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JP4187082B2 - 金属ベース回路基板とその製造方法 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高発熱性電子部品或いは高発熱性電子部品と制御回路電子部品とを実装することができて電源用途等の大電力用途にも適用可能な混成集積回路に適した高い放熱性が実現される混成集積用回路基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
高発熱性電子部品を実装する回路基板として、熱伝導性の良好な金属ベース回路基板が用いられている。金属ベース回路基板は、アルミニウム等の金属板を基材に用い、該金属板上に数十μm程度の厚さの無機フィラー含有樹脂からなる絶縁層を設け、更に前記絶縁層上に回路が形成されている構造を有する。金属ベース回路基板は高い熱放散性を有するので、発熱量が大きい電子部品が搭載される大電力用途に用いられる。
【0003】
近年、大電力用途における一層の大電力化、回路の高密度化、或いは適用分野の拡大を目的に、より一層熱放散性の高い金属ベース回路基板が要望されていて、例えば、300μmの厚い銅箔を回路導体として用いた金属ベース回路基板が開発されている。
【0004】
しかしながら、金属ベース回路基板は、一般に、金属板と金属箔が異なる金属により形成されているため、製造時に受ける熱履歴により応力が絶縁層近傍に発生し易い。そのため、例えば熱衝撃を繰り返すような使用条件においては、絶縁層にクラックが入り、最悪の場合には絶縁破壊を起こすことがあった。
【0005】
そのため、金属板を回路と同じ銅板にするという試みも行われたが、重量が重くなる、コストが高い等の問題点があり、現在、ほとんど使用されていない。
【0006】
また、回路導体をエッチング性の良好なアルミニウム合金を用いるという試みも行われたが、基板放熱性が十分でなく適用分野に制限がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱衝撃を繰り返すような、或いは激しい熱衝撃を受ける使用条件においても、絶縁層にクラックが発生せず、熱放散性に優れた大電流用途向けに好適な金属ベース回路基板を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アルミニウム板上の一主面上に絶縁層を介してアルミニウムからなる回路を設けた金属ベース回路基板であって、アルミニウムからなる回路のアルミニウム純度が99.5質量%以上であり、アルミニウムからなる回路のエッチングファクターが1.5以上2.5以下であることを特徴とする金属ベース回路基板であり、好ましくは、アルミニウムからなる回路の厚みが300μm以上1000μm以下であり、更に好ましくは、アルミニウムからなる回路上に、ニッケル、銅、金からなる群から選ばれる1種以上の金属層を設けていることを特徴とする前記の金属ベース回路基板である。
【0009】
また、本発明は、アルミニウム板上の一主面上に絶縁層を介してアルミニウム箔を積層して積層物を得た後、前記積層物の前記アルミニウム箔をエッチングして回路形成する金属ベース回路基板の製造方法であって、前記アルミニウム箔の純度が99.5質量%以上であることを特徴とする金属ベース回路基板の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の金属ベース回路基板は、絶縁層を介してアルミニウム板上に設けられているアルミニウムからなる回路(以下、アルミニウム回路という)のアルミニウム純度が99.5質量%以上であり、しかも前記アルミニウム回路のエッチングファクターが1.5以上2.5以下であることを特徴としている。前記構成を採用するときに、従来公知の銅からなる大電流用途向けの金属ベース回路基板の欠点であった熱衝撃抵抗性を改善するとともに、回路の高密度化を同時に達成することができる。即ち、アルミニウム純度が99.5重量%未満では、熱衝撃抵抗性の改善が充分でないことがあるし、エッチングファクターが1.5未満では回路パターンの精度が悪く回路の高密度化が困難となり、また、2.5を超えるものは技術的に実現する事が難しい。
