JP4198897B2 - ガス検出装置、車両用オートベンチレーションシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスセンサ素子を用いて環境中の特定ガスの濃度やその変化を検出するガス検出装置および車両用オートベンチレーションシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、鉛−フタロシアニンを用いたり、WO3やSnO2などの金属酸化物半導体を用いたガスセンサ素子など、環境中のNOxなどの酸化性ガスやCO、HC(ハイドロカーボン)など還元性ガスなど、特定のガスの濃度変化によってそのセンサ抵抗値が変化するために、このセンサ抵抗値の変化によって特定のガス濃度の変化を検出可能なガスセンサ素子が知られている。また、このようなガスセンサ素子を用いたガス検出装置も知られている。さらには、このガス検出装置を用いた各種の制御システム、例えば、車室外空気の汚染状況に応じて、車室内への外気導入・内気導入を切り替えるためのフラップ開閉制御を行う車両用オートベンチレーションシステムや、喫煙などによる室内空気の汚染を検知し、空気清浄機の制御を行うシステムなどが知られている。
【0003】
このようなガスセンサ素子を用いたガス検出装置では、例えば、特開平5−157714号に開示されているように、ガス濃度の変化に素早く対応することが出来るように、濃度変化の感度を向上させ、風等のノイズに対するS/Nを向上させるべく、ガスセンサ素子の出力信号を微分したり、アナログ微分値をA/D変換した後、さらにデジタル微分して2階微分値を得るものが知られている。
また、特表平1−501095号では、センサ信号を積分しこの積分値とセンサ信号とを比較してガス検知を行うものが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特定ガスの濃度変化によりセンサ抵抗値などの電気的特性が変化するガスセンサ素子を用いるガス検出装置では、ガスセンサ素子の電気的特性(センサ抵抗値)が特定ガスの濃度変化だけでなく、温度や湿度、風速などの環境の影響によっても変動する性質を有する。そのため、上記微分を用いるガス検出装置においては、出力信号の相対変化を検出しているわけであるが、この出力信号が特定ガスの濃度変化だけでなく、温度や湿度、風速など他の環境によっても大きく変動するため、出力信号の相対変化だけからでは、特定ガスの濃度によるものであるか、湿度変化などの外乱による変動によるものであるのかを明確に分けることができない。このため、上記のようにガスセンサ素子の出力信号の微分値や2階微分値を用いると、ガス濃度が変動した時点(例えば、ガス濃度が急に高くなった時点)を捉えることはできるが、どの程度のガス濃度変化が見られたか、あるいはその後のガス濃度の変化状況やガス濃度が低下した時点を知ることは難しい。
一方、センサ信号の積分値とセンサ信号とを比較してガス検知を行うガス検出装置においては、特定ガスの濃度変化に対して積分値の変化が遅れるため、特定ガスの濃度が一旦低下し始めると、センサ出力値よりも積分値の方が大きくなることがある。このため、特定ガスの濃度がその後再び上昇した場合にも、特定ガスの濃度(従ってセンサ出力値)が上昇しはじめているにも拘わらず、積分値がセンサ出力値より大きいため、特定ガスの濃度上昇を検知できず、検知タイミングが遅れるなど、適切に特定ガスの濃度変化を検出できないことがあった。
【0005】
また、特定ガスの濃度の上昇及び低下を検知するにあたり、温度や湿度などの環境の影響を軽減させつつ濃度の上昇期をできるだけ早く、つまり濃度上昇の初期段階を捉えて濃度が高くなった旨の信号を発生させたいという希望がある。一方、濃度の下降時期には、濃度が十分下がってから濃度が低くなった旨の信号を発生させたいという希望がある。しかし、微分や積分などを用いる上記従来技術などのように、同じ算出手法で算出した値(微分値など)を用いて、濃度上昇と濃度低下のいずれをも判断しているものでは、上昇の初期段階と濃度の下降時期の両方を適切に捉えて各信号を発生させることは困難である。
【0006】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、特定ガス濃度の上昇及び低下の時期を適切に捉えて各信号を発生させることができ、温度、湿度、風速などの環境の影響を軽減して、特定ガスの濃度の変化を検出することができるガス検出装置、及びこれを用いた車両用オートベンチレーションシステムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
その解決手段は、特定ガスの濃度に応じて電気的特性が変化するガスセンサ素子を用いるガス検出装置であって、上記ガスセンサ素子を用いてセンサ出力値を取得する取得手段と、上記センサ出力値を用いて算出された第1判断対象値が、第1しきい値に対し第1大小関係を満たしているか否かを判断する第1判断手段と、上記センサ出力値を用いて、上記第1判断対象値を算出する算出手法とは異なる算出手法で算出された第2判断対象値が、第2しきい値に対し第2大小関係を満たしているか否かを判断する第2判断手段と、濃度低信号と濃度高信号のいずれかを発生する濃度信号発生手段であって、上記濃度低信号を発生している期間において、上記第1判断手段で上記第1大小関係が満たされたときに、上記濃度低信号に代えて上記濃度高信号を発生し、上記濃度高信号を発生している期間において、上記第2判断手段で上記第2大小関係が満たされたときに、上記濃度高信号に代えて上記濃度低信号を発生する 濃度信号発生手段と、を備えるガス検出装置である。
【0008】
本発明のガス検出装置によれば、特定ガスの濃度が低い期間(濃度低信号の発生期間)には、センサ出力値を用いて算出された第1判断対象値が第1しきい値に対し第1大小関係を満たすと、濃度低信号に代えて濃度高信号を発生する。一方、濃度が高い期間(濃度高信号の発生期間)には、センサ出力値を用いて第1判断対象値とは異なる算出手法で算出された第2判断対象値が第2しきい値に対して第2大小関係を満たすと、濃度高信号に代えて濃度低信号を発生する。
しかも、濃度低信号の発生期間において第1判断対象値を算出する算出手段と、濃度高信号の発生期間において第2判断対象値を算出する算出手法とを異ならせている。
つまり、特定ガスの濃度が低い場合と高い場合で、異なる算出手段によって算出した第1判断対象値及び第2判断対象値を用いて、第1大小関係あるいは第2大小関係を判断をするので、それぞれの濃度低信号あるいは濃度高信号を発生している期間に応じて適切な条件で、ガスの濃度変化を判断することができる。
【0009】
このようにすれば、人間の嗅覚などの感性に適合するようにするなど、濃度の上昇時期に及び下降時期の検知にそれぞれ適した条件を設定することができる。例えば、濃度の上昇時期には、温度や湿度などの環境の影響を軽減させつつできるだけ早い時期に濃度高信号を発生させる一方、濃度の下降時期には、濃度が十分下がったタイミングで濃度低信号を発生させるように設定することができる。従って、車両用オートベンチレーションシステムなどにおいて、適切な制御、例えば外気における特定ガスの濃度上昇の初期に内気循環に切り替え、濃度が十分下がった時点で外気循環に切り替えることができるようになる。
【0010】
なお、第1判断対象値及び第2判断対象値は、いずれも、ある算出手法によりセンサ出力値を用いて算出された値である。この第1判断対象値及び第2判断対象値としては、例えば、微分値、2階微分値などが挙げられる。あるいは、センサ出力値と積分値との差分値や、センサ出力値S(n)とB(n)=B(n−1)+k{S(n)−B(n−1)}の式で求めたベース値B(n)との差分値、あるいは、センサ出力値S(n)と移動平均値Md(n)との差分値などの差分値が挙げられる。さらに、センサ出力値と所定パターンで時間とともに上昇(または低下)する値との差分値、例えば、センサ出力値と所定の傾きで時間と共に直線的に上昇(または低下)する値との差分値、センサ出力値と時間と共に階段状に上昇(または低下)する値との差分値などの値が挙げられる。
【0011】
ガスセンサ素子において変化する電気的特性としては、抵抗値、起電力、電流、キャパシタンス、インダクタンスなどが挙げられる。
また、センサ出力値の取得手段としては、ガスセンサ素子の電気的特性の変化やアナログ処理あるいはデジタル処理などの処理形式に応じて、適宜センサ出力値を取得できるように構成されていればよい。例えば、デジタル処理を行う場合には、A/D変換処理などを含む。
さらに、例えば濃度高信号として3つの濃度レベルに対応する信号を含むなど、濃度低信号あるいは濃度高信号には、それぞれ複数レベルの信号が対応する場合も含まれる。
さらに、算出手法が異なる場合としては、例えば、一方が微分値を求める算出手法であり、他方が移動平均値を求める算出手法であるなど、全く異なる算出手法である場合がある。そのほか、一方が30ヶの移動平均値を求める算出手法であり、他方が50ヶの移動平均を求める算出手法である場合も挙げられる。さらに、同様な算出式を用いるが、算出式中に設定される所定の係数の値を異ならせるようにして、センサ出力値に基づいて算出される算出値に重み付けをもたせる場合も挙げられる。
【0012】
上記ガス検出装置であって、前記濃度高信号は、前記特定ガスの複数の濃度レベルにそれぞれ対応した複数の濃度レベル信号を含み、前記第2判断対象値と、上記複数の濃度レベル同士間のレベル間境界に対して1対1に対応する複数のレベル間しきい値とが、それぞれ所定の大小関係を満たすか否かを判断する第3判断手段を備え、前記濃度信号発生手段は、前記濃度低信号を発生している期間において、前記第1判断手段で前記第1大小関係が満たされたときに、前記濃度低信号に代えて上記濃度高信号うちいずれかの濃度レベルに対応する濃度レベル信号を発生し、上記濃度高信号に属するいずれかの上記濃度レベル信号を発生している期間において、上記第2判断対象値が、現在の上記濃度レベルとこれより1つ高位の上記濃度レベルとの間の上記レベル間境界に対応する上記レベル間しきい値に対し、上記所定の大小関係を満たすときに、上記現在の濃度レベルよりも高位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生し、上記第2判断対象値が、現在の上記濃度レベルとこれより1つ低位の上記濃度レベルとの間の上記レベル間境界に対応する上記レベル間しきい値に対し、上記所定の大小関係を満たさないときに、上記現在の濃度レベルよりも低位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生し、前記第2判断手段で前記第2大小関係が満たされたときに、上記濃度高信号に代えて上記濃度低信号を発生するガス検出装置とするのが好ましい。
【0013】
このように濃度高信号が複数の濃度レベル信号を含むことにより、濃度高信号発生中においても、特定ガスの濃度に応じて濃度レベル信号を切り替えることができる。このため、濃度高信号の発生中においても、特定ガスの濃度が比較的低いとか、比較的高いとかの濃度の程度を知ることができる。また、車両用オートベンチレーションシステムにおいて、フラップを全閉と全開のいずれかにするだけでなく、半開など適宜の開度に設定するなど、より細かな制御をすることができる。
【0014】
さらに、上記ガス検出装置であって、前記センサ出力値と、このセンサ出力値を用いて算出され、このセンサ出力値が変化したときに、このセンサ出力値よりも緩慢に追従変化する第2計算値と、の差分である第2差分値を算出する第2算出手段を備え、前記第2判断手段は、前記第2判断対象値である上記第2差分値が、前記第2しきい値に対し、前記第2大小関係を満たすか否かの判断を行うガス検出装置とすると良い。
【0015】
このガス検出装置では、第2計算値がセンサ出力値よりも緩慢に変化する。例えば、取得手段の特性の関係から、特定ガス濃度の上昇に伴ってセンサ出力値が増大した場合に、第2計算値はセンサ出力値よりも緩慢に追従変化する。
ガスセンサ素子の電気的特性は、特定ガスの濃度変化だけでなく、温度や湿度などの環境や風速などによっても影響され、特定ガスの濃度は一定の場合でも、センサ出力値が徐々に変化する、つまりドリフトすることがある。
