JP4193511B2 - Lapping shoe - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークの加工面を砥粒付きのラッピングフィルム(以下単にフィルムと称することもある)によりフィルムラッピング加工(以下単にラッピング加工)するラッピング加工装置において用いられるラッピング加工用のシューに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、カムシャフトのカムロブ部やジャーナル部あるいはクランクシャフトのジャーナル部やピン部等のような断面円弧状外周面を有するワークを仕上げ加工する場合は、最近、一面に砥粒が設けられたラッピングフィルムによりラッピング加工されている。
【0003】
このラッピング加工は、ワークの加工面をラッピングフィルムで覆い、このフィルムを背面からシューで加圧し、フィルムをワークに押付けた状態でワークを回転しながらフィルムの砥粒面でワークを加工する(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
このようなラッピング加工において用いられるシューは、その先端部の形状から凸シューと凹シューとに分類される。凸シューは、位置固定的に保持され、その先端部が凸状円弧となっているので、ワークの円弧状外周面とはフィルムを介してであるが、いわば1点での線接触となる。一方、凹シューは、当該凹シューを支持する軸中心に回動自在に保持され、フィルムを介して加工面に複数箇所で当接する凹状先端部を有している。凹シューは、先端部はへこ(凹)んでいるものの、ワークとの当接面自体は凸状円弧となっているので、ワークの円弧状外周面とはフィルムを介してであるが、いわば2点での線接触となる。
【0005】
この凹シューを用いて、カムシャフトのカムロブ部のような加工面が断面非真円形状のワークに対してラッピング加工する場合には、当該凹シューは、ワークの回転に伴って首を振るように回動しながら、フィルムをワークに押付けている。したがって、凹シューでは、フィルムを介してワークに接触する箇所がワークの回転に伴って変化している。
【0006】
なお、本明細書では、シューがフィルムを介してワークの外周面と間接的に当接することを「接触」と略称する。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−237116号公報 (図1、図2参照)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
シューは、スチールあるいは合成樹脂により構成された比較的剛性を有するものであるが、ラッピング加工時には、ある程度の弾性変形が生じながら、ラッピングフィルムをワークの加工面に押付けている。
【0009】
ラッピング加工が施された加工面の加工品質には、面粗度や、ワークの軸線方向に沿う真直度などがあるが、当該加工品質とシューの硬さとの間には、密接な関係がある。すなわち、前者の面粗度を良好にするためには、シューを比較的軟らかい材質から形成し、シューの弾性変形量を大きくするのが好ましい。一方、後者の真直度を良好にするためには、シューを比較的硬い材質から形成し、シューの弾性変形量を小さくするのが好ましい。
【0010】
しかしながら、従来のシューでは、その全体がある一つの材質から構成されていることから、真直度および面粗度の両者をバランスよく良好に仕上げることが難しいという問題がある。特に、凹シューでは、ワークに接触する箇所が当該ワークの回転に伴って変化することから、真直度および面粗度の両者をバランスよく良好に仕上げることが一層難しいという問題がある。
【0011】
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、真直度および面粗度の両者をバランスよく良好に仕上げることが可能なラッピング加工用のシューを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記する手段により達成される。
【0013】
断面非真円の円弧状の加工面を有し回転駆動されるワークに対して、薄肉基材の一面に砥粒が設けられたラッピングフィルムを押付けるラッピング加工用のシューであって、
前記シューは、所定の軸を中心に回動自在に保持されるとともに前記ラッピングフィルムを介して前記加工面に複数箇所で当接する凹状先端部を有する凹シューから構成され、
さらに、前記ワークの回転方向に沿って配列されるとともに弾性変形量が異なる複数の押付け層、および/または、前記ワークの軸線方向に沿って配列されるとともに弾性変形量が異なる複数の押付け層を有し、
前記ワークの前記加工面は、カムシャフトにおけるカムロブ部の外周面であり、
前記複数の押付け層のうち前記カムロブ部のトップ部の先端が前記ラッピングフィルムを介して接触する押付け層は、前記トップ部の先端が前記ラッピングフィルムを介して接触しない他の押付け層に比べて弾性変形量が小さいことを特徴とするラッピング加工用のシューである。
【0014】
【発明の効果】
本発明に係るラッピング加工用のシューによれば、断面非真円の円弧状の加工面を有するワークに対してラッピング加工するにあたり、カムロブ部のトップ部において真直度および面粗度の両者をバランスよく良好に仕上げることが可能になり、カムロブ部の他の部位においても良好な面粗度を安定して得ることができるという効果を奏する。さらに、シューのジャンピングを防止しつつワーク回転速度を高速にすることができ、カムロブ部に対するラッピング加工を施す際の加工時間を短縮することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0016】
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係るラッピング加工用のシュー70を組み込んだラッピング加工装置1を示す概略構成図、図2は、ラッピング加工装置1に開閉自在に設けられた上下のアーム22、23の閉状態を示す概略断面図、図3は、上下のアーム22、23の開状態を示す概略断面図、図4(A)は、第1の実施形態に係るラッピング加工用のシュー70を示す断面図、図4(B)は、シュー70とワークWとの接触状態を示す概念図、図5(A)〜(C)は、シュー70の複数の押付け層71、72、73の説明に供する図である。また、図6(A)は、ラッピング加工されるワークWとしてのカムシャフト60の一例を示す斜視図、図6(B)は、カムシャフト60のカムロブ部61における各部位の説明に供する図である。なお、説明の便宜上、カムシャフト60の軸線方向(図1において左右方向)をX方向と定義し、X方向に対して直交する水平方向(図1において紙面に直交する方向)をY方向と定義し、X方向に対して直交する鉛直方向(図1において上下方向)をZ方向と定義する。
【0017】
図1〜図4を参照してラッピング加工装置1について概説すれば、非伸縮性でかつ変形可能な薄肉基材の一面に砥粒が設けられたラッピングフィルム11と、ラッピングフィルム11の背面側に配置されラッピングフィルム11の砥粒面をワークWに押付けるラッピング加工用のシュー70と、ワークWを回転駆動する回転駆動ユニット40と、ワークWおよびラッピングフィルム11のうちの少なくとも一方にワークWの軸線方向に沿うオシレーションを付与するオシレーションユニット50と、を有し、回転するワークWの加工面65にラッピングフィルム11を押圧しラッピング加工を施している。前記シュー70は、所定の軸を中心に回動自在に保持されるとともにラッピングフィルム11を介して加工面65に複数箇所で当接する凹状先端部を有する凹シューから構成され、さらに、ワークWの回転方向に沿って配列されるとともに弾性変形量が異なる複数の押付け層71、72、73を有している(図4(A)参照)。本実施形態のシュー70は、断面非真円の円弧状の加工面65を有するワークWに対してラッピング加工を施すために好適に用いられる。この種のワークWとして、図6(A)に示すように、カムシャフト60を挙げることができ、このカムシャフト60におけるカムロブ部61の外周面が、ラッピング加工を施す加工面65となる。カムロブ部61の位置に対応して、対をなす上アーム22および下アーム23が複数対配置されている(図1参照)。
【0018】
なお、本明細書における「断面非真円の円弧状」とは、回転中心から一の部位までの半径を他の部位までの半径と異ならせることを意図した円弧形状をいい、楕円形状や、図示したカムロブ部61のような卵形状が含まれることはもちろんのこと、外形は円形状であるが回転中心が円中心から偏心したものも含まれると理解されなければならない。
【0019】
以下、ラッピング加工装置1について詳述する。
【0020】
