JP4185765B2 - 電子写真用転写紙およびこれを用いた画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー複写機やカラープリンター等に適用される電子写真法による画像形成に用いられる電子写真用転写紙およびこれを用いた画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方法によりカラー画像を形成する方法としては、感光体上に、色分解光を照射して色別に静電潜像を形成し、これら色別に形成された静電潜像を、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)等のカラートナーにより逐次現像して色別にカラートナー像を形成し、各色のカラートナー像を形成する毎にこれを転写体上に重ね合わせて転写し、これらのカラートナー像を加熱溶融し、定着してカラー画像を形成する方法がある。
【0003】
また、別の方法としては、現像された色別のカラートナー像を転写体ではなくて感光体上に重ね合わせて形成し、この重ね合わされたカラートナー像を転写体上に一括転写し、これを加熱溶融し、定着してカラー画像を形成する方法がある。
さらに、別の方法としては、感光体と転写体との間に設けたベルト等からなる中間転写体上にカラートナー像を重ね合わせ、重ね合わせたカラートナー像を転写体に一括転写し加熱溶融して定着する方法がある。
【0004】
カラートナーは、通常、バインダー樹脂中に着色剤として各種の染料または顔料を、相溶または分散含有させたもので、その粒子径は、数μmから数十μmである。このようなカラートナーの受容体としては、普通紙や、一般の印刷用紙、コート紙のような紙基材が使用され、この紙基材上に複数層重ね合わされたカラートナーを加熱溶融し、定着することによりカラー画像が形成される。
このようにして形成されたカラー画像の表面には、例えば10〜100μm程度の凹凸が形成されているため、このトナー層の凹凸によって、画像の光沢にムラが生じてしまうことが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
上記の問題点を改善するために、紙基材上に熱可塑性透明樹脂層を設け、トナー像を熱ローラ定着装置により熱可塑性透明樹脂層に埋め込む方法が一般的に知られている。また、ガラス転移温度が40〜70℃であり、テトラヒドロフランに可溶な架橋樹脂よりなる透明樹脂層を有する画像転写シート表面上にトナー像をのせ、ベルト状定着装置でトナーを透明樹脂層に埋め込む方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、熱可塑性樹脂が塗設されている画像転写シートの表面上にトナー像をのせ、ベルト状定着装置でトナーを透明樹脂層に埋め込む方法が提案されている(例えば、特許文献3、4参照)。
【0006】
また、ベルト状の定着装置を使用せずに、光沢ムラのないグロスマッチングが得られる転写シートとして、転写シート表面の透明樹脂の平均分子量(Mwa)とカラートナーの結着樹脂の平均分子量(Mwb)との間に、Mwa−Mwb≧10000という関係を有し、透明樹脂のトナーの定着温度におけるカラートナーの結着樹脂との溶融傾斜角を40度以下に調整した電子写真用転写紙が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
また、転写シート表面の透明樹脂層の数平均分子量(Mn)が5000〜20000、およびガラス転移温度が30〜85℃にある電子写真用転写紙が提案されている(例えば、特許文献6参照)。さらに、電子写真用転写紙上に設けられた熱可塑性樹脂層中に可塑剤を配合し、定着時に層を形成するバインダーや固形成分を軟化させ熱可塑性樹脂層にトナーを埋め込む方法が提案されている(例えば特許文献7参照)。
【0007】
上記の特許文献に記載された技術は、カラートナー像を転写体上に定着する際に、カラートナー像を熱ローラにより加圧することにより、加熱、溶融して電子写真用転写紙表面に設けられた透明樹脂層中に埋め込むように定着している。しかしこれらの方法では白紙部は高平滑になり、光沢が発現するが、画像部表面の凹凸を完全に平滑にすることができず、画像部の光沢発現性に劣っている。
【0008】
また、上記の特許文献に記載された技術のもつ問題点として、保管時に熱可塑性樹脂層と熱可塑性樹脂層との間や、熱可塑性樹脂層と画像部との間が密着してしまう、いわゆるドキュメントオフセットの発生があげられる。
熱可塑性樹脂を用いた高光沢画像は、印字物の保管や印字物の輸送の過程において熱可塑性樹脂のガラス転移点(Tg)近傍又はそれ以上に加熱されると、画像形成部分の樹脂成分が溶融して印字物の裏面や印字物自体に付着し、画像の欠損が発生する。また、熱可塑性樹脂層表面が高平滑であるため熱可塑性樹脂層表面同士を重ね合せたときの接触面積が大きくなり、熱可塑性樹脂層表面同士が密着しやすいことも耐ドキュメントオフセット性を悪化させる原因の一つと考えられる。さらに熱可塑性樹脂層に可塑剤等を配合したものは未配合のものと比較して、よりいっそう定着時の熱可塑性樹脂の軟化によるオフセットや保管性が悪化し商品としての価値がなくなってしまう。
【0009】
【特許文献1】
特開昭63−92965号公報
【特許文献2】
特開平5−127413号公報
【特許文献3】
特開平5−216322号公報
【特許文献4】
特開平6−11982号公報
【特許文献5】
特開平10−221877号公報