まず、特定ガス濃度の上昇によってセンサ出力値が増加する特性を有する取得手段を用いた場合を仮定する。ここで、特定ガスの濃度が上昇して、その後に濃度が低下するまでの期間中に、センサ出力値が大きくなる方向にドリフトが生じると、特定ガスの濃度が上昇前と同レベルにまで低下した場合でも、ドリフトによりセンサ出力値は、上昇前の値よりも大きな値までしか低下しない。
【0016】
この場合に、もし第2計算値が変化せずに一定値のままであったとすると、センサ出力値と第2計算値との差である第2差分値も、上昇前の値よりも大きな値までしか低下しない。従って、実際には特定ガスの濃度が十分低下しているのに、第2差分値が大きいため特定ガスの濃度が高いと誤判定されて、ガス濃度の低下が判別できない不具合が生じる危険性がある。すると、車両用オートベンチレーションシステムや空気清浄機の制御システムに本発明のガス検出装置を用いた場合には、長時間にわたってフラップが閉じたままとなったりファンが高回転となったりして、適切な制御ができにくくなる。
一方、第2計算値として、変化はするがセンサ出力値に追従するのではなくこれに関係なく、所定のパターンで上昇する値、例えば、一定の傾きで時間と共に直線的に上昇する値や、時間と共に階段状に上昇する値を用いた場合には、上記のような不具合を生じない。しかし、長いトンネルに入った場合のように、長時間にわたって特定ガスの濃度が高い場合や、センサ出力値がさほど大きな値にならなかった場合には、特定ガスの濃度が高い状態であるにも拘わらず、センサ出力値と第2計算値との差分である第2差分値が第2しきい値よりも小さくなって、濃度低信号を発生することがある。
【0017】
これに対し、本発明によれば、上記仮定の場合でも、第2計算値がセンサ出力値に緩慢ではあるが追従して変化するので、たとえセンサ出力値が大きくなる方向にドリフトが生じても、時間の経過とともに第2差分値が徐々に小さくなる。このため、特定ガスの濃度が低下した場合には、第2差分値が第2しきい値より小さくなって、必ず濃度低信号を発生することができる。しかも、第2計算値がセンサ出力値に緩慢ではあるが追従するから、第2計算値を所定パターンで上昇させる上述の場合と異なり、第2計算値はセンサ出力値に応じた値となるので、特定ガスの濃度が高い状態で、濃度低信号を発生することが防止される。
従って、車両用オートベンチレーションシステムや空気清浄機の制御システムにおいて、ある程度の時間が経過したときにフラップを開けたりファンを低回転とするなど、適切な制御を行わせることができる。
一方、取得手段の特性の関係から、上記仮定とは逆に、特定ガス濃度の上昇によってセンサ出力値が低下する場合には、上記と逆にすれば同様に特定ガス濃度の低下を検知することができる。
【0018】
従って、取得手段の特性や第2計算値の性質に応じて、第2差分値と第2しきい値との大小関係を適切に設定すれば、第2判断手段でこの大小関係を満たすか否かを判断することによって、特定ガス濃度の低下を適切に検知できる。従って、濃度信号発生手段により、濃度高信号に代えて濃度低信号を発生することができる。このようにして、特定ガス濃度の高低に応じた濃度信号を出力することができる。
【0019】
さらに、上記ガス検出装置であって、前記センサ出力値と、このセンサ出力値を用いて算出され、このセンサ出力値が変化したときに、前記第2計算値よりも敏感に追従変化する第1計算値との差分である第1差分値を算出する第1算出手段を備え、前記第1判断手段は、前記第1判断対象値である上記第1差分値が、前記第1しきい値に対して前記第1大小関係を満たすか否かの判断を行うガス検出装置とすると良い。
【0020】
このガス検出装置では、仮に算出したとした場合の第2計算値よりも敏感に追従変化する第1計算値を用いる。
前記したように第2計算値及び第2差分値によって特定ガスの濃度低下を検知するが、本発明ではさらに第1差分値を第1しきい値と比較して、特定ガスの濃度上昇を検出する。
上述したように、濃度低信号の発生期間中において、特定ガスの濃度が上昇してセンサ出力値が変化した場合、第2計算値を用いた場合に比較して比較的敏感に第1計算値が追従変化する。つまり、第1計算値は第2計算値よりも比較的迅速にセンサ出力値に対して追従する。
ここで、特定ガスの濃度が低い状態において、ノイズの混入によりセンサ出力値が若干程度変動した場合には、第1計算値も迅速に追従変化するので、第1差分値はあまり大きな値にならない。このため、ノイズによる誤検知が防止できる。また、温度や湿度などの影響によって緩やかにセンサ出力値が変動(ドリフト)した場合にも、第1計算値も追従して変化するため、このドリフトの影響を抑制し、ドリフトの影響によるガスの濃度変化の誤検知を防止することができる。しかし、特定ガスの濃度が上昇してセンサ出力値が速く大きく変化すると、第1計算値が十分追従できないために第1差分値が大きくなるから、この第1差分値が第1しきい値と所定の大小関係を満たし、濃度高信号を発生する。かくして、ドリフトの影響を抑制しつつ、特定ガス濃度上昇の比較的早い時期にガス濃度の上昇を検知して、濃度高信号を発生することができる。
【0021】
なお、第1計算値としては、センサ出力値を変化させたときに、第2計算値よりも敏感に変化する第1計算値であれば良い。例えば、第2算出手法よりも積分定数の小さくして算出した積分値や、第2算出手法で用いた係数k2よりも大きい係数k1(k1>k2)を用いてB(n)=B(n−1)+k1{S(n)−B(n−1)}の式で算出したベース値B(n)、あるいは、第2算出手法で求めたm2個移動平均値のサンプル数m2よりも小さいサンプル数m1(m1<m2)により算出したm1個移動平均値Mdなどが挙げられる。
【0022】
さらに他の解決手段は、特定ガスの濃度に応じて電気的特性が変化するガスセンサ素子を用いるガス検出装置であって、上記ガスセンサ素子を用いてセンサ出力値を取得する取得手段と、複数の濃度レベルにそれぞれ対応する複数の濃度レベル信号を切り替えて発生する濃度レベル信号切替発生手段と、上記センサ出力値を用いて算出された第1判断対象値が、第1しきい値に対し第1大小関係を満たしているか否かを判断する第1判断手段と、上記センサ出力値を用いて、上記第1判断対象値を算出する算出手法とは異なる算出手法で算出された第2判断対象値と、上記複数の濃度レベル同士間のレベル間境界に対して1対1に対応する複数のレベル間しきい値とが、それぞれ所定の大小関係を満たすか否かを判断する第2判断手段と、を備え、上記濃度レベル信号切替発生手段は、最も低位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号を発生している期間において、上記第1判断手段で上記第1大小関係が満たされたときに、上記最も低位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号に代えて、上記最も低位の濃度レベルより1つ高位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号を発生し、最も低位の濃度レベルよりも高位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号を発生している期間において、上記第2判断対象値が、現在の上記濃度レベルとこれより1つ高位の上記濃度レベルとの間の上記レベル間境界に対応する上記レベル間しきい値に対し、上記所定の大小関係を満たすときに、上記現在の濃度レベルよりも高位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生し、上記第2判断対象値が、現在の上記濃度レベルとこれより1つ低位の上記濃度レベルとの間の上記レベル間境界に対応する上記レベル間しきい値に対し、上記所定の大小関係を満たさないときに、上記現在の濃度レベルよりも低位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生するガス検出装置である。
【0023】
本発明のガス検出装置によれば、最低位の濃度レベル信号の発生期間、つまり最も低位の濃度レベルの期間には、センサ出力値を用いて算出された第1判断対象値が第1しきい値に対し第1大小関係を満たすと、最低位の濃度レベル信号に代えて1つ高位(つまり下から2番目)の濃度レベル信号を発生させる。
一方、最低位の濃度レベル信号より高位の濃度レベル信号の発生期間では、現在の濃度レベルとこれより1つ高位の濃度レベルとの間のレベル間境界に対応するレベル間しきい値に対し、第2判断対象値が所定の大小関係を満たすときには、現在よりも高位の濃度レベル信号を発生させる。例えば第2判断対象値がレベル間しきい値よりも大きいという関係を満たす場合に、より高位の濃度レベル信号を発生させる。
これとは逆に、現在の濃度レベルとこれより1つ低位の濃度レベルとの間のレベル間境界に対応するレベル間しきい値に対し、第2判断対象値が所定の大小関係を満たすときには、現在よりも低位の濃度レベル信号を発生させる。
【0024】
つまり、特定ガスの濃度が低い場合(最低位の濃度レベルの場合)と、これよりも濃度が高い場合(最低位より高位の濃度レベルの場合)とで、異なる算出手法によって算出した第1判断対象値及び第2判断対象値を用いて、第1大小関係あるいは所定の大小関係を判断をする。従って、濃度レベルが最低位の場合とそれよりも高位の場合とで、ガス濃度に応じた適切な条件で判断することができる。
しかも、ガス濃度が高い場合には、複数の濃度レベルを判定する。つまり全体として3種以上の濃度レベルに合わせた信号を発生することができる。このため、さらにそれぞれの濃度レベル信号に応じて適切な条件でフラップを開閉するなど、より適切な制御が可能となる。
【0025】
その解決手段は、特定ガスの濃度に応じてセンサ抵抗が変化するガスセンサ素子を用いるガス検出装置であって、上記ガスセンサ素子に通電して、そのセンサ抵抗値変化に応じたセンサ出力電位を出力するセンサ抵抗値変換回路であって、上記特定ガスの濃度が上昇したときに上記センサ出力電位が上昇するセンサ抵抗値変換回路と、所定時間毎に上記センサ出力電位をA/D変換してセンサ出力値を取得するA/D変換手段と、上記センサ出力値から下記式(1)に従ってベース値を算出する第1ベース値算出手段と、
B(n)=B(n−1)+k1{S(n)−B(n−1)} …(1)
但し、S(n)はセンサ出力値、B(n)はベース値、k1は第1係数であり、0<k1<1、nは時系列の順序を示す整数、上記センサ出力値S(n)とベース値B(n)とから下記式(2)に従って差分値D(n)を算出する差分値算出手段と、
D(n)=S(n)−B(n) …(2)
但し、D(n)は差分値、濃度低信号と濃度高信号のいずれかを発生する濃度信号発生手段であって、上記差分値が所定の濃度しきい値よりも大きいときに、上記濃度高信号を発生する濃度信号発生手段と、上記濃度高信号の発生期間中、上記式(1)に代えて、上記センサ出力値S(n)から下記式(3)に従ってベース値B(n)を算出する第2ベース値算出手段と、
B(n)=B(n−1)+k2{S(n)−B(n−1)} …(3)
但し、k2は第2係数であり、0≦k2<k1<1、を備えるガス検出装置である。
【0026】
まず、ベース値B(n)について説明する。センサ出力値S(n)の変動に対して、上記式(1)または(3)に従って算出されるベース値B(n)は、これに追従して変化する(但し係数k2≠0とき)。ここで、ベース値B(n)は係数k1,k2の値を変化させると、センサ出力値S(n)に対する追従の程度が変化する性質を有し、係数k1,k2が大きく(1に近く)なるとベース値B(n)がセンサ出力値S(n)に対して素早く追従する。逆に係数k1,k2が小さく(0に近く)なるとベース値B(n)の変化は緩慢になり、センサ出力値S(n)に対してゆっくりと追従する。係数k2=0の場合には、ベース値B(n)は一定になり、センサ出力値S(n)に追従しなくなる。従って、係数k2が低い場合、あるいはk2=0の場合には、ベース値B(n)は、過去のセンサ出力値S(n)やベース値B(n)の影響を大きく受けた値となる。
【0027】
