JP4190422B2 - オゾン処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体基板や液晶基板などの基板表面に、少なくともオゾンを含んだ処理ガスを吹きかけて、当該基板表面に酸化膜を形成したり、或いは基板表面に形成された酸化膜を改質したり、更には、基板表面に形成されたレジスト膜を除去するオゾン処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記オゾン処理装置として、図6及び図7に示すような装置が従来存在する。尚、図6は、従来例に係るオゾン処理装置の一部を示した断面図であって、図7における矢示E−E方向の断面図である。また、図7は、図6における矢示D−D方向の底面図である。
【0003】
図6及び図7に示すように、前記オゾン処理装置100は、基板Kが載置される載置台101と、この載置台101の上方に、前記基板Kと対向するように配設されたガス供給ヘッド102などを備える。これら載置台101及びガス供給ヘッド102は閉塞空間を備えたチャンバ(図示せず)内に配設されており、チャンバ(図示せず)には適宜排出口が形成され、その内部気体がこの排出口から外部に排出されるようになっている。
【0004】
前記載置台101には、ヒータなどからなる加熱手段(図示せず)が内蔵されており、上面に載置された前記基板Kが、この加熱手段(図示せず)によって加熱される。また、載置台101は、昇降手段(図示せず)によって昇降自在となっている。
【0005】
前記ガス供給ヘッド102は、共にブロック状の部材からなり、上下に積層,接合されたノズル部103及び冷却部104からなる。このノズル部103には、その上面、即ち、前記冷却部104との接合面に凹部105が形成され、更に、この凹部105と連通し、且つ下面に開口するノズル106が複列且つ千鳥状に穿設されている。また、その下面には、両側面に開口するように延設された排気溝107が前記ノズル106列間に形成されている。
【0006】
前記冷却部104は、上下に積層,接合された上部材104a及び下部材104bからなり、これら上部材104a及び下部材104bの接合面には、その一方の側面から他方の側面に向けた冷却液流路108(108a,108b)がジグザグ状に形成されている。そして、冷却液流路108は配管109,110を介して外部の冷却液供給手段111に接続されている。斯くして、これら冷却液流路108,配管109,110及び冷却液供給手段111によって冷却液の循環路が形成され、当該冷却液が循環せしめられる。
【0007】
また、前記冷却部104には、その上面から下面に貫通する貫通孔112が形成されて前記凹部105に連通しており、この貫通孔112は、これに接続する配管114を介して外部のオゾンガス生成手段113に接続されている。斯くして、オゾンガス生成手段113から所定濃度のオゾンガス(処理ガス)が、前記配管114及び貫通孔112を介して前記凹部105内に供給され、前記ノズル106の下部開口部から前記基板Kに向けて吐出される。
【0008】
以上のように構成されたオゾン処理装置100によれば、まず、前記載置台101に前記基板Kが載置されると、この基板Kが前記加熱手段(図示せず)によって加熱されるとともに、載置台101が、図6に示すように、前記ガス供給ヘッド102と所定間隔を隔てて接近した位置に、前記昇降手段(図示せず)によって上昇せしめられる。
【0009】
そして、前記オゾンガス生成手段113から、順次、前記配管114及び貫通孔112を介して前記凹部105内に前記オゾンガスが供給され、これが前記ノズル106の下部開口部から前記基板Kに向けて吐出される。
【0010】
このようにして各ノズル106から吐出されたオゾンガスは、基板Kの表面に衝突して、これに沿った流れとなった後、相互に衝突して、排気溝107側に向かう流れとなる。このような流れの中で、オゾン(O3)は基板Kにより加熱され、このように加熱されたり、基板Kやレジストと接触することによって酸素(O2)と活性酸素(O*)に分解され、この活性酸素(O*)によって、基板K表面に酸化膜が形成されたり、或いは基板K表面上の酸化膜が改質されたり、更には、基板K表面に形成されたレジスト膜が活性酸素(O*)との熱化学反応によって除去される。
