以下、この発明の蒸気調理器を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1はこの発明の実施の一形態の蒸気調理器1の外観斜視図であり、直方体形状のキャビネット10の正面の上部に操作パネル11を設け、上記キャビネット10の正面の操作パネル11の下側に、下端側の辺を中心に回動する扉12を設けている。上記扉12の上部にハンドル13を設け、上記扉12に耐熱ガラス製の窓14を設けている。
また、図2は上記蒸気調理器1の扉12を開いた状態の外観斜視図を示しており、上記キャビネット10内に直方体形状の加熱室20が設けられている。上記加熱室20は、扉12に面する正面側に開口部20aを有し、加熱室20の側面,底面および天面をステンレス鋼板で形成している。また、上記扉12は、加熱室20に面する側をステンレス鋼板で形成している。上記加熱室20の周囲および扉12の内側に断熱材(図示せず)を配置して、加熱室20内と外部とを断熱している。
また、上記加熱室20の底面に、ステンレス製の受皿21が置かれ、受皿21上に被加熱物を載置するためのステンレス鋼線製のラック24(図3に示す)が置かれる。さらに、上記加熱室20の両側面に、長手方向が略水平の略長方形状の側面蒸気吹出口22(図2では一方のみを示す)を設けている。
図3は上記蒸気調理器1の基本構成を示す概略構成図を示している。図3に示すように、上記蒸気調理器1は、加熱室20と、蒸気用の水を貯める水タンク30と、上記水タンク30から供給された水を蒸発させる蒸気発生装置40と、上記蒸気発生装置40からの蒸気を加熱する蒸気昇温装置50と、上記蒸気発生装置40や蒸気昇温装置50などを制御する制御装置80とを備える。
上記加熱室20内に置かれた受皿21上に格子状のラック24を載置し、そのラック24の略中央に被加熱物90が置かれる。
また、水タンク30の下側に設けられた接続部30aを、第1給水パイプ31の一端に設けられた漏斗形状の受入口31aに接続している。上記第1給水パイプ31から分岐して上方に延びる第2給水パイプ32の他端にポンプ35の吸込側を接続し、そのポンプ35の吐出側に第3給水パイプ33の一端を接続している。また、上記第1給水パイプ31から分岐して上方に延びる水位センサ用パイプ38の上端に水タンク用水位センサ36を配設している。さらに、上記第1給水パイプ31から分岐して上方に延びる大気開放用パイプ37の上端を後述する排気ダクト65に接続している。
そして、上記第3給水パイプ33は、垂直に配置された部分から略水平に屈曲するL字形状をしており、第3給水パイプ33の他端に補助タンク39を接続している。上記補助タンク39の下端に第4給水パイプ34の一端を接続し、その第4給水パイプ34の他端を蒸気発生装置40の下端に接続している。また、上記蒸気発生装置40の第4給水パイプ34が接続された下端に、排水バルブ70の一端を接続している。そして、排水バルブ70の他端に排水パイプ71の一端を接続し、排水パイプ71の他端に排水タンク72を接続している。なお、上記補助タンク39の上部は、大気開放用パイプ37と排気ダクト65を介して大気に連通している。
上記水タンク30が接続されると、水タンク30内の水は、水タンク30と同水位になるまで大気開放用パイプ37内に水が上昇する。上記水タンク用水位センサ36につながる水位センサ用パイプ38は先端が密閉されているため、水位は上がらないが、水タンク30の水位に応じて水位センサ用パイプ38の密閉された空間の圧力は大気圧から上昇する。この圧力変化を、水タンク用水位センサ36内の圧力検出素子(図示せず)により検出することにより、水タンク30内の水位が検出される。ポンプ35の静止中の水位測定では、大気開放用パイプ37は不要であるが、ポンプ35の吸引圧力が直接圧力検出素子に働いて水タンク30の水位検出の精度が低下するのを防止するため、開放端を有する大気開放用パイプ37を用いている。