本発明のガス検出装置は、センサ抵抗値変換回路及びA/D変換手段のほか、このような性質を有するベース値B(n)を算出する第1,第2ベース値算出手段を有し、2つの算出手段を途中で切り替えながらベース値を算出する。このうち、第1ベース値算出手段では比較的大きな第1係数k1(k1>k2)を用いるので、ベース値B(n)はセンサ出力値S(n)に若干遅れながらも比較的迅速に追従する。従って、第1ベース値算出手段でベース値を算出している間、つまり、特定ガスの濃度が低いままであるなど、センサ出力値に対する変化が少なく、濃度低信号を発生している場合には、差分値D(n)(=S(n)−B(n))はあまり大きな値にならない。また、温度変動などによって緩やかにセンサ出力値が変動した場合には、ベース値B(n)も追従して変化するため、温度変化などによるドリフトの影響も抑制することができる。しかし、特定ガスの濃度が上昇してセンサ出力値S(n)が、速く大きく変化(上昇)すると、ベース値B(n)が十分追従できないために差分値D(n)が大きくなる。この大きさが濃度しきい値を超えると濃度信号発生手段で濃度低信号に代えて濃度高信号を発生する。それと共に、ベース値B(n)の算出に第2ベース値算出手段を用いるようにする。
【0028】
一方、第2ベース値算出手段で用いる第2係数k2は、比較的小さい(0≦k2<k1)ので、ベース値B(n)の変化は緩慢になって、センサ出力値に対する追従は比較的ゆっくりになる。あるいはベース値B(n)が変化しなくなる(k2=0のとき)。比較的小さな第2係数k2を用いて算出したベース値は、上記したように、過去のセンサ出力値やベース値の影響を受けた値、具体的にはベース値B(n)の算出式を(1)式から(3)式に切り替えた時点の直前に(1)式で算出したベース値の影響を受けた値、従って、切替前のセンサ出力値やベース値の影響を受けた値になっている。典型的には、k2=0とした場合には、ベース値B(n)は切替直前のベース値を維持することから容易に理解できる。つまり、第2ベース値算出手段で算出したベース値B(n)は、センサ出力値S(n)に緩慢に追従しながらも、即ち徐々に近づきながらも、あるいは一定値を保って、特定ガスの濃度が上昇する直前の状態を反映あるいは維持することになる。
よって、現在のセンサ出力値S(n)と第2ベース値算出手段で算出したベース値B(n)との差である差分値D(n)が表す値は、現在、つまり特定ガスの濃度が上昇した後の状態と、過去、つまり濃度が上昇する前の状態とを比較した値となる。
このため、特定ガスの濃度が再び低下してセンサ出力値S(n)が低下したときには、このベース値B(n)との差分値D(n)によって、特定ガスの濃度が低下したことが容易に判定できる。具体的には、濃度信号発生手段で濃度高信号に代えて濃度低信号を発生する。しかも、係数k2によってベース値B(n)の追従の緩急を調整することができるので、適切な濃度低下の時期を捉えることができる。
【0029】
さらに、濃度高信号に代えて濃度低信号を発生させるのと同期して、ベース値B(n)を第2ベース値算出手段に代えて、第1係数k1を用いる第1ベース値算出手段で算出する。これにより、ベース値B(n)は再びセンサ出力値S(n)に比較的早く追従するようになる。従って、その後に再び特定ガスの濃度が上昇しても、迅速にまた確実に濃度の上昇を検出することができる。
このように本発明のガス検出装置によれば、ベース値B(n)を算出するに当たって、異なる2つの係数k1,k2を用い、式(1)と式(3)の互いに異なる算出手法を用いている。このため、係数k1,k2をそれぞれ調整することにより、濃度の上昇時期に及び下降時期それぞれに適した条件を設定することができる。
なお、第1係数k1及び第2係数k2は、A/D変換手段におけるサンプリング周期や、センサ出力値S(n)の変動域などをも考慮して適宜選択すればよい。
【0030】
さらに、上記ガス検出装置であって、前記所定の濃度しきい値に代えて、濃度高しきい値と、上記濃度高しきい値よりも小さな濃度低しきい値と、を有し、前記濃度信号発生手段は、前記濃度低信号の発生期間中に前記差分値が上記濃度高しきい値よりも大きくなると、上記濃度低信号に代えて上記濃度高信号を発生し、上記濃度高信号発生期間中に前記差分値が上記濃度低しきい値よりも小さくなると、上記濃度高信号に代えて濃度低信号を発生するガス検出装置とすると良い。
【0031】
本発明のガス検出装置では、濃度高しきい値と濃度低しきい値の2つのしきい値を有しており、濃度低信号に代えて濃度高信号を発生するに際しては濃度高しきい値によって判断し、また、濃度高信号に代えて濃度低信号を発生するに際しては、濃度高しきい値よりも小さい濃度低しきい値によって判断する。このため、差分値D(n)がこれらのしきい値に近い値となったときに、わずかな差分値の変動によって濃度高信号と濃度低信号とが頻繁に入れ替わるチャタリングが防止される。
【0032】
他の解決手段は、特定ガスの濃度に応じてセンサ抵抗が変化するガスセンサ素子を用いるガス検出装置であって、上記ガスセンサ素子に通電して、そのセンサ抵抗値変化に応じたセンサ出力電位を出力するセンサ抵抗値変換回路であって、上記特定ガスの濃度が上昇したときに上記センサ出力電位が上昇するセンサ抵抗値変換回路と、所定時間毎に上記センサ出力電位をA/D変換してセンサ出力値を取得するA/D変換手段と、上記センサ出力値から下記式(1)に従ってベース値を算出する第1ベース値算出手段と、
B(n)=B(n−1)+k1{S(n)−B(n−1)} …(1)
但し、S(n)はセンサ出力値、B(n)はベース値、k1は第1係数であり、0<k1<1、nは時系列の順序を示す整数、上記センサ出力値とベース値とから下記式(2)に従って差分値を算出する差分値算出手段と、
D(n)=S(n)−B(n) …(2)
但し、D(n)は差分値、複数の濃度レベルにそれぞれ対応する複数の濃度レベル信号を切り替えて発生する濃度レベル信号切替発生手段であって、上記複数の濃度レベル同士間のレベル間境界と1対1に対応する複数のレベル間しきい値であって、高位の上記濃度レベル間境界に対応する上記レベル間しきい値ほど大きな値であるレベル間しきい値を有し、現在の上記濃度レベルとこれより1つ高位の上記濃度レベルとの間の上記レベル間境界に対応する上記レベル間しきい値よりも、上記差分値が大きいときに、上記現在の濃度レベルよりも高位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生し、現在の上記濃度レベルとこれより1つ低位の上記濃度レベルとの間の上記レベル間境界に対応する上記レベル間しきい値よりも、上記差分値が小さいときに、上記現在の濃度レベルよりも低位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生する濃度レベル信号切替発生手段と、上記濃度レベル信号切替発生手段で、所定の上記濃度レベルよりも高位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号の発生期間中、上記式(1)に代えて、上記センサ出力値から下記式(3)に従ってベース値を算出する第2ベース値算出手段と、
B(n)=B(n−1)+k2{S(n)−B(n−1)} …(3)
但し、k2は第2係数であり、0≦k2<k1<1、を備えるガス検出装置である。
【0033】
本発明のガス検出装置でも センサ抵抗値変換回路及びA/D変換手段のほか、ベース値B(n)を算出する第1,第2ベース値算出手段を有し、2つの算出手段を途中で切り替えながらベース値を算出する。第1ベース値算出手段では第1係数k1を用いるので、ベース値B(n)はセンサ出力値S(n)に若干遅れながらも比較的迅速に追従する。まず、第1ベース値算出手段でベース値を算出している間、つまり、特定ガスの濃度が低いままであるなど、変化が少ない場合には、差分値D(n)(=S(n)−B(n))はあまり大きな値にならない。また、温度変動などによって緩やかにセンサ出力値が変動した場合には、ベース値B(n)も追従して変化するため、温度変化などによるドリフトの影響も抑制することができる。しかし、特定ガスの濃度が上昇してセンサ出力値S(n)が大きく変化(上昇)すると、ベース値B(n)が十分追従できないために差分値D(n)が大きくなり、この差分値D(n)が複数あるレベル間しきい値のいくつかを超えると、現在の濃度レベル、即ち、現在発生している濃度レベル信号に対応する濃度レベルよりも高位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号を発生する。つまり濃度レベル信号のランクを上げる。また、所定の濃度レベルよりも高位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号の発生期間中には、ベース値B(n)の算出に第2ベース値算出手段を用いるようにする。
【0034】
一方、第2ベース値算出手段で使用する第2係数k2は比較的小さい(0≦k2<k1)ので、ベース値B(n)の変化は緩慢になって、センサ出力値に対する追従は比較的ゆっくりになる。あるいはベース値B(n)が変化しなくなる(k2=0のとき)。比較的小さな第2係数k2を用いて算出したベース値B(n)は、上記したように、過去のセンサ出力値やベース値の影響を受けた値、具体的にはベース値B(n)の算出式を(1)式から(3)式に切り替えた時点の直前に(1)式で算出したベース値の影響を受けた値、従って、切り替え前のセンサ出力値やベース値の影響を受けた値になっている。つまり、第2ベース値算出手段で算出したベース値B(n)は、センサ出力値S(n)に緩慢に追従しながらも即ち徐々に近づきながらも、あるいは一定値を保って、特定ガスの濃度が上昇する直前の状態を反映あるいは維持することになる。
従って、この第2ベース値算出手段で算出したベース値B(n)と現在のセンサ出力値S(n)との差である差分値D(n)を用いれば、現在の特定ガスの濃度のレベルを、過去、具体的にはベース値B(n)の算出式を(1)式から(3)式に切り替えた時点の濃度を基準として判定することができる。
【0035】
そこで、差分値D(n)の変動により、現在発生している濃度レベル信号に対応する濃度レベルとは異なる濃度レベルに判定された場合には、濃度レベル信号を切り替える。つまり、特定ガスの濃度が低下あるいは上昇してセンサ出力値S(n)が低下あるいは上昇したときにも、この差分値D(n)によって特定ガスの濃度が低下あるいは上昇したことが容易に判定できる。しかも、係数k1,k2によってベース値B(n)の追従の緩急を調整することができるので、適切な濃度上昇あるいは低下の時期を捉えることができる。
例えば、特定ガスの濃度が低下して差分値D(n)が低位の濃度レベルに相当する値となった場合には、現在発生している濃度レベル信号に対応する濃度レベルよりも低位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号を発生する。つまり、濃度レベル信号のランクを下げる。逆に特定ガスの濃度が上昇して差分値D(n)が高位の濃度レベルに相当する値となった場合には、現在発生している濃度レベル信号に対応する濃度レベルよりも高位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号を発生する。つまり、濃度レベル信号のランクを上げる。
なお、濃度レベル信号のランクの上下は、第2ベース値算出手段でベース値B(n)を算出している場合にも行われる。
【0036】
さらに、所定の上記濃度レベルよりも高位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号の発生期間中に、差分値D(n)が、所定の濃度レベル以下の濃度レベルに対応する値となった場合には、ベース値B(n)を第2ベース値算出手段に代えて、再び第1ベース値算出手段で算出する。これにより、ベース値B(n)は再びセンサ出力値S(n)に比較的早く追従するようになる。従って、その後に再び特定ガスの濃度が上昇しても、迅速にまた確実に濃度の上昇を検出することができる。
なお、第1係数k1及び第2係数k2は、A/D変換手段におけるサンプリング周期や、センサ出力値S(n)の変動域などによって適宜選択すればよい。
【0037】
このように本発明のガス検出装置では、ベース値B(n)を算出するに当たって、異なる2つの係数k1,k2を用い、式(1)と式(3)の互いに異なる算出手法を用いている。このため、係数k1,k2をそれぞれ調整することにより、濃度の上昇時期に及び下降時期にそれぞれ適した条件を設定することができる。
