JP4197982B2 - 棒材のせん断加工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、棒材のせん断加工方法及びこれに適した金型(装置)に関する。
【0002】
【従来の技術】
ベアリング等に使用されている円筒ころ等の転動体は、ベアリング鋼(SUJ2)等の棒材を切断して生産されている。
このようなベアリング鋼は、高い荷重に耐えられるように非常に硬く切断が大変である。
特に、スラストベアリングに使用されるころは、端面の高い仕上げ精度も要求される。
そこで、棒材を切断し、その端面を液体ホーニング等により1つ1つ研削仕上げ等が施されている。
これでは生産性が悪く、コスト高の要因の1つとなっている。
【0003】
以上の背景の下に本願発明者等は、丸棒のような棒材から例えばパンチプレス等にて、せん断加工出来ないか検討をした。
従来から広く採用されているパンチプレスによるせん断加工方法を図5にて説明する。
ダイ104にダイ孔が設けられ、ダイ孔に嵌合するようにダイクッション(ノックアウトピン)106が備えられている。
棒材等のワークをダイ104に載置し、上部からストライカ(図示省略)により下方向にパンチ103が加圧される。
このとき、ばね付勢されたワーク押え(ストリッパ)102によりワークを押えつつ、パンチ103で押圧せん断する方法である。
この場合に、ワークに変形が生じないようにダイクッションが下からばね付勢されている場合が多い。
【0004】
このような方法で、ベアリングの円筒ころ用の棒材をせん断加工したところ、図6に示す1bの方向にキレツが入るようにせん断され、模式図7に示すようにワーク端面にせん断1aの他にキレツ破断面1bが生じ、端面の切断品質が悪く、円筒ころには使用出来なかった。
そこで、ダイクッションのワーク支え力を大きく設定して見た。
例えば、直径約3mmのSUJ2丸棒を約3.8mmの長さにせん断するのに下から5〜8Tonの力でばね付勢しつつ、パンチに約10Tonの加圧力を加えてせん断しても、せん断端面のキレツは改善出来なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の有する技術的課題に鑑みて、棒材の端面にキレツが生じるのを抑えた端面品質に優れたせん断加工方法の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、棒材のせん断加工方法を精意検討した結果、これまでに無い全く新規な方法を見出したものである。
それは、棒材を下からダイで受け、ワーク押え(ストリッパ)で材料供給側を支持し、この棒材端面にストッパを当接させることにより棒材側部からパンチでせん断する際に、上記棒材の長手方向に圧縮応力が生じるようにした点である。
より具体的には、本発明に係る棒材のせん断加工方法は、棒材の製品側と材料供給側とを下からダイで受け、ダイに設けたダイ孔より材料供給側を、ワーク支持溝を有するダイとストリッパとでその間に所定のクリアランスを残して押圧支持するとともに、この棒材先端の端面をストッパーに当接させて製品側が延びるのを規制し、棒材側部から所定の厚みを有するパンチで加圧し、パンチとストッパとの間の製品部に圧縮応力を生じさせつつ、且つキレツせん断面を端材側に生じさせてダイ孔に端材をせん断落下させることを特徴とする。
【0007】
図5に示したようなせん断方法においては、図6に拡大図を示すように、パンチ又はダイ側にてせん断1aが進行するのに先行してキレツ1bが発生し、パンチとダイとのクリアランスd2があるために、このキレツがパンチに対して外側に先行展開するようにして切断が進行するため、端面にキレツが大きく現れると推定された。
そこで本発明は、例えば図1に示すようにワーク1の端面をストッパ5に当てながらパンチ3にて加圧したものである。
この状態で棒材(ワーク)の側部からパンチ3で加圧すると、ダイ4とパンチ3の間に挟まれた棒材は先端部に向けて延性により延びようとするが、先端がストッパで押さえられているので長手方向に圧縮応力fが発生する。
