JP4189601B2 - トナー、トナーの製造方法、画像形成方法 - Google Patents
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Description
(1)画像形成装置をコンパクト化すること
(2)画像形成装置を高速化すること
(3)高品質のカラー画像形成を実現すること
(4)稼働時の消費電力を低減化すること(省電力化)
ここで、上記の課題(1)〜(3)を解決させるには、小径の現像ローラーを高速回転させて画像形成を行っても、トナー飛散による画像汚染や、トナー融着による現像ローラーの劣化といった問題を発生させない様にしなければならないという難しさがある。これらの課題に対し、帯電性の揃ったトナー粒子を設計することにより、トナーの帯電速度を速め、電荷保持能を高める技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
樹脂と着色剤を含有するトナー粒子からなり、
該トナー粒子を100nmの切片とし、80kVの加速電圧による透過型電子顕微鏡で観察したときに、
該トナー粒子は、着色剤を含有する領域Aと、該トナー粒子の表面から1μm以内の領域に該領域Aよりも電子を透過する炭素数6〜20の分岐してもよいアルキル基またはアルキレン基を有するビニル重合体を含有する領域Bとが観察されることを特徴とするトナー。
前記領域Aと前記領域Bに含有される樹脂の溶解度パラメータ値は、領域Bが領域Aよりも低く、その差が0.20〜0.70であることを特徴とする前記(1)に記載のトナー。
前記領域Bは、ガラス転移温度が50〜65℃の樹脂からなり、前記領域Aは、定着助剤を含有し、ガラス転移温度が−20〜39℃の樹脂からなることを特徴とする前記(1)項に記載のトナー。
着色剤を含有する領域Aの周囲に、別の領域Bを形成する工程を経てトナー粒子を作製するトナーの製造方法であって、
該領域Aと該領域Bに含有される樹脂の溶解度パラメータ値は、領域Bが領域Aよりも低く、その差が0.20〜0.70であり、
且つ、該領域Bを形成する樹脂は、炭素数6〜20の分岐してもよいアルキル基またはアルキレン基を有する重合性単量体を用いて形成されることを特徴とするトナーの製造方法。
前記(1)または(2)項に記載のトナーを用いる画像形成方法であって、転写材の表面温度を80〜105℃に加熱して転写材上にトナー画像を定着することを特徴とする画像形成方法。
最初に、本発明に係るトナー粒子の構造について具体的に説明する。
本発明では、トナー粒子を100nmの切片とし、加速電圧を80kVとした透過型の電子顕微鏡でトナー粒子を観察することによりトナー粒子中にコントラストがつくことを見出し、さらに、このコントラストがトナー粒子を構成する樹脂組成を反映したものであることを見出した。即ち、本発明では、トナー粒子を100nmの切片とし、80kVの加速電圧による透過型電子顕微鏡で観察を行った時に、トナー粒子の樹脂組成(単量体組成)を定量できることを見出した。
次に、本発明に係るトナーを実現させる手段について説明する。
(a)領域Aと領域Bに含有される樹脂の溶解度パラメータ値(SP値)は、領域Bが領域Aよりも低く、その差が0.20〜0.70であること。
(b)領域Bに含有される樹脂は、炭素数6〜20の分岐してもよいアルキル基またはアルキレン基を有するビニル重合体を有するものであること。
(c)領域Bは、ガラス転移温度(Tg)が50〜65℃の樹脂からなり、領域Aは定着助剤を含有し、ガラス転移温度が−20〜39℃の樹脂からなる。
本発明では、トナー粒子中の領域Bを形成する樹脂は、領域Aの樹脂と相溶せず、しかも、領域Bを形成する樹脂は領域Aと十分な接着性を有している。
σ=(ΣΔei/ΣΔvi)1/2
また、各ビニル系共重合体の溶解度パラメータ値は、各成分の溶解度パラメータ値とモル比の積より算出されるものである。例えば、共重合体樹脂をX、Yの2種類の単量体より構成されるものと仮定した時、各単量体の質量組成比をx、y(質量%)、分子量をMx、My、溶解度パラメータ値をSPx、SPyとすると、各単量体比はx/Mx、y/Myとなる。ここで、共重合体樹脂のモル比をCとすると、C=x/Mx+y/Myと表され、この共重合体樹脂の溶解度パラメータ値SPは下記式(2)のようになる。
