JP4190748B2 - 半導体不良解析用のcadツール及び半導体不良解析方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光顕微鏡あるいはOBIRCH(Optical Beam Induced Resistance
Change)解析装置等の物理解析装置で検出した反応箇所から反応の要因である不良位置を推定するCADツール等のプログラム及びこれを用いた不良解析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体装置の高速化と機能多様化の要求に伴い、半導体素子や配線の微細化や高集積化が進んでおり、この半導体装置を欠陥なく製造することが困難となってきている。欠陥を低減するためには、高集積化された半導体装置の中から原因となった欠陥箇所を特定し、この半導体装置の故障メカニズムを推定し、原因を取り除くといった改善作業が必要である。このうち、欠陥箇所を特定するため、発光顕微鏡やOBIRCH解析装置を用いて半導体装置を解析する手法が用いられてきている。
【0003】
例えば、発光顕微鏡においては、半導体装置に電圧を印加し、半導体素子(トランジスタ)からの異常な発光を検知して、欠陥箇所特定の手がかりとすることができる。ここでは、発光顕微鏡で検出した発光点の座標を設計データであるレイアウトパターンと重ね合わせ、レイアウトパターンの座標として読みとって異常箇所の座標を算出する手法が用いられるようになり、作業が容易になり、解析時間の短縮も図ることができるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
[問題点1]発光箇所が必ずしも欠陥発生箇所ではない場合が多い。例えば、信号配線が他の配線と短絡した場合、異常電位が正常なトランジスタに入力されることで発光することがある。このように必ずしも発光したトランジスタ位置に欠陥があるとは限らず、発光顕微鏡による解析の後に、電子ビームテスターなどで逐次追跡するといった手間のかかる作業を必要としていた。
[問題点2]発光が数カ所で同時に発生する場合がある。個々の発光位置からレイアウトパターン上の位置情報を求めることは、前記したとおり可能であるが、現状のCADツールではそれらの関連を検討することできなかった。
[問題点3]微細な配線パターンを有する半導体装置では、高倍率の顕微鏡でもパターンを明確に分解することが困難となっている。発光顕微鏡は、対物レンズと半導体装置との間に電圧印加用のプローブ針を配置する必要上、作動距離の長い対物レンズを採用しており、NA(=開口数)が小さく、像分解能も低くなり、トランジスタ1個までを特定することは困難となってきている。また、同様に、OBIRCH解析装置においても、異常現象を起こした配線を一本に特定することが困難となってきている。
【0005】
本発明の目的は、このような状況下において、短時間で精度良く欠陥の所在位置を特定することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は以下の特徴を有する。
【0007】
即ち、本発明は、半導体装置に複数種の電圧設定パターンに基づく電圧を印加した場合に、物理解析装置により取得された前記パターン毎の反応情報の入力を受けるステップと、前記各々の反応情報を前記半導体装置のレイアウトパターン情報と照合し、前記反応情報の示す位置の範囲内に存在するトランジスタから配線経路を電圧印加位置方向に遡上することで各々の遡上配線を演算処理手段により抽出するステップと、各トランジスタに対応した前記遡上配線の経路が合致もしくは隣接している配線範囲を特定して表示手段に表示させるステップと、を実行させることを特徴とする半導体不良解析用のCADツールである。
【0008】
また、本発明は、半導体装置に電圧設定パターンに基づく電圧を印加した場合に、物理解析装置により取得された複数個所の反応情報の入力を受けるステップと、前記各々の反応情報を前記半導体装置のレイアウトパターン情報と照合し、前記反応情報の位置の範囲内に存在するトランジスタから配線経路を電圧印加位置方向に遡上することで各々の遡上配線を演算処理手段により特定するステップと、各トランジスタに対応した前記遡上配線の経路が合致もしくは隣接している配線範囲を特定して表示手段に表示させるステップと、を実行させることを特徴とする半導体不良解析用のCADツールである。
【0009】
また、本発明は、前記反応情報の示す位置の範囲内に複数のトランジスタが存在する場合には、当該範囲内における発光強度の高い範囲に位置するトランジスタから配線遡上の演算処理を行うことを特徴とする半導体不良解析用のCADツールである。
【0010】
