JP4193159B2 - インクジェット記録シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録シートに関するものであり、更に詳しくは、インクの吸収性、定着性、耐水性が良好であり、かつ塗工層の表面強度が良好なインクジェット記録シートに関するものである。更には、インクジェット用の水性、低粘性のインクと共に家庭用簡易印刷機の一種であるプリントゴッコ(登録商標)等の油性、高粘性のインクにも親和性のあるインクジェット記録シートを提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、騒音が少なく、現像や定着等のプロセスが不要であり、なおかつ容易にフルカラー印刷できることから、各種プリンター等に利用され、近年急速に普及してきている。それゆえ、インクジェット記録媒体の需要も急激な増加傾向にある。
【0003】
最近では、水性インクを使用したインクジェット方式のプリンターの高性能化に伴なって、被記録用シートに対しても高吸収性、忠実なドットの再現性、耐水性等の特性的な要求がされるようになり、支持体上にインク受容層を設けたコート紙が一般的に使用されるようになってきている。
【0004】
また、インクジェット記録媒体は、インクジェット記録ばかりでなく、オフセット印刷、家庭用簡易印刷機の一種であるプリントゴッコ(登録商標)等、多方面で汎用的に使用される場合が増えてきており、それに伴った多機能性も要求され始めている。
【0005】
特開平10−297148号公報にインクジェットとプリントゴッコ(登録商標)共用の郵便葉書の発明例が紹介されているが、支持体上にシリカ等からなるインク受容層を設けない普通紙タイプの共用紙であると、インクジェットの印字品質が十分でない。
【0006】
しかしながら、従来のインクジェット記録媒体においては、インクジェットの印字品質は良好でも、プリントゴッコ(登録商標)等の油性、高粘性のインクに対しては、インク受理が良好とは言えず、またインクセット性が高いためにインクのレベリングが起こりにくく、いわゆる印刷部の白抜けが問題となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のとおり、インクジェット記録媒体においては、インクジェット用インクのような水性、低粘性のインクの吸収性が良好であると共に、プリントゴッコ(登録商標)用インクのような油性、高粘性のインクとも一定の親和性を持つことが要求され始めている。
【0008】
なおかつ、インクジェット適性として、耐水性、紙面強度が良好で、かつ、印字が高精細で写真調画質が忠実に得られる特性も求められる。
【0009】
従って、本発明が解決しようとする課題は、上記項目を全て満たすインクジェット記録シートを提供することを目的としたもので、具体的にはインクジェット用の水性、低粘性のインクに対して吸収性が良好であると共に、家庭用簡易印刷機の一種であるプリントゴッコ(登録商標)用インクのような油性、高粘性のインクにも一定の親和性があり、インク受理が良好であり、印刷部の白抜けがなく、インクジェット適性として、耐水性、紙面強度が良好で、しかも、印字が高精細で写真調画質が忠実に得られるインクジェット記録シートを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明に係るインクジェット記録シートは、上記課題を解決することを目的としてなされたもので、その構成は、支持体上の少なくとも片面に、シリカを主成分とするインク受容層と、該インク受容層の上に水性高分子を主成分とするオーバーコート層を設けたインクジェット記録シートにおいて、前記水性高分子が親水性樹脂と親油性樹脂の混合物であり、その重量比が、(親水性樹脂:親油性樹脂)=(50:50)〜(90:10)であり、該親水性樹脂がポリウレタン系樹脂であり、該親油性樹脂がカチオン性ラテックス若しくは両性ラテックス又はアクリル系樹脂あるいは酢酸ビニル系樹脂であり、かつ、上記オーバーコート層の塗工量が0.1〜3.0g/m2である塗布工程によってオーバーコート層が形成される構成とするものである。
【0011】
即ち、上記課題を解決することを目的とし鋭意研究の結果、シリカを主成分とするインク受容層上に、所定割合の親水性樹脂と親油性樹脂からなるオーバーコート層を設けることで、良好なインクジェット適性を保ちつつプリントゴッコ(登録商標)用インクのような油性、高粘性のインクとも一定の親和性を持ち、インク受理が良好であり、印刷部の白抜けがないことを見出した。
