JP4189866B2 - Il―6変異蛋白質 - Google Patents
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Description
発明の背景
インターロイキン−6は、異なる細胞種による損傷または感染の際に血漿に放出される。それは、免疫防御、造血、巨核球の成熟、血小板の生成および急な位相の(acute phase)応答のような活性のスペクトルに関与する(1)。
宿主防御において中心的役割を演じるのに加えて、IL−6は、形質細胞腫/ミエローマ、骨粗鬆症および新生物形成のような様々な疾患および自己免疫疾患の病因に関与する(1)。
標的細胞上のIL−6受容体複合体は、2つの異なるサブユニット、80−kDaの特異的リガンド結合サブユニット(IL−6Ra)および130kDaのシグナル形質導入蛋白質(gp130)からなる(2−4)。IL−6は、IL−6Raに結合して、IL−6/IL−6Ra複合体はgp130のダイマーと対合し、それにより、IL−6シグナルを開始する。IL−6それ自身は、gp130に対しての測定可能な親和性を有さない(5、6)。
インターロイキン−6は、N−末端の不均一性により特徴付けられる蛋白質である。それは184アミノ酸として報告された(このアミノ酸数は本特許出願にてフォローされる)(7)。二次構造予測および蛋白質モデリングは、IL−6が4つの逆平行a−ヘリックス(A,B,CおよびD)により特徴付けられる造血性サイトカインファミリーのメンバーであることを指摘した(8、9)。LIF(白血病阻害因子),CNTF(毛様体神経栄養性因子),IL−11,CT−1(カルジオロフィン−1)およびOSM(オンコスタチンM)もこのファミリーに属する。それらは全てそれらの受容体複合体中においてgp130を用い、このことはそれらの重複する生物活性を説明する(1,10,11)。
IL−6の欠失の研究は、N−末端の28アミノ酸残基がこの分子の生物活性にとって必ずしも必要ではないことを示した。28アミノ酸より多くの除去は蛋白質を不活性化した(12)。更なる研究は、C−末端およびA−Bループの最後の部分/B−ヘリックスの最初の部分(領域2c,残基G77−E95)がIL−6Rαとの相互作用に関与することを予測した(9,13−16)。これらの結果は、最近公表されたヒトIL−6モデル(9)により確証され、これら2つの領域は接近していた。
現在、IL−6のgp130との2つの相互作用部位が同定される。
i.中和mAbを用いたIL−6のエピトープマッピングは、残基Q152−T162(D−ヘリックスの始め)がgp130相互作用に関与する証拠を提供する(17,18)。キメラヒト/マウスIL−6蛋白質の分析は、gp130に接触して活性化することに関与するIL−6のA−Bループの最初の部分の中のエピトープの存在を明らかにした(9,19)。最近、この結果は、ロイシン57がこの相互作用に関与することを証明することにより確認された(20)。この領域は、ヘリックスDの最初の部分に接近していることから、これら2つの領域が共に一つのgp130との共通の相互作用部位を形成するとの仮説を導く。
ii.gp130との第2の相互作用部位は、その構造がX−線分析により解明されている(22)GH(成長ホルモン)/GHR2複合体に対する類似性から定義された。推測されたことは、第2GHRとの相互作用に重要なGHの部分が、一つのgp130との相互作用に重要なIL−6蛋白質の部分と同一なことである(23,24)。事実、A−ヘリックス中の2つのアミノ酸の置換(Y31D/G35F)およびC−ヘリックス中の2つのアミノ酸の置換(S118R/V121D)も、IL−6Raに対するほとんど正常な親和性を有するが生物活性を持たないIL−6変異蛋白質を導く。これら4つのアミノ酸は第2のgp130蛋白質との相互作用に重要であるらしい(24,25)。
前に論じられたいくつかの疾患の病因におけるIL−6の関与の点から、IL−6活性の阻害剤の開発は、したがって、活性研究の主題となってきた。このため、別々のアプローチがなされてきたが、IL−6,gp130またはgp80に対する抗体の使用;可溶性gp130の使用;またはIL−6,あるいはIL−6受容体に関する変異蛋白質の使用を含む。
