JP4192488B2 - スイッチング電源回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種電子機器に電源として備えられるスイッチング電源回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スイッチング電源回路として、例えばフライバックコンバータやフォワードコンバータなどの形式のスイッチングコンバータを採用したものが広く知られている。これらのスイッチングコンバータはスイッチング動作波形が矩形波状であることから、スイッチングノイズの抑制には限界がある。また、その動作特性上、電力変換効率の向上にも限界があることがわかっている。
そこで、先に本出願人により、各種共振形コンバータによるスイッチング電源回路が各種提案されている。共振形コンバータは容易に高電力変換効率が得られると共に、スイッチング動作波形が正弦波状となることで低ノイズが実現される。また、比較的少数の部品点数により構成することができるというメリットも有している。
【0003】
ここでは先行技術として、図23、図27、図28の回路例を挙げる。
図23は一次側の電圧共振コンバータと二次側電圧共振回路を組み合わせた複合共振形コンバータである。
図27及び図28は、一次側に電流共振コンバータ及び部分電圧共振回路を備えた共振形コンバータである。
【0004】
まず、先行技術となる図23のスイッチング電源回路を説明する。
この図に示す電源回路においては、商用交流電源(交流入力電圧VAC)を入力して直流入力電圧を得るための整流平滑回路として、ブリッジ整流回路Di及び平滑コンデンサCiからなる全波整流平滑回路が備えられ、交流入力電圧VACの等倍のレベルに対応する整流平滑電圧Eiを生成するようにされる。
【0005】
この電源回路に備えられる電圧共振形のスイッチングコンバータは、1石のスイッチング素子Q1を備えた自励式の構成を採っている。この場合、スイッチング素子Q1には、800V耐圧のバイポーラトランジスタ(BJT;接合型トランジスタ)が採用されている。
【0006】
スイッチング素子Q1のベースと一次側アース間には、駆動巻線NB、共振コンデンサCB、ベース電流制限抵抗RBの直列接続回路よりなる自励発振駆動用の直列共振回路が接続される。
また、スイッチング素子Q1のベースは、ベース電流制限抵抗RB−起動抵抗RSを介して平滑コンデンサCi(整流平滑電圧Ei)の正極側にも接続されており、起動時のベース電流を整流平滑ラインから得るようにしている。
【0007】
また、スイッチング素子Q1のベースと平滑コンデンサCiの負極(1次側アース)間に挿入されるクランプダイオードDDにより、スイッチング素子Q1のオフ時に流れるクランプ電流の経路を形成するようにされており、また、スイッチング素子Q1のコレクタは、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1の一端と接続され、エミッタは一次側アースに対して接地される。
【0008】
また、上記スイッチング素子Q1のコレクタ−エミッタ間に対しては、並列共振コンデンサCrが並列に接続されている。この並列共振コンデンサCrは、自身のキャパシタンスと、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1側のリーケージインダクタンスL1とにより電圧共振形コンバータの一次側並列共振回路を形成する。そして、ここでは詳しい説明を省略するが、スイッチング素子Q1のオフ時には、この並列共振回路の作用によって並列共振コンデンサCrの両端電圧VQ1は、実際には正弦波状のパルス波形となって電圧共振形の動作が得られるようになっている。
【0009】
この図に示す直交形制御トランスPRTは、共振電流検出巻線NA、駆動巻線NB、及び制御巻線NCが巻装された可飽和リアクトルである。この直交形制御トランスPRTは、スイッチング素子Q1を駆動すると共に、定電圧制御のために設けられる。
この直交形制御トランスPRTの構造としては、図示は省略するが、4本の磁脚を有する2つのダブルコの字形コアの互いの磁脚の端部を接合するようにして立体型コアを形成する。そして、この立体型コアの所定の2本の磁脚に対して、同じ巻装方向に共振電流検出巻線NA、駆動巻線NBを巻装し、更に制御巻線NCを、上記共振電流検出巻線ND及び駆動巻線NBに対して直交する方向に巻装して構成される。
【0010】
この場合、直交形制御トランスPRTの共振電流検出巻線NAは、平滑コンデンサCiの正極と絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1との間に直列に挿入される。これにより、スイッチング素子Q1のスイッチング出力は、一次巻線N1を介して共振電流検出巻線NAに伝達される。直交形制御トランスPRTにおいては、共振電流検出巻線NAに得られたスイッチング出力がトランス結合を介して駆動巻線NBに誘起されることで、駆動巻線NBにはドライブ電圧としての交番電圧が発生する。このドライブ電圧は、自励発振駆動回路を形成する直列共振回路(NB,CB)からベース電流制限抵抗RBを介して、ドライブ電流としてスイッチング素子Q1のベースに出力される。これにより、スイッチング素子Q1は、直列共振回路の共振周波数により決定されるスイッチング周波数でスイッチング動作を行うことになる。
【0011】
絶縁コンバータトランスPITは、スイッチング素子Q1のスイッチング出力を二次側に伝送する。
この場合、絶縁コンバータトランスPITは、例えば図24に示すように、フェライト材によるE型コアCR1、CR2を互いの磁脚が対向するように組み合わせたEE型コアが備えられる。そして、一次側と二次側の巻装領域が互いに独立するようにして分割された上で一体化されたボビンBに対して、一次巻線N1と、二次巻線N2をそれぞれの巻装領域に巻装している。なお、一次巻線N1及び二次巻線N2は、それぞれ60μmmφのリッツ線をガラ巻きにより巻装している。そして、中央磁脚に対しては図のように0.5〜1mm程度のギャップGを形成するようにしている。これによって、結合係数kとしては、例えばk≒0.8程度による疎結合の状態を得るようにしている。
【0012】
絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1の一端は、スイッチング素子Q1のコレクタと接続され、他端は共振電流検出巻線NAの直列接続を介して平滑コンデンサCiの正極(整流平滑電圧Ei)と接続されている。
【0013】
絶縁コンバータトランスPITの二次側では、一次巻線N1により誘起された交番電圧が二次巻線N2に発生する。
この場合、二次巻線N2に対しては、二次側並列共振コンデンサC2が並列に接続されることで、二次巻線N2のリーケージインダクタンスL2と二次側並列共振コンデンサC2のキャパシタンスとによって並列共振回路が形成される。この並列共振回路により、二次巻線N2に誘起される交番電圧は共振電圧となる。つまり二次側において電圧共振動作が得られる。
即ち、この電源回路では、一次側にはスイッチング動作を電圧共振形とするための並列共振回路が備えられ、二次側には電圧共振動作を得るための並列共振回路が備えられた、「複合共振形スイッチングコンバータ」としての構成を有する。
【0014】
並列共振回路を形成する二次巻線N2に対してはブリッジ整流ダイオードDBRが接続される。このブリッジ整流ダイオードDBRと平滑コンデンサCOにより全波整流回路が形成されることで、平滑コンデンサCOの両端電圧として、二次側直流出力電圧EOが生成される。なお、この直流出力電圧EOは制御回路1に対して、検出電圧として分岐して入力される。
【0015】
制御回路1では、入力された二次側直流出力電圧EOのレベルを検出して、このレベル変化に応じて、制御巻線NCに流すべき直流電流である制御電流のレベルを可変する。
このようにして可変された制御電流のレベルに応じて、直交形制御トランスPRTでは、駆動巻線NBのインダクタンスLBが可変されることになる。これにより、駆動巻線NBのインダクタンスLBを含んで形成されるスイッチング素子Q1のための自励発振駆動回路内の直列共振回路の共振条件が変化するが、これは、スイッチング素子Q1のスイッチング周波数を可変する動作となる。
そして、上記のようにしてスイッチング周波数が可変制御されると、これに応じて、一次側並列共振回路(N1//Cr)と二次側並列共振回路(N2//C2)の共振インピーダンスが変化して、絶縁コンバータトランスPITの一次側から二次側に伝送される交番電圧レベルも変化することになる。この結果、二次巻線N2に得られた交番電圧レベルを元として生成される二次側直流出力電圧EO1のレベルも可変されることとなる。このような動作によって二次側の直流出力電圧を安定化する。
【0016】
図26に各部の動作波形を示す。
なお各部は次のように選定される。
一次巻線N1=45T(ターン):60μm/130束のリッツ線
二次巻線N2=45T(ターン):60μm/130束のリッツ線
ギャップG=1mm、結合係数k=0.81
一次側並列共振コンデンサCr=6800pF
二次側並列共振コンデンサC2=0.01μF
【0017】
スイッチング素子Q1のスイッチング動作は、スイッチング素子Q1のコレクタ−エミッタ間電圧VQ1及びコレクタ電流IQ1により示される。つまり、スイッチング素子Q1がオフとなる期間TOFFにおいては、コレクタ電流IQ1は0レベルになると共に、コレクタ−エミッタ間電圧VQ1としては、一次側電圧共振回路による電圧共振パルス電圧が得られる。
これに対して、スイッチング素子Q1がオンとなる期間TONにおいては、図示する波形によりコレクタ電流IQ1が流れると共に、コレクタ−エミッタ間電圧VQ1は0レベルとなる。
このようなスイッチング動作により、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1には図示するように電流I1が流れ、またそれに応じて二次巻線N2に電流I2が流れる。二次側共振電圧V2は図示するようになる。
このとき、二次側のブリッジ整流ダイオードDBRに流れる電流ID0は、図示するように正負非対称となる。このため図24に示したように一対のE型コアCR1,CR2にはギャップGを形成しておかなければフェライト磁心の偏磁によってフェライト磁心が飽和し、スイッチング素子Q1の破壊のおそれが生ずる。
従って、交流入力電圧VACが100V系で負荷電力Poが200Wの場合、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1に流れる一次電流I1が過大である。例えば電流I1=8A(P-P)、スイッチング素子Q1のコレクタ電流IQ1=4A(P-P)である。
図25に負荷電力Poの変動に対するAC/DC電力変換効率(ηAC/DC)及びスイッチング周波数fsの変化特性を示しているが、負荷電力Po=200Wの場合のAC/DC電力変換効率(ηAC/DC)は91%程度となる。
【0018】
なお、入力倍電圧整流回路を備えるようにし、またスイッチング素子Q1の耐圧を1500Vとすれば、AC/DC電力変換効率(ηAC/DC)は92%程度とすることができるが、この場合、平滑コンデンサCiが2つ必要であることや高耐圧のスイッチング素子Q1及び平滑コンデンサが必要であることにより大幅なコストアップが生ずる。
【0019】
次に一次側に電流共振コンバータ及び部分電圧共振回路を備えた共振形コンバータとしての先行技術である図27のスイッチング電源回路を説明する。
この図27に示す電源回路の基本構成としては、一次側スイッチングコンバータとして自励式の電流共振形コンバータを備えている。
【0020】
この図に示す電源回路において、商用交流電源から直流入力電圧(整流平滑電圧Ei)を生成するための整流回路系としては、図示するようにして、2本の低速リカバリ型の整流ダイオードD1,D2と、2本の平滑コンデンサCi1,Ci2を接続することで、倍電圧整流回路を形成している。これにより、直列接続された2本の平滑コンデンサCi1−Ci2の両端には、交流入力電圧VACの2倍のレベルに対応する整流平滑電圧Eiが得られる。この整流平滑電圧Eiが、後段のスイッチングコンバータに対して直流入力電圧として供給される。
【0021】
この図に示す電源回路のスイッチングコンバータは電流共振形とされ、図のように2つのスイッチング素子Q1,Q2をハーフブリッジ結合により接続している。この場合、スイッチング素子Q1,Q2については、バイポーラトランジスタが選定されている。