また、上記蒸気発生装置40は、下側に第4給水パイプ34の他端が接続されたポット41と、上記ポット41内の底面近傍に配置されたヒータ部42と、上記ポット41内のヒータ部42の上側近傍に配置された水位センサ43と、上記ポット41の上側に取り付けられた蒸気吸引エジェクタ44とを有している。そして、加熱室20の側面上部に設けられた吸込口25の外側にファンケーシング26を配置している。上記ファンケーシング26に配置された送風ファン28により、加熱室20内の蒸気は、吸込口25から吸い込まれる。吸い込まれた蒸気は、第1パイプ61と第2パイプ62を介して蒸気発生装置40の蒸気吸引エジェクタ44の入口側に送り込まれる。上記第1パイプ61は、略水平に配置されており、一端がファンケーシング26に接続されている。また、上記第2パイプ62は、略垂直に配置されており、一端が第1パイプ61の他端に接続され、他端が蒸気吸引エジェクタ44のインナーノズル45の入口側に接続されている。
上記蒸気吸引エジェクタ44は、インナーノズル45の外側を包み込むアウターノズル46を備えており、インナーノズル45の吐出側がポット41の内部空間と連通している。そして、上記蒸気吸引エジェクタ44のアウターノズル46の吐出側を第3パイプ63の一端に接続し、その第3パイプ63の他端に蒸気昇温装置50を接続している。
上記ファンケーシング26,第1パイプ61,第2パイプ62,蒸気吸引エジェクタ44,第3パイプ63および蒸気昇温装置50で外部循環路60を形成している。また、上記加熱室20の側面の下側に設けられた放出口27に放出通路64の一端を接続し、放出通路64の他端を排気ダクト65の一端に接続している。上記排気ダクト65の他端に排気口66を設けている。蒸気放出通路64の排気ダクト65側にラジエータ69を外嵌して取り付けている。そして、上記外部循環路60を形成する第1パイプ61,第2パイプ62との接続部を、排気通路67を介して排気ダクト65に接続している。上記排気通路67の第1,第2パイプ61,62の接続側に、排気通路67を開閉するダンパ68を配置している。
また、上記蒸気昇温装置50は、加熱室20の天井側かつ略中央に、開口を下側にして配置された皿型ケース51と、上記皿型ケース51内に配置された第1蒸気加熱ヒータ52と、上記皿型ケース51内に配置された第2蒸気加熱ヒータ53とを有している。上記皿型ケース51の底面は、加熱室20の天井面に設けられた金属製の天井パネル54で形成されている。上記天井パネル54には、複数の天井蒸気吹出口55を形成している。また、上記天井パネル54は、上下両面が塗装などにより暗色に仕上げられている。なお、使用を重ねることにより暗色に変色する金属素材や暗色のセラミック成型品によって天井パネル54を形成してもよい。
さらに、上記蒸気昇温装置50は、加熱室20の左右両側に延びる蒸気供給通路23(図3では一方のみを示す)の一端が夫々接続されている。そして、上記蒸気供給通路23の他端は、加熱室20の両側面に沿って下方に延び、加熱室20の両側面かつ下側に設けられた側面蒸気吹出口22に接続されている。
次に、図4,図5を用いて上記蒸気発生装置40について詳細に説明する。
まず、図4(a)は上記蒸気発生装置40のポット41を上方から見た平面図であり、図4(b)は図4(a)のIV−IV線から見たポット41の断面図である。
図4(a),(b)に示すように、ポット41は、水平面図が略長方形状の筒部41aと、上記筒部41aの下側に設けられ、中央に向かって徐々に低くなる傾斜面からなる底部41bと、上記底部41bの略中央に設けられた給水口41cとを有している。上記ポット41の平面形状は、縦横比が1:2.5であるが、細長い形状、つまり長方形状や楕円形状であればよい。もっとも、長方形の場合の縦横比が1/2であるのが好ましく、1/2.5であればより好ましく、1/3以下であればさらに好ましい。
