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JP4194716B2 - 整形外科ロックナット - Google Patents
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JP4194716B2 - 整形外科ロックナット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ネジ用ナット、特に、骨粗鬆症の骨等を貫く骨ネジをより良好に固定するのに使用する整形外科ナットに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
骨ネジは整形外科処置で多くの用途に使用されている。例えば、骨ネジは、骨折した骨に、骨プレート等の強化又は支持部材を固定するために使用できる。骨ネジは、髄間腔に髄間釘を固定するために使用できる。骨ネジは、回転又はトルクをかけることのできるヘッドと、スレッドの付いた軸を含む。幾つかの骨ネジは、骨ネジを骨内に回転駆動するとき骨にスレッドを切り込む自己タッピング(self-ping)部を含む。
【0003】
骨ネジは、ネジの長軸と平行な力又はネジの長軸を横切る力を働かすことができる。骨ネジは、骨折した骨の二つの部分を接続するために使用でき、さらに、特に長手方向の力を働かして長手方向に離れている二つの部分を引き寄せることを意図したスレッド形状を有することができる。「能動的圧縮性プレート」と共に使用するとき、プレートのネジ穴は骨ネジに横方向の力をかけることができ、これは、骨ネジを通って骨に伝わる。
【0004】
骨内に保持するネジの能力、即ち、ネジの「引き出し」強度は、ネジスレッドの強度、大直径、小直径、ネジスレッドのピッチ及びネジが入る骨の剪断強度により決まる。骨の剪断強度は骨の種類、密度及び健康度により決まる。一般に海綿質骨は皮質骨より密度が低く、剪断強度は小さい。通常、海綿質骨用骨ネジは、皮質骨用骨ネジとは異なるネジスレッドを有する。骨がより弱いとき、スレッド間により多くの骨を入れてより大きな引き出し強度を得るためには、一般に、海綿質骨用のスレッド形状は、ピッチをより大きくして、大直径と小直径の差をより大きくする。何人かの患者は、骨密度又は骨原料が乏しく、又は骨粗鬆症であり、剪断強度は健康な骨より小さい。骨粗鬆症の皮質骨は通常の健康な皮質骨より弱いが、健康な海綿質骨より強い。
【0005】
剪断強度が小さい骨では、時間が経つと、皮質骨ネジと海綿質骨ネジの両方とも「後戻りする」又は骨内で緩む恐れが有る。骨ネジの後戻りは多くの有害な効果をもたらす恐れが有る。骨ネジにより取り付けられた骨プレート、髄間釘又は他の強化部材が意図する位置からずれる可能性が有る。骨ネジが取り付けられた骨に対して「突き通る(toggle)」又は動く可能性が有り、これはスレッドへの応力集中を非常に増加させる。このため、ネジスレッド又は組み合う骨内のスレッドのいずれかの疲労破壊が早まる恐れが有る。また、「突き通し」は、二重剪断に設置することを意図する骨ネジの一部が、1つの剪断力しか伝えなくする恐れがある。特に、小さな小直径の海綿質骨ネジでは、ネジを1つの剪断に設置することは、ネジ軸の疲労破壊を早める恐れが有る。
【0006】
幾つかの状況では、骨ネジは骨内を十分に延び、スレッド部が骨の反対側から突き出る。これらの状況では、骨ネジを整形外科ナットでさらに骨に固定することができる。骨内のネジの引き出し強度だけに依存する代わりに、整形外科ナットは、骨の一部に渡ってナットの下側に負荷を分散する。従って、整形外科ナットは、外科医にとって、弱い骨にネジを固定するもう一つの選択であり、外科医は皮質ネジ又は海綿質ネジのいずれか選ぶことが可能となる。現在の整形外科ナットはステンレス鋼から製造されており、容易にネジを回して返す大きすぎるスレッド形状を有する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、骨を貫いて突出する骨ネジの端を固定するための整形外科ナットである。