図1を参照して、前記回転駆動ユニット40は、主軸41を回転自在に支持するヘッドストック42と、主軸41の先端に連結されカムシャフト60の一端を把持するチャック43と、主軸41にベルト44を介して接続される主軸モータM1と、カムシャフト60の他端を支持するセンタ45を備えるテールストック46と、を有している。カムシャフト60は、主軸モータM1の回転動がベルト44および主軸41を介して伝達されて回転駆動される。主軸モータM1の回転速度を変えることにより、ワーク回転速度が所望の速度に設定される。主軸41には、加工中におけるワークWの回転位置を検出するロータリエンコーダS1が取り付けられている。ヘッドストック42およびテールストック46のそれぞれはY方向に沿ってスライド移動自在なテーブル47、48上に設けられ、これらテーブル47、48は、X方向に沿ってスライド移動自在なテーブル49上に配置されている。カムシャフト60をヘッドストック42とテールストック46との間にセットしたり、カムシャフト60を加工位置に移動したりするために、各テーブル47、48、49が移動される。
【0021】
前記オシレーションユニット50は、テーブル49の端面に当接する偏心回転体51と、偏心回転体51を回転駆動するオシレーション用モータM2と、を有している。オシレーションユニット50には、テーブル49の端面と偏心回転体51とを常時当接させるためにテーブル49を偏心回転体51に向けて押圧する弾発力を付勢するバネなどの弾性手段52が設けられている。オシレーション用モータM2の回転速度を変えることにより、オシレーション速度が所望の速度(例えば、10Hz)に設定される。オシレーションの振幅は、オシレーション用モータM2の軸心に対する偏心回転体51の偏心量に基づいて定まる。偏心量は約1mmであり、オシレーションの振幅は約2mmである。なお、偏心回転体51の偏心量は、例えば調整プレート(図示せず)の挿入枚数を変えるなどの公知の手段により調整自在となっている。偏心回転体51の軸には、偏心回転体51の回転位置を検出するロータリエンコーダS2が取り付けられている。なお、図1中の符号200は、ラッピング加工装置1の作動を制御するコントローラである。
【0022】
前記ラッピングフィルム11は、種々のタイプがあるが、本実施形態では、基材が非伸縮性の高い材料、例えば、板厚が25μm〜130μm程度のポリエステルなどから構成され、この基材の一面には、数μm〜200μm程度の粒径を有する多数の砥粒(具体的には、酸化アルミニウム、シリコンカーバイト、ダイアモンドなどからなる)が接着剤により取り付けられている。砥粒は、基材の一面に全面にわたって接着してもよく、また、所定幅の無砥粒領域を間欠的に形成したものであってもよい。基材の他面には、シュー70に対する滑り止めのため、ゴムあるいは合成樹脂等からなる抵抗材料(図示せず)を取り付けるバックコーティングか、場合によっては滑り止め加工が施されている。
【0023】
図2および図3を参照して、ラッピングフィルム11は、供給リール15から引き出され、上アーム22の先端に設けられた一対の第1ガイドローラR1と、上アーム22の内方位置に取り付けられている第2ガイドローラR2と、下アーム23の内方位置に取り付けられている第3ガイドローラR3と、下アーム23の先端に設けられた一対の第4ガイドローラR4などにガイドされ、巻取りリール16に巻き取られる。巻取りリール16にはモータM3が接続されている。モータM3を作動し巻取りリール16を回転すると、供給リール15からラッピングフィルム11が順次繰り出される。ラッピングフィルム11の繰り出し量を検出するために、巻取りリール16の軸には、回転量を検出するロータリエンコーダS3が取り付けられている。供給リール15および巻取りリール16の近傍にはロック装置(図示せず)が設けられ、このロック装置の作動によりフィルム11全体に所定のテンションが付与される。
【0024】
前記対をなす上アーム22および下アーム23は、シュー70を配置する先端部がZ方向に相対的に開閉自在なように、支持ピン24を介して回動自在に設けられている。上アーム22の後端部には、油圧あるいは空気圧などにより作動する流体圧シリンダ25の一端がピン連結され、下アーム23の後端部にはピストンロッド26の先端がピン連結されている。ピストンロッド26を収縮状態から伸張すると、上下のアーム22、23は、支持ピン24を中心として先端部が閉じる方向に回動し、図2に示す閉状態となる。一方、ピストンロッド26を伸張状態から収縮すると、上下のアーム22、23は、先端部が開く方向に回動し、図3に示す開状態となる。上下のアーム22、23の回動は、ラッピングフィルム11と共に行なわれ、閉じ回動によりシュー70がラッピングフィルム11を介してカムロブ部61に当接し、開き回動によりカムロブ部61とシュー70との当接を解除する。
【0025】
前記シュー70は、凹シューから構成され、カムロブ部61の加工面65とは2点での線接触となる。上下のシュー70によりカムロブ部61は4点支持されることから、当該カムロブ部61を安定的に回転させることができる。
【0026】
シュー70は、所定の軸としての揺動ピン29を介してシューケース28に回動自在に保持されている。シューケース28は、上下のアーム22、23の先端部に形成した凹部27の中に、ワークWに対して進退移動自在に収納されている。シューケース28は、その外側面が凹部27の内側面にガイドされながら移動する。シューケース28の背面には、圧縮コイルバネからなるワーククランプ用バネ33が配置されている。シュー70は、ワーククランプ用バネ33の弾発力が付勢され、ラッピングフィルム11を介して加工面65に押付けられる。上下の揺動ピン29はカムシャフト60の軸心Oを通る線上に位置し、シュー押付け力が効率的にフィルム11に作用するようにしてある。
【0027】
前記カムロブ部61は、図6(B)に示すように、ベースサークルをなすベース部d、カムのリフトを定めるトップ部a、トップ部aの両側に連続し、エンジンのバルブを開き始めたり、閉じ始めたりするイベント部b1、b2、ベース部dからイベント部b1、b2へのアプローチをなすランプ部c1、c2の複数の部位を備えている。カムロブ部61のように加工面65が断面非真円形状の場合には、カムロブ部61の軸心O(回転中心)から加工面65までの半径が部位ごとに変化し、ベース部dの終端からトップ部aに向かうにつれて長くなっている。また、ベース部dは曲率半径が一定であるが、イベント部b1、b2はほぼ直線的であるため曲率半径が非常に大きく、トップ部aは曲率半径が比較的小さくなる。
【0028】
図7(A)〜(C)は、カムシャフト60の回転により、トップ部aの入り側において、シュー170のジャンピングJが生じた状況を示す概略図、図8(A)〜(C)は、カムシャフト60の回転により、トップ部aの抜け側において、シュー170のジャンピングJが生じた状況を示す概略図である。なお、図7および図8では、上側のシュー170のみを図示してある。
【0029】
カムロブ部61をラッピング加工する場合において、カムロブ部61の回転に伴って加工部位が移行するときに、シュー170がカムロブ部61から離れるジャンピング(跳ね)現象が生じることがある(図7(B)(C)、図8(C)参照)。シュー170のジャンピングJは、カムシャフト60を高速回転したときに顕著に発生する。シュー170にジャンピングJが生じると、加工面65に対する仕事量が大幅に減少して他の部位に比べて面粗度が悪くなったり、加工面65に圧痕が生じたりする。加工品質に悪影響を及ぼすジャンピングJを防止するため、加工中のワーク回転速度は、回転するカムロブ部61に追従してシュー170を押付けることが可能な速度以下に設定されている。
【0030】
ところで、従来のシューでは、その全体がある一つの材質から構成されていることから、真直度および面粗度の両者をバランスよく良好に仕上げることができず、さらに、シューのジャンピングを防止しつつワーク回転速度を高速にすることができない、という問題がある。
【0031】
この点について詳述すると、シューをある一つの材質から構成すると、第1に、シューの硬さを必要以上に軟らかくできないという制限を受ける。シューの硬さを軟らかくし過ぎると、形状精度、特に真直度が悪化するからである。カムロブ部61にあっては、トップ部aの真直度が最も要求されている。上記の制限からシューの硬さを硬くすると、シューのジャンピングが生じやすくなるため、ワーク回転速度を高速にできず、ラッピング加工に長時間を要する結果となる。
【0032】