【特許文献6】
特開平11−160905号公報
【特許文献7】
特開2000−275891号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解決することを課題とする。すなわち、本発明は、高光沢の画像を形成することができ、且つ、高温保管性に優れた電子写真用転写紙および画像形成方法を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題は以下の本発明により達成される。すなわち、本発明は、
<1> 少なくとも片面に接着剤と顔料とを含む塗工層を有する基材の少なくとも片面上に、トナー受像層として機能する熱可塑性樹脂層を有する電子写真用転写紙において、
前記熱可塑性樹脂層が、融点が50℃〜100℃の範囲内であり、且つ、パラフィンワックスを酸化してケン化価を200以上としたトナー溶融粘度低下剤を少なくとも1種類以上含むことを特徴とする電子写真用転写紙である。
【0012】
<2> 前記トナー溶融粘度低下剤の溶融トナー接触角が、45°以下であることを特徴とする<1>に記載の電子写真用転写紙である。
【0013】
<3> 前記トナー溶融粘度低下剤が、前記熱可塑性樹脂層中に10質量%〜80質量%の範囲内で配合されていることを特徴とする<1>または<2>に記載の電子写真用転写紙である。
【0014】
<4> 前記熱可塑性樹脂層の厚さが、3μm〜20μmの範囲内であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1つに記載の電子写真用転写紙である。
【0015】
<5> 前記熱可塑性樹脂層が、離型剤を含むことを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1つに記載の電子写真用転写紙である。
【0016】
<6> 潜像担体上に潜像を形成する工程、前記潜像を電子写真用現像剤を用いて現像しトナー像を形成する工程、前記トナー像を被転写体に転写する工程、及び、前記被転写体上に転写されたトナー像を前記被転写体上に加熱圧着する定着工程を含む画像形成方法において、
前記定着工程が、オイルレス定着であり、前記被転写体が、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の電子写真用転写紙であることを特徴とする画像形成方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明者等は、高光沢画像を形成する電子写真用転写紙の表面層の構成について鋭意検討した。その結果、高品位の画像を形成し、かつ高温保管性に優れた電子写真用転写紙を得るために必要な条件を見出し、それに基づいて本発明を完成するに至った。以下、本発明を、電子写真用転写紙と、画像形成方法とに分けて説明する。
【0018】
<電子写真用転写紙>
本発明の電子写真用転写紙(以下、「転写紙」と略す場合がある)は、少なくとも片面に接着剤と顔料とを含む塗工層を有する基材の少なくとも片面上に、トナー受像層として機能する熱可塑性樹脂層を有する電子写真用転写紙において、前記熱可塑性樹脂層が、融点が50℃〜100℃の範囲内であり、且つ、ケン化価が200以上であるトナー溶融粘度低下剤を少なくとも1種類以上含むことを特徴とする。
従って、本発明の転写紙は、高光沢の画像を形成することができ、且つ、高温保管性に優れる。
【0019】
なお、本発明において「トナー溶融粘度低下剤」とは、広義には、常温でトナーの溶融粘度に影響を与えず、トナーを定着する際の加熱温度域において、トナーと相溶することにより、トナー単体の場合と比べてトナーの溶融粘度を少なくとも101Pa・s以上低下させる性質を有するものを意味する。
【0020】
本発明の転写紙に用いられるトナー溶融粘度低下剤の少なくとも1種は、その融点は50℃〜100℃の範囲内であることが必要であり、50℃〜70℃の範囲内であることが好ましい。
融点が50℃未満では定着後の熱保管性が保てず、100℃を超える場合には定着時にトナー溶融粘度低下剤の液化が進まず、熱可塑性樹脂層表面へ染み出しにくくなり、トナーと相溶しトナーの溶融粘度を低下することができない。
【0021】
なお、2種以上のトナー溶融粘度低下剤を用いる場合には、融点が50℃〜100℃の範囲外のトナー溶融粘度低下剤も併用することができるが、2種以上のトナー溶融粘度低下剤を用いる場合においても、融点を50℃〜100℃の範囲内ものを2種以上用いることが好ましく、用いる全ての種類のトナー溶融粘度低下剤の融点を50℃〜100℃の範囲内とすることがより好ましい。
【0022】
また、本発明の転写紙に用いられるトナー溶融粘度低下剤は、定着時にトナーと相溶し、溶融状態のトナーの粘度を低下させるものであるが、このような溶融状態におけるトナーの粘度の大きさを間接的に表す指標として、溶融トナー接触角を用いることができる。
本発明の転写紙に用いられるトナー溶融粘度低下剤において、溶融トナー接触角は特に限定されないが、小さい程好ましく、溶融トナー接触角は45°以下であることが好ましく、40°以下であることがより好ましい。
溶融トナー接触角が45°を超える場合には、定着時のトナーの溶融粘度の低下が不充分となり、高光沢な画像を得ることができない場合がある。
【0023】
なお、本発明において、「溶融トナー接触角」は次のようにして測定された値を意味する。