【0011】
本発明において、アルミニウム回路は、アルミニウム純度が99.5質量%以上であれば、その製法に限定されないが、安価で入手し易いという理由から、JISの1000番台のアルミニウムが好ましく選択される。
【0012】
本発明において、アルミニウム回路の厚みは、300〜1000μmであることが好ましい。即ち、300μm以上のときに、実用条件下で蒙る加熱冷却の繰り返しを受けても十分に耐え得る金属ベース回路基板が得られるが、1000μmを越える場合には、回路形成に困難が伴ってきて実用的でなくなる。前記範囲のうち、応力緩和を確実に達成し、しかも生産上の困難さがないことから300〜500μmがより好ましい範囲として選択される。
【0013】
本発明の金属ベース回路基板において、電子部品を搭載したり、回路結線してモジュールを形成する際に、電子部品の半田付け性、ボンディング用ワイヤの接続性等が良好となるように、アルミニウム回路上の一部に、銅、ニッケル、金−ニッケル等からなる金属層を設けていることが好ましい。前記金属層のアルミニウム回路上への設け方については、アルミニウムと金属層との複合箔を用いる方法、アルミニウム箔を絶縁層上に設けた後、金属層をメッキ等で設ける方法等の従来公知の方法を適用すれば良い。
【0014】
また、本発明の金属ベース回路基板は、前述の構成を満足しさえすれば、どのような作製方法で得たものであっても構わない。即ち、アルミニウム板上に絶縁層を塗布し、更に絶縁層上にアルミニウム箔を貼り付けた後、前記アルミニウム箔をエッチング等の処理を施し回路を形成する方法、或いは予めエッチング加工により回路を形成し、これを絶縁層を介してアルミニウム板に貼り付ける方法等のいずれの方法でも構わないが、後述する通りに、前者は、格別高価な設備を必要とせず、従来の製造条件を調整する程度の変更で本発明の金属ベース回路基板を安定して得ることが出来る特徴がある。
【0015】
本発明の金属ベース回路基板に用いられるアルミニウム板は、アルミニウム或いはその合金であれば良く、その厚さは0.5〜3mmであれば良い。また、絶縁層としては、絶縁性を有する材質で有ればいずれも採用でき、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂並びにポリイミド樹脂等のいろいろな樹脂やそれらをガラス布等に含浸させたもの、更に前記樹脂に無機フィラーを充填したもの、あるいは前記樹脂をフィルム状にしたもの等を用いることができる。このうち、アルミニウムと密着性に優れるエポキシ樹脂に、熱伝導率を高める目的で酸化アルミニウム、酸化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化硼素等を添加したものが好ましい。
【0016】
本発明の金属ベース回路基板の製造方法については、本発明者が、アルミニウムの材質、エッチング条件と得られる回路の形状に関していろいろ実験的検討を重ねた結果、アルミニウム箔のアルミニウム純度が特定値以上であるときに、回路形成に好適な値範囲のエッチングファクターの回路を形成できるという知見を得て本発明に至ったものである。
【0017】
即ち、一般的に、アルミニウムのエッチングには水酸化ナトリウム水溶液、塩化第2鉄及び塩化第2銅水溶液等がエッチング液として用いて行われているが、通常使用されるエッチング方法ではエッチングファクターは1.0前後となり、実用上支障が発生することが知られている。本発明者らは、この原因解明を目的にいろいろ検討した結果、純度が99.5質量%以上のアルミニウム箔を用いた場合に、水酸化ナトリウム系エッチング液をアルミニウムの選択エッチング液として使用し、エッチングを通常エッチング時間よりオーバーエッチングすることにより、エッチングファクターを回路形成に都合の良い1.5〜2.5の範囲に制御できるという知見を得たものである。
【0018】
本発明の金属ベース回路基板の製造法は、アルミニウム板上の一主面上に絶縁層を介してアルミニウム箔を積層して積層物を得た後、前記積層物の前記アルミニウム箔をエッチングして回路形成する金属ベース回路基板の製造方法であって、前記アルミニウム箔の純度が99.5質量%以上であることを特徴としている。前述の通りに、アルミニウム箔の純度が99.5質量%以上のものを用いることにより、格別高価な設備を必要とせず、従来の製造条件を調整する程度の変更で本発明の金属ベース回路基板を安定して得ることが出来る特徴がある。