上記ポット41内の底部41b近傍にヒータ部42を配置しており、そのヒータ部42は、U字形状の大管径のシーズヒータである第1蒸気発生ヒータ42Aと、そのU字形状の第1蒸気発生ヒータ42Aの内側に略同一水平面上に配置されたU字形状の小管径のシーズヒータである第2蒸気発生ヒータ42Bで構成されている。上記ヒータ部42は、ポット41の筒部41aの側壁に沿って近接して配置されており、ヒータ部42の外縁と筒部41aの側壁の最短距離は2mm〜5mmとしている。また、ヒータ部42の下端は、ポット41の底部41bに近接して配置されており、ヒータ部42の最下部とポット41の底部41bの最短距離は2mm〜5mmとしている。
この実施の形態では、第1蒸気発生ヒータ42Aは700Wの大管径のシーズヒータを用い、第2蒸気発生ヒータ42Bは300Wの小管径のシーズヒータを用いている。上記第1蒸気発生ヒータ42Aは、略半円弧形状の湾曲部42Aaと、その湾曲部42Aaの両端から略平行に延びる2ヶ所の直線部42Ab,42Acとを有している。また、上記第2蒸気発生ヒータ42Bは、略半円弧形状の湾曲部42Baと、その湾曲部42Baの両端から略平行に延びる2ヶ所の直線部42Bb,42Bcとを有している。上記第1蒸気発生ヒータ42Aの湾曲部42Aaは、使用する大管径のシーズヒータにより定まる最小曲率半径r1となっており、第2蒸気発生ヒータ42Bの湾曲部42Baは、使用する小管径のシーズヒータにより定まる最小曲率半径r2(<r1)となっている。
上記ポット41内のヒータ部42の上側近傍かつ第2蒸気発生ヒータ42Bの内側の非発熱部(図4(a)のC領域)側の側壁に、水位センサ43を配置している。また、上記ポット41内に水位センサ43の周りを囲む断面コの字形状の仕切板47を設けている。上記仕切板47は、ポット41内の側壁とで断面長方形状の筒体を形成している。上記仕切板47の下端は、ポット41の底部41bより上側かつ第1,第2蒸気発生ヒータ42A,42Bの最下部よりも下側に位置する。一方、上記仕切板47の上端は、ヒータ部42の最下部から水位センサ43の取り付け位置までの高さの2倍以上の高さにしている。また、上記ポット41内の水位センサ43に対向する側壁に温度センサ48を配置している。
上記水位センサ43は、自己加熱サーミスタであり、水中では、20℃〜100℃の水の温度に応じて100℃〜140℃程度の温度が検出され、空気中では、略140℃〜150℃前後の温度が検出される。そして、温度センサ48により検出された水の温度に基づいて、水位センサ43により検出される温度を判定することにより、水の有無すなわち水位センサ43の取付位置に水があるか否かを判定する。
また、図5(a)は上記蒸気発生装置40の側面図であり、図5(b)は図5(a)のV−V線から見た断面図である。
図5(a),(b)に示すように、内側に第1,第2蒸気発生ヒータ42A,42Bが配置されたポット41の上側開口を覆うように、蒸気吸引エジェクタ44を取り付けている。上記蒸気吸引エジェクタ44のインナーノズル45の入口45aから流入した流体(蒸気)は、インナーノズル45の吐出口45bから吐出され、アウターノズル46の吐出口46aから吐出される。このとき、上記インナーノズル45の吐出側がポット41の内部空間と連通しているので、ポット41内で発生した飽和蒸気は、アウターノズル46の吐出口46a側に引き込まれ、インナーノズル45の吐出口45bから吐出された蒸気と共にアウターノズル46の吐出口46aから吐出される。すなわち、ポット41内の水が沸騰して発生した100℃,1気圧の飽和蒸気は、外部循環路60(図3に示す)を通る循環気流に吸引される。上記蒸気吸引エジェクタ44の構造によって、飽和蒸気は速やかに吸い上げられ、蒸気発生装置40内に圧力がかからないので、飽和蒸気の放出が妨げられることがない。
