木工事現場から発生する排泥水に、(a)原液のまま分散された状態の分散液状(メタ)アクリル系水溶性高分子凝集剤、(b)フライアッシュ、(c)セメント、(d)重金属溶出を防止するためのキレート剤を必須成分として添加して混合・攪拌すると、排泥水中のシルト、粘土分などの微粒子が凝集しフロックの空隙に水が取り込まれ見かけ上、水が無くなったようにバサバサの状態となり造粒化できる、という顕著な効果を奏する。 また分散液状(メタ)アクリル系水溶性高分子凝集剤を使用することにより、液中に高分子量の(メタ)アクリル系水溶性高分子が微粒状に分散しているので、水により希釈などせず原液のまま分散された状態で用いることができ、どのような構造のミキサでも容易に混練することができ、その結果、従来、産業廃棄物として処理するしかなかった推進工事など土木工事現場から発生する高含水比の排泥水を、脱水することなく、あるいは乾燥土を添加して処理土を増加させることなく、簡便な操作により改質固化して造粒することができ、このようにして改質固化した造粒土を放置することで、セメントとフライアッシュの水和反応により造粒土の強度が増し、締め固めによる土耐力もあって埋め戻し用土や造成用土として再利用できる、という顕著な効果を奏する。
また、重金属溶出を防止するためのキレート剤を必須成分として添加することにより排泥水中に重金属が含有されていてもこのキレート剤によって固定化され重金属溶出を防止することができ、改質固化して造粒した後、造粒物から重金属が溶出してくる恐れがなく二次汚染を防止することができる、という顕著な効果を奏する。
本発明の請求項2の排泥水の改質固化方法は、請求項1記載の排泥水の改質固化方法において、前記排泥水が比重が1.2以下の高含水比の排泥水であることを特徴とするものであり、比重が1.2以下の高含水比の排泥水であっても、良好に造粒化できる、というさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項3の排泥水の改質固化方法は、請求項1あるいは請求項2記載の排泥水の改質固化方法において、前記フライアッシュを、排泥水1m3 に対し500〜1500Kg添加することを特徴とするものであり、この添加範囲内において、簡単な操作により、良好に改質固化させて造粒化できる、というさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項4の排泥水の改質固化方法は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の排泥水の改質固化方法において、前記セメントを、排泥水1m3 に対し、50〜500Kg添加することを特徴とするものであり、この添加範囲内において、簡単な操作により、良好に改質固化させて造粒化できる、というさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項5は、土木工事現場から発生する排泥水に(a)原液のまま分散された状態の分散液状(メタ)アクリル系水溶性高分子凝集剤、(b)フライアッシュ、(c)セメント、(d)重金属溶出を防止するためのキレート剤を必須成分として添加して改質固化した造粒土を、埋め戻し材あるいは造成用土として再利用することを特徴とする改質固化土の使用方法であり、
土木工事現場から発生する排泥水に、(a)原液のまま分散された状態の分散液状(メタ)アクリル系水溶性高分子凝集剤、(b)フライアッシュ、(c)セメント、(d)重金属溶出を防止するためのキレート剤を必須成分として添加して混合・攪拌すると、排泥水中のシルト、粘土分などの微粒子が凝集しフロックの空隙に水が取り込まれ見かけ上、水が無くなったようにバサバサの状態となり容易に造粒化できる、という顕著な効果を奏する。
また分散液状(メタ)アクリル系水溶性高分子凝集剤を使用することにより、液中に高分子量の(メタ)アクリル系水溶性高分子が微粒状に分散しているので、水により希釈などせず原液のまま分散された状態で用いることができ、どのような構造のミキサでも容易に混練することができ、その結果、従来、産業廃棄物として処理するしかなかった推進工事など土木工事現場から発生する高含水比の排泥水を、脱水することなく、あるいは乾燥土を添加して処理土を増加させることなく、簡便な操作により改質固化して容易に造粒することができる、という顕著な効果を奏する。