出願人は、IL−6受容体アンタゴニストとして作用し得る新規なIL−6変異蛋白質の合成の可能性を調査してきた。この目的の範囲において、追求のための科学的アプローチは、IL−6Rαへの結合能力を残しているがgp130を回復させる能力を失った変異蛋白質を合成することである。したがって、最適な分子は、IL−6活性を示さないがIL−6よりも高いIL−6Rα結合性を示し、そして抗原性の危険性を減らすためにIL−6に関して可能な限り少ない変異を含む分子であるべきである。
発明の開示
出願人は、今、54位における点変異を、IL−6Raとの親和性を増加させる2つの変異F170L/S176Rと組み合わせ、そしてヒトIL−6変異蛋白質から得た、IL−6Ra−依存性のgp130との相互作用を低下させた2つの変異Q159E/T162Pを組み合わせて、受容体結合性を保持したままgp130を活性化できなかったことを見いだした。特に、本発明の主題は、図2並びに配列番号1(SEQ ID NO: 1)に報告されたアミノ酸配列並びにその断片を含むヒトIL−6変異蛋白質である。この分子は、ヒトIL−6−依存性ミエローマ細胞系XG−1上で効果的なIL−6アンタゴニストとして挙動して、上記の利点全てを示す。
本発明の他の目的は、配列番号1のポリペプチドをコードするDNA配列;並びに遺伝コードの縮重によりもたらされたその変異体または配列番号1のポリペプチドと同じ活性を持つポリペプチドをコードする点変異体を含むDNA分子である。
本発明の更なる目的は、本発明のヌクレオチド配列を含むプラスミドベクターである。
更なる側面において、本発明は薬剤としての該蛋白質の使用法を提供する。特に、それはIL−6が病因作用を有する場合の疾患、例えば、形質細胞腫/ミエローマ、骨粗鬆症および新生物形成および自己免疫疾患の処置のための医薬の製造における本発明の蛋白質の使用に関する。
該医薬は、本発明の蛋白質と共に一つまたは複数の薬学上受容可能なキャリアーおよび/または賦形剤を含む薬剤組成物の形態で存在するのが好ましい。そのような薬剤組成物は本発明の更なる側面を形成する。
本発明の変異蛋白質を製造するための一つの方法は、変異させたい塩基におけるミスマッチを含む合成オリゴヌクレオチドをプライマーとして用いたPCR技術の手段による。
前記の本発明のあらゆる組換え蛋白質の発現は、真核細胞(例えば、酵母、昆虫または哺乳類)または原核細胞において、適切な発現ベクターを用いて作用させることができる。当業界において公知のあらゆる方法を採用することができる。
例えば、本発明のポリペプチドをコードするDNA分子を当業界にて公知の技術により適切に構築された発現ベクターに挿入する(Sambrookら、1989)。二本鎖のcDNAを、ホモポリマーテイリングによるかまたは合成DNAリンカーの使用を含む制限連結または平滑末端ライゲーション技術:DNAライゲースを用いることによりDNA分子を連結して、不所望な接続をアルカリホスファターゼ処理して回避することにより、プラスミドベクターに挿入する。
所望の蛋白質を発現可能にするために、発現ベクターは、遺伝子発現並びに該蛋白質の生成を可能にするように所望の蛋白質をコードするDNAに連結した転写並びに翻訳制御情報を含む特定のヌクレオチド配列も含むべきである。第一に、遺伝子が転写されるためには、RNAポリメラーゼが結合して即ち転写工程を開始するようなRNAポリメラーゼにより認識され得るプロモーターが前に存在しなければならない。使用のためには様々なそのようなプロモーターが存在し、異なる効率で作用する(強いプロモーターおよび弱いプロモーター)。
真核宿主に関しては、異なる転写及び翻訳制御配列を用いてよく、宿主の性質に依存する。それらは、ウイルス由来、例えば、アデノウイルス、ウシパピローマウイルス、シミアンウイルス等由来であって良いが、但し制御シグナルは高いレベルの発現を有する特定の遺伝子と関連する。例として、ヘルペスウイルスのTKプロモーター、SV40初期プロモーター、酵母gal4遺伝子プロモーター等がある。転写開始制御シグナルは抑制および活性化を許容するものから選択されて良く、それにより遺伝子発現が変調されうる。