また、本発明は、前記物理解析装置として、発光顕微鏡を用いることを特徴とする半導体不良解析用のCADツールである。
【0011】
また、本発明は、前記配線経路を電圧印加位置方向に遡上するときに、予め欠陥による中間電位伝搬現象をモデル化した故障辞書を参照して、故障の可能性の高い配線を選別して遡上することを特徴とする半導体不良解析用のCADツールである。
【0012】
また、本発明は、半導体装置に複数種の電圧設定パターンに基づく電圧を印加した場合の反応状態を、発光顕微鏡を用いて前記パターン毎の反応情報として取得し、前記各々の反応情報を前記半導体装置のレイアウトパターン情報と照合し、前記反応情報の示す位置の範囲内に存在するトランジスタから配線経路を電圧印加位置方向に遡上することで各々の遡上配線を演算処理手段により抽出し、各トランジスタに対応した前記遡上配線の経路が合致もしくは隣接している配線範囲を特定して表示手段に表示させることを特徴とする半導体不良解析方法である。
【0013】
また、本発明は、半導体装置に電圧設定パターンに基づく電圧を印加した場合の反応状態を、発光顕微鏡を用いて反応情報を取得し、前記反応情報が複数ある場合には、各々の反応情報を前記半導体装置のレイアウトパターン情報と照合し、前記反応情報の位置の範囲内に存在するトランジスタから配線経路を電圧印加位置方向に遡上することで各々の遡上配線を演算処理手段により特定し、各トランジスタに対応した前記遡上配線の経路が合致もしくは隣接している配線範囲を特定して表示手段に表示させることを特徴とする半導体不良解析方法である。
【0014】
また、本発明は、前記反応情報の示す位置の範囲内に複数のトランジスタが存在する場合には、当該範囲内における発光強度の高い範囲に位置するトランジスタから配線遡上の演算処理を行うことを特徴とする半導体不良解析方法である。
【0015】
また、本発明は、前記配線経路を電圧印加位置方向に遡上するときに、予め欠陥による中間電位伝搬現象をモデル化した故障辞書を参照して、故障の可能性の高い配線を選別して遡上することを特徴とする半導体不良解析方法である。
【0016】
また、本発明は、半導体装置に複数種の電圧設定パターンに基づく電圧を印加した場合に、物理解析装置により取得された前記パターン毎の反応情報の入力を受けるステップと、前記各々の反応情報に対応する反応形状を代表するテンプレートを形成するステップと、前記テンプレートと前記半導体装置のレイアウトパターン情報とをマッチングすることで、レイアウト上の配線経路を演算処理手段により抽出するステップと、各パターンに対応した前記配線経路を表示手段に表示させるステップと、を実行させることを特徴とする半導体不良解析用のCADツールである。
【0017】
また、本発明は、半導体装置に複数種の電圧設定パターンに基づく電圧を印加した場合に、物理解析装置により取得された前記パターン毎の反応情報の入力を受けるステップと、前記各々の反応情報に対応する反応形状を代表するテンプレートを形成するステップと、前記テンプレートと前記半導体装置のレイアウトパターン情報とをマッチングすることで、レイアウト上の配線経路を演算処理手段により抽出するステップと、各パターンに対応した前記抽出された配線経路を重畳した場合に、配線密度の程度に基づく密集分布を表示手段に表示させるステップと、を実行させることを特徴とする半導体不良解析用のCADツールである。
【0018】
また、本発明は、前記配線経路を重畳した場合に、同電位の配線経路が密となる個所を削除して演算処理した結果の密度分布を表示させることを特徴とする半導体不良解析用のCADツールである。
【0019】
また、本発明は、前記物理解析装置として、OBIRCH解析装置を用いることを特徴とする半導体不良解析用のCADツールである。
【0020】
また、本発明は、半導体装置に複数種の電圧設定パターンに基づく電圧を印加した場合の反応状態を、物理解析装置により前記パターン毎の反応情報として取得し、前記各々の反応情報に対応する反応形状を代表するテンプレートを形成し、前記テンプレートと前記半導体装置のレイアウトパターン情報とをマッチングすることで、レイアウト上の配線経路を演算処理手段により抽出し、各パターンに対応した前記配線経路を表示手段に表示することを特徴とする半導体不良解析方法である。
【0021】
また、本発明は、半導体装置に複数種の電圧設定パターンに基づく電圧を印加した場合の反応状態を、物理解析装置により前記パターン毎の反応情報として取得し、前記各々の反応情報に対応する反応形状を代表するテンプレートを形成し、前記テンプレートと前記半導体装置のレイアウトパターン情報とをマッチングすることで、レイアウト上の配線経路を演算処理手段により抽出し、各パターンに対応した前記抽出された配線経路を重畳した場合に、配線密度の程度に基づく密集分布を表示手段に表示することを特徴とする半導体不良解析方法である。