また、このようにして改質固化した造粒土を放置することで、セメントとフライアッシュの水和反応により造粒土の強度が増し、締め固めによる土耐力もあって埋め戻し用土や造成用土として再利用でき、また、重金属溶出を防止するためのキレート剤を必須成分として添加することにより排泥水中に重金属が含有されていてもこのキレート剤によって固定化され重金属溶出を防止することができ、改質固化して造粒した後、造粒物から重金属が溶出してくる恐れがなく二次汚染を防止することができる、という顕著な効果を奏する。
本発明において、排泥水に添加する有機高分子凝集剤は特に限定されないが、分散液状アクリル系高分子凝集剤は特に好ましく使用できる。すなわち分散液状アクリル系高分子凝集剤は油中水型エマルジョン重合品あるいは塩水中分散重合品などであり、液中に高分子量のアクリル系水溶性高分子が微粒状に分散しているので、水により希釈などせず原液のまま分散された状態で用いることができ、どのような構造のミキサでも容易に混練することができる。油中水型エマルジョン分散液の製造法は前記特許文献4〜6に記載されており、塩水溶液中分散液の製造法は前記特許文献7〜8に記載されている。
本発明に好ましく用いられる(メタ)アクリル系高分子凝集剤は、(メタ)アクリル系水溶性高分子である。化学的な組成としてはイオン性水溶性モノマーの(共)重合体あるいはイオン性水溶性モノマーと非イオン性水溶性モノマーとの共重合体である。
本発明においては、3〜100モル%のイオン性水溶性モノマーと0〜97モル%の非イオン性水溶性との共重合体が好ましく使用できる。
イオン性水溶性モノマーとしては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの塩および/またはその四級化物、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アルリルアミドの塩および/またはその四級化物などのアクリル系カチオンモノマー並びに(メタ)アクリル酸またはその塩あるいは2−アクリルアミドアルキルスルホン酸塩などのアクリル系アニオンモノマーなどを挙げることができる。
これらのイオン性水溶性モノマーは2種以上を併用でき、(メタ)アクリルアミドと共重合することもできる。
非イオン性水溶性モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、アクリロイルモルホリン、N−ビニルピロリドンなどが挙げられ、最も好ましいのはアクリルアミドである。また20質量%以下の凝集に悪影響をおよぼさない範囲の量であれば、アクリロニトルのような疎水性モノマーを共重合してもよい。
上記アクリル系高分子凝集剤のうち特に好ましいのは、3〜50モル%のイオン性水溶性モノマーと50〜97モル%の非イオン性水溶性モノマーとの共重合体であり、さらに好ましいのは3〜50モル%のアニオン性水溶性モノマーと50〜97モル%の非イオン性水溶性モノマーとの共重合体である(メタ)アクリル酸またはその塩あるいは2−アクリルアミドアルキルスルホン酸塩などのアクリル系アニオンモノマーと非イオン性水溶性モノマーとの共重合体である。
これらの分散液状高分子凝集剤の分子量は、100万以上、2000万以下が好ましく、凝集効果の点から、更に好ましくは、300万以上、1500万以下である。
これらの分散液状高分子凝集剤は、水溶液で添加することも可能であるが、分散液で添加することがより好ましい。また分散液中の水溶性高分子粒子は、粒径100μm以下であることが好ましい。
この範囲の粒径であると、分散液を水により希釈などせず、原液のまま分散された状態で用いることができ、高含水率の排泥水に容易に添加混合することができるので本発明において好ましく使用できる。
本発明で使用する分散液状有機高分子凝集剤の添加量は、特に限定されない。しかし、凝集性および造粒性の観点から、通常ポリマー純分量として高含水率の排泥水1m3 当たり0.5〜5Kg添加混合するすることが好ましく、特に好ましくは1.0〜3.0Kgを添加混合する。
添加方法は、特に限定されない。しかし、通常強制攪拌ミキサーなどに高含水率の排泥水をキレート剤ととも入れて混合・攪拌し、その後分散液状高分子凝集剤を混合・攪拌して、さらにフライアッシュ、セメントを添加し混合・攪拌することが好ましい。
本発明においては造粒するに際し、分散液状高分子凝集剤を使用するので攪拌ミキサーは特に制限なく、どのようなタイプでも使用可能であり、連続ミキサー、強制攪拌ミキサーなどの混合機を使用することが可能である。好ましく使用できるのは強制攪拌ミキサーである。