次に、上記排気通路67を開閉するダンパ68の構造について説明する。このダンパ68は、使用者が、扉12を開いた場合に蒸気にさらされることがないように、瞬時に開く必要がある。このことを実現するために、ダンパ68は図6に示すような構造を有している。図6において、ダンパ68は、排気ダクト65内に設けられている。また、排気ダクト65には、排気通路67への開口部101と放出通路64の取付部102が設けられている。尚、103は、ダンパ駆動装置(図示せず)が収納されるケースである。
上記ダンパ68は、図7に示すように、排気ダクト65の開口部101に内側から密着して開口部101を閉鎖する扉部104と、扉部104の開閉動作を行う動作板105と、動作板105を開方向に付勢する巻きバネ(以下、単にバネと言う)106から概略構成されている。動作板105は折り曲げられてL字型の断面を有しており、一方の面105aには扉部104の裏面側が取り付けられ、他方の面105bには面105aの延在方向と平行な長穴107とバネ106取り付け用の孔108とが設けられている。また、面105bにおける一端側の折り曲げ部近傍には突出面109が設けられ、この突出面109には回転軸挿通用の穴110が穿たれている。
上記バネ106は、弾性を有する金属棒の中央部に少なくとも1重の輪106aを形成すると共に、両端部を輪106aから外側に向かって延在させて取付部106bと固定部106cとを成している。そして、輪106aは、動作板105の突出面109における扉部104側とは反対側に、取り付け用の爪111で取り付け固定されている。さらに、取付部106bの先端部が折り曲げられて、動作板105の面105bに設けられた孔108に挿入されている。こうして、バネ106が動作板105の面105bの外側に取り付けられる。
上記構成を有するダンパ68は、以下のように排気ダクト65内に取り付けられる。排気通路67への開口部101の近傍下部には開口部101と平行に回転軸112が配設されており、この回転軸112に動作板105の穴110がバネ106の輪106aと共に挿通される。そして、ダンパ68は、回転軸112の周りを回動することによって、開口部101を開閉するのである。
上記排気ダクト65の壁とダンパ駆動装置収納用のケース103の壁とは互いに隣接しており、上記両壁には円弧状の円弧穴113,113'が形成されている。この円弧穴113,113'は、点114を中心とする半径rの円弧の1/4の長さを有して、動作板105の面105bに設けられた長穴107を臨むように配置されている。ケース103内に収納されたダンパ駆動装置は、点114を中心とする半径rの円弧上を回動するピン115を有している。そして、このピン115は、ケース103側からケース103の壁の円弧穴113'と排気ダクト65の壁の円弧穴113とを貫通して、排気ダクト65側に突出しており、動作板105の長穴107に挿通されている。上記ダンパ駆動装置はモータを内蔵しており、ピン115は、上記モータの駆動によって、時計回り(矢印(A)の方向)に強制的に点114を中心とする半径rの円弧上を所定角度だけ回転されて停止する。また、上記ダンパ駆動装置は、制御装置からの制御信号によって、ピン115に対するモータの駆動力からの拘束を切り離すクラッチ機構(図示せず)が内蔵されている。
すなわち、本実施の形態においては、上記ダンパ駆動装置で上記ダンパ開閉機構を構成し、上記バネ106で上記ダンパ付勢手段を構成し、上記モータで上記ダンパ閉駆動手段を構成し、上記クラッチ機構で上記伝達切り離し手段を構成しているのである。