スイッチング素子Q1のベースに対しては、ベース電流制限抵抗RB1−共振用コンデンサCB1−駆動巻線NB1を直列接続して成る自励発振駆動回路が接続される。スイッチング素子Q1のベース−エミッタ間には、ダンパーダイオードDD1が図示する方向によって接続される。また、スイッチング素子Q1のコレクタ−ベース間には、起動時の電流をベースに流すための起動抵抗Rs1が接続される。
同様にして、スイッチング素子Q2のベースに対しては、ベース電流制限抵抗RB2−共振用コンデンサCB2−駆動巻線NB2を直列接続して成る自励発振駆動回路が接続される。また、ベース−エミッタ間には、ダンパーダイオードDD2が接続され、コレクタ−ベース間には起動抵抗Rs2が接続される。
【0022】
ここで、スイッチング素子Q1側の自励発振駆動回路を形成する共振用コンデンサCB1のキャパシタンスと駆動巻線NB1のインダクタンスによっては直列共振回路が形成される。同様にして、スイッチング素子Q2側の自励発振駆動回路を形成する共振用コンデンサCB2のキャパシタンスと駆動巻線NB2のインダクタンスによっても直列共振回路が形成される。そして、これら直列共振回路の共振周波数によって決定されるスイッチング周波数によって、スイッチング素子Q1,Q2が自励式でスイッチング駆動されることになる。また、後述するように、ドライブトランスPRTにおいては、駆動巻線NB1,NB2が互いに逆極性となる交番電圧が励起されるようになっていることから、スイッチング素子Q1,Q2は、交互にオン/オフするようにして、スイッチング動作を行う。
【0023】
また、スイッチング素子Q2 のコレクタ−エミッタ間に対しては、並列に部分共振コンデンサCpが接続されている。
この部分共振コンデンサCpのキャパシタンスと一次巻線N1のリーケージインダクタンス成分L1によっては並列共振回路(部分電圧共振回路)を形成する。そして、スイッチング素子Q1,Q2のターンオフ時にのみ電圧共振する、部分電圧共振動作が得られるようになっている。
【0024】
ドライブトランスPRT (Power Regulating Transformer)はスイッチング素子Q1,Q2をスイッチング駆動すると共に、定電圧制御のためにスイッチング周波数を可変制御するために備えられる。
そして、このドライブトランスPRTは、駆動巻線NB1,NB2及び共振電流検出巻線NAを巻回するとともに、更にこれらの各巻線に対して制御巻線Ncが直交する方向に巻回された可飽和リアクトルとされている。なお、駆動巻線NB1と、駆動巻線NB2は、互いに逆極性の電圧が励起されるようになっている。
【0025】
絶縁コンバータトランスPIT (Power Isolation Transformer)はスイッチング素子Q1 、Q2のスイッチング出力を二次側に伝送する。
この絶縁コンバータトランスPITは、上記図24と同様の構造とされ、一対のE型コアCR1,CR2の中央磁脚にはギャップGが形成され、一次巻線N1と二次巻線N2では例えばk≒0.8程度による疎結合の状態を得るようにしている。
絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1の一端は、共振電流検出巻線NAを介して、スイッチング素子Q1のエミッタとスイッチング素子Q2のコレクタとの接点(スイッチング出力点)に接続されることで、スイッチング出力が得られるようにされる。
【0026】
また、この場合には、一次巻線N1の他端は直列共振コンデンサC1を介して一次側アースに接続されている。そして、上記直列共振コンデンサC1のキャパシタンスと、一次巻線N1を含む絶縁コンバータトランスPITのインダクタンス成分により、一次側スイッチングコンバータの動作を電流共振形とするための一次側直列共振回路を形成している。
このようにして、この図に示す一次側スイッチングコンバータとしては、電流共振形としての動作と、前述した部分電圧共振動作とが複合的に得られていることになる。
【0027】
また、この場合の絶縁コンバータトランスPITの二次側には、二次巻線N2と、この二次巻線N2よりも巻き数(ターン数)の少ない二次巻線N3が巻装されている。
二次巻線N2に対しては、図示するようにしてブリッジ整流回路DBR及び平滑コンデンサCO1が接続されることで、全波整流動作によって、平滑コンデンサCO1の両端に二次側直流出力電圧EO1が得られるようになっている。
また、二次巻線N3は、センタータップを施した上で、図示するようにして整流ダイオードDO3,DO4、及び平滑コンデンサCO2を接続することによって全波整流回路が形成され、平滑コンデンサCO2の両端に二次側直流出力電圧EO2を生成するようにされる。これら二次側直流出力電圧EO1,EO2は、それぞれ図示しない負荷に対して供給される。また、二次側直流出力電圧EO1は、制御回路1のための検出電圧としても分岐して入力される。
【0028】
制御回路1では、二次側直流出力電圧EO1のレベル変化に応じて、制御巻線NCに流す制御電流(直流電流)レベルを可変することで、直交形制御トランスPRTに巻装された駆動巻線NBのインダクタンスLBを可変制御する。これにより、駆動巻線NBのインダクタンスLBを含んで形成されるメインスイッチング素子Q1のための自励発振駆動回路内における直列共振回路の共振条件が変化する。これは、メインスイッチング素子Q1のスイッチング周波数を可変する動作となり、この動作によって二次側の直流出力電圧を安定化する。
【0029】
また、同じく一次側に電流共振コンバータ及び部分電圧共振回路を備えた共振形コンバータとして、先に本出願人が提案した発明に基づいて構成することのできるスイッチング電源回路の他の例を、図28の回路図に示す。この図に示す電源回路は、他励式による電流共振形コンバータに対して部分電圧共振回路が組み合わされた共振形コンバータとしての構成を採っている。
なお、この図において図27と同一部分については同一符号を付し、共通となる構成部分については説明を省略する。
【0030】
この図に示す電源回路においては、先ず、商用交流電源ACに対して、ブリッジ整流回路Di及び1本の平滑コンデンサCiから成る全波整流平滑回路が備えられる。従ってこの場合には、全波整流動作によって、平滑コンデンサCiの両端に整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)が得られることになる。この整流平滑電圧Eiは、交流入力電圧VACの等倍に対応したレベルとなる。
【0031】
この場合、上記直流入力電圧を入力してスイッチングする電流共振形コンバータとしては、図示するようにして、MOS−FETによる2本のスイッチング素子Q1,Q2をハーフブリッジ結合により接続している。スイッチング素子Q1,Q2の各ソース−ドレイン間に対しては、図示する方向により、それぞれクランプダイオードDD1,DD2を並列に接続している。
また、スイッチング素子Q2のソース−ドレイン間に対しては、部分共振コンデンサCpを並列に接続することで、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1と共に並列共振回路(部分電圧共振回路)を形成している。これにより、図28に示す電源回路としても部分電圧共振動作が得られることになる。
【0032】
この他励式である電源回路においては、スイッチング素子Q1,Q2をスイッチング駆動するために、例えば汎用のICによる発振ドライブ回路11が設けられる。この発振ドライブ回路11は、スイッチング素子Q1,Q2の各ゲートに対してドライブ信号としてのゲート電圧を印加する。これにより、スイッチング素子Q1,Q2は、所要のスイッチング周波数により交互にオン/オフするようにしてスイッチング動作を行うようにされる。
【0033】
なお、発振ドライブ回路11は、絶縁コンバータトランスPITの一次側に追加的に巻装された低圧巻線N4と、コンデンサC4から成る整流回路によって得られた低圧直流電圧を入力して動作電源としている。また、起動時においては、起動抵抗Rsを介して整流平滑電圧Eiを入力することで起動するようになっている。
【0034】
この図に示す電源回路の絶縁コンバータトランスPITは、図24による説明と同様の構造を有する。つまり、一対のE型コアCR1,CR2の中央磁脚に対してギャップを形成することで、一次側と二次側の結合係数kとしては、k=0.8程度の疎結合の状態が得られるようにしているものである。
【0035】
この場合の制御回路2は、二次側直流出力電圧EO1のレベル変化に応じて可変の直流電流を生成し、フォトカプラPCを介して発振ドライブ回路11に供給する。発振ドライブ回路11では、フォトカプラPCを介して入力された制御回路2の出力に応じて、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数が可変されるようにしてスイッチング駆動する。このようにしてスイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数が可変されることで、二次側直流出力電圧のレベルが安定化されることになる。
【0036】
図29は、図27に示した電源回路における要部の動作をスイッチング周期により示す波形図である。
スイッチング素子Q2のスイッチング動作は、スイッチング素子Q2のコレクタ−エミッタ間電圧VQ2及びコレクタ電流IQ2により示される。つまり、スイッチング素子Q2がオフとなる期間TOFFにおいては、コレクタ電流IQ2は0レベルになると共に、コレクタ−エミッタ間電圧VQ2としては、整流平滑電圧Eiによりクランプされたレベルが得られることになる。
これに対して、スイッチング素子Q2がオンとなる期間TONにおいては、図示する波形によりコレクタ電流IQ2が流れると共に、コレクタ−エミッタ間電圧VQ2は0レベルとなる。そして期間TONにおいてコレクタ電流IQ2が一次巻線N1N1に電流I1として流れるものとなる。
なお、ここでは図示していないが、スイッチング素子Q1は、スイッチング素子Q2と交互となるタイミングでオン/オフ動作していることから、スイッチング素子Q1のコレクタ−エミッタ間電圧、及びコレクタ電流は、スイッチング素子Q2のコレクタ−エミッタ間電圧VQ2及びコレクタ電流IQ2をほぼ180°移相した波形となるものである。したがって、スイッチング素子Q1側がオンとなる期間TOFFにおける一次巻線電流I1の波形部分が、スイッチング素子Q1のコレクタ電流として流れるものとなる。
【0037】
また、スイッチング素子Q2のコレクタ−エミッタ間に対して並列に接続される部分共振コンデンサCpには、図示するようにして、スイッチング素子Q2のターンオフ時に正極性の部分共振電流IC2が流れ、スイッチング素子Q1のターンオフ時(スイッチング素子Q2のターンオン時)に負極性の部分共振電流IC2が流れるようになっており、部分電圧共振動作が得られていることが分かる。
そして、このような動作波形からも分かるように、スイッチング素子Q1,Q2は、ZVS(Zero Voltage Switching:零電圧スイッチング)及びZCS(Zero Current Switching:零電流スイッチング)動作が得られることになって、スイッチング損失の低減が図られている。
【0038】
また、二次巻線N2に対して接続されたブリッジ整流回路DBRの正極入力端子と負極入力端子との間の整流電圧V2は、図示するようにブリッジ整流回路DBRの正/負の各整流電流経路のダイオードが導通するのに応じて、絶対値レベルが二次側直流出力電圧EO1のレベルでクランプされた波形が得られる。
なお、ここでの詳しい説明は省略するが、図28に示した電源回路についても、ほぼ同様の動作波形が得られる。
【0039】
また、図27に示した構成による電源回路の特性として、交流入力電圧VAC=100V、負荷電力Po=0W〜200Wの変動に対する、AC/DC電力変換効率(ηAC/DC)、スイッチング周波数fs、及びスイッチング素子Q2(又はQ1)のオン期間TONを図30に示す。
この図30に示すように、負荷電力Poが重くなって二次側直流出力電圧が低下するのに応じて、スイッチング周波数fsは低下するように制御され、これに応じて期間TONが長くなっていることが分かる。
また、AC/DC電力変換効率(ηAC/DC)は、例えば負荷電力Po=200W時には91.8%、負荷電力Po=150Wでは92.4%となり、この負荷電力Po=150W時において最も高効率な状態が得られている。
【0040】
なお、図27に示す電源回路として、上記図29に示す動作及び図30に示す特性を得るのにあたっては、次のように各部を選定している。
一次巻線N1=二次巻線N2=45T
一次側直列共振コンデンサC1=0.056μF
部分共振コンデンサCp=330pF
【0041】
【発明が解決しようとする課題】