本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むDNA分子は、機能するように連結された転写および翻訳制御シグナルを有するベクターに挿入されて、宿主細胞中に所望の遺伝子配列を組み込むことができる。導入されたDNAにより安定に形質転換された細胞は、発現ベクターを含む宿主細胞の選択を可能にする一つまたは複数のマーカー導入することによっても選択され得る。マーカーは、栄養要求性宿主に対するフォトトロフィー(phototrophy)、殺菌剤耐性、例えば抗生物質または重金属例えば銅等も提供してよい。選択可能なマーカーは、発現されるDNA遺伝子配列に直接連結するか、または同時トランスフェクションにより同じ細胞に導入することができる。付加的なエレメントも本発明の蛋白質の最適な合成のために必要であってよい。
特定のプラスミドまたはウイルスベクターを選択するために重要な因子は、ベクターを含む受容細胞が認識されてベクターを含まない受容細胞から選別される容易性;特定の宿主中で所望とされるベクターのコピーの数;および異なる種の宿主細胞間の「シャトル」ベクターであることが必要か否かを含む。
構築物を含むベクターまたはDNA配列が発現のために調製されたなら、あらゆる様々な適切な手段例えば形質転換、トランスフェクション、コンジュゲーション、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈殿、直接のマイクロインジェクション等により、該DNA構築物を適当な宿主細胞に導入してよい。
宿主細胞は、原核または真核のいずれであってもよい。好ましいのは真核宿主であり、例えば、哺乳類、例えばヒト、サル、およびチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞であるが、なぜならばそれらは後翻訳修飾を蛋白質分子に提供するからであり、正確な部位における正確な折りたたみまたは糖鎖付加を含む。酵母細胞も糖鎖付加を含む後翻訳ペプチド修飾を実行することができる。強力なプロモーター配列並びに酵母内で所望の蛋白質の生成のために利用され得る高いコピー数のプラスミドを利用する、多くの組換えDNA戦略が存在する。酵母は、クローン化された哺乳類遺伝子産物上のリーダー配列を認識して、リーダー配列を含むペプチドを分泌する(即ち、プレペプチド)。
ベクターの導入後、宿主細胞を選択培地中で生育させて、ベクター含有細胞の成長に関して選択する。クローン化された遺伝子配列の発現は所望の蛋白質の生産をもたらす。
組換え蛋白質の精製は、この目的のための公知のあらゆる方法、即ち抽出、沈殿、クロマトグラフィー、電気泳動等を含むあらゆる慣用法により実施される。本発明の蛋白質を精製するために好適に使用して良い更なる精製方法は、標的蛋白質に結合しそして生成されてカラム内に含まれたゲルマトリックス上に固定化されたモノクローナル抗体を用いた親和性クロマトグラフィーである。組換え蛋白質を含む粗製調製物を該カラムに通過させる。該蛋白質は特定の抗体によりカラムに結合するが、夾雑物は通過する。洗浄後、pHまたはイオン強度を変化させることにより、蛋白質をゲルから溶出する。
本発明は、以下の実施例により記載されるが、いかなる場合も本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。実施例は以下に特定される図面に言及する。
【図面の簡単な説明】
図1.ヒトIL−6蛋白質の点変異。(A)陰影のボックスで示された4つの予測されるa−ヘリックスを有するヒトIL−6蛋白質の描写。数字は、a−ヘリックスの予測される最初と最後の残基を示す。領域2cおよび2a並びにヒト(上部)およびマウス(底)IL−6の領域2a1および2a2へのその細別のアミノ酸配列を示す。領域2a中に生成された点変異を示す。(B)領域2a中のIL−6種の整列。(C)ヒトIL−6モデルのリボンによる描写。IL−6Ra結合に重要なF78(底)およびIL−6Ra−依存性gp130相互作用に重要なK54(上部)の描写。N−末端はヒトIL−6の残基17に対応する(Ehlersら、1994)。
