JP4196441B2 - 内燃機関のバルブ特性制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の運転状態に応じてバルブの開閉時期やリフト量を連続的に調整する内燃機関のバルブ特性制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、吸気バルブや排気バルブの開閉タイミングを精密に制御して、内燃機関の性能を向上させるための動弁装置が知られている(特開平7−247815号公報)。この動弁装置においては、バルブ開閉時期の位相を変更するバルブタイミング可変機構と、バルブリフト量を変更するバルブリフト量可変機構とを備えて、吸気バルブまたは排気バルブの開閉弁時期を調整するものである。
【0003】
バルブリフト量可変機構はバルブのリフト量を変更するため、開弁時期と閉弁時期とを近づけたり離したりする機能があり、バルブタイミング可変機構はリフト位相をずらすため、開弁時期と閉弁時期とを共に進角させたり遅角させたりする機能がある。前記従来技術は、この両機構を組み合わせることにより、自由度の高い開閉弁時期の制御を可能とし、内燃機関の性能を十分に発揮させることができるというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来技術では、バルブリフト量可変機構とバルブタイミング可変機構との開閉弁時期が目標値に収束している場合には内燃機関の性能を十分に発揮できていると考えられる。しかし、内燃機関運転状態の変化に応じて両機構の目標値が切り替わった場合に生じる目標値に実値が収束するまでの過渡状態に関しては何ら考慮がなされていない。
【0005】
特に両機構が連続的にリフト量やリフト位相を調整するものであった場合には、この過渡状態での両機構の変化状態も内燃機関の性能に大きく影響する。したがって、両機構の過渡状態を考慮しない技術では、未だ十分に内燃機関の性能を発揮しているものとは言い難いものである。
【0006】
本発明は、連続的に制御可能なバルブリフト量可変機構およびバルブタイミング可変機構を用いている内燃機関のバルブ特性制御装置において、両機構の過渡状態を考慮することにより、内燃機関の性能を十分に発揮させることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方のバルブ開閉時期を連続的に変更するバルブタイミング可変機構と、吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方のバルブリフト量を連続的に変更するバルブリフト量可変機構とを備え、前記バルブタイミング可変機構の目標の制御位置である目標制御位置A及び前記バルブリフト量可変機構の目標の制御位置である目標制御位置Bのそれぞれを機関回転速度及び機関負荷の少なくとも一方に基づいて設定し、前記バルブタイミング可変機構の制御位置を前記目標制御位置Aに一致させるべく前記バルブタイミング可変機構を操作し、前記バルブリフト量可変機構の制御位置を前記目標制御位置Bに一致させるべく前記バルブリフト量可変機構を操作し、これにより吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方について、そのバルブ開閉時期及びバルブリフト量からなるバルブ特性を可変とする内燃機関のバルブ特性制御装置において、前記バルブタイミング可変機構の制御位置を前記目標制御位置Aに向けて変更する操作と前記バルブリフト量可変機構の制御位置を前記目標制御位置Bに向けて変更する操作とが重複する過渡状態が生じる旨判定したとき、この過渡状態において内燃機関に要求される性能に一致するバルブ特性の変化方向を過渡時要求変化方向として設定し、そのうえで前記目標制御位置Aに向けての前記バルブタイミング可変機構の制御位置の変化方向と前記目標制御位置Bに向けての前記バルブリフト量可変機構の制御位置の変化方向との双方が前記過渡時要求変化方向と一致する旨判定したとき、前記バルブタイミング可変機構と前記バルブリフト量可変機構とのうち当該制御装置からの指令に対する応答性の高い可変機構を操作に関する優先度の高い優先可変機構として位置付けるとともに他方の可変機構を非優先可変機構として位置付け、この設定した優先度に基づいて前記バルブタイミング可変機構及び前記バルブリフト量可変機構の操作を行う過渡時制御手段を備えることを要旨としている。
【0008】
バルブタイミング可変機構はバルブ開閉時期の位相を連続的に変更し、バルブリフト量可変機構はバルブリフト量を連続的に変更するものであり、このような機構的な違いからバルブに対する調整が量的あるいは質的に異なるものである。このため、これらが共にバルブに対して変更を加えている場合は、最終的には同じ調整量に到達するとしても、その過渡時においていずれを優先するかにより、過渡時における内燃機関の運転状態は異なることになる。
したがって、過渡時制御手段は、過渡時に内燃機関に要求される性能に応じてバルブ開閉時期の位相変更とバルブリフト量変更との優先度を設定し、該優先度に応じてバルブタイミング可変機構とバルブリフト量可変機構とを制御する。このことにより、過渡時においても内燃機関の性能を制御でき、十分に内燃機関の性能を発揮することができる。
また、前述したごとくバルブの調整に対する量的あるいは質的な違いが両可変機構に存在する。このため、過渡時の内燃機関要求性能に対して、バルブタイミング可変機構の変化方向とバルブリフト量可変機構の変化方向との両者が共に合致している場合と、いずれか一方のみ合致している場合とが存在する。この内、バルブタイミング可変機構とバルブリフト量可変機構とが共にそのバルブ調整のための変化方向が過渡時の内燃機関要求性能に合致している場合を考える。
この場合には、単に両機構とも駆動させたのでは駆動源の出力上の限界があることから、両者の変化速度は単独に駆動する場合に比較して低下するのは避けられない。したがって、一方の機構を優先して駆動した方が迅速に内燃機関要求性能に合致させられる。
しかも、バルブタイミング可変機構とバルブリフト量可変機構とは、量的あるいは質的な違い、更には機構的な違いから調整の応答性においても差が存在する。したがって、優先対象としては、両機構の内で応答性の高い方を優先する方が、最も早期に内燃機関の要求性能に合致させることができる。
このため、過渡時制御手段は、両機構の変化方向が、内燃機関要求性能に合致する方向である場合には、応答性の高い方の機構を高い優先度として両機構を制御する。こうして過渡時において内燃機関の性能を十分に発揮させることができる。
【0009】
(2)請求項2に記載の発明は、吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方のバルブ開閉時期を連続的に変更するバルブタイミング可変機構と、吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方のバルブリフト量を連続的に変更するバルブリフト量可変機構とを備え、前記バルブタイミング可変機構の目標の制御位置である目標制御位置A及び前記バルブリフト量可変機構の目標の制御位置である目標制御位置Bのそれぞれを機関回転速度及び機関負荷の少なくとも一方に基づいて設定し、前記バルブタイミング可変機構の制御位置を前記目標制御位置Aに一致させるべく前記バルブタイミング可変機構を操作し、前記バルブリフト量可変機構の制御位置を前記目標制御位置Bに一致させるべく前記バルブリフト量可変機構を操作し、これにより吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方について、そのバルブ開閉時期及びバルブリフト量からなるバルブ特性を可変とする内燃機関のバルブ特性制御装置において、前記バルブタイミング可変機構の制御位置を前記目標制御位置Aに向けて変更する操作と前記バルブリフト量可変機構の制御位置を前記目標制御位置Bに向けて変更する操作とが重複する過渡状態が生じる旨判定したとき、この過渡状態において内燃機関に要求される性能に一致するバルブ特性の変化方向を過渡時要求変化方向として設定し、そのうえで前記目標制御位置Aに向けての前記バルブタイミング可変機構の制御位置の変化方向と前記目標制御位置Bに向けての前記バルブリフト量可変機構の制御位置の変化方向とのいずれか一方のみが前記過渡時要求変化方向と一致する旨判定したとき、制御位置の変化方向が前記過渡時要求変化方向と一致する可変機構を操作に関する優先度の高い優先可変機構として位置付けるとともに他方の可変機構を非優先可変機構として位置付け、この設定した優先度に基づいて前記バルブタイミング可変機構及び前記バルブリフト量可変機構の操作を行う過渡時制御手段を備えることを要旨としている。
【0010】
バルブタイミング可変機構とバルブリフト量可変機構との内で、その一方のバルブ調整方向が過渡時の内燃機関要求性能に合致しているが、他方が合致していない場合を考える。この場合には、内燃機関要求性能に合致している方を優先して駆動した方が過渡時の内燃機関の要求性能に合致させることができことは明らかである。
したがって、過渡時制御手段は、内燃機関要求性能に合致する機構の方を高い優先度として両機構を制御することにより、内燃機関の性能を十分に発揮させることができる。
【0011】
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、前記過渡時制御手段は、前記過渡状態が生じる旨の判定結果に基づいて前記優先度の設定を実行してから前記バルブタイミング可変機構の制御位置が前記目標制御位置Aと一致する状態且つ前記バルブリフト量可変機構の制御位置が前記目標制御位置Bと一致する状態が得られるまでにわたり、前記設定した優先度に基づく前記バルブタイミング可変機構及び前記バルブリフト量可変機構の操作を継続することを要旨としている。
【0012】
(4)請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、前記過渡時制御手段は、前記優先可変機構についてはその制御位置の変化速度を過渡状態にないときの制御位置の変化速度よりも高く設定して当該優先可変機構の操作を行い、前記非優先可変機構についてはその制御位置の変化速度を過渡状態にないときの制御位置の変化速度よりも低く設定して当該非優先可変機構の操作を行うことを要旨としている。
優先度に応じて両機構を制御する手法としては、上述するごとく両機構の変化速度の差を設けることにより行うことができ、内燃機関の性能を十分に発揮させることができる。
【0013】
(5)請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、前記バルブタイミング可変機構及び前記バルブリフト量可変機構は、共通の駆動源からの出力に基づいてそれぞれ駆動するものであり、前記過渡時制御手段は、前記設定した優先度に基づく前記バルブタイミング可変機構及び前記バルブリフト量可変機構の操作に際して、前記駆動源から前記優先可変機構への出力を前記駆動源から前記非優先可変機構への出力よりも大きくすることを要旨としている。
【0014】
(6)請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、前記過渡時制御手段は、前記優先可変機構の制御位置が目標制御位置に一致する旨判定したことに基づいて、前記非優先可変機構の制御位置の変化速度に制限を加える処理を終了することを要旨としている。
このようにすることにより、両機構の最終的な状態にも迅速に到達でき、内燃機関の性能を十分に発揮させることができる。
【0015】
(7)請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、前記過渡時制御手段は、前記優先可変機構の制御位置が目標制御位置に一致している旨判定するまで前記非優先可変機構の制御位置の変更を中断することを要旨としている。
優先度に応じて両機構を制御する手法としては、上述するごとく両機構の駆動の順番付けをすることにより行うことができ、内燃機関の性能を十分に発揮させることができる。
【0016】
(8)請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、前記過渡時制御手段は、前記目標制御位置Aに向けての前記バルブタイミング可変機構の制御位置の変化方向と、前記目標制御位置Bに向けての前記バルブリフト量可変機構の制御位置の変化方向と、機関回転速度及び機関負荷の少なくとも一方の変化方向とに基づいて前記過渡時要求変化方向の設定を行うことを要旨としている。