【0011】
そして、前記排気溝107内に流入した処理後のオゾンガスは、排気溝107を通って基板Kとガス供給ヘッド102との間から排気される。
【0012】
尚、このオゾン処理装置100では、冷却液によって前記ガス供給ヘッド102が冷却され、前記貫通孔112,凹部105及びノズル106を流通するオゾンガスが前記冷却液によって冷却されるように構成されている。したがって、前記貫通孔112,凹部105及びノズル106を流通するオゾンガスが温度上昇によって熱分解するのが防止され、熱分解に伴うオゾン濃度の低下が防止される。
【0013】
また、前記ノズル106の下部開口部を前記基板Kと接近させるべく、前記ガス供給ヘッド102と基板Kとを接近させた状態としているので、ノズル106から吐出されたオゾンが、基板K表面に到達する前に熱分解されるのが防止されるとともに、基板K表面上を流動するオゾンガス層がより薄くなって、より多くのオゾンが、上記酸化膜の形成、酸化膜の改質やレジスト膜の除去に寄与せしめられる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のオゾン処理装置100では、上述したように、前記ガス供給ヘッド102を基板Kに接近させた状態で配置しているので、基板Kや載置台101からガス供給ヘッド102へ熱の移動が生じ、これによってガス供給ヘッド102が昇温せしめられる。
【0015】
ところが、前記ガス供給ヘッド102はその体積(容量)が大きく、更に、これが前記冷却液によって冷却されているため、前記基板K及びガス供給ヘッド102が熱平衡状態となり難く、両者が熱平衡状態となるために長時間を要していた。このため、前記基板Kの温度が長時間にわたって一定せず、上記オゾン処理にムラを生じるといった問題を生じていた。
【0016】
また、前記排気溝107には、各ノズル106から吐出された処理ガスが流入するため、ノズル部103中央付近のノズル106から吐出された処理ガスは、端部付近に配設されたノズル106から吐出され、排気溝107に流入した処理ガスによって、同排気溝107内での流通が阻害されることとなり、前記中央付近のノズル106から吐出された処理ガスが基板Kとガス供給ヘッド102との間から排気され難いものとなっていた。
【0017】
本発明は、以上の実情に鑑みなされたものであって、基板の温度管理が容易であり、しかも、オゾン処理後の処理ガスを基板上面付近から速やかに排気することが可能となったオゾン処理装置の提供をその目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段及びその効果】
本発明は、基板が載置される載置台と、
前記載置台上の基板を加熱する加熱手段と、
前記載置台上の基板の上方に、これと対向し且つ近接して配設されるとともに、前記基板との対向面に開口し、オゾンを含んだ処理ガスを前記基板に向けて吐出する吐出口を備えてなり、前記吐出口から吐出され、前記基板の表面に沿って流れる処理ガス流の層厚を制御する複数の対向板と、
前記各対向板の吐出口に前記処理ガスを供給して吐出せしめるガス供給手段とを備えて構成され、
前記複数の対向板は、三角形,四角形又は六角形に形成され、隣接する前記各対向板間に0.5mm以上3mm以下の隙間が形成されるように、同一平面内に配設されるとともに、各対向板の板厚は、0.1mm以上5mm以下に形成されてなり、
前記吐出口から吐出された処理ガスが、前記複数の対向板間の隙間から、前記基板とは反対側の裏面側に排気されるように構成されたオゾン処理装置に係る。
【0019】
この発明によれば、オゾンを含んだ処理ガスが前記ガス供給手段によって供給され、供給された処理ガスが前記載置台上に載置された基板と対向して配設された各対向板の吐出口から、前記基板に向けて吐出される。尚、前記基板は前記加熱手段によって加熱されている。
【0020】
このようにして吐出された処理ガスは、前記基板に衝突した後、これに沿った流れとなり、このような流れの中で、オゾン(O3)は基板により加熱され、このように加熱されたり、基板Kやレジストと接触することによって酸素(O2)と活性酸素(O*)に分解され、この活性酸素(O*)によって、基板表面に酸化膜が形成されたり、或いは基板表面上の酸化膜が改質されたり、更には、基板表面に形成されたレジスト膜が活性酸素との熱化学反応によって除去される。
