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JP4187464B2 - ドリップの吸収除去方法及びそのためのドリップシート - Google Patents
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JP4187464B2 - ドリップの吸収除去方法及びそのためのドリップシート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、保存中の魚肉のドリップ(滲出液)を吸収又は除去して、魚肉の鮮度を保持し、消臭効果を高めたドリップの吸収除去方法及びそのため使用するドリップシートに関する。
なお、本発明のドリップの吸収除去方法及びそのためのドリップシートは、魚類については海水性又は淡水性の全ての魚介類に使用することができ、また肉類については豚肉、牛肉、鶏肉、鯨肉等の全ての蓄肉に使用することができる。本明細書では、これらを総称して「魚肉」とし、上記の全てを包含する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、魚介類(以降、特に表示しない限り「魚」という。)は漁獲後に、また畜肉は屠殺された後に、鮮魚あるいは鮮肉としてパックされて輸送されるか、又は凍結されて保存あるいは輸送される。
魚の場合には真空パックされる場合もある。鮮魚あるいは鮮肉では、保存中に細胞組織が破壊され、水分の他にドリップと言われている多量の分解産物を排出する。特に、魚はこのように鮮度に反比例した量のドリップを排出する。
また、冷凍保存された魚又は畜肉においても、解凍の際に大量のドリップが排出される。これは冷凍時に氷の結晶が細胞を破壊するためであり、急速凍結技術が進んだ現在でも避けられない問題である。
【0003】
鮮魚あるいは鮮肉での保存中あるいは冷凍中に、細胞組織の破壊によって生じたドリップ中には、タンパク質分解酵素が生ずるが、このタンパク質分解酵素がさらに次の細胞を分解することになり、なだれ的に魚肉の細胞が破壊され鮮度が低下するという現象が見られる。
魚肉の鮮度を高めるためには、このようなタンパク質分解酵素を含有するドリップを除去する必要があるが、効果的かつコスト的に有利な方法が見出されていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、魚や畜肉の冷蔵保存、あるいは冷凍品の解凍に伴って滲出するドリップを効果的に吸着除去し、鮮度を保持すると共に脱臭効果のあるドリップの吸収除去方法及びそのためのドリップシートを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、木綿を焼成した炭素繊維材を使用することにより、上記の問題を解決できるとの知見を得た。
本発明は、この知見に基づいて、
【0006】
1.木綿を焼成して得た炭化綿を、保存中の魚肉に接触させることを特徴とする魚肉から発生するドリップの吸収除去方法
2.木綿の織物を焼成して得た炭化綿からなり、該炭化綿を保存中の魚肉に接触させ、魚肉から発生するドリップを吸収除去することを特徴とするドリップシート
3.木綿を焼成することによって得た炭化綿をシート状に加工したシート状炭化綿からなり、該シート状炭化綿を保存中の魚肉に接触させ、魚肉から発生するドリップを吸収除去することを特徴とするドリップシート
を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明者は、先に「炭化綿およびその製造法」(特願2001−020138)を提案した(先の発明)。本発明は、この先願の発明の、炭化綿による魚肉ドリップの抜群の吸収力に着眼して、ドリップシートへの利用を創案するものである。
ドリップシートには、後述する実施例に示すように、木綿を焼成して得た炭化綿が有効である。特に平均直径5〜15μmの長繊維の集合体からなる炭化綿、平均長さ0.5cm〜5cmの長繊維の集合体からなる炭化綿、3〜9M(Micronaire)の炭化綿、木綿から炭化綿への直径方向の収縮率が15〜30%であり、かつ焼成後の炭化綿が炭化セルロースの二重構造を備えている炭化綿が効果的である。
また、この炭化綿は、木綿を200〜500°Cで加熱焼成することによって製造することができる。このように、先の発明によって得られる全ての炭化綿を使用することができる。
【0008】
炭化綿は水分の吸収等において、極めて優れた能力を持つ事が確認され、イオン吸着のみならず、保水効果による高分子の保持も可能である。この事は、ドリップ中に含まれるタンパク質分解酵素が効率良く除かれることを意味する。
したがって、上記のように滲出したタンパク質分解酵素が、なだれ的に次の細胞を分解する事を防ぐ事が出来、その結果として鮮度がより保たれるという優れた効果が得られる。また、魚肉又は蓄肉の臭みも同様に除くことができる。
【0009】
(炭化綿の保水力の調査)
実際に本発明の炭化綿の保水力について、他の材料との比較において調査した結果を表1に示す。調査部材として、炭化綿、脱臭用やしがら活性炭、木炭、木綿を使用し、それぞれ5gづつ秤量し、電気乾燥器内で4時間乾燥し、その減少量より吸着水分量を測定した。
その結果、表1に示すように炭化綿は他の部材に比べ圧倒的に水分量が多く、保水力に優れていることが分かる。