【0012】
以下本発明について詳述する。本発明のインクジェット記録シートは以下のようにして得られる。支持体としては一般の上質紙、板紙及びフィルム等が用いられる。
【0013】
次に前記支持体に受容層を設けるわけであるが、接着成分の量はインクの吸収性を損なわないように、シリカの固形分重量100部に対し、80部以下が望ましい。使用するシリカは、印字濃度やインク吸収性が良好で、また塗工層強度が高いものが望ましい。
【0014】
当該インク受容層には、添加剤として、カチオン性インク定着剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を製造条件、要求性能に応じて適宜使用することができる。
【0015】
本発明のインク受容層の塗工液を得るには、シリカ分散時に分散剤等により均一にシリカを分散させた後、各種助剤を添加する。
【0016】
また、本発明のインク受容層の形成法においては、上記塗工液を例えば、バーコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、リップコーター等の塗工方式で支持体上に塗布される。塗工後、必要に応じて、表面の平滑化処理のために、マシンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等の処理を行っても良い。
【0017】
当該インク受容層の好適な厚さは、10〜50μmの範囲であり、より好ましくは10〜30μmである。10μm未満の場合は、インクの吸収ムラによるベタ部の均一性が悪化する。なお、当該インク受容層が50μm以上であっても本発明の目的とする効果が著しく損なわれることはない。
【0018】
次に、インク受容層上にオーバーコート層を設けるが、当該オーバーコート層の主成分は親水性樹脂と親油性樹脂である。
【0019】
使用する親水性樹脂はウレタン系樹脂であり、使用する親油性樹脂はカチオン性ラテックス、両性ラテックス、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂であり、好ましくはカチオン性ラテックス又はアクリル系樹脂である。
【0020】
上記オーバーコート層における親水性樹脂と親油性樹脂の割合は、(親水性樹脂:親油性樹脂)=(90:10)〜(50:50)が望ましい。親油性樹脂の割合がこれ以下の場合はプリントゴッコ(登録商標)用インクのような油性、高粘性のインクとも一定の親和性に欠け、インク受理が良好でなく、印刷部の白抜けが生じるという問題があり、これ以上の場合はインクジェット適性の低下を招く。
【0021】
さらに、当該オーバーコート層には、その他の添加剤として、カチオン性インク定着剤、増粘剤、浸透剤、消泡剤、抑泡剤を製造条件、要求性能に応じて適宜使用することができる。
【0022】
当該オーバーコート層の好適な塗工量は、0.1〜3.0g/m2の範囲であり、より好ましくは0.5〜1.5g/m2である。0.1g/m2未満の場合は、プリントゴッコ(登録商標)用インクのような油性、高粘性のインクとも一定の親和性に欠け、インク受理が良好でなく、印刷部の白抜けが生じるという問題がある。また、当該オーバーコート層が3.0g/m2以上であるとインクジェットのインク吸収性が悪化する。
【0023】
本発明によるオーバーコート層は、バーコーター、エアーナイフコーター、リップコーター等の塗工方式で、インク受容層上に塗布される。塗工後、熱風乾燥、赤外乾燥、常温乾燥、凍結乾燥等、乾燥方式を選ぶ必要はない。また、乾燥後必要に応じて、表面の平滑化処理のため、マシンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等の処理を行っても良い。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を挙げて説明する。しかし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0025】
実施例1
坪量190g/m2の原紙を使用し、この原紙の片面にインク受容層塗工液を固形分塗工量で10.0g/m2となるようにエアーナイフコーターによる塗工を行い、エアードライヤーで熱風乾燥した。次いで、インク受容層塗工面に、オーバーコート層塗工液を固形分塗工量で1.0g/m2となるようにエアーナイフコーターによる塗工を行い、同様にエアードライヤーで熱風乾燥し、インクジェット記録用紙を製造した。