【0017】
(9)請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、前記過渡時制御手段は、前記目標制御位置Aに向けての前記バルブタイミング可変機構の制御位置の変化方向がバルブ開閉時期を遅角させる方向であり且つ前記目標制御位置Bに向けての前記バルブリフト量可変機構の制御位置の変化方向がバルブリフト量を減少させる方向である条件のもと、機関回転速度が中回転且つ機関負荷が高負荷にある状態から機関回転速度が低下する状態への変化態様を条件Aとして、前記過渡時要求変化方向の設定に際して機関運転状態の変化態様がこの条件Aにあるとき、前記過渡時要求変化方向としてバルブオーバラップが減少する方向及び吸気バルブの閉弁時期が進角する方向のいずれかを設定する処理と、機関回転速度が低回転または中回転且つ機関負荷が部分負荷にある状態から機関負荷が減少する状態への変化態様を条件Bとして、前記過渡時要求変化方向の設定に際して機関運転状態の変化態様がこの条件Bにあるとき、前記過渡時要求変化方向として吸気バルブの閉弁時期が遅角する方向及びバルブオーバラップが減少する方向及び吸気バルブの閉弁時期が進角する方向のいずれかを設定する処理と、機関回転速度が高回転且つ部分負荷にある状態から機関負荷が増大する状態への変化態様を条件Cとして、前記過渡時要求変化方向の設定に際して機関運転状態の変化態様がこの条件Cにあるとき、前記過渡時要求変化方向としてバルブオーバラップが減少する方向及び吸気バルブの閉弁時期が遅角する方向のいずれかを設定する処理と、機関温間時においてのアイドル状態以外からアイドル状態への変化態様を条件Dとして、前記過渡時要求変化方向の設定に際して機関運転状態の変化態様がこの条件Dにあるとき、前記過渡時要求変化方向としてバルブオーバラップが減少する方向を設定する処理と、機関負荷が低負荷にある状態から機関回転速度が低下する状態への変化態様を条件Eとして、前記過渡時要求変化方向の設定に際して機関運転状態の変化態様がこの条件Eにあるとき、前記過渡時要求変化方向として吸気バルブの閉弁時期が進角する方向を設定する処理とのうちの少なくとも一つを前記過渡時要求変化方向の設定にかかる処理として実行することを要旨としている。
【0018】
(10)請求項10に記載の発明は、請求項8または9に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、前記過渡時制御手段は、前記目標制御位置Aに向けての前記バルブタイミング可変機構の制御位置の変化方向がバルブ開閉時期を遅角させる方向であり且つ前記目標制御位置Bに向けての前記バルブリフト量可変機構の制御位置の変化方向がバルブリフト量を増大させる方向である条件のもと、機関回転速度が低回転または中回転且つ機関負荷が高負荷にある状態から機関回転速度が上昇する状態への変化態様を条件Aとして、前記過渡時要求変化方向の設定に際して機関運転状態の変化態様がこの条件Aにあるとき、前記過渡時要求変化方向としてバルブオーバラップが増大する方向及び吸気バルブの閉弁時期が遅角する方向のいずれかを設定する処理と、機関回転速度が低回転または中回転且つ機関負荷が高負荷にある状態から機関負荷が減少する状態への変化態様を条件Bとして、前記過渡時要求変化方向の設定に際して機関運転状態の変化態様がこの条件Bにあるとき、前記過渡時要求変化方向としてバルブオーバラップが増大する方向及び吸気バルブの閉弁時期が遅角する方向のいずれかを設定する処理と、機関回転速度が高回転且つ機関負荷が低負荷にある状態から機関負荷が増大する状態への変化態様を条件Cとして、前記過渡時要求変化方向の設定に際して機関運転状態の変化態様がこの条件Cにあるとき、前記過渡時要求変化方向としてバルブオーバラップが増大する方向及び吸気バルブの閉弁時期が遅角する方向のいずれかを設定する処理と、機関回転速度が過回転にある条件のもとでの機関運転状態の変化態様を条件Dとして、前記過渡時要求変化方向の設定に際して機関運転状態の変化態様がこの条件Dにあるとき、前記過渡時要求変化方向として吸気バルブの開弁時期が遅角する方向及び吸気バルブのバルブリフト量が増大する方向のいずれかを設定する処理とのうちの少なくとも一つを前記過渡時要求変化方向の設定にかかる処理として実行することを要旨としている。
【0019】
(11)請求項11に記載の発明は、請求項8〜10のいずれか一項に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、前記過渡時制御手段は、前記目標制御位置Aに向けての前記バルブタイミング可変機構の制御位置の変化方向がバルブ開閉時期を進角させる方向であり且つ前記目標制御位置Bに向けての前記バルブリフト量可変機構の制御位置の変化方向がバルブリフト量を減少させる方向である条件のもと、機関回転速度が低回転または中回転且つ機関負荷が部分負荷にある状態から機関負荷が増大する状態への変化態様を条件Aとして、前記過渡時要求変化方向の設定に際して機関運転状態の変化態様がこの条件Aにあるとき、前記過渡時要求変化方向として吸気バルブの閉弁時期が進角する方向及びバルブオーバラップが減少する方向のいずれかを設定する処理と、機関回転速度が高回転且つ機関負荷が高負荷にある状態から機関負荷が減少する状態への変化態様を条件Bとして、前記過渡時要求変化方向の設定に際して機関運転状態の変化態様がこの条件Bにあるとき、前記過渡時要求変化方向としてバルブオーバラップが増大する方向を設定する処理と、機関回転速度が高回転且つ機関負荷が高負荷にある状態から機関回転速度が低下する状態への変化態様を条件Cとして、前記過渡時要求変化方向の設定に際して機関運転状態の変化態様がこの条件Cにあるとき、前記過渡時要求変化方向としてバルブオーバラップが減少する方向を設定する処理とのうちの少なくとも一つを前記過渡時要求変化方向の設定にかかる処理として実行することを要旨としている。
【0020】
(12)請求項12に記載の発明は、請求項8〜11のいずれか一項に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、前記過渡時制御手段は、前記目標制御位置Aに向けての前記バルブタイミング可変機構の制御位置の変化方向がバルブ開閉時期を進角させる方向であり且つ前記目標制御位置Bに向けての前記バルブリフト量可変機構の制御位置の変化方向がバルブリフト量を増大させる方向である条件のもと、アイドル状態から機関回転速度が上昇し且つ機関負荷が増大する状態への変化態様を条件Aとして、前記過渡時要求変化方向の設定に際して機関運転状態の変化態様がこの条件Aにあるとき、前記過渡時要求変化方向として吸気バルブの閉弁時期が遅角する方向及びバルブオーバラップが増大する方向のいずれかを設定する処理と、機関回転速度が低回転または中回転且つ機関負荷が高負荷にある状態から機関回転速度が上昇する状態への変化態様を条件Bとして、前記過渡時要求変化方向の設定に際して機関運転状態の変化態様がこの条件Bにあるとき、前記過渡時要求変化方向としてバルブオーバラップが増大する方向を設定する処理と、機関回転速度が低回転または中回転且つ機関負荷が高負荷にある状態から機関負荷が減少する状態への変化態様を条件Cとして、前記過渡時要求変化方向の設定に際して機関運転状態の変化態様がこの条件Cにあるとき、前記過渡時要求変化方向として吸気バルブの閉弁時期が遅角する方向を設定する処理と、機関回転速度が高回転にある状態から機関回転速度が上昇する状態への変化態様を条件Dとして、前記過渡時要求変化方向の設定に際して機関運転状態の変化態様がこの条件Dにあるとき、前記過渡時要求変化方向として吸気バルブのバルブリフト量が増大する方向を設定する処理と、機関回転速度が高回転且つ機関負荷が高負荷にある状態から機関負荷が減少する状態への変化態様を条件Eとして、前記過渡時要求変化方向の設定に際して機関運転状態の変化態様がこの条件Eにあるとき、前記過渡時要求変化方向としてバルブオーバラップが増大する方向を設定する処理とのうちの少なくとも一つを前記過渡時要求変化方向の設定にかかる処理として実行することを要旨としている。
【0024】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1〜図9により、内燃機関の吸気側カムシャフトに対して設けられたバルブ特性制御装置10について説明する。
【0025】
図1には直列4気筒の車載用ガソリンエンジン(以下、単に「エンジン」という)11が示されている。エンジン11は、往復移動するピストン12が設けられたシリンダブロック13と、シリンダブロック13の下側に設けられたオイルパン13aと、シリンダブロック13の上側に設けられたシリンダヘッド14とを備えている。
【0026】
このエンジン11の下部には出力軸であるクランクシャフト15が回転可能に支持され、同クランクシャフト15にはコンロッド16を介してピストン12が連結されている。そして、ピストン12の往復移動は、そのコンロッド16によって、クランクシャフト15の回転へと変換される。また、ピストン12の上側には燃焼室17が設けられ、この燃焼室17には吸気通路18および排気通路19が接続されている。そして、吸気通路18と燃焼室17とは吸気バルブ20により連通・遮断され、排気通路19と燃焼室17とは排気バルブ21により連通・遮断されるようになっている。
【0027】
一方、シリンダヘッド14には、吸気側カムシャフト22および排気側カムシャフト23が平行に設けられている。吸気側カムシャフト22は回転可能かつ軸方向へ移動可能にシリンダヘッド14上に支持されており、排気側カムシャフト23は回転可能であるが軸方向には移動不可能にシリンダヘッド14上に支持されている。
【0028】
吸気側カムシャフト22の一端部には、タイミングプーリ24aを備えた回転位相差可変アクチュエータ24(バルブタイミング可変機構に相当)が設けられている。また、吸気側カムシャフト22の他端部には吸気側カムシャフト22を軸方向へ移動させるためのリフト量可変アクチュエータ22a(バルブリフト量可変機構に相当)が設けられている。また、排気側カムシャフト23の一端部にはタイミングプーリ25が取り付けられている。このタイミングプーリ25および回転位相差可変アクチュエータ24のタイミングプーリ24aは、タイミングベルト26を介して、クランクシャフト15に取り付けられたプーリ15aに連結されている。そして、駆動側回転軸としてのクランクシャフト15の回転がタイミングベルト26を介して、従動側回転軸としての吸気側カムシャフト22および排気側カムシャフト23に伝達される。このことによって、吸気側カムシャフト22および排気側カムシャフト23がクランクシャフト15の回転に同期して回転するようになっている。
【0029】
吸気側カムシャフト22には、吸気バルブ20の上端に取り付けられたバルブリフタに当接する吸気カム27が設けられ、排気側カムシャフト23には、排気バルブ21の上端に取り付けられたバルブリフタに当接する排気カム28が設けられている。そして、吸気側カムシャフト22が回転すると、吸気カム27により吸気バルブ20が開閉駆動され、排気側カムシャフト23が回転すると、排気カム28により排気バルブ21が開閉駆動されるようになっている。
【0030】
ここで、排気カム28のカムプロフィールは排気側カムシャフト23の軸方向に対して一定となっているが、吸気カム27のカムプロフィールは、図2に示すごとく吸気側カムシャフト22の軸方向に連続的に変化している。すなわち、吸気カム27は3次元カムとして構成されている。
【0031】
吸気側カムシャフト22が矢印A方向へ移動すると、図10(A)に矢印にて示すごとく、吸気カム27による吸気バルブ20のバルブリフト量が全体的に徐々に大きくなるとともに、吸気バルブ20の開弁時間が前後に徐々に長くなる。
【0032】
また、矢印A方向とは逆方向に吸気側カムシャフト22が移動すると、図10(A)の場合とは逆に変化して、吸気カム27による吸気バルブ20のバルブリフト量が全体的に徐々に小さくなるとともに、吸気バルブ20の開弁時間が徐々に短くなる。したがって、吸気側カムシャフト22をその軸方向へ移動させることにより、吸気バルブ20のバルブリフト量を変化させて、開弁時間の調整を行うことができる。