【0021】
そして、各吐出口から吐出され基板に沿って流れる処理ガスは、その後、相互に衝突して、対向板間の隙間に向かう流れとなり、この隙間から対向板の裏面側に、即ち、基板と対向板との間から排気される。これにより、処理後の処理ガスが基板表面付近に滞留して、吐出口から吐出される処理ガスが前記基板表面に達し難くなるのが防止され、酸化膜の形成やその改質、レジスト膜の除去といった上記処理を効果的に行うことが可能となる。
【0022】
尚、前記対向板は、基板表面に沿って流れる処理ガス流の層厚を制御する役割を果たすものである。この意味で、対向板を基板に対して可能な限り接近させた状態に配置するのが好ましい。このようにすれば、基板表面に沿って流れる処理ガス流の層厚をより薄くすることができ、より多くのオゾンが、上記酸化膜の形成やその改質、或いはレジスト膜の除去に寄与せしめられ、その処理効果を高めることができる。
【0023】
ところで、対向板を基板に近づけると、基板から対向板へ熱移動が生じ、上記従来例に係るガス供給ヘッドのようにその体積が大きい場合には、これらが熱平衡に至り難く、基板の温度が長時間にわたって一定しないため、上記処理にムラを生じることになる。しかしながら、本発明に係る対向板は、前記従来例のガス供給ヘッドに比べてその体積が小さく、このような問題を生じない。
【0024】
また、前記各対向板を、それぞれ同じ大きさ(面積)にすれば、基板表面をムラなく処理することができる。尚、各対向板の大きさは、要求される処理速度などに応じて適宜設定される。
【0025】
また、本発明では、基板と対向板との間隔を適切に維持する必要があるが、対向板は、加熱された基板や載置台からの輻射熱によって加熱されており、熱変形を生じ易い状況にある。このため、面積の大きい大型の基板を処理する場合には、対向板を一枚の板から構成すると、熱変形によって基板との間隔を適切に維持することができなくなるおそれがある。
【0026】
そこで、上記のように、対向板を適宜複数の板から構成すれば、一つ一つの対向板の熱変形を極僅かにすることができ、この結果、対向板全体の熱変形を極僅かなものとすることができ、基板との間隔を良好に維持することができる。
【0027】
近年、ますます基板が大型化しているが、かかる構成とすることで、1100mm×1300mmの大きさを超える大型の基板に対しても、その表面を均一に処理することが可能である。
【0028】
尚、前記熱変形を考慮して、基板との間隔を良好に維持するために許容される対向板の板厚は、一枚の対向板についてみると、その板厚が0.1mm以上であるのが好ましく、より好ましくは1mm以上である。一方、対向板が熱平衡状態となるまでに要する時間を考慮すると、当該板厚は5mm以下であるのが好ましく、より好ましくは2mm以下である。
【0029】
また、前記隙間は0.5mm以上3mm以下の範囲であるのが好ましい。隙間が3mmを超えると、当該隙間に対応した基板表面に未処理部分が残る場合があり、0.5mm未満では、処理ガスの排気効率が極めて悪く、処理効果が低下するからである。
【0030】
対向板の好ましい材質としては、例えば、フッ素樹脂,ジルコニア,マイカ(雲母),セラミック,ステンレス,シリコン,アルミニウム,チタン,ガラス及び石英などを挙げることができ、その形状については、これを三角形,四角形や六角形とすることができる。
【0031】
また、前記載置台,加熱手段及び対向板が、閉空間となった処理室内に配置され、この処理室内で基板が処理される場合には、排気手段により処理室内の気体を外部に排気するが好ましい。処理室内の気体を排気することにより、前記隙間からの排気がスムーズに滞り無く行われる。
【0032】
また、排気手段によって排気される処理室内の圧力は、絶対圧で7KPa以上であるのが好ましい。処理室内の圧力が7KPaよりも低いと、前記隙間から排気される排気速度が速くなりすぎ、処理ガスが対向板と基板との間に滞留する時間が短くなって、反応効率が低下し好ましくない。尚、処理室内のより好ましい圧力は、14KPa以上である。