【0019】
尚、本発明の製造方法において、アルミニウム箔の所望の位置に銅、ニッケル、金−ニッケル等からなる金属層を予め用いておくことで、前記金属層をアルミニウムを選択エッチングするときのマスクとして用いることで、従来樹脂系のマスクの場合に必要であった工程を、簡略化することができる。
【0020】
【実施例】
〔実施例〕
厚さ3.0mmのアルミニウム板上に、酸化アルミニウムを60体積%含有するビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化エポキシ社製エピコート828)を絶縁層の厚さが125μmになるように塗布し、予め厚さ10μmの銅メッキを施したJIS1050番アルミニウム(厚さ400μm)箔を、アルミニウム層側が絶縁層に接するように配置し、加熱下で加圧することにより金属ベース基板を作製した。
【0021】
次ぎに、スクリーン印刷法を用いてエッチングレジストで銅メッキ上の所望の位置をマスクし銅メッキ層をエッチングした後、20重量%水酸化ナトリウム液により、アルミニウム箔をエッチングして回路を形成した。このとき、ジャストエッチング条件に対して、2分過剰の条件とした。
【0022】
前記金属ベース回路基板の回路パターンのエッチングファクターを測定した結果2.5であり所望した値であった。以下に示すハンダ耐熱処理評価後においても絶縁破壊電圧の変化はなく、しかも、絶縁層クラックが無いことを確認した。
【0023】
<ハンダ耐熱処理評価法>
φ20mmのアルミパターンをエッチングにて形成した評価用基板を260℃のハンダバス上に10分フローティングさせた後、絶縁破壊電圧特性の変化及び絶縁層クラックの有無について評価した。
【0024】
〔比較例〕
実施例と同じ金属ベース基板について、スクリーン印刷法を用いてエッチングレジストで銅メッキ上の所望の位置をマスクし、塩化第2鉄溶液(液温度40℃/濃度40ボーメ)でジャストエッチング条件でエッチングを行い、アルミニウム回路を形成した。
【0025】
前記金属ベース回路基板のアルミニウム回路のエッチングファクターを測定した結果1.1であった。
【0026】
【発明の効果】
本発明の金属ベース回路基板は、熱衝撃を繰り返すような或いは強い熱衝撃を受ける使用条件においても、絶縁層にクラックが発生せず、基板放熱性に優れ、かつエッチングファクターが1.5以上2.5以下を有しているので回路の高密度化が達成されるので、産業上非常に有用である。
【0027】
また、本発明の金属ベース回路基板の製造方法は、前記金属ベース回路基板を格別高価な設備を必要とせず、従来の製造条件を調整する程度の変更で、安定して得ることが出来るので、産業上非常に有用である。

Claims (4)

  1. アルミニウム板上の一主面上に絶縁層を介してアルミニウムからなる回路を設けた金属ベース回路基板であって、アルミニウムからなる回路のアルミニウム純度が99.5質量%以上であり、アルミニウムからなる回路のエッチングファクターが1.5以上2.5以下であることを特徴とする金属ベース回路基板。
  2. アルミニウムからなる回路の厚みが300μm以上1000μm以下であることを特徴とする請求項1記載の金属ベース回路基板。
  3. アルミニウムからなる回路上に、ニッケル、銅、金からなる群から選ばれる1種以上の金属層を設けていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の金属ベース回路基板。
  4. アルミニウム板上の一主面上に絶縁層を介してアルミニウム箔を積層して積層物を得た後、前記積層物の前記アルミニウム箔を水酸化ナトリウム液によりエッチングして回路形成する、エッチングファクターが1.5以上2.5以下である金属ベース回路基板の製造方法であって、前記アルミニウム箔の純度が99.5質量%以上であることを特徴とする金属ベース回路基板の製造方法。
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