【0033】
吸気側カムシャフト22は、例えば、エンジン11の低回転時には矢印Aと逆方向へ移動し、エンジンの高回転時には矢印A方向へ移動するよう制御される。これは、エンジン11の低回転時には、吸気バルブ20の開弁時間を短くするとともにバルブリフト量を小さくすることで燃焼室17へ勢いよく混合ガスを吸入させるためである。また、エンジンの高回転時には、吸気バルブ20の開弁時間を長くするとともにバルブリフト量を大きくすることで燃焼室17への混合ガスの吸入効率を向上させるためである。
【0034】
次に、吸気側カムシャフト22をその軸方向へ移動させるためのリフト量可変アクチュエータ22a、および、そのリフト量可変アクチュエータ22aを油圧により駆動するための給油構造について図3に基づき説明する。
【0035】
図3に示すように、リフト量可変アクチュエータ22aは、筒状をなすシリンダチューブ31と、シリンダチューブ31内に設けられたピストン32と、シリンダチューブ31の両端開口部を塞ぐように設けられた一対のエンドカバー33とから構成されている。このシリンダチューブ31はシリンダヘッド14に固定されている。
【0036】
ピストン32には一方のエンドカバー33を貫通した吸気側カムシャフト22が連結されている。また、シリンダチューブ31内は、ピストン32により第1圧力室31aおよび第2圧力室31bに区画されている。 第1圧力室31aには、一方のエンドカバー33に形成された第1給排通路34が接続され、第2圧力室31bには、他方のエンドカバー33に形成された第2給排通路35が接続されている。
【0037】
そして、第1給排通路34または第2給排通路35を介して、第1圧力室31aと第2圧力室31bとに対し選択的に作動油を供給すると、ピストン32は吸気側カムシャフト22の軸方向へ移動する。このピストン32の移動に伴い、吸気側カムシャフト22もその軸方向へ移動する。
【0038】
第1給排通路34および第2給排通路35は、第1オイルコントロールバルブ36に接続されている。この第1オイルコントロールバルブ36には供給通路37および排出通路38が接続されている。そして、供給通路37はクランクシャフト15の回転に伴って駆動されるオイルポンプPを介して前記オイルパン13aに接続されており、排出通路38はオイルパン13aに直接接続されている。
【0039】
第1オイルコントロールバルブ36はケーシング39を備え、ケーシング39には、第1給排ポート40、第2給排ポート41、第1排出ポート42、第2排出ポート43、および供給ポート44が設けられている。これら第1給排ポート40には第1給排通路34が接続され、第2給排ポート41には第2給排通路35が接続されている。更に、供給ポート44には上記供給通路37が接続され、第1排出ポート42および第2排出ポート43には上記排出通路38が接続されている。また、ケーシング39内には、4つの弁部45を有してコイルスプリング46および電磁ソレノイド47によりそれぞれ逆の方向に付勢されるスプール48が設けられている。
【0040】
そして、電磁ソレノイド47の消磁状態においては、スプール48がコイルスプリング46の弾性力によりケーシング39の一端側(図3における右側)に配置されて、第1給排ポート40と第1排出ポート42とが連通し、第2給排ポート41と供給ポート44とが連通する。この状態では、オイルパン13a内の作動油が供給通路37、第1オイルコントロールバルブ36および第2給排通路35を介して、第2圧力室31bへ供給される。また、第1圧力室31a内にあった作動油が第1給排通路34、第1オイルコントロールバルブ36および排出通路38を介してオイルパン13a内へ戻される。その結果、ピストン32および吸気側カムシャフト22が矢印Aと逆方向へ移動する。
【0041】
一方、電磁ソレノイド47が励磁されたときには、スプール48がコイルスプリング46の弾性力に抗してケーシング39の他端側(図3において左側)に配置されて、第2給排ポート41が第2排出ポート43と連通し、第1給排ポート40が供給ポート44と連通する。この状態では、オイルパン13a内の作動油が供給通路37、第1オイルコントロールバルブ36および第1給排通路34を介して第1圧力室31aへ供給される。また、第2圧力室31b内にあった作動油が第2給排通路35、第1オイルコントロールバルブ36および排出通路38を介してオイルパン13a内に戻される。その結果、ピストン32および吸気側カムシャフト22が矢印A方向へ移動する。
【0042】
更に、電磁ソレノイド47への給電を制御し、スプール48をケーシング39の中間に位置させると、第1給排ポート40および第2給排ポート41が閉塞され、それら給排ポート40,41を通じての作動油の移動が禁止される。この状態では、第1圧力室31aおよび第2圧力室31bに対して作動油の給排が行われず、第1圧力室31aおよび第2圧力室31b内に作動油が充填保持されて、ピストン32および吸気側カムシャフト22が固定される。
【0043】
また、電磁ソレノイド47への給電をデューティ制御することで、第1給排ポート40における開度あるいは第2給排ポート41における開度を調整して、供給ポート44から第1圧力室31aまたは第2圧力室31bへの作動油の供給速度を制御できる。
【0044】
次に、吸気バルブ20の開閉タイミングを調整するための前記回転位相差可変アクチュエータ24について図4に基づき詳しく説明する。
図4に示すように、回転位相差可変アクチュエータ24はタイミングプーリ24aを備える。このタイミングプーリ24aは吸気側カムシャフト22が貫通する筒部51と、筒部51の外周面から突出する円板部52と、円板部52の外周面に設けられた複数の外歯53とを備えている。上記タイミングプーリ24aの筒部51は、シリンダヘッド14の軸受部14aに回転可能に支持されている。そして、吸気側カムシャフト22は、その軸方向へ摺動して移動できるように筒部51を貫通している。
【0045】
また、吸気側カムシャフト22の先端部を覆うように設けられたインナギヤ54が、ボルト55により固定されている。このインナギヤ54は図5に示すごとく、平歯の大径ギヤ部54aと、斜歯の小径ギヤ部54bとが2段に形成された構成をなしている。
【0046】
更に、インナギヤ54の小径ギヤ部54bには、平歯の外歯56aと斜歯の内歯56bとを備えたサブギヤ56が、その内歯56bにて、図4に示すごとく噛み合わされている。この噛み合せの際には、インナギヤ54とサブギヤ56との間にリング状のスプリングワッシャ57が配置され、サブギヤ56をインナギヤ54から離すように軸方向に付勢している。なお、インナギヤ54とサブギヤ56との外径は同一である。
【0047】
タイミングプーリ24aの円板部52には、複数のボルト58(ここでは4本のボルト)により、ハウジング59と、ハウジング59の内部の内、後述する第1圧力室70および第2圧力室71とを密閉するカバー60とが取り付けられている。なお、カバー60の中心には、後述する円筒状空間61cを開放して吸気側カムシャフト22の軸方向への摺動を円滑に行うための穴部60aが設けられている。
【0048】
ボルト58、カバー60およびボルト55を取り外してハウジング59の内部を図4において左から見た状態を図6に示す。なお、図4の回転位相差可変アクチュエータ24は、図6におけるB−B線での断面状態を示している。
【0049】
ハウジング59は、内周面59aから中心方向に向かって複数の壁部62,63,64,65(ここでは4つ)が突出している。そして、その壁部62,63,64,65の先端面に対して、外周面61aにて接して円盤状のベーンロータ61が回動可能に配置されている。
【0050】
円盤状のベーンロータ61の中心部は円筒状空間61c(図4)が形成されて、その内周面は吸気側カムシャフト22の軸方向に沿って直線状に延びるスプライン部61bを形成している。前述したインナギヤ54の大径ギヤ部54aとサブギヤ56の外歯56aとは共にこのスプライン部61bに噛み合わされている。
【0051】
前述した斜歯の内歯56bと斜歯の小径ギヤ部54bとの噛み合わせと、スプリングワッシャ57との作用により、インナギヤ54の大径ギヤ部54aとサブギヤ56の外歯56aとは相対的に逆方向に回動する付勢力を生じている。このため、スプライン部61bとギヤ54,56間のバックラッシュによる誤差を吸収することができ、ベーンロータ61に対してインナギヤ54は設定される回転位相位置に高精度に配置される。したがって、ベーンロータ61と吸気側カムシャフト22とを、高精度の回転位相関係にて取り付けることができる。なお、図4においては、見やすくするため、スプライン部61bは一部のみ示し、他は図示を省略しているが、スプライン部61bはベーンロータ61の円筒状空間61cの内周面全体に形成されている。
【0052】
また円盤状のベーンロータ61の外周面61aには、壁部62,63,64,65の間の空間に突出して、先端をハウジング59の内周面59aに接しているベーン66,67,68,69(受圧部材に相当する)を備えている。これらのベーン66,67,68,69が壁部62,63,64,65間の空間を区画することにより、第1圧力室70と第2圧力室71とを形成している。
【0053】
この内の1つのベーン66は、吸気側カムシャフト22の軸方向に沿って延びる貫通孔72を有する。貫通孔72内において移動可能に収容されたロックピン73は、その内部に収容孔73aを有する。この収容孔73a内に設けられたスプリング74は、ロックピン73を円板部52へ向かって付勢する。
【0054】
また、ベーンロータ61はその先端面に形成された油溝72aを有する。同油溝72aはカバー60を貫通している円弧状の貫通開放口72b(図1)と貫通孔72とを連通する。この貫通開放口72bと油溝72aとは、貫通孔72の内部においてロックピン73よりも先端側にある空気あるいは油をカバー60より外部に排出する機能を有する。
【0055】
図6のC−C線における断面である図7および図8に示すごとく、ロックピン73が円板部52に設けられた係止穴75に対向していた場合(図8)には、ロックピン73がスプリング74の付勢力により係止穴75に係止し、円板部52に対するベーンロータ61の相対回動位置が固定される。また、図7においては、ベーンロータ61は最遅角位置にあり、ベーン66に設けられたロックピン73は係止穴75に対向しておらず、ロックピン73の先端部73bが係止穴75に挿入されていない状態を示している。図6の状態は、図7と同じく、ロックピン73の先端部73bが係止穴75に挿入されていない状態である。
【0056】
エンジン11が始動時などである場合、あるいは後述する電子制御装置(ECU)による油圧制御が開始されていない場合などでは、第1圧力室70および第2圧力室71の油圧がゼロあるいは十分に上昇していない。このような場合には、始動時のクランキング動作により、吸気側カムシャフト22に逆トルクが生じて、ベーンロータ61がハウジング59に対して進角方向に相対回動する。このことで、図7に示した状態から、ロックピン73が係止穴75に挿入できる相対回動位置に到達し、図8に示すごとくロックピン73が係止穴75に挿入し係止する。このようにロックピン73が係止穴75に係止した場合には、ベーンロータ61とハウジング59との相対回動が禁止され、ベーンロータ61とハウジング59とは一体となって回転することができる。
【0057】
なお、係止穴75に係止されたロックピン73の解除は、エンジン11の始動後に、図7および図8に示す油路76を介して第2圧力室71から環状油空間77に油圧が供給されることにより行われる。すなわち、環状油空間77に供給される油圧が上昇することにより、スプリング74の付勢力に抗してロックピン73が係止穴75から外れ、ロックピン73の係止が解除される。また、油路78を介して第1圧力室70から係止穴75に油圧が供給されて、ロックピン73の解除状態が確実に保持される。このように、ロックピン73の係止が解除された状態で、ハウジング59およびベーンロータ61間の相対回動が許容され、第1圧力室70および第2圧力室71に供給される油圧に対応して、ハウジング59に対するベーンロータ61の相対回動位相が調整可能となる。例えば、図9に示すごとく、ベーンロータ61をハウジング59に対して更に進角させることができる。
【0058】