本発明のガス検出装置では、濃度レベル信号切替発生手段で、複数の濃度レベルにそれぞれ対応する複数の濃度レベル信号を切り替えて発生するので、特定ガスの濃度の高低だけでなく、より細かな濃度レベルに対応した濃度レベル信号を発生することができる。このため、このガス検出装置を用いたオートベンチレーションシステムにおけるフラップ制御や、空気清浄機の制御システムにおけるファン制御など、各種の制御システムにおいて、特定ガスの濃度レベルに応じたより細かな制御を行わせることができる。
【0038】
さらに、上記ガス検出装置であって、前記濃度レベル信号切替発生手段は、前記現在の濃度レベルとこれより1つ高位の前記濃度レベルとの間の前記レベル間境界に対応する前記レベル間しきい値よりも、前記差分値が大きいときに、発生する前記濃度レベル信号として、上記1つ高位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生し、前記現在の濃度レベルとこれより1つ低位の前記濃度レベルとの間の前記レベル間境界に対応する前記レベル間しきい値よりも、前記差分値が小さいときに、発生する前記濃度レベル信号として、上記1つ低位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生するガス検出装置とすると良い。
【0039】
本発明のガス検出装置では、差分値が大きくなって現在よりも濃度レベルを上げるときに、発生する濃度レベル信号として1つ高位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号を発生する。つまり、濃度レベルを1ランク上げる。また、差分値が小さくなって現在よりも濃度レベルを下げるときに、発生する濃度レベル信号として1つ低位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号を発生する。つまり、濃度レベルを1ランク下げる。
このように濃度レベル信号を1つずつ高位あるいは低位に変化させすることで、出力される濃度レベル信号の急変を避けることができる。
【0040】
あるいは、上記ガス検出装置であって、前記濃度レベル信号切替発生手段は、前記現在の濃度レベルとこれより1つ高位の前記濃度レベルとの間の前記レベル間境界に対応する前記レベル間しきい値よりも、前記差分値が大きいときに、発生する前記濃度レベル信号として、上記差分値が超えた上記レベル間しきい値に対応する1又は複数の上記濃度レベル間境界のうち、最も高位の上記濃度レベル間境界の高位側に位置する上記濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生し、前記現在の濃度レベルとこれより1つ低位の前記濃度レベルとの間の前記レベル間境界に対応する前記レベル間しきい値よりも、前記差分値が小さいときに、発生する前記濃度レベル信号として、上記差分値が下回った上記レベル間しきい値に対応する1又は複数の上記濃度レベル間境界のうち、最も低位の上記濃度レベル間境界の低位側に位置する上記濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生するガス検出装置とすると良い。
【0041】
本発明のガス検出装置では、差分値が大きくなって現在よりも濃度レベルを上げるときに、差分値D(n)に応じた濃度レベルに対応する濃度レベル信号を発生する。つまり、算出された差分値D(n)に対応する濃度レベルに変更する。また、差分値が小さくなって現在よりも濃度レベルを下げるときにも、差分値D(n)に応じた濃度レベルに対応する濃度レベル信号を発生する。つまり、算出された差分値D(n)に対応する濃度レベルに変更する。
このように濃度レベル信号を得られた差分値D(n)に対応したものに変化させすることで、常に、差分値D(n)、従って、特定ガスの濃度に応じた濃度レベル信号を出力することができる。
【0042】
さらに他の解決手段は、特定ガスの濃度に応じてセンサ抵抗が変化するガスセンサ素子を用いるガス検出装置であって、上記ガスセンサ素子に通電して、そのセンサ抵抗値変化に応じたセンサ出力電位を出力するセンサ抵抗値変換回路であって、上記特定ガスの濃度が上昇したときに上記センサ出力電位が上昇するセンサ抵抗値変換回路と、所定時間毎に上記センサ出力電位をA/D変換してセンサ出力値を取得するA/D変換手段と、上記センサ出力値から下記式(1)に従ってベース値を算出する第1ベース値算出手段と、
B(n)=B(n−1)+k1{S(n)−B(n−1)} …(1)
但し、S(n)はセンサ出力値、B(n)はベース値、k1は第1係数であり、0<k1<1、nは時系列の順序を示す整数、上記センサ出力値とベース値とから下記式(2)に従って差分値を算出する差分値算出手段と、
D(n)=S(n)−B(n) …(2)
但し、D(n)は差分値、複数の濃度レベルにそれぞれ対応する複数の濃度レベル信号を切り替えて発生する濃度レベル信号切替発生手段であって、上記複数の濃度レベル同士間のレベル間境界と1対1に対応する複数のレベルアップしきい値であって、高位の上記濃度レベル間境界に対応する上記レベルアップしきい値ほど大きな値であるレベルアップしきい値と、上記複数の濃度レベル間境界と1対1に対応する複数のレベルダウンしきい値であって、高位の上記濃度レベル間境界に対応する上記レベルダウンしきい値ほど大きな値であり、同位の上記濃度レベル間境界に対応する上記レベルアップしきい値よりも小さな値であるレベルダウンしきい値と、を有し、現在の上記濃度レベルとこれより1つ高位の上記濃度レベルとの間の上記レベル間境界に対応する上記レベルアップしきい値よりも、上記差分値が大きいときに、上記現在発生している上記濃度レベル信号に対応する上記濃度レベルよりも高位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生し、現在の上記濃度レベルとこれより1つ低位の上記濃度レベルとの間の上記レベル間境界に対応する上記レベルダウンしきい値よりも、上記差分値が小さいときに、上記現在発生している上記濃度レベル信号に対応する上記濃度レベルよりも低位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生する濃度レベル信号切替発生手段と、上記濃度レベル信号切替発生手段で、所定の上記濃度レベルよりも高位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号の発生期間中、上記式(1)に代えて、上記センサ出力値から下記式(3)に従ってベース値を算出する第2ベース値算出手段と、
B(n)=B(n−1)+k2{S(n)−B(n−1)} …(3)
但し、k2は第2係数であり、0≦k2<k1<1、を備えるガス検出装置である。
【0043】
本発明のガス検出装置でも センサ抵抗値変換回路及びA/D変換手段のほか、ベース値B(n)を算出する第1,第2ベース値算出手段を有し、2つの算出手段を途中で切り替えながらベース値を算出する。第1ベース値算出手段では第1係数k1を用いるので、ベース値B(n)はセンサ出力値S(n)に若干遅れながらも比較的迅速に追従する。まず、第1ベース値算出手段でベース値を算出している間、つまり、特定ガスの濃度が低いままであるなど、センサ出力値に対する変化が少ない場合には、差分値D(n)はあまり大きな値にならない。しかし、特定ガスの濃度が上昇してセンサ出力値S(n)が大きく変化(上昇)すると、ベース値B(n)が十分追従できないために差分値D(n)が大きくなり、この差分値D(n)が複数あるレベルアップしきい値のいくつかを超えると濃度レベル信号切替発生手段でそれに対応する濃度レベル信号を発生する。また、所定の濃度レベルよりも高位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号の発生期間中には、ベース値B(n)の算出に第2ベース値算出手段を用いるようにする。
【0044】
第2ベース値算出手段で使用する第2係数k2は比較的小さい(0≦k2<k1)ので、ベース値B(n)の変化は緩慢になって、センサ出力値に対する追従は比較的ゆっくりになる。あるいはベース値B(n)が変化しなくなる(k2=0のとき)。比較的小さな第2係数k2を用いて算出したベース値B(n)は、上記したように、過去のセンサ出力値やベース値の影響を受けた値、具体的にはベース値B(n)の算出式を(1)式から(3)式に切り替えた時点の直前に(1)式で算出したベース値の影響を受けた値、従って、切替前のセンサ出力値やベース値の影響を受けた値になっている。つまり、第2ベース値算出手段で算出したベース値B(n)は、センサ出力値S(n)に緩慢に追従しながらも即ち徐々に近づきながらも、あるいは一定値を保って、特定ガスの濃度が上昇する直前の状態を反映あるいは維持することになる。
従って、この第2ベース値算出手段で算出したベース値B(n)と現在のセンサ出力値S(n)との差である差分値D(n)を用いれば、現在の特定ガスの濃度のレベルを、過去、具体的にはベース値B(n)の算出式を(1)式から(3)式に切り替えた時点の濃度を基準として判定することができる。
【0045】
そこで、差分値D(n)の変動により、現在発生している濃度レベル信号に対応する濃度レベルとは異なる濃度レベルに判定された場合には、濃度レベル信号を切り替える。つまり、特定ガスの濃度が低下あるいは上昇してセンサ出力値S(n)が低下あるいは上昇したときにも、この差分値D(n)によって特定ガスの濃度が低下あるいは上昇したことが容易に判定できる。
例えば、特定ガスの濃度が低下して差分値D(n)が低位の濃度レベルに相当する値となった場合には、現在発生している濃度レベル信号に対応する濃度レベルよりも低位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号を発生する。つまり、濃度レベル信号のランクを下げる。逆に特定ガスの濃度が上昇して差分値D(n)が高位の濃度レベルに相当する値となった場合には、現在発生している濃度レベル信号に対応する濃度レベルよりも高位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号を発生する。つまり、濃度レベル信号のランクを上げる。
なお、濃度レベル信号のランクの上下は、第2ベース値算出手段でベース値B(n)を算出している場合にも行われる。
【0046】
さらに、所定の濃度レベル以下の濃度レベルとなった場合には、ベース値B(n)を第2ベース値算出手段に代えて、再び第1ベース値算出手段で算出する。これにより、ベース値B(n)は再びセンサ出力値S(n)に比較的早く追従するようになる。従って、その後に再び特定ガスの濃度が上昇しても、迅速にまた確実に濃度の上昇を検出することができる。
なお、第1係数k1及び第2係数k2は、A/D変換手段におけるサンプリング周期や、センサ出力値S(n)の変動域などによって適宜選択すればよい。
【0047】
このように、本発明のガス検出装置では、濃度レベル信号切替発生手段で、複数の濃度レベルにそれぞれ対応する複数の濃度レベル信号を切り替えて発生するので、特定ガスの濃度の高低だけでなく、より細かな濃度レベルに対応した濃度レベル信号を発生することができる。このため、このガス検出装置を用いたオートベンチレーションシステムにおけるフラップ制御や、空気清浄機の制御システムにおけるファン制御など、各種の制御システムにおいて、特定ガスの濃度レベルに応じたより細かな制御を行わせることができる。
このように本発明のガス検出装置では、ベース値B(n)を算出するに当たって、異なる2つの係数k1,k2を用い、式(1)と式(3)の互いに異なる算出手法を用いている。このため、係数k1,k2をそれぞれ調整することにより、濃度の上昇時期に及び下降時期にそれぞれ適した条件を設定することができる。
また、濃度レベル信号発生に際しては、濃度レベル間境界に対応するレベルアップしきい値と、同位の上記濃度レベル間境界に対応する上記レベルアップしきい値よりも小さな値のレベルダウンしきい値とを用いて濃度レベルを判断しているので、差分値D(n)がしきい値に近い値となったときに、濃度レベル信号が頻繁に変わるチャタリングが防止される。
【0048】