シューをある一つの材質から構成すると、第2に、シューの硬さを必要以上に硬くできないという制限を受ける。シューの硬さを硬くし過ぎると、良好な面粗度を得にくいからである。上記の制限からシューの硬さを軟らかくすると、ワークWの軸線方向に沿う幾何学形状(以下、「軸方向幾何学形状」とも言う)が、両端部に比べて中央部が僅かに窪んだいわゆる中凹形状になることがある。シューが軟らかいと、その弾性作用により、カムロブ部61の軸方向のエッジ部にラッピングフィルム11が押付けられ易くなる。すると、オシレーションに伴って移動するカムロブ部61のエッジ部によって砥粒がダメージを受け、中央部での作用砥粒数に比べて両端部での作用砥粒数が相対的に減少し、加工面65の除去量が、両端部に比べて中央部が相対的に増加するためである。軸方向幾何学形状が中凹形状になると、トップ部aの真直度が要求されたレベルに達せず、加工不良になる虞がある。なお、ワークWの中には、真直度を高精度に仕上げることが要求されるワークWの他に、軸方向幾何学形状を積極的に中凸や中凹にすることを意図したワークも存在する。
【0033】
ある一つの材質から構成されたシューにあっては、上記のようにシューの硬さに対する相反する要求をバランスよく満足することは事実上不可能である。その結果、良好な真直度および良好な面粗度の両立を図ることができず、さらに、シューのジャンピングを防止しつつワーク回転速度を高速にすることができない。
【0034】
そこで、第1の実施形態に係るシュー70は、図4(A)に示したように、ワークWの回転方向に沿って配列されるとともに弾性変形量が異なる複数の押付け層71、72、73(図示例では3層)を有している。ここに、複数の押付け層71、72、73のうちカムロブ部61のトップ部aの先端がラッピングフィルム11を介して接触する押付け層71は、トップ部aの先端がラッピングフィルム11を介して接触しない他の押付け層72、73に比べて、弾性変形量を小さくするのが好ましい。
【0035】
詳述すると、シュー70における複数の押付け層71、72、73は、硬度が異なる硬質樹脂材料から形成されている。JIS−K6301に準拠したスプリング式硬さ試験(A型)による硬度で表すと、中央に配列する押付け層71(以下、「中央押付け層」とも言う)は、例えば90Hs(JIS A)の硬質ウレタン樹脂74から形成されている。ここで言う「中央」とは、少なくともトップ部aの先端がシュー70に接触する最大幅の範囲に相当する領域を指している(後述する図5を参照)。ワークWの回転方向に沿って中央押付け層71の両側に配列する押付け層72、73(以下、「側方押付け層」とも言う)は、例えば80Hs(JIS A)の硬質ウレタン樹脂75から形成されている。ある一つの材質から構成される従来一般的なシューを基準にすると、硬質ウレタン樹脂74は前記材質よりも硬く、硬質ウレタン樹脂75は前記材質よりも軟らかい。中央押付け層71が、カムロブ部61のトップ部aの先端が接触する押付け層に相当し、側方押付け層72、73が、トップ部aの先端が接触しない他の押付け層に相当し、中央押付け層71は側方押付け層72、73に比べて弾性変形量が小さい。このように押付け層を構成する部材の材質74、75の弾性率を異ならせることにより、ワークWの回転方向に沿って配列される複数の押付け層71、72、73の弾性変形量を異ならせている。
【0036】
使用する硬質ウレタン樹脂74、75は、耐油性、耐水性に優れる材質のものが望ましい。たとえば、ポリエーテル系のウレタンエラストマー用プレポリマーを用いたタケネートL−1128(武田薬品工業(株)製)などを用いることができる。なお、硬質ウレタン樹脂74、75の硬度は上述したものに限られないことは言うまでもない。
【0037】
図5(A)〜(C)を参照して、中央押付け層71における、ワークWの回転方向に沿う幅(図中左右方向に相当する)について説明する。なお、図5では、上側のシュー70のみを図示してある。また、図5(A)に示されるシュー70の位置を、初期位置とする。
【0038】
図5に矢印で示される反時計回り方向にカムロブ部61が回転する場合において、トップ部aがシュー70から抜け出るときには、シュー70は初期位置から揺動ピン29を中心に時計回り方向に回動(首振り運動)し(図5(B))、トップ部aがシュー70に入り込むときには、シュー70は初期位置から揺動ピン29を中心に反時計回り方向に回動している(図5(C))。トップ部aの先端は、シュー70から抜け出るときには点P1においてシュー70に接触し、シュー70に入り込むときには点P2においてシュー70に接触している。そして、点P1、P2のそれぞれから揺動中心を通るシュー70の中心線Osに下ろした垂線の長さをL1、L2とする。このときには、中心線Osから図中左側にL1、図中右側にL2の範囲を中央押付け層71とする必要があり、中央押付け層71の幅はL1+L2以上の寸法が必要となる。
【0039】
なお、ラッピングフィルム11の目詰まりを解消するなどの目的から、ワークWは、設定回数(例えば5回)だけ正回転された後、同じ設定回数だけ逆回転される。中央押付け層71の幅は、カムロブ部61が正逆いずれの方向に回転しても、トップ部aの先端が中央押付け層71に必ず接触し、側方押付け層72、73に接触することがないように決定されている。
【0040】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0041】
まず、ヘッドストック42とテールストック46との間にカムシャフト60を支持し、カムロブ部61の位置に上下のアーム22、23を移動する。このとき、流体圧シリンダ25は、ピストンロッド26を収縮しており、上アーム22および下アーム23を開位置に保持している。この後、流体圧シリンダ25を作動させてピストンロッド26を伸張し、上下のアーム22、23を閉じる方向に回動する。この閉回動によりラッピングフィルム11は、カムロブ部61の加工面65上にセットされる。
【0042】
上下のアーム22、23を開回動している間に、モータM3を作動して巻取りリール16を回転する。ラッピングフィルム11は、所定量移動し、新規な砥粒面が加工面65上にセットされるようになる。その後、供給リール15近傍に設けられたロック装置をロックして、巻取りリール16を回転すると、ラッピングフィルム11に所定のテンションが付与される。次いで、巻取りリール16近傍のロック装置をロックすると、テンションが付与され弛みのない状態のラッピングフィルム11となる。
【0043】
カムロブ部61をクランプすると、シュー70はワーククランプ用バネ33の弾発力が付勢されてカムロブ部61に向けて押付けられ、ラッピングフィルム11の砥粒面が加工面65に押付けられる。
【0044】
そして、オシレーションユニット50を作動させてカムシャフト60に軸方向に沿うオシレーションを付与しつつ、回転駆動ユニット40を作動させてカムシャフト60を軸中心で回転すると、シュー70を保持したシューケース28が凹部27の中でカムロブ部61の回転に倣って進退移動しながら、加工面65がラッピング加工される。
【0045】
カムシャフト60は、多数のカムロブ部61を有しているが、ラッピング加工は、これらカムロブ部61に対し一斉に行なわれる。ラッピング加工が完了すると、流体圧シリンダ25を作動させてピストンロッド26を収縮し、上下のアーム22、23を開く方向に回動し、カムシャフト60を取り出し可能な状態とする。カムシャフト60を取り出した後、他のカムシャフト60をセットすれば、同様のラッピング加工を開始することができる。
【0046】
このラッピング加工中において、トップ部a以外の部位(ジャーナル部b1、b2やランプ部c1、c2)が加工される位置にカムロブ部61が回転した状態が図4(B)に示されている。この状態では、ラッピングフィルム11を介してシュー70と加工面65とが接触する位置は、側方押付け層72、73上にある。側方押付け層72、73を中央押付け層71よりも軟らくしてあるので、側方押付け層72、73は中央押付け層71に比べて弾性変形量が大きい。さらに、ある一つの材質から構成される従来一般的なシューを基準にして、側方押付け層72、73は前記材質よりも軟らかい硬質ウレタン樹脂75から形成してあるので、側方押付け層72、73の弾性変形量は従来よりも大きいものとなる。したがって、加工面65に対するラッピングフィルム11の接触面積が従来よりも広くなり、砥粒による加工面65の単位時間当たりの除去量が増加する。これにより、加工面65は、良好な面粗度に安定して仕上げられる。また、広範囲でラッピング加工するということは、ワークWに対する単位時間あたりの作用砥粒数は増大し、加工時間が短縮することを意味する。
【0047】