ナットは、少なくとも一部が生体親和性ポリマーで製造されているヘッド部を含む。ヘッド部は、標準六角形レンチ等のトルク器具を受けるのに適した形のヘッドを有し、整形外科ナットを回転させる。生体親和性ポリマーは一般に骨ネジに使用される物質と比較して圧縮性であり、骨ネジにロック機構を形成する。ネジスレッドは、骨ネジのスレッドを受けるために、ヘッド部の円状開口の内径に形成してよい。また、スレッドは自己タッピング骨ネジによりヘッド部に切り込まれてもよい。ヘッド部をワッシャ部と共に使用して、骨との圧迫(bearing)接触面積を広げることができる。好ましくは、ワッシャ部はチタン等の放射性不透過物質で製造し、好ましくは、ヘッド部に取り付けられる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面を参照して説明する。図面は好ましい実施形態を示すが、本発明には他の実施形態も含まれ、そのうちの幾つかについては説明している。本発明の実施形態の開示は説明のためであって限定のためではない。当業者は本発明の原理の精神と範囲内で多くの他の小さな変更と実施形態をなすことができる。
【0009】
本発明の整形外科ナット10には、ヘッド部12とワッシャ14がある。ナット10は整形外科骨ネジ(図示せず)と共に使用することが意図されており、整形外科骨ネジはステンレス鋼又はチタン等の金属から製造できる。骨ネジ軸と骨ネジスレッド(ネジ山)は所望の高い強度を有するので、一般に骨ネジ物質は圧縮性が低い。
【0010】
ヘッド部12はポリマーから製造されていて、一般の骨ネジより柔らかく高い圧縮性を有する。例えば、ポリマー物質はショアA,B又はDスケールの硬度を有することができ、骨ネジ物質は30−35ロックウェルCの範囲等のロックウェルCスケールの硬度を有することができる。ポリマー物質の圧縮性は比較的高いので、ナット10を骨ネジに対して締めたとき、ナット10は骨ネジに対して圧縮スプリング力をかけることができ、この圧縮スプリング力が振動による後戻りに抵抗する。
【0011】
ヘッド部12のポリマー物質は、例えば一年以上の長期間、生体親和性でなければならない。例えば、ヘッド部12は、既に承認され又は体内で使用されている、ポリエチレン、アセタールコポリマー(DELRIN)、ポリスルホン(LEXAN)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、プロピレン、ある種のポリエステル、セルロースアセテート、ポリブチルジエン、ポリカルボネート、ポリブトエステル(polybutester)、GORTEX等のポリマー物質から製造できる。
【0012】
好ましいポリマー物質は、DePuy/DuPont社により開発されたHYLEMERとして知られている超高分子(ultra high molecular weight)ポリエチレンである。超高分子量ポリエチレンはASTM−648への押し出し成形として容易に製造できる。成形後、超高分子量ポリエチレンは、一重リードスレッド、三重リードスレッド又は二重リードスレッドに機械加工できる。他のポリマーと比較すると、超高分子量ポリエチレンは、例えば硬度がショア60−70の範囲の、強く硬い物質である。同時に、超高分子量ポリエチレンは、典型的な骨ネジ物質のチタン又はステンレス鋼物質と比較して、柔らかく圧縮性である。
【0013】
好ましくは、ヘッド部12は、トルク器具(図示せず)内に入るようにデザインされるヘッド16を有する。ヘッド16は、ヘッド部12に必要なトルクを伝えるための強度を有するように十分大きくなければならないが、トルク器具と隣の骨ネジの整形外科ナットが干渉するほど大きくてはいけない。好ましい実施形態では、ヘッド部12は、約0.39インチ(9.9mm)横断直径フラット18と約0.45インチ(11.4mm)横断直径コーナー20のある六角形ヘッド16を有し、ACE FISHER外部固定システムからの標準10mmレンチ(図示せず)に僅かの隙間で入る。当業者は、ヘッド部12を他の様々な形にして対応する形のトルク器具に入れられることを理解するであろう。
【0014】
