JP4193081B2 - レーザ加工用センターガスノズル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶接,切断,穴あけ、表面処理などのレーザ加工において、被加工物の表面にアシストガスを供給しながらレーザ加工を行うためのレーザ加工用センターガスノズルに係わり、さらに詳しくはノズルの出口におけるアシストガスの流れに乱れが生じることがなく、空気の巻き込みなどに基づく加工品質の劣化を未然に防止することができるガスノズルに関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
レーザ溶接を始めとするレーザ加工に用いられるセンターガスノズルとして、例えば特開平7−290268号公報には、アシストガスをレーザ光の周囲から同軸に供給するようにした二重管構造のガスノズルが提案されている。
【0003】
上記公報に開示されたガスノズルは、ノズルの内筒と外筒との間に環状のアシストガス流路を備えており、この環状ガス流路がノズル内筒に形成されたレーザ通過孔に開口する部分、すなわち環状流路を流れるガスがレーザ通過孔に合流するガス合流部におけるガス流路面積をAとし、アシストガスの出口におけるガス流路面積をBとするとき、ガス合流部上部の空気がアシストガスの流れに巻き込まれないように、これらガス流路面積の比B/Aが0.7〜1.0の範囲となるようにしてある。
【0004】
すなわち、上記公報に開示されたガスノズルにおいては、ガス流路の面積比B/Aが1以下、つまりガス合流部における流路面積Aが出口の流路面積Bに等しいか、出口面積Bよりも大きくなっているため、ガス合流部より上部にある空気を巻き込むことはない。しかし、反面、環状流路からガス合流部に流れ込んだアシストガスが、ガス合流部において出口側のみならず、その一部が出口とは反対側に流れることから、ガス合流部におけるガス流場が乱れ、このガス流の乱れがノズル出口でのガス流場にも波及し、ノズル出口と加工点の間での空気の巻き込みを完全に防止することが難しく、このような空気の巻き込みを生じた場合には加工品質が劣化することがあり得るという問題点があった。
【0005】
また、上記したガス流路面積の比B/Aは、ノズル寸法が100分の1ミリ単位でばらついても、大きく変動することから、寸法精度の要求が厳しく、僅かな寸法差による個体間の性能の相違が大きいという問題点があり、このような問題点の解消が上記したレーザ加工用センターガスノズルにおける課題となっていた。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、二重管構造を備えた従来のレーザ加工用センターガスノズルにおける上記課題に着目してなされたものであって、ノズルの出口におけるアシストガスの流れに乱れが生じることがなく、加工点に安定してアシストガスを供給することができ、空気の巻き込みによる加工品質の劣化を未然に防止することができるレーザ加工用センターガスノズルガスノズルを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係わるレーザ加工用センターガスノズルは、ノズル外筒とノズル内筒との間に形成される環状流路を介してレーザ光と同軸にアシストガスを供給する二重管構造のレーザ加工用センターガスノズルであって、前記環状流路を流れるアシストガスがノズル内筒に形成されたレーザ通過孔に合流するガス合流部における環状流路の流路面積をSm とし、ノズル出口におけるアシストガスの流路面積をSe とするとき、両流路面積の比Se /Sm が1以上であると共に、第2のガス流路を備え、第2のガス流路を流れるアシストガスのレーザ通過孔への吐出口が前記ガス合流部よりも上流側に設けてある構成としたことを特徴としており、レーザ加工用センターガスノズルにおけるこのような構成を前述した従来の課題を解決するための手段としている。
【0008】
本発明に係わるレーザ加工用センターガスノズルの実施態様として請求項2に係わるガスノズルにおいては、環状流路と第2のガス流路とがそれぞれ独立してガス供給装置に接続されている構成とし、同じく実施態様として請求項3に係わるレーザ加工用センターガスノズルにおいては、第2のガス流路がレーザ光と同軸の環状をなしている構成としたことを特徴としている。
【0009】
【発明の作用】
本発明の請求項1に係わるレーザ加工用センターガスノズルにおいては、ノズル外筒とノズル内筒との間に形成された環状流路からのアシストガスがノズル内筒に形成されたレーザ通過孔内に合流する位置(ガス合流部)における環状流路の流路面積およびノズル出口における流路面積をそれぞれSm およびSe とするとき、両流路面積の比Se /Sm が1以上であると共に、第2のガス流路を有し、この第2のガス流路からのアシストガスがガス合流部よりも上流側に形成された吐出口からレーザ通過孔内に供給されるようになっている。