攪拌に伴い排泥水中のシルト、粘土分などの微粒子は凝集し、フロックの空隙に水が取り込まれ、見かけ上、水が無くなったようにバサバサの状態となり造粒化される。
そして、これを放置することで、セメントとフライアッシュの水和反応により造粒土の強度が増し、締め固めによる土耐力もあって、産業廃棄物として処理することなく、埋め戻し用土や造成用土として再利用できる。
このように本発明の排泥水の改質固化方法は、操作が簡便で、しかも処理土の増加を極力抑制できるため、非常に実用的な方法である。
本発明において、排泥水に添加するフライアッシュは、泥水1m3 に対し、500〜1500Kgであることが好ましく、1000〜1500Kgであることがより好ましい。この添加範囲内において、簡単な操作により、良好に改質固化させて造粒化できる。500Kg未満では流動性があり改質固化しない恐れがあり、また1500Kgより多いと有機系高分子凝集剤の添加を必要としないが、添加量が多すぎ、排泥水の量を増やすことになり、無駄が多くなり、不経済となる恐れがある。
一方、本発明において、排泥水に添加するセメントは、排泥水1m3 に対し、50〜500Kgであることが好ましく、100〜300Kgであることがより好ましい。この添加範囲内において、簡単な操作により良好に改質固化させて造粒化できる。50Kg未満では改質固化しない恐れがあり、また、500Kgより多いと不経済となる恐れがある。
本発明で使用するキレート剤は、以下のようなものが使用できる。即ち、ジチオカルバミン酸型キレート剤、チオ尿素型キレート剤、ポリアミン型キレート剤、イミノ2酢酸型キレート剤、ピロリジン型キレート剤、イミン型キレート剤、ヒドロキシ酸などであり、イミノ2酢酸型キレート剤には、エチレンジアミン四酢酸、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ニトリロ三酢酸などである。またヒドロキシ酸のクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グリコール酸、サリチル酸などがあり、その他シュウ酸、マレイン酸、フタル酸、クエン酸、スルホサリチル酸、β−メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、ジメルカプトプロピオン酸などである。
これらキレート剤は、他の添加剤との添加順序は任意に行うことができるが、排泥水に上記キレート剤を添加・混合し、その後、分散液状高分子凝集剤を混合し、さらにフライアッシュとセメントを添加することが好ましい。また排泥水、フライアッシュ、セメント、分散液状高分子凝集剤などを混練した固化造粒物に対するキレート剤の添加量は、0.5〜10kg/m3 (約0.04〜0.8質量%)であるが、好ましくは1〜6kg/m3 (約0.08〜0.48質量%)である。
本発明において、排泥水に、分散液状有機系高分子凝集剤、フライアッシュ、セメント、キレート剤以外に本発明の主旨を逸脱せず、作用効果を損なわない範囲で、無機系凝集剤、山砂などを添加することができる。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下、%は質量%を示す。
(合成例1)
攪拌機および温度制御装置を備えた反応槽に、沸点190℃ないし230℃のイソパラフィン126.0gおよびソルビタンモノオレート12.0gを仕込んだ。脱イオン水210.0gおよび80%水溶液アクリル酸(AAC)176.4g、50%水溶液アクリルアミド(AAM)278.4gを添加した後、水酸化ナトリウムの35%水溶液224.0g(アクリル酸に対し当量)を液温が30℃以上にならないように冷却しながら加え中和した。単量体しこみ後のアクリルアミドとアクリル酸のモル比は50:50、濃度は40%である。その後ホモジナイザーにて1000rpmで60分間攪拌乳化した。得られたエマルジョンにイソプロピルアルコール0.84g(対単量体0.03%)を加え、窒素置換の後、開始剤として2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩化水素化物の10%水溶液2.8gを加え、温度33±1℃に制御しながら重合反応を開始させ、5時間後、前記開始剤を0.56g追加し、さらに5時間反応を継続し重合を完結させた。重合後、生成した油中水型エマルジョンに転相剤としてポリオキシエチレントリデシルエーテル6.0g(対液1.2%)を添加混合した(試料−1)。また、静的光散乱法による分子量測定器(大塚電子社製DLS−7000)によって重量平均分子量を測定すると分子量は1100万であった。