図2.本発明のヒトIL−6変異蛋白質のヌクレオチド配列。それは、54、159、162、170、176位におけるヒトIL−6に関する5つの点変異を含む。そのような位置は太字で示される。
図3.ヒトIL−6のK54点変異の結合および生物活性。(A)IL−6変異蛋白質の可溶性ヒトIL−6Raへの結合。2つの実験の平均値を示す。(B)マウスB9細胞および(C)ヒトXG−1細胞のIL−6変異蛋白質に応答した増殖。3つの実験の一つの典型を示す。(D)IL−6変異蛋白質によるヒト肝癌中のハプトグロビン発現の誘導。50%ハプトグロビン発現に必要なヒトIL−6の量を100%と設定した。2つの実験の平均値を示す。
図4.EP−LRと組み合わせたK54の点変異の結合および生物活性。(A)IL−6変異蛋白質の可溶性ヒトIL−6Raへの結合。2つの実験の平均値を示す。(B)マウスB9細胞および(C)ヒトXG−1細胞のIL−6変異蛋白質に応答した増殖。3つの実験の一つの典型を示す。(D)IL−6変異蛋白質によるヒト肝癌中のハプトグロビン発現の誘導。1μg/ml変異蛋白質存在下におけるハプトグロビン発現量を示す。2つの実験の平均値を示す。
図5.EP−LRと組み合わせたK54点変異による、XG−1細胞のヒトIL−6−誘導増殖に対するアンタゴニスト作用。IL−6変異蛋白質の示された濃度を100pg/mlヒトIL−6存在下においてXG−1細胞に加えて増殖を測定した。4つの実験の平均値を示す。
実施例
材料と方法
試薬
制限酵素AccI,EcoNI,HindIII,NcoI,NheI,およびXbaIはAGS(ハイデルベルグ、ドイツ)から得て、ポリヌクレオチドキナーゼ、子ウシ腸ホスファターゼおよびT4 DNAライゲースはベーリンガーマンハイム(マンハイム、ドイツ)から得た。制限酵素BspEIおよびVent DNAポリメラーゼはNENバイオラブズ(シュバルバッハ、ドイツ)から購入し、そして細胞培養培地はGibco(エッゲンシュタイン、ドイツ)から購入した。Bolton−Hunter試薬(74 TBq/mmol)およびtran[35S]標識はアマシャムインターナショナル(アマシャム、英国)から購入した。
オリゴヌクレオチドはファルマシア(フライブルグ、ドイツ)から購入した。
ヤギおよびウサギのポリクローナル血清抗−ヒトハプトグロビンはシグマ(ダイゼンホッフェン、ドイツ)から購入し、そしてアルカリホスファターゼ−配合ロバポリクローナル血清抗−ウサギIgGはピアス(ロックフォード、米国)から購入した。
ヒトIL−6のcDNAはT.Hirano博士およびT.Kishimoto博士(大阪、日本)から寄与された。
バクテリア発現プラスミドpRSET 5dおよび宿主バクテリアBL21(DE3)は、Schopferら(26)により記載された。シグナル配列を翻訳開始コドンで置換した後に、制限部位NcoIおよびHindIIIを用いて、ヒトIL−6をコードするcDNAをベクタープラスミドpRSET 5dにクローン化した(27)。
ヒトミエローマ細胞系XG−1は、B.Klein博士(ナント、フランス)のご厚意により提供された。
可溶性IL−6Ra蛋白質は、大腸菌内で発現させ、再生し、そして精製した(28)。
IL−6Raに対するポリクローナルの単一特異性抗血清は、可溶性IL−6Ra蛋白質の細胞外ドメインをウサギに注射することにより調製した(28)。
アミノ酸54における点変異をヒトIL−6に導入するため(pRSET 5d−huIL−6−K54X)、4つのオリゴヌクレオチドを融合して、EcoNI−NheIで消化したpRSET 5d−変異体2aに連結した(9)。該オリゴヌクレオチドは、
アミノ酸54の点変異を2つの点変異F170L/S176R(略記、LR)および2つの点変異Q159E/T162P(略記、EP)と組み合わせるために、pRSET 5d−huIL−6−K54XからのNcoI−XbaI cDNA断片を、NcoI−XbaIで消化したベクターpRSET 6d−huIL−6−Q159E/T162P−2a2−F170L/S176Rに連結することにより、ベクターpRSET 6d−huIL−6−EP−K54X−LRを構築した(略記、pRSET 6d−huIL−6−EP−2a2−LR)(19)。全ての構築物の完全性は、制限断片分析およびDNA配列決定により確認した(29)。