【0010】
【表1】
Figure 0004187464
【0011】
【実施例及び比較例】
次に、本発明の実施例及び比較例について説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明の理解を容易にするためのものであって、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。すなわち、本発明の技術思想に基づく、他の例又は変形は、当然本発明に包含されるものである。
【0012】
(実施例1)
ヒラメに炭化綿シートを適用した例を示す。以下に示すように、ヒラメのフィレを用いて炭化綿シートの効果を調べた。
ヒラメフィレの下(皮側)に炭化綿シートを敷き、その重量を経時的に測定した。フィレの大きさが異なるので、ドリップ重量をフィレの重量で除したものを、ドリップインデックスとした。この結果を図1に示す。
なお、図1において、白丸(○)は炭化綿シートを敷かずにろ紙を敷いたコントロール(比較例)を、黒丸(●)は炭化綿シートを使用した場合(実施例)を示す。保存温度は4°Cであった。
比較例であるろ紙を敷いたコントロール(48時間後のドリップインデックス0.018)と比べ、実施例である炭化綿シートが吸収したヒラメフィレのドリップ(48時間後のドリップインデックス0.012)は明らかに少なく、約70%であり、この差は測定開始後1時間に既に現われた。
また、120時間経過後では、魚の臭みはコントロールにおいて、顕著に現われたが、炭化綿シートではほとんど臭いは感じられなかった。
このように、ヒラメと接触させた炭化綿は、ドリップ量を減少させる効果があることが分かる。
【0013】
(実施例2)
次に、ハマチ切り身に炭化綿シートを用いた例を示す。
このハマチ切り身を用いる場合、真空パックを行ない、実際の出荷体制をシュミレートして比較を行なった。但し、操作上真空パックしてから保存までの移動の間は氷冷した。
この結果を図2に示す。比較例としてペーパータオルを使用したが、図2に示すように、それを黒丸(●)で示す。また、本実施例の炭化綿シートを使用した場合を白丸(○)示す。
傾向としては、ほぼ上述の実施例1と同じような結果となった。インデックスは、この場合には体積が大きく、真空パックで体積が歪むことが無視できなかったので、重量の他、体積でも除してある。
比較例(8時間後のドリップ指標:6)と比べ、実施例2である炭化綿シートでは(8時間後のドリップ指標:5.2)の86%であり、明らかに少なかった。
このように、ハマチと接触させた炭化綿は、ドリップ量を減少させる効果があることが分かる。
【0014】
(ヒラメフィレ保存中の臭みの比較)
炭化綿のアンモニアに対する吸収能は上記の通り明らかであるが、魚の臭いの一因であるメチルメルカプタンについて経時的な測定を行なった。
この結果を、炭化綿を使用しない比較例と共に図3に示す。なお、図3において、白丸(○)は炭化綿を使用しない比較例(コントロール)であり、黒丸(●)は本実施例の炭化綿シートを使用した場合を示す。また、図3の縦軸はメチルメルカプタンの量(ppm)を示す。
魚は保存後、70時間および140時間後に555mlの密閉容器に移し、30分保管してからガス検知管によって測定した。比較例であるコントロールでは、時間の経過と共に増加し、140時間後では1.5ppmになったが、一方炭化綿シートを敷いた魚では全く検出されなかった。
従って、炭化綿シートは魚の臭みの成分を効率良く吸着することが明らかになった。
【0015】
(ドリップシートの形態)
ドリップシートは木綿織物を、そのまま炭化したもの(例えばさらし)などを、魚の大きさに合わせて使用することも可能であるが、炭化綿を紙、合成繊維、天然繊維などと共に漉いてシートに加工して使用することもできる。また、不織布として用いることもできる。
更に、必要に応じて他の部材とともに層状に加工し、多層状のシート加工することもできる。本発明は、これらの炭化綿を全て包含する。
【0016】
【発明の効果】
本発明のドリップシートは、低コストで加工できると共に、魚あるいは畜肉から滲出するドリップを効果的に吸着除去でき、鮮度を長時間に渡って保持できるのみならず、悪臭を吸収することができるという優れた特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒラメのフィレを用いた場合の、ドリップ量の増加率を調べた結果を示す図である。
【図2】 ハマチの切り身を用いた場合の、ドリップ量の増加率を調べた結果を示す図である。
【図3】ヒラメのフィレを用いた場合の、メチルメルカプタンの増加率を調べた結果を示す図である。

Claims (2)

  1. 木綿を焼成して得た平均直径5〜15μm、平均長さ0.5〜5cm、かつ炭化セルロースの二重構造を備えている炭化綿を、保存中の魚肉に接触させることを特徴とする魚肉から発生するドリップの吸収除去方法。
  2. 木綿を焼成することによって得た平均直径5〜15μm、平均長さ0.5〜5cm、かつ炭化セルロースの二重構造を備えている炭化綿をシート状に加工し、該シート状炭化綿を保存中の魚肉に接触させることを特徴とする魚肉から発生するドリップの吸収除去方法
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