【0022】
また、本発明は、前記配線経路を重畳した場合に、同電位の配線経路が密となる個所を削除して演算処理した結果の密度分布を表示させることを特徴とする半導体不良解析方法である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
本発明における第1の実施の形態のCAD装置とそのシステムを、図2を用いて説明する。CAD装置1は、データ記憶部10、データ演算部11、プログラム記憶部12により構成する。ネットワーク15を介して、設計データベース7に蓄積されたレイアウトデータ8、ネットリスト9、スケマティック(図示せず)、設計付加情報(テクノロジーファイルなど、図示せず)等をファイル転送してデータ記憶部10に所望の前処理を施して記憶させる。一方、発光顕微鏡2に故障位置特定を行うべき試料3を搭載し、予めプログラミングしておいたテストパターン5に基づいてテスター4を駆動し、試料3に所望の電圧印加を行う。このとき得られた発光顕微鏡画像6を、ネットワーク15を介して、データ記憶部10に記憶させる。そこで、予めプログラム記憶部12に組み込んでおいたプログラムに基づいて、データ演算部11にてレイアウトデータ8、ネットリスト9などの設計情報と、発光顕微鏡画像6とを用いて故障位置特定作業を行う(詳細な手順は後述する)。なお、ネットワーク15の代用として、DAT(図示せず)などの記録媒体でデータ通信しても良い。CAD装置1に接続された入力装置13と出力装置により、ユーザとのインターフェースを可能にする。ユーザが入力装置13を介して、CAD装置1により、発光顕微鏡2の駆動制御するなどの連動をさせてもよい。また、データ演算部11で求めた演算結果(故障位置の座標など)をデータベース(図示せず)に記憶させても良い。
【0024】
次に、具体的な故障位置特定方式について説明する。図1は、複数のテストパターン(複数種の電圧設定パターン)を入力したときの故障位置特定方式を説明する図である。図1(a)、(b)は、テストパターンA、Bをそれぞれ入力したときをレイアウトデータ8と発光顕微鏡画像6の重ね合わせ画像を示している。まず、図1(a)でテストパターンAを入力したとき、レイアウトパターン20上に、発光した点の発光画像22が表示できる。このとき、発光画像22の領域に位置するトランジスタ21を特定する。ここで、トランジスタ21自体が故障している場合もあるが、トランジスタ21は正常で、そこに至る配線経路に故障原因がある場合がある。そこで、まず、このトランジスタ21の信号入力側に遡って得られた遡上配線経路23を、出力装置14に表示したレイアウトパターン上でハイライト表示させる。この遡上には、ネットリスト9に記述された結線情報を活用しても良いし、レイアウトデータ8の図形形状及び配置情報を用いても良い。また、データ記憶部10に、この遡上配線経路23の配線結線情報を記憶しておいてもよい。次に、図1(b)では、テストパターンBを用いて、図1(a)と同様の作業を行う。ここでは、発光画像24と遡上経路配線25が得られる。ここで、図1(c)に示すように、テストパターンA及びBにおける、発光画像と遡上配線経路を重畳させる。遡上配線経路23及び25の重複した配線26(最も太く図示した部分)が故障である可能性が最も高いと推定され、この重複した配線26の座標位置や、ネットリストに示された配線ネットの名称を特定する。もし、重複した配線26に欠陥があるのを確認するには、電子ビームテスターなどで、電位状態を確認することもできるし、ここで欠陥が見つからなかった場合は、さらにテストパターン信号入力側に遡上して故障配線を特定すればよい。一つのテストパターンで、複数の発光箇所が存在する場合も、同様に、遡上経路を重畳することで、故障箇所の絞り込みが可能となる。また、このとき、遡上するトランジスタの段数をユーザが設定できるようにソフトウェアプログラムを作成しておくことは有効である。尚、故障確率が高いとして抽出する条件としては、上述した重複(合致)する場合に限らず、お互いの配線が隣接していることを条件としても実現できる。隣接していればショートする可能性が高いからである。
【0025】
次に、発光画像に基づいて、発光箇所に存在するトランジスタを特定する方式について説明する。はじめに、ユーザが画面上でトランジスタの特定するのを支援する方式について述べる。図3は、CAD装置の画面上における不良トランジスタの抽出方式を示す図である。発光画像22とレイアウトパターン20の重ね合わせ画像をユーザが確認した上で、マウスなどの入力装置13を用いて、カーソル30でドラッグして指定領域枠31を指定する。この枠の座標の領域内に存在するトランジスタ21を自動抽出する。この結果は、出力装置14に出力しても良いし、不良が見つかったトランジスタの座標や名称、配線ネットをデータ記憶部に保存しても良い。トランジスタは、レイアウトデータ8、ネットリスト9、スケマティックを用いて特定するか、レイアウトデータ8のみでCAD装置に組み込んだソフトウェアプログラムで特定することができる。