カムロブ部61の軸心Oからトップ部aまでの半径は長いので、トップ部aが加工されるときには、ワーククランプ用バネ33の圧縮量が大きくなり、シュー押付け力が大きくなる。図5(A)〜(C)に示したように、ラッピングフィルム11を介してシュー70とトップ部aの先端とが接触する位置は、中央押付け層71上にある。中央押付け層71を側方押付け層72、73よりも硬くしてあるので、中央押付け層71は側方押付け層72、73に比べて弾性変形量が小さい。さらに、ある一つの材質から構成される従来一般的なシューを基準にして、中央押付け層71は前記材質よりも硬い硬質ウレタン樹脂74から形成してあるので、中央押付け層71の弾性変形量は従来よりも小さいものとなる。中央押付け層71は硬くて弾性変形量が小さいので、カムロブ部61の軸方向のエッジ部にラッピングフィルム11が押付けられ難く、オシレーションに伴ってカムロブ部61のエッジ部が移動しても、砥粒が受けるダメージは従来に比べて小さくなる。したがって、トップ部aにおける中央部での作用砥粒数と軸方向両端部での作用砥粒数とがほぼ同等になり、加工面65の除去量が、両端部に比べて中央部が相対的に増加することはない。これにより、トップ部aでの軸方向幾何学形状が中凹形状になることが抑制されてフラットになり、トップ部aは、良好な真直度の形状精度に仕上げられる。
【0048】
さらに、トップ部aがシュー70に入り込んだり、シュー70から抜け出たりする際の衝撃は、軟らかい側方押付け層72、73が弾性変形することによって吸収される。したがって、カムシャフト60を従来よりも高速回転して加工するときでも、シュー70のジャンピングを抑制することができる。これにより、ワーク回転速度を高速にし、時間当たりの除去量を増大させ、加工時間の短縮を図ることができる。なお、上述したように砥粒が受けるダメージは小さくなるが、この砥粒ダメージが小さくなるということは、同じシュー押付け力の下では、砥粒による加工面65の単位時間あたりの除去量が増加することを意味する。この観点からも、加工時間が短くなる。
【0049】
加工条件の一例を挙げると、カムシャフト60の回転数は120rpm、シュー押付け圧(ゲージ元圧)は0.4MPa、オシレーション速度は10Hzである。
【0050】
以上説明したように、第1の実施形態に係るラッピング加工用のシュー70によれば、断面非真円の円弧状の加工面65を有し回転駆動されるワークWに対してラッピングフィルム11を押付けるシュー70であって、当該シュー70は、所定の軸を中心に回動自在に保持されるとともにラッピングフィルム11を介して加工面65に複数箇所で当接する凹状先端部を有する凹シューから構成され、さらに、ワークWの回転方向に沿って配列されるとともに弾性変形量が異なる複数の押付け層71、72、73を有しているので、シュー70の硬さに対する相反する要求をバランスよく満足することができ、その結果、良好な形状精度(特に、真直度)および良好な面粗度の両立を図ることができる。
【0051】
また、複数の押付け層71、72、73は、硬度が異なる硬質樹脂材料74、75から形成されているので、弾性変形量が異なる複数の押付け層71、72、73を容易に形成することができる。
【0052】
また、ラッピングフィルム11は非伸縮性でかつ変形可能であるので、このシュー70を用いることにより、断面非真円の円弧状の加工面を有するワークWに対して、好適なラッピング加工を行い得る。
【0053】
また、ワークWの加工面65は、カムシャフト60におけるカムロブ部61の外周面であり、複数の押付け層71、72、73のうちカムロブ部61のトップ部aの先端がラッピングフィルム11を介して接触する中央押付け層71は、トップ部aの先端がラッピングフィルム11を介して接触しない他の側方押付け層72、73に比べて弾性変形量が小さいので、カムロブ部61のトップ部aにおいて良好な形状精度(特に、真直度)および良好な面粗度の両立を図ることができる。カムロブ部61のイベント部b1、b2やランプ部c1、c2などの他の部位においても良好な面粗度を安定して得ることができる。さらに、シュー70のジャンピングを防止しつつワーク回転速度を高速にすることができ、カムロブ部61に対するラッピング加工を施す際の加工時間を短縮することができる。
【0054】
(第2の実施形態)
図9は、第2の実施形態に係るラッピング加工用のシュー80を示す断面図である。
【0055】
第2の実施形態に係るシュー80は、第1の実施形態と同様に、ワークWの回転方向に沿って配列されるとともに弾性変形量が異なる複数の押付け層71、72、73(図示例では3層)を有している。
【0056】
但し、第2の実施形態にあっては、複数の押付け層71、72、73のうち少なくとも一つの押付け層は、ラッピングフィルム11に接触しない位置に金属製コア81(金属製ブロックに相当する)が配置されている点で、複数の押付け層71、72、73を硬度が異なる硬質樹脂材料74、75から形成した第1の実施形態と相違する。
【0057】
詳述すると、第2の実施形態に係るシュー80は、一の硬質樹脂材料から形成したシュー本体82と、シュー本体82の背面(図中下側)の中央に配置されたブロック形状の金属製コア81と、を有している。ここで言う「中央」も、第1の実施形態での定義と同様に、少なくともトップ部aの先端がシュー80に接触する最大幅の範囲に相当する領域を指している(図5を参照)。シュー本体82の背面は、ラッピングフィルム11に接触することはない。シュー本体82は一の材料から形成され、境界は存在していないが、金属製コア81を中央にのみ配置することにより、シュー80全体としてみれば、3つの押付け層71、72、73が構成されている。中央押付け層71は、金属製コア81が配置される分だけ硬質樹脂材料の容積が少ないので、側方押付け層72、73に比べて弾性変形量が小さくなる。このように金属製コア81を配置することにより、ワークWの回転方向に沿って配列される複数の押付け層71、72、73の弾性変形量を異ならせている。
【0058】
ある一つの材質から構成される従来一般的なシューを基準にして、中央押付け層71が前記材質よりも硬く、側方押付け層72、73が前記材質よりも軟らかくなるように、シュー本体82を形成する硬質樹脂材料の硬度および金属製コア81の高さ寸法(図中上下方向寸法)が選択され、決定されている。
【0059】
上記構成のシュー80を用いてラッピング加工すると、第1の実施形態と同様に、側方押付け層72、73は中央押付け層71に比べて弾性変形量が大きいので、トップ部a以外の部位を加工するときには、加工面65に対するラッピングフィルム11の接触面積が従来よりも広くなり、砥粒による加工面65の単位時間当たりの除去量が増加する。これにより、加工面65は、良好な面粗度に安定して仕上げられる。
【0060】
また、トップ部aを加工するときには、中央押付け層71は側方押付け層72、73に比べて弾性変形量が小さいので、オシレーションに伴ってカムロブ部61のエッジ部が移動しても、砥粒が受けるダメージは従来に比べて小さくなる。これにより、トップ部aでの軸方向幾何学形状が中凹形状になることが抑制されてフラットになり、トップ部aは、良好な真直度の形状精度に仕上げられる。
【0061】
さらに、カムシャフト60を従来よりも高速回転して加工するときでも、その衝撃を軟らかい側方押付け層72、73が弾性変形することによって吸収するので、シュー80のジャンピングを抑制することができる。これにより、ワーク回転速度を高速にし、時間当たりの除去量を増大させ、加工時間の短縮を図ることができる。
【0062】
以上説明したように、第2の実施形態に係るラッピング加工用のシュー80によっても、シュー80の硬さに対する相反する要求をバランスよく満足することができ、その結果、良好な形状精度(特に、真直度)および良好な面粗度の両立を図ることができる。具体的には、カムロブ部61のトップ部aにおいて良好な形状精度(特に、真直度)および良好な面粗度の両立を図ることができ、イベント部b1、b2などの他の部位においても良好な面粗度を安定して得ることができ、さらには、加工時間を短縮することができる。
【0063】
また、複数の押付け層71、72、73のうち少なくとも一つの押付け層は、ラッピングフィルム11に接触しない位置に金属製コア81を配置しているので、弾性変形量が異なる複数の押付け層71、72、73を容易に形成することができる。
【0064】
なお、金属製コア81をシュー本体82の背面に配置した例を図示したが、ラッピングフィルム11に接触しない位置であればいずれの部位に配置してもよく、シュー本体82の内部に埋設する形態でもよい。
【0065】
(第2の実施形態の改変例)
図10は、第2の実施形態の改変例に係るラッピング加工用のシュー90を示す断面図である。
【0066】