さらに、上記ガス検出装置であって、前記濃度レベル信号切替発生手段は、前記現在の濃度レベルとこれより1つ高位の前記濃度レベルとの間の前記レベル間境界に対応する前記レベルアップしきい値よりも、前記差分値が大きいときに、発生する前記濃度レベル信号として、上記1つ高位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生し、前記現在の濃度レベルとこれより1つ低位の前記濃度レベルとの間の前記レベル間境界に対応する前記レベルダウンしきい値よりも、前記差分値が小さいときに、発生する前記濃度レベル信号として、上記1つ低位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生するガス検出装置とすると良い。
【0049】
本発明のガス検出装置では、差分値が大きくなって現在よりも濃度レベルを上げるときに、発生する濃度レベル信号として1つ高位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号を発生する。つまり、濃度レベルを1ランク上げる。また、差分値が小さくなって現在よりも濃度レベルを下げるときに、発生する濃度レベル信号として1つ低位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号を発生する。つまり、濃度レベルを1ランク下げる。
このように濃度レベル信号を1つずつ高位あるいは低位に変化させることで、出力される濃度レベル信号の急変を避けることができる。
【0050】
あるいは、上記ガス検出装置であって、前記濃度レベル信号切替発生手段は、前記現在の濃度レベルとこれより1つ高位の前記濃度レベルとの間の前記レベル間境界に対応する前記レベルアップしきい値よりも、前記差分値が大きいときに、前記濃度レベル信号として、上記差分値が超えた上記レベルアップしきい値に対応する1又は複数の上記濃度レベル間境界のうち、最も高位の上記濃度レベル間境界の高位側に位置する上記濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生し、前記現在の濃度レベルとこれより1つ低位の前記濃度レベルとの間の前記レベル間境界に対応する前記レベルダウンしきい値よりも、前記差分値が小さいときに、前記濃度レベル信号として、上記差分値が下回った上記レベルダウンしきい値に対応する1又は複数の上記濃度レベル間境界のうち、最も低位の上記濃度レベル間境界の低位側に位置する上記濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生するガス検出装置とすると良い。
【0051】
本発明のガス検出装置では、差分値が大きくなって現在よりも濃度レベルを上げるときに、差分値D(n)に応じた濃度レベルに対応する濃度レベル信号を発生する。つまり、算出された差分値D(n)に対応する濃度レベルに変更する。また、差分値が小さくなって現在よりも濃度レベルを下げるときにも、差分値D(n)に応じた濃度レベルに対応する濃度レベル信号を発生する。つまり、算出された差分値D(n)に対応する濃度レベルに変更する。
このように濃度レベル信号を得られた差分値D(n)に対応したものに変化させることで、常に、差分値D(n)、従って、特定ガスの濃度に応じた濃度レベル信号を出力することができる。
【0052】
さらに、上記いずれかに記載のガス検出装置であって、前記第2ベース値算出手段における前記所定の濃度レベルは、前記濃度レベル信号切替発生手段が有する前記複数の濃度レベルのうち、最も低位の濃度レベルであるガス検出装置とすると良い。
【0053】
ベース値B(n)を算出するにあたって、本発明のように第2ベース値算出手段を使用するのを最も低位の濃度レベルよりも高位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号の発生期間中とすると、特定ガスの濃度が最も低い濃度レベルから、それより1つ上の濃度レベルに上がる時点での濃度を基準として、以降のベース値B(n)が算出される。このため、最も低位の濃度レベルを基準として用いることができるから、特定ガスの濃度の高低をより正確に比較することができるようになる。
【0054】
さらに、上記いずれかに記載のガス検出装置であって、前記第2係数k2は、k2>0であるガス検出装置とすると良い。
【0055】
本発明のガス検出装置では、第2係数k2が0より大きい(k2>0)。このため、特定ガスの濃度高信号の発生期間中に第2ベース値算出手段で算出されるベース値B(n)は、一定ではなく、緩慢ではあるがセンサ出力値S(n)に追従して変化する。
ガスセンサ素子は、前記したように、特定ガスの濃度変化だけでなく、温度や湿度などの環境や風速などによっても影響され、特定ガスの濃度は一定の場合でも、センサ出力値S(n)が徐々に変化することがある。もし、特定ガスの濃度が上昇して、その後に濃度が低下するまでの期間、具体的には、ベース値B(n)の算出を第1ベース値算出手段から第2ベース値算出手段に変更している期間中に、センサ出力値S(n)が大きくなる方向にドリフトが生じると、特定ガスの濃度が上昇前と同レベルにまで低下した場合でも、ドリフトによりセンサ出力値S(n)は、上昇前の値よりも大きな値までしか低下しない。ここで、第2係数k2=0とした場合には、式(3)によればベース値B(n)は変化しない(B(n)=B(n−1))ので、差分値D(n)も上昇前の値よりも大きな値までしか低下しない。従って、実際には特定ガスの濃度が十分低下しているのに、差分値D(n)が大きいため特定ガスの濃度が高いと誤判定されて、ガス濃度の低下が判別できない不具合が生じる危険性がある。このため、車両用オートベンチレーションシステムや空気清浄機の制御システムに本発明のガス検出装置を用いた場合には、長時間にわたってフラップが閉じたままとなったりファンが高回転となったりして、適切な制御ができにくくなる。
【0056】
これに対し、本発明では、k2>0としているので、緩慢ではあるがベース値B(n)がセンサ出力値S(n)に追従するから、たとえセンサ出力値S(n)にドリフトを生じた後に、特定ガスの濃度が低下した場合にも、時間の経過とともに差分値D(n)が徐々に小さくなる。従って、ある程度の時間が経過すると、必ず濃度低信号を発生し、あるいは濃度レベルを低位の濃度レベルにまで引き下げ、これに対応する濃度レベル信号を発生することができる。
従って、車両用オートベンチレーションシステムや空気清浄機の制御システムにおいて、ある程度の時間が経過したときにフラップを開けたりファンを低回転とするなど、適切な制御を行わせることができる。
また、ある程度の時間が経過すると、必ず第2ベース値算出手段に代えて第1ベース値算出手段を用いてベース値B(n)を算出することができるようになるので、再びセンサ出力値S(n)に比較的早く追従するベース値B(n)を算出して、特定ガスの濃度上昇に対してこれを検出できるようになる。
【0057】
さらに他の解決手段は、特定ガスの濃度に応じてセンサ抵抗が変化するガスセンサ素子を用いるガス検出装置であって、上記ガスセンサ素子に通電して、そのセンサ抵抗値変化に応じたセンサ出力電位を出力するセンサ抵抗値変換回路であって、上記特定ガスの濃度が上昇したときに上記センサ出力電位が低下するセンサ抵抗値変換回路と、所定時間毎に上記センサ出力電位をA/D変換してセンサ出力値を取得するA/D変換手段と、上記センサ出力値から下記式(4)に従ってベース値を算出する第3ベース値算出手段と、
B(n)=B(n−1)+k3{S(n)−B(n−1)} …(4)
但し、S(n)はセンサ出力値、B(n)はベース値、k3は第3係数であり、0<k3<1、nは時系列の順序を示す整数、上記センサ出力値S(n)とベース値B(n)とから下記式(5)に従って差分値D(n)を算出する差分値算出手段と、
D(n)=B(n)−S(n) …(5)
但し、D(n)は差分値、濃度低信号と濃度高信号のいずれかを発生する濃度信号発生手段であって、上記差分値が所定の濃度しきい値よりも大きいときに、上記濃度高信号を発生する濃度信号発生手段と、上記濃度高信号の発生期間中、上記式(4)に代えて、上記センサ出力値S(n)から下記式(6)に従ってベース値B(n)を算出する第4ベース値算出手段と、
B(n)=B(n−1)+k4{S(n)−B(n−1)} …(6)
但し、k4は第4係数であり、0≦k4<k3<1、を備えるガス検出装置である。
【0058】
本発明のガス検出装置は、センサ抵抗値変換回路及びA/D変換手段のほか、このような性質を有するベース値B(n)を算出する第3,第4ベース値算出手段を有し、2つの算出手段を途中で切り替えながらベース値を算出する。このうち、第3ベース値算出手段では比較的大きな第3係数k3(k3>k4)を用いるので、ベース値B(n)はセンサ出力値S(n)に若干遅れながらも比較的迅速に追従する。従って、第3ベース値算出手段でベース値を算出している間、つまり、特定ガスの濃度が低いままであるなど、センサ出力値に対する変化が少なく、濃度低信号を発生している場合には、差分値D(n)(=B(n)−S(n))はあまり大きな値にならない。しかし、特定ガスの濃度が上昇してセンサ出力値S(n)が大きく変化(低下)すると、ベース値B(n)が十分追従できないために差分値D(n)が大きくなる。この大きさが濃度しきい値を超えると濃度信号発生手段で濃度低信号に代えて濃度高信号を発生する。それと共に、ベース値B(n)の算出に第4ベース値算出手段を用いるようにする。
【0059】
第4ベース値算出手段で用いる第4係数k4は、比較的小さい(0≦k4<k3)ので、ベース値B(n)の変化は緩慢になって、センサ出力値に対する追従は比較的ゆっくりになる。あるいはベース値B(n)が変化しなくなる(k4=0のとき)。比較的小さな第4係数k4を用いて算出したベース値は、上記したように、過去のセンサ出力値やベース値の影響を受けた値、具体的にはベース値B(n)の算出式を(4)式から(6)式に切り替えた時点の直前に(4)式で算出したベース値の影響を受けた値、従って、切替前のセンサ出力値やベース値の影響を受けた値になっている。典型的には、k4=0とした場合には、ベース値B(n)は切替直前のベース値を維持することから容易に理解できる。つまり、第4ベース値算出手段で算出したベース値B(n)は、センサ出力値S(n)に緩慢に追従しながらも即ち徐々に近づきながらも、あるいは一定値を保って、特定ガスの濃度が上昇する直前の状態を反映あるいは維持することになる。
よって、現在のセンサ出力値S(n)と第4ベース値算出手段で算出したベース値B(n)との差である差分値D(n)が表す値は、現在、つまり特定ガスの濃度が上昇した後の状態と、過去、つまり濃度が上昇する前の状態とを比較した値となる。
このため、特定ガスの濃度が再び低下してセンサ出力値S(n)が上昇場したときには、このベース値B(n)との差分値D(n)によって、特定ガスの濃度が低下したことが容易に判定できる。具体的には、濃度信号発生手段で濃度高信号に代えて濃度低信号を発生する。
【0060】
さらに、濃度高信号に代えて濃度低信号を発生させるのと同期して、ベース値B(n)を第4ベース値算出手段に代えて、第3係数k3を用いる第3ベース値算出手段で算出する。これにより、ベース値B(n)は再びセンサ出力値S(n)に比較的早く追従するようになる。従って、その後に再び特定ガスの濃度が上昇しても、迅速にまた確実に濃度の上昇を検出することができる。
なお、第3係数k3及び第4係数k4は、A/D変換手段におけるサンプリング周期や、センサ出力値S(n)の変動域などによって適宜選択すればよい。
【0061】
さらに上記ガス検出装置であって、前記所定の濃度しきい値に代えて、濃度高しきい値と、上記濃度高しきい値よりも小さな濃度低しきい値と、を有し、前記濃度信号発生手段は、前記濃度低信号の発生期間中に前記差分値が上記濃度高しきい値よりも大きくなると、上記濃度低信号に代えて上記濃度高信号を発生し、上記濃度高信号発生期間中に前記差分値が上記濃度低しきい値よりも小さくなると、上記濃度高信号に代えて濃度低信号を発生するガス検出装置とすると良い。
【0062】
本発明のガス検出装置では、濃度高しきい値と濃度低しきい値の2つのしきい値を有しており、濃度低信号に代えて濃度高信号を発生するに際しては濃度高しきい値によって判断し、また、濃度高信号に代えて濃度低信号を発生するに際しては、濃度高しきい値よりも小さい濃度低しきい値によって判断する。このため、差分値D(n)がこれらのしきい値に近い値となったときに、わずかな差分値の変動によって濃度高信号と濃度低信号とが頻繁に入れ替わるチャタリングが防止される。
【0063】