まず、3質量%のトナー溶融粘度低下剤溶液を含むトルエン溶液を調製した。次に、スライドグラス上に、一度溶融させ粉砕したトナー粒(φ1〜2mm)をのせ、さらに、トナー溶融粘度低下剤を含むトルエン溶液を約7μl滴下して140℃のオーブンで15分間加熱した。
加熱終了後、冷却し、スライドグラス上に形成されたトナー溶融粘度低下剤を含むトナー固形物の接触角を測定し、この接触角を溶融トナー接触角として求めた。
【0024】
但し、溶融トナー接触角の測定に用いたトナー粒は、トナーの樹脂成分がスチレン−n−ブチルアクリレート樹脂(組成比80:20、質量平均分子量30000)からなり、そのガラス転移温度(Tg)が55℃、平均体積粒度分布が1.20、トナー形状係数が110、体積平均粒径が8μmであり、このトナー中に分散している離型剤の配合量は10質量%(固形分換算)であるものを使用した。なお、このトナー粒のみの溶融トナー接触角は70°である。
【0025】
トナー溶融粘度低下剤によりトナーの溶融粘度が低下する理由は次のように考えられる。まず、トナーを加熱すると、トナー粒子内の分子運動が大きくなり、分子間の距離が広がってくる。つまり、トナーが軟らかくなり、溶融粘度が低下する。この状態で、トナー分子間にトナー溶融粘度低下剤の分子を入り込ませるとトナー分子とトナー分子との間がさらに広げられ、さらに軟らかい状態、すなわち溶融粘度の低下した状態になる(いわゆる可塑効果)。
上記した溶融トナー接触角はトナー粒子にトナー溶融粘度低下剤を滴下して加熱した時のトナーの広がり方(溶融状態)を見ているため、トナーの溶融粘度接触角が高いと、上記の可塑効果が小さくトナーの溶融粘度が低下しないことを意味する。
【0026】
また、本発明の転写紙に用いられるトナー溶融粘度低下剤は、そのケン化価が200以上であることが必要である。その他の物性としては特に限定されるものではないが、120℃における粘度が35mPa・s以下であるのが好ましい。
【0027】
ケン化価が200未満の場合には、トナーの結着樹脂との相溶性が低下し、溶融粘度を低下させる効果が発揮されなくなる。
また、120℃における粘度が35mPa・sより高いとトナー溶融粘度低下剤が熱可塑性樹脂層の表面へと染み出しにくく、十分にトナーの溶融粘度を低下することができない場合がある。
【0028】
本発明の転写紙に用いられるトナー溶融粘度低下剤としては、既述したように少なくとも1種が、融点が50℃〜100℃の範囲内であれば如何なる材料を用いてもよいが、一般的な定着時の加熱温度域において、トナーとの相溶性に優れている必要がある。このような観点からは、後述するような熱可塑性樹脂層に配合される離型剤はトナーとの相溶性が悪いため、トナー溶融粘度低下剤として用いることができない。
トナー溶融粘度低下剤の具体例としては、エステル結合を多く含むケン化価の高い有機化合物を用いることができ、例えば、パラフィンワックス(ケン化価10以下)を酸化(エステル化)してケン化価200以上としたような有機化合物をトナー溶融粘度低下剤として用いることができる。
【0029】
また、トナー溶融粘度低下剤は、熱可塑性樹脂層中に10質量%〜80質量%の範囲内で配合されているのが好ましく、20質量%〜60質量%の範囲内で配合されているのがより好ましい。
配合量が10質量%未満では定着時に熱可塑性樹脂層表面に染み出すトナー溶融粘度低下剤の量が少なく、トナー溶融粘度低下効果が小さくなる場合がある。一方、80質量%以上より多いと、熱可塑性樹脂層表面に染み出すトナー溶融粘度低下剤の量が多すぎて、定着時にトナーが流されてしまい、画像部が乱れてしまうことがある。
【0030】
熱可塑性樹脂層の厚さは、3μm〜20μmの範囲内であることが好ましく、5〜15μmの範囲内であることがより好ましい。
熱可塑性樹脂層の厚さが3μm未満では、定着時にトナーが熱可塑性樹脂層に完全に埋まり込まず、定着後の受像面の平滑性が悪化し高光沢画像が得られない場合がある。また、熱可塑性樹脂層の厚さが20μmを超える場合には、熱可塑性樹脂層の軟化が起こりにくく、トナーの埋め込み性が悪くなる。
熱可塑性樹脂層は、温度28℃、相対湿度85%において、その表面電気抵抗が8.0×108Ω以上となるようにその組成を調整されていることが好ましい。また、目的に応じて顔料、導電剤、離型剤等を配合してもかまわない。
【0031】
前記熱可塑性樹脂層に配合される離型剤としてはワックス類、高級脂肪酸、高級アルコール、高級脂肪酸アミド等を用いることができる。
ワックス類としては、カルナバワックス、ライスワックス等の植物性ワックスやパラフィン、マイクロクリスタリン等の石油系ワックスおよびポリエチレンワックスのような合成炭化水素ワックスが挙げられる。高級脂肪酸としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸が挙げられる。高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコート、セチルアルコール、ベヘニルアルコールが挙げられる。高級脂肪酸アミドとしては、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、メチレンビスステアリルアミド、エチレンビスステアリルアミドが挙げられる
【0032】
離型剤は熱可塑性樹脂中に0.1質量%〜5質量%の範囲内で配合されることが好ましい。配合量が0.1質量%未満では、定着時の転写紙と熱ローラ等の定着部材との離型効果が不十分で、定着時に転写紙が定着部材に巻付いてしまう場合がある。また、配合量が5質量%を超える場合には、離型剤の熱可塑性樹脂層表面への染み出し量が多くなり、定着後の画像部や白紙部に離型剤の染み出し後が残ってしまう場合がある。