上記ダンパ68は以下のように動作する。先ず、ダンパ駆動装置が非動作状態では、ピン115はフリー状態であるから、ダンパ68にはダンパ駆動装置から駆動力が作用しない。したがって、動作板105の面105bは、固定部106cが排気ダクト65の壁面に当接した状態のバネ106による付勢によって回転軸112の周りを回動し、扉部104が開口部101を開放する。この状態でダンパ駆動装置が動作すると、ピン115は上記モータからの駆動力によって円弧状の円弧穴113に沿って回動する。そうすると、ピン115の動きに連れて動作板105の面105bも、回転軸112の周りをバネ106による付勢に抗して回動する。こうして、ピン115が点114を中心とする半径rの円弧上を上記所定角度だけ移動すると、ピン115は停止し、動作板105も停止する。この状態で、扉部104は排気ダクト65の開口部101に内側から密着して開口部101を閉鎖する。
そして、上記制御装置からの制御信号によって、上記クラッチ機構が動作して、ピン115に対する上記モータの駆動力からの拘束が切り離されて、ピン115がフリーの状態になると、動作板105の面105bはバネ106の付勢力によって瞬時に反時計回りに回動し、扉部104が開口部101を開放するのである。
次に、図8に示す上記蒸気調理器1の制御ブロックについて説明する。
図8に示すように、制御装置80には、送風ファン28と、第1蒸気加熱ヒータ52と、第2蒸気加熱ヒータ53と、ダンパ68と、排水バルブ70と、第1蒸気発生ヒータ42Aと、第2蒸気発生ヒータ42Bと、操作パネル11と、水タンク用水位センサ36と、水位センサ43と、加熱室20(図3に示す)内の温度を検出する温度センサ81と、加熱室20内の湿度を検出する湿度センサ82と、ポンプ35が接続されている。
上記制御装置80は、マイクロコンピュータと入出力回路などからなり、水タンク用水位センサ36,水位センサ43,温度センサ81および湿度センサ82からの検出信号に基づいて、送風ファン28,第1蒸気加熱ヒータ52,第2蒸気加熱ヒータ53,ダンパ68,排水バルブ70,第1蒸気発生ヒータ42A,第2蒸気発生ヒータ42B,操作パネル11およびポンプ35を所定のプログラムに従って制御する。
上記構成の蒸気調理器1において、操作パネル11中の電源スイッチ(図示せず)が押されて電源がオンし、操作パネル11の操作により加熱調理の運転を開始する。そうすると、まず、制御装置80は、排水バルブ70を閉ざして、ダンパ68により排気通路67を閉じた状態でポンプ35の運転を開始する。上記ポンプ35により水タンク30から第1〜第4給水パイプ31〜34を介して蒸気発生装置40のポット41内に給水される。そして、上記ポット41内の水位が所定水位に達したことを水位センサ43が検出すると、ポンプ35を停止して給水を止める。
次に、第1,第2蒸気発生ヒータ42A,42Bを通電し、ポット41内に溜まった所定量の水を第1,第2蒸気発生ヒータ42A,42Bにより加熱する。
次に、第1,第2蒸気発生ヒータ42A,42Bの通電と同時、または、ポット41内の水の温度が所定温度に達すると、送風ファン28をオンすると共に、蒸気昇温装置50の第1蒸気加熱ヒータ52を通電する。そうすると、送風ファン28は、加熱室20内の空気(蒸気を含む)を吸込口25から吸い込み、外部循環路60に空気(蒸気を含む)を送り出す。上記送風ファン28に遠心ファンを用いているので、プロペラファンに比べて高圧を発生させることができる。さらに、送風ファン28に用いる遠心ファンを直流モータで高速回転させることによって、循環気流の流速を極めて速くすることができる。
次に、上記蒸気発生装置40のポット41内の水が沸騰すると、飽和蒸気が発生し、発生した飽和蒸気は、蒸気吸引エジェクタ44のところで外部循環路60を通る循環気流に合流する。上記蒸気吸引エジェクタ44から出た蒸気は、第3パイプ63を介して高速で蒸気昇温装置50に流入する。
そして、上記蒸気昇温装置50に流入した蒸気は、第1蒸気加熱ヒータ52により加熱されて略300℃(調理内容により異なる)の過熱蒸気となる。この過熱蒸気の一部は、下側の天井パネル54に設けられた複数の天井蒸気吹出口55から加熱室20内の下方に向かって噴出する。また、過熱蒸気の他の一部は、蒸気昇温装置50の左右両側に設けられた蒸気供給通路23を介して加熱室20の両側面の側面蒸気吹出口22から噴出する。