ところで電源回路としては、電力変換効率はできるだけ高いことが好ましい。
ここで、絶縁コンバータトランスPITについては、上記のように、そのコアにギャップを形成し、一次巻線N1と二次巻線N2を疎結合の状態としているが、これは、フェライトコアが磁気飽和状態となりにくいようにするためである。
【0042】
しかしながら、一次側巻線と二次側巻線とを疎結合の状態にしていることから、自ずとAC/DC電力変換効率(ηAC/DC)の向上には限界がある。
図23の回路の場合、交流入力電圧VACが100V系で負荷電力200W程度では、AC/DC電力変換効率(ηAC/DC)は91%程度が限界である。また倍電圧整流回路を採用しても92%が限界である。
交流入力電圧VAVが100V系で負荷電力Poが120W程度の場合は、図28のような全波整流回路Diを用いた電源回路を採用することが考えられるが、AC/DC電力変換効率(ηAC/DC)は、90%程度が限界であり、特に、負荷電力Poが120Wよりも高い場合には、90%以下に低下する。
また、交流入力電圧VAVが100V系で負荷電力Poが150W以上の場合は、図27のような倍電圧整流回路を用いた電源回路を採用することが考えられるが、AC/DC電力変換効率(ηAC/DC)は、92%程度が限界である。
そしてこれら図23,図27,図28の回路では、これ以上の高効率化は不可能とされる。
【0043】
また、絶縁コンバータトランスPITが疎結合の状態とされていることで、絶縁コンバータトランスPITからの漏洩磁束の発生レベルは高くなってしまう。このため、回路の実際としては、絶縁コンバータトランスPITに銅板のショートリングを設けるなどのシールド対策が必要になり、それだけ、絶縁コンバータトランスPITのコストアップ及び大型化を招くことになる。
さらに、絶縁コンバータトランスPITが疎結合の状態にある場合、ギャップG近傍の一次側巻線と二次側巻線とは、いわゆるフリンジ磁束による渦電流損失によって温度上昇しているために、信頼性の点で不利となる。
【0044】
さらに、絶縁コンバータトランスPITの中央磁脚にギャップGを形成するのにあたっては、例えばフェライト材のE型コアの中央磁脚を研磨するようにされる。この場合、絶縁コンバータトランスPITを製造するのに、研磨工程が追加されることとなってしまうので、その分コストアップになってしまうという問題も生じる。
【0045】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は上記した課題を考慮して、スイッチング電源回路として次のように構成することとした。
即ち、交流入力に対して全波整流を行い、平滑コンデンサにより直流入力電圧を得る整流平滑手段と、上記直流入力電圧を断続するスイッチング素子を備えて成るスイッチング手段と、磁脚にギャップを形成していないコアに対して一次側巻線及び二次側巻線を巻装し、上記一次側巻線と二次側巻線とが所要以上の結合係数による密結合の状態となるように形成され、上記一次側巻線に得られる上記スイッチング手段の出力を上記二次側巻線に対して伝送するとともに、上記一次側巻線は、巻数が同数の内側巻線と外側巻線に分離されている絶縁コンバータトランスと、上記内側巻線側のインダクタンス値を上記外側巻線側のインダクタンス値と同等とするために、上記内側巻線に直列であり、かつ上記外側巻線に並列に接続されたインダクタンスと、上記絶縁コンバータトランスの一次側巻線と一次側並列共振コンデンサとにより形成され、上記スイッチング手段の動作を電圧共振形とするように設けられる一次側並列共振回路と、上記絶縁コンバータトランスの二次側巻線に対して、二次側共振コンデンサを接続することで形成される二次側共振回路と、上記二次側共振回路に得られる交番電圧を入力して半波整流動作を行うことで直流出力電圧を得るように構成される直流出力電圧生成手段と、自励発振回路又は他励発振回路により形成され、その発振出力により上記スイッチング素子をスイッチング駆動するスイッチング駆動手段と、上記直流出力電圧のレベルに応じて上記自励発振回路又は上記他励発振回路による発振周波数を制御し、上記スイッチング素子のスイッチング周波数を可変制御することで、上記直流出力電圧についての定電圧制御を行うようにされる定電圧制御手段とを備えたスイッチング電源回路とする。
【0046】
この場合、上記内側巻線と上記外側巻線は、巻方向が逆の逆転捲きとされるようにする。
或いは、上記内側巻線と上記外側巻線は、巻方向が同方向とされるとともに、上記内側巻線と上記外側巻線との間に絶縁材が施されるようにする。
また、上記二次側巻線についても、巻数が同数の内側巻線と外側巻線に分離されるとともに、上記二次側巻線における内側巻線側のインダクタンス値を上記二次側巻線における外側巻線側のインダクタンス値と同等とするために、上記二次側巻線における内側巻線に直列であり、かつ上記二次側巻線における外側巻線に並列に接続されたインダクタンスが備えられるようにする。
そしてこの場合、上記二次側巻線の内側巻線と外側巻線は、巻方向が逆の逆転捲きとされるようにする。
或いは、上記二次側巻線の内側巻線と外側巻線は、巻方向が同方向とされるとともに、上記二次側巻線の内側巻線と外側巻線との間に絶縁材が施されるようにする。
上記絶縁コンバータトランスのコアは、一対のE型コア或いは一対のU型コアで形成されるようにする。
【0047】
また本発明は、交流入力に対して全波整流を行い、平滑コンデンサにより直流入力電圧を得る整流平滑手段と、ハーフブリッジ接続されたスイッチング素子を備えて成り、上記直流入力電圧を断続するスイッチング動作を行うスイッチング手段と、磁脚にギャップを形成していないコアに対して一次側巻線及び二次側巻線を巻装し、上記一次側巻線と二次側巻線とが所要以上の結合係数による密結合の状態となるように形成され、上記一次側巻線に得られる上記スイッチング手段の出力を上記二次側巻線に対して伝送するとともに、上記一次側巻線は、巻数が同数の内側巻線と外側巻線に分離されている絶縁コンバータトランスと、少なくとも、上記絶縁コンバータトランスの一次側巻線の漏洩インダクタンス成分と、上記一次側巻線に直列接続された一次側直列共振コンデンサのキャパシタンスとによって形成され、上記スイッチング手段の動作を電流共振形とする一次側直列共振回路と、上記スイッチング手段を形成する複数のスイッチング素子のうち、所定のスイッチング素子に対して並列に接続される部分共振コンデンサのキャパシタンスと、上記絶縁コンバータトランスの一次側巻線の漏洩インダクタンス成分によって形成され、上記スイッチング手段を形成する複数のスイッチング素子のターンオフ期間に電圧共振動作を行う一次側部分電圧共振回路と、上記絶縁コンバータトランスの二次側巻線の漏洩インダクタンス成分と、この二次側巻線に対して並列に接続される二次側部分電圧共振コンデンサのキャパシタンスとによって形成される二次側部分電圧共振回路と、上記絶縁コンバータトランスの二次側巻線に得られる交番電圧を入力して整流動作を行って、二次側直流出力電圧を生成するように構成された直流出力電圧生成手段と、上記二次側直流出力電圧のレベルに応じて、上記スイッチング手段のスイッチング周波数を可変することで、二次側直流出力電圧に対する定電圧制御を行うように構成された定電圧制御手段とを備えたスイッチング電源回路とする。
【0048】
この場合、インダクタンスを、上記内側巻線に直列で、かつ上記外側巻線に並列に接続することで、上記内側巻線側のインダクタンス値と上記外側巻線側のインダクタンス値とを同等とする。
或いは、一次側直列共振コンデンサとして、上記内側巻線に直列接続される第1のコンデンサと、上記外側巻線に直列接続される第2のコンデンサが設けられ、上記第1のコンデンサと上記第2のコンデンサは、上記内側巻線に流れる直列共振電流と上記外側巻線に流れる直列共振電流が等しくなるように各静電容量が選定されるようにする。
また、上記内側巻線と上記外側巻線は、巻方向が逆の逆転捲きとされる。
或いは、上記内側巻線と上記外側巻線は、巻方向が同方向とされるとともに、上記内側巻線と上記外側巻線との間に絶縁材が施されるようにする。
また、上記二次側巻線は、巻数が同数の内側巻線と外側巻線に分離されるとともに、上記二次側巻線における内側巻線側のインダクタンス値を上記二次側巻線における外側巻線側のインダクタンス値と同等とするために、上記二次側巻線における内側巻線に直列であり、かつ上記二次側巻線における外側巻線に並列に接続されたインダクタンスが備えられるようにする。
上記二次側巻線の内側巻線と外側巻線は、巻方向が逆の逆転捲きとされる。
或いは、上記二次側巻線の内側巻線と外側巻線は、巻方向が同方向とされるとともに、上記二次側巻線の内側巻線と外側巻線との間に絶縁材が施される。
また上記絶縁コンバータトランスのコアは、一対のE型コア、或いは一対のU型コアで形成される。
【0049】
上記構成によれば、一次側が一石構成の電圧共振形コンバータ、二次側が半波整流方式電圧共振回路を組み合わせた複合共振形コンバータとしてのスイッチング電源回路が形成される。
そして、一次側が電圧共振形コンバータの場合は、二次側が半波整流回路とされることにより、絶縁コンバータトランスのコアのギャップをゼロとして一次巻線と二次巻線の結合係数を0.95程度の密結合とすることができる。
さらに、直流入力電圧は、全波整流回路から得るようにしている。
また、一次側巻線、又は一次側巻線と二次側巻線の両方を、内側巻線と外側巻線による構成としている。
これにより、負荷電力が200W以上の重負荷時の電力変換効率を向上させることができる。
【0050】
また上記構成によれば、一次側が二石構成の電流共振形コンバータで部分電圧共振回路を備え、二次側に部分電圧共振回路を備えた複合共振形コンバータとしてのスイッチング電源回路が形成される。
この場合、二次側に部分電圧共振回路を備えることで、絶縁コンバータトランスのコアのギャップをゼロとして一次巻線と二次巻線の結合係数を0.95程度の密結合とすることができる。
さらに、直流入力電圧は、全波整流回路から得るようにしている。
また、一次側巻線、又は一次側巻線と二次側巻線の両方を、内側巻線と外側巻線による構成としている。
これにより電力変換効率を向上させることができる。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態〜第9の実施の形態について順次説明していく。
第1〜第4の実施の形態は、一次側が一石構成の電圧共振形コンバータ、二次側が半波整流方式電圧共振回路を組み合わせた複合共振形コンバータとしてのスイッチング電源回路である。
第5〜第9の実施の形態は、一次側が二石構成の電流共振形コンバータで部分電圧共振回路を備え、二次側に部分電圧共振回路を備えた複合共振形コンバータとしてのスイッチング電源回路である。
【0052】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成例を示している。この図1に示す電源回路は、一次側に電圧共振形コンバータを備えると共に二次側にも共振回路を備えた複合共振形スイッチングコンバータとしての構成を採る。
【0053】
この図に示す電源回路においては、商用交流電源(交流入力電圧VAC)を入力して直流入力電圧を得るための整流平滑回路として、ブリッジ整流回路Di及び平滑コンデンサCiからなる全波整流平滑回路が備えられ、交流入力電圧VACの等倍のレベルに対応する整流平滑電圧Eiを生成するようにされる。平滑コンデンサCiは800V耐圧である。
【0054】
この電源回路に備えられる電圧共振形のスイッチングコンバータは、1石のスイッチング素子Q1を備えた自励式の構成を採っている。この場合、スイッチング素子Q1には、800V耐圧のバイポーラトランジスタ(BJT;接合型トランジスタ)が採用されている。
【0055】
スイッチング素子Q1のベースと一次側アース間には、駆動巻線NB、共振コンデンサCB、ベース電流制限抵抗RBの直列接続回路よりなる自励発振駆動用の直列共振回路が接続される。
また、スイッチング素子Q1のベースは、ベース電流制限抵抗RB−起動抵抗RSを介して平滑コンデンサCi(整流平滑電圧Ei)の正極側にも接続されており、起動時のベース電流を整流平滑ラインから得るようにしている。
【0056】
また、スイッチング素子Q1のベースと平滑コンデンサCiの負極(1次側アース)間に挿入されるクランプダイオードDDにより、スイッチング素子Q1のオフ時に流れるクランプ電流の経路を形成するようにされており、また、スイッチング素子Q1のコレクタは、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線(N1A、N1B)の一端部と接続され、エミッタは一次側アースに対して接地される。