【0033】
一方、反応効率からすると、処理室内の圧力の上限は何ら制限を受けるものではないが、処理によって生成されるプロダクトガスの排気の観点からすると、処理室内の圧力は、処理ガス供給元の圧力(絶対圧)以下であるのが好ましい。
【0034】
以上述べたように、本発明によれば、基板表面に沿って流れる処理ガス流の層厚を対向板によって制御するとともに、処理後(反応後)の処理ガスを対向板間の隙間から排出するようにしているので、処理ガスの反応効率や処理効率を高めつつ、基板表面をその全域に渡って均一に処理することができる。
【0035】
尚、本発明における前記基板の加熱温度は、200℃〜500℃の範囲が好ましい。この範囲内であれば、基板内に含まれる不純物の蒸発を上記処理と同時に行うことができる。また、前記処理ガスは、14重量%以上のオゾンを含むものが好適であり、オゾンとTEOS(Tetraethyl orthosilicate、ケイ酸テトラエチル、Si(C2H5O)4)の混合ガスであっても良い。
【0036】
以上のように、本発明に係るオゾン処理装置は、半導体基板や液晶基板などといった基板表面への酸化膜の形成や当該基板表面に形成された酸化膜の改質、或いは、当該基板表面に形成されたレジスト膜の除去の際に、好適に用いることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をより詳細に説明するために、添付図面に基づいてこれを説明する。
【0038】
図1及び図2に示すように、本例のオゾン処理装置1は、所定の内容積を有する処理チャンバ10と、この処理チャンバ10内に配設され、その上面に基板Kが載置される載置台20と、この載置台20の上方に配設されたガス供給ヘッド30などを備えている。
【0039】
前記処理チャンバ10は、蓋体11によって閉じられた所定の内容積を有する筐体であり、その内部の気体が、当該処理チャンバ10の側板に貫通,固設された排気管71,72を介し排気装置70によって外部に排気されるように構成されている。尚、処理チャンバ10内は、当該排気装置70により、その内部の圧力(絶対圧)が、7KPa以上(より好ましくは、14KPa以上)、オゾンガス供給元の圧力以下に調整される。
【0040】
前記載置台20は、ヒータなどから構成される加熱手段(図示せず)を内臓しており、上面に載置された前記基板Kを、この加熱手段(図示せず)によって加熱する。また、載置台20は、昇降手段21によって昇降自在となっており、この昇降手段21は、前記処理チャンバ10の底面を貫通して設けられる昇降ロッド22を備え、この昇降ロッド22により前記載置台20を支持している。尚、前記昇降手段21は、空圧シリンダや電動シリンダなどから構成される。
【0041】
前記処理チャンバ10の底面には、先端が先鋭に形成され、その先端面に基板Kが仮置きされる複数の支持針23が立設されており、この支持針23は、前記載置台20が下降端位置にある時に、当該載置台20に形成された貫通孔(図示せず)に挿通されて、その先端が載置台20の上面より上方に突出する一方、前記載置台20が上昇端位置にある時に、前記貫通孔(図示せず)から抜き取られるようになっている。
【0042】
斯して、前記載置台20が下降端位置にある時に、前記支持針23上に基板Kが仮置きされた後、前記載置台20が上昇せしめられると、前記支持針23が載置台20に対して相対的に没して、前記基板Kが載置台20上に載置される。
【0043】
前記ガス供給ヘッド30は、ブロック状のヘッド本体31と、このヘッド本体31の下方に、当該ヘッド本体31と所定間隔を隔てて、且つ前記載置台20上の基板Kと対向して配設された複数の対向板40などからなる。尚、前記ヘッド本体31は、固定部材12によって前記処理チャンバ10の内側壁に固定されている。
【0044】
前記ヘッド本体31には、その一方の側面から他方の側面に貫通した冷却液流路32が形成されており、この冷却液流路32には、図2に示した冷却液循環手段50から冷却液が供給され、当該冷却液が循環せしめられる。
【0045】