【0033】
本発明の転写紙に用いられる、少なくとも片面に接着剤と顔料とを含む塗工層を有する基材としては、合成紙、上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙等を使用することができる。しかし、少なくとも片面に接着剤と顔料とを含む塗工層を有する基材の表面性が定着後の光沢に影響すること、また、定着時のブリスター発生を防止するためにはコート紙、アート紙、キャストコート紙等を用いるのが好ましい。
【0034】
接着剤としては、水溶性及び/または水分散性の高分子化合物が用いられ、例えば、カチオン性澱粉、両性澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、エステル化澱粉、エ−テル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白、天然ゴム等の天然あるいは半合成高分子化合物、ポリビニルアルコール類、イソプレン、ネオプレン、ポリブタジエン等のポリジエン類、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリアルケン類、ビニルハライド、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、メチルビニルエーテル等のビニル系重合体や共重合体類、スチレン−ブタジエン系、メチルメタクリレート−ブタジエン系等の合成ゴムラテックス、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、オレフィン−無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂等の合成高分子化合物等を用いることができ、転写紙に求められる品質に応じて1種あるいは2種以上を適宜選択して使用することができる。
【0035】
接着剤の配合割合は、顔料100質量部に対して5〜50質量部の範囲内にあることが好ましい。配合割合が5質量部未満では、得られた塗工層上に熱可塑性樹脂層を塗工する時にコート紙の表面が熱可塑性樹脂層形成用の塗布液によって侵されるため、良好な白紙光沢度を得ることが出来ない場合がある。また、配合割合が50質量部を越えると、塗工層を塗工する際に泡が発生し、塗工面にザラツキを生ずるため、良好な白紙光沢度が得られない場合がある。
【0036】
顔料としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、構造性カオリン、デラミカオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、アルミノ珪酸マグネシウム、微粒子状珪酸カルシウム、微粒子状炭酸マグネシウム、微粒子状軽質炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト、スメクタイト等の鉱物質顔料や、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂並びにそれらの微小中空粒子や貫通孔型の有機顔料等が挙げられ、これらの中から1種あるいは2種以上が用いられる。
【0037】
この塗工層用塗布液中には、これらの他に各種助剤、例えば界面活性剤、pH調節剤、粘度調節剤、柔軟剤、光沢付与剤、分散剤、流動変性剤、導電防止剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、蛍光増白剤、着色剤、紫外線吸収剤、消泡剤、耐水化剤、可塑剤、滑剤、防腐剤、香料等が必要に応じて適宜配合することも可能である。
【0038】
塗工層の塗工量については、本発明の転写紙の使用目的に応じて適宜に選択されるものであるが、一般的には、原紙表面の凹凸を完全に覆う程度の量が必要であり、乾燥質量で8〜40g/m2であることが好ましい。
塗工層を形成する塗被方法としては一般に公知の塗被装置、例えばブレードコータ、エヤーナイフコータ、ロールコータ、リバースロールコータ、バーコータ、カーテンコータ、ダイコータ、グラビアコータ、チャンプレックスコータ、ブラシコータ、ツーロール式あるいはメータリングブレード式のサイズプレスコータ、ビルブレードコータ、ショートドウェルコータ、ゲートロールコータ等が適宜用いられる。
【0039】
塗工層は、原紙の片面或いは両面に形成され、塗工層は1層あるいは必要に応じて2層以上の中間層を設け、多層構造にすることも可能である。なお両面塗工、又は、多層構造にする場合、各々の面や層に対して用いられる塗工液の組成および塗工量が同一である必要はなく、所望の特性を有する層が形成できるように適宜調整することができる。
また、原紙の片面にのみ塗工層を設けた場合、もう一方の面(裏面)には合成樹脂層や接着剤および顔料等からなる塗被層又は帯電防止層等を設けて、カール発生防止、印刷適性付与、及び、給排紙適性等を付与することも可能である。さらに原紙の裏面に種々の加工、例えば粘着、磁性、難燃、耐熱、耐水、耐油、防滑等の後加工を施すことにより、各種の用途適性を付加することも勿論可能である。
【0040】
本発明の転写紙は、その作製に際し通常の乾燥工程や表面処理工程等において、水分含有量が3〜10質量%の範囲内となるように調整して仕上げられることが好ましく、4〜8質量%の範囲内となるように調整して仕上げられることがより好ましい。