【0057】
また、上記スイッチング素子Q1のコレクタ−エミッタ間に対しては、並列共振コンデンサCrが並列に接続されている。この並列共振コンデンサCrは、自身のキャパシタンスと、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線(N1A、N1B)のリーケージインダクタンス(L1A、L1B)とにより電圧共振形コンバータの一次側並列共振回路を形成する。そして、ここでは詳しい説明を省略するが、スイッチング素子Q1のオフ時には、この並列共振回路の作用によって並列共振コンデンサCrの両端電圧VQ1は、実際には正弦波状のパルス波形となって電圧共振形の動作が得られるようになっている。
【0058】
この図に示す直交形制御トランスPRTは、共振電流検出巻線NA、駆動巻線NB、及び制御巻線NCが巻装された可飽和リアクトルである。この直交形制御トランスPRTは、スイッチング素子Q1を駆動すると共に、定電圧制御のために設けられる。
この直交形制御トランスPRTの構造としては、図示は省略するが、4本の磁脚を有する2つのダブルコの字形コアの互いの磁脚の端部を接合するようにして立体型コアを形成する。そして、この立体型コアの所定の2本の磁脚に対して、同じ巻装方向に共振電流検出巻線NA、駆動巻線NBを巻装し、更に制御巻線NCを、上記共振電流検出巻線ND及び駆動巻線NBに対して直交する方向に巻装して構成される。
【0059】
この場合、直交形制御トランスPRTの共振電流検出巻線NAは、平滑コンデンサCiの正極と絶縁コンバータトランスPITの一次巻線(N1A、N1B)との間に直列に挿入される。これにより、スイッチング素子Q1のスイッチング出力は、一次巻線(N1A、N1B)を介して共振電流検出巻線NAに伝達される。直交形制御トランスPRTにおいては、共振電流検出巻線NAに得られたスイッチング出力がトランス結合を介して駆動巻線NBに誘起されることで、駆動巻線NBにはドライブ電圧としての交番電圧が発生する。このドライブ電圧は、自励発振駆動回路を形成する直列共振回路(NB,CB)からベース電流制限抵抗RBを介して、ドライブ電流としてスイッチング素子Q1のベースに出力される。これにより、スイッチング素子Q1は、直列共振回路の共振周波数により決定されるスイッチング周波数でスイッチング動作を行うことになる。
【0060】
絶縁コンバータトランスPITは、スイッチング素子Q1のスイッチング出力を二次側に伝送する。
この絶縁コンバータトランスPITは、磁脚にギャップを形成していないコアに対して一次巻線(N1A、N1B)及び二次巻線N2を巻装し、一次巻線(N1A、N1B)と二次巻線N2とが所要以上の結合係数による密結合の状態となるように形成される。
そして一次側の巻線としては、ボビンの外側に巻回されることになる一次巻線(以下、外側巻線)N1Aと、ボビンの内側に巻回されることになる一次巻線(以下、内側巻線)N1Bに分割されており、外側巻線N1Aと内側巻線N1Bの巻数は同数とされる。また、内側巻線N1Bには、インダクタL1Cが直列接続される。
この絶縁コンバータトランスPITの構造例については後述するが、絶縁コンバータトランスPITの外側巻線N1Aの巻始め端、及び内側巻線N1Bの巻終わり端は、スイッチング素子Q1のコレクタと接続されている。
また外側巻線N1Aの巻終わり端は共振電流検出巻線NAの直列接続を介して平滑コンデンサCiの正極(整流平滑電圧Ei)と接続されており、内側巻線N1Bの巻始め端は、インダクタL1Cを介して外側巻線N1Aの巻終わり端と接続される。
つまり、内側巻線N1BとインダクタL1Cの直列回路が、外側巻線N1Aに対して並列接続されて一次巻線が形成されるとともに、この場合、内側巻線N1Bと外側巻線N1Aは、巻方向が逆の逆転捲きとされているものとなる。
【0061】
絶縁コンバータトランスPITの二次側では、一次巻線N1により誘起された交番電圧が二次巻線N2に発生する。
この場合、二次巻線N2に対しては、二次側並列共振コンデンサC2が並列に接続されることで、二次巻線N2のリーケージインダクタンスL2と二次側並列共振コンデンサC2のキャパシタンスとによって並列共振回路が形成される。この並列共振回路により、二次巻線N2に誘起される交番電圧は共振電圧となる。つまり二次側において電圧共振動作が得られる。
即ち、この電源回路では、一次側にはスイッチング動作を電圧共振形とするための並列共振回路が備えられ、二次側には電圧共振動作を得るための並列共振回路が備えられた、「複合共振形スイッチングコンバータ」としての構成を有する。
【0062】
二次巻線N2の巻終わり端には整流ダイオードDO1のアノードが接続され、巻始め端は、二次側アースに接続される。また整流ダイオードDO1のカソードに対して平滑コンデンサCOの正極端子が接続される。平滑コンデンサCOの負極端子は二次側アースに接続される。
このようにして、並列共振回路を形成する二次巻線N2に対しては、整流ダイオードDO1及び平滑コンデンサCOから成る半波整流回路が形成されることで、平滑コンデンサCOの両端電圧として、二次側直流出力電圧EOが生成される。なお、この直流出力電圧EOは制御回路1に対して、検出電圧として分岐して入力される。
【0063】
制御回路1では、入力された二次側直流出力電圧EOのレベルを検出して、このレベル変化に応じて、制御巻線NCに流すべき直流電流である制御電流のレベルを可変する。
このようにして可変された制御電流のレベルに応じて、直交形制御トランスPRTでは、駆動巻線NBのインダクタンスLBが可変されることになる。これにより、駆動巻線NBのインダクタンスLBを含んで形成されるスイッチング素子Q1のための自励発振駆動回路内の直列共振回路の共振条件が変化するが、これは、スイッチング素子Q1のスイッチング周波数を可変する動作となる。
そして、上記のようにしてスイッチング周波数が可変制御されると、これに応じて、一次側並列共振回路((N1A,N1B)//Cr)と二次側並列共振回路(N2//C2)の共振インピーダンスが変化して、絶縁コンバータトランスPITの一次側から二次側に伝送される交番電圧レベルも変化することになる。この結果、二次巻線N2に得られた交番電圧レベルを元として生成される二次側直流出力電圧EOのレベルも可変されることとなる。このような動作によって二次側の直流出力電圧を安定化する。
【0064】
上記絶縁コンバータトランスPITとしては、例えば図2又は図3に断面図として示した構造を有している。
図2は一対のE型コアを用いた構造例である。
絶縁コンバータトランスPITのコアとしては、図示するようにして、2つのE型コアCR1,CR2の互いの磁脚の端部を対向させるようにして組み合わせることで、EE形コアを形成する。またこの場合、E形コアCR1,CR2の各中央磁脚が対向する面にギャップは形成されない。
なお、E形コアCR1,CR2には、例えばフェライト材を用いるようにされる。
そして本実施の形態では、上記のようにして形成されるEE形コア(CR1,CR2)に対して一次巻線(N1A,N1B)及び二次巻線N2を巻装するために、一次/二次分割ボビンBを用いるようにされる。
ここで、一次側においては、まず内側巻線N1Bが巻装され、その外周側に上述のように逆転捲きにより外側巻線N1Aが巻装された構成となる。
【0065】
図3は一対のU型コアを用いた構造例である。
この場合、絶縁コンバータトランスPITでは、そのコアとして、図3に示すように、それぞれ2本の磁脚を有するU型コアCR11、CR12が組み合わされ、U−U型コアを形成するようにされる。
さらに、上記のようにして形成されるU−U型コアの一方の磁脚に対しては、図示するようにして一次巻線(N1A,N1B)と二次巻線N2とを互いに分割された巻装領域に巻装したボビンBが取り付けられる。
また、上記のように形成されるU−U型コアの中央磁脚に対し、ギャップを形成しないようにしている。
そして一次側においては、まず内側巻線N1Bが巻装され、その外周側に上述のように逆転捲きにより外側巻線N1Aが巻装された構成となる。
【0066】
図2,図3のいずれの場合も、ギャップをゼロとすることで、一次巻線(N1A,N1B)と二次巻線N2の結合係数を0.95程度の密結合の状態としている。
ところで、例えば先行技術の電源回路では、絶縁コンバータトランスPITについて疎結合の状態とすることで磁気飽和を抑制していた。
一方、本例においては、絶縁コンバータトランスPITについてギャップゼロとし、密結合としている。これは、二次側整流回路が半波整流方式とされていることによる。即ちギャップゼロとしても絶縁コンバータトランスPITのフェライト磁心が磁気飽和しないのは、一次巻線(N1A,N1B)と二次巻線N2に流れる電流I1,I2が逆方向であり、(N1A,N1B)、I1による磁束と、N2,I2による磁束は互いにうち消しあっているからである。
【0067】
また、一次巻線としての外側巻線N1Aと内側巻線N1Bについては、巻数は同等であるが、内側に巻装される内側巻線N1Bの漏洩インダクタンスL1Bは、外側巻線N1Bの漏洩インダクタンスL1Aより少なくなる。
そして一次電流I1は、外側巻線N1Aに流れる電流I1Aと内側巻線N1Bに流れる電流I1Bに分流するが、上記漏洩インダクタンスN1A、N1Bの差により、そのままでは、I1B>I1Aとなってしまう。
そこで、内側巻線N1Bに対して直列にインダクタL1Cを接続し、内側巻線N1B側のインダクタンス(L1B、L1C)を、外側巻線N1A側のインダクタンス(L1A)と同等となるようにし、これによって電流I1B=電流I1Aとしている。つまりインダクタL1Cの値は、内側巻線N1Bの漏洩インダクタンスL1Bと、外側巻線N1Bの漏洩インダクタンスL1Aの差に応じて選定される。
【0068】
また、内側巻線N1Bと外側巻線N1Aは逆転捲きとしているが、これにより内側巻線N1Bと外側巻線N1Aの間に絶縁のための層間テープを施すことを不要としている。
即ち、スイッチング素子Q1がオフとなったときに、電圧VQ1、つまり電圧共振パルス電圧が、内側巻線N1Bの巻終わり端と外側巻線N1Aの巻始め端に印加されるが、内側巻線N1Bの巻終わり端と外側巻線N1Aの巻始め端は同電位であるため、絶縁のための層間テープが不要となるものである。
【0069】
図4に各部の動作波形を示し、また図5に、交流入力電圧VAC=100V、負荷電力Po=0W〜200Wの変動に対する、AC/DC電力変換効率(ηAC/DC)及びスイッチング周波数fsの変化特性を示している。なお、図5において実線は本例の図1の回路の場合の特性であり、破線は比較のために付記した図23の先行技術例の特性(つまり図25に示した特性)である。
なお各部は次のように選定される。
一次巻線の外側巻線N1A=50T:60μm/80束のリッツ線
一次巻線の内側巻線N1B=50T:60μm/80束のリッツ線
二次巻線N2=55T
ギャップゼロ、結合係数k=0.95
一次側並列共振コンデンサCr=5600pF
二次側並列共振コンデンサC2=6800pF
外側巻線N1Aの漏洩インダクタンスL1A=170μH
内側巻線N1Bの漏洩インダクタンスL1B=165μH
インダクタL1C=4.7μH
【0070】
図4において、スイッチング素子Q1のスイッチング動作は、スイッチング素子Q1のコレクタ−エミッタ間電圧VQ1及びコレクタ電流IQ1により示される。つまり、スイッチング素子Q1がオフとなる期間TOFFにおいては、コレクタ電流IQ1は0レベルになると共に、コレクタ−エミッタ間電圧VQ1としては、一次側電圧共振回路による電圧共振パルス電圧が得られる。
これに対して、スイッチング素子Q1がオンとなる期間TONにおいては、図示する波形によりコレクタ電流IQ1が流れると共に、コレクタ−エミッタ間電圧VQ1は0レベルとなる。
このようなスイッチング動作により、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線(N1A、N1B)には図示するように電流I1が流れるが、この電流I1は図示するように外側巻線N1Aへの電流I1Aと内側巻線N1Bへの電流I1Bに分流する。
電流I1は7.6A(P-P)で、電流I1A=電流I1B=3.8A(P-P)である。
また二次巻線N2の電流I2、二次側共振電圧V2は図示するようになる。
【0071】
そして図5に示されるように、負荷電力Po=200W時にはAC/DC電力変換効率(ηAC/DC)は、先行技術例の91.1%から92.2%に向上する。
また負荷電力Po=50W時には、先行技術例の90.1%から92.1%に向上する。