したがって、エンジンの駆動によりクランクシャフト15が回転すると、その回転がタイミングベルト26を介してタイミングプーリ24aに伝達される。このとき、タイミングプーリ24aおよび吸気側カムシャフト22が、調整されている回転位相差状態で一体に回転する。この吸気側カムシャフト22の回転に伴なって吸気バルブ20(図1)が開閉駆動される。
【0059】
そして、エンジン11の駆動時に、第1圧力室70および第2圧力室71に対する油圧制御により、ハウジング59に対してベーンロータ61を回転方向に相対的に回動させる。すなわち吸気側カムシャフト22をクランクシャフト15に対し進角する側に回転位相差の調整制御を行うと、図10(B)にて矢印で示すごとく、吸気バルブ20の開閉タイミングは早くなる。
【0060】
また、逆に、ハウジング59に対してベーンロータ61を回転方向とは逆方向に相対的に回動させる。すなわち吸気側カムシャフト22をクランクシャフト15に対し遅角する側に回転位相差の調整制御を行うと、図10(B)の場合と逆に吸気バルブ20の開閉タイミングは遅くなる。
【0061】
尚、吸気バルブ20は、通常、エンジン11の低回転時に開閉タイミングが遅らされ、エンジン11の高回転時には開閉タイミングが早められる。これはエンジン11の低回転時にはエンジン回転の安定を図るとともに、エンジン11の高回転時には燃焼室17への混合ガスの吸入効率を向上させるためである。
【0062】
次に、回転位相差可変アクチュエータ24にあって、吸気バルブ20の開閉タイミングを調整するための、ハウジング59とベーンロータ61間の回転位相差を油圧制御する構造について説明する。
【0063】
ハウジング59の内部に突出する各壁部62〜65の第1圧力室70側には、それぞれ進角用油路開口部80が開口し、各壁部62〜65の第2圧力室71側には、それぞれ遅角用油路開口部81が開口している。また、進角用油路開口部80に接する各壁部62〜65の内で円板部52側には、ベーン66〜69が進角用油路開口部80を塞いでいても、ベーンロータ61が進角方向に回動する油圧を与えることができるように、凹部62a〜65aが設けられている。同様に、遅角用油路開口部81に接する各壁部62〜65の内で円板部52側には、ベーン66〜69が遅角用油路開口部81を塞いでいても、ベーンロータ61が遅角方向に回動する油圧を与えることができるように、凹部62b〜65bが設けられている。
【0064】
各進角用油路開口部80は、円板部52内の進角制御油路84、筒部51内の進角制御油路86,88により、筒部51の一方の外周溝51aに接続されている。また、各遅角用油路開口部81は、円板部52内の遅角制御油路85、筒部51内の遅角制御油路87,89により、筒部51の他方の外周溝51bに接続されている。
【0065】
また、筒部51内の遅角制御油路87から分岐した潤滑油路90は筒部51の内周面51cに設けられた幅広の内周溝91に接続している。このことにより、遅角制御油路87内を流れる作動油を、筒部51の内周面51cと吸気側カムシャフト22の端部外周面22bに潤滑油として導く。
【0066】
筒部51の一方の外周溝51aは、シリンダヘッド14内の進角制御油路92を介して第2オイルコントロールバルブ94に接続され、筒部51の他方の外周溝51bはシリンダヘッド14内の遅角制御油路93を介して第2オイルコントロールバルブ94に接続されている。
【0067】
第2オイルコントロールバルブ94には、供給通路95および排出通路96が接続されている。そして、供給通路95は第1オイルコントロールバルブ36にて用いたと同一のオイルポンプPを介してオイルパン13aに接続しており、排出通路96はオイルパン13aに直接接続している。したがって、オイルポンプPは、オイルパン13aから二つの供給通路37,95へ作動油を送り出すようになっている。
【0068】
第2オイルコントロールバルブ94は第1オイルコントロールバルブ36と同様に構成されている。すなわち、第2オイルコントロールバルブ94は、ケーシング102、第1給排ポート104、第2給排ポート106、弁部107、第1排出ポート108、第2排出ポート110、供給ポート112、コイルスプリング114、電磁ソレノイド116、およびスプール118を備えている。そして、第1給排ポート104にはシリンダヘッド14内の進角制御油路92が接続され、第2給排ポート106にはシリンダヘッド14内の遅角制御油路93が接続されている。また、供給ポート112には供給通路95が接続され、第1排出ポート108および第2排出ポート110には排出通路96が接続されている。
【0069】
したがって、電磁ソレノイド116の消磁状態においては、スプール118がコイルスプリング114の弾性力によりケーシング102の一端側(図4において右側)に配置される。このことにより、第1給排ポート104と第1排出ポート108とが連通し、第2給排ポート106が供給ポート112と連通する。この状態では、オイルパン13a内の作動油が、供給通路95、第2オイルコントロールバルブ94、遅角制御油路93、外周溝51b、遅角制御油路89、遅角制御油路87、遅角制御油路85、遅角用油路開口部81、および凹部62b,63b,64b,65bを介して回転位相差可変アクチュエータ24の第2圧力室71へ供給される。また、回転位相差可変アクチュエータ24の第1圧力室70内にあった作動油は、凹部62a,63a,64a,65a、進角用油路開口部80、進角制御油路84、進角制御油路86、進角制御油路88、外周溝51a、進角制御油路92、第2オイルコントロールバルブ94、および排出通路96を介してオイルパン13a内へ戻される。その結果、ベーンロータ61がハウジング59に対して遅角方向へ相対回動し、前述したように吸気バルブ20の開閉タイミングが遅くされる。
【0070】
一方、電磁ソレノイド116が励磁されたときには、スプール118がコイルスプリング114の弾性力に抗してケーシング102の他端側(図4において左側)に配置される。このことにより、第2給排ポート106が第2排出ポート110と連通し、第1給排ポート104が供給ポート112と連通する。この状態では、オイルパン13a内の作動油が、供給通路95、第2オイルコントロールバルブ94、進角制御油路92、外周溝51a、進角制御油路88、進角制御油路86、進角制御油路84、進角用油路開口部80、および凹部62a,63a,64a,65aを介して、回転位相差可変アクチュエータ24の第1圧力室70へ供給される。また、回転位相差可変アクチュエータ24の第2圧力室71内にあった作動油は、凹部62b,63b,64b,65b、遅角用油路開口部81、遅角制御油路85、遅角制御油路87、遅角制御油路89、外周溝51b、遅角制御油路93、第2オイルコントロールバルブ94、および排出通路96を介してオイルパン13a内へ戻される。その結果、ベーンロータ61がハウジング59に対して進角方向へ相対回動し、前述したように吸気バルブ20の開閉タイミングが早められる。
【0071】
更に、電磁ソレノイド116への給電を制御し、スプール118をケーシング102の中間に位置させると、第1給排ポート104および第2給排ポート106が閉塞され、それら給排ポート104,106を通じての作動油の移動が禁止される。この状態では、回転位相差可変アクチュエータ24の第1圧力室70あるいは第2圧力室71に対して作動油の給排が行われない。この結果、第1圧力室70および第2圧力室71内には作動油が充填保持されて、ベーンロータ61はハウジング59に対する相対回動は停止する。したがって、吸気バルブ20の開閉タイミングは、ベーンロータ61が固定されたときの状態に保持される。
【0072】
また、電磁ソレノイド116への給電をデューティ制御することで、第1給排ポート104における開度あるいは第2給排ポート106における開度を調整して、供給ポート112から第1圧力室70あるいは第2圧力室71への作動油の供給速度を制御できる。
【0073】
上述したバルブ特性制御装置10にあっては、第1オイルコントロールバルブ36および第2オイルコントロールバルブ94が電子制御ユニット(以下「ECU」という)130を通じて駆動制御され、その制御により吸気バルブ20の開閉特性が変更される。このECU130は、CPU132、ROM133、RAM134およびバックアップRAM135等を備える論理演算回路として構成されている。
【0074】
ここで、ROM133は後述する処理を含む各種制御プログラムや、その各種制御プログラムを実行する際に参照されるテーブルやマップ等が記憶されるメモリである。CPU132はROM133に記憶された各種制御プログラムに基づいて制御に必要な演算処理を実行する。また、RAM134はCPU132での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM135はエンジン11の停止時に保存すべきデータを記憶する不揮発性のメモリである。そして、CPU132、ROM133、RAM134およびバックアップRAM135は、バス136を介して互いに接続されるとともに、外部入力回路137および外部出力回路138と接続されている。
【0075】
外部入力回路137には、図示しない回転数センサ、吸気圧センサおよびスロットルセンサ等、エンジン11の運転状態を検出するための各種センサと、クランク側電磁ピックアップ123およびカム側電磁ピックアップ126が接続されている。また、外部出力回路138には、第1オイルコントロールバルブ36および第2オイルコントロールバルブ94が接続されている。
【0076】
なお、クランク側電磁ピックアップ123はクランクシャフト15の回転位相を検出し、カム側電磁ピックアップ126は吸気側カムシャフト22の回転位相と回転軸方向(矢印Aの正方向および逆方向)の移動位置とを検出している。
【0077】
本実施の形態1では、こうした構成のECU130により、吸気バルブ20のバルブ特性制御が行われる。その制御例を図11〜図14のフローチャートに示す。これらの処理は予め定められた制御周期(時間毎あるいはクランク角回転毎)で繰り返し実行される。ここでは各処理に対応するフローチャート中のステップを「S〜」で表している。
【0078】
なお、フローチャートでは示していないが、カム側電磁ピックアップ126にて実シャフト位置Laが検出されることにより、リフト量可変アクチュエータ22aによる吸気側カムシャフト22の回転軸方向の移動位置フィードバック制御が行われる。この移動位置フィードバック制御は、後述する目標シャフト位置Ltに対して実シャフト位置Laが一致するようにリフト量可変アクチュエータ22aを制御するものである。
【0079】
また、フローチャートでは示していないが、クランク側電磁ピックアップ123およびカム側電磁ピックアップ126からの検出値に基づいて、吸気側カムシャフト22の実進角値θaが計算される。そして、この実進角値θaに基づいて、回転位相差可変アクチュエータ24による吸気側カムシャフト22の進角値フィードバック制御が行われる。この進角値フィードバック制御は、後述する目標進角値θtに対して実進角値θaが一致するように回転位相差可変アクチュエータ24を制御するものである。
【0080】
まず、バルブ特性目標値設定処理(図11)が開始されると、前述した各種センサ類の検出値や、別に実行している燃料噴射制御等に用いている各種制御量に基づいて、エンジン11の運転状態を検出する(S210)。例えば、各種センサ類からの検出値としてはエンジン回転数や吸気圧などが挙げられ、制御量としては燃料噴射量などが挙げられる。
【0081】
次に、マップiから進角値フィードバック制御用の目標進角値θtを設定する(S220)。ここで、マップiは図15(A)に示すごとく、エンジン回転数とエンジン負荷(例えば、吸気圧、吸気量あるいは燃料噴射量などを用いる)とをパラメータとする目標進角値θtのマップである。
【0082】
次に、マップLから移動位置フィードバック制御用の目標シャフト位置Ltを設定する(S230)。ここで、マップLは図15(B)に示すごとく、エンジン回転数とエンジン負荷(例えば前述したごとく)とをパラメータとする目標シャフト位置Ltのマップである。
【0083】
これらマップi,Lは、特にエンジン11に対して要求されている性能に対応して、バルブオーバラップや吸気バルブ20の開閉時期を設定するためのものである。
【0084】