好ましいヘッド部12には、長手方向のヘッド軸24の周りを貫通するネジ穴22がある。ヘッド部12には、例えば4.5mm皮質ネジ、6.5mm皮質ネジ又は6.5mm海綿質ネジ等の選択された骨ネジと組み合うスレッド26があり、様々な異なるスレッドデザインを採用できる。図3は、例えば6.5mm皮質ネジに対応する好ましい三重リードスレッドを示す図である。多重リードスレッド26により、互いに高速で回転すると、骨ネジのスレッドとナット10のスレッド26の間に大きな接触面を有しながら、骨ネジとナット10が前進できる。図5は、6.5mm海綿質骨ネジのスレッドと適切に組み合う大きな一重リードスレッドを示す図である。図6は二重リードスレッドのある第三の実施形態を示す図である。
【0015】
ヘッド部12を製造する間に、ヘッド部12にスレッド26を成形又は機械加工してもよい。別の方法では、特にヘッド部12のポリマー物質が一般の骨ネジ物質よりも柔らかいので、骨ネジ自身によりヘッド部12にスレッド26を切削してもよい。多くの場合、ヘッド部12のポリマー物質は健康な骨物質より柔らかく、ヘッド部12を通って骨ネジが自己タッピングすることは、骨ネジを駆動させて骨とヘッド部12を通すのに必要なトルクをそれ程増加させない。このようにして製造するヘッド部12は、意図する骨ネジの小直径と組み合う内径のある滑らかな円筒状ネジ穴22を有してもよい。別の場合では、ヘッド部12は、意図する骨ネジの大直径より小さいスレッド形状の始まりを有していてもよい。第三の場合は、ヘッド部12を全くネジ穴22無しに製造し、ネジ穴22全体を自己タッピング骨ネジで切削してもよい。自己タッピング骨ネジがスレッド26の少なくとも一部を切削する限り、ヘッド部12と骨ネジの間はきつく接着してヘッド部12に対する骨ネジの「突き通し」又は振動を防ぐ。
【0016】
ナット10は、ISO仕様による標準スレッド形状の骨ネジと共に使用することが意図されている。このような標準スレッド形状では、骨ネジは大小直径に丸みが与えられている。反対に、ヘッド部12は、スレッド26の大直径及び/又は小直径に切られた鋭いエッジを有して、僅かなインターフェランスフィットを付与してもよい。別の場合又は異なるスレッド形状では、ネジ穴22の大直径及び/又は小直径を、対応する骨ネジの大直径及び/又は小直径より少し小さくして、僅かなインターフェランスフィットを付与してもよい。例えば、好ましい実施形態では、スレッド26は小直径が約0.15インチ(3.8mm)で大直径が約0.18インチ(4.6mm)に切り込まれる。標準骨ネジと組み合うと、好ましいナット10のネジ穴22は小直径で僅かな隙間を有し、大直径で僅かに干渉する。好ましい大直径干渉は0.002インチ乃至0.008インチ(0.05mm乃至0.20mm)であり、例えば0.003インチ大直径公差(0.13mm±0.08mm)で僅か0.005インチ干渉である。このような大直径での干渉/小直径での隙間という形状により、骨ネジがヘッド部12にスレッド26の少なくとも一部を切り込み非「突き通し」フィットを確実にするが、このような切り込みにより形成されるポリマー片は小直径隙間内に捕えられて患者の体内に放出されない。
【0017】
好ましくは、骨の反対側又はナット側の組織への振動が最小となるように、ナット10は全体的に低いプロフィールを有する。低いプロフィールを付与するために、好ましくは、ヘッド部12は、ヘッド16から長手方向に延びるスレーブ28を含む。スレーブ28はワッシャ14と骨内のネジ穴内に延び、ナット10のプロフィールを高くすることなく、スレッド長が長くなる。例えば、スレーブ28によりスレッド長はヘッド16の長さの2倍以上になりうる。好ましい実施形態では、ヘッド部12の長さは約0.31インチ(7.9mm)であり、これは、ヘッド16の長さ約0.14インチ(3.6mm)と、スレーブ28の長さ約0.17インチ(4.3mm)からなる。長いスレッド長により、ヘッド部12は、ヘッド部12に低い強度の圧縮性ポリマー物質を用いるときでも、非常に高い引き抜き強度を有することが可能となる。
【0018】