【0026】
また、CAD装置に組み込んだソフトウェアプログラムにより、自動で発光トランジスタを特定することもできる。図4は発光画像からトランジスタを自動特定する方式を示す図である。図4(a)に示すようにレイアウトパターン20上に発光画像24を重ね合わせた後、図4(b)のごとく、発光部の画像を任意のしきい値で2値化し、この2値化した発光画像40を図4(c)においてクラスタリングする。クラスタリングは、2値化した発光画像40をひとかたまりの発光エリアとして認識するためのもので、図4(c)に示したように縁取ることができる。また、図4(c)’に示すように、2値化した発光画像40の最外周のピクセルを囲う長方形を算出することも可能である。図4(c)及び(c)’で発光領域がデータとして定義できれば、その領域に存在するトランジスタを定義することは容易である。上記クラスタリングは、2箇所異常の発光が同時に発生するような場合に有効である。
【0027】
さらに、発光強度を活用して不良トランジスタの重みづけを行う方式について説明する。図5は、発光強度分布に基づいて不良トランジスタを抽出する方式を示す図である。発光画像22の色の濃い部分が、発光強度の高い部分である。発光現象は、このように任意の強度分布を持つことが一般的であり、その中心が異常な光を発生している場所である可能性が高い。ここでは、トランジスタ27、28の順に発光強度が高くなっている。従って、不良の疑わしさの観点から、解析対象とすべき優先順位は、トランジスタ27,28の順となる。例えば、発光強度分布を16階調のグレイスケールで表現すれば、最も輝度の高い階調から順に、各々の階調を有する領域に存在したトランジスタを特定していくことで、優先順位付けができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明における第2の実施の形態について述べる。ここでは、発光顕微鏡の代わりにOBIRCH解析装置を用いた場合の故障箇所特定方式について述べる。CAD装置とそのシステムについては、図2の発光顕微鏡をOBIRCH解析装置におきかえればよい。
【0028】
図6は、OBIRCH画像から異常反応のあった配線を特定する方式を示す図である。OBIRCH画像50とレイアウトパターン20の重ね合わせ画像をユーザが確認した上で、マウスなどの入力装置13を用いて、カーソル30でOBIRCH画像と重なり合ったレイアウト配線を指定する。この結果は、出力装置14にハイライト表示して出力しても良いし、異常が見つかった配線の座標や配線ネット名称をデータ記憶部に保存しても良い。このとき、レイアウトデータ8、ネットリスト9を用いて配線ネットまで特定してもよいし、レイアウトデータ8のみで特定し座標を出力させてもよい。
【0029】
OBIRCH解析装置から得られるOBIRCH画像は、配線ピッチと比較して分解能が低く、幅が太くなって現れるために、一本の配線に特定できない場合がある(図7の太線部分に例示)。これを解決する方法を次に述べる。図7から図10は、OBIRCH画像から異常の疑いのある配線を抽出する方式を示す図である。まずはじめに、レイアウトパターン20とOBIRCH画像50を重ね合わせた状態で、図7に示すように、OBIRCH画像の一部を囲うように第一指定領域枠51を入力装置13とカーソル30により指定する。これにより図8に示すように、この領域を通過する故障嫌疑配線52が一つ、あるいは複数特定できる。一つの配線ネットに特定できた場合は、OBIRCH画像50と故障嫌疑配線52の合致を確認して終了する。ここで、複数の配線ネットが出力された場合は、図9に示すように、第二指定領域枠53を指定する。ここで、第一指定領域枠51を通過し、かつ、第二指定領域枠53を通過すると言う条件で、配線ネットを検索することで、さらに故障候補を絞り込むことができる。図10では、故障配線54を一本だけに特定できた場合を示している。
【0030】
次に、OBIRCHの画像から自動的に故障候補を絞り込む方式について述べる。図11は、OBIRCH画像からの故障配線絞り込み方式を示す図である。まずはじめに、図11(a)にて、OBIRCH画像50を取得する。図11(b)では、画像処理により、このOBIRCH画像50のノイズ成分を除去して、配線経路の形状を再現できるようなテンプレート55に成型する。図11(c)に示すようにこのテンプレートに合致する配線経路を、レイアウトから抽出して、故障配線56を特定することができる。