即ち本例によれば、負荷電力Po=200Wの場合であっても、入力全波整流回路による電源回路において、入力倍電圧整流回路による電源回路と同等以上のAC/DC電力変換効率(ηAC/DC)、つまり92%以上のAC/DC電力変換効率を実現できる。また、入力倍電圧整流回路の場合、平滑コンデンサCiやスイッチング素子Q1の耐圧は1500Vが必要となるが、本例の場合は耐圧800Vでよく、回路構成上、有利なものとできる。
【0072】
AC/DC電力変換効率(ηAC/DC)が向上するのは、絶縁コンバータトランスPITのギャップをゼロとしたこと、及び一次側巻線を外側巻線N1Aと内側巻線N1Bに分割して一次電流を電流I1A、I1B(I1A=I1B)に分流させたことによるが、これには次のような理由が考えられる。
・一次巻線N1と二次巻線N2の結合係数が0.8から0.95に向上したことによって漏洩磁束が低減し、一次巻線N1と二次巻線N2の渦電流損失が低下するため。
・ギャップ周辺のフリンジ磁束によって一次巻線N1と二次巻線N2の局部的な電力損失が解消されて絶縁コンバータトランスPITの銅損が低減するため。
・一次巻線N1と二次巻線N2の増加によって、一次電流I1と二次電流I2が低減したことによって、絶縁コンバータトランスPITの銅損とスイッチング素子Q1のスイッチング損失が低減するため。
・一次電流が電流I1A、I1Bに分流することで一次側巻線での銅損が低減するため。
【0073】
また本実施の形態の場合、絶縁コンバータトランスPITにおいてギャップを形成しないため、製造にあたりギャップを形成するための工程は不要となるので、それだけ製造工程が簡略化され、コストダウンを図ることが可能になる。また、密結合とされることで、絶縁コンバータトランスPITからの漏洩磁束も低減されるので、例えば銅板によるショートリングを絶縁コンバータトランスPITに巻回して施す必要もなくなる。この点でも、絶縁コンバータトランスPITの製造工程が簡略化され、また、コストダウンが促進されることになる。
さらに、ギャップが無くなったことで、絶縁コンバータトランスPITの巻線の局部的な温度上昇の問題も解消され、それだけ信頼性が向上することにもなる。
【0074】
<第2の実施の形態>
図6に第2の実施の形態のスイッチング電源回路を示す。なお、一次側及び二次側の基本的な構成は図1の回路と同様であり、同一部分は同一符号を付して説明を省略する。
この図6の回路は、絶縁コンバータトランスPITの外側巻線N1Aと内側巻線N1Bの巻方向が図1と異なるものとなっている。
【0075】
この場合、外側巻線N1Aの巻始め端は、共振電流検出巻線NAを介して平滑コンデンサCiの正極に接続され、巻終わり端がスイッチング素子Q1のコレクタに接続される。
内側巻線N1Bの巻始め端は、インダクタLC1を介して外側巻線N1Aの巻始め端と接続され、共振電流検出巻線NAを介して平滑コンデンサCiの正極に接続される。そして内側巻線N1Bの巻終わり端がスイッチング素子Q1のコレクタに接続される。
即ち、外側巻線N1Aと内側巻線N1Bの巻方向は同方向とされている。
絶縁コンバータトランスPITのコアには図7,図8に示すようにギャップは形成されない。
【0076】
上述したように図1の回路の場合は、外側巻線N1Aと内側巻線N1Bが逆転捲きとされたことにより、絶縁のための層間テープを不要としていたが、この図6の場合は、電圧共振パルス電圧が印加される内側巻線N1Bの巻終わり端と、これに続いて巻装される外側巻線N1Aの巻始め端とが異なる電位となるため、図7,図8に示すように、絶縁のための層間テープTPを施すことが必要となる。
この図6の第2の実施の形態によっても、上記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0077】
<第3の実施の形態>
図9に第3の実施の形態のスイッチング電源回路を示す。なお、一次側の構成、及び二次側の半波整流回路の構成は図1の回路と同様であり、同一部分は同一符号を付して説明を省略する。
【0078】
この例では、二次側においても二次巻線を外側巻線N2Aと内側巻線N2Bに分割している。
即ち絶縁コンバータトランスPITは、磁脚にギャップを形成していないコアに対して一次巻線(N1A、N1B)及び二次巻線(N2A、N2B)を巻装し、一次巻線(N1A、N1B)と二次巻線(N2A、N2B)とが所要以上の結合係数による密結合の状態となるように形成される。
【0079】
一次側の外側巻線N1Aと内側巻線N1B(及びインダクタL1C)の構成は図1と同様である。
二次側の巻線としては、図10,図11にも示すように、ボビンBの外側に巻回されることになる外側巻線N2Aと、ボビンの内側に巻回されることになる内側巻線N2Bに分割され、外側巻線N2Aと内側巻線N2Bの巻数は同数とされる。例えば外側巻線N2Aと内側巻線N2Bは、それぞれ60μm/80束のリッツ線により同数巻装する。
【0080】
外側巻線N2Aの巻始め端、及び内側巻線N2Bの巻終わり端はダイオードD01のアノード側に接続されている。また外側巻線N2Aの巻終わり端は二次側アースと接続されており、内側巻線N2Bの巻始め端は、インダクタL2Cを介して二次側アースと接続される。
また、内側巻線N2Bには、インダクタL2Cが直列接続される。
インダクタL2Cは、一次側におけるインダクタL1Cと同様の目的で設けられるものである。即ち内側巻線N2Bの漏洩インダクタンスL2Bが、外側巻線N2Aの漏洩インダクタンスL2Aより少ないことに対応して、これを同等とするためのものであり、内側巻線N2BとインダクタL2Cの直列回路が外側巻線N2Aと並列接続されることで、内側巻線N2B側のインダクタンス(L2B、L2C)を、外側巻線N2A側のインダクタンス(L2A)と同等となるようにし、これによって二次側の電流I2B=電流I2Aとするものである。
【0081】
また、内側巻線N2BとインダクタL2Cの直列回路が、外側巻線N2Aに対して並列接続されて一次巻線が形成されるとともに、この場合、内側巻線N2Bと外側巻線N2Aは、巻方向が逆の逆転捲きとされているものとなる。
従って、内側巻線N2Bと外側巻線N2Aの間に絶縁のための層間テープを施すことは不要で、絶縁コンバータトランスPITの構造は図10,図11に示すようになる。
【0082】
このように二次側の巻線についても外側巻線N2Aと内側巻線N2Bに分割し、二次電流I2を電流I2A、I2Bに分流させるようにする(I2A=I2B=I2/2)ことで、二次側巻線における銅損も低減し、AC/DC電力変換効率を更に向上できる。
【0083】
<第4の実施の形態>
図12に第4の実施の形態のスイッチング電源回路を示す。なお、一次側の構成、及び二次側の半波整流回路の構成は図6の回路と同様である。
この図12の回路は、絶縁コンバータトランスPITの一次側において、外側巻線N1Aと内側巻線N1Bの巻方向を同方向とし、また二次側において、外側巻線N2Aと内側巻線N2Bの巻方向を同方向としたものである。
【0084】
即ち一次側においては、外側巻線N1Aの巻始め端は、共振電流検出巻線NAを介して平滑コンデンサCiの正極に接続され、巻終わり端がスイッチング素子Q1のコレクタに接続される。
内側巻線N1Bの巻始め端は、インダクタLC1を介して外側巻線N1Aの巻始め端と接続され、共振電流検出巻線NAを介して平滑コンデンサCiの正極に接続される。そして内側巻線N1Bの巻終わり端がスイッチング素子Q1のコレクタに接続される。このように外側巻線N1Aと内側巻線N1Bの巻方向は同方向とされている。
【0085】
また二次側においては、外側巻線N2Aの巻始め端、及び内側巻線N2Bの巻始め端はダイオードD01のアノード側に接続される。また外側巻線N2Aの巻終わり端は二次側アースと接続されており、内側巻線N2Bの巻終わり端は、インダクタL1Cを介して二次側アースと接続される。
つまり外側巻線N2Aと内側巻線N2Bの巻方向は同方向とされている。
【0086】
従ってこの場合、絶縁コンバータトランスPITにおいては図13,図14に示すように、一次側巻線及び二次側巻線について、それぞれ外側巻線N1A、N2Aと内側巻線N1B、N2Bの間に、絶縁のための層間テープTPを施すことが必要となる。
この図12の第4の実施の形態によっても、上記第3の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0087】
<第5の実施の形態>
第5の実施の形態のスイッチング電源回路を図15に示す。
この第5の実施の形態は、一次側が二石構成の自励式による電流共振形コンバータであって部分電圧共振回路を備え、二次側に部分電圧共振回路を備えた複合共振形コンバータとしてのスイッチング電源回路である。
【0088】
この図に示す電源回路においては、商用交流電源(交流入力電圧VAC)を入力して直流入力電圧を得るための整流平滑回路として、ブリッジ整流回路Di及び平滑コンデンサCiからなる全波整流平滑回路が備えられ、交流入力電圧VACの等倍のレベルに対応する整流平滑電圧Eiを生成するようにされる。
【0089】
この図に示す一次側の自励式による電流共振形コンバータとしては、図のように2つのスイッチング素子Q1,Q2を備えて成る。この場合、スイッチング素子Q1,Q2については、バイポーラトランジスタが選定されている。
これらスイッチング素子Q1,Q2は、ハーフブリッジ結合方式によって接続されている。つまり、スイッチング素子Q1のコレクタは、整流平滑電圧Eiのライン(平滑コンデンサCiの正極端子)と接続される。スイッチング素子Q1のエミッタは、スイッチング素子Q2のコレクタと接続され、スイッチング素子Q2のエミッタは一次側アースに対して接続される。
【0090】
また、スイッチング素子Q1のベースに対しては、ベース電流制限抵抗RB1−共振用コンデンサCB1−駆動巻線NB1を直列接続して成る自励発振駆動回路が接続される。ここで、共振用コンデンサCB1−駆動巻線NB1の直列接続は、共振用コンデンサCB1のキャパシタンスと、駆動巻線NB1のインダクタンスによって直列共振回路を形成しており、この直列共振回路の共振周波数によってスイッチング周波数が決定される。また、ベース電流制限抵抗RB1は、自励発振駆動回路からスイッチング素子Q1のベースに流すべき駆動信号としてのベース電流レベルを調整する。
【0091】
また、スイッチング素子Q1のベース−エミッタ間には、ダンパーダイオードDD1が図示する方向によって接続される。また、スイッチング素子Q1のコレクタ−ベース間には、起動時の電流をベースに流すための起動抵抗Rs1が接続される。
【0092】
同様にして、スイッチング素子Q2のベースに対しては、ベース電流制限抵抗RB2−共振用コンデンサCB2−駆動巻線NB2を直列接続して成る自励発振駆動回路が接続される。そして、共振用コンデンサCB2−駆動巻線NB2によって、直列共振回路が形成される。また、ベース−エミッタ間には、ダンパーダイオードDD2が接続され、コレクタ−ベース間には起動抵抗Rs2が接続される。
【0093】
また、スイッチング素子Q2 のコレクタ−エミッタ間に対しては、並列に部分共振コンデンサCpが接続されている。
この部分共振コンデンサCpのキャパシタンスと、一次巻線(N1A、N1B)及びインダクタL1Cを含む絶縁コンバータトランスPITのインダクタンス成分(L1A、L1B、L1C)によって並列共振回路(部分電圧共振回路)を形成する。そして、スイッチング素子Q1,Q2のターンオフ時にのみ電圧共振する、部分電圧共振動作が得られるようになっている。
【0094】
ドライブトランスPRT (Power Regulating Transformer)はスイッチング素子Q1,Q2をスイッチング駆動すると共に、定電圧制御のためにスイッチング周波数を可変制御するために設けられる。
このドライブトランスPRTは、駆動巻線NB1,NB2及び共振電流検出巻線NAを巻回するとともに、更にこれらの各巻線に対して制御巻線Ncが直交する方向に巻回された可飽和リアクトルとされている。なお、駆動巻線NB1と、駆動巻線NB2は、互いに逆極性の電圧が励起される巻方向によって巻装されている。
【0095】
絶縁コンバータトランスPIT (Power Isolation Transformer)はスイッチング素子Q1 、Q2のスイッチング出力を二次側に伝送する。この絶縁コンバータトランスPITの一次巻線(N1A、N1B)の一端は、共振電流検出巻線NAを介してスイッチング素子Q1のエミッタとスイッチング素子Q2のコレクタの接点(スイッチング出力点)に接続されることで、スイッチング出力が得られるようにされる。
【0096】