好ましくは、ヘッドスレーブ28の壁厚は、スレッド26に対し適当な長手方向の強度を維持しながら、可能な限り薄い。好ましいヘッドスレーブ28の壁厚は、大直径よりおよそ0.03インチ(0.7mm)大きい。即ち、大直径が0.18インチ(4.6mm)のスレッド26を有するヘッド部12に対しては、ヘッドスレーブ28は約0.23インチ(5.9mm)の外径を有することができる。
【0019】
好ましくは、ワッシャ14には肩30とワッシャスレーブ32がある。ワッシャ直径が大きい程、下にある骨と圧迫接触する表面積が大きくなるので、肩30の外径は可能な限り大きくデザインする。接触面積が大きいと、骨に対するワッシャ14の下に負荷が分散しやすくなり、骨粗鬆症の骨に対する固定の補助となる。しかし、肩30は、隣の骨ネジと並べて使用するのを妨げるほど大きくてはならない。例えば、一般の髄間釘の遠位ロック穴間隔は、穴の間が0.79インチ(20mm)でよい。このような穴に使用するために、肩外径は0.79インチ(20mm)以下であることが必要である。好ましい外径は約0.52インチ(13.2mm)である。ワッシャ14の肩30はトルク器具内に入れる必要が無くさらにトルク器具に対し隙間を設ける必要が無いので、外径により、ヘッド部12だけの場合に可能な接触面積よりも、接触面積が大きくなる。
【0020】
好ましい肩30は平らで平面状であり、下にある骨の様々な形状に可能な限り良好に組み合う。所望により、肩30は他の輪郭でもよく、対応する輪郭の骨に対してより良好に組み合い圧迫する。好ましい肩30は円状の外形を有するが、楕円、正方形、六角形又は他の形でもよい。所望により、肩の底面は肩の上面とは異なる輪郭及び/又は形状でもよいが、肩を均一な厚みに形成することが製造を容易するため好ましい。
【0021】
ワッシャスレーブ32はヘッドスレーブ28を囲み強度を付与する。従って、ワッシャスレーブ32の内径はヘッドスレーブ28の外形と僅かな隙間を有して対応する。ワッシャスレーブ32の壁厚は適当な強度を有するように選択する。図1に示すように、ワッシャ14にマークを付けてワッシャ14とナット10の製品番号を示してもよい。
【0022】
ワッシャ14は生体親和性物質から製造する。超高分子量ポリエチレン及び他のほとんどのポリマー物質は放射線透過性であるが、ワッシャ14は好ましくは放射線不透過性物質から製造して、蛍光透視鏡や他の視覚器具で見るときに整形外科ナット10と骨の裏側を特定しやすくする。ワッシャ物質は比較的高い圧縮性は必要としない。ワッシャ14の強度は重要であるが、強度は骨ネジほど重要ではない。好ましいワッシャ14はTI−6Al−4V eli等のチタンから製造される。このチタンは生体親和性で放射線不透過性であり、強度は十分である。チタンを使用するとき、好ましい肩30の物質厚は約0.025インチ(0.64mm)であり、好ましいワッシャスレーブ32の壁厚も約0.025インチ(0.64mm)であり、これはワッシャ14に十分な強度を与える。また、ワッシャ14は、市販のグレード1−4の純粋なチタン等の他のチタン、又は316L、316又は22Cr−13Ni−5Mnステンレス鋼等のステンレス鋼から製造できる。当業者は、ワッシャ14が他の様々な物質から製造でき、厚みは使用する物質の強度に応じて適当に選択することを理解するであろう。
【0023】
好ましくは、ワッシャ14はヘッド部12に取り付けられ又は取り付け可能であるが、ヘッド部12とは別に製造される。ワッシャ14をヘッド部12に取り付けることにより、外科医がワッシャ14とヘッド部12の両方を同時に骨ネジに設置することが可能となる。ワッシャ14をヘッド部12と別に形成することにより、ワッシャ14をヘッド部12に対して回転することが可能となる。ワッシャ14はヘッド部12と共に回転する必要はないので、ヘッド部12を回転してナット10を締めてもワッシャ14にトルクはかからない。ワッシャ14の回転は、骨と比較してヘッド部12とのワッシャ14の反対の摩擦接触による。ヘッド部12を超高分子量ポリエチレンで製造し、ワッシャ14をチタンで製造し、ヘッド16と肩30の間に平らな相互作用面があると、ヘッド部12とワッシャ14の間に比較的低い係数の摩擦が生じる。