【0041】
また基材に平滑化処理を施す際には、通常のスーパーカレンダ、グロスカレンダ、ソフトカレンダ等の平滑化処理装置を用いて行われる。また、オンマシンやオフマシンで適宜施されてもよく、加圧装置の形態、加圧ニップの数、加温等も通常の平滑化処理装置に準じて適宜調節される。
【0042】
基材として用いるコート紙の原紙としては、特に限定はなく、例えば抄紙pHが4.5付近である酸性抄紙、炭酸カルシウム等のアルカリ性填料を主成分として含み抄紙pHが約6の弱酸性乃至約9の弱アルカリ性にある中性抄紙等の紙基体が用いられる。抄紙方法については、一般の長網多筒式、丸網単筒式、ヤンキー式、ツインワイヤ式等の抄紙機が適宜用いられる。また用途に応じて合成紙、不織布、合成樹脂フィルムも使用できる。
【0043】
熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂としては、公知の熱可塑性樹脂であれば特に限定されるものではないが、トナーとの相溶性の高いものを用いることが好ましい。
トナーの樹脂成分としては、一般に、ポリエステル樹脂あるいはスチレン−アクリル樹脂が主に用いられていることから、熱可塑性樹脂としてはポリエステル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル、スチレン−メタクリル酸エステル等を用いることができ、目的に応じて1種或いは2種以上の混合物が使用される。
【0044】
また、上記に列挙した熱可塑性樹脂の中でも、特にポリエステル樹脂を用いることが好ましい。ポリエステル樹脂を構成する多価アルコール成分および多価カルボン酸成分としては、下記のものが例示される。
【0045】
多価アルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールAにオレフィンオキサイドを付加したモノマー等を用いることができる。
【0046】
多価カルボン酸成分としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ドデシルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシ)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸およびこれらの酸の低級アルキルエステル等を用いることができる。本発明に用いられるポリエステル樹脂は、上記多価アルコール成分の1種以上と多価カルボン酸成分の1種以上との重合により合成される。
【0047】
コート紙上への熱可塑性樹脂層の塗工には、一般に公知の塗被装置、例えば、リバースロールコータ、バーコータ、カーテンコータ、ダイコータ、グラビアコータ等の装置が適宜用いられる。
【0048】
また熱可塑性樹脂層を塗工されたシートは、必要に応じて平滑化処理されてもよく、この平滑化処理は通常のスーパーカレンダ、グロスカレンダ、ソフトカレンダ等の平滑化処理装置によって施される。また加圧装置の形態、加圧ニップの数、加温等も通常の平滑化処理装置に準じて適宜調節される。
【0049】
<画像形成方法>
本発明の画像形成方法は、公知の電子写真方式を利用した画像形成方法において、本発明の電子写真用転写紙を用いるものであれば特に限定されないが、具体的には以下に説明する画像形成方法であることが好ましい。
すなわち、潜像担体上に潜像を形成する工程、前記潜像を電子写真用現像剤を用いて現像しトナー像を形成する工程、前記トナー像を被転写体に転写する工程、及び、前記被転写体上に転写されたトナー像を前記被転写体上に加熱圧着する定着工程を含む画像形成方法において、前記定着工程が、オイルレス定着であることが好ましく、この際、前記被転写体として本発明の電子写真用転写紙が用いられる。
【0050】
なお、オイルレス定着とは、定着に際して、定着部材表面にオイル等の離型剤を含まない状態で定着する定着方法であり、一般的には従来の定着装置から定着部材表面に離型剤を供給する手段を省いた定着装置を用いて行われる定着方法をである。また、上記したような画像形成方法において、4つの工程以外に、必要に応じて他の工程を有していてもよい。
【0051】
オイルレス定着によれば、オイルを使用しないために、得られた画像表面のざらつきが抑えられると共に、画像表面への筆記が容易になるため、好ましく用いられる。
【0052】
次に、本発明の画像形成方法について、図面を用いて具体的に説明する。図1は、本発明の画像形成方法に好適に用いられる画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
図1中、1は熱定着ローラ、2は圧着ローラ、3は加熱源、11は感光体、12はローラ型帯電器、13は露光装置、14aは現像剤(シアン)を搭載した現像器、14bは現像剤(マゼンタ)を搭載した現像器、14cは現像剤(イエロー)を搭載した現像器、14dは現像剤(ブラック)を搭載した現像器14a、14は現像装置、15は中間転写体、16はクリーナー、17は光除電器、18a、18bおよび18cは支軸ローラ、19は転写用ローラ、20は被転写体(本発明の電子写真用転写紙)を表す。
【0053】
図1に示す画像形成装置は、矢印R方向に回転可能な感光体11の周囲に時計回り方向に、ローラ型帯電器12、露光装置13、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各現像剤を搭載した現像器14a、14b、14c、14dを内臓した現像装置14、ベルト状の中間転写体15、クリーナー16、及び、光除電器17が、この順序で配置されている。