前記冷却液循環手段50は、順次接続された管継手56,配管57,管継手58,配管59,冷却液供給手段51,配管52,管継手53,配管54,管継手55などから構成され、前記管継手56が前記冷却液流路32の一方端に接続され、前記管継手55が前記冷却液流路32の他方端に接続されている。こうして、これら管継手56,配管57,管継手58,配管59,冷却液供給手段51,配管52,管継手53,配管54,管継手55、及び前記冷却液流路32によって冷却液の循環路が形成される。
【0046】
斯して、前記冷却液供給手段51から配管52,管継手53,配管54,管継手55を順次介して前記冷却液流路32に冷却液が供給され、供給された冷却液は、当該冷却液流路32内を流通した後、前記管継手56,配管57,管継手58,配管59を順次介して前記冷却液供給手段51に還流され、上記循環路内を循環する。
【0047】
また、前記ヘッド本体31には、その一方の側面に開口するオゾンガス流路33、及びこのオゾンガス流路33と連通し、下面に開口する導気孔34が形成されており、この導気孔34には、上面から下面に貫通した貫通孔36を備え、前記基板Kに向けて延設された導気管35が接続されている。
【0048】
前記各対向板40は、それぞれ矩形状をしており、隣接する各対向板40間に所定の隙間41が形成されるように、同一平面内に設けられ、前記ヘッド本体31の下面に固設された支持部材37に、例えば、ボルトなどでそれぞれ固定されている。前記ボルトによる固定の際には、当該ボルトの頭が前記各対向板40の下面より突出しないように、適宜座ぐり穴42が各対向板40にそれぞれ形成されている。尚、前記対向板40の好ましい材質としては、例えば、フッ素樹脂,ジルコニア,マイカ(雲母),セラミック,ステンレス,シリコン,アルミニウム,チタン,ガラス及び石英などを挙げることができる。
【0049】
また、前記各対向板40には、その上面から下面に貫通する貫通孔43が形成され、この貫通孔43に前記導気管35の下端部が嵌挿されている。貫通孔43の前記下面開口部43aは、導気管35の下部開口部36aとともに、オゾンガスを吐出するための吐出口としての役割を果たす部分であり、図2に示したオゾンガス供給手段60から前記オゾンガス流路33,導気孔34,貫通孔36を順次介して供給されたオゾンガスが、この各吐出口43a(36a)から基板Kに向けて吐出される。
【0050】
前記オゾンガス供給手段60は、前記オゾンガス流路33に接続した管継手65と、管継手65に接続した配管64と、配管64に接続した管継手63と、管継手63に接続した配管62と、配管62に接続したオゾンガス生成装置61などから構成され、これら配管62,管継手63,配管64,管継手65を順次介して、オゾンガス生成装置61から所定濃度のオゾンガス(処理ガス)が前記オゾンガス流路33内に供給される。
【0051】
以上のように構成された本例のオゾン処理装置1では、まず、適宜手段によって基板Kが前記支持針23上に載置される。尚、この時、前記載置台20の位置は下降端に位置している。また、前記冷却液供給手段51から前記ヘッド本体31の冷却液流路32内に冷却液が供給,循環されており、この冷却液によってヘッド本体31が冷却されている。
【0052】
次いで、排気装置70により処理チャンバ10内の圧力(絶対圧)が、7KPa以上(より好ましくは、14KPa以上)、オゾンガス供給元の圧力以下に調整されるとともに、前記昇降手段21によって載置台20が上昇せしめられる。
【0053】
載置台20が上昇すると、支持針23が載置台20に対し相対的に没して、基板Kが載置台20上に載置されるとともに、載置台20が上昇端位置に達する。また、載置台20上に載置された基板Kは前記加熱手段(図示せず)によって加熱される。
【0054】
そして、所定濃度のオゾンガスが前記オゾンガス生成装置61から、前記配管62,管継手63,配管64,管継手65を順次介して、前記ヘッド本体31のオゾンガス流路33内に供給され、前記各導気孔34,貫通孔36を順次通って、各対向板40の吐出口43a(36a)から基板Kに向けて吐出される。
【0055】