SP={(x×SPx/Mx)+(y×SPy/My)}×1/C
尚、各単量体の溶解度パラメータSPx、SPyは、前述の式(1)により算出されるもので、具体的な値としてはポリマーハンドブック(ワイリー社刊)第4版等の文献に記載されているものを利用すると良い。
ブチルアクリレート 9.77
2−エチルヘキシルメタクリレート 9.04
メチルメタクリレート 9.93
メタクリル酸 12.54
アクリル酸 14.04
この値を用い、前記式(2)に従い、共重合体の溶解度パラメータ値を求める。
本発明では、トナー粒子外縁部の領域Bが相対的に電子を透過し易い様にするには、炭素数6〜20の分岐してもよいアルキル基またはアルキレン基を有するビニル重合体を用いて領域Bを形成することが好ましい。当該樹脂は炭素数6〜20の分岐してもよいアルキル基またはアルキレン基を含む単量体を重合して作製される。
本発明に係るトナーを作製するためには、領域Bに含有される樹脂のガラス転移温度が50〜65℃であり、領域Aに含有される樹脂のガラス転移温度は−20〜39℃であることが好ましい。
1/Tg′=W1/T1+W2/T2+・・・+Wn/Tn
(式中、W1、W2、・・・Wnは共重合体樹脂の製造に使用された全重合性単量体に対する各重合性単量体の質量分率、T1、T2・・・Tnは各重合性単量体を用いて形成されるホモポリマーのガラス転移温度(絶対温度)を示す。)
尚、本発明に係るトナーでは、理論ガラス転移温度の値や示差熱量分析装置で得られる測定結果、或いは原子間力顕微鏡での結果に多少の差異が生ずることもあるが、この件については本発明の技術思想を否定したり結果に影響を与えるものではない。
本発明に係るトナーを作製する上で、トナー粒子中の領域Bと領域Aを形成する樹脂の分子量をそれぞれ特定範囲に設定することが好ましい。具体的には、領域Aを構成する樹脂の分子量を15,000〜25,000、領域Bを構成する樹脂の分子量を10,000〜35,000の範囲にそれぞれピーク分子量を有する様に分子量を設定することが好ましい。
本発明に係るトナーの軟化点(Tsp)は、75〜98℃であることが好ましく、転写材表面の温度が100℃以下でも定着することが可能である。これは、本発明に係るトナーでは、領域Bの比率をトナー粒子に対して質量ベースで5〜30%としているので、軟化点に影響を与えることなくトナー保存性を向上させることが可能になっている。従って、本発明に係るトナーでは、水蒸気の発生による画像欠陥や転写材の変形(カール)の発生のない温度での定着を可能にしている。
次に、領域Aに好ましく用いられる樹脂(即ち、重合体)について説明する。
次に、本発明に係るトナーの製造方法について説明する。
領域Aを形成する樹脂粒子(a)は、前述した様に、SP値が10.10〜11.00、Tgが−20〜39℃になるよう重合性単量体の種類とその配合比を選択し、分子量が15,000〜25,000になるよう共重合して得られるものである。また、樹脂粒子(a)の数平均一次粒子径は10〜1000nmが好ましい。
領域A粒子を製造する方法の一例としては、重合性単量体中に荷電制御性樹脂を溶解させ、着色剤や必要に応じて定着助剤、離型剤、さらに重合開始剤等の各種構成材料を添加し、ホモジナイザー、サンドミル、サンドグラインダー、超音波分散機などで重合性単量体に各種構成材料を溶解或いは分散させる。この各種構成材料が溶解或いは分散された重合性単量体を分散安定剤を含有した水系媒体中にホモミキサーやホモジナイザーなどを使用し領域A粒子としての所望の大きさの油滴に分散させる。その後、撹拌機構が後述の撹拌翼である反応装置(撹拌装置)へ移し、加熱することで重合反応を進行させて領域A粒子を形成することができる。