蛋白質の調製
BL21(DE3)バクテリアを適切なpRSET発現ベクターにより形質転換した。遺伝子発現および封入体から可溶化された蛋白質の折りたたみは、記載されたとおりに(27,30,31)実施した。折りたたまれた蛋白質は>90%の均質までに精製された。組換え蛋白質の精製度は12.5%のSDS−PAGEおよび銀染色により確認した。
IL−6の可溶性ヒトIL−6Raへの結合
精製されたIL−6変異蛋白質を0.02%TWEEN 20/0.2% BSA含有PBSにより連続希釈して、1ngのヒト125I−IL−6(60,000−90,000 cpm/ng)および大腸菌で発現された1.7ngの可溶性ヒトIL−6Ra(28)に対して最終体積500μlまで加えた。4℃における一晩のインキュベーション後、IL−6Ra抗血清およびプロテインAを用いてIL−6/sIL−6Ra−複合体を免疫沈殿させ、そしてg−計数により放射性を測定した。
生物アッセイ
マウスB9及びヒトXG−1増殖アッセイのために、IL−6変異蛋白質を図面に示す濃度まで、連続希釈した。これらのアッセイは、記載されたとおり(32、33)に実施した。mlあたり1pgのヒトIL−6にほぼ相当する1 B9ユニットは、B9細胞の最大増殖の半分を導く。ヒトXG−1細胞を用いると、約50pg/mlのヒトIL−6を用いて刺激した後に、最大増殖の半分が得られた。急な位相の(acute phase)蛋白質の分泌アッセイのために、ヒト肝癌細胞(Hep3B)を、ダルベッコ修飾イーグル培地(DMEM)プラス10%胎児子ウシ血清中で培養し、96ウエルの細胞培養プレート中に置き、そして密集するまで放置した。細胞をPBSで洗浄して、胎児子ウシ血清無しのDMEM中で1時間飢餓状態にし、そして引き続きIL−6変異蛋白質の量を増加させながら、血清を含まないDMEM100ml中で20時間処理した。培養培地中に分泌されたハプトグロビンの量は、酵素結合免疫吸着アッセイにより検出した(34)。
結果
IL−6のアミノ酸K54はIL−6Ra依存性gp130相互作用に関与する
ヒト/マウスIL−6キメラ蛋白質の研究は、IL−6蛋白質の領域2a2(残基50−55)がIL−6Ra依存性のgp130との相互作用に重要であることを指摘した。対応するマウスのアミノ酸に対してのこれら残基の交換は、gp130に対する結合の低下並びにヒトXG−1細胞上における30倍低下した生物活性をもたらした。10のIL−6種の整列は、2a2領域内において陽性電荷したK54が8種において保存されているが、マウスおよびラットの配列においては陰性に電荷したアスパラギン酸に変化していることを明らかにした(35,36)(図1B)。我々は、したがって、K54(図1C)を図1Aに示したアミノ酸に置換した。クローニング法は、IL−6の3つの二重変異:C44F/K54E,C50F/K54NおよびS52R/K54Nも生じ、これらも分析した(図1A)。
K54点変異のIL−6Ra依存性gp130相互作用に対する影響を調べるため、我々は、最初に可溶性形態のIL−6Ra蛋白質に結合したヒト125I−IL−6を過剰の点変異体で置換することにより、IL−6Raへの結合を測定した。図3Aに示すとおり、非標識ヒト野生型IL−6は、10−20倍のモル過剰で用いた場合に、ヒト125I−IL−6結合性を50%に変化させた。点変異K54Pおよび二重変異S52R/K54Nは、ヒトIL−6より10倍高い親和性を示したが、変異K54EはhulIL−6のIL−6Raに対する親和性の3倍低い親和性を示した。他の試験された変異体は、ヒトIL−6と同様の親和性を示した。再び、それら変異体はヒトIL−6と同様の程度までマウスIL−6依存性B9細胞残増殖を刺激し、それらの構造が完全であったことを証明した(図3B)。