このようにして吐出されたオゾンガスは、前記基板Kに衝突した後、これに沿った流れとなり、このような流れの中で、オゾン(O3)は基板Kにより加熱され、このように加熱されたり、基板Kやレジストと接触することによって酸素(O2)と活性酸素(O*)に分解され、この活性酸素(O*)によって、基板K表面に酸化膜が形成されたり、或いは基板K表面上の酸化膜が改質されたり、更には、基板K表面に形成されたレジスト膜が活性酸素との熱化学反応によって除去される。
【0056】
そして、各吐出口43aから吐出され基板Kに沿って流れるオゾンガスは、その後、相互に衝突して、前記対向板40間の隙間41に向かう流れとなり、この隙間41から対向板40の裏面(上面)側に、即ち、基板Kと対向板40との間から排気される。これにより、処理後のオゾンガスが基板K表面付近に滞留して、吐出口43a(36a)から吐出されるオゾンガスが前記基板K表面に達し難くなるのが防止され、酸化膜の形成やその改質、レジスト膜の除去といった上記処理を効果的に行うことが可能となる。
【0057】
かかる役割を担う前記隙間41は、これが0.5mm以上3mm以下の範囲であるのが好ましい。隙間41が0.5mm未満では、オゾンガスの排気効率が極めて悪く、オゾンガスの処理効果が低下する一方、これが3mmを越えると、当該隙間41に対応した基板K表面に未処理部分が残るといった不都合を生じるからである。
【0058】
また、処理チャンバ10内の気体を排気することで前記隙間41からの排気がスムーズに滞り無く行われる。その際の処理チャンバ10内の圧力(絶対圧)は、7KPa以上(より好ましくは14KPa以上)、オゾンガス供給元の圧力以下であるのが好ましい。
【0059】
処理チャンバ10内の圧力が7KPaよりも低いと、前記隙間41から排気される排気速度が速くなりすぎ、オゾンガスが対向板40と基板Kとの間に滞留する時間が短くなって、反応効率が低下するからである。一方、処理チャンバ10内の圧力がオゾンガス供給元の圧力を越えると、処理によって生成されたプロダクトガスの排気がスムーズに行われない。
【0060】
また、前記対向板40は、基板K表面に沿って流れるオゾンガス流の層厚を制御する役割を果たす。この意味で、対向板40を基板Kに対して可能な限り接近させた状態に配置するのが好ましい。このようにすれば、基板K表面に沿って流れるオゾンガス流の層厚をより薄くすることができ、より多くのオゾンが、上記酸化膜の形成やその改質、或いはレジスト膜の除去に寄与せしめられ、その処理効果を高めることができる。
【0061】
斯くして、基板Kと対向板40との間隔は、これを適切に維持する必要があるが、対向板40は、加熱された基板Kや載置台20からの輻射熱によって加熱されており、熱変形を生じ易い状況にある。このため、面積の大きい大型の基板を処理する場合には、対向板40を一枚の板から構成すると、その熱変形によって基板Kとの間隔を適切に維持することができなくなるおそれがある。
【0062】
本例では、対向板40を複数の板から構成しているので、一つ一つの対向板40の熱変形を極僅かにすることができ、この結果、基板Kとの間隔を良好に維持することができる。
【0063】
近年、ますます基板が大型化しているが、かかる構成とすることで、1100mm×1300mmの大きさを超える大型の基板Kに対しても、その表面を均一に処理することが可能である。
【0064】
尚、前記熱変形を考慮して、基板Kとの間隔を良好に維持するために許容される対向板40の板厚tは0.1mm以上であり、より好ましくは1mm以上である。一方、対向板40が熱平衡状態となるまでに要する時間を考慮すると、当該板厚tは5mm以下であるのが好ましく、より好ましくは2mm以下である。
【0065】
また、前記各対向板40をそれぞれ同じ大きさ(面積)にすれば、各対向板40に対応した基板K表面部分をムラなく処理することができる。また、前記対向板40の大きさについては、要求される処理速度などに応じてこれを適宜適した大きさに設定すれば良い。
【0066】
また、前記処理チャンバ10内の雰囲気温度は、前記加熱手段(図示せず)によって昇温せしめられて高温となり、前記ヘッド本体31は、この高温となった雰囲気によって昇温せしめられるが、当該ヘッド本体31を、前記冷却液流路32内を流通する冷却液によって冷却するようにしているので、前記オゾンガス流路33内を流通するオゾンガスが、この冷却液によって冷却され、その温度が一定の範囲内に維持される。これにより、温度上昇に伴うオゾンの熱分解が防止され、前記オゾンガス中のオゾン濃度の低下が防止される。