この改変例では、シュー本体92は、第1の実施形態と同様に、硬度が異なる硬質樹脂材料74、75から形成され、3つの押付け層71、72、73が構成されている。また、金属製コア91は、シュー本体92の背面の中央のみならず、端部側にも配置してある。但し、金属製コア91は、断面凹形状をなし、高さ寸法(図中上下方向寸法)が異なっている。このように、硬度を異ならせたシュー本体92と、高さ寸法を異ならせた金属製コア91との組み合わせにより、ワークWの回転方向に沿って配列される複数の押付け層71、72、73の弾性変形量を異ならせている。
【0067】
このシュー90も上述した第2の実施形態と同様の作用、効果を奏する。さらに、金属製コア91の形状、寸法、配置位置を調整することにより、シュー本体92の材質の硬度調整だけでは困難な微妙な弾性変形量の相違を実現できる。したがって、シュー90の硬さや弾性変形量をより適切に制御して、シュー90の硬さに対する相反する要求をより一層バランスよく満足することができるという効果を奏する。
【0068】
なお、金属製コア91をシュー本体92の内部に埋設してもよい。
【0069】
(第3の実施形態)
図11は、第3の実施形態に係るラッピング加工用のシュー100を示す断面図である。
【0070】
第3の実施形態に係るシュー100は、第1および第2の実施形態と同様に、ワークWの回転方向に沿って配列されるとともに弾性変形量が異なる複数の押付け層71、72、73(図示例では3層)を有している。
【0071】
但し、第3の実施形態にあっては、複数の押付け層71、72、73のうち少なくとも一つの押付け層は、当該押付け層をワークWに向けて押付ける弾発力を付勢するバネ部材104、105、106(弾性手段に相当する)が配置されている点で、第1および第2の実施形態と相違する。
【0072】
詳述すると、第3の実施形態に係るシュー100は、硬質樹脂材料から形成した3つのシュー片101、102、103と、各シュー片101、102、103の背面側に配置され各シュー片101、102、103をワークWに向けて押付ける弾発力を付勢する3つのバネ部材104、105、106と、を有している。中央に位置するシュー片101およびバネ部材104(以下、「中央シュー片101」「中央バネ部材104」と言う)により中央押付け層71が構成され、側方に位置するシュー片102、103およびバネ部材105、106(以下、「側方シュー片102、103」「側方バネ部材105、106」と言う)により側方押付け層72、73が構成されている。ここで言う「中央」も、第1の実施形態での定義と同様に、少なくともトップ部aの先端がシュー100に接触する最大幅の範囲に相当する領域を指している(図5を参照)。中央シュー片101および側方シュー片102、103は、同じ硬度の硬質樹脂材料から形成してある。各バネ部材104、105、106は圧縮スプリングから形成され、中央バネ部材104が付勢する弾発力は、側方バネ部材105、106が付勢する弾発力よりも大きい。バネ長さを異ならせたり、バネ定数を異ならせたりすることにより、中央バネ部材104および側方バネ部材105、106のそれぞれが付勢する弾発力を異ならせている。このようにバネ部材104、105、106を配置することにより、ワークWの回転方向に沿って配列される複数の押付け層71、72、73の弾性変形量を異ならせている。なお、図中符号107は、シュー100の背面を覆うカバー部材である。
【0073】
ある一つの材質から構成される従来一般的なシューを基準にして、中央押付け層71が前記材質よりも硬く、側方押付け層72、73が前記材質よりも軟らかくなるように、シュー片101、102、103を形成する硬質樹脂材料の硬度およびバネ部材104、105、106が選択され、決定されている。
【0074】
上記構成のシュー100を用いてラッピング加工すると、第1および第2の実施形態と同様の作用、効果を奏する。
【0075】
また、複数の押付け層71、72、73のうち少なくとも一つの押付け層は、当該押付け層をワークWに向けて押付ける弾発力を付勢するバネ部材104、105、106を配置しているので、弾性変形量が異なる複数の押付け層71、72、73を容易に形成することができる。
【0076】
なお、すべての層71、72、73にバネ部材104、105、106を配置した例を示したが、少なくとも一つの押付け層、例えば、中央押付け層71にのみバネ部材104を配置しても同様の効果を得ることができることは言うまでもない。中央シュー片101および側方シュー片102、103を異なる硬度の硬質樹脂材料から形成してもよい。また、弾性手段としてバネ部材104、105、106などの固体系のものを使用する場合に限られず、空圧や油圧などの流体圧を利用する機構としてもよい。
【0077】
(第4の実施形態)
図12は、第4の実施形態に係るラッピング加工用のシュー110を示す断面図である。
【0078】
第4の実施形態に係るシュー110は、第1の実施形態と同様に、ワークWの回転方向に沿って配列されるとともに弾性変形量が異なる複数の押付け層71、72、73を有している。
【0079】
但し、第4の実施形態にあっては、複数の押付け層71、72、73の相互間に、シュー110の弾性変形を制限する拘束層111をさらに介在させている点で、第1の実施形態と相違する。
【0080】
詳述すると、第4の実施形態に係るシュー110は、第1の実施形態と同様に、硬質ウレタン樹脂74から形成された中央押付け層71と、硬質ウレタン樹脂75から形成された側方押付け層72、73と、を有している。さらに、中央押付け層71と各側方押付け層72、73との間に、スチール(例えば、炭素鋼)製の金属プレート112を配置し、この金属プレート112によって前記拘束層111を構成している。拘束層111を介在させることにより、5つの押付け層71、72、73、111、111が構成されている。各金属プレート112は、中央押付け層71および側方押付け層72、73に密着し固定されている。金属プレート112のラッピングフィルム11と接する側の当接面(図中上面)は、中央押付け層71の当接面(図中上面)および側方押付け層72、73の当接面(図中上面)との間に段差が生じないように、滑らかな円弧面に形成されている。また、金属プレート112の当接面には、ラッピングフィルム11の滑りを防止する滑り止めを施すことが望ましい。具体的な滑り止めの例として、ダイアモンドなどの耐摩耗性に優れた砥粒を電着により固着させている。
【0081】
上記構成のシュー110を用いてラッピング加工すると、第1の実施形態と同様に、側方押付け層72、73は中央押付け層71に比べて弾性変形量が大きいので、トップ部a以外の部位を加工するときには、加工面65に対するラッピングフィルム11の接触面積が従来よりも広くなり、加工面65は、良好な面粗度に安定して仕上げられる。さらに、トップ部a以外の部位が金属プレート112を通過する際には、シュー110の弾性変形が制限され、ワークWの軸線方向に沿ってフラットな面でラッピングフィルム11が加工面65に押付けられる。このため、トップ部a以外の部位は、金属プレート112を通過する際に、形状精度が修正されながら加工される。したがって、側方押付け層72、73を中央押付け層71に比べて軟らかくしても、トップ部a以外の部位は、形状の悪化を招くことなく、良好な面粗度に安定して仕上げられる。
【0082】
また、トップ部aを加工するときには、中央押付け層71は側方押付け層72、73に比べて弾性変形量が小さいので、トップ部aでの軸方向幾何学形状が中凹形状になることが抑制されてフラットになり、トップ部aは、良好な真直度の形状精度に仕上げられる。
【0083】
さらに、カムシャフト60を従来よりも高速回転して加工するときでも、シュー110のジャンピングを抑制することができるので、ワーク回転速度を高速にして、加工時間の短縮を図ることができる。
【0084】
しかも、金属プレート112を介在させたことにより、より軟らかい材質から側方押付け層72、73を形成することができるので、接触面積をより一層拡大できるとともに、ワーク回転速度をさらに高速化してもカムロブ部61の回転に伴う衝撃をより一層吸収して、回転するカムロブ部61に追従してラッピングフィルム11を適切に押付けることが可能となる。したがって、加工面65の面粗度をより一層安定させることが可能になるのみならず、加工時間のさらなる短縮が可能となる。
【0085】
以上説明したように、第4の実施形態に係るラッピング加工用のシュー110によれば、複数の押付け層71、72、73の相互間に、弾性変形を制限する拘束層111が介在しているので、カムロブ部61のトップ部aにおいて良好な形状精度(特に、真直度)および良好な面粗度の両立を図ることができ、イベント部などの他の部位においても良好な形状精度(特に、真直度)および良好な面粗度を安定して得ることができる。すなわち、カムロブ部61の円周上の全周にわたって、良好な形状精度と良好な面粗度とを両立することができる。さらには、加工時間を短縮することができる。