これにより、上記加熱室20の天井側から噴出した過熱蒸気が中央の被加熱物90側に向かって勢いよく供給されると共に、加熱室20の左右の側面側から噴出した過熱蒸気は、受皿21に衝突した後、被加熱物90の下方から被加熱物90を包むように上昇しながら供給される。それによって、上記加熱室20内において、中央部では吹き下ろし、その外側では上昇するという形の対流が生じる。そして、対流する蒸気は、順次吸込口25に吸い込まれて、外部循環路60を通って再び加熱室20内に戻るという循環を繰り返す。
このようにして上記加熱室20内で過熱蒸気の対流を形成することにより、加熱室20内の温度,湿度分布を均一に維持しつつ、蒸気昇温装置50からの過熱蒸気を天井蒸気吹出口55と側面吹出口22から噴出して、ラック24上に載置された被加熱物90に効率よく衝突させることが可能となる。そうして、過熱蒸気の衝突により被加熱物90を加熱する。このとき、上記被加熱物90の表面に接触した過熱蒸気は、被加熱物90の表面で結露するときに潜熱を放出することによっても被加熱物90を加熱する。これにより、過熱蒸気の大量の熱を確実にかつ速やかに被加熱物90全面に均等に与えることができる。したがって、むらがなく仕上がりよい加熱調理を実現することができる。
また、上記加熱調理の運転において、時間が経過すると、加熱室20内の蒸気量が増加し、量的に余剰となった分の蒸気は、放出口27から放出通路64,排気ダクト65を介して排気口66から外部に放出される。このとき、放出通路64に設けたラジエータ69により放出通路64を通過する蒸気を冷却して結露させることによって、外部に蒸気がそのまま放出されるのを抑制している。上記ラジエータ69により放出通路64内で結露した水は、放出通路64内を流れ落ちて受皿21に導かれ、調理により発生した水と共に調理終了後に処理する。
調理終了後、制御装置80により操作パネル11に調理終了のメッセージを表示し、さらに操作パネル11に設けられたブザー(図示せず)により合図の音を鳴らす。それにより、調理終了を知った使用者が扉12を開けると、制御装置80は、扉12が開いたことをセンサ(図示せず)により検知して、排気通路67のダンパ68を瞬時に開く。それにより、外部循環路60の第1パイプ61が排気通路67を介して排気ダクト65に連通し、加熱室20内の蒸気は、送風ファン28により吸込口25,第1パイプ61,排気通路67および排気ダクト65を介して排気口66から排出される。このダンパ動作は、調理中に使用者が扉12を開いても同様である。したがって、使用者は、蒸気にさらされることなく、安全に被加熱物90を加熱室20内から取り出すことができる。
このように、上記蒸気発生装置40のポット41内の底部41b近傍かつ略同一水平面上にヒータ部42を配置することによって、ポット41内に供給される水の水位を、ポット41の底部41bからヒータ部42の上部のわずか上側までとすることが可能となる。したがって、ポット41内の水位を、ポット41の底部41bからヒータ部42の上部のわずか上側までとし、水位を可能な限り低くすることによって、ヒータ部42により加熱するポット41内の水量をできるだけ少なくでき、蒸気発生装置40による蒸気発生の立ち上がりを早くすることができる。上記蒸気発生装置40による蒸気発生の立ち上がりを早くすることにより、過熱蒸気の立ち上がりを早くでき、調理時間を短縮することができる。特に、長時間運転を停止した後の最初の加熱調理時において、停止中に予熱などを行うことなく、加熱室20に供給する過熱蒸気の立ち上がりを早くできるので、調理時間の短縮化の効果が顕著である。