中間転写体15は、その内周面に配置された支軸ローラー18a、18bおよび18cにより張架されており、矢印P方向に回転可能である。支軸ローラー18aは、中間転写体15を介して、感光体11と圧接している。支軸ローラー18cは、中間転写体15を介して、転写用ローラー19と圧接している。
【0054】
また、中間転写体15の外周面と転写用ローラー19との当接部は、被転写体20が矢印Q方向に挿通可能である。中間転写体15の外周面と転写用ローラー19との当接部の矢印Q方向側には、熱定着ローラ1とこれに圧接する加圧ローラ2とからなる熱ローラ定着装置が配置されており、熱定着ローラ1と加圧ローラ2との当接部を、中間転写体15の外周面と転写用ローラー19との当接部を通過した被転写体20が矢印Q方向に挿通可能である。
【0055】
図1に示す画像形成装置を用いた画像形成は以下のように行われる。まず、ローラ型帯電器12により矢印R方向に回転する感光体11表面を帯電させる。感光体11表面の帯電した部分に、露光装置13から、シアン、マゼンタ、イエローの各色に対応した画像情報に基づいて照射される照射光Lにより感光体11表面を露光し潜像を形成する。この感光体11表面に形成された潜像は、現像装置14に内蔵された現像器14a、14b、14c、14dにてそれぞれ現像され、各色毎にトナー像が形成される。現像されたトナー像は、ベルト状の中間転写体15の外周面上に転写される。
【0056】
中間転写体15の外周面上に転写されたトナー像は、中間転写体15の矢印P方向への進行に伴い、支軸ローラー18cと中間転写体15を介して圧接されている転写用ローラ19との間まで移動する。中間転写体15の外周面上のトナー像が、支軸ローラー18cと中間転写体15とを介して圧接されている転写用ローラ19との当接部(ニップ部)を通過する際、このニップ部を矢印Q方向へと挿通された被転写体20上に転写される。被転写体20上に転写されたトナー像は、被転写体20が熱定着ローラ1と加圧ローラ2との当接部を矢印Q方向に通過する際に被転写体20上に定着され、画像が形成される。
【0057】
なお、感光体11は、トナー像を中間転写体15の外周面上に転写した後、さらに矢印R方向に回転し、感光体11上残存したトナーをクリーナー16によって除去し、感光体11上に残存した残留電荷を光除電器17によって除電することにより、次の画像形成に備える。
【0058】
本発明の画像形成方法に用いる定着装置としては、接触型熱定着装置が使用でき、例えば芯金上にゴム弾性層を有し、必要に応じて定着部材表面層を具備した熱定着ローラと、芯金上にゴム弾性層を有し、必要に応じて定着部材表面層を具備した加圧ローラとからなる熱ローラ定着装置や、このようなローラとローラとの組み合わせ以外にも、2つの部材のいずれかが加熱および/または加圧機能を有するローラとベルトとの組み合わせ、また、ベルトとベルトとの組み合わせに代えた定着装置を使用することができる。
【0059】
定着部材の基材(コア)には、耐熱性に優れ、変形に対する強度が強く、熱伝導性の良い材質が選択され、ローラ型の定着装置の場合には、例えばアルミ、鉄、銅等が選択され、ベルト型の定着装置の場合には、例えばポリイミドフィルム、ステンレス製ベルト等が選択される。ローラ型基材の表面には、通常シリコーンゴム、フッ素ゴム等からなる弾性ゴム層を表面に設けている。
【0060】
前記定着部材は、目的に応じて各種の添加剤等を含有していてもよく、例えば、磨耗性向上、抵抗値制御等の目的でカーボンブラックや金属酸化物、SiCなどのセラミックス粒子等を含有してもよい。
【0061】
次に、定着工程について図面を用いて詳細に説明する。図2は本発明の画像形成方法の定着工程に用いられる定着装置の一例を示す概略構成図である。図2中、1は熱定着ローラ、2は加圧ローラ、3は加熱源、4は定着部材表面層、5は弾性層、6はトナー像、7は被転写体(本発明の電子写真用転写紙)を意味する。なお、図2中に示される符号1、2は図1中に示す符号1、2と基本的に同じ機能を有するものである。
【0062】
図2に示す定着装置は、定着部材がローラ形状を有する装置であり、その基本的な構成は、熱定着ローラ1と、これに対向配置された加圧ローラ2とからなる。熱定着ローラ1は、その内部に加熱するための加熱源3が内蔵され、加熱源3を内包するように弾性層5等の層が少なくとも1層以上設けられており、弾性層5の外周面には、最も外周に位置する定着部材表面層4が設けられている。
また、加圧ローラ2は、その内部に加熱するための加熱源3が内蔵され、加熱源3を内包し、最も外周に位置する弾性層5等の層が少なくとも1層以上設けられている。なお、加熱源3は加圧ローラ2内部に設けなくてもよい。また、加熱源3は、不図示の温度制御装置により所望の加熱温度が得られるように制御される。
【0063】
熱定着ローラ1と、加圧ローラ2との当接部は、熱定着ローラ1に接する面側にトナー像6が形成された被転写体7が矢印S方向に挿通可能であり、この当接部を被転写体7が通過する際にトナー像6が加熱・加圧されることにより定着され、被転写体7表面に画像が形成される。
【0064】
熱定着ローラ1の周囲には、必要に応じてさらに、熱定着ローラ1の表面に付着したトナーを除去するためのクリーニング部材、被転写体7を熱定着ローラ1表面から剥離させる爪(フィンガー)などを配置してもよい。