また、領域A粒子を製造する方法として樹脂粒子(a)を水系媒体中で塩析/融着させて調製する方法も挙げることができる。この方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、特開平5−265252号公報や特開平6−329947号公報、特開平9−15904号公報に示す方法を挙げることができる。即ち、樹脂粒子と着色剤、必要に応じて定着助剤、離型剤等の構成材料の分散粒子、或いは樹脂及び着色剤等より構成される微粒子を複数以上塩析、凝集、融着させる方法、特に水中にてこれらを乳化剤を用いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え塩析させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移点温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成しつつ徐々に粒径を成長させ、目的の粒径となったところで水を多量に加えて粒径成長を停止し、さらに加熱、撹拌しながら粒子表面を平滑にして形状を制御して領域A粒子を形成することができる。尚、ここにおいて凝集剤と同時にアルコールなど水に対して無限溶解する溶媒を加えてもよい。
領域A粒子の製造方法は、以下に示す工程より構成されるものである。
2:樹脂粒子(a)と着色剤粒子とを塩析/融着させて領域A粒子を得る塩析/融着工程
以下、各工程について、詳細に説明する。
多段重合工程とは、オフセット発生防止した領域A粒子を得るべく樹脂粒子の分子量分布を拡大させるために行う重合方法である。即ち、1つの樹脂粒子において異なる分子量分布を有する相を形成するために重合反応を多段階に分けて行うものであって、得られた樹脂粒子がその粒子の中心より表層に向かって分子量勾配を形成させる様に意図して行うものである。例えば、はじめに高分子量の樹脂粒子分散液を得た後、新たに重合性単量体と連鎖移動剤を加えることによってて低分子量の表層を形成する方法が採られている。
二段重合法は、高分子量樹脂から形成される中心部(核)と、低分子量樹脂から形成される外層(殻)とにより構成される樹脂粒子(a)を製造する方法である。
三段重合法は、高分子量樹脂から形成される中心部(核)、中間層及び低分子量樹脂から形成される外層(殻)とにより構成される樹脂粒子(a)を製造する方法である。領域A粒子では上記の様な樹脂粒子(a)として存在するものである。
この塩析/融着工程は、前記多段重合工程によって得られた樹脂粒子(a)と着色剤粒子とを塩析/融着させる(塩析と融着とを同時に起こさせる)ことによって、領域A粒子を得る工程である。
着色剤は界面活性剤を含んだ水系媒体に直接投入し、剪断力を付与することにより分散する。例えば特開2000−292973に記載されている。
領域A粒子は、領域Aを形成する樹脂粒子(a)、着色剤、必要に応じ定着助剤、離型剤を含有する。
領域A粒子分散液の調製方法は、領域A粒子が前述した条件を満足するものであれば、特に限定されないが、領域A粒子の表面に領域Bを形成する樹脂粒子(b)を固着させる観点から乳化会合法で製造することが好ましい。
本発明に係るトナーの領域Aには、軟化点を制御するために定着助剤を含有させることも可能である。具体的には、数平均分子量が1,500〜3,500のビニル重合体或いはポリ−1−ブテン等のα−オレフィンの重合体が挙げられる。
本発明に係るトナーに使用される離型剤は、公知のものを用いることができる。好ましい離型剤としては、下記一般式で表されるものが挙げられる。
R1−(OCO−R2)n
式中、nは1〜4の整数を表し、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜2である。
R2:炭素数=1〜40、好ましくは14〜30、更に好ましくは16〜26
上記一般式で表されるエステル化合物の中で、ベヘン酸ベへニル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル等が好ましい。他には、極性基で変性したパラフィンワックス、高級アルコール等が好ましく用いられる。
着色剤としては、公知の有機顔料、及び染料も従来公知のものを用いることができ、具体的な有機顔料及び染料を以下に例示する。
本発明に係るトナー粒子の製造工程では、界面活性剤を使用して水系媒体中に油滴分散を行うことが好ましい。この際に使用することのできる界面活性剤としては、特に限定されるものでは無いが、下記のイオン性界面活性剤を好適な化合物の例として挙げることができる。