【0086】
(第5の実施形態)
図13は、第5の実施形態に係るラッピング加工用のシュー120を示す斜視図である。
【0087】
第5の実施形態に係るシュー120は、第1の実施形態と同様に、ワークWの回転方向に沿って配列されるとともに弾性変形量が異なる複数の押付け層71、72、73を有している。
【0088】
但し、第5の実施形態にあってはさらに、ワークWの軸線方向に沿って配列されるとともに弾性変形量が異なる複数の押付け層を有している点で、第1〜第4の実施形態と相違する。
【0089】
詳述すると、第5の実施形態に係るシュー120は、ワークWの回転方向に沿って中央に配列する中央押付け層71と、中央押付け層71の両側に配列する側方押付け層72、73と、を有している。中央押付け層71は、硬質ウレタン樹脂74からなる中心層121と、ワークWの軸線方向(図中X方向)に沿って中心層121の両側に配列されスチール(例えば、炭素鋼)からなる金属製側方層122、123とから形成されている。側方押付け層72、73は、硬質ウレタン樹脂75からなる中心層124と、ワークWの軸線方向に沿って中心層124の両側に配列され硬質ウレタン樹脂74からなる側方層125、126とから形成されている。すなわち、中央押付け層71は、ワークWの軸線方向に沿って、スチール−硬質ウレタン樹脂74−スチールの3層構造をなし、側方押付け層72、73は、ワークWの軸線方向に沿って、硬質ウレタン樹脂74−硬質ウレタン樹脂75−硬質ウレタン樹脂74の3層構造をなしている。硬質ウレタン樹脂74は、硬質ウレタン樹脂75よりも硬い。中央押付け層71は金属製側方層122、123を含み、側方押付け層72、73は軟らかい硬質ウレタン樹脂75からなる中心層124を含むため、中央押付け層71は、側方押付け層72、73に比べて弾性変形量が小さくなる。このように押付け層を構成する部材の材質の弾性率を異ならせることにより、ワークWの回転方向に沿って配列される複数の押付け層71、72、73の弾性変形量を異ならせ、かつ、ワークWの軸線方向に沿って配列される複数の層121〜123、124〜126の弾性変形量を異ならせている。金属製側方層122、123は、第4の実施形態における金属プレート112と同様に、シュー120の弾性変形を制限する拘束層111としても作用する。
【0090】
上記構成のシュー120を用いてラッピング加工すると、第4の実施形態と同様に、側方押付け層72、73は中央押付け層71に比べて弾性変形量が大きいので、トップ部a以外の部位を加工するときには、加工面65に対するラッピングフィルム11の接触面積が広く、加工面65は、良好な面粗度に安定して仕上げられる。さらに、トップ部a以外の部位が金属製側方層122、123を通過する際には、シュー120の弾性変形が制限され、ワークWの軸線方向に沿ってフラットな面でラッピングフィルム11が加工面65に押付けられる。このため、トップ部a以外の部位は、金属製側方層122、123を通過する際に、形状精度が修正されながら加工される。したがって、側方押付け層72、73を中央押付け層71に比べて軟らかくしても、トップ部a以外の部位は、形状の悪化を招くことなく、良好な面粗度に安定して仕上げられる。
【0091】
また、トップ部aを加工するときには、中央押付け層71は側方押付け層72、73に比べて弾性変形量が小さいので、トップ部aでの軸方向幾何学形状が中凹形状になることが抑制されてフラットになり、トップ部aは、良好な真直度の形状精度に仕上げられる。
【0092】
さらに、カムシャフト60を高速回転して加工するときでも、シュー120のジャンピングを抑制することができるので、ワーク回転速度を高速にして、加工時間の短縮を図ることができる。
【0093】
しかも、金属製側方層122、123を有することにより、より軟らかい材質から側方押付け層72、73を形成することができるので、接触面積をより一層拡大できるとともに、ワーク回転速度をさらに高速化してもカムロブ部61の回転に伴う衝撃をより一層吸収して、回転するカムロブ部61に追従してラッピングフィルム11を適切に押付けることが可能となる。したがって、加工面65の面粗度をより一層安定させることが可能になるのみならず、加工時間のさらなる短縮が可能となる。
【0094】
ところで、ワークの中には、軸方向幾何学形状を積極的に中凸にすることを意図したワークや、逆に、積極的に中凹にすることを意図したワークも存在する。例えば、カムロブ部61にあっては、バルブリフタ(図示せず)との接触点を減らすことによりフリクションの低減を図るために、軸方向幾何学形状をフラットではなく中凸にすることがある。また、クランクシャフトのピン部にあっては、軸方向幾何学形状を中凹にすることがある。
【0095】
このようなワークをラッピング加工する場合に、第5の実施形態を適用し、ワークの軸線方向に沿って配列されるとともに弾性変形量が異なる複数の押付け層121〜123、124〜126の材質や物性値を適切に配置することにより、加工面の軸方向幾何学形状を任意の形状(例えば、中凸形状、中凹形状、凹凸の大きさ)に制御することが可能となる。
【0096】
以上説明したように、第5の実施形態に係るラッピング加工用のシュー120によれば、ワークWの軸線方向に沿って配列されるとともに弾性変形量が異なる複数の押付け層121〜123、124〜126を有しているので、加工面65の軸方向幾何学形状を任意の形状(例えば、中凸形状、中凹形状、凹凸の大きさ)に制御することが可能となる。
【0097】
また、中央押付け層71および側方押付け層72、73は、ワークWの軸線方向に沿って配列されるとともに弾性変形量が異なる複数の層121〜123、124〜126から形成されているので、カムロブ部61の円周上の全周にわたって、良好な形状精度と良好な面粗度とを両立することができる。さらには、加工時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るラッピング加工用のシューを組み込んだラッピング加工装置を示す概略構成図である。
【図2】 ラッピング加工装置に開閉自在に設けられた上下のアームの閉状態を示す概略断面図である。
【図3】 上下のアームの開状態を示す概略断面図である。
【図4】 図4(A)は、第1の実施形態に係るラッピング加工用のシューを示す断面図、図4(B)は、シューとワークとの接触状態を示す概念図である。
【図5】 図5(A)〜(C)は、シューの複数の押付け層の説明に供する図である。
【図6】 図6(A)は、ラッピング加工されるワークとしてのカムシャフトの一例を示す斜視図、図6(B)は、カムシャフトのカムロブ部における各部位の説明に供する図である。
【図7】 図7(A)〜(C)は、カムシャフトの回転により、トップ部の入り側において、シューのジャンピングが生じた状況を示す概略図である。
【図8】 図8(A)〜(C)は、カムシャフトの回転により、トップ部の抜け側において、シューのジャンピングが生じた状況を示す概略図である。
【図9】 第2の実施形態に係るラッピング加工用のシューを示す断面図である。
【図10】 第2の実施形態の改変例に係るラッピング加工用のシューを示す断面図である。
【図11】 第3の実施形態に係るラッピング加工用のシューを示す断面図である。
【図12】 第4の実施形態に係るラッピング加工用のシューを示す断面図である。
【図13】 第5の実施形態に係るラッピング加工用のシューを示す斜視図である。
【符号の説明】
1…ラッピング加工装置
11…ラッピングフィルム
29…揺動ピン(所定の軸)
40…回転駆動ユニット
50…オシレーションユニット
60…カムシャフト(ワークW)
61…カムロブ部
65…加工面
70、80、90、100、110、120…シュー
71、72、73…ワークの回転方向に沿って配列されるとともに弾性変形量が異なる複数の押付け層
74、75…硬度が異なる硬質樹脂材料
81、91…金属製コア(金属製ブロック)
104、105、106…バネ部材(弾性手段)
111…拘束層
112…金属プレート
121〜123、124〜126…ワークの軸線方向に沿って配列されるとともに弾性変形量が異なる複数の押付け層
a…カムロブ部のトップ部
W…ワーク[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a shoe for lapping used in a lapping apparatus that wraps a processed surface of a workpiece with a lapping film with abrasive grains (hereinafter sometimes simply referred to as a film).