【0067】
また、前記基板の加熱温度は、200℃〜500℃の範囲が好ましい。この範囲内であれば、基板K内に含まれる不純物の蒸発を上記処理と同時に行うことができる。また、前記オゾンガスは、14重量%以上のオゾンを含むものが好適であり、オゾンとTEOS(Tetraethyl orthosilicate、ケイ酸テトラエチル、Si(C2H5O)4)の混合ガスであっても良い。
【0068】
以上詳述したように、本例のオゾン処理装置1によれば、基板Kの表面に沿って流れるオゾンガス流の層厚を複数の対向板40によって制御するとともに、処理後(反応後)のオゾンガスを対向板40間の隙間41から排出するようにしているので、オゾンガスの反応効率や処理効率を高めつつ、1100mm×1300mmの大きさを超える大型の基板Kに対しても、その表面を全域に渡って均一に処理することができる。
【0069】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の採り得る具体的な態様は、何らこれに限定されるものではない。
【0070】
例えば、前記対向板40の形状は、上述した矩形状に限定されるものではない。この矩形状の他、図4に示すように、六角形に形成され、それぞれ吐出口76が形成された対向板75を、隙間77が形成されるように配設しても良く、また、図5に示すように、三角形に形成され、それぞれ吐出口81が設けられた対向板80を、隙間82が形成されるように配設しても良い。また、三角形と四角形のように、形状の異なる対向板を組み合わせて構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るオゾン処理装置の概略構成を示した断面図であって、図2における矢示C−C方向の断面図である。
【図2】 図1における矢示A−A方向の断面図である。
【図3】 図1における矢示B−B方向の断面図である。
【図4】 本発明の他の実施形態に係る対向板をそれぞれ示した底面図である。
【図5】 本発明の他の実施形態に係る対向板をそれぞれ示した底面図である。
【図6】 従来例に係るオゾン処理装置の概略構成を示した断面図であって、図7における矢示E−E方向の断面図である。
【図7】 図6における矢示D−D方向の底面図である。
【符号の説明】
1 オゾン処理装置
10 処理チャンバ
20 載置台
21 昇降手段
30 ガス供給ヘッド
31 ヘッド本体
32 冷却液流路
33 オゾンガス流路
Claims (4)
- 基板が載置される載置台と、
前記載置台上の基板を加熱する加熱手段と、
前記載置台上の基板の上方に、これと対向し且つ近接して配設されるとともに、前記基板との対向面に開口し、オゾンを含んだ処理ガスを前記基板に向けて吐出する吐出口を備えてなり、前記吐出口から吐出され、前記基板の表面に沿って流れる処理ガス流の層厚を制御する複数の対向板と、
前記各対向板の吐出口に前記処理ガスを供給して吐出せしめるガス供給手段とを備えて構成され、
前記複数の対向板は、三角形,四角形又は六角形に形成され、隣接する前記各対向板間に0.5mm以上3mm以下の隙間が形成されるように、同一平面内に配設されるとともに、各対向板の板厚は、0.1mm以上5mm以下に形成されてなり、
前記吐出口から吐出された処理ガスが、前記複数の対向板間の隙間から、前記基板とは反対側の裏面側に排気されるように構成されてなることを特徴とするオゾン処理装置。 - 少なくとも前記載置台,加熱手段及び対向板が、閉空間となった処理室内に配置され、更に、該処理室内の気体を外部に排気する排気手段を備えてなることを特徴とする請求項1記載のオゾン処理装置。
- 前記排気手段により、前記処理室内の圧力(絶対圧)が7KPa以上となるように調整されることを特徴とする請求項2記載のオゾン処理装置。
- 前記排気手段により、前記処理室内の圧力(絶対圧)が14KPa以上となるように調整されることを特徴とする請求項2記載のオゾン処理装置。
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