一般式(2) R1(OR2)nSO3M
一般式(1)、(2)において、R1は炭素数6〜22のアルキル基またはアリールアルキル基を表すが、好ましくは炭素数8〜20のアルキル基またはアリールアルキル基であり、更に好ましくは炭素数9〜16のアルキル基またはアリールアルキル基である。
化合物(102):C10H21(OCH2CH2)3OSO3Na
化合物(103):C10H21(OCH2CH2)2SO3Na
化合物(104):C10H21(OCH2CH2)3SO3Na
化合物(105):C8H17(OCH2CH(CH3))2OSO3Na
化合物(106):C18H37(OCH2CH2)2OSO3Na
本発明に係るトナー粒子の製造工程では、水系媒体中で調製した樹脂粒子の分散液から樹脂粒子を凝集させる工程があり、凝集剤として金属塩が好ましく用られることは前述したとおりである。具体的な凝集剤としては、2価または3価の金属塩を凝集剤として用いることが好ましく、1価の金属塩よりも2価、3価の金属塩の方が臨界凝集濃度(凝析値或いは凝析点)が小さいので好ましい。
領域Bを形成する樹脂粒子(b)は、Tgが50〜65℃になるように重合性単量体の種類とその配合比を選択し、分子量が10,000〜35,000になるよう共重合体させて得られた樹脂粒子が好ましい。
領域B粒子の分散液は、重合性単量体を重合して得た樹脂粒子(b)をミセル化して分散させた水系分散液が好ましく用いられる。領域Bを形成する樹脂粒子の分散液の製造方法は、樹脂粒子(b)のミセル化が可能であれば特に限定されず、好ましい方法としては、乳化重合法、ミニエマルジョン重合法、シード重合法が挙げられる。
本発明では、領域A粒子分散液に、領域Bを形成する樹脂粒子(b)の分散液を領域Aの粒子100質量部に対して樹脂粒子(b)5〜15質量部(樹脂粒子換算)を加えて、領域Aの粒子の表面に樹脂粒子(b)を1μm以下の厚さに固着させて領域Bを形成する工程を経てトナー粒子を製造する。ここで、固着とは、領域A粒子と領域Bを形成する樹脂粒子(b)との接着、吸着、静電気的な結合等、粒子間相互の結びつける力が作用してトナー粒子を形成することをいうものである。
《領域A粒子表面に領域Bを形成する製造工程》
本発明に係るトナー粒子は、領域A粒子の表面に樹脂粒子(b)を固着させ、領域Bを形成して製造する。具体的には、加熱撹拌している領域A粒子分散液中に樹脂粒子(b)の分散液を数回に分けて添加し、領域A粒子表面に樹脂粒子(b)を融着させる。
この固液分離・洗浄工程では、上記で得られたトナー粒子分散液からトナー粒子を固液分離してトナーケーキを得、このトナーケーキから界面活性剤や凝集剤などの付着物を除去する洗浄処理とが施される。ここに、固液分離方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧固液分離法、フィルタープレス等を使用して行う固液分離法などが挙げられるが特に限定されるものではない。洗浄方法もトナーケーキから界面活性剤や凝集剤などの付着物を除去することができればよく特に限定されるものではない。
この工程は、洗浄処理されたトナーケーキを乾燥処理する工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などを使用することが好ましい。乾燥処理されたトナー粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。尚、乾燥処理されたトナー粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、エジェクター等の機械式の解砕装置を使用することができる。
本発明のトナーは、上記で作製されたトナー粒子をそのままで使用してもよいが、流動性の改良やクリーニング性の向上等の目的で、いわゆる外添剤を添加して使用することが好ましい。具体的には、トナーに流動性を付与するために一次粒径が10〜20nmの粒子を、転写性を高めるとともにトナーに接触する像担持体を清浄に保つために20〜300nmの粒子を併用することが好ましい。本発明に使用可能な外添剤としては、シリカや比較的抵抗の低いチタニア、アルミナ、酸化亜鉛などの無機微粒子や、有機微粒子及び滑剤を使用することが可能である。