また、上記蒸気発生装置40の平面形状が細長い形状(この実施形態では略長方形)のポット41内にヒータ部42が配置され、そのヒータ部42として用いられるシーズヒータ(42A,42B)をポット41の側壁に沿うように配置することによって、ヒータ部42の外縁で囲まれる領域の占有面積が小さくなり、ポット41内のヒータ占有床面積(または水面の面積)に対するヒータ電力を高くすることができると共に、ポット41の平面形状の面積も小さくすることができる。したがって、上記ポット41内のヒータ占有床面積(または水面の面積)に対するヒータ電力を高くし、さらにポット41の平面形状の面積も小さくして水量を低減することにより、蒸気発生装置40による蒸気の発生をより早く立ち上げることができる。
また、上記U字形状の大管径のシーズヒータである第1蒸気発生ヒータ42Aと、その第1蒸気発生ヒータ42Aの内側に略同一平面上に配置されたU字形状の小管径のシーズヒータである第2蒸気発生ヒータ42Bにおいて、湾曲部42Baの曲率半径を、シーズヒータの管径などにより定まる最小曲率半径にすることによって、ヒータ部42への投入電力が同一の条件であれば、径の異なる2種類のシーズヒータで構成されるヒータ部42の外縁で囲まれる領域の占有面積を、ポット41内のヒータ占有床面積(または水面の面積)に対するヒータ電力が最も高くなるように小面積化ができる。上記ポット41内のヒータ占有床面積(または水面の面積)に対するヒータ電力を高くすることにより、上記蒸気発生装置による蒸気発生の立ち上がりをさらに早くすることができる。また、上記大電力(700W)の第1蒸気発生ヒータ42Aと小電力(300W)の第2蒸気発生ヒータ42Bの通電を制御装置80により切り換えることによって、その組み合わせにより蒸気発生のために投入される電力を制御することが可能となり、調理内容に応じた蒸気発生が可能となる。
上記実施の形態では、シーズヒータを用いたが、加熱平面を有するカートリッジヒータなどを用いてもよい。
また、上記実施の形態では、蒸気発生装置40においてU字形状の大管径のシーズヒータである第1蒸気発生ヒータ42Aと、その内側に配置されたU字形状の小管径のシーズヒータである第2蒸気発生ヒータ42Bとを有するヒータ部42を用いたが、ヒータ部の形状はこれに限らず、ポット内の底部近傍に配置された略同一水平面上のヒータ部であればよい。
例えば、図9に示すヒータ部90のような形状であってもよい。このヒータ部90は、図9に示すように、直線部90aと、半円弧形状の湾曲部90bと、直線部90cと、半円弧形状の湾曲部90dと、直線部90eと、湾曲部90b,90dよりも曲率半径の小さい半円弧形状の湾曲部90fと、直線部90gとを有するシーズヒータである。上記内側の半円弧形状の湾曲部90fの曲率半径r3が、シーズヒータの最小曲率半径となるようにしている。この場合、湾曲部90dの下側に直線部90gの一部が位置するが、ヒータ部90の主要部が略同一水平面上に配置されていればよい。
また、上記ダンパ68を排気ダクト65内に設けると共に、モータを内蔵したダンパ駆動装置によって回転駆動することによって、バネ106による付勢に抗して排気ダクト65の内側から排気ダクト65の開口部101を閉鎖する。そして、制御装置80からの制御信号によって、ダンパ駆動装置による拘束から解除されると、バネ106の付勢力によって瞬時に開口部101を開放するようにしている。したがって、制御装置80が使用者の扉12を開放する意志を検知すると瞬時に確実に加熱室20内の過熱蒸気を排出することができ、過熱蒸気が庫外に吹き出して、使用者が火傷を負う等の危険を防止することができる。
上記実施の形態では、上記ダンパ68を迅速に開放する手段としてバネ106の付勢力を用いているが、特にこれに限定されるものではない。例えば、プランジャの電磁力等を用いることもできる。また、シャッタ方式や過熱蒸気の圧力そのものを利用することも可能ではある。