次に、目標進角値θtに変化が有ったか否かが判定される(S240)。前回の制御周期において設定された目標進角値θtと今回の目標進角値θtとに差が有れば目標進角値θtに変化が有ったことになる(S240で「YES」)。したがって、目標進角値θtの変化を表すフラグFθに「ON」が設定される(S250)。なお、フラグFθの初期値としては「OFF」が設定されている。
【0085】
また、目標進角値θtに変化が無ければ(S240で「NO」)、特に処理はなされない。
ステップS250の次に、あるいはステップS240にて「NO」と判定された後に、目標シャフト位置Ltに変化が有ったか否かが判定される(S260)。前回の制御周期において設定された目標シャフト位置Ltと今回の目標シャフト位置Ltとに差が有れば目標シャフト位置Ltに変化が有ったことになる(S260で「YES」)。したがって、目標シャフト位置Ltの変化を表すフラグFLに「ON」が設定される(S270)。なお、フラグFLの初期値としては「OFF」が設定されている。
【0086】
また、目標シャフト位置Ltに変化が無ければ(S260で「NO」)、特に処理はなされない。
そして、ステップS270の次に、あるいはステップS260にて「NO」と判定されると一旦、処理を終了し、予め定められた制御周期後に再度ステップS210から処理を繰り返す。
【0087】
図12にフラグ・オフ処理のフローチャートを示す。
フラグ・オフ処理が開始されると、まず、吸気側カムシャフト22の実進角値θaを、クランク側電磁ピックアップ123とカム側電磁ピックアップ126との位相検出値の比較から得る(S310)。
【0088】
次に、吸気側カムシャフト22の実シャフト位置Laを、カム側電磁ピックアップ126の移動位置検出値から得る(S320)。
次に、実進角値θaと目標進角値θtとが一致したか否かが判定される(S330)。θa=θtであれば(S330で「YES」)、フラグFθに「OFF」が設定される(S340)。一致していなければ(S330で「NO」)、特に処理はなされない。
【0089】
ステップS340の次に、あるいはステップS330にて「NO」と判定された後、実シャフト位置Laと目標シャフト位置Ltとが一致したか否かが判定される(S350)。La=Ltであれば(S350で「YES」)、フラグFLに「OFF」が設定される(S360)。一致していなければ(S350で「NO」)、特に処理はなされない。
【0090】
ステップS360の次に、あるいはステップS350にて「NO」と判定されると一旦、処理を終了し、予め定められた制御周期後に再度ステップS310から処理を繰り返す。
【0091】
図13にアクチュエータ駆動速度設定処理のフローチャートを示す。
アクチュエータ駆動速度設定処理が開始されると、まず、フラグFθに「ON」が設定されているか否かが判定される(S400)。フラグFθ=「ON」であれば(S400で「YES」)、次に、フラグFLに「ON」が設定されているか否かが判定される(S410)。
【0092】
フラグFθまたはフラグFLのいずれかが「OFF」であれば(S400で「NO」またはS410で「NO」)、次にデューティ値Dutyθに100%が設定され(S420)、デューティ値DutyLに100%が設定される(S430)。
【0093】
上記デューティ値Dutyθは、回転位相差可変アクチュエータ24を駆動する場合の駆動速度を決定するものである。具体的には、ECU130から第2オイルコントロールバルブ94の電磁ソレノイド116へ出力される電流において、遅角制御油路93または進角制御油路92への作動油供給時の電流と作動油供給停止時の電流とのデューティ値Dutyθを調整する。このことで、第1給排ポート104における開度あるいは第2給排ポート106における開度を調整するのである。
【0094】
このため、供給ポート112から第1圧力室70あるいは第2圧力室71への作動油の供給速度を制御することができ、回転位相差可変アクチュエータ24の駆動速度を調整できる。
【0095】
ここでは、デューティ値Dutyθが大きくなれば、ハウジング59に対するベーンロータ61の相対回動は速くなり、デューティ値Dutyθが小さくなれば、ハウジング59に対するベーンロータ61の相対回動は遅くなる。デューティ値Dutyθ=100%が最高駆動速度に対応し、デューティ値Dutyθ=0%が駆動停止に対応する。
【0096】
また、上記デューティ値DutyLは、リフト量可変アクチュエータ22aを駆動する場合の駆動速度を決定するものである。具体的には、ECU130から第1オイルコントロールバルブ36の電磁ソレノイド47へ出力される電流において、第1給排通路34または第2給排通路35への作動油供給時の電流と作動油供給停止時の電流とのデューティ値DutyLを調整する。このことで、第1給排ポート40における開度あるいは第2給排ポート41における開度を調整するのである。
【0097】
このため供給ポート44から第1圧力室31aあるいは第2圧力室31bへの作動油の供給速度を制御することができ、リフト量可変アクチュエータ22aの駆動速度を調整できる。
【0098】
ここでは、デューティ値DutyLが大きくなれば、シリンダチューブ31に対するピストン32の相対移動は速くなり、デューティ値DutyLが小さくなれば、シリンダチューブ31に対するピストン32の相対移動は遅くなる。デューティ値DutyL=100%が最高駆動速度に対応し、デューティ値DutyL=0%が駆動停止に対応する。
【0099】
したがって、フラグFθまたはフラグFLのいずれか一方あるいは両方が「OFF」である場合は、回転位相差可変アクチュエータ24とリフト量可変アクチュエータ22aとは共に最高速の駆動速度が設定される。
【0100】
フラグFθおよびフラグFLが共に「ON」であった場合には(S400で「YES」、S410で「YES」)、優先度設定処理(S440)が実行される。
【0101】
優先度設定処理(S440)の詳細を図14のフローチャートに示す。
まず、実進角値θaから目標進角値θtへの変化パターンがいかなるパターンに分類されるかを判断して、その結果を変化パターンSθに設定する(S510)。ここでは、バルブオーバラップの方向(大きくなる方向か小さくなる方向か)と、吸気バルブ20の閉時期の方向(進角か遅角か)との2つのパターンを判断して変化パターンSθに設定する。
【0102】
次に、実シャフト位置Laから目標シャフト位置Ltへの変化パターンがいかなるパターンに分類されるかを判断して、その結果を変化パターンSLに設定する(S520)。ここでは、ステップS510の場合と同様にバルブオーバラップの方向と、吸気バルブ20の閉時期の方向との2つのパターンを判断して変化パターンSLに設定する。
【0103】
次に、エンジン11の現在の運転状態を分類する(S530)。例えば、次のような分類の内から、現在の運転状態に該当する状態を抽出する。
(A).実進角値θaから目標進角値θtへの変化が遅角方向への変化であり、実シャフト位置Laから目標シャフト位置Ltへの変化がリフト量が小さくなる方向の変化である場合。
【0104】
(a)エンジンが中回転・高負荷から回転が下がる方向の変化状態。
(b)エンジンが低中回転・部分負荷(スロットルバルブ全開未満)から負荷が下がる方向の変化状態。
【0105】
(c)エンジンが高回転・部分負荷から負荷が上がる方向の変化状態。
(d)エンジンが温間時にアイドル回転への変化状態。
(e)エンジンが軽負荷時に回転が下がる方向の変化状態。
【0106】
(B).実進角値θaから目標進角値θtへの変化が遅角方向への変化であり、実シャフト位置Laから目標シャフト位置Ltへの変化がリフト量が大きくなる方向の変化である場合。
【0107】
(a)エンジンが低中回転・高負荷から回転が上がる方向の変化状態。
(b)エンジンが低中回転・高負荷から負荷が下がる方向の変化状態。
(c)エンジンが高回転・低負荷から負荷が上がる方向の変化状態。
【0108】
(d)エンジンが過回転状態。
(C).実進角値θaから目標進角値θtへの変化が進角方向への変化であり、実シャフト位置Laから目標シャフト位置Ltへの変化がリフト量が小さくなる方向の変化である場合。
【0109】
(a)エンジンが低中回転・部分負荷から、負荷が上がるまたは回転が下がる方向の変化状態。
(b)エンジンが高回転・高負荷から負荷が下がる方向の変化状態。
【0110】
(c)エンジンが高回転・高負荷から回転が下がる方向の変化状態。
(D).実進角値θaから目標進角値θtへの変化が進角方向への変化であり、実シャフト位置Laから目標シャフト位置Ltへの変化がリフト量が大きくなる方向の変化である場合。
【0111】
(a)エンジンがアイドル状態から回転および負荷が上がる方向の変化状態。
(b)エンジンが低中回転・高負荷から回転が上がる方向の変化状態。
【0112】
(c)エンジンが低中回転・高負荷から負荷が下がる方向の変化状態。
(d)エンジンが高回転から回転が上がる方向の変化状態。
(e)エンジンが高回転・高負荷から負荷が下がる方向の変化状態。
【0113】
次に、こうして分類されたエンジン11の運転状態に対応する過渡時要求性能Hが設定される(S540)。
例えば、前述した運転状態の各分類に対する過渡時要求性能として、次のようなテーブルが予めROM133に記憶されている。なお、括弧内に記載した観点は、括弧の前に記載した過渡時要求性能により期待される効果を示している。また1つの運転状態に過渡時要求性能が複数記述されている場合は、実際にはその内の1つのみが記憶されている。
【0114】
(A)−(a)の場合:
(i)バルブオーバラップ小(出力トルク高くして高レスポンスおよび良好な運転性の観点)、または(ii)吸気バルブ20の閉時期の早期化(出力トルク高くして高レスポンスおよび良好な運転性の観点)のいずれか。
【0115】
(A)−(b)の場合:
(i)吸気バルブ20の閉時期の遅延化(燃費の向上の観点)、(ii)バルブオーバラップ小(過大な状態からの適正化:排気対策の観点)、または(iii)吸気バルブ20の閉時期の早期化(排気対策、燃焼安定性向上の観点)の内の1つ。
【0116】
(A)−(c)の場合:
(i)バルブオーバラップ小(過大な状態からの適正化:出力トルク高くして高レスポンスおよび良好な運転性の観点)、または(ii)吸気バルブ20の閉時期の遅延化(出力トルク高くして高レスポンスおよび良好な運転性の観点)のいずれか。
【0117】
(A)−(d)の場合:
(i)バルブオーバラップ小(アイドル安定性の観点)。
(A)−(e)の場合:
(i)吸気バルブ20の閉時期の早期化(閉時期の適正化:燃焼安定性の観点)。
【0118】
(B)−(a)の場合:
(i)バルブオーバラップ大(出力トルク高くして高レスポンスおよび良好な運転性の観点)、または(ii)吸気バルブ20の閉時期の遅延化(出力トルク高くして高レスポンスおよび良好な運転性の観点)のいずれか。
【0119】
(B)−(b)の場合:
(i)バルブオーバラップ大(排気対策の観点)、または(ii)吸気バルブ20の閉時期の遅延化(燃費向上の観点)のいずれか。
【0120】
(B)−(c)の場合:
(i)バルブオーバラップ大(出力トルク高くして高レスポンスおよび良好な運転性の観点)、または(ii)吸気バルブ20の閉時期の遅延化(出力トルク高くして高レスポンスおよび良好な運転性の観点)のいずれか。
【0121】
(B)−(d)の場合:
(i)吸気バルブ20の開時期の遅延化(ピストン12に対するバルブスタンプ回避の観点)、または(ii)吸気バルブ20の高リフト化(エンジン11の許容回転数を高くして破損防止の観点)のいずれか。
【0122】
(C)−(a)の場合:
(i)吸気バルブ20の閉時期の早期化(出力トルク高くして高レスポンスおよび良好な運転性の観点)、または(ii)バルブオーバラップ小(過大な状態からの適正化:排気対策の観点)のいずれか。
【0123】
(C)−(b)の場合:
(i)バルブオーバラップ大(排気対策の観点)。
(C)−(c)の場合:
(i)バルブオーバラップ小(出力トルク高くして高レスポンスおよび良好な運転性の観点)。
【0124】
(D)−(a)の場合:
(i)吸気バルブ20の閉時期の遅延化(燃費向上の観点)、または(ii)バルブオーバラップ大(排気対策の観点)のいずれか。
【0125】
(D)−(b)の場合:
(i)バルブオーバラップ大(出力トルク高くして高レスポンスおよび良好な運転性の観点)。
【0126】
(D)−(c)の場合:
(i)吸気バルブ20の閉時期の遅延化(出力トルク高くして高レスポンスおよび良好な運転性の観点)。
【0127】
(D)−(d)の場合:
(i)吸気バルブ20の高リフト化(エンジン11の許容回転数を高くして破損防止の観点)。
【0128】
(D)− (e)の場合:
(i)バルブオーバラップ大(排気対策の観点)。
次に、ステップS540にて過渡時要求性能Hとして設定された内容と、回転位相差可変アクチュエータ24の変化パターンSθとが、制御の方向が一致しているか否かにより比較される(S550)。
【0129】
変化パターンSθには、遅角化する変化方向または進角化する変化方向のいずれかが設定されている。この方向が、前述した過渡時要求性能Hに合致する方向か否かが判定されるのである。
【0130】
ここでは、前記ステップS530にてエンジン11の運転状態が(A)−(a)に分類された場合を例に挙げる。なお、この(A)−(a)の分類に対しては、「(i)バルブオーバラップ小(出力トルク高くして高レスポンスおよび良好な運転性の観点)」との過渡時要求性能が対応しているものとする。
【0131】
前述したごとく(A)は、実進角値θaから目標進角値θtへの変化が遅角方向への変化であり、実シャフト位置Laから目標シャフト位置Ltへの変化がリフト量が小さくなる方向の変化の場合である。したがって、図10からも判るように、回転位相差可変アクチュエータ24についても、リフト量可変アクチュエータ22aについても、その変化方向は「バルブオーバラップ小」に合致している。すなわち、回転位相差可変アクチュエータ24についての変化パターンSθは過渡時要求性能Hと一致する(S550で「YES」)。
【0132】
このため、実進角値θa制御の優先度が実シャフト位置La制御の優先度よりも高く設定される(S560)。
次に図13の処理に戻り、実進角値θaの制御の方が、実シャフト位置Laの制御よりも優先度が高いか否かが判定される(S450)。今回の例では実進角値θaの制御の方が優先度が高いので(S450で「YES」)、デューティ値Dutyθに100%を設定する(S460)。そして、デューティ値DutyLに30%(100%未満であればよい)を設定し(S470)、一旦、処理を終了する。
【0133】
このことにより、回転位相差可変アクチュエータ24側の駆動速度は高速に維持されるが、リフト量可変アクチュエータ22a側の駆動速度は通常よりも低下されることになる。
【0134】
なお、本実施の形態1では、回転位相差可変アクチュエータ24は、リフト量可変アクチュエータ22aよりもECU130の制御に対する応答性が高いものとする。これは両アクチュエータの機構が異なることにより生じる違いである。ただし、機構によってはあるいは取り付け位置によっては、リフト量可変アクチュエータ22aの方が回転位相差可変アクチュエータ24よりも応答性が高い場合もあり得る。
【0135】
したがって、進角値フィードバック制御と移動位置フィードバック制御とでは、元来応答性の低いリフト量可変アクチュエータ22aの駆動速度が低下し、元来応答性の高い回転位相差可変アクチュエータ24の駆動速度が高速に維持される。
【0136】
以後、同じ過渡状態が継続して、フラグFθ=「ON」およびフラグFL=「ON」である限り、アクチュエータ駆動速度設定処理(図13)では、ステップS400,S410,S440,S450,S460,S470の処理が継続する。このため、リフト量可変アクチュエータ22aが目標シャフト位置Ltに到達するよりも、回転位相差可変アクチュエータ24の方が先に目標進角値θtに到達する。しかも、オイルポンプPの出力は、リフト量可変アクチュエータ22aに対する駆動出力を小さくしている分、回転位相差可変アクチュエータ24に対する配分が大きくなり、通常よりも早期に実進角値θaは目標進角値θtに到達する。
【0137】
この時、フラグ・オフ処理(図12)においては、実進角値θa=目標進角値θtとなっていることから(S330で「YES」)、フラグFθに「OFF」が設定される(S340)。このため、アクチュエータ駆動速度設定処理(図13)では、Fθ=「OFF」でなったことから(S400で「NO」)、デューティ値Dutyθとデューティ値DutyLとは共に100%とされる(S420,S430)。
【0138】
したがって、以後、リフト量可変アクチュエータ22a側も高速に目標シャフト位置Ltに収束する。
次に、別の運転状態の例を挙げて説明する。
【0139】
ここでは、前記ステップS530にてエンジン11の運転状態が(B)−(a)に分類された場合を例に挙げる。なお、この(B)−(a)の分類に対しては、「(i)バルブオーバラップ大(出力トルク高くして高レスポンスおよび良好な運転性の観点)」との過渡時要求性能が対応しているものとする。
【0140】
前述したごとく(B)は、実進角値θaから目標進角値θtへの変化が遅角方向への変化であり、実シャフト位置Laから目標シャフト位置Ltへの変化がリフト量が大きくなる方向の変化である。したがって、図10からも判るように、過渡時要求性能H(バルブオーバラップ大)に合致するのは、リフト量可変アクチュエータ22a側の変化方向であり、回転位相差可変アクチュエータ24の変化方向は逆方向である。すなわち、過渡時要求性能Hに対して変化パターンSθは合致していない(S550で「NO」)。
【0141】
このため、実シャフト位置La制御の優先度が実進角値θa制御の優先度よりも高く設定される(S570)。
次に図13の処理に戻り、実進角値θaの制御の方が優先度が高いか否かが判定される(S450)。今度の例では実シャフト位置La制御の方が優先度が高いので(S450で「NO」)、デューティ値Dutyθに30%(100%未満であればよい)を設定する(S480)。そして、デューティ値DutyLに100%を設定し(S490)、一旦、処理を終了する。
【0142】
このことにより、回転位相差可変アクチュエータ24側の駆動速度は通常よりも低下されることになる。リフト量可変アクチュエータ22aの駆動速度は高速に維持される。
【0143】
以後、同じ過渡状態が継続して、フラグFθ=「ON」およびフラグFL=「ON」である限り、アクチュエータ駆動速度設定処理(図13)では、ステップS400,S410,S440,S450,S480,S490の処理が継続する。このため、回転位相差可変アクチュエータ24が目標進角値θtに到達するよりもリフト量可変アクチュエータ22aの方が先に目標シャフト位置Ltに到達する。しかも、オイルポンプPの出力は、回転位相差可変アクチュエータ24に対する駆動出力を小さくしている分、リフト量可変アクチュエータ22aに対する配分が大きくなり、通常よりも早期に実シャフト位置Laは目標シャフト位置Ltに到達する。
【0144】
この時、フラグ・オフ処理(図12)においては、実シャフト位置La=目標シャフト位置Ltとなっていることから(S350で「YES」)、フラグFLに「OFF」が設定される(S360)。このため、アクチュエータ駆動速度設定処理(図13)では、FL=「OFF」であることから(S410で「NO」)、デューティ値Dutyθとデューティ値DutyLとは共に100%とされる(S420,S430)。
【0145】
したがって、以後、回転位相差可変アクチュエータ24側も高速に目標進角値θtに収束する。
上述したごとく、優先度の設定は、回転位相差可変アクチュエータ24とリフト量可変アクチュエータ22aとの変化方向が、過渡時要求性能Hに合致している場合には、元来応答性の高い方の回転位相差可変アクチュエータ24の駆動を優先している。また、回転位相差可変アクチュエータ24とリフト量可変アクチュエータ22aとの一方の変化方向が過渡時要求性能Hに合致し、他方の変化方向が合致しない場合には、合致している方のアクチュエータの駆動が優先されることになる。
【0146】
以上、(A)−(a)に対応する過渡時要求性能として(i)が記憶され、(B)−(a)に対応する過渡時要求性能として(i)が記憶されている場合になされる処理例を示した。これ以外の例として、上述した例も含めて、各エンジン運転状態に対応する過渡時要求性能と優先されるアクチュエータとの関係を以下に示す。
【0147】
なお、以下の例では、「回転位相差可変アクチュエータ24優先」と記述してある場合は、過渡時要求性能Hと変化パターンSθとが合致する(変化パターンSLについてはいずれでもよい)ことを示している。また、「リフト量可変アクチュエータ22a優先」と記述してある場合は、過渡時要求性能Hと変化パターンSθとが合致せず、過渡時要求性能Hと変化パターンSLが合致していることを示している。
【0148】
(A)−(a)の場合:
(i)バルブオーバラップ小=回転位相差可変アクチュエータ24優先。(ii)吸気バルブ20の閉時期の早期化=リフト量可変アクチュエータ22a優先。
【0149】
(A)−(b)の場合:
(i)吸気バルブ20の閉時期の遅延化=回転位相差可変アクチュエータ24優先。
【0150】
(ii)バルブオーバラップ小=回転位相差可変アクチュエータ24優先。
(iii)吸気バルブ20の閉時期の早期化=リフト量可変アクチュエータ22a優先。
【0151】
(A)−(c)の場合:
(i)バルブオーバラップ小=回転位相差可変アクチュエータ24優先。(ii)吸気バルブ20の閉時期の遅延化=回転位相差可変アクチュエータ24優先。
【0152】
(A)−(d)の場合:
(i)バルブオーバラップ小=回転位相差可変アクチュエータ24優先。
(A)−(e)の場合:
(i)吸気バルブ20の閉時期の早期化=リフト量可変アクチュエータ22a優先。
【0153】
(B)−(a)の場合:
(i)バルブオーバラップ大=リフト量可変アクチュエータ22a優先。(ii)吸気バルブ20の閉時期の遅延化=回転位相差可変アクチュエータ24優先。
【0154】
(B)−(b)の場合:
(i)バルブオーバラップ大=リフト量可変アクチュエータ22a優先。(ii)吸気バルブ20の閉時期の遅延化=回転位相差可変アクチュエータ24優先。
【0155】
(B)−(c)の場合:
(i)バルブオーバラップ大=リフト量可変アクチュエータ22a優先。(ii)吸気バルブ20の閉時期の遅延化=回転位相差可変アクチュエータ24優先。
【0156】
(B)−(d)の場合:
(i)吸気バルブ20の開時期の遅延化=回転位相差可変アクチュエータ24優先。
【0157】
(ii)吸気バルブ20の高リフト化=リフト量可変アクチュエータ22a優先。
(C)−(a)の場合:
(i)吸気バルブ20の閉時期の早期化=回転位相差可変アクチュエータ24優先。
【0158】
(ii)バルブオーバラップ小=リフト量可変アクチュエータ22a優先。
(C)−(b)の場合:
(i)バルブオーバラップ大=回転位相差可変アクチュエータ24優先。
【0159】
(C)−(c)の場合:
(i)バルブオーバラップ小=リフト量可変アクチュエータ22a優先。
(D)−(a)の場合:
(i)吸気バルブ20の閉時期の遅延化=リフト量可変アクチュエータ22a優先。
【0160】
(ii)バルブオーバラップ大=回転位相差可変アクチュエータ24優先。
(D)−(b)の場合:
(i)バルブオーバラップ大=回転位相差可変アクチュエータ24優先。
【0161】
(D)−(c)の場合:
(i)吸気バルブ20の閉時期の遅延化=リフト量可変アクチュエータ22a優先。
【0162】
(D)−(d)の場合:
(i)吸気バルブ20の高リフト化=リフト量可変アクチュエータ22a優先。
【0163】
(D)− (e)の場合:
(i)バルブオーバラップ大=回転位相差可変アクチュエータ24優先。本実施の形態1にて述べた構成において、ステップS240〜S570が、過渡時制御手段としての処理に相当する。
【0164】
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).前述したごとく本実施の形態1の構成においては、回転位相差可変アクチュエータ24はリフト量可変アクチュエータ22aよりも応答性が高い。しかも、回転位相差可変アクチュエータ24もリフト量可変アクチュエータ22aも共に、オイルポンプPの出力に基づく作動油圧を利用している。
【0165】
そして、過渡時においてエンジン11に要求される過渡時要求性能Hに、両アクチュエータ24,22aの変化方向(変化パターンSθ,SL)が合致している場合には、応答性の高い方である回転位相差可変アクチュエータ24を優先している。この優先は、本実施の形態1ではリフト量可変アクチュエータ22aの駆動速度を低下させることにより実現している。