また、図示するように一次巻線(N1A、N1B)の他端は直列共振コンデンサC1を介して一次側アースに接続されている。そして、上記直列共振コンデンサC1のキャパシタンスと、一次巻線(N1A、N1B)及びインダクタL1Cを含む絶縁コンバータトランスPITのインダクタンス成分(L1A、L1B、L1C)により、一次側スイッチングコンバータの動作を電流共振形とするための一次側直列共振回路を形成している。
このようにして、この図に示す一次側スイッチングコンバータとしては、電流共振形としての動作と、前述した部分電圧共振動作とが複合的に得られていることになる。
【0097】
この電源回路のスイッチング動作としては、例えば次のようになる。
先ず商用交流電源ACが投入されると、例えば起動抵抗Rs1,Rs2を介してスイッチング素子Q1、Q2のベースに起動のためのベース電流が供給されることになる。ここで、例えばドライブトランスPRTの駆動巻線NB1,NB2には、互いに逆極性の電圧が励起されることになるので、スイッチング素子Q1が先にオンとなったとすれば、スイッチング素子Q2はオフとなるように制御される。そして、これら駆動巻線NB1,NB2に励起された交番電圧を源として、スイッチング素子Q1,Q2の各自励発振駆動回路が、共振動作による自励発振動作を行う。これにより、スイッチング素子Q1,Q2が交互にオン/オフするように制御される。つまりスイッチング動作を行うことになる。
そして例えばスイッチング素子Q1がオンとなったときには、そのスイッチング出力として、共振電流検出巻線NAを介して一次巻線(N1A、N1B)及び直列共振コンデンサC1に共振電流が流れるが、この共振電流が0となる近傍で、スイッチング素子Q1がオフとなるとともに、スイッチング素子Q2がオンとなる。これにより、スイッチング素子Q2を介して先とは逆方向の共振電流が流れる。以降、ZVS及びZCSにより、スイッチング素子Q1、Q2が交互にオンとなる自励式のスイッチング動作が継続される。また、スイッチング素子Q1,Q2がオン/オフ動作に伴い、スイッチング素子Q1,Q2のターンオフ時の短期間においては、部分共振コンデンサCpに電流が流れる。つまり、部分電圧共振動作が得られる。
【0098】
絶縁コンバータトランスPITは、磁脚にギャップを形成していないコアに対して一次巻線(N1A、N1B)及び二次巻線N2,N3を巻装し、一次巻線(N1A、N1B)と二次巻線N2、N3とが所要以上の結合係数による密結合の状態となるように形成される。
そして一次側の巻線としては、ボビンの外側に巻回されることになる外側巻線N1Aと、ボビンの内側に巻回されることになる内側巻線N1Bに分割されており、外側巻線N1Aと内側巻線N1Bの巻数は同数とされる。また、内側巻線には、インダクタL1Cが直列接続される。
この絶縁コンバータトランスPITの構造例については後述するが、絶縁コンバータトランスPITの外側巻線N1Aの巻始め端、及び内側巻線N1Bの巻始め端は、共振電流検出巻線NAの直列接続を介してスイッチング出力点(スイッチング素子Q1のエミッタとスイッチング素子Q2のコレクタの接続点)と接続されている。
また外側巻線N1Aの巻終わり端は共振コンデンサC1に接続され、内側巻線N1Bの巻終わり端は、インダクタL1Cを介して共振コンデンサC1に接続されている。
つまり、内側巻線N1BとインダクタL1Cの直列回路が、外側巻線N1Aに対して並列接続されて一次巻線が形成されるとともに、この場合、内側巻線N1Bと外側巻線N1Aは、巻方向が同方向同軸捲きとされているものとなる。
【0099】
また、絶縁コンバータトランスPITの二次巻線N2に対しては、二次側部分電圧共振コンデンサC20が並列に接続される。例えば、この二次側部分電圧共振コンデンサC20としては、フィルムコンデンサが採用される。そして、この二次側部分電圧共振コンデンサC20のキャパシタンスと、二次巻線N2のリーケージインダクタンスL2とによっては、二次側部分電圧共振回路が形成される。
このため、絶縁コンバータトランスPITの二次巻線N2に交番電圧が励起されることによっては、二次側にて部分共振(電圧共振)動作が得られることになる。
つまり、図1に示す電源回路は、一次側では電流共振動作及び部分電圧共振動作が得られると共に、二次側においても部分電圧共振動作が得られる複合共振形コンバータとして構成されていることになる。
【0100】
上記二次巻線N2に対しては、図示するようにしてブリッジ整流回路DBR及び平滑コンデンサCO1が接続されることで全波整流回路が形成される。この全波整流回路の全波整流動作によって、平滑コンデンサCO1の両端に二次側直流出力電圧EO1が得られるようになっている。
この二次側直流出力電圧EO1は、図示しない負荷に対して供給される。さらに、この二次側直流出力電圧EO1は、図示するように制御回路1のための検出電圧としても分岐して入力される。
【0101】
また二次側においては、さらに二次巻線N3が巻装される。この二次巻線N3はセンタータップ点が二次側アースに接続されると共に、一端はダイオードD01のアノードに接続され、他端はダイオードD02のアノードに接続される。
そしてダイオードD01、D02のカソードは平滑コンデンサC02の正極側に接続され、これによって量は整流平滑回路が形成されて、例えば低電圧の直流出力電圧E02を得るようにしている。
【0102】
制御回路1は二次側直流出力電圧EO1のレベル変化に応じ、制御巻線NCに流す制御電流(直流電流)レベルを可変することで、直交形制御トランスPRTに巻装された駆動巻線NB1、NB2のインダクタンスLB1、LB2を可変制御する。これにより、駆動巻線NB1のインダクタンスLB1を含んで形成されるスイッチング素子Q1のための自励発振駆動回路内の直列共振回路の共振条件が変化する。また駆動巻線NB2のインダクタンスLB2を含んで形成されるスイッチング素子Q2のための自励発振駆動回路内の直列共振回路の共振条件が変化する。
これによりスイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数が可変され、この動作によって二次側の直流出力電圧を安定化する。
【0103】
この場合、絶縁コンバータトランスPITとしては、例えば上述した図7又は図8に断面図として示した構造、即ち一対のE型コア又は一対のU型コアを有した構造とされる。
上述したように例えばフェライト材による一対のE型コアCR1,CR2又は一対のU型コアCR11,CR12においては各中央磁脚が対向する面にギャップは形成されない。
そして本実施の形態では、一対のE型コアCR1,CR2により形成されるEE形コア、又は一対のU型コアCR11,CR12により形成されるUU形コアに対して一次巻線(N1A,N1B)及び二次巻線N2を巻装するために、一次/二次分割ボビンBが用いられ、一次側においては、まず内側巻線N1Bが巻装され、その外周側に上述のように同方向同軸捲きにより外側巻線N1Aが巻装された構成となる。
また、この場合、外側巻線N1Aと内側巻線N1Bは巻方向が同方向であるため、上記第2の実施の形態で述べた場合と同様に、外側巻線N1Aと内側巻線N1Bの間には絶縁のための層間テープTPが施されるものとなる。
なお、図7,図8には示されていないが、この場合、二次側には二次巻線N3も巻装されることになる。
【0104】
そして絶縁コンバータトランスPITでは、ギャップをゼロとすることで、一次巻線(N1A,N1B)と二次巻線N2の結合係数を0.95程度の密結合の状態としている。
ところで、例えば図27,図28のような先行技術の電源回路では、絶縁コンバータトランスPITについて疎結合の状態とすることで磁気飽和を抑制していた。一方、本例においては、絶縁コンバータトランスPITについてギャップゼロとし、密結合としている。
先行技術のように絶縁コンバータトランスに1mmのギャップを設ける場合、例えば直流出力電圧E01=135Vを得るためには、二次巻線N2=45Tであり、二次巻線N2の1Tあたりの誘起電圧は3V/Tであったが、本例のギャップゼロとした場合、フェライト磁心の磁束密度が上昇するため、二次巻線N2=55Tとして、二次巻線N2の1Tあたりの誘起電圧を2.45V/Tに低下させ、フェライト磁心の磁束密度を先行技術の場合と同等とすることで磁気飽和を抑制する。
【0105】
また例えば先行技術の電源回路では、絶縁コンバータトランスPITについて疎結合の状態とすることで、中間負荷時における異常発振を抑止していたものであるが、これに対して、本実施の形態の電源回路では、二次側に備えられる部分電圧共振回路の共振動作によって、中間負荷時に異常発振が生じないようにしている。
このようにすることで、絶縁コンバータトランスPITを密結合の状態となるように構成しても、電源回路の動作上での問題は生じないことになる。
【0106】
また、一次側巻線としての外側巻線N1Aと内側巻線N1Bについては、巻数は同等であるが、内側に巻装される内側巻線N1Bの漏洩インダクタンスL1Bは、外側巻線N1Bの漏洩インダクタンスL1Aより少なくなる。
そして一次電流I1は、外側巻線N1Aに流れる電流I1Aと内側巻線N1Bに流れる電流I1Bに分流するが、上記漏洩インダクタンスN1A、N1Bの差により、そのままでは、I1B>I1Aとなってしまう。
そこで、内側巻線N1Bに対して直列にインダクタL1Cを接続し、内側巻線N1B側のインダクタンス(L1B、L1C)を、外側巻線N1A側のインダクタンス(L1A)と同等となるようにし、これによって電流I1B=電流I1Aとしている。
【0107】
図16に交流入力電圧VAC=100V、負荷電力Po=125Wの際の各部の動作波形を示す。
また図17に交流入力電圧VAC=100V、負荷電力Po=0W〜125Wの変動に対する、AC/DC電力変換効率(ηAC/DC)及びスイッチング周波数fsの変化特性を示している。なお、図17において実線は本例の図15の回路の場合の特性であり、破線は比較のために付記した図28の先行技術例の特性である。
さらに図18は、負荷電力Po=125W時の交流入力電圧VAC=90V〜140Vの変動に対する、AC/DC電力変換効率(ηAC/DC)及びスイッチング周波数fsの変化特性を示している。
各部は次のように選定される。
一次巻線の外側巻線N1A=27T:60μm/130束のリッツ線
一次巻線の内側巻線N1B=27T:60μm/130束のリッツ線
二次巻線N2=55T:60μm/130束のリッツ線
ギャップゼロ、結合係数k=0.94
一次側直列共振コンデンサC1=0.18μF
一次側部分電圧共振コンデンサCp=6800pF
二次側部分電圧共振コンデンサC20=2200pF
外側巻線N1Aの漏洩インダクタンスL1A=64μH
内側巻線N1Bの漏洩インダクタンスL1B=60μH
インダクタL1C=4.7μH
【0108】
なお、比較のために図17に点線で示した特性となった先行技術としての図28の回路の定数を示すと次の通りである。
一次巻線N1=27T:60μm/180束のリッツ線
二次巻線N2=45T:60μm/130束のリッツ線
ギャップ=1.4mm、結合係数k=0.75
一次側直列共振コンデンサC1=0.15μF
一次側部分電圧共振コンデンサCp=680pF
【0109】
図16において、スイッチング素子Q2の動作はコレクタ−エミッタ間電圧VQ2、スイッチング電流IQ2により示される。
スイッチング素子Q2は、期間TONにおいてオンとなり、期間TOFFにおいてオフとなるようにスイッチング動作を行う。そして、スイッチング素子Q2に流れる電流IQ2は、図示するようにして、期間TOFFにおいては0レベルで、期間TONにおいては、先ず、開始時においてダンパーダイオードDD2からスイッチング素子Q2のベース→コレクタを介して負極正方向にダンパー電流が流れ、この後、コレクタ−エミッタを介して流れる波形となる。
【0110】
また、スイッチング素子Q2のコレクタ−エミッタ間電圧VQ2は、期間TOFFにおいては整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)のレベルでクランプされたパルスとなり、期間TONにおいては、0レベルとなる波形が得られる。
なお、スイッチング素子Q1は、スイッチング素子Q2に対して交互にオン/オフするタイミングでスイッチングしている。従って、スイッチング素子Q1のスイッチング電流及びコレクタ−エミッタ間電圧としては、上記スイッチング電流IQ2及びコレクタ−エミッタ間電圧VQ2と同じ波形形状とされたうえで、ほぼ180°移相されたものとなる。
【0111】
そして、この図においては一次巻線(N1A、N1B)にスイッチング出力として流れる一次巻線電流I1が示されている。この一次巻線電流I1は、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング動作に応じて、一次側直列共振回路(C1−(N1A、N1B))の直列共振回路の共振動作によって得られる共振電流である。