【0031】
以上述べた故障配線の特定方式を活用して、欠陥が存在している箇所を特定する方式について説明する。図12は、複数のテストパターンを入力したときの故障箇所の絞り込み方式を示す図である。同図では、図12(a)から(d)において、4種類のテストパターンを入力した。それぞれのテストパターンにおいて、図6から図11に示したようなOBIRCH故障配線特定法を用いて、OBIRCH反応のあった配線60から63が特定する。図12(e)では、OBIRCH反応のあった配線60から63を重ね合わせて、交差あるいは密集領域64を特定することで、欠陥70の所在を特定することが可能となる。このとき、作業者が視覚的に密集領域を判断しても良いし、この作業を支援するために強調させることも有効である。図13は、この密集度分布の表示方式を示す図である。図13(a)は、OBIRCH反応のあった配線60から63を重ね合わせた図である。図13(b)に示すように、このレイアウトを直交格子状に分割し、各々の格子面積に対する前記OBIRCH反応の合った配線の占有率を算出すれば、密集度分布図65を簡単に表示することが可能となる。この後、この密集領域の座標、もしくは、密集度の高い重心点の座標を自動的に計算させて、その後の分析作業時間を短縮させることが可能となる。
【0032】
一方、欠陥が短絡を引き起こす場合を考えると、以下のような密集度分布の表現方式で、欠陥箇所の特定精度を支援することができる。図14は、異種配線の密集度の表現方式を示す図である。図14(a)は、OBIRCH反応のあった配線の重ね合わせを行ったものである。このうち、OBIRCH反応のあった配線66及び67は、同電位の配線が密集しているため、たとえそれが短絡したとしても他の配線に短絡しない限り、機能に影響を及ぼさない場合がある。従って、図13で述べた、単なる配線の密集度を表現する方式では、図14(b)に示すような密集度の高いエリア(最もハッチングの濃い部分)が複数出現したり、欠陥特定精度が低下する。そこで、図14(c)に示すように、配線を識別して異種配線の密集度のみを計算することで、真のクリティカル領域69を特定することが可能である。
【0033】
CAD装置1に搭載したプログラム記憶部12に記憶させるソフトウェアプログラムの説明を行う。図15は、アルゴリズムを示す図である。ここでは、代表的なアルゴリズムについて述べ、本発明の実施の形態に述べる手順を適宜、組み入れることは可能である。まずはじめに、レイアウトデータ8、ネットリスト9、スケマティック(図示せず)、設計付加情報(テクノロジーファイルなど、図示せず)等をデータ記憶部10に所望の前処理を施して記憶させる(ステップ1)。次に、テストパターン5に基づいてテスター4を駆動し、ウエハ等の半導体装置である試料3に所望の電圧印加を行う(ステップ2)。この状態で、発光顕微鏡2を駆動し、このとき得られた発光顕微鏡画像6を、データ記憶部10に記憶させる(ステップ3)。ここで、発光顕微鏡画像6とレイアウトデータ8の重ね合わせを行う(ステップ4)。次に、発光領域に存在するトランジスタを特定する(ステップ5)。このトランジスタの入力側の配線経路を遡上する(ステップ6)。このとき、トランジスタの遡上段数は予めプログラムに記憶しておいても良いし、遡上の前に予め作業者の入力を促しても良い。複数のテストパターンを入力する場合、発光解析を継続し(ステップ7)、ステップ2からステップ6を繰り返す。テストパターンを入力し終わったら、重複配線経路を特定し、記憶そして出力する(ステップ8)。
(第3の実施の形態)
上記実施の形態では発光顕微鏡、OBIRCH解析装置それぞれで不良箇所の推定を実施している例を示したが、実際の解析では、両者の情報を総合して不良箇所を推定することも可能である。その一つの方式は、OBIRCH解析装置で絞り込んだ不良候補(例えば、配線やトランジスタ素子)と、発光顕微鏡で検出した発光点から遡上して得られた不良候補とを照合して、不良箇所の絞り込みを行う手法である。これを行うことで、不良箇所特定の確度を向上させ、さらに不良箇所を絞り込むための電子ビームテスタによる解析、あるいは、その準備のためのFIB加工の試行錯誤回数を、極力低減させることができる。
(第4の実施の形態)