本発明のトナーは、1成分現像剤用或いは2成分現像剤用として用いることができる。1成分現像剤として用いる場合は、非磁性1成分現像剤、或いはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させた磁性1成分現像剤が挙げられいずれも使用できる。
図2は、本発明に係る画像形成方法に用いる画像形成装置(熱定着ローラー定着)の一例を示す概略図である。
図3は、ニップ幅を確保するためにベルトと加熱ローラーを用いた定着装置の一例を示す概略図である。
図4は、定着ニップを確保するとともに、転写材の巻き付きを防止し、画質に優れるソフトローラーと加熱ローラーを用いた定着装置の一例を示す概略図である。
〈樹脂粒子(b1)の作製〉
下記の重合性単量体を用いて重合性単量体溶液(b1−1)を作製した。
スチレン 66.0部
メタクリル酸 4.5部
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けたセパラブルフラスコに、アニオン系界面活性剤(C12H25OSO3Na)(1)7.08gをイオン交換水3010gに溶解させ、窒素気流下、撹拌しながら、内温を80℃に昇温させて、界面活性剤溶液を調製した。
使用する重合性単量体を
2−エチルヘキシルメタクリレート 30.0部
スチレン 65.0部
メチルメタクリレート 2.5部
メタクリル酸 2.5部
に変更した以外は「樹脂粒子(b1)」と同様の手順で「樹脂粒子(b2)」を作製した。尚、樹脂粒子(b2)のSP値は10.33、ガラス転移温度は60.4℃であった。
使用する重合性単量体を
2−エチルヘキシルメタクリレート 30.0部
スチレン 17.5部
メチルメタクリレート 50.0部
メタクリル酸 2.5部
に変更した以外は「樹脂粒子(b1)」と同様の手順で「樹脂粒子(b3)」を作製した。尚、樹脂粒子(b3)のSP値は9.98、ガラス転移温度は61.5℃であった。
使用する重合性単量体を
2−エチルヘキシルメタクリレート 32.0部
メチルメタクリレート 66.0部
メタクリル酸 2.0部
に変更した以外は「樹脂粒子(b1)」と同様の手順で「樹脂粒子(b4)」を作製した。尚、樹脂粒子(b4)のSP値は9.83、ガラス転移温度は59.0℃であった。
使用する重合性単量体を
2−エチルヘキシルメタクリレート 36.0部
メチルメタクリレート 64.0部
に変更した以外は「樹脂粒子(b1)」と同様の手順で「樹脂粒子(b5)」を作製した。尚、樹脂粒子(b5)のSP値は9.73、ガラス転移温度は52.6℃であった。
2−1)樹脂粒子(a1)の作製
以下、二段重合により、母体用樹脂粒子樹脂領域Aを形成する樹脂粒子(a1)を作製した。
スチレン 57.0部
n−ブチルアクリレート 36.0部
メタクリル酸 7.0部
一方、撹拌装置、温度センサー、冷却管を取り付けたセパラブルフラスコに、下記のアニオン性界面活性剤(2)2.5部をイオン交換水1340部に溶解させ界面活性剤溶液を調製した。
前記界面活性剤溶液を80℃に加熱した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)により、重合性単量体溶液(2−1−1)を2時間混合分散させ、分散粒子径(482nm)を有する乳化粒子(油滴)を含む乳化液(分散液)を調製した。
スチレン 55.5部
n−ブチルアクリレート 36.0部
メタクリル酸 8.5部
ポリ−1−ブテン(数平均分子量2000) 4.0部
滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌することにより重合(第二段重合)を行った後、28℃まで冷却し、樹脂粒子(a1−1)を原料とした樹脂粒子(a1)の分散液を得た。尚、樹脂粒子(a1)のSP値は10.53、Tgは29.9℃であった。
以下に示す着色剤分散液と上記の樹脂粒子(a1)分散液を用いて、着色剤粒子と樹脂粒子(a1)との凝集を行った。