【0010】
すなわち、両流路面積の比Se /Sm が1以上、言い換えるとノズル出口におけるアシストガスの流路面積Se がガス合流部における環状流路の流路面積Sm に等しいか、環状流路の流路面積Sm よりも大きくしてあるので、前記ガス合流部におけるアシストガスの流れはすべてノズル出口側に向かうものとなることから、加工点に供給されるアシストガスの流れが乱れることなく、安定したものとなって、加工点の周囲の空気を巻き込むようなことがなくなる。このとき、合流部におけるアシストガスがすべてノズル出口に向かう流れとなることによって、合流部に負圧が発生することになるが、この負圧によって引き込まれる量に見合った量のアシストガスが第2のガス流路を介して吐出口からレーザ通過孔内に供給されるので、ガス合流部での空気の巻き込みも発生せず、レーザ加工の加工品質が向上することになる。
【0011】
本発明に係わるレーザ加工用センターガスノズルの実施態様として請求項2に係わるガスノズルにおいては、環状流路と第2のガス流路とがそれぞれ独立してガス供給装置に接続されているので、環状流路からのアシストガスの供給量に対して第2のガス流路からのアシストガスの供給量を調整することによって、ガスノズル個体間の微妙な寸法誤差に基づく性能の相違が解消されることになり、同じく実施態様として請求項3に係わるレーザ加工用センターガスノズルにおいては、第2のガス流路がレーザ光と同軸の環状をなしていることから、アシストガスがレーザ光の周囲から均一に供給されることになり、アシストガスの流れがより安定したものとなり、空気の巻き込みがより有効に防止されることとなる。
【0012】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係わるレーザ加工用センターガスノズルは、上記構成、すなわち、環状流路と第2のガス流路を備え、環状流路からのアシストガスのレーザ通過孔内への合流部(ガス合流部)における環状流路の流路面積とノズル出口におけるアシストガスの流路面積の比Se /Sm が1以上であると共に、前記合流部の上流側に、第2のガス流路からのアシストガスの吐出口を設けた構成のものであるから、アシストガスの流れを安定なものとすると共に、ガス合流部やノズルと加工点の間における空気の巻き込みを防止することができ、レーザ加工の加工品質を向上させることができるという極めて優れた効果をもたらすものである。
【0013】
また、本発明に係わるレーザ加工用センターガスノズルの実施態様として請求項2に係わるガスノズルにおいては、環状流路と第2のガス流路とがそれぞれ独立してガス供給装置に接続されている構成のものであるから、環状流路からのアシストガス流量と第2のガス流路からのアシストガス流量とを別個に加減することができ、環状流路を流れるアシストガス量に対して第2のガス流路からのガス供給量を調整することによって、寸法差に基づくガスノズル個体間の性能差をなくすことができ、同じく実施態様として請求項3に係わるレーザ加工用センターガスノズルにおいては、第2のガス流路がレーザ光と同軸の環状をなしている構成のものであるから、アシストガスをレーザ光の周囲に平均して供給することができ、アシストガスの流れをより安定にして、空気の巻き込みをより効果的に防止することができるという効果がもたらされる。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいてさらに具体的に説明する。
【0015】
図1(a)ないし(d)は、本発明の一実施例に係わるレーザ加工用センターガスノズルの構造を示すものであって、図1(a)はその全体を示す縦断面図、図1(b)ないし図1(d)は、図1(a)中に示した切断線B−B,C−CおよびD−Dにおけるそれぞれ横断面図である。
【0016】
図に示すレーザ加工用センターガスノズル1は、ノズル外筒2とノズル内筒3から主に構成され、ノズル内筒3の中心部には、レーザ光Lが通るレーザ通過孔3aが軸に沿って形成されていると共に、ノズル外筒2とノズル内筒3の間に環状流路4がノズル内筒3に設けたレーザ通過孔3aと同心に形成されている。
【0017】
環状流路4は、当該ガスノズル1の上端側に形成されたガス送給口4aにおいて図示しないガスホースを介してアシストガスの供給装置に接続されており、この環状流路4がレーザ通過孔3a内に開口する部分(ガス合流部4b)からアシストガスがレーザ光Lと同軸に供給されるようになっている。