【0026】
インク受容層の詳細
上記インクジェット記録用紙におけるインク受容層の構成は以下のものである。インク受容層の構成を表す「部」とは、塗工液中のシリカ重量を100とした場合の各成分の固形分重量である。
塗工液固形分濃度:20.0wt%
合成非晶質シリカ(商品名;ミズカシルP78D、水沢化学社製) 100部
ポリビニルアルコール(商品名;PVA−117、クラレ社製) 30部
カチオン樹脂(商品名;パスコールJK−173、明成化学工業社製) 10部
【0027】
オーバーコート層の概略
上記インクジェット記録用紙におけるオーバーコート層の構成は以下のものである。オーバーコート層の構成を表す「部」とは、塗工液中の総固形分重量を100とした場合の各成分の固形分重量である。
塗工液固形分濃度:2.5wt%
ポリウレタン系樹脂(商品名;IJ−50、大日本インキ社製) 50部
カチオン性ラテックス(商品名;ボンコートSFC−54、大日本インキ社製)
50部
【0028】
実施例2
オーバーコート層の構成:
その他の条件は実施例1に準ずる。
【0029】
実施例3
オーバーコート層の構成:
ポリウレタン系樹脂(商品名;IJ−50、大日本インキ社製) 50部
両性ラテックス(商品名;アコスターC177、三井サイテック社製) 50部
その他の条件は実施例1に準ずる。
【0030】
実施例4
オーバーコート層の構成:
ポリウレタン系樹脂(商品名;IJ−50、大日本インキ社製) 90部
両性ラテックス(商品名;アコスターC177、三井サイテック社製) 10部
その他の条件は実施例1に準ずる。
【0031】
実施例5
オーバーコート層の構成:
その他の条件は実施例1に準ずる。
【0032】
実施例6
オーバーコート層の構成:
その他の条件は実施例1に準ずる。
【0033】
実施例7
オーバーコート層の構成:
ポリウレタン系樹脂(商品名;IJ−50、大日本インキ社製) 50部
アクリル系樹脂(商品名;アクアブリッド102、ダイセル化学社製) 50部
その他の条件は実施例1に準ずる。
【0034】
実施例8
オーバーコート層の構成:
ポリウレタン系樹脂(商品名;IJ−50、大日本インキ社製) 90部
アクリル系樹脂(商品名;アクアプリッド102、ダイセル化学社製) 10部
その他の条件は実施例1に準ずる。
【0035】
実施例9
オーバーコート層の固形分塗工量: 0.1g/m2
その他の条件は実施例1に準ずる。
【0036】
実施例10
オーバーコート層の固形分塗工量: 0.5g/m2
その他の条件は実施例1に準ずる。
【0037】
実施例11
オーバーコート層の固形分塗工量: 1.5g/m2
その他の条件は実施例1に準ずる。
【0038】
実施例12
オーバーコート層の固形分塗工量: 3.0g/m2
その他の条件は実施例1に準ずる。
【0039】
実施例13
オーバーコート層の固形分塗工量: 3.0g/m2
オーバーコート層の構成:
その他の条件は実施例1に準ずる。
【0040】
比較例1
オーバーコート層の構成:
ポリウレタン系樹脂(商品名;IJ−50、大日本インキ社製) 100部
その他の条件は実施例1に準ずる。
【0041】
比較例2
オーバーコート層の構成:
その他の条件は実施例1に準ずる。
【0042】
比較例3
オーバーコート層の構成:
両性ラテックス(商品名;アコスターC177、三井サイテック社製)100部
その他の条件は実施例1に準ずる。
【0043】
比較例4
オーバーコート層の構成:
その他の条件は実施例1に準ずる。
【0044】
比較例5
オーバーコート層の構成:
アクリル系樹脂(商品名;アクアブリッド102、ダイセル化学社製)100部
その他の条件は実施例1に準ずる。
【0045】
比較例6
オーバーコート層の固形分塗工量: 4.0g/m2
その他の条件は実施例1に準ずる。
【0046】
比較例7
オーバーコート層の固形分塗工量: 4.0g/m2
オーバーコート層の構成:
その他の条件は実施例1に準ずる。
【0047】
比較例8
上記オーバーコート層を持たないものである。
【0048】
評価1:各インクジェット記録用紙について、キャノン(株)製のインクジェットプリンター(BJC−430J)によって、フォトインクを使用し、C、M、Y、Bk、R、G、Bの各ベタ部印刷、並びに写真画像の印刷を行い、以下の要領で評価を行った。
【0049】
乾燥性:印字直後の印字面の表面状態を目視観察した。
【0050】
インク滲み:混色部やベタ部の重なりのインクの滲み具合を目視観察した。