さらに他の解決手段は、特定ガスの濃度に応じてセンサ抵抗が変化するガスセンサ素子を用いるガス検出装置であって、上記ガスセンサ素子に通電して、そのセンサ抵抗値変化に応じたセンサ出力電位を出力するセンサ抵抗値変換回路であって、上記特定ガスの濃度が上昇したときに上記センサ出力電位が低下するセンサ抵抗値変換回路と、所定時間毎に上記センサ出力電位をA/D変換してセンサ出力値を取得するA/D変換手段と、上記センサ出力値から下記式(4)に従ってベース値を算出する第3ベース値算出手段と、
B(n)=B(n−1)+k3{S(n)−B(n−1)} …(4)
但し、S(n)はセンサ出力値、B(n)はベース値、k3は第3係数であり、0<k3<1、nは時系列の順序を示す整数、上記センサ出力値とベース値とから下記式(5)に従って差分値を算出する差分値算出手段と、
D(n)=B(n)−S(n) …(5)
但し、D(n)は差分値、複数の濃度レベルにそれぞれ対応する複数の濃度レベル信号を切り替えて発生する濃度レベル信号切替発生手段であって、上記複数の濃度レベル同士間のレベル間境界と1対1に対応する複数のレベル間しきい値であって、高位の上記濃度レベル間境界に対応する上記レベル間しきい値ほど大きな値であるレベル間しきい値を有し、現在の上記濃度レベルとこれより1つ高位の上記位濃度レベルとの間の上記レベル間境界に対応する上記レベル間しきい値よりも、上記差分値が大きいときに、上記現在の濃度レベルよりも高位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生し、現在の上記濃度レベルとこれより1つ低位の上記濃度レベルとの間の上記レベル間境界に対応する上記レベル間しきい値よりも、上記差分値が小さいときに、上記現在の濃度レベルよりも低位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生する濃度レベル信号切替発生手段と、上記濃度レベル信号切替発生手段で、所定の上記濃度レベルよりも高位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号の発生期間中、上記式(4)に代えて、上記センサ出力値から下記式(6)に従ってベース値を算出する第4ベース値算出手段と、
B(n)=B(n−1)+k4{S(n)−B(n−1)} …(6)
但し、k4は第4係数であり、0≦k4<k3<1、を備えるガス検出装置である。
【0064】
本発明のガス検出装置でも センサ抵抗値変換回路及びA/D変換手段のほか、ベース値B(n)を算出する第3,第4ベース値算出手段を有し、2つの算出手段を途中で切り替えながらベース値を算出する。第3ベース値算出手段では比較的大きい第3係数k3(k3>k4)を用いるので、ベース値B(n)はセンサ出力値S(n)に若干遅れながらも比較的迅速に追従する。まず、第3ベース値算出手段でベース値を算出している間、つまり、特定ガスの濃度が低いままであるなど、変化が少ない場合には、差分値D(n)(=B(n)−S(n))はあまり大きな値にならない。しかし、特定ガスの濃度が上昇してセンサ出力値S(n)が大きく変化(低下)すると、ベース値B(n)が十分追従できないために差分値D(n)が大きくなり、この差分値D(n)が複数あるレベル間しきい値のいくつかを超えると、現在の濃度レベル、即ち、現在発生している濃度レベル信号に対応する濃度レベルよりも高位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号を発生する。つまり濃度レベル信号のランクを上げる。また、所定の濃度レベルよりも高位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号の発生期間中には、ベース値B(n)の算出に第4ベース値算出手段を用いるようにする。
【0065】
第4ベース値算出手段で使用する第4係数k4は比較的小さい(0≦k4<k3)ので、ベース値B(n)の変化は緩慢になって、センサ出力値に対する追従は比較的ゆっくりになる。あるいはベース値B(n)が変化しなくなる(k4=0のとき)。比較的小さな第4係数k4を用いて算出したベース値B(n)は、上記したように、過去のセンサ出力値やベース値の影響を受けた値、具体的にはベース値B(n)の算出式を(4)式から(6)式に切り替えた時点の直前に(4)式で算出したベース値の影響を受けた値、従って、切替前のセンサ出力値やベース値の影響を受けた値になっている。つまり、第4ベース値算出手段で算出したベース値B(n)は、センサ出力値S(n)に緩慢に追従しながらも即ち徐々に近づきながらも、あるいは一定値を保って、特定ガスの濃度が上昇する直前の状態を反映あるいは維持することになる。
従って、この第4ベース値算出手段で算出したベース値B(n)と現在のセンサ出力値S(n)との差である差分値D(n)を用いれば、現在の特定ガスの濃度のレベルを、過去、具体的にはベース値B(n)の算出式を(4)式から(6)式に切り替えた時点の濃度を基準として判定することができる。
【0066】
そこで、差分値D(n)の変動により、現在発生している濃度レベル信号に対応する濃度レベルとは異なる濃度レベルに判定された場合には、濃度レベル信号を切り替える。つまり、特定ガスの濃度が低下あるいは上昇してセンサ出力値S(n)が低下あるいは上昇したときにも、この差分値D(n)によって特定ガスの濃度が低下あるいは上昇したことが容易に判定できる。
例えば、特定ガスの濃度が低下して差分値D(n)が低位の濃度レベルに相当する値となった場合には、現在発生している濃度レベル信号に対応する濃度レベルよりも低位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号を発生する。つまり、濃度レベル信号のランクを下げる。逆に特定ガスの濃度が上昇して差分値D(n)が高位の濃度レベルに相当する値となった場合には、現在発生している濃度レベル信号に対応する濃度レベルよりも高位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号を発生する。つまり、濃度レベル信号のランクを上げる。
なお、濃度レベル信号のランクの上下は、第4ベース値算出手段でベース値B(n)を算出している場合にも行われる。
【0067】
さらに、所定の上記濃度レベルよりも高位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号の発生期間中に、差分値D(n)が、所定の濃度レベル以下の濃度レベルに対応する値となった場合には、ベース値B(n)を第4ベース値算出手段に代えて、再び第31ベース値算出手段で算出する。これにより、ベース値B(n)は再びセンサ出力値S(n)に比較的早く追従するようになる。従って、その後に再び特定ガスの濃度が上昇しても、迅速にまた確実に濃度の上昇を検出することができる。
なお、第3係数k3及び第4係数k4は、A/D変換手段におけるサンプリング周期や、センサ出力値S(n)の変動域などによって適宜選択すればよい。
【0068】
本発明のガス検出装置では、濃度レベル信号切替発生手段で、複数の濃度レベルにそれぞれ対応する複数の濃度レベル信号を切り替えて発生するので、特定ガスの濃度の高低だけでなく、より細かな濃度レベルに対応した濃度レベル信号を発生することができる。このため、このガス検出装置を用いたオートベンチレーションシステムにおけるフラップ制御や、空気清浄機の制御システムにおけるファン制御など、各種の制御システムにおいて、特定ガスの濃度レベルに応じたより細かな制御を行わせることができる。
【0069】
さらに、上記ガス検出装置であって、前記濃度レベル信号切替発生手段は、前記現在の濃度レベルとこれより1つ高位の前記濃度レベルとの間の前記レベル間境界に対応する前記レベル間しきい値よりも、前記差分値が大きいときに、発生する前記濃度レベル信号として、上記1つ高位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生し、前記現在の濃度レベルとこれより1つ低位の前記濃度レベルとの間の前記レベル間境界に対応する前記レベル間しきい値よりも、前記差分値が小さいときに、発生する前記濃度レベル信号として、上記1つ低位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生するガス検出装置とすると良い。
【0070】
本発明のガス検出装置では、差分値が大きくなって現在よりも濃度レベルを上げるときに、発生する濃度レベル信号として1つ高位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号を発生する。つまり、濃度レベルを1ランク上げる。また、差分値が小さくなって現在よりも濃度レベルを下げるときに、発生する濃度レベル信号として1つ低位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号を発生する。つまり、濃度レベルを1ランク下げる。
このように濃度レベル信号が1つずつ高位あるいは低位に変化することで、出力される濃度レベル信号の急変を避けることができる。
【0071】
あるいは、上記ガス検出装置であって、前記濃度レベル信号切替発生手段は、前記現在の濃度レベルとこれより1つ高位の前記濃度レベルとの間の前記レベル間境界に対応する前記レベル間しきい値よりも、前記差分値が大きいときに、発生する前記濃度レベル信号として、上記差分値が超えた上記レベル間しきい値に対応する1又は複数の上記濃度レベル間境界のうち、最も高位の上記濃度レベル間境界の高位側に位置する上記濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生し、前記現在の濃度レベルとこれより1つ低位の前記濃度レベルとの間の前記レベル間境界に対応する前記レベル間しきい値よりも、前記差分値が小さいときに、発生する前記濃度レベル信号として、上記差分値が下回った上記レベル間しきい値に対応する1又は複数の上記濃度レベル間境界のうち、最も低位の上記濃度レベル間境界の低位側に位置する上記濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生するガス検出装置とすると良い。
【0072】
本発明のガス検出装置では、差分値が大きくなって現在よりも濃度レベルを上げるときに、差分値D(n)に応じた濃度レベルに対応する濃度レベル信号を発生する。つまり、算出された差分値D(n)に対応する濃度レベルに変更する。また、差分値が小さくなって現在よりも濃度レベルを下げるときにも、差分値D(n)に応じた濃度レベルに対応する濃度レベル信号を発生する。つまり、算出された差分値D(n)に対応する濃度レベルに変更する。
このように濃度レベル信号を得られた差分値D(n)に対応したものに変化することで、常に、差分値D(n)、従って、特定ガスの濃度に応じた濃度レベル信号を出力することができる。
【0073】
さらに他の解決手段は、特定ガスの濃度に応じてセンサ抵抗が変化するガスセンサ素子を用いるガス検出装置であって、上記ガスセンサ素子に通電して、そのセンサ抵抗値変化に応じたセンサ出力電位を出力するセンサ抵抗値変換回路であって、上記特定ガスの濃度が上昇したときに上記センサ出力電位が低下するセンサ抵抗値変換回路と、所定時間毎に上記センサ出力電位をA/D変換してセンサ出力値を取得するA/D変換手段と、上記センサ出力値から下記式(4)に従ってベース値を算出する第3ベース値算出手段と、
B(n)=B(n−1)+k3{S(n)−B(n−1)} …(4)
但し、S(n)はセンサ出力値、B(n)はベース値、k3は第3係数であり、0<k3<1、nは時系列の順序を示す整数、上記センサ出力値とベース値とから下記式(5)に従って差分値を算出する差分値算出手段と、
D(n)=B(n)−S(n) …(5)