【0065】
熱定着ローラ1及び/又は加圧ローラ2には、単層又は積層構造の弾性層5を備えていることが好ましく、弾性層5の厚みとしては、0.1〜3mmの範囲内であることが好ましく、0.5〜2mmの範囲内であることがより好ましい。弾性層5には、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性ゴムが用いられ、そのゴム硬度は、60以下が好ましい。定着部材が弾性層5を有すると、被転写体7上のトナー画像6の凹凸に追従して前記定着部材が変形し、定着後における画像表面の平滑性を向上させることができる点で有利である。なお、弾性層5の厚みが3mmを越える場合には、定着部材の熱容量が大きくなり、定着部材を所望の温度まで加熱するのに長い時間を要する上、消費エネルギーも増大してしまう場合がある。また、弾性層の厚みが0.1mm未満である場合には薄すぎると、定着部材の変形がトナー画像の凹凸に追従できなくなり、溶融ムラが発生し、また、剥離に有効な弾性層の歪みが得られない場合がある。
【0066】
【実施例】
下記に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下に示す実施例のみに限定されるものでない。なお実施例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り、「質量部」及び「質量%」を示す。
【0067】
<実施例1>
市販の坪量157g/m2のキャストコート紙(ミラーコートゴールド、王子製紙株式会社製)の光沢面に、下記組成物からなる塗工液をバーコータを用いて塗工厚が10μm、塗工量を10g/m2(絶乾質量)となるように塗工して熱可塑性樹脂層を形成し、坪量167g/m2の電子写真用転写紙を得た。
【0068】
−塗工液の組成−
・熱可塑性樹脂:ポリエステル樹脂(TP220、日本合成化学社製):100質量部
・トナー溶融粘度低下剤(パラフィンワックス、分子量:310、酸化(mgKOH/g):4)を酸化(エステル化)したもので、ケン化価370、融点58℃、溶融トナー接触角35°):10質量部
・離型剤(カルナバワックス、東亜化成株式会社製):3質量部
【0069】
次に、得られた電子写真転写紙に未定着画像を形成した。形成した未定着画像は、網点面積率100%部のトナー量が0.6mmg/cm2となるように調整した。
【0070】
未定着画像は、図2に示した構成を有する定着装置を用いて、定着圧力を4kg/cm2、熱定着ローラの表面温度を170℃、加圧ローラの表面温度を150℃、定着速度を60mm/secとして定着し、定着画像を得た。
このときのトナー溶融粘度低下剤による粘度低下量は10Pa・sであった。なお、粘度低下量は、実施例1に示すトナー溶融粘度低下剤をトナーに対して混合する前後の値から求めた(以下の実施例も同様)。
【0071】
<実施例2>
トナー溶融粘度低下剤の配合量を30質量部とした以外は、実施例1と同様にして、電子写真用転写紙を作製しこの表面に定着画像を形成した。この時の、トナー溶融粘度低下剤による粘度低下量は50Pa・sであった。
【0072】
<実施例3>
市販の坪量127.9g/m2のキャストコート紙(ミラーコートゴールド、王子製紙株式会社製)を接着剤と顔料とを含む塗工層を有する基材に使用する以外は実施例1と同様にして、電子写真用転写紙を作製しこの表面に定着画像を形成した。この時の、トナー溶融粘度低下剤による粘度低下量は50Pa・sであった。
【0073】
<実施例4>
熱可塑性樹脂層の塗工厚が20μm、塗工量を20g/m2(絶乾質量)とし、得られた転写紙の坪量を177g/m2とした以外は、実施例3と同様にして、電子写真用転写紙を作製しこの表面に定着画像を形成した。この時の、トナー溶融粘度低下剤による粘度低下量は10Pa・sであった。
【0074】
<実施例5>
トナー溶融粘度低下剤として、パラフィンワックス(分子量:350、酸化(mgKOH/g):5)を酸化(エステル化)して得られたケン化価250、融点75℃、溶融トナー接触角40°であるトナー溶融粘度低下剤を用いた以外は実施例1と同様にして、電子写真用転写紙を作製しこの表面に定着画像を形成した。この時の、トナー溶融粘度低下剤による粘度低下量は10Pa・sであった。
【0075】
<比較例1>
熱可塑性樹脂層の形成に際し、下記組成物からなる塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真用転写紙を作製しこの表面に定着画像を形成した。
−塗工液の組成−
・熱可塑性樹脂(ポリエステル樹脂、TP220、日本合成化学社製):100質量部
・離型剤(カルナバワックス、東亜化成株式会社製):3質量部
【0076】
<比較例2>
塗工液に含まれるトナー溶融粘度低下剤の代りに内添剤としてステアリルアルコール(NAA−42、日本油脂株式会社製、ケン化価150、融点23℃、溶融トナー接触角40°)を用い、その配合量を30質量%とした以外は、実施例1と同様にして、電子写真用転写紙を作製しこの表面に定着画像を形成した。この時の、内添剤による粘度低下量は0Pa・sであった。
【0077】
<比較例3>
塗工液に含まれるトナー溶融粘度低下剤の代りに内添剤としてエステル系合成ワックス(セパージェットJ−156、中京油脂株式会社製、ケン化価50、融点104℃、溶融トナー接触角60°)を用い、配合量を30質量%とした以外は、実施例1と同様にして、電子写真用転写紙を作製しこの表面に定着画像を形成した。この時の、内添剤による粘度低下量は0Pa・sであった。