【0166】
このように、回転位相差可変アクチュエータ24に対して、オイルポンプPが出力する作動油圧を優先的に供給することにより、両方のアクチュエータ24,22aが普通に作動している場合よりも、回転位相差可変アクチュエータ24は高速に駆動できる。しかも、元来応答性の高い方のアクチュエータを優先しているので、より一層早期に過渡時の要求性能に近づけることができる。
【0167】
したがって、過渡時においてエンジン11の性能を十分に発揮させることができる。
なお、両アクチュエータ24,22aの変化パターンSθ,SLが合致しているとの判断は、ステップS550において「YES」と判定される場合の一部である。ステップS550にて「YES」と判定される場合の残りの一部は、回転位相差可変アクチュエータ24の変化パターンSθは過渡時要求性能Hに合致しているが、リフト量可変アクチュエータ22aの変化パターンSLは合致していない場合である。この場合は次の(ロ)に述べる。
【0168】
(ロ).回転位相差可変アクチュエータ24の変化パターンSθは過渡時要求性能Hに合致しているが、リフト量可変アクチュエータ22aの変化パターンSLは合致していない場合は、回転位相差可変アクチュエータ24を優先している。そして、リフト量可変アクチュエータ22aの変化パターンSLは過渡時要求性能Hに合致しているが、回転位相差可変アクチュエータ24の変化パターンSθは合致していない場合は、リフト量可変アクチュエータ22aを優先している。
【0169】
このように両アクチュエータ24,22aの変化方向が過渡時要求性能Hに合致しているものと合致いしていないものとに分かれる場合は、合致している方のアクチュエータを優先している。このため、過渡時においてエンジン要求性能に合致した状態にすることができ、エンジン11の性能を十分に発揮させることができる。
【0170】
(ハ).優先度が高い方のアクチュエータの駆動が完了した後は、優先度が低い方のアクチュエータの変化速度の抑制を停止している。
このようにすることにより、両アクチュエータ24,22aの最終的な状態についても迅速に到達でき、エンジン11の性能を十分に発揮させることができる。
【0171】
[その他の実施の形態]
・前記実施の形態1において、回転位相差可変アクチュエータ24およびリフト量可変アクチュエータ22aの構成は一例であり、他の構成であっても、バルブ開閉時期の位相とバルブのリフト量とを調整する機能を備えていればよい。
【0172】
・前記実施の形態1においては、オイルポンプPの出力配分に差を設けることにより両アクチュエータ24,22aに駆動速度の優劣をつけたが、これ以外の優劣の付け方として、優先度の高い方をDuty=100%として、低い方を0%としてもよい。すなわち、優先度の低いアクチュエータは一時停止して、優先度の高いアクチュエータのみ先に駆動し、優先度の高いアクチュエータの駆動が完了(目標値への到達)後に、優先度の低い方のアクチュエータをDuty=100%で駆動してもよい。
【0173】
・前記実施の形態1においては回転位相差可変アクチュエータ24とリフト量可変アクチュエータ22aとは共に、吸気側カムシャフト22に取り付けられていたが、これ以外の構成でもよい。例えば、排気側カムシャフト23に両アクチュエータ24,22aを取り付けてもよい。また、吸気側カムシャフト22にリフト量可変アクチュエータ22aを、排気側カムシャフト23に回転位相差可変アクチュエータ24を取り付けてもよいし、この逆に、吸気側カムシャフト22に回転位相差可変アクチュエータ24を、排気側カムシャフト23にリフト量可変アクチュエータ22aを取り付けてもよい。
【0174】
また、クランクシャフト15に回転位相差可変アクチュエータ24を取り付け、吸気側カムシャフト22または排気側カムシャフト23にリフト量可変アクチュエータ22aを取り付けてもよい。このように回転位相差可変アクチュエータ24あるいはリフト量可変アクチュエータ22aの配置を変更した場合には、これに対応して、前述した(A)−(a)〜(D)−(e)に対して設定される過渡時要求性能と優先度とは、請求項に述べた構成を満足するように変更される。
【0175】
更にこのように配置を変更した場合は、リフト量可変アクチュエータ22aが設けられた方のカムは3次元カムとされシャフトは回転軸方向に移動可能な構成とされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1としてのバルブ特性制御装置を組み込んだガソリンエンジンの斜視図。
【図2】 実施の形態1において吸気側カムシャフトに用いられる吸気カムの形状を説明する斜視図。
【図3】 実施の形態1においてバルブ特性制御装置に備えられているリフト量可変アクチュエータの構成説明図。
【図4】 実施の形態1においてバルブ特性制御装置に備えられている回転位相差可変アクチュエータの構成説明図。
【図5】 実施の形態1の回転位相差可変アクチュエータに用いられるインナギヤおよびサブギヤの形状を示す斜視図。
【図6】 実施の形態1の回転位相差可変アクチュエータにおける内部構成説明図。
【図7】 実施の形態1の回転位相差可変アクチュエータにおけるロックピン周辺の構成説明図。
【図8】 実施の形態1の回転位相差可変アクチュエータにおけるロックピン周辺の構成説明図。
【図9】 実施の形態1の回転位相差可変アクチュエータにおけるベーンロータの回転状態説明図。
【図10】 実施の形態1における吸気バルブの開閉時期調整説明図。
【図11】 実施の形態1においてECUが実行するバルブ特性目標値設定処理のフローチャート。
【図12】 実施の形態1においてECUが実行するフラグ・オフ処理のフローチャート。
【図13】 実施の形態1においてECUが実行するアクチュエータ駆動速度設定処理のフローチャート。
【図14】 実施の形態1においてECUが実行する優先度設定処理のフローチャート。
【図15】 実施の形態1において目標進角値および目標シャフト位置を設定するためのマップの構成説明図。
【符号の説明】
10…バルブ特性制御装置、11…エンジン、12…ピストン、13…シリンダブロック、13a…オイルパン、14…シリンダヘッド、14a…軸受部、15…クランクシャフト、15a…プーリ、16…コンロッド、17… 燃焼室、18…吸気通路、19…排気通路、20…吸気バルブ、21…排気バルブ、22…吸気側カムシャフト、22a…リフト量可変アクチュエータ、22b…端部外周面、23…排気側カムシャフト、24…回転位相差可変アクチュエータ、24a…タイミングプーリ、25…タイミングプーリ、26…タイミングベルト、27…吸気カム、28…排気カム、31…シリンダチューブ、31a…第1圧力室、31b…第2圧力室、32…ピストン、33…エンドカバー、34…第1給排通路、35…第2給排通路、36…第1オイルコントロールバルブ、37…供給通路、38…排出通路、39…ケーシング、40…第1給排ポート、41…第2給排ポート、42…第1排出ポート、43…第2排出ポート、44…供給ポート、45…弁部、46…コイルスプリング、47…電磁ソレノイド、48…スプール、51…筒部、51a…外周溝、51b…外周溝、51c…内周面、52…円板部、53…外歯、54…インナギヤ、54a…大径ギヤ部、54b…小径ギヤ部、55…ボルト、56…サブギヤ、56a…外歯、56b…内歯、57…スプリングワッシャ、58…ボルト、59…ハウジング、59a…内周面、60…カバー、60a…穴部、61…ベーンロータ、61a…外周面、61b…スプライン部、61c…円筒状空間、62,63,64,65…壁部、62a,63a,64a,65a…凹部、62b,63b,64b,65b…凹部、66,67,68,69…ベーン、70…第1圧力室、71…第2圧力室、72…貫通孔、72a…油溝、72b…貫通開放口、73…ロックピン、73a…収容孔、73b…先端部、74…スプリング、75…係止穴、76…油路、77…環状油空間、78…油路、80…進角用油路開口部、81…遅角用油路開口部、84…進角制御油路、85…遅角制御油路、86…進角制御油路、87…遅角制御油路、88…進角制御油路、89…遅角制御油路、90…潤滑油路、91…内周溝、92…進角制御油路、93…遅角制御油路、94…第2オイルコントロールバルブ、95…供給通路、96…排出通路、102…ケーシング、104…第1給排ポート、106…第2給排ポート、107…弁部、108…第1排出ポート、110…第2排出ポート、112…供給ポート、114…コイルスプリング、116…電磁ソレノイド、118…スプール、123…クランク側電磁ピックアップ、126…カム側電磁ピックアップ、130…電子制御ユニット(ECU)、132…CPU、133…ROM、134…RAM、135…バックアップRAM、136…バス、137…外部入力回路、138…外部出力回路。
Claims (12)
- 吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方のバルブ開閉時期を連続的に変更するバルブタイミング可変機構と、吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方のバルブリフト量を連続的に変更するバルブリフト量可変機構とを備え、前記バルブタイミング可変機構の目標の制御位置である目標制御位置A及び前記バルブリフト量可変機構の目標の制御位置である目標制御位置Bのそれぞれを機関回転速度及び機関負荷の少なくとも一方に基づいて設定し、前記バルブタイミング可変機構の制御位置を前記目標制御位置Aに一致させるべく前記バルブタイミング可変機構を操作し、前記バルブリフト量可変機構の制御位置を前記目標制御位置Bに一致させるべく前記バルブリフト量可変機構を操作し、これにより吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方について、そのバルブ開閉時期及びバルブリフト量からなるバルブ特性を可変とする内燃機関のバルブ特性制御装置において、
前記バルブタイミング可変機構の制御位置を前記目標制御位置Aに向けて変更する操作と前記バルブリフト量可変機構の制御位置を前記目標制御位置Bに向けて変更する操作とが重複する過渡状態が生じる旨判定したとき、この過渡状態において内燃機関に要求される性能に一致するバルブ特性の変化方向を過渡時要求変化方向として設定し、そのうえで前記目標制御位置Aに向けての前記バルブタイミング可変機構の制御位置の変化方向と前記目標制御位置Bに向けての前記バルブリフト量可変機構の制御位置の変化方向との双方が前記過渡時要求変化方向と一致する旨判定したとき、前記バルブタイミング可変機構と前記バルブリフト量可変機構とのうち当該制御装置からの指令に対する応答性の高い可変機構を操作に関する優先度の高い優先可変機構として位置付けるとともに他方の可変機構を非優先可変機構として位置付け、この設定した優先度に基づいて前記バルブタイミング可変機構及び前記バルブリフト量可変機構の操作を行う過渡時制御手段を備える
ことを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置。 - 吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方のバルブ開閉時期を連続的に変更するバルブタイミング可変機構と、吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方のバルブリフト量を連続的に変更するバルブリフト量可変機構とを備え、前記バルブタイミング可変機構の目標の制御位置である目標制御位置A及び前記バルブリフト量可変機構の目標の制御位置である目標制御位置Bのそれぞれを機関回転速度及び機関負荷の少なくとも一方に基づいて設定し、前記バルブタイミング可変機構の制御位置を前記目標制御位置Aに一致させるべく前記バルブタイミング可変機構を操作し、前記バルブリフト量可変機構の制御位置を前記目標制御位置Bに一致させるべく前記バルブリフト量可変機構を操作し、これにより吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方について、そのバルブ開閉時期及びバルブリフト量からなるバルブ特性を可変とする内燃機関のバルブ特性制御装置において、