ワッシャ14と骨の粗い面の間には高い係数の摩擦が存在する。従って、ワッシャ14が骨と接触すると、ワッシャ14はヘッド部12と共にさらに回転しないので、設置の際、ワッシャ14は一般に下にある骨に対し砕いたり消耗させて損傷を与えない。当業者は、選択した物質と輪郭により、例えば生体親和性潤滑剤をヘッド部12とワッシャ14の間に追加する等、ヘッド部12をワッシャ14に対し容易に回転させる他の多くのデザインを採用できることを理解するであろう。しかし、好ましい構造では、潤滑剤は必要ではない。
【0024】
ヘッド部12とワッシャ14を回転可能に取り付けるために、ヘッド部12のスレーブ28には、ワッシャスレーブ32の対応する窪みに組み合う大きさと位置にある周囲突出部34がある。ヘッド部物質が圧縮性であるため、ワッシャ14をヘッド部12に組立てる間、ワッシャ14により、突出部34をヘッドスレーブの周囲で内側に湾曲又は押し付けることが可能である。ワッシャ14をヘッド部12上に十分な距離で長手方向に押すと、突出部34は外側に窪み36内にパチンと入る。周囲突出部34が窪み36に入ることにより、ワッシャ14がヘッド部12に対して自由に回転することが可能であるが、ワッシャ14がヘッド部12に対して長手方向に動くことは防止される。好ましい実施形態では、突出部34と対応する窪み36は断面が直角三角形であり、ワッシャスレーブ32内に約0.01インチ(0.3mm)延び、面は長軸24に対し45度である。
【0025】
当業者は、ワッシャ14をヘッド部12に回転可能に取り付けるために多数の他の構造を使用できることを理解するであろう。例えば、複数の長手方向に間隔のあいた周囲突出部を、ワッシャスレーブ32上にある対応する複数の長手方向に間隔のあいた周囲窪みと共に、ヘッドスレーブ28上に設けることができる。このように複数の長手方向に間隔のあいた位置での取り付けは、骨ネジの応力下で、ヘッドスレーブ28の壁が長手方向のクリープに抵抗するのを助ける。さらに別の場合では、突出部はスレーブ28を囲む必要はなく、又、突出部はヘッド部12ではなくワッシャ14に配置してもよい。
【0027】
ワッシャ14のスレーブ32はその外径に沿って角度のついたリードコーナー38を有することができる。好ましい実施形態では、ワッシャ14のリードコーナー38は、長軸24に対して75度の円錐角度の外面を有する。角度のついたリードコーナー38はナット10の骨のネジ穴への挿入を助ける。
【0028】
ヘッドスレーブ28はその外径に沿って角度のついたリードコーナー40を有することができる。ワッシャ14はその内径に沿って角度のついたトレーリングコーナー42を有することができる。ヘッドスレーブ28の角度のついたリードコーナー40とワッシャ14の角度のついたトレーリングコーナー42は、組立ての間、ヘッド部12のワッシャ14部位への挿入を助ける。
【0029】
外科医は、骨ネジへ取り付ける前に、ワッシャ14をヘッド部12に組立てる。別の方法では、ヘッド部12を骨ネジに取り付ける前に、ワッシャ14を骨ネジの周りに配置して、ヘッド部12を骨ネジに沿って前進させてヘッド部12をワッシャ14に取り付けてもよい。これらの組立て方法は、取付エリアについて特別の形状の肩のワッシャを使用するとき、特に有利である。例えば、外科医は、取付の点から最も適当な肩の形状を選択するために、多くの異なる形状の肩を有するワッシャを用意しておくことができる。ワッシャが、円状で平らな肩30を有する好ましいワッシャ14であるとき、好ましくは、ワッシャ14のヘッド部12への組立方法は製造の最終工程であり、外科医がこの組立工程を独立して実施する必要はない。
【0030】
好ましい使用方法では、外科医は、ナット10を配置する前に、骨ネジを骨の中へ十分に通す。その後、ロックナット10を、10mmレンチ等を用いて、静止骨ネジに嵌める。別の方法では、骨ネジを骨内に回転する前に、ワッシャ14を所定の場所に保持してもよい、又は、骨ネジとナット10を同時に反対方向に回転してもよい。
【0031】