【0051】
ベタ部均一性:ベタ部の濃度ムラを目視観察した。
【0052】
評価2:各インクジェット記録用紙について、理想科学工業(株)製のプリントゴッコ(登録商標)(PG−11)によって、RISO HiMesh INK(Black)のインクを使用し、ベタ部印刷、並びにイラスト部の印刷を行い、以下の要領で評価を行った。
【0053】
ベタ部均一性:ベタ部の濃度ムラを目視観察した。
【0054】
細線の再現性:イラスト部と文字部の両線部を目視観察した。
(以下余白)
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】
本発明は、水溶性染料及び水系顔料インクと油性インクのいずれにおいても、印字または印刷適性に優れるインクジェット記録用紙を提供することができる。すなわち、インクジェット用の水性、低粘性のインクに対して吸収性が良好であると共に、家庭用簡易印刷機の一種であるプリントゴッコ(登録商標)用インクのような油性、高粘性のインクにも一定の親和性があり、インク受理が良好であり、印刷部の白抜けがなく、インクジェット適性として、耐水性、紙面強度が良好で、しかも、印字が高精細で写真調画質が忠実に得られるインクジェット記録シートを提供することができる。
Claims (1)
- 支持体上の少なくとも片面に、シリカを主成分とするインク受容層と、該インク受容層の上に水性高分子を主成分とするオーバーコート層を設けたインクジェット記録シートにおいて、前記水性高分子が親水性樹脂と親油性樹脂の混合物であり、その重量比が、(親水性樹脂:親油性樹脂)=(50:50)〜(90:10)であり、該親水性樹脂がポリウレタン系樹脂であり、該親油性樹脂がカチオン性ラテックス若しくは両性ラテックス又はアクリル系樹脂あるいは酢酸ビニル系樹脂であり、かつ、上記オーバーコート層の塗工量が0.1〜3.0g/m2である塗布工程によってオーバーコート層が形成されることを特徴とするインクジェット記録シート。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP21758999A JP4193159B2 (ja) | 1999-07-30 | 1999-07-30 | インクジェット記録シート |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21758999A JP4193159B2 (ja) | 1999-07-30 | 1999-07-30 | インクジェット記録シート |
Publications (2)
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| JP2001039021A JP2001039021A (ja) | 2001-02-13 |
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Family
ID=16706669
Family Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP21758999A Expired - Lifetime JP4193159B2 (ja) | 1999-07-30 | 1999-07-30 | インクジェット記録シート |
Country Status (1)
| Country | Link |
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|---|---|---|---|---|
| US6896944B2 (en) * | 2001-06-29 | 2005-05-24 | 3M Innovative Properties Company | Imaged articles comprising a substrate having a primed surface |
-
1999
- 1999-07-30 JP JP21758999A patent/JP4193159B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
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| JP2001039021A (ja) | 2001-02-13 |
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