前記バルブタイミング可変機構の制御位置を前記目標制御位置Aに向けて変更する操作と前記バルブリフト量可変機構の制御位置を前記目標制御位置Bに向けて変更する操作とが重複する過渡状態が生じる旨判定したとき、この過渡状態において内燃機関に要求される性能に一致するバルブ特性の変化方向を過渡時要求変化方向として設定し、そのうえで前記目標制御位置Aに向けての前記バルブタイミング可変機構の制御位置の変化方向と前記目標制御位置Bに向けての前記バルブリフト量可変機構の制御位置の変化方向とのいずれか一方のみが前記過渡時要求変化方向と一致する旨判定したとき、制御位置の変化方向が前記過渡時要求変化方向と一致する可変機構を操作に関する優先度の高い優先可変機構として位置付けるとともに他方の可変機構を非優先可変機構として位置付け、この設定した優先度に基づいて前記バルブタイミング可変機構及び前記バルブリフト量可変機構の操作を行う過渡時制御手段を備える
ことを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置。 - 請求項1または2に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、
前記過渡時制御手段は、前記過渡状態が生じる旨の判定結果に基づいて前記優先度の設定を実行してから前記バルブタイミング可変機構の制御位置が前記目標制御位置Aと一致する状態且つ前記バルブリフト量可変機構の制御位置が前記目標制御位置Bと一致する状態が得られるまでにわたり、前記設定した優先度に基づく前記バルブタイミング可変機構及び前記バルブリフト量可変機構の操作を継続する
ことを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、
前記過渡時制御手段は、前記優先可変機構についてはその制御位置の変化速度を過渡状態にないときの制御位置の変化速度よりも高く設定して当該優先可変機構の操作を行い、前記非優先可変機構についてはその制御位置の変化速度を過渡状態にないときの制御位置の変化速度よりも低く設定して当該非優先可変機構の操作を行う
ことを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、
前記バルブタイミング可変機構及び前記バルブリフト量可変機構は、共通の駆動源からの出力に基づいてそれぞれ駆動するものであり、
前記過渡時制御手段は、前記設定した優先度に基づく前記バルブタイミング可変機構及び前記バルブリフト量可変機構の操作に際して、前記駆動源から前記優先可変機構への出力を前記駆動源から前記非優先可変機構への出力よりも大きくする
ことを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置。 - 請求項4または5に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、
前記過渡時制御手段は、前記優先可変機構の制御位置が目標制御位置に一致する旨判定したことに基づいて、前記非優先可変機構の制御位置の変化速度に制限を加える処理を終了する
ことを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、
前記過渡時制御手段は、前記優先可変機構の制御位置が目標制御位置に一致している旨判定するまで前記非優先可変機構の制御位置の変更を中断する
ことを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、
前記過渡時制御手段は、前記目標制御位置Aに向けての前記バルブタイミング可変機構の制御位置の変化方向と、前記目標制御位置Bに向けての前記バルブリフト量可変機構の制御位置の変化方向と、機関回転速度及び機関負荷の少なくとも一方の変化方向とに基づいて前記過渡時要求変化方向の設定を行う
ことを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置。 - 請求項8に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、
前記過渡時制御手段は、前記目標制御位置Aに向けての前記バルブタイミング可変機構の制御位置の変化方向がバルブ開閉時期を遅角させる方向であり且つ前記目標制御位置Bに向けての前記バルブリフト量可変機構の制御位置の変化方向がバルブリフト量を減少させる方向である条件のもと、
機関回転速度が中回転且つ機関負荷が高負荷にある状態から機関回転速度が低下する状態への変化態様を条件Aとして、前記過渡時要求変化方向の設定に際して機関運転状態の変化態様がこの条件Aにあるとき、前記過渡時要求変化方向としてバルブオーバラップが減少する方向及び吸気バルブの閉弁時期が進角する方向のいずれかを設定する処理と、 機関回転速度が低回転または中回転且つ機関負荷が部分負荷にある状態から機関負荷が減少する状態への変化態様を条件Bとして、前記過渡時要求変化方向の設定に際して機関運転状態の変化態様がこの条件Bにあるとき、前記過渡時要求変化方向として吸気バルブの閉弁時期が遅角する方向及びバルブオーバラップが減少する方向及び吸気バルブの閉弁時期が進角する方向のいずれかを設定する処理と、
機関回転速度が高回転且つ部分負荷にある状態から機関負荷が増大する状態への変化態様を条件Cとして、前記過渡時要求変化方向の設定に際して機関運転状態の変化態様がこの条件Cにあるとき、前記過渡時要求変化方向としてバルブオーバラップが減少する方向及び吸気バルブの閉弁時期が遅角する方向のいずれかを設定する処理と、
機関温間時においてのアイドル状態以外からアイドル状態への変化態様を条件Dとして、前記過渡時要求変化方向の設定に際して機関運転状態の変化態様がこの条件Dにあるとき、前記過渡時要求変化方向としてバルブオーバラップが減少する方向を設定する処理と、
機関負荷が低負荷にある状態から機関回転速度が低下する状態への変化態様を条件Eとして、前記過渡時要求変化方向の設定に際して機関運転状態の変化態様がこの条件Eにあるとき、前記過渡時要求変化方向として吸気バルブの閉弁時期が進角する方向を設定する処理と
のうちの少なくとも一つを前記過渡時要求変化方向の設定にかかる処理として実行する
ことを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置。 - 請求項8または9に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、
前記過渡時制御手段は、前記目標制御位置Aに向けての前記バルブタイミング可変機構の制御位置の変化方向がバルブ開閉時期を遅角させる方向であり且つ前記目標制御位置Bに向けての前記バルブリフト量可変機構の制御位置の変化方向がバルブリフト量を増大させる方向である条件のもと、
機関回転速度が低回転または中回転且つ機関負荷が高負荷にある状態から機関回転速度が上昇する状態への変化態様を条件Aとして、前記過渡時要求変化方向の設定に際して機関運転状態の変化態様がこの条件Aにあるとき、前記過渡時要求変化方向としてバルブオーバラップが増大する方向及び吸気バルブの閉弁時期が遅角する方向のいずれかを設定する処理と、
機関回転速度が低回転または中回転且つ機関負荷が高負荷にある状態から機関負荷が減少する状態への変化態様を条件Bとして、前記過渡時要求変化方向の設定に際して機関運転状態の変化態様がこの条件Bにあるとき、前記過渡時要求変化方向としてバルブオーバラップが増大する方向及び吸気バルブの閉弁時期が遅角する方向のいずれかを設定する処理と、
機関回転速度が高回転且つ機関負荷が低負荷にある状態から機関負荷が増大する状態への変化態様を条件Cとして、前記過渡時要求変化方向の設定に際して機関運転状態の変化態様がこの条件Cにあるとき、前記過渡時要求変化方向としてバルブオーバラップが増大する方向及び吸気バルブの閉弁時期が遅角する方向のいずれかを設定する処理と、
機関回転速度が過回転にある条件のもとでの機関運転状態の変化態様を条件Dとして、前記過渡時要求変化方向の設定に際して機関運転状態の変化態様がこの条件Dにあるとき、前記過渡時要求変化方向として吸気バルブの開弁時期が遅角する方向及び吸気バルブのバルブリフト量が増大する方向のいずれかを設定する処理と
のうちの少なくとも一つを前記過渡時要求変化方向の設定にかかる処理として実行する
ことを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置。 - 請求項8〜10のいずれか一項に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、
前記過渡時制御手段は、前記目標制御位置Aに向けての前記バルブタイミング可変機構の制御位置の変化方向がバルブ開閉時期を進角させる方向であり且つ前記目標制御位置Bに向けての前記バルブリフト量可変機構の制御位置の変化方向がバルブリフト量を減少させる方向である条件のもと、
機関回転速度が低回転または中回転且つ機関負荷が部分負荷にある状態から機関負荷が増大する状態への変化態様を条件Aとして、前記過渡時要求変化方向の設定に際して機関運転状態の変化態様がこの条件Aにあるとき、前記過渡時要求変化方向として吸気バルブの閉弁時期が進角する方向及びバルブオーバラップが減少する方向のいずれかを設定する処理と、
機関回転速度が高回転且つ機関負荷が高負荷にある状態から機関負荷が減少する状態への変化態様を条件Bとして、前記過渡時要求変化方向の設定に際して機関運転状態の変化態様がこの条件Bにあるとき、前記過渡時要求変化方向としてバルブオーバラップが増大する方向を設定する処理と、
機関回転速度が高回転且つ機関負荷が高負荷にある状態から機関回転速度が低下する状態への変化態様を条件Cとして、前記過渡時要求変化方向の設定に際して機関運転状態の変化態様がこの条件Cにあるとき、前記過渡時要求変化方向としてバルブオーバラップが減少する方向を設定する処理と
のうちの少なくとも一つを前記過渡時要求変化方向の設定にかかる処理として実行する
ことを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置。 - 請求項8〜11のいずれか一項に記載の内燃機関のバルブ特性制御装置において、
前記過渡時制御手段は、前記目標制御位置Aに向けての前記バルブタイミング可変機構の制御位置の変化方向がバルブ開閉時期を進角させる方向であり且つ前記目標制御位置Bに向けての前記バルブリフト量可変機構の制御位置の変化方向がバルブリフト量を増大させる方向である条件のもと、
アイドル状態から機関回転速度が上昇し且つ機関負荷が増大する状態への変化態様を条件Aとして、前記過渡時要求変化方向の設定に際して機関運転状態の変化態様がこの条件Aにあるとき、前記過渡時要求変化方向として吸気バルブの閉弁時期が遅角する方向及びバルブオーバラップが増大する方向のいずれかを設定する処理と、
機関回転速度が低回転または中回転且つ機関負荷が高負荷にある状態から機関回転速度が上昇する状態への変化態様を条件Bとして、前記過渡時要求変化方向の設定に際して機関運転状態の変化態様がこの条件Bにあるとき、前記過渡時要求変化方向としてバルブオーバラップが増大する方向を設定する処理と、
機関回転速度が低回転または中回転且つ機関負荷が高負荷にある状態から機関負荷が減少する状態への変化態様を条件Cとして、前記過渡時要求変化方向の設定に際して機関運転状態の変化態様がこの条件Cにあるとき、前記過渡時要求変化方向として吸気バルブの閉弁時期が遅角する方向を設定する処理と、
機関回転速度が高回転にある状態から機関回転速度が上昇する状態への変化態様を条件Dとして、前記過渡時要求変化方向の設定に際して機関運転状態の変化態様がこの条件Dにあるとき、前記過渡時要求変化方向として吸気バルブのバルブリフト量が増大する方向を設定する処理と、
機関回転速度が高回転且つ機関負荷が高負荷にある状態から機関負荷が減少する状態への変化態様を条件Eとして、前記過渡時要求変化方向の設定に際して機関運転状態の変化態様がこの条件Eにあるとき、前記過渡時要求変化方向としてバルブオーバラップが増大する方向を設定する処理と
のうちの少なくとも一つを前記過渡時要求変化方向の設定にかかる処理として実行する
ことを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置。
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