肩30が骨面に対し圧迫接触するまでスレーブ28,32を骨ネジ穴内に前進させて、ナット10を骨ネジに締める。骨ネジのスレッドとヘッド部12に製造されるスレッド26(もし有るとしたら)との組合デザインによっては、ナット10を自己タッピング骨ネジに締めると同時にヘッド部12にスレッド26を切り込むことができる。肩30が骨面に対して圧迫接触したら、ナットは骨ネジに対して、さらに、ヘッド部12のスレッド26にスプリング圧縮力をかけるのに適当な量のトルクをかける。ヘッド部12の物質の圧縮性により、ヘッド部12が骨ネジを所定の位置にロックすることができ、骨ネジは振動等により後戻りしない。
【0032】
超高分子量ポリエチレンでも生物分解性チタンでもなく、埋め込み後一年以上たって、外科医は骨ネジを取り外すのと同時に整形外科ナット10を取り外すことを望む場合が有る。別の場合では、ヘッド部12とワッシャ14の一方又は両方を生物分解性ポリマー物質で製造する場合が有る。生物分解性ポリマー物質の例には、ポリ乳酸、ポリ−L−乳酸及びポリグリコネート酸(polyglyconate acids)がある。生物分解性ポリマーで製造する場合、少なくとも骨が治癒する間ナット10が強度を保ち確実に締っているように、分解は遅くなくてはならない。整形外科ナット10が後に生物学的に分解する場合、外科医が骨のナットサイドを開いて接近する必要は無く、生物分解性ナット10を所定の場所に放置して骨が治癒した後、骨ネジを長手方向に引き出すことができる。
【0033】
図7,図8は、本発明による別のヘッド部50を示す図である。ヘッド部50全体をポリマーで製造しないで、挿入部又はピン52等の干渉部材だけを生体親和性ポリマーで製造する。ヘッド部50の残りのナット部54は生体親和性金属で製造してよい。ナット部54のスレッド26を意図する骨ネジに対し十分な隙間を有するように製造できる。好ましくは、スレッド26とフラット18のあるナット部54を製造した後、ネジ穴22と交わる挿入穴56をナット部に機械加工する。ピン52を挿入穴56に押し付け又は他の方法で固定し、少なくともピン52の一部がスレッド26の大直径を越えて延びる。
【0034】
ヘッド部50は前述の実施形態のワッシャ14と共に使用してもよく、又はワッシャ部58をナット部54と一体に製造してもよい。ヘッド部50を使用すると、骨ネジはピン52の端と接触しスレッドを形成する。前述の実施形態と同様に、ピン52の圧縮性と、骨ネジがピン52内にスレッドを切り込むことにより得られる堅固なフィットにより、ピン52はヘッド部50に対してロック機構を果たす。
【0035】
図9は本発明による他のヘッド部60を示す図である。この実施形態では、スレッド形成された挿入部(スレッド挿入部)62だけが生体親和性ポリマーから製造されている。ヘッド部60の残りのナット部64は生体親和性金属で製造してよい。スレッド挿入部62はナット部64の中央穴66内に入る。スレッド挿入部62は、プレスフィット又は接着剤により、回転可能にナット部64に固定してよい。別の場合では、スレッド挿入部62は非円筒形外形(図示せず)でもよく、これはナット部64の対応する形の中央穴と組み合って、スレッド挿入部62のナット部64に対する回転を防ぐ。スレッド挿入部62には突出部68があり、突出部68はナット部64の肩70を圧迫して骨ネジの力をナット部64に伝える。
【0036】
ヘッド部60は前述の実施形態のワッシャ14と共に使用してもよく、又はワッシャ部72はナット部64と一体に製造してもよい。ヘッド部60を使用すると、骨ネジはスレッド挿入部62に入る。前述の実施形態と同様に、スレッド挿入部62の圧縮性及び/又は骨ネジがスレッド挿入部62内にスレッドを切り込むことにより得られる堅固なフィットにより、スレッド挿入部62はヘッド部60に対してロック機構を果たす。
【0037】
好ましい実施形態について本発明を説明してきたが、当業者は本発明の思想と範囲を離れること無く形状及び詳細を変更できることを認識するであろう。
【0038】
好適な実施態様および参考例を以下に示す。