但し、D(n)は差分値、複数の濃度レベルにそれぞれ対応する複数の濃度レベル信号を切り替えて発生する濃度レベル信号切替発生手段であって、上記複数の濃度レベル同士間のレベル間境界と1対1に対応する複数のレベルアップしきい値であって、高位の上記濃度レベル間境界に対応する上記レベルアップしきい値ほど大きな値であるレベルアップしきい値と、上記複数の濃度レベル間境界と1対1に対応する複数のレベルダウンしきい値であって、高位の上記濃度レベル間境界に対応する上記レベルダウンしきい値ほど大きな値であり、同位の上記濃度レベル間境界に対応する上記レベルアップしきい値よりも小さな値であるレベルダウンしきい値と、を有し、現在の上記濃度レベルとこれより1つ高位の上記位濃度レベルとの間の上記レベル間境界に対応する上記レベルアップしきい値よりも、上記差分値が大きいときに、上記現在発生している上記濃度レベル信号に対応する上記濃度レベルよりも高位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生し、現在の上記濃度レベルとこれより1つ低位の上記濃度レベルとの間の上記レベル間境界に対応する上記レベルダウンしきい値よりも、上記差分値が小さいときに、上記現在発生している上記濃度レベル信号に対応する上記濃度レベルよりも低位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生する濃度レベル信号切替発生手段と、上記濃度レベル信号切替発生手段で、所定の上記濃度レベルよりも高位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号の発生期間中、上記式(4)に代えて、上記センサ出力値から下記式(6)に従ってベース値を算出する第4ベース値算出手段と、
B(n)=B(n−1)+k4{S(n)−B(n−1)} …(6)
但し、k4は第4係数であり、0≦k4<k3<1、を備えるガス検出装置である。
【0074】
本発明のガス検出装置でも センサ抵抗値変換回路及びA/D変換手段のほか、ベース値B(n)を算出する第3,第4ベース値算出手段を有し、2つの算出手段を途中で切り替えながらベース値を算出する。第3ベース値算出手段では第3係数k3を用いるので、ベース値B(n)はセンサ出力値S(n)に若干遅れながらも比較的迅速に追従する。まず、第3ベース値算出手段でベース値を算出している間、つまり、特定ガスの濃度が低いままであるなど、センサ出力値に対する変化が少ない場合には、差分値D(n)はあまり大きな値にならない。しかし、特定ガスの濃度が上昇してセンサ出力値S(n)が大きく変化(低下)すると、ベース値B(n)が十分追従できないために差分値D(n)が大きくなり、この差分値D(n)が複数あるレベルアップしきい値のいくつかを超えると濃度レベル信号切替発生手段でそれに対応する濃度レベル信号を発生する。また、所定の濃度レベルよりも高位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号の発生期間中には、ベース値B(n)の算出に第4ベース値算出手段を用いるようにする。
【0075】
第4ベース値算出手段で使用する第4係数k4は比較的小さい(0≦k4<k3)ので、ベース値B(n)の変化は緩慢になって、センサ出力値に対する追従は比較的ゆっくりになる。あるいはベース値B(n)が変化しなくなる(k4=0のとき)。比較的小さな第4係数k4を用いて算出したベース値B(n)は、上記したように、過去のセンサ出力値やベース値の影響を受けた値、具体的にはベース値B(n)の算出式を(4)式から(6)式に切り替えた時点の直前に(4)式で算出したベース値の影響を受けた値、従って、切替前のセンサ出力値やベース値の影響を受けた値になっている。つまり、第4ベース値算出手段で算出したベース値B(n)は、センサ出力値S(n)に徐々に近づきながらも、あるいは一定値を保って、特定ガスの濃度が上昇する直前の状態を反映あるいは維持することになる。
従って、この第4ベース値算出手段で算出したベース値B(n)と現在のセンサ出力値S(n)との差である差分値D(n)を用いれば、現在の特定ガスの濃度のレベルを、過去、具体的にはベース値B(n)の算出式を(4)式から(6)式に切り替えた時点の濃度を基準として判定することができる。
【0076】
そこで、差分値D(n)の変動により、現在発生している濃度レベル信号に対応する濃度レベルとは異なる濃度レベルに判定された場合には、濃度レベル信号を切り替える。つまり、特定ガスの濃度が低下あるいは上昇してセンサ出力値S(n)が低下あるいは上昇したときにも、この差分値D(n)によって特定ガスの濃度が低下あるいは上昇したことが容易に判定できる。
例えば、特定ガスの濃度が低下して差分値D(n)が低位の濃度レベルに相当する値となった場合には、現在発生している濃度レベル信号に対応する濃度レベルよりも低位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号を発生する。つまり、濃度レベル信号のランクを下げる。逆に特定ガスの濃度が上昇して差分値D(n)が高位の濃度レベルに相当する値となった場合には、現在発生している濃度レベル信号に対応する濃度レベルよりも高位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号を発生する。つまり、濃度レベル信号のランクを上げる。
なお、濃度レベル信号のランクの上下は、第4ベース値算出手段でベース値B(n)を算出している場合にも行われる。
【0077】
さらに、所定の濃度レベル以下の濃度レベルとなった場合には、ベース値B(n)を第4ベース値算出手段に代えて、再び第3ベース値算出手段で算出する。これにより、ベース値B(n)は再びセンサ出力値S(n)に比較的早く追従するようになる。従って、その後に再び特定ガスの濃度が上昇しても、迅速にまた確実に濃度の上昇を検出することができる。
なお、第3係数k3及び第4係数k4は、A/D変換手段におけるサンプリング周期や、センサ出力値S(n)の変動域などによって適宜選択すればよい。
【0078】
このように、本発明のガス検出装置では、濃度レベル信号切替発生手段で、複数の濃度レベルにそれぞれ対応する複数の濃度レベル信号を切り替えて発生するので、特定ガスの濃度の高低だけでなく、より細かな濃度レベルに対応した濃度レベル信号を発生することができる。このため、このガス検出装置を用いたオートベンチレーションシステムにおけるフラップ制御や、空気清浄機の制御システムにおけるファン制御など、各種の制御システムにおいて、特定ガスの濃度レベルに応じたより細かな制御を行わせることができる。
また、濃度レベル信号発生に際しては、濃度レベル間境界に対応するレベルアップしきい値と、同位の上記濃度レベル間境界に対応する上記レベルアップしきい値よりも小さな値のレベルダウンしきい値とを用いて濃度レベルを判断しているので、差分値D(n)がしきい値に近い値となったときに、濃度レベル信号が頻繁に変わるチャタリングが防止される。
【0079】
さらに、上記ガス検出装置であって、前記濃度レベル信号切替発生手段は、前記現在の濃度レベルとこれより1つ高位の前記濃度レベルとの間の前記レベル間境界に対応する前記レベルアップしきい値よりも、前記差分値が大きいときに、前記濃度レベル信号として、上記1つ高位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生し、前記現在の濃度レベルとこれより1つ低位の前記濃度レベルとの間の前記レベル間境界に対応する前記レベルダウンしきい値よりも、前記差分値が小さいときに、前記濃度レベル信号として、上記1つ低位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生するガス検出装置とすると良い。
【0080】
本発明のガス検出装置では、差分値が大きくなって現在よりも濃度レベルを上げるときに、発生する濃度レベル信号として1つ高位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号を発生する。つまり、濃度レベルを1ランク上げる。また、差分値が小さくなって現在よりも濃度レベルを下げるときに、発生する濃度レベル信号として1つ低位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号を発生する。つまり、濃度レベルを1ランク下げる。
このように濃度レベル信号を1つずつ高位あるいは低位に変化することで、出力される濃度レベル信号の急変を避けることができる。
【0081】
あるいは、上記ガス検出装置であって、前記濃度レベル信号切替発生手段は、前記現在の濃度レベルとこれより1つ高位の前記濃度レベルとの間の前記レベル間境界に対応する前記レベルアップしきい値よりも、前記差分値が大きいときに、前記濃度レベル信号として、上記差分値が超えた上記レベルアップしきい値に対応する1又は複数の上記濃度レベル間境界のうち、最も高位の上記濃度レベル間境界の高位側に位置する上記濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生し、前記現在の濃度レベルとこれより1つ低位の前記濃度レベルとの間の前記レベル間境界に対応する前記レベルダウンしきい値よりも、前記差分値が小さいときに、前記濃度レベル信号として、上記差分値が下回った上記レベルダウンしきい値に対応する1又は複数の上記濃度レベル間境界のうち、最も低位の上記濃度レベル間境界の低位側に位置する上記濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生するガス検出装置とすると良い。
【0082】
本発明のガス検出装置では、差分値が大きくなって濃度レベルを上げるときに、差分値D(n)に応じた濃度レベルに対応する濃度レベル信号を発生する。つまり、算出された差分値D(n)に対応する濃度レベルに変更する。また、差分値が小さくなって濃度レベルを下げるときにも、差分値D(n)に応じた濃度レベルに対応する濃度レベル信号を発生する。つまり、算出された差分値D(n)に対応する濃度レベルに変更する。
このように濃度レベル信号を得られた差分値D(n)に対応したものに変化することで、常に、差分値D(n)、従って、特定ガスの濃度に応じた濃度レベル信号を出力することができる。
【0083】
さらに、上記いずれかに記載のガス検出装置であって、前記第4ベース値算出手段における前記所定の濃度レベルは、前記濃度レベル信号切替発生手段が有する前記複数の濃度レベルのうち、最も低位の濃度レベルであるガス検出装置とすると良い。
【0084】
ベース値B(n)を算出するにあたって、本発明のように第4ベース値算出手段を使用するのを最も低位の濃度レベルよりも高位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号の発生期間中とすると、特定ガスの濃度が最も低い濃度レベルから、それより1つ上の濃度レベルに上がる時点での濃度を基準として、以降のベース値B(n)が算出される。このため、最も低位の濃度レベルを基準として用いることができるから、特定ガスの濃度の高低をより正確に比較することができるようになる。
【0085】
さらに、上記いずれかに記載のガス検出装置であって、前記第4係数k4は、k4>0であるガス検出装置とすると良い。
【0086】
本発明のガス検出装置では、第4係数k4が0より大きい(k4>0)。このため、特定ガスの濃度高信号の発生期間中に第4ベース値算出手段で算出されるベース値B(n)は、一定ではなく、緩慢ではあるがセンサ出力値S(n)に追従して変化する。
ガスセンサ素子は、前記したように、特定ガスの濃度変化だけでなく、温度や湿度などの環境や風速などによっても影響され、特定ガスの濃度は一定の場合でも、センサ出力値S(n)が徐々に変化することがある。もし、特定ガスの濃度が上昇して、その後に濃度が低下するまでの期間、具体的には、ベース値B(n)の算出を第3ベース値算出手段から第4ベース値算出手段に変更している期間中に、センサ出力値S(n)が小さくなる方向にドリフトが生じると、特定ガスの濃度が上昇前と同レベルにまで上昇した場合でも、ドリフトによりセンサ出力値S(n)は、上昇前の値よりも小さな値までしか上昇しない。ここで、第4係数k4=0とした場合には、式(6)によればベース値B(n)は変化しない(B(n)=B(n−1))ので、差分値D(n)はガス濃度上昇前の値よりも大きな値までしか低下しない。従って、実際には特定ガスの濃度が十分低下しているのに、差分値D(n)が大きいため特定ガスの濃度が高いと誤判定されて、ガス濃度の低下が判別できない不具合が生じる危険性がある。このため、車両用オートベンチレーションシステムや空気清浄機の制御システムに本発明のガス検出装置を用いた場合には、長時間にわたってフラップが閉じたままとなったりファンが高回転となったりして、適切な制御ができにくくなる。
【0087】