【0078】
<比較例4>
塗工液に含まれるトナー溶融粘度低下剤の代りに市販の可塑剤(アデカサイザー RS−700、旭電化工業株式会社製:常温で液体)を用い、その配合量を30質量部とした以外は、実施例1と同様にして、電子写真用転写紙を作製しこの表面に定着画像を形成した。この時の、可塑剤による粘度低下量は10Pa・sであった。
【0079】
<比較例5>
塗工液に含まれるトナー溶融粘度低下剤の代りに市販の可塑剤(アデカサイザー RN−107、旭電化工業株式会社製:常温で液体)を用い、その配合量を30質量部とした以外は、実施例1と同様にして、電子写真用転写紙を作製しこの表面に定着画像を形成した。この時の、可塑剤による粘度低下量は20Pa・sであった。
【0080】
<評価結果>
実施例および比較例で得られた電子写真用転写紙およびその表面に形成された定着画像について評価した結果をまとめて表1に示す。なお、表1中の各評価項目は、以下に示すように測定・評価した。
【0081】
【表1】
【0082】
<測定・評価方法>
〔坪量測定方法〕
坪量は、JIS P 8124の方法に基いて測定した。
【0083】
〔溶融トナー接触角の測定方法〕
既述した溶融トナー接触角の測定方法に基き溶融トナー接触角を求めた。
【0084】
〔画像部光沢度の測定方法〕
画像部光沢度は、JIS Z 8741の方法に基づき、光沢測定器(GM−26D型、村上色彩研究所社製)を使用し、定着後画像部について入射角と受光角が60度の条件で測定した。
【0085】
〔耐ドキュメントオフセット性の評価〕
実施例および比較例で得られた画像の画像部分と白紙部分を用いて、以下の▲1▼〜▲3▼項に示すような重ね合わせパターンを作成し、40℃30%RHおよび50℃30%RH環境下で、荷重40g/cm2の条件で1週間保管したのちの画像および白紙部欠陥について以下の基準で評価した。
−画像の重ね合わせパターン−
▲1▼白紙部×白紙部
▲2▼白紙部×ベタ画像部
▲3▼ベタ画像部×ベタ画像部
−画像欠損評価基準−
◎:ベタ画像あるいは白紙部で欠損もなく、光沢感も低下していない。実用上問題無く、品質も優れている。
○:ベタ画像あるいは白紙部で欠損はないが、わずかに光沢感が低下している。実用上問題無い。
△:ベタ画像あるいは白紙部で欠損はないが、光沢感が低下している。実用上問題ある。
×:ベタ画像あるいは白紙部で欠損が発生している。実用上問題あり、品質も著しく劣っている
【0086】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、高光沢の画像を形成することができ、且つ、高温保管性に優れた電子写真用転写紙および画像形成方法を提供することができ、実用上極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像形成方法に好適に用いられる画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】 図2は本発明の画像形成方法の定着工程に用いられる定着装置の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 熱定着ローラ
2 加圧ローラ
3 加熱源
4 定着部材表面層
5 弾性層
6 トナー像
7 被転写体(電子写真用転写紙)
11 感光体
12 ローラ型帯電器
13 露光装置
14 四色現像器(14a、14b、14c、14d)
15 中間転写体
16 クリーナー
17 光除電器
18 支軸ローラ(18a、18b、18c)
19 転写用ローラ
20 被転写体(電子写真用転写紙)
Claims (5)
- 少なくとも片面に接着剤と顔料とを含む塗工層を有する基材の少なくとも片面上に、トナー受像層として機能する熱可塑性樹脂層を有する電子写真用転写紙において、
前記熱可塑性樹脂層が、融点が50℃〜100℃の範囲内であり、且つ、パラフィンワックスを酸化してケン化価を200以上としたトナー溶融粘度低下剤を少なくとも1種類以上含むことを特徴とする電子写真用転写紙。 - 前記トナー溶融粘度低下剤の溶融トナー接触角が、45°以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用転写紙。
- 前記トナー溶融粘度低下剤が、前記熱可塑性樹脂層中に10質量%〜80質量%の範囲内で配合されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子写真用転写紙。
- 前記熱可塑性樹脂層の厚さが、3μm〜20μmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の電子写真用転写紙。
- 潜像担体上に潜像を形成する工程、前記潜像を電子写真用現像剤を用いて現像しトナー像を形成する工程、前記トナー像を被転写体に転写する工程、及び、前記被転写体上に転写されたトナー像を前記被転写体上に加熱圧着する定着工程を含む画像形成方法において、
前記定着工程が、オイルレス定着であり、前記被転写体が、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真用転写紙であることを特徴とする画像形成方法。
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