前記した発光顕微鏡による不良箇所特定において、不良箇所をさらに短時間で正確に絞り込む方式について述べる。本実施の形態を説明するため、はじめに、中間電位化によるMOSトランジスタの発光現象について、図16を用いて説明を行う。この中間電位化現象は、代表的な発光現象の原因の一つである。MOS(A)103のゲートに接続されている配線(A)101と配線(B)102とが、短絡欠陥104により短絡した場合を考える。ある状態において、配線(A)101と配線(B)102の本来設定されるべき電圧が異なるとき、この短絡により、互いの電位に影響されて、各配線の設定電位の中間的な電位となることを中間電位化という。配線(A)101が中間電位となると、MOS(A)103にはゲートをON/OFFするための入力電位が不完全な状態となり、接点不良を起こす。この段階で、MOS(A)103に過渡的な異常電流が流れることにより、発光を起こすことがある。また、MOS(A)103の接点不良状態は、その出力側にあるMOS(B)105のゲート電位の不安定な状態を生じさせるため、MOS(B)105に過渡的な異常電流が流れることにより、MOS(B)105において発光が見られる。以上が、中間電位化による発光現象である。
【0034】
次に、論理回路において、このような中間電位化による発光現象がどのように伝搬するかを考える。図17は、基本的な論理回路の一つであるNAND回路をとりあげ、中間電位の伝搬現象について説明を行う。図17では、NAND回路の入力となるX端子110にはLow電位、Y端子111にはHigh電位となる本来の状態において、これらの端子の何れかが中間電位化した場合を示している。図17(a)は、X端子110が中間電位となった場合、図17(b)は、Y端子111が中間電位となった場合を示している。まず、図17(a)は、pMOS112に中間電位が入力されるため、
(1)pMOS112の出力は、中間電位あるいは、High/Lowにふらついた電位状態となる。
(2)pMOS113は、正常なY端子111のHigh電位により、OFFとなるため、pMOS113の出力は浮遊電位となる。
(3)X端子110の中間電位は、nMOS115と、これによって引き起こされるnMOS114の動作不安定を引き起こす(High/Lowにふらついた電位状態)。
【0035】
NAND回路全体でみれば、これら、(1)(2)(3)の電位状態から決定されるため、結局、出力端子116の電位状態は、ふらついた状態となる。
【0036】
一方、図17(b)については、
(4)正常なX端子110のLow電位入力により、pMOS112はONとなり、出力は、Highとなる。
(5)Y端子111の中間電位化によりpMOS113の動作はON/OFFにふらつき、ONの時はHigh出力、OFFの時は浮遊電位となる。
(6)また、Y端子111の中間電位入力によって、nMOS114はふらつくが、X端子110のLow電位によるnMOS115のOFF状態によって、結局は、浮遊電位となる。
【0037】
上記(4)(5)(6)によって、pMOS112のHigh出力が支配的となるため、NAND回路全体の出力はHighとなる。以上の現象により、NAND回路の出力が中間電位で、かつ、本来の設定電圧がX端子はLow、Y端子はHighの場合、原因となる不良箇所を遡上する場合、図17(a)のケースとなり、X端子の側だけを遡上すれば良いことになる。このように、基本的な論理回路の場合、中間電位伝搬特性の故障辞書(データベース)を作成しておけば、経路遡上(図15のステップ6に相当)の際に、故障辞書を参照することで経路嫌疑の候補数を半減させることができ、不良解析時間を短縮させることができる。さらに、基本論理解路を多段にわたって遡上する場合は、その不良解析時間を(1/2)nに削減することが可能となり、この不良解析TATの短縮は、製品開発期間の短縮や、顧客返品不良の解析にかかるリソース削減につながる。
【0038】
図18は、中間電位伝搬特性により経路遡上する故障解析システムの概略を示す。故障辞書120には、各種基本論理回路などのセルやIP(Intellectual Property)ごとの中間電位伝搬特性を記述したデータを記憶させておく。この故障辞書120は、CAD装置1と接続する。この故障辞書120の全て、あるいは必要なデータについて、CAD装置1の内部にあるデータ記憶部10に取り込み、データ演算部11で絞り込みながら遡上するための演算処理を行うことができる。図19は、故障辞書120に登録されているデータの構成を説明する図である。セル名称は、NANDやNORなどの基本論理回路名称やIPの名称を意味する。入力番号(入力1から入力N)には、電位の状態(HIGHもしくはLOW)を登録する。さらに中間電位が伝搬した出力に対応した中間電位伝搬出力番号と、遡上すべき入力番号を表す遡上番号を対応させてファイルを作成しておく。こうすることによって、任意のセル名称の回路で、任意の入力電位状態のとき、中間電位出力番号が与えられれば、遡上を行う際、最も疑わしい遡上番号を抽出できるため、故障候補を絞り込み、故障位置特定時間を短縮することができる。この辞書は、予め故障モデルを定義し、任意の回路の、任意の電位状態におけるシミュレーション結果を対応づけてもよいし、実際の製品の故障解析結果から得られる実績データに基づいてもよい(ある回路において、中間電位の出力された中間電位出力番号と、原因の確認された遡上入力番号とを対応させて記憶させる。)。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、より故障の疑いのある配線や欠陥箇所を絞り込むため、故障箇所の精度ならびに故障箇所特定時間を短縮させることがかのうとなる。これにより、半導体製品の不良箇所をいち早く分析でき、メカニズムの推定により速やかに歩留り向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複数のテストパターンを入力したときの故障位置特定方式を説明する図