参考例Aは、以下の内容である。少なくとも一部が生体親和性ポリマーから製造され、骨ネジの自己タッピングスレッドにより切られるヘッド部を有し、前記ヘッド部は、ヘッド軸の周りを回転するトルク器具内に入る形状のヘッドを有する骨ネジ用整形外科ナット。
(1)さらに、骨を圧迫する前記ヘッド部に取り付けられるワッシャを有し、前記ワッシャはその中に前記ヘッド軸と並んで形成される開口を有し、前記開口は前記骨ネジを受け、前記ワッシャは前記ヘッドよりも大きな圧迫面を付与する肩を有する参考例Aに記載の整形外科ナット。
(2)前記ワッシャは放射線不透過物質から製造される参考例(1)に記載の整形外科ナット。
(3)前記ワッシャはチタンから製造される参考例(2)に記載の整形外科ナット。
(4)前記ワッシャは前記ヘッド部とは別に製造される参考例(1)に記載の整形外科ナット。
(5)前記ヘッド部は、さらに、前記ヘッドと一体に形成され前記ヘッド軸の周りに軸方向に延びるスレーブを有する参考例Aに記載の整形外科ナット。
【0039】
(6)さらに、骨を圧迫する前記ヘッド部のスレーブに取り付けられるワッシャを有し、前記ワッシャは、その中に形成される、前記ワッシャを前記スレーブに取り付けると前記ヘッド軸と並ぶ開口を有し、前記開口は前記骨ネジを受け、前記ワッシャは前記ヘッドよりも大きな圧迫面のある肩を有する参考例(5)に記載の整形外科ナット。
(7)前記スレーブは突出部を有し、前記ワッシャは前記ワッシャを前記スレーブに取り付けるために前記突出部と組み合う窪みを有する参考例(6)に記載の整形外科ナット。
(8)前記ヘッド部は前記取り付けられたワッシャに対して回転可能である参考例(7)に記載の整形外科ナット。
(9)円状開口が前記ヘッド部内で前記ヘッド軸の周りに形成され、前記円状開口は内径を有し、さらに、前記円状開口の内径に形成される、骨ネジのスレッドを受けるネジスレッドを有する参考例Aに記載の整形外科ナット。
(10)前記ヘッド部は超高分子量ポリエチレンから製造される参考例Aに記載の整形外科ナット。
【0040】
(11)前記ヘッドは六角形である参考例Aに記載の整形外科ナット。
参考例Bは、以下の内容である。少なくとも一部が生体親和性ポリマーから製造されるヘッド部を有し、前記ヘッド部は、ヘッド軸の周りを回転するトルク器具内に入る形状のヘッドと、前記ヘッド部内で前記ヘッド軸の周りに形成される、内径を有する円状開口と、前記円状開口の内径に形成される、骨ネジのスレッドを受けるネジスレッドとを有する骨ネジ用整形外科ナット。
(12)さらに、骨を圧迫する前記ヘッド部に取り付けられるワッシャを有し、前記ワッシャはその中に前記ヘッド軸と並んで形成される開口を有し、前記開口は前記骨ネジを受け、前記ワッシャは前記ヘッドよりも大きな圧迫面を付与する肩を有する参考例Bに記載の整形外科ナット。
(13)前記ネジスレッドは多重リードネジスレッドである参考例(12)に記載の整形外科ナット。
実施形態(A)は、以下の内容である。ヘッド部と、前記ヘッド部に回転可能に取り付けられ、骨を圧迫するワッシャとを有し、前記ヘッド部は、ヘッド軸の周りを回転するトルク器具内に入る形状のヘッドと、前記ヘッド軸の周りに前記ヘッドから長手方向に延びる、前記ヘッドより小さい外径を有するスレーブと、前記ヘッドと前記スレーブを通って前記ヘッド軸の周りに形成される内径を有する円状開口と、前記円状開口の内径に形成される、骨ネジのスレッドを受けるネジスレッドとを有し、前記ワッシャは、その中に前記ヘッド軸と並んで形成される開口を有し、前記開口は前記骨ネジと前記ヘッド部のスレーブを受ける骨ネジ用整形外科ナット。
(14)前記ワッシャは、前記ヘッドよりも大きな圧迫面を付与する肩と、前記ヘッド部のスレーブの周囲で、前記ヘッド軸の周りに前記肩から長手方向に延びるスレッドとを有する実施形態(A)記載の整形外科ナット。
(15)骨ネジを骨ネジ軸に沿って骨粗鬆症の骨内に回転して前進させ、整形外科ナットを、前記骨粗鬆症の骨の反対側に、前記骨ネジ軸と並べて配置し、前記整形外科ナットは、少なくとも一部が生体親和性ポリマーから製造されるヘッド部を有し、前記ヘッド部はトルク器具内に入る形状のヘッドを有し、前記整形外科ナットのヘッドにトルクをかけながら、前記骨ネジと前記整形外科ナットの1つを、それらの他方に対して回転させて前進させ、前記骨ネジは前記整形外科ナットを引き、前記骨粗鬆症の骨の反対側と圧迫係合させることを含む骨粗鬆症の骨における整形外科骨折の処置方法。