前述のアニオン系界面活性剤(2)59.0部をイオン交換水1600gに撹拌溶解し、この溶液を撹拌しながら、カーボンブラック(リーガル330)420.0部を徐々に添加し、次いで「クレアミックス」(エム・テクニック(株)製)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子の分散液を調製した。この着色剤分散液の粒子径は93nmであった。
樹脂粒子(a1)分散液300.0部(固形分換算)と、イオン交換水1120部と、上記の着色剤分散液の237部とを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた四つ口フラスコに入れ撹拌した。容器内の温度を30℃に調製した後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。
3−1)トナー粒子1の分散液
樹脂粒子分散液(b1)の60g(固形分換算)を5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH8に調製した。
樹脂粒子分散液(b1)を樹脂粒子分散液(b2)に変更した以外はトナー粒子1の分散液の調整と同様にして「トナー粒子2の分散液」を得た。
樹脂粒子分散液(b1)を樹脂粒子分散液(b3)に変更した以外はトナー粒子1の分散液の調整と同様にして「トナー粒子3の分散液」を得た。
樹脂粒子分散液(b1)を樹脂粒子分散液(b4)に変更した以外はトナー粒子1の分散液の調整と同様にして「トナー粒子4の分散液」を得た。
樹脂粒子分散液(b1)を樹脂粒子分散液(b5)に変更した以外はトナー粒子1の分散液の調整と同様にして「トナー粒子5の分散液」を得た。
トナー粒子3の分散液の製造において、樹脂粒子分散液(b3)の60g(固形分換算)添加したところを、15gとした以外は同様にして、トナー粒子6の分散液を得た。
トナー粒子1の分散液の製造において、樹脂粒子分散液(b3)の60g(固形分換算)添加したところを、120gとした以外は同様にして、トナー粒子7の分散液を得た。
前述した樹脂粒子(a1)と着色剤粒子とを凝集して得られたものを比較用トナー粒子1の分散液とした。
上記で作製したトナー粒子分散液を遠心脱水機にかけ固液分離しトナーケーキを調製した。このトナーケーキを40℃のイオン交換水をふりかけながら洗浄した。
洗浄が完了したトナーケーキをスプレードライヤーを用い、40℃の温風でトナー中の水分量が2質量%以下になるまで乾燥して「トナー粒子1〜7」及び「比較用トナー粒子1」を作製した。
次いで、上記で作製した「トナー粒子1〜7」及び「比較用トナー粒子1」の各々に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)を1質量%及び疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)を1質量%添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工社製)により混合後、45μmの目開きのフルイを用いて粗大粒子を除去し「トナー1〜7」及び「比較用トナー1」を調製した。
上記で作製した「トナー1〜7」及び「比較用トナー1」の各々に、シリコン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを、前記トナーの濃度が6質量%になるよう混合し「現像剤1〜7」及び「比較用現像剤1」を調製した。
表1に示すように「トナー1〜7(現像剤1〜7)」を「実施例1〜7」、「比較用トナー1(比較用現像剤1)」を「比較例1」として、以下の評価を行った。
画素率75%とし、トナー消費量、補給量が著しく多いプリントモードで1000枚プリントを行い、機内のトナーこぼれとプリント画像の画像かすれを目視で評価した。
◎:帯電不良によるトナーこぼれ、画像のかすれ全くなし
○:帯電不良によるトナーこぼれはないが、プリントの後端に軽微なかすれ発生したが実用上問題なし
×:帯電不良によるトナーこぼれ、画像のかすれ発生し実用上問題。
高温高湿(30℃、90%RH)に72時間放置後、放置前と同じ現像条件でプリントを行い、そのプリント画像を目視で評価した。