[0002]
[Prior art]
For example, when finishing a workpiece having an arc-shaped outer peripheral surface such as a cam lobe portion or journal portion of a camshaft or a journal portion or pin portion of a crankshaft, a lapping film recently provided with abrasive grains on one side Wrapping process.
[0003]
In this lapping process, the work surface of the work is covered with a lapping film, the film is pressed with a shoe from the back, and the work is processed on the abrasive surface of the film while rotating the work in a state where the film is pressed against the work (for example, , See Patent Document 1).
[0004]
The shoe used in such lapping is classified into a convex shoe and a concave shoe from the shape of its tip. Since the convex shoe is held in a fixed position and its tip is a convex arc, it is in line contact with the arc-shaped outer peripheral surface of the workpiece via a film, but so to speak. On the other hand, the concave shoe is rotatably held at the center of the shaft that supports the concave shoe, and has a concave tip portion that comes into contact with the processing surface at a plurality of positions via the film. Although the tip of the concave shoe is concave (concave), the contact surface itself with the workpiece is a convex arc, so the arc-shaped outer peripheral surface of the workpiece is through a film. Line contact at two points.
[0005]
When this concave shoe is used to wrap a workpiece having a non-circular cross section, such as the cam lobe portion of the camshaft, the concave shoe swings the neck as the workpiece rotates. While rotating, the film is pressed against the workpiece. Therefore, in the concave shoe, the portion that contacts the workpiece through the film changes as the workpiece rotates.
[0006]
In the present specification, the contact of the shoe indirectly with the outer peripheral surface of the workpiece via the film is abbreviated as “contact”.
[0007]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Laid-Open No. 7-237116 (see FIGS. 1 and 2)
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
The shoe is made of steel or synthetic resin and has relatively rigidity, but the wrapping film is pressed against the work surface of the work while causing some elastic deformation during the wrapping process.
[0009]
The processing quality of the lapping processed surface includes surface roughness and straightness along the axial direction of the workpiece, but there is a close relationship between the processing quality and shoe hardness. . That is, in order to improve the former surface roughness, it is preferable to form the shoe from a relatively soft material and increase the elastic deformation amount of the shoe. On the other hand, in order to improve the straightness of the latter, it is preferable to form the shoe from a relatively hard material and reduce the elastic deformation amount of the shoe.
[0010]
However, the conventional shoe has a problem that it is difficult to finish both straightness and surface roughness in a well-balanced manner because the entire shoe is made of a single material. In particular, the concave shoe has a problem that it is more difficult to finish both the straightness and the surface roughness in a well-balanced manner because the location in contact with the workpiece changes as the workpiece rotates.
[0011]
The present invention has been made in order to solve the above-described problems associated with the prior art, and an object thereof is to provide a shoe for lapping which can finish both straightness and surface roughness in a good balance. And
[0012]
[Means for Solving the Problems]
The object of the present invention is achieved by the following means.
[0013]
A shoe for wrapping that presses a wrapping film having abrasive grains on one surface of a thin-walled substrate against a rotationally driven workpiece having a non-circular arc-shaped processing surface,
The shoe is configured by a concave shoe having a concave tip portion that is held rotatably about a predetermined axis and abuts the processing surface at a plurality of positions via the wrapping film,
Further, a plurality of pressing layers arranged along the rotation direction of the workpiece and having different elastic deformation amounts and / or a plurality of pressing layers arranged along the axial direction of the workpiece and having different elastic deformation amounts. Possess,
The processing surface of the workpiece is an outer peripheral surface of a cam lobe portion in the camshaft,
Among the plurality of pressing layers, the pressing layer in which the tip of the top portion of the cam lobe part contacts via the wrapping film is more elastic than the other pressing layer in which the tip of the top part does not contact via the wrapping film. Small deformationA wrapping shoe characterized by the above.
[0014]
【The invention's effect】
According to the shoe for lapping according to the present invention, when lapping a workpiece having an arc-shaped machining surface with a non-circular cross section,At the top of the cam lobeBoth straightness and surface roughness can be finished well in a balanced manner.Thus, good surface roughness can be stably obtained at other parts of the cam lobe.There is an effect.Furthermore, the work rotation speed can be increased while preventing the jumping of the shoe, and the processing time for lapping the cam lobe can be shortened.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings.
[0016]
(First embodiment)
FIG. 1 is a schematic configuration diagram showing a
[0017]
The
[0018]
In addition, the “circular shape with a non-circular cross section” in the present specification refers to an arc shape intended to make the radius from the rotation center to one part different from the radius to the other part, an elliptical shape, It should be understood that an egg shape like the
[0019]
Hereinafter, the
[0020]
Referring to FIG. 1, the
[0021]
The
[0022]
Although there are various types of the
[0023]
With reference to FIGS. 2 and 3, the wrapping
[0024]
The paired
[0025]
The
[0026]
The
[0027]
As shown in FIG. 6 (B), the
[0028]
FIGS. 7A to 7C are schematic views showing a situation in which jumping J of the
[0029]
When the
[0030]
By the way, in the conventional shoe, since the whole is made of a single material, both straightness and surface roughness cannot be finished well in a balanced manner, and further, jumping of the shoe is prevented. There is a problem that the work rotation speed cannot be increased.
[0031]
When this point is explained in detail, if the shoe is made of a single material, firstly, there is a restriction that the hardness of the shoe cannot be softened more than necessary. This is because if the hardness of the shoe is too soft, shape accuracy, particularly straightness, deteriorates. In the
[0032]
If the shoe is made of a single material, secondly, there is a restriction that the shoe cannot be harder than necessary. This is because it is difficult to obtain good surface roughness if the shoe is too hard. When the hardness of the shoe is softened due to the above limitation, the geometric shape along the axial direction of the workpiece W (hereinafter, also referred to as “axial geometric shape”) is a so-called concave portion in which the central portion is slightly recessed compared to both end portions. May have a concave shape. If the shoe is soft, the wrapping
[0033]
In a shoe made of a single material, it is practically impossible to satisfy the conflicting requirements for the hardness of the shoe in a balanced manner as described above. As a result, it is impossible to achieve both good straightness and good surface roughness, and it is not possible to increase the work rotation speed while preventing shoe jumping.