【0041】
(16)前記ヘッド部は、骨ネジの自己タッピングスレッドにより切られる生体親和性ポリマーから製造され、前記骨ネジと前記整形外科ナットの1つが回転しながら前進すると、前記ヘッド部内にスレッドを切り込む実施態様(15)に記載の方法。
(17)前記整形外科ナットは、さらに、前記骨粗鬆症の骨を圧迫する前記ヘッド部に取り付けられるワッシャを有し、前記ワッシャはその中に形成される開口を有し、前記ワッシャは前記開口の周りに前記ヘッドよりも大きな圧迫面のある肩を有し、前記骨ネジと前記整形外科ナットの1つが回転しながら前進すると、前記骨ネジが前記開口を通って前記ワッシャ内に前進し、前記圧迫面を引き前記骨粗鬆症の骨の反対側と圧迫係合させる実施態様(15)に記載の方法。
【0042】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、骨ネジの端を固定する整形外科ナットを提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の整形外科ナットの側面図である。
【図2】図1の整形外科ナットの分解斜視図である。
【図3】図1のライン3−3に沿ったヘッド部の断面図である。
【図4】図1のライン4−4に沿ったワッシャの断面図である。
【図5】第二のデザインのヘッド部の断面図である。
【図6】第三のデザインのヘッド部の断面図である。
【図7】第四の実施形態のポリマーピン挿入部を有するヘッド部の平面図である。
【図8】図7の実施形態の分解斜視図である。
【図9】第五の実施形態のヘッド部の分解斜視図である。
【符号の説明】
10 整形外科ナット
12,50,60 ヘッド部
14,58 ワッシャ
16,22 ネジ穴(円状開口)
24 ヘッド軸
26 ネジスレッド
28 スレーブ

Claims (5)

  1. 超高分子量ポリエチレンから製造されるヘッド部と、
    チタンから製造され、前記ヘッド部に回転可能に取り付けられ、骨を圧迫するワッシャとを有し、前記ワッシャが骨と接触した際に、前記ワッシャと骨との間に存在する摩擦係数と比較し、チタンから製造された前記ヘッド部と超高分子量ポリエチレンから製造された前記ヘッド部との接触部には低い摩擦係数が存在することにより、前記ヘッド部が回転しても骨と接触している前記ワッシャは回転しないようになっており、
    前記ヘッド部は、
    ヘッド軸の周りを回転するトルク器具内に入る形状のヘッドと、
    前記ヘッド軸の周りに前記ヘッドから長手方向に延びる、前記ヘッドより小さい外径を有するスレーブと、
    前記ヘッドと前記スレーブを通って前記ヘッド軸の周りに形成される内径を有する円状開口と、
    前記円状開口の内径に形成される、骨ネジのスレッドを受けるネジスレッドとを有し、
    前記ワッシャは、その中に前記ヘッド軸と並んで形成される開口を有し、前記開口は前記骨ネジと前記ヘッド部のスレーブを受ける
    骨ネジ用整形外科ナット。
  2. 請求項1記載の整形外科ナットであって、
    前記ワッシャは、前記ヘッドよりも大きな圧迫面を付与する肩と、前記ヘッド部のスレーブの周囲で、前記ヘッド軸の周りに前記肩から長手方向に延びる第2のスリーブとを有する。
  3. 請求項1記載の整形外科ナットであって、
    前記ワッシャは放射線不透過物質から製造される。
  4. 請求項1記載の整形外科ナットであって、
    前記スレーブは突出部を有し、前記ワッシャは前記ワッシャを前記スレーブに取り付けるために前記突出部と組み合う窪みを有する。
  5. 請求項1記載の整形外科ナットであって、
    前記ネジスレッドは多重リードネジスレッドである。
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