このような状態でパンチによるせん断が進行すると、まずキレツ破断の進行が抑えられること、また、キレツが発生しても圧縮応力によりパンチの内側に向けて進行することが推定された。
その結果、製品10の端面にはキレツ破断面が生じずに平滑な切削に似た金属光沢のあるせん断面が形成された。
その一方で端材11の端面にはキレツ破断面が認められた。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1に本発明に係るせん断加工方法に用いる金型又は装置の模式図を示す。
ダイ4にダイ孔41が形成されていて、ダイ孔にはダイクッションが備えられていない開放型で良い。
棒材(ワーク)1の端面をストッパ5に当接させ、ワーク1の供給側にて上部よりストリッパ2にてワークを押圧支持し、パンチ3が下降し、製品10がせん断される。
なお、ストリッパ2はストリッパスプリング(表示省略)等により上方からばね付勢されている。
この際に、端材11はダイ孔の下方に落下排出される。
【0010】
この際にワークに働く作用を図1にて説明する。
ワーク1の材料供給側はダイ4とストリッパ2にて押圧支持される。
この押圧支持されている状態を図2に示す。
ダイ4とストリッパ2との間のクリアランスd1を所定の大きさに設定する。
例えば、直径約3mmのベアリング鋼からなる丸棒の場合に、d1=0.04mmに設定した。
【0011】
上記のようにワーク供給側を挟持し、図1に示すように製品10側はストリッパ支持をせずに端面をストッパ5にて規制したことにより、パンチ3にて加圧すると製品側の材料は先端部に向けて延びようとする。
しかし、先端部はストッパ5により規制されているので、反作用により圧縮応力fが生じる。
従って、パンチ先端及びダイ側にせん断1aが進行し、その先にキレツ破断1bが先行しようとするが、この部分に圧縮応力が作用する。
この圧縮応力は、キレツせん断1bの先行を抑え、少なくとも製品10側への斜め先行は生じなくなった。
なお、端材側の両側端面にキレツ破断面は認められる。
ここで、上記直径約3mmの丸棒の場合で、製品長さ約3.8mmのとき、端材幅(パンチ厚み)を1〜1.2mmに設定した。
【0012】
本発明で用いられるパンチ形状例を図3に示し、ダイ孔の形状例を図4に示す。
なお、図面の大きさの制約上、表示倍率は一致していない。
図3(ロ)に示すように、パンチのせん断刃部31の厚みは、1〜1.2mm程度に薄くすることで端材の発生量を抑え、パンチのサイド部32を厚くし、図4に示すようにダイ4のダイ孔41の両側にパンチガイド部42を形成した例である。
なお、ダイ4の上面にはワーク支持溝43が形成されている。
【0013】
【発明の効果】
本発明においては、棒材の先端をストッパで規制し、材料供給側をダイとワーク押え(ストリッパ)で挟持し、パンチせん断する方法を採用したことにより、製品の端面に対しては、キレツ破断面の発生を抑えることが出来、材料を連続供給しながら、端面の切断面が綺麗な製品が連続生産できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るせん断加工方法例を示す。
【図2】ダイとストリッパとの関係を示す。
【図3】パンチ形状の例を示す。
【図4】ダイ孔の例を示す。
【図5】従来のパンチせん断の例を示す。
【図6】従来のパンチせん断におけるキレツ破断の進行を示す説明図である。
【図7】従来の切断端面の状態例を示す。
【符号の説明】
1 棒材
2 ワーク押え(ストリッパ)
3 パンチ
4 ダイ
5 ストッパ
10 製品
Claims (1)
- 棒材の製品側と材料供給側とを下からダイで受け、ダイに設けたダイ孔より材料供給側を、ワーク支持溝を有するダイとストリッパとでその間に所定のクリアランスを残して押圧支持するとともに、この棒材先端の端面をストッパーに当接させて製品側が延びるのを規制し、棒材側部から所定の厚みを有するパンチで加圧し、パンチとストッパとの間の製品部に圧縮応力を生じさせつつ、且つキレツせん断面を端材側に生じさせてダイ孔に端材をせん断落下させることを特徴とする棒材のせん断加工方法。
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