(合成例2)
攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに、脱イオン水107.7g、硫酸アンモニウム44.7g、60%水溶液アクリル酸(AAC)32.7g、50%水溶液アクリルアミド(AAM)90.3gを添加した後、水酸化ナトリウムの30%水溶液5.8gによりアクリル酸の16モル%を中和した。この中に高分子分散剤として2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム重合体(25%水溶液、8,300mPa・s)15.6g(対単量体6.0%)を添加した。その後、攪拌しながら窒素導入管から窒素を導入し溶存酸素の除去を行う。この間恒温水槽により30℃に内部温度を調整する。窒素導入30分後、0.1%のペルオキソ二硫酸アンモニウムおよび亜硫酸水素アンモニウムの0.1%水溶液をそれぞれこの順で0.6g(対単量体、9.4ppm)添加し重合を開始させた。重合開始後、3時間たったところで、前記開始剤をそれぞれ同量追加し、さらに6時間後にそれぞれ1.8gを追加し15時間で反応を終了した。この重合体のアクリル酸とアクリルアミドのモル比は30:70であり、濃度は20%、粘度は240mPa・sであった(試料−2)。なお、顕微鏡観察の結果、5〜35μmの粒子であることが判明した。また、重量平均分子量を測定すると分子量は900万であった。
[実施例1]
排泥水(比重1.2)1000mlを強制攪拌ミキサーに投入し、フライアッシュ(可燃ゴミ焼却灰)500g、キレート剤としてエチレンジアミン四酢酸を7.5g(対フライアッシュ1.5質量%、対全量0.39%)添加・混合した後、合成例1で製造した試料−1の(メタ)アクリル系高分子凝集剤を1g添加混合し、セメント200gを添加混合し、処理後の状態を観察した。
また、突き固めによる土の締固め試験方法に準じて試料土を作成し、貫入試験は、ポータブルコーン貫入試験を行った(試験方法:JIS−A−1210に準じる)。
先端角30度の円錐コーン(コーン底面積6.45cm2 および3.23cm2 )を、人力により1cm/sの速度で圧入し、10cmごとに30cmまでの貫入抵抗値を測定して平均を求めた。この貫入抵抗値を底面積で除しコーン指数を算出した。
結果を表1に示す。表1中、排泥水は、ミリリットル単位、各添加剤はグラム単位、コーン指数の単位は、KN/m2 である。
[実施例2〜6]
実施例1と同様な操作によって排泥水に表1に示した各成分の量を添加混合し、処理後の状態を観察し、実施例1と同様にしてポータブルコーン貫入試験を行った。結果を表1に示す。
(比較例1〜4)
実施例1と同様な操作によって排泥水に表1に示した成分の量を添加混合し、処理後の状態を観察し、試験を行なった。結果を表1に示す。
Figure 0004182011
表1から、実施例1〜6においては、排泥水を良好に造粒改質することができたことが判る。造粒改質した造粒土を埋め戻し材として利用するために強度を測定したところ、コーン指数1,000〜2,000KN/m2 であった。配合によってはコーン指数3,000KN/m2 以上の強度も可能であるが、コーン指数1,000〜2,000KN/m2 であれば通常の埋め戻し材の強度としては十分である。
一方、比較例1の配合において強制攪拌ミキサーに排泥水と(メタ)アクリル系高分子凝集剤を添加混合し、セメントを加え攪拌したところ、液状のままであった。
比較例2の配合において強制攪拌ミキサーに排泥水と(メタ)アクリル系高分子凝集剤を添加混合し、フライアッシュを加え攪拌したところ、柔らかい塊であった。
比較例3の配合において強制攪拌ミキサーに排泥水を添加混合し、フライアッシュ、セメントを加え攪拌したところ、造粒可能であったが、強度は非常に弱かった。
比較例4の配合において強制攪拌ミキサーに排泥水を添加混合し、フライアッシュを加え攪拌したところ、柔らかい塊であった。
(比較例5)
実施例1と同じフライアッシュを用い、造粒化した後の重金属イオンの溶出試験を行った。初めにキレート剤を添加しないで固化、造粒した後の各重金属の溶出量を試験した。