[0034]
Therefore, as shown in FIG. 4A, the
[0035]
Specifically, the plurality of
[0036]
The hard urethane resins 74 and 75 to be used are preferably made of a material excellent in oil resistance and water resistance. For example, Takenate L-1128 (manufactured by Takeda Pharmaceutical Co., Ltd.) using a polyether-based prepolymer for urethane elastomer can be used. Needless to say, the hardness of the hard urethane resins 74 and 75 is not limited to that described above.
[0037]
With reference to FIG. 5 (A)-(C), the width | variety (equivalent to the left-right direction in the figure) in the
[0038]
In the case where the
[0039]
For the purpose of eliminating clogging of the
[0040]
Next, the operation of this embodiment will be described.
[0041]
First, the
[0042]
While the upper and
[0043]
When the
[0044]
Then, when the
[0045]
The
[0046]
FIG. 4B shows a state in which the
[0047]
Since the radius from the axis O of the
[0048]
Further, the impact when the top portion a enters the
[0049]
As an example of processing conditions, the rotational speed of the
[0050]
As described above, according to the lapping
[0051]
Further, since the plurality of
[0052]
Further, since the
[0053]
The processed
[0054]
(Second Embodiment)
FIG. 9 is a cross-sectional view showing a
[0055]
Similar to the first embodiment, the
[0056]
However, in the second embodiment, at least one pressing layer among the plurality of
[0057]
More specifically, the
[0058]
The shoe
[0059]
When the lapping process is performed using the
[0060]
Further, when the top portion a is processed, since the central
[0061]
Further, even when the
[0062]
As described above, the
[0063]
Moreover, since at least one pressing layer among the plurality of
[0064]
In addition, although the example which has arrange | positioned the
[0065]
(Modification of the second embodiment)
FIG. 10 is a cross-sectional view showing a
[0066]
In this modified example, the shoe
[0067]
The
[0068]
The
[0069]
(Third embodiment)
FIG. 11 is a cross-sectional view showing a
[0070]
As in the first and second embodiments, the
[0071]
However, in the third embodiment, at least one pressing layer among the plurality of
[0072]
More specifically, the
[0073]
On the basis of a conventional general shoe made of a single material, the
[0074]
When lapping is performed using the
[0075]
Further, at least one pressing layer among the plurality of
[0076]
In addition, although the example which has arrange | positioned the
[0077]
(Fourth embodiment)
FIG. 12 is a cross-sectional view illustrating a
[0078]
Similar to the first embodiment, the
[0079]
However, in the fourth embodiment, the first embodiment is that a constraining
[0080]
Specifically, the
[0081]
When the lapping process is performed using the
[0082]
Further, when the top portion a is processed, the central
[0083]
Furthermore, since the jumping of the
[0084]
In addition, since the side
[0085]
As described above, according to the
[0086]
(Fifth embodiment)
FIG. 13 is a perspective view showing a
[0087]
Similar to the first embodiment, the
[0088]
However, in the fifth embodiment, the first to fourth embodiments further include a plurality of pressing layers arranged along the axial direction of the workpiece W and having different elastic deformation amounts. Is different.
[0089]
Specifically, the
[0090]
When the lapping is performed using the
[0091]
Further, when the top portion a is processed, the central
[0092]
Furthermore, since the jumping of the
[0093]
Moreover, since the side
[0094]
By the way, among the workpieces, there are workpieces intended to positively make the axial geometric shape positively convex, and conversely, workpieces intended to positively make the concave shape positive. For example, in the
[0095]
When wrapping such a workpiece, the fifth embodiment is applied, and the materials of the plurality of pressing layers 121 to 123 and 124 to 126 arranged along the axial direction of the workpiece and having different elastic deformation amounts are used. By appropriately arranging the physical property values, the axial geometric shape of the processed surface can be controlled to an arbitrary shape (for example, a middle convex shape, a middle concave shape, and a size of the concave and convex portions).
[0096]
As described above, according to the
[0097]
The central
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic configuration diagram showing a lapping apparatus incorporating a shoe for lapping according to the present invention.
FIG. 2 is a schematic cross-sectional view showing a closed state of upper and lower arms provided in a lapping apparatus so as to be freely opened and closed.
FIG. 3 is a schematic cross-sectional view showing an open state of upper and lower arms.
4A is a cross-sectional view showing a shoe for lapping according to the first embodiment, and FIG. 4B is a conceptual diagram showing a contact state between the shoe and a workpiece.
FIGS. 5A to 5C are views for explaining a plurality of pressing layers of a shoe.
6A is a perspective view showing an example of a camshaft as a workpiece to be lapped, and FIG. 6B is a diagram for explaining each part in a cam lobe portion of the camshaft.
FIGS. 7A to 7C are schematic views showing a situation in which shoe jumping occurs on the entrance side of the top portion due to rotation of the camshaft.
FIGS. 8A to 8C are schematic views showing a situation in which shoe jumping has occurred on the slipping side of the top portion due to rotation of the camshaft.
FIG. 9 is a cross-sectional view showing a shoe for lapping according to a second embodiment.
FIG. 10 is a cross-sectional view showing a shoe for lapping according to a modification of the second embodiment.
FIG. 11 is a cross-sectional view showing a shoe for lapping according to a third embodiment.
FIG. 12 is a cross-sectional view showing a shoe for lapping according to a fourth embodiment.
FIG. 13 is a perspective view showing a shoe for lapping according to a fifth embodiment.
[Explanation of symbols]
1 ... Lapping device
11 ... Wrapping film
29 ... Oscillating pin (predetermined axis)
40 ... Rotation drive unit
50 ... Oscillation unit
60. Camshaft (work W)
61 ... Cam lobe
65 ... Machining surface
70, 80, 90, 100, 110, 120 ... shoe
71, 72, 73 ... A plurality of pressing layers arranged along the rotation direction of the workpiece and having different elastic deformation amounts
74, 75 ... Hard resin materials with different hardness
81, 91 ... Metal core (metal block)
104, 105, 106 ... spring members (elastic means)
111 ... Restricted layer
112 ... Metal plate
121-123, 124-126 ... A plurality of pressing layers arranged along the axial direction of the workpiece and having different elastic deformation amounts
a ... Top of cam lobe
W ... Work
Claims (7)
前記シューは、所定の軸を中心に回動自在に保持されるとともに前記ラッピングフィルムを介して前記加工面に複数箇所で当接する凹状先端部を有する凹シューから構成され、
さらに、前記ワークの回転方向に沿って配列されるとともに弾性変形量が異なる複数の押付け層を有し、
前記ワークの前記加工面は、カムシャフトにおけるカムロブ部の外周面であり、
前記複数の押付け層のうち前記カムロブ部のトップ部の先端が前記ラッピングフィルムを介して接触する押付け層は、前記トップ部の先端が前記ラッピングフィルムを介して接触しない他の押付け層に比べて弾性変形量が小さいことを特徴とするラッピング加工用のシュー。A shoe for lapping that presses a lapping film provided with abrasive grains on one surface of a thin-walled substrate against a workpiece that has an arc-shaped machining surface with a non-circular cross section and is driven to rotate,
The shoe is constituted by a concave shoe having a concave tip portion that is held rotatably about a predetermined axis and abuts the processing surface at a plurality of positions via the wrapping film,
Furthermore, it has a plurality of pressing layers arranged along the rotation direction of the workpiece and different in the amount of elastic deformation ,
The processing surface of the workpiece is an outer peripheral surface of a cam lobe portion in the camshaft,
Among the plurality of pressing layers, the pressing layer in which the tip of the top portion of the cam lobe part contacts via the wrapping film is more elastic than the other pressing layer in which the tip of the top part does not contact via the wrapping film. A wrapping shoe characterized by a small amount of deformation .
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