【図2】CAD装置とそのシステムを示す図
【図3】CAD装置の画面上における不良トランジスタの抽出方式を示す図
【図4】発光画像からトランジスタを自動特定する方式を示す図
【図5】発光強度分布に基づいて不良トランジスタを抽出する方式を示す図
【図6】OBIRCH画像から異常反応のあった配線を特定する方式を示す図
【図7】OBIRCH画像から異常の疑いのある配線を抽出する方式を示す図
【図8】OBIRCH画像から異常の疑いのある配線を抽出する方式を示す図
【図9】OBIRCH画像から異常の疑いのある配線を抽出する方式を示す図
【図10】OBIRCH画像から異常の疑いのある配線を抽出する方式を示す図
【図11】OBIRCH画像からの故障配線絞り込み方式を示す図
【図12】複数のテストパターンを入力したときの故障箇所の絞り込み方式を示す図
【図13】密集度分布の表示方式
【図14】異種配線の密集度の表現方式を示す図
【図15】アルゴリズムを示す図
【図16】中間電位化による発光現象を示す図
【図17】中間電位の伝搬特性を示す図
【図18】中間電位伝搬特性により経路遡上する故障解析システムの概略図
【図19】故障辞書に登録されているデータの構成を説明する図
【符号の説明】
20…レイアウトパターン、21…トランジスタ、22…発光画像、23…遡上配線経路、24…発光画像、25…遡上配線経路、26…重複した配線
Claims (16)
- 半導体装置に複数種の電圧設定パターンに基づく電圧を印加した場合に、物理解析装置により取得された前記パターン毎の反応箇所を囲む指定領域枠をマウスを用いた入力装置、もしくは自動画像認識装置によって領域として得られる反応情報の入力を受けるステップと、
前記各々の反応情報を前記半導体装置のレイアウトパターン情報と照合し、前記反応情報の示す位置の範囲内に存在するトランジスタから配線経路を電圧印加位置方向に遡上することで各々の遡上配線を演算処理手段により抽出するステップと、
各トランジスタに対応した前記遡上配線の経路が合致もしくは隣接している配線範囲を特定して表示手段に表示させるステップと、
を実行させることを特徴とする半導体不良解析用のCADツール。 - 半導体装置に電圧設定パターンに基づく電圧を印加した場合に、物理解析装置により取得された複数個所の反応箇所を囲む指定領域枠をマウスを用いた入力装置、もしくは自動画像認識装置によって領域として得られる反応情報の入力を受けるステップと、
前記各々の反応情報を前記半導体装置のレイアウトパターン情報と照合し、前記反応情報の示す位置の範囲内に存在するトランジスタから配線経路を電圧印加位置方向に遡上することで各々の遡上配線を演算処理手段により抽出するステップと、
各トランジスタに対応した前記遡上配線の経路が合致もしくは隣接している配線範囲を特定して表示手段に表示させるステップと、
を実行させることを特徴とする半導体不良解析用のCADツール。 - 請求項1又は2に記載の半導体不良解析用のCADツールであって、
前記反応情報の示す位置の範囲内に複数のトランジスタが存在する場合には、当該範囲内における発光強度の高い範囲に位置するトランジスタから配線遡上の演算処理を行うことを特徴とする半導体不良解析用のCADツール。 - 請求項1又は2に記載の半導体不良解析用のCADツールであって、
前記物理解析装置として、発光顕微鏡を用いることを特徴とする半導体不良解析用のCADツール。 - 半導体装置に複数種の電圧設定パターンに基づく電圧を印加した場合の反応状態を、発光顕微鏡を用いて前記パターン毎の反応箇所を囲む指定領域枠をマウスを用いた入力装置、もしくは自動画像認識装置によって領域として得られる反応情報として取得し、
前記各々の反応情報を前記半導体装置のレイアウトパターン情報と照合し、前記反応情報の示す位置の範囲内に存在するトランジスタから配線経路を電圧印加位置方向に遡上することで各々の遡上配線を演算処理手段により抽出し、