すなわち、溶出排泥水(比重1.2)1000mlを強制攪拌ミキサーに投入し、フライアッシュ(可燃ゴミ焼却灰)500g、試料−1の(メタ)アクリル系高分子凝縮剤を1g添加混合し、セメント200gを添加混合し造粒した。その後、24時間放置し、昭和48年度環境庁告示13号により造粒物の溶出試験を行った。その結果を表2に示す。
Figure 0004182011
表2から、比較例5の造粒物は、鉛が埋立基準値を上回っているが、カドミウム、総水銀、六価クロム、ひ素、セレンはいずれも埋立基準値を下回っていることが判る。
[実施例7]
溶出排泥水(比重1.2)1000mlを強制攪拌ミキサーに投入し、実施例1と同じフライアッシュ(可燃ゴミ焼却灰)500g、キレート剤としてエチレンジアミン四酢酸を対フライアッシュ1%、1.5%、3%それぞれ添加・混合した後、合成例1で製造した試料−1の(メタ)アクリル系高分子凝集剤を1g添加混合し、セメント200gを添加混合し造粒した。その後、24時間放置し、昭和48年度環境庁告示13号により造粒物の溶出試験を行った。比較例5の造粒物は、鉛のみが埋立基準値を上回っており、カドミウム、総水銀、六価クロム、ひ素、セレンはいずれも埋立基準値を下回っているので、鉛のみ測定した。その結果を表3に示す。
Figure 0004182011
表3から、キレート剤を対フライアッシュ1%を越えて添加・混合すると鉛の溶出量が埋立基準値を下回ることが判る。
本発明の排泥水の改質固化方法は、土木工事現場から発生する排泥水に(a)原液のまま分散された状態の分散液状(メタ)アクリル系水溶性高分子凝集剤、(b)フライアッシュ、(c)セメント、(d)重金属溶出を防止するためのキレート剤を必須成分として添加して造粒することを特徴とするものであり、土木工事現場から発生する排泥水に、これらの成分を添加して混合・攪拌すると、排泥水中のシルト、粘土分などの微粒子が凝集しフロックの空隙に水が取り込まれ見かけ上、水が無くなったようにバサバサの状態となり造粒化でき、また分散液状(メタ)アクリル系水溶性高分子凝集剤を使用することにより、液中に高分子量の(メタ)アクリル系水溶性高分子が微粒状に分散しているので、水により希釈などせず原液のまま分散された状態で用いることができ、どのような構造のミキサでも容易に混練することができ、その結果、従来、産業廃棄物として処理するしかなかった推進工事など土木工事現場から発生する高含水比の排泥水を、脱水することなく、あるいは乾燥土を添加して処理土を増加させることなく、簡便な操作により改質固化して造粒することができ、このようにして改質固化した造粒土を放置することで、セメントとフライアッシュの水和反応により造粒土の強度が増し、締め固めによる土耐力もあって埋め戻し用土や造成用土として再利用できる、という顕著な効果を奏する上、重金属溶出を防止するためのキレート剤を必須成分として添加することにより排泥水中に重金属が含有されていてもこのキレート剤によって固定化され重金属溶出を防止することができ、改質固化して造粒した後、造粒物から重金属が溶出してくる恐れがなく二次汚染を防止することができる、という顕著な効果を奏するので、産業上の利用価値が高い。

Claims (5)

  1. 土木工事現場から発生する排泥水に(a)原液のまま分散された状態の分散液状(メタ)アクリル系水溶性高分子凝集剤、(b)フライアッシュ、(c)セメント、(d)重金属溶出を防止するためのキレート剤を必須成分として添加して造粒することを特徴とする排泥水の改質固化方法。
  2. 前記排泥水が比重が1.2以下の高含水比の排泥水であることを特徴とする請求項1に記載の排泥水の改質固化方法。
  3. 前記フライアッシュを、排泥水1m3 に対し500〜1500Kg添加することを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の排泥水の改質固化方法。
  4. 前記セメントを、排泥水1m3 に対し、50〜500Kg添加することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の排泥水の改質固化方法。
  5. 土木工事現場から発生する排泥水に(a)原液のまま分散された状態の分散液状(メタ)アクリル系水溶性高分子凝集剤、(b)フライアッシュ、(c)セメント、(d)重金属溶出を防止するためのキレート剤を必須成分として添加して改質固化した造粒土を、埋め戻し材あるいは造成用土として再利用することを特徴とする改質固化土の使用方法。
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