ヒトミエローマXG−1細胞上並びにヒト肝癌細胞上において、IL−6変異蛋白質の生物活性パターンは:K54P>S52R/K54N>hulIL−6=K54F>K54D>K54E>C50F/K54N>C44F/K54Eであった。即ち、IL−6Raに対してより高い親和性を有する変異体K43PおよびS52R/K54Nも、ヒト細胞上で最も高い生物活性を示した。陽性電荷したリジン54の対応する陰性電荷したアスパラギン酸への交換は、ヒト細胞上でのわずかに低下した生物活性をもたらしたが、Gluに対する交換は実質的な生物活性の低下(10倍)をもたらした。
新規なヒトIL−6受容体アンタゴニストのデザイン
最近、我々は、IL−6Raに対する親和性を高めるマウスの残基50−55(領域2a2)並びに2つの点変異F170L/S176R(略記、LR)の、gp130との低下した相互作用を示す二重変異Q159E/T162P(略記、IL−6−EP)への導入が、ヒト細胞上において検出可能な生物活性を示さないIL−6変異蛋白質をもたらしたことを示した(19)。このIL−6変異体(IL−6−EP−2a2−LR)のヒトIL−6Raに対する親和性はヒトIL−6と同様であった。このIL−6変異体は、高い感受性のヒトIL−6依存性ヒトミエローマ細胞系XG−1上における有効なIL−6受容体であった。
我々は、該変異体IL−6−EP−LRにK54変異を導入した。その結果のIL−6変異体蛋白質をIL−6−EP−K54X−LRと呼んだが、式中Xは54位において導入された全ての変異を示す(図1A)。変異体IL−6−EP−C44F/K54E−LRおよび変異体IL−6−EP−K54E−LRはヒトIL−6Raに対する低下した親和性を示したが、他の全ての変異体はヒトIL−6のように挙動した(図4A)。マウスB9細胞の増殖は、変異体IL−6−EP−2a2−LRおよびIL−6−EP−S52R/K54N−LRに関して大きく低下した。他の全ての変異体はヒトIL−6よりも約5−10倍低い活性であった(図4B)。対照的に、ヒトミエローマXG−1細胞の増殖は、変異体IL−6−EP−LR,IL−6−EP−K54F−LRおよびIL−6−EP−S52R/K54N−LRに関して約3桁低下した(図4C)。他の全ての変異体は検出可能な生物活性を示さなかった。ヒトHep3B細胞上において、変異体IL−6−EP−LRおよびIL−6−EP−K54F−LRのみが残存活性を示した(図4D)。
生物活性のない変異体を増量して、100pg/mlのヒトIL−6により刺激されたヒトミエローマ細胞(XG−1)に加えた場合には、増殖阻害が観察された。図5は、変異体IL−6−EP−2a2−LRおよびIL−6−EP−K54P−LRの添加が約100ng/mlにおける50%の増殖阻害に通じたが、一方、他の全ての変異体は約5−10倍効果が少なかったことを示す。
考察
アミノ酸54はgp130結合エピトープの一部である
様々なアミノ酸残基によるK54の置換を有する全てのIL−6変異蛋白質は効率よくヒトIL−6Raに結合する。興味深いことに、P54および二重変異S52R/K54Nの導入はヒトIL−6Raに対してより高い親和性を有するIL−6蛋白質をもたらす。残基54を含む2a2領域は130相互作用に関与するので(19)、これは最も可能性の有る間接の作用である。我々は、P54または52位における荷電したアミノ酸アルギニンの存在がヘリックスAとヘリックスBの間のループの配置転換(relocation)を導き、それにより直接IL−6Ra相互作用に関与する領域2Cの位置を変化させると推測する。8種において保存されていたリジン54を、マウスとラットにおいて保存されていたアスパラギン酸により置換すると、わずかに低下した生物活性を導くが、グルタミン酸による置換は生物活性の実質的な低下(10倍)を導く。グルタミン酸はアスパラギン酸よりも一つメチレン基が長い側鎖を有するので、荷電した基とヒトIL−6Raの間の距離は決定的であるらしい。これらのデータから、K54はヒトgp130の陰性電荷した残基に接触すること、およびヒトIL−6中の54位における陰性電荷アミノ酸の導入がgp130とIL−6/IL−6Ra複合体の間の認識の低下を導くことが、仮定されうる。システイン44または50における変異はほんのわずかに低下した生物活性を有するIL−6変異蛋白質をもたらしたことから、システイン44または50の置換が不活性IL−6変異蛋白質をもたらさなかったことを示すことができたRockらによる最近の結果(34)を確証する。