そして、この一次巻線電流I1は、スイッチング素子Q1がオフでスイッチング素子Q2がオンとなる期間TONにおいては、スイッチング素子Q2のスイッチング電流IQ2としてスイッチング素子Q2に流れることになる。また、スイッチング素子Q2がオフでスイッチング素子Q12がオンとなる期間TOFFにおいては、スイッチング素子Q1のスイッチング電流としてスイッチング素子Q1に流れることになる。
この一次巻線電流I1は、外側巻線N1Aと内側巻線N1Bに分流する。即ち図示するように外側巻線N1Aへの電流I1Aと内側巻線N1Bへの電流I1Bに分流する。
I1A=I1B=I1/2となる。
【0112】
また、絶縁コンバータトランスPITの二次側の動作は、二次巻線N2に流れる二次巻線電流I2と二次巻線N2の両端電圧V2によって示される。この場合、二次巻線N2には、図示するようにして一次巻線電流I1と同じ極性の交番電流として電流I2が流れる。また、二次巻線N2の両端電圧V2は、ブリッジ整流回路DBRの正/負の各整流電流経路のダイオードが導通するのに応じて、絶対値レベルが二次側直流出力電圧EO1のレベルでクランプされた波形となる。
【0113】
また、小容量の二次側部分電圧共振コンデンサC20に流れる共振電流IC3も示しているが、この共振電流IC3は、ブリッジ整流回路DBRを形成する高速リカバリ型ダイオードがターンオン、ターンオフするタイミングで流れており、これにより二次側で部分電圧共振動作を得ているものである。そして、この共振電流IC3が流れる期間に対応しては、ブリッジ整流回路DBRを形成する高速リカバリ型ダイオードの印加電圧(V2)が反転することになるが、この反転時において、波形形状に傾斜が与えられていることが示される。
【0114】
そして図17に示されるようにAC/DC電力変換効率(ηAC/DC)は向上される。例えば負荷電力Po=125W時にはAC/DC電力変換効率(ηAC/DC)は、先行技術例の89.8%から92.55%に2.75%向上した。この場合、交流入力電力は4.1W低減できる。
【0115】
即ち本例によれば、一次側が電流共振形コンバータであって部分電圧共振回路を備え、二次側に部分電圧共振回路を備えた複合共振形コンバータとし、さらに絶縁コンバータトランスPITのギャップをゼロとし、一次側巻線を外側巻線N1Aと内側巻線N1Bに分割して一次電流I1を電流I1Aと電流I1Bに分流させる構成により、92%以上のAC/DC電力変換効率を実現でき、交流入力電力を低減できる。
絶縁コンバータトランスPITのギャップをゼロとすることと、一次電流I1を電流I1Aと電流I1Bに分流させることでAC/DC電力変換効率が向上する理由は、第1の実施の形態の説明で述べたとおりである。
【0116】
また、本例の場合、一次側直列共振電流としては実際には先行技術の8.2A(P-P)から5.8A(P-P)に低減することになり、スイッチング素子Q1、Q2の発熱が低下することから、スイッチング素子Q1、Q2に対する放熱板が不要となるなど、回路構成上、有利なものとなる。
さらに第1の実施の形態においても説明したが、絶縁コンバータトランスPITにおいてギャップを形成しないため、製造にあたりギャップを形成するための工程は不要となるので、それだけ製造工程が簡略化され、コストダウンを図ることが可能になる。また、密結合とされることで、絶縁コンバータトランスPITからの漏洩磁束も低減されるので、例えば銅板によるショートリングを絶縁コンバータトランスPITに巻回して施す必要もなくなる。この点でも、絶縁コンバータトランスPITの製造工程が簡略化され、また、コストダウンが促進されることになる。
さらに、ギャップが無くなったことで、絶縁コンバータトランスPITの巻線の局部的な温度上昇の問題も解消され、それだけ信頼性が向上することにもなる。
【0117】
<第6の実施の形態>
図19に第6の実施の形態のスイッチング電源回路を示す。なお、一次側及び二次側の基本的な構成は図15の回路と同様であり、同一部分は同一符号を付して説明を省略する。
この図19の回路は、絶縁コンバータトランスPITの外側巻線N1Aと内側巻線N1Bの巻方向が図15と異なるものとなっている。
【0118】
この場合、外側巻線N1Aの巻終わり端、及び内側巻線N1Bの巻始め端は、共振電流検出巻線NAの直列接続を介してスイッチング出力点(スイッチング素子Q1のエミッタとスイッチング素子Q2のコレクタの接続点)と接続されている。
また外側巻線N1Aの巻始め端は共振コンデンサC1に接続され、内側巻線N1Bの巻終わり端は、インダクタL1Cを介して共振コンデンサC1に接続されている。
つまり、内側巻線N1BとインダクタL1Cの直列回路が、外側巻線N1Aに対して並列接続されて一次巻線が形成されるとともに、この場合、内側巻線N1Bと外側巻線N1Aは、巻方向が逆方向の逆転捲きとされているものとなる。
絶縁コンバータトランスPITの構造は図2又は図3に示すようになり、コアにはギャップは形成されない。
【0119】
上述した図15の回路の場合は、外側巻線N1Aと内側巻線N1Bが巻方向が同方向されたことにより、絶縁のための層間テープを必要としていたが、この図19の場合は、逆転捲きであることから図2又は図3に示すように、絶縁のための層間テープTPは不要となる。この理由は第1の実施の形態において説明したとおりである。
なお、図2,図3には示されていないが、この場合、二次側には二次巻線N3も巻装されることになる。
この図19の第6の実施の形態によっても、上記第5の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0120】
<第7の実施の形態>
図20に第7の実施の形態のスイッチング電源回路を示す。なお、一次側の基本的な構成、及び二次側の構成は図15の回路と同様である。
この場合は、図15における直列共振コンデンサC1に相当するコンデンサとして、直列共振コンデンサC1A、C1Bが設けられる。
【0121】
直列共振コンデンサC1Aは外側巻線N1Aに対して直列に接続され、また直列共振コンデンサC1Bは内側巻線N1Bに対して直列に接続される。
即ちこの場合、直列共振コンデンサC1Aと外側巻線N1Aによる直列回路と、直列共振コンデンサC1Bと内側巻線N1Bによる直列回路とが、並列に接続されるものとなる。
図15の場合に接続されたインダクタL1Cは設けられない。
【0122】
この場合、直列共振コンデンサC1A、C1Bの各静電容量値は、外側巻線N1Aに流れる直列共振電流I1Aと、内側巻線N1Bに流れる直列共振電流I1Bとが等しくなるように選定すればよい。
上述したように図15の場合にインダクタL1Cが設けられるのは、外側巻線N1Aと内側巻線N1Bでの漏洩インダクタンスの差を解消して、電流I1A=電流I1Bとするためである。この図20の場合は、直列共振コンデンサC1A、C1Bの各静電容量値によって電流I1A=電流I1Bとする。
この図20の第7の実施の形態によっても、上記図15の第5の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0123】
<第8の実施の形態>
図21に第8の実施の形態のスイッチング電源回路を示す。なお、一次側の構成、及び二次側の共振コンデンサC20及びブリッジ整流ダイオードDBRによる全波整流回路の構成は図15の回路と同様である。
【0124】
この例では、二次側においても二次巻線を外側巻線N2Aと内側巻線N2Bに分割している。
即ち絶縁コンバータトランスPITは、上述した図13,図14のような構造となり、磁脚にギャップを形成していないコアに対して一次巻線(N1A、N1B)及び二次巻線(N2A、N2B)を巻装し、一次巻線(N1A、N1B)と二次巻線(N2A、N2B)とが所要以上の結合係数による密結合の状態となるように形成される。
【0125】
一次側の外側巻線N1Aと内側巻線N1B(及びインダクタL1C)の構成は図15と同様である。
二次側の巻線としては、図13,図14にも示すように、ボビンBの外側に巻回されることになる外側巻線N2Aと、ボビンの内側に巻回されることになる内側巻線N2Bに分割され、外側巻線N2Aと内側巻線N2Bの巻数は同数とされる。
【0126】
そして二次側においては、外側巻線N2Aの巻始め端、及び内側巻線N2Bの巻始め端はブリッジ整流ダイオードDBRの正極側に接続される。また外側巻線N2Aの巻終わり端はブリッジ整流ダイオードDBRの負極側に接続され、内側巻線N2Bの巻終わり端は、インダクタL2Cを介してブリッジ整流ダイオードDBRの負極側と接続される。
つまり外側巻線N2Aと内側巻線N2Bの巻方向は同方向とされている。
【0127】
インダクタL2Cは、一次側におけるインダクタL1Cと同様の目的で設けられるものである。即ち内側巻線N2Bの漏洩インダクタンスL2Bが、外側巻線N2Aの漏洩インダクタンスL2Aより少ないことに対応して、これを同等とするためのものであり、内側巻線N2BとインダクタL2Cの直列回路が外側巻線N2Aと並列接続されることで、内側巻線N2B側のインダクタンス(L2B、L2C)を、外側巻線N2A側のインダクタンス(L2A)と同等となるようにし、これによって二次電流I2B=電流I2Aとするものである。
【0128】
この構成の場合、上記のように外側巻線N2Aと内側巻線N2Bの巻方向は同方向である。また一次側における外側巻線N1Aと内側巻線N1Bも同方向である。このため、絶縁コンバータトランスPITにおいては図13,図14に示すように、一次側巻線及び二次側巻線について、それぞれ外側巻線N1A、N2Aと内側巻線N1B、N2Bの間に、絶縁のための層間テープTPを施すことが必要となる。
【0129】
このように二次側の巻線についても外側巻線N2Aと内側巻線N2Bに分割し、二次電流I2を電流I2A、I2Bに分流させるようにする(I2A=I2B=I2/2)ことで、二次側巻線における銅損も低減し、AC/DC電力変換効率を更に向上できる。
【0130】
<第9の実施の形態>
図22に第9の実施の形態のスイッチング電源回路を示す。なお、一次側の基本的な構成、及び二次側の共振コンデンサC20及びブリッジ整流ダイオードDBRによる全波整流回路の構成は図21と同様である。
この図22の回路は、絶縁コンバータトランスPITの一次側においては、外側巻線N1Aと内側巻線N1Bの巻方向を逆方向とし、また二次側において、外側巻線N2Aと内側巻線N2Bの巻方向を逆方向としたものである。
【0131】
即ち一次側においては、外側巻線N1Aの巻終わり端、及び内側巻線N1Bの巻始め端は、共振電流検出巻線NAの直列接続を介してスイッチング出力点(スイッチング素子Q1のエミッタとスイッチング素子Q2のコレクタの接続点)と接続される。また外側巻線N1Aの巻始め端は共振コンデンサC1に接続され、内側巻線N1Bの巻終わり端は、インダクタL1Cを介して共振コンデンサC1に接続されている。つまり、内側巻線N1BとインダクタL1Cの直列回路が、外側巻線N1Aに対して並列接続されて一次巻線が形成されるとともに、内側巻線N1Bと外側巻線N1Aは、巻方向が逆方向の逆転捲きとされているものとなる。
【0132】
二次側の巻線としては、外側巻線N2Aの巻終わり端、及び内側巻線N2Bの巻始め端はブリッジ整流ダイオードDBRの正極側に接続される。また外側巻線N2Aの巻始め端はブリッジ整流ダイオードDBRの負極側に接続され、内側巻線N2Bの巻終わり端は、インダクタL2Cを介してブリッジ整流ダイオードDBRの負極側と接続される。つまり外側巻線N2Aと内側巻線N2Bの巻方向も逆方向とされている。
【0133】
従って、外側巻線N1Aと内側巻線N1Bの間、及び内側巻線N2Bと外側巻線N2Aの間に絶縁のための層間テープを施すことは不要で、絶縁コンバータトランスPITの構造は図10,図11に示すようになる。
この第9の実施の形態によっても、上記第8の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0134】
以上、各種実施の形態を説明してきたが、本発明としてのスイッチング電源回路としては、上記各実施の形態としての構成に限定されるものではなく、例えば、要部の部品素子の定数などは適宜、各種条件に応じて適切な値に変更されればよい。
また、例えば一次側スイッチングコンバータに用いられるスイッチング素子としては、各回路図に示したバイポーラトランジスタのほか、MOS−FETやIGBTなどが採用されて構わない。
また、各実施の形態ではスイッチング素子Q1(又はQ1,Q2)に対して自励発振回路を設けたが、例えばスイッチング素子Q1(又はQ1,Q2)をMOS−FETやIGBTで形成する場合、これに対して他励発振回路によってスイッチング動作させる構成としてもよい。