各トランジスタに対応した前記遡上配線の経路が合致もしくは隣接している配線範囲を特定して表示手段に表示させることを特徴とする半導体不良解析方法。 - 半導体装置に電圧設定パターンに基づく電圧を印加した場合の反応状態を、発光顕微鏡を用いて反応箇所を囲む指定領域枠をマウスを用いた入力装置、もしくは自動画像認識装置によって領域として得られる反応情報を取得し、
前記反応情報が複数ある場合には、前記各々の反応情報を前記半導体装置のレイアウトパターン情報と照合し、前記反応情報の示す位置の範囲内に存在するトランジスタから配線経路を電圧印加位置方向に遡上することで各々の遡上配線を演算処理手段により抽出し、
各トランジスタに対応した前記遡上配線の経路が合致もしくは隣接している配線範囲を特定して表示手段に表示させることを特徴とする半導体不良解析方法。 - 請求項5又は6に記載の半導体不良解析方法であって、
前記反応情報の示す位置の範囲内に複数のトランジスタが存在する場合には、当該範囲内における発光強度の高い範囲に位置するトランジスタから配線遡上の演算処理を行うことを特徴とする半導体不良解析方法。 - 半導体装置に複数種の電圧設定パターンに基づく電圧を印加した場合に、物理解析装置により取得された前記パターン毎の反応情報の入力を受けるステップと、
前記各々の反応情報に対応する反応形状を代表するテンプレートを形成するステップと、
前記テンプレートと前記半導体装置のレイアウトパターン情報とをマッチングすることで、レイアウト上の配線経路を演算処理手段により抽出するステップと、
各パターンに対応した前記配線経路を表示手段に表示させるステップと、
を実行させることを特徴とする半導体不良解析用のCADツール。 - 半導体装置に複数種の電圧設定パターンに基づく電圧を印加した場合に、物理解析装置により取得された前記パターン毎の反応情報の入力を受けるステップと、
前記各々の反応情報に対応する反応形状を代表するテンプレートを形成するステップと、
前記テンプレートと前記半導体装置のレイアウトパターン情報とをマッチングすることで、レイアウト上の配線経路を演算処理手段により抽出するステップと、
各パターンに対応した前記抽出された配線経路を重畳した場合に、配線密度の程度に基づく密集分布を表示手段に表示させるステップと、
を実行させることを特徴とする半導体不良解析用のCADツール。 - 請求項9に記載の半導体不良解析用のCADツールであって、
前記配線経路を重畳した場合に、同電位の配線経路が密となる個所を削除して演算処理した結果の密度分布を表示させることを特徴とする半導体不良解析用のCADツール。 - 請求項8又は9に記載の半導体不良解析用のCADツールであって、
前記物理解析装置として、OBIRCH解析装置を用いることを特徴とする半導体不良解析用のCADツール。 - 半導体装置に複数種の電圧設定パターンに基づく電圧を印加した場合の反応状態を、物理解析装置により前記パターン毎の反応情報として取得し、
前記各々の反応情報に対応する反応形状を代表するテンプレートを形成し、
前記テンプレートと前記半導体装置のレイアウトパターン情報とをマッチングすることで、レイアウト上の配線経路を演算処理手段により抽出し、
各パターンに対応した前記配線経路を表示手段に表示することを特徴とする半導体不良解析方法。 - 半導体装置に複数種の電圧設定パターンに基づく電圧を印加した場合の反応状態を、物理解析装置により前記パターン毎の反応情報として取得し、
前記各々の反応情報に対応する反応形状を代表するテンプレートを形成し、
前記テンプレートと前記半導体装置のレイアウトパターン情報とをマッチングすることで、レイアウト上の配線経路を演算処理手段により抽出し、
各パターンに対応した前記抽出された配線経路を重畳した場合に、配線密度の程度に基づく密集分布を表示手段に表示することを特徴とする半導体不良解析方法。 - 請求項13に記載の半導体不良解析方法であって、
前記配線経路を重畳した場合に、同電位の配線経路が密となる個所を削除して演算処理した結果の密度分布を表示させることを特徴とする半導体不良解析方法。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の半導体不良解析用のCADツールであって、
前記配線経路を電圧印加位置方向に遡上するときに、予め欠陥による中間電位伝搬現象をモデル化した故障辞書を参照して、故障の可能性の高い配線を選別して遡上することを特徴とする半導体不良解析用のCADツール。 - 請求項5から7のいずれか一項に記載の半導体不良解析方法であって、
前記配線経路を電圧印加位置方向に遡上するときに、予め欠陥による中間電位伝搬現象をモデル化した故障辞書を参照して、故障の可能性の高い配線を選別して遡上することを特徴とする半導体不良解析方法。
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