リガンド受容体相互作用
ヒト成長ホルモン/成長ホルモン受容体複合体(GH/GHR2)の構造が解明された(22)。成長ホルモンとその受容体の間の相互作用を広範囲に変異させ(38−40)、そして単一アミノ酸残基の結合エネルギーへの寄与を評価した(41)。成長ホルモン受容体複合体はこれまでのところ、原子レベルにおいて理解される造血サイトカインファミリーの唯一の受容体−リガンド対であるから、このファミリーの他のメンバーの範例として有用であった。成長ホルモン受容体複合体に関して、リガンドおよび受容体側の両方の上において相互作用するエピトープは約30アミノ酸残基からなる(41)。これらのアミノ酸残基の寄与は、しかしながら、等しくない。ほとんどの結合エネルギーは、2つの疎水性相互作用により提供される。この結合する核は、一般的に親水性であって部分的に水和しており、その1/3が結合エネルギーに寄与するさほど重要ではない接触残基に囲まれている。結合部位のそのような組み立ては他のリガンド−受容体相互作用にも適用されると仮定する(41)。
K54は、しかしながら、中心のIL−6/gp130相互作用エリアを取り囲む残基の一つであると信じられており、したがって、わずかな程度、結合エネルギーに寄与する。アンタゴニスト性のIL−6変異蛋白質におけるK54置換の相対的に強い作用は、AB−ループ中の構造上の変化に帰する。
IL−6受容体アンタゴニスト
これまでは、IL−6の2つの主要な領域はgp130に接触すると信じられるように特徴付けされており、(i)2a2領域(残基50−55)及びロイシン57はIL−6のヘリックスDの上部に相補であり、そして(ii)ヘリックスAとヘリックスCの一部によりエピトープが形成される(9,18−21,23,24)。IL−6のIL−6Raへの結合は、該蛋白質のA−Bループの最後(残基78)並びにC−末端を必要とする(9,13−16)。2つのgp130分子はシグナル開始に必要であることは明らかであり、そして、たぶん、IL−6内の2つのgp130相互作用部位の役割は2つのgp130蛋白質を嵌入する(engage)ことである。両方のgp130相互作用領域内の変化は、それらの受容体結合能力を保持するがシグナリングを開始できない分子を導いた。そのような分子はIL−6受容体アンタゴニストとして使用できる(19,21,23,24)。IL−6変異蛋白質のIL−6Ra結合特性を同時に改良することはいわゆるスーパーアンタゴニストに通じたという事実(19,21,24)は、様々な受容体サブユニットに対しての結合特性の変化が何とか独立の様式において可能であることを示唆する。
本特許出願において示された新規なIL−6受容体アンタゴニストは、2a2領域内において単一のK54P置換を含み、そして2a2領域内における5アミノ酸の交換を有する、最近確立されたIL−6変異蛋白質のように、いまだ有効である(19)。
興味深いことに、K54P変異蛋白質はヒトIL−6よりも高いIL−6Ra結合性を示したが、EP並びにLRの混合変異体は正常なIL−6Ra結合性を示した。
サイトカイン受容体アンタゴニストの治療能力に関して、置換されたアミノ酸が少なければ少ないほどアンタゴニストが抗原性になる見込みが少なくなることは明らかである。この点において、IL−6変異蛋白質IL−6−EP−K54P−LRは、今までに入手可能なIL−6受容体アンタゴニストの改良である。
文献
配列表
Claims (4)
- 配列番号:1のアミノ酸配列を含むヒトポリペプチド。
- 請求項1記載のポリペプチドをコードするDNA配列を含むDNA分子。
- 請求項2記載のDNA分子を含むベクター。
- 請求項2記載のDNA分子または請求項3記載のベクターにより形質転換された宿主細胞。
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