【0135】
【発明の効果】
以上説明から理解されるように、本発明では次の効果が得られる。
請求項1〜請求項8の発明によれば、一次側が一石構成の電圧共振形コンバータ、二次側が半波整流方式電圧共振回路を組み合わせた複合共振形コンバータとしてのスイッチング電源回路において、二次側が半波整流回路とされることにより、絶縁コンバータトランスのコアのギャップをゼロとして一次巻線と二次巻線の結合係数を0.95程度の密結合とし、さらに直流入力電圧は、全波整流回路から得るようにしている。これにより、AC/DC電力変換効率(ηAC/DC)を向上させることができ、入力電力を低減して省電力化を図ることができる。
さらに、一次側巻線、又は一次側巻線と二次側巻線の両方を、インダクタンス値を同等とした内側巻線と外側巻線による構成とし、一次側巻線に流れる電流、又は一次側巻線と二次側巻線の両方についての電流を分流させている。これによりAC/DC電力変換効率(ηAC/DC)をさらに向上でき、特に負荷電力が200W以上の重負荷時にも電力変換効率を向上させることができる。例えば入力倍電圧整流回路を備えるようにした回路と同等以上の電力変換効率を、入力全波整流回路の構成において実現できる。従って、平滑コンデンサは1つでよく、またスイッチング素子の耐圧も800V程度でよいものとなるため、回路構成上、有利となり、回路規模の小型化、軽量化、低コスト化を実現できる。また二次側が半波整流回路であることも、ブリッジ整流ダイオードを備えるようにする回路に比べて回路規模の小型化、軽量化、低コスト化に有利である。
【0136】
請求項9〜請求項18の発明によれば、一次側が二石構成の電流共振形コンバータで部分電圧共振回路を備え、二次側にも部分電圧共振回路を備えた複合共振形コンバータとしてのスイッチング電源回路が形成され、二次側に部分電圧共振回路を備えたことにより、絶縁コンバータトランスのコアのギャップをゼロとして一次巻線と二次巻線の結合係数を0.95程度の密結合とし、さらに直流入力電圧は、全波整流回路から得るようにしている。
さらに、一次側巻線、又は一次側巻線と二次側巻線の両方を、インダクタンス値を同等(直列共振電流が同等)とした内側巻線と外側巻線による構成とし、一次側巻線に流れる電流、又は一次側巻線と二次側巻線の両方についての電流を分流させている。
これにより一次側が入力全波整流方式の電流共振形コンバータとしての回路構成において、AC/DC電力変換効率(ηAC/DC)を向上させることができ、入力電力を低減して省電力化を図ることができる。
また一次側直列共振電流が低減され、ハーフブリッジ接続された各スイッチング素子の発熱が低減するため、これらに対する放熱板が不要になるという利点もある。
【0137】
また請求項1〜請求項18に係る発明では、絶縁コンバータトランスにおいてギャップを形成しないことで、ギャップ形成のためのコアの研磨工程は省略されることになる。これにより、例えば製造工程が簡略化され、また、絶縁コンバータトランスを製造するコストも低減することができる。
さらに、上記のように絶縁コンバータトランスに巻装された一次側巻線と二次側巻線とが密結合となることによっては、絶縁コンバータトランスからの漏洩磁束は低減されるので、例えば絶縁コンバータトランスにショートリングを施す必要もないこととなる。そして、この点でも、コストダウンが図られ、また、回路の小型軽量化が促進されるものである。
また、絶縁コンバータトランスのギャップ近傍における局部的温度上昇は発生しないことになるために、それだけ電源回路としても信頼性が向上することになる。
また絶縁コンバータトランスのギャップがゼロであることで、一対のE型フェライト磁心や、一対のU型フェライト磁心による構成が可能であり、フェライト磁心の選定の自由度が増すため設計に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のスイッチング電源回路の回路図である。
【図2】第1、第6の実施の形態のE型コアによる絶縁コンバータトランスの構造例の説明図である。
【図3】第1,第6の実施の形態のU型コアによる絶縁コンバータトランスの構造例の説明図である。
【図4】第1の実施の形態の電源回路の動作を示す波形図である。
【図5】第1の実施の形態の電源回路のAC/DC電力変換効率の特性の説明図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態のスイッチング電源回路の回路図である。
【図7】第2、第5、第7の実施の形態のE型コアによる絶縁コンバータトランスの構造例の説明図である。
【図8】第2、第5、第7の実施の形態のU型コアによる絶縁コンバータトランスの構造例の説明図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態のスイッチング電源回路の回路図である。
【図10】第3、第9の実施の形態のE型コアによる絶縁コンバータトランスの構造例の説明図である。
【図11】第2,第9の実施の形態のU型コアによる絶縁コンバータトランスの構造例の説明図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態のスイッチング電源回路の回路図である。
【図13】第4、第8の実施の形態のE型コアによる絶縁コンバータトランスの構造例の説明図である。
【図14】第4,第8の実施の形態のU型コアによる絶縁コンバータトランスの構造例の説明図である。
【図15】本発明の第5の実施の形態のスイッチング電源回路の回路図である。
【図16】第5の実施の形態の電源回路の動作を示す波形図である。
【図17】第5の実施の形態の電源回路のAC/DC電力変換効率の特性の説明図である。
【図18】第5の実施の形態の電源回路のAC/DC電力変換効率の特性の説明図である。
【図19】本発明の第6の実施の形態のスイッチング電源回路の回路図である。
【図20】本発明の第7の実施の形態のスイッチング電源回路の回路図である。
【図21】本発明の第8の実施の形態のスイッチング電源回路の回路図である。
【図22】本発明の第9の実施の形態のスイッチング電源回路の回路図である。
【図23】先行技術としてのスイッチング電源回路の構成例を示す回路図である。
【図24】先行技術としての電源回路に採用される絶縁コンバータトランスの構造例を示す断面図である。
【図25】先行技術の電源回路のAC/DC電力変換効率の特性の説明図である。
【図26】先行技術の電源回路の動作を示す波形図である。
【図27】先行技術としてのスイッチング電源回路の構成例を示す回路図である。
【図28】先行技術としてのスイッチング電源回路の他の構成例を示す回路図である。
【図29】先行技術の電源回路の動作を示す波形図である。
【図30】先行技術の電源回路のAC/DC電力変換効率の特性の説明図である。
【符号の説明】
1 制御回路、Di ブリッジ整流回路、Ci 平滑コンデンサ、Q1,Q2スイッチング素子、PIT 絶縁コンバータトランス、N1A,N2A 外側巻線、N1B,N2B 内側巻線 N2 二次巻線、Cr 一次側並列共振コンデンサ、C2 二次側並列共振コンデンサ、Cp 一次側部分電圧共振コンデンサ、C20二次側部分電圧共振コンデンサ
Claims (6)
- 交流入力に対して全波整流を行い、平滑コンデンサにより直流入力電圧を得る整流平滑手段と、
上記直流入力電圧を断続するスイッチング素子を備えて成るスイッチング手段と、
磁脚にギャップを形成していないコアに対して一次側巻線及び二次側巻線を巻装し、上記一次側巻線と二次側巻線とが所要以上の結合係数による密結合の状態となるように形成され、上記一次側巻線に得られる上記スイッチング手段の出力を上記二次側巻線に対して伝送するとともに、上記一次側巻線は、巻数が同数の内側巻線と外側巻線に分離されている絶縁コンバータトランスと、
上記内側巻線側のインダクタンス値を上記外側巻線側のインダクタンス値と同等とするために、上記内側巻線に直列であり、かつ上記外側巻線に並列に接続されたインダクタンスと、
上記絶縁コンバータトランスの一次側巻線と一次側並列共振コンデンサとにより形成され、上記スイッチング手段の動作を電圧共振形とするように設けられる一次側並列共振回路と、
上記絶縁コンバータトランスの二次側巻線に対して、二次側共振コンデンサを接続することで形成される二次側共振回路と、
上記二次側共振回路に得られる交番電圧を入力して半波整流動作を行うことで直流出力電圧を得るように構成される直流出力電圧生成手段と、
自励発振回路又は他励発振回路により形成され、その発振出力により上記スイッチング素子をスイッチング駆動するスイッチング駆動手段と、
上記直流出力電圧のレベルに応じて上記自励発振回路又は上記他励発振回路による発振周波数を制御し、上記スイッチング素子のスイッチング周波数を可変制御することで、上記直流出力電圧についての定電圧制御を行うようにされる定電圧制御手段と、
を備え、
上記二次側巻線は、
巻数が同数の内側巻線と外側巻線に分離されるとともに、
上記二次側巻線における内側巻線側のインダクタンス値を上記二次側巻線における外側巻線側のインダクタンス値と同等とするために、上記二次側巻線における内側巻線に直列であり、かつ上記二次側巻線における外側巻線に並列に接続されたインダクタンスを具備するスイッチング電源回路。 - 上記二次側巻線の内側巻線と外側巻線は、
巻方向が逆の逆転捲きとされることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。 - 上記二次側巻線の内側巻線と外側巻線は、
巻方向が同方向とされるとともに、上記二次側巻線の内側巻線と外側巻線との間に絶縁材が施されることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。 - 交流入力に対して全波整流を行い、平滑コンデンサにより直流入力電圧を得る整流平滑手段と、
ハーフブリッジ接続されたスイッチング素子を備えて成り、上記直流入力電圧を断続するスイッチング動作を行うスイッチング手段と、
磁脚にギャップを形成していないコアに対して一次側巻線及び二次側巻線を巻装し、上記一次側巻線と二次側巻線とが所要以上の結合係数による密結合の状態となるように形成され、上記一次側巻線に得られる上記スイッチング手段の出力を上記二次側巻線に対して伝送するとともに、上記一次側巻線は、巻数が同数の内側巻線と外側巻線に分離されている絶縁コンバータトランスと、
少なくとも、上記絶縁コンバータトランスの一次側巻線の漏洩インダクタンス成分と、上記一次側巻線に直列接続された一次側直列共振コンデンサのキャパシタンスとによって形成され、上記スイッチング手段の動作を電流共振形とする一次側直列共振回路と、
上記スイッチング手段を形成する複数のスイッチング素子のうち、所定のスイッチング素子に対して並列に接続される部分共振コンデンサのキャパシタンスと、上記絶縁コンバータトランスの一次側巻線の漏洩インダクタンス成分によって形成され、上記スイッチング手段を形成する複数のスイッチング素子のターンオフ期間に電圧共振動作を行う一次側部分電圧共振回路と、
上記絶縁コンバータトランスの二次側巻線の漏洩インダクタンス成分と、この二次側巻線に対して並列に接続される二次側部分電圧共振コンデンサのキャパシタンスとによって形成される二次側部分電圧共振回路と、
上記絶縁コンバータトランスの二次側巻線に得られる交番電圧を入力して整流動作を行って、二次側直流出力電圧を生成するように構成された直流出力電圧生成手段と、
上記二次側直流出力電圧のレベルに応じて、上記スイッチング手段のスイッチング周波数を可変することで、二次側直流出力電圧に対する定電圧制御を行うように構成された定電圧制御手段と、
を備え、
上記二次側巻線は、
巻数が同数の内側巻線と外側巻線に分離されるとともに、
上記二次側巻線における内側巻線側のインダクタンス値を上記二次側巻線における外側巻線側のインダクタンス値と同等とするために、上記二次側巻線における内側巻線に直列であり、かつ上記二次側巻線における外側巻線に並列に接続されたインダクタンスを具備するスイッチング電源回路。 - 上記二次側巻線の内側巻線と外側巻線は、
巻方向が逆の逆転捲きとされることを特徴とする請求項4に記載のスイッチング電源回路。 - 上記二次側巻線の内側巻線と外側巻線は、
巻方向が同方向とされるとともに、上記二次側巻線の内側巻線と外側巻線との間に絶縁材が施されることを特徴とする請求項4に記載のスイッチング電源回路。
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