【0018】
また、前記環状流路4の図中上方側(ノズル出口2aの反対側)、すなわちアシストガスの上流側には、この実施例では同じく環状をなす第2のガス流路5が同様に形成されており、レーザ通過孔3aに開口する吐出口5bからアシストガスをレーザ光Lと同軸に供給するようになっている。なお、第2のガス流路5へのガス送給口5aは、環状流路4へのガス送給口4aとは別のバルブおよびガスホースを介してガス供給装置に接続されており、環状流路4を流れるアシストガスに対して、第2のガス流路5を流れるアシストガス量を自由に調整することができるようになっている。
【0019】
図1(c)は、前述のように、環状流路4を流れるアシストガスがレーザ通過孔3aに合流するガス合流部4bにおける当該ガスノズル1の横断面を示し、図1(d)は当該ガスノズル1のノズル出口2aにおける横断面を示すものであって、本発明に係わるガスノズル1においては、図1(c)に示すガス合流部4bにおける環状流路4の流路面積Sm に対する、図1(d)に示すノズル出口2aにおける流路面積Se の比Se /Sm が1以上、とくにこの実施例においては、ノズル出口2aの流路面積Se をガス合流部4bにおける流路面積Sm よりも若干大きくなるようにしてある。
【0020】
このような構造を備えたレーザ加工用センターガスノズル1においては、環状流路4を通ってレーザ通過孔3a内に流れ込んだアシストガスは、上記のようにノズル出口2aの流路面積Se がガス合流部4bにおける流路面積Sm よりも大きくしてあるので、図2に示すように、ガス合流部4bにおいてすべて図中下向き、すなわちノズル出口2aに向かって流れるようになり、アシストガスの流れが安定したものとなる。このとき、ガス合流部4bにおけるアシストガスの流れがすべてノズル出口2a側に向かうことによって負圧が生じるので、負圧によってノズル出口2a側に引き込まれる量に応じた流量のアシストガスを第2のガス流路5を介して吐出口5bからレーザ通過孔3a内に供給することによって、レーザ通過孔3a内の空気がアシストガス中に巻き込まれないようにする。
【0021】
ここで、空気の巻き込みを完全に防止するには、第2のガス流路5からのアシストガス送給量を負圧によって引き込まれる量より若干多めになるように調整し、図2に示すようにノズル1の上方(反出口側)にもアシストガスが流れるようにする必要がある。これによって第2のガス流路5からのアシストガスのレーザ通過孔3a内への合流部、すなわち吐出口5bの近傍部において上下のガス流が発生することになり、これによって流場に多少の乱れが生じるが、環状流路4からのアシストガスの合流部4bにおいて整流されるので、加工点には安定した流れのアシストガスが供給される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) 本発明の一実施例に係わるレーザ加工用センターガスノズルの構造を示す縦断面図である。
(b) 図1(a)の切断線B−Bにおける横断面図である。
(c) 図1(a)の切断線C−Cにおける横断面図である。
(d) 図1(a)の切断線D−Dにおける横断面図である。
【図2】本発明に係わるレーザ加工用センターガスノズルにおけるアシストガスの流れを示す説明図である。
【符号の説明】
1 レーザ加工用センターガスノズル
2 ノズル外筒
2a ノズル出口
3 ノズル内筒
3a レーザ通過孔
4 環状流路
4b ガス合流部
5 第2のガス流路
5b 吐出口
L レーザ光
Claims (3)
- ノズル外筒とノズル内筒との間に形成される環状流路を介してレーザ光と同軸にアシストガスを供給する二重管構造のレーザ加工用センターガスノズルであって、前記環状流路を流れるアシストガスがノズル内筒に形成されたレーザ通過孔に合流するガス合流部における環状流路の流路面積をSm とし、ノズル出口におけるアシストガスの流路面積をSe とするとき、両流路面積の比Se /Sm が1以上であると共に、第2のガス流路を備え、第2のガス流路を流れるアシストガスのレーザ通過孔への吐出口が前記ガス合流部よりも上流側に設けてあることを特徴とするレーザ加工用センターガスノズル。
- 環状流路と第2のガス流路とがそれぞれ独立してガス供給装置に接続されていることを特徴とする請求項1記載のレーザ加工用センターガスノズル。
- 第2のガス流路がレーザ光と同軸の環状をなしていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のレーザ加工用センターガスノズル。
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