◎:階調性変動が目視で確認されない
○:淡色(ハーフトーン)、写真画像が暗く感じるが実用上問題なし
×:3ポイントの文字「e」の判別ができなく実用上問題。
各トナー100gを55℃、90%RHの条件下で24時間放置した後、目開き45μmのフルイで篩い、フルイ上に残った凝集物の量(割合)で耐熱保管性(トナー保管安定性)を評価した。
◎:フルイ上の量が、5%未満で凝集非常に少なく優良(断熱梱包材全く無しで夏場に輸送を行っても凝集物の発生なし)
○:フルイ上の量が、5〜30%で凝集量少なく良好(ダンボール梱包のみで夏場に輸送を行っても凝集物の発生なし)
×:フルイ上の量が、30%より多く、凝集量が多く実用上問題(保冷輸送の必要有り)。
上記評価機の定着器の加熱ローラー表面温度を、紙表面温度が80〜150℃の範囲で10℃刻みで変化するように変更し、各変更温度でトナー画像を定着して定着画像を作製した。尚、プリント画像の作製に当たっては、A4版サイズの上質紙(80g/m2)を使用した。
◎:最低定着温度95℃未満での定着が可能
○:最低定着温度95℃以上、105℃未満での定着が可能
△:最低定着温度105℃以上、120℃未満での定着が可能
×:最低定着温度120℃以上での定着が可能。
転写材として40g/m2の薄手の紙を用い、ソリッド画像を20枚(A4版)プリントアウトした。得られたプリント20枚を目視で、しわを下記評価基準で評価した。
◎:しわの発生が、無かった
○:しわの発生が、平均2枚未満であった
×:しわの発生が、平均2枚以上あった。
転写材として光沢塗工紙(三菱製紙(株)製、特菱アート、75g/m2)を用い、20枚(A4版)ソリッド画像(ベタ黒画像)をプリントアウトした。ソリッド画像中の径1mm以上の白点ぬけを目視でカウントし、その白点ぬけの数で光沢塗工紙の画像不良を評価した。
◎:ソリッド画像に、白点ぬけが全く無い
○:ソリッド画像に、1mm以上の白点ぬけが平均1〜3個有った
×:ソリッド画像に、1mm以上の白点ぬけが平均3個より多く有った。
2 ポリゴンミラー
3 fθレンズ
4 感光体ドラム
5 帯電器
6 現像器
7 転写器
8 転写紙
9 分離器
10 定着器
11 クリーニング器
12 帯電前露光
13 クリーニングブレード
71 加熱ローラー
72 加圧ローラー
75 加熱部材
81 加熱ローラーの芯金
82 加熱ローラーの被覆層
83 加圧ローラーの芯金
84 加圧ローラーの被覆層
Claims (5)
- 樹脂と着色剤を含有するトナー粒子からなり、
該トナー粒子を100nmの切片とし、80kVの加速電圧による透過型電子顕微鏡で観察したときに、
該トナー粒子は、着色剤を含有する領域Aと、該トナー粒子の表面から1μm以内の領域に該領域Aよりも電子を透過する炭素数6〜20の分岐してもよいアルキル基またはアルキレン基を有するビニル重合体を含有する領域Bとが観察されることを特徴とするトナー。 - 前記領域Aと前記領域Bに含有される樹脂の溶解度パラメータ値は、領域Bが領域Aよりも低く、その差が0.20〜0.70であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 前記領域Bは、ガラス転移温度が50〜65℃の樹脂からなり、前記領域Aは、定着助剤を含有し、ガラス転移温度が−20〜39℃の樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 着色剤を含有する領域Aの周囲に、別の領域Bを形成する工程を経てトナー粒子を作製するトナーの製造方法であって、
該領域Aと該領域Bに含有される樹脂の溶解度パラメータ値は、領域Bが領域Aよりも低く、その差が0.20〜0.70であり、
且つ、該領域Bを形成する樹脂は、炭素数6〜20の分岐してもよいアルキル基またはアルキレン基を有する重合性単量体を用いて形成されることを特徴とするトナーの製造方法。 - 請求項1または2に記載のトナーを用いる画像形成方法であって、転写材の表面温度を80〜105℃に加熱して転写材上にトナー画像を定着することを特徴とする画像形成方法。
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