これに対し、本発明では、k4>0としているので、緩慢ではあるがベース値B(n)がセンサ出力値S(n)に追従するから、たとえセンサ出力値S(n)にドリフトを生じた後に、特定ガスの濃度が低下した場合にも、時間の経過とともに差分値D(n)が徐々に小さくなる。従って、ある程度の時間が経過すると、必ず濃度低信号を発生し、あるいは濃度レベルを低位の濃度レベルにまで引き下げてこれに対応する濃度レベル信号を発生することができる。
従って、車両用オートベンチレーションシステムや空気清浄機の制御システムにおいて、ある程度の時間が経過したときにフラップを開けたりファンを低回転とするなど、適切な制御を行わせることができる。
また、ある程度の時間が経過すると、必ず第4ベース値算出手段に代えて第3ベース値算出手段を用いてベース値B(n)を算出することができるようになるので、再びセンサ出力値S(n)に比較的早く追従するベース値B(n)を算出して、特定ガスの濃度上昇に対してこれを検出できるようになる。
【0088】
さらに他の解決手段は、特定ガスの濃度に応じてセンサ抵抗が変化するガスセンサ素子を用いるガス検出装置であって、上記ガスセンサ素子に通電して、そのセンサ抵抗値変化に応じたセンサ出力電位を出力するセンサ抵抗値変換回路であって、上記特定ガスの濃度が上昇したときに上記センサ出力電位が上昇するセンサ抵抗値変換回路と、所定時間毎に上記センサ出力電位をA/D変換してセンサ出力値を取得するA/D変換手段と、上記センサ出力値から下記式(7)に従って微分値を算出する微分値算出手段と、
V(n)=S(n)−S(n−1) …(7)
但し、S(n)はセンサ出力値、V(n)は微分値、nは時系列の順序を示す整数、上記センサ出力値S(n)から下記式(8)に従ってベース値B(n)を算出するベース値算出手段と、
B(n)=B(n−1)+k{S(n)−B(n−1)} …(8)
但し、kは係数であり、0<k<1、上記センサ出力値S(n)とベース値B(n)とから下記式(9)に従って差分値D(n)を算出する差分値算出手段と、
D(n)=S(n)−B(n) …(9)
濃度低信号と濃度高信号のいずれかを発生する濃度信号発生手段であって、上記濃度低信号の発生期間中、上記微分値V(n)が第1しきい値よりも大きいときに、上記濃度高信号を発生し、上記濃度高信号の発生期間中、上記差分値D(n)が第2しきい値よりも小さいときに、上記濃度低信号を発生する濃度信号発生手段と、を備えるガス検出装置である。
【0089】
式(7)によって求めた微分値V(n)は、センサ出力値S(n)と1つ前の値S(n−1)との差、つまり変化量を表す。従って、たとえばセンサ出力値が大きく上昇すると、直ちに大きな値となる。このため、ガス濃度が上昇したときにセンサ出力電位が上昇する特性のセンサ抵抗値変換回路を用いる場合には、この微分値V(n)を用いるとともに、温度や湿度等の環境の影響によるセンサ出力値の変動を考慮して任意に設定される第1しきい値と上記微分値V(n)とを比較することで、温度や湿度等の環境の影響を軽減させつつ、ガス濃度上昇の初期段階で濃度上昇を捉えることができる。一方、ベース値B(n)については、前記したように、センサ出力値S(n)の変動に対して追従して変化する性質を有する。
【0090】
本発明のガス検出装置は、センサ抵抗値変換回路及びA/D変換手段のほか、このような性質を有する微分値V(n)を算出する微分値算出手段、ベース値B(n)を算出するベース値算出手段、差分値算出手段を有し、濃度低信号と濃度高信号とを切り替えて発生する。即ち、濃度低信号の発生期間中で、微分値が第1しきい値よりも大きいときに、濃度高信号を発生する。
一方、濃度高信号発生期間中で、差分値D(n)が第2しきい値よりも小さいときに、濃度低信号を発生する。ここで、ベース値B(n)はセンサ出力値S(n)に若干遅れながら追従する。従って、センサ出力値S(n)が大きくなる方向にドリフトが生じても、時間の経過とともに差分値D(n)が徐々に小さくなる。このため、差分値D(n)がついには第2しきい値より小さくなって、必ず濃度低信号を発生することができる。このようにして、ガス濃度が低下した場合には、センサ出力S(n)及びベース値B(n)を用いて算出した差分値D(n)によって、ガス濃度の低下を検知することができる。しかもベース値を算出する際の係数kによって、センサ出力値に対するベース値の追従の緩急を調整できる。
【0091】
さらに他の解決手段は、特定ガスの濃度に応じてセンサ抵抗が変化するガスセンサ素子を用いるガス検出装置であって、上記ガスセンサ素子に通電して、そのセンサ抵抗値変化に応じたセンサ出力電位を出力するセンサ抵抗値変換回路であって、上記特定ガスの濃度が上昇したときに上記センサ出力電位が低下するセンサ抵抗値変換回路と、所定時間毎に上記センサ出力電位をA/D変換してセンサ出力値を取得するA/D変換手段と、上記センサ出力値から下記式(10)に従って微分値を算出する微分値算出手段と、
V(n)=S(n−1)−S(n) …(10)
但し、S(n)はセンサ出力値、V(n)は微分値、nは時系列の順序を示す整数、上記センサ出力値S(n)から下記式(11)に従ってベース値B(n)を算出するベース値算出手段と、
B(n)=B(n−1)+k{S(n)−B(n−1)} …(11)
但し、kは係数であり、0<k<1、上記センサ出力値S(n)とベース値B(n)とから下記式(12)に従って差分値D(n)を算出する差分値算出手段と、
D(n)=B(n)−S(n) …(12)
濃度低信号と濃度高信号のいずれかを発生する濃度信号発生手段であって、上記濃度低信号の発生期間中、上記微分値V(n)が第1しきい値よりも大きいときに、上記濃度高信号を発生し、上記濃度高信号の発生期間中、上記差分値D(n)が第2しきい値よりも小さいときに、上記濃度低信号を発生する濃度信号発生手段と、を備えるガス検出装置である。
【0092】
式(10)によって求めた微分値V(n)は、現在より1つ前のセンサ出力値S(n−1)と現在のセンサ出力値S(n)との差、つまり変化量を表す。但し、前記式(7)とは正負反転した値である。従って、たとえばセンサ出力値が大きくすると、直ちに大きな値となる。このため、ガス濃度上昇したときにセンサ出力電位が低下する特性のセンサ抵抗値変換回路を用いる場合には、この微分値V(n)を用いるとともに、温度や湿度等の環境の影響によるセンサ出力値の変動を考慮して任意に設定される第1しきい値と上記微分値V(n)とを比較することで、温度や湿度等の環境の影響を軽減させつつ、ガス濃度上昇の初期段階で濃度上昇を捉えることができる。一方、ベース値B(n)については、前記したように、センサ出力値S(n)の変動に対して追従して変化する性質を有する。また、式(12)によって求めた差分値D(n)は、前記式(9)とは逆に、ベース値からセンサ出力値を差し引いた値である。
【0093】
本発明のガス検出装置は、センサ抵抗値変換回路及びA/D変換手段のほか、このような性質を有する微分値V(n)を算出する微分値算出手段、ベース値B(n)を算出するベース値算出手段、差分値算出手段を有し、濃度低信号と濃度高信号とを切り替えて発生する。即ち、濃度低信号の発生期間中で、微分値が第1しきい値よりも大きいときに、濃度高信号を発生する。上記したように、微分値を用いることで、温度や湿度などの環境の影響を軽減しつつ、ガス濃度上昇の初期段階で濃度上昇を捉えることができる。
【0094】
一方、濃度高信号発生期間中で、差分値D(n)が第2しきい値よりも小さいときに、濃度低信号を発生する。ここで、ベース値B(n)はセンサ出力値S(n)に若干遅れながら追従することから、上記したように、ガス濃度が低下した場合には、センサ出力S(n)及びベース値B(n)を用いて算出した差分値D(n)によって、ガス濃度の低下を検知することができる。しかもベース値を算出する際の係数kによって、センサ出力値に対するベース値の追従の緩急を調整できる。
【0095】
さらに他の解決手段は、特定ガスの濃度に応じてセンサ抵抗が変化するガスセンサ素子を用いるガス検出装置であって、上記ガスセンサ素子に通電して、そのセンサ抵抗値変化に応じたセンサ出力電位を出力するセンサ抵抗値変換回路であって、上記特定ガスの濃度が上昇したときに上記センサ出力電位が上昇するセンサ抵抗値変換回路と、所定時間毎に上記センサ出力電位をA/D変換してセンサ出力値を取得するA/D変換手段と、新しいものから遡ってm個分の上記センサ出力値から下記式(13)に従ってm個移動平均値を算出する移動平均値算出手段と、
Md(n)={S(n)+S(n−1)+…+S(n−(m−1))}…(13)
但し、S(n)はセンサ出力値、Md(n)はm個移動平均値、nは時系列の順序を示す整数、mは移動平均値のサンプル数、上記センサ出力値S(n)とm個移動平均値Md(n)とから下記式(14)に従って第1差分値D(n)を算出する第1差分値算出手段と、
D(n)=S(n)−Md(n) …(14)
上記センサ出力値S(n)から下記式(15)に従ってベース値B(n)を算出するベース値算出手段と、
B(n)=B(n−1)+k{S(n)−B(n−1)} …(15)
但し、kは係数であり、0<k<1、上記センサ出力値S(n)とベース値B(n)とから下記式(16)に従って第2差分値D2(n)を算出する第2差分値算出手段と、
D2(n)=S(n)−B(n) …(16)
濃度低信号と濃度高信号のいずれかを発生する濃度信号発生手段であって、上記濃度低信号の発生期間中、上記第1差分値D(n)が第1しきい値よりも大きいときに、上記濃度高信号を発生し、上記濃度高信号の発生期間中、上記第2差分値D2(n)が第2しきい値よりも小さいときに、上記濃度低信号を発生する濃度信号発生手段と、を備えるガス検出装置である。
【0096】
m個移動平均値Md(n)は、過去m個分のセンサ出力値S(n)〜S(n−(m−1))の平均値である。このM個移動平均値Md(n)は、センサ出力値S(n)に緩やかに追従する。従って、例えば、ドリフト等によって、センサ出力値が緩やかに上昇するときには、これに追従して変化するが、センサ出力値が素早く変化したときには十分追従できないので、第1差分値が大きな値となる。ベース値B(n)についても、前記したように、センサ出力値S(n)の変動に対して追従して変化する。
【0097】
本発明のガス検出装置は、センサ抵抗値変換回路及びA/D変換手段のほか、このような性質を有するm個移動平均値Md(n)を算出する移動平均値算出手段、ベース値B(n)を算出するベース値算出手段、第1差分値算出手段、及び第2差分値算出手段を有し、濃度低信号と濃度高信号を切り替えて発生する。即ち、濃度低信号の発生期間中で、第1差分値が第1しきい値よりも大きいときに、濃度高信号を発生する。上記したように、移動平均値及びこれから算出した第1差分値を用いることで、ガス濃度上昇を捉えることができる。
一方、濃度高信号発生期間中で、第2差分値が第2しきい値よりも小さいときに、濃度低信号を発生する。ベース値はセンサ出力値に若干遅れながら追従する。従って、濃度が低下する期間には、センサ出力値に対してベース値が遅れて変化するから第2差分値は徐々に小さくなり、ついには第2しきい値よりも小さくなる。このようにして、ガス濃度が低下した場合には、第2差分値によって、ガス濃度の低下を検知することができる。しかもベース値を算出する際の係数kによって、センサ出力値に対するベース値の追従の緩急を調整できる。
【0098】
このように、このガス検出装置では、ガス濃度の上昇段階では、移動平均値及びこれを用いた第1差分値の算出によって濃度上昇を確実に捉えることができ、一方、ガス濃度の低下段階では、ベース値及びこれを用いた第2差分値の算出によって、適切な濃度低下の時期を捉えることができる。
【0099】
さらに、特定ガスの濃度に応じてセンサ抵抗が変化するガスセンサ素子を用いるガス検出装置であって、上記ガスセンサ素子に通電して、そのセンサ抵抗値変化に応じたセンサ出力電位を出力するセンサ抵抗値変換回路であって、上記特定ガスの濃度が上昇したときに上記センサ出力電位が低下するセンサ抵抗値変換回路と、所定時間毎に上記センサ出力電位をA/D変換してセンサ出力値を取得するA/D変換手段と、新しいものから遡ってm個分の上記センサ出力値から下記式(17)に従ってm個移動平均値を算出する移動平均値算出手段と、
Md(n)={S(n)+S(n−1)+…+S(n−(m−1))}…(17)
但し、S(n)はセンサ出力値、Md(n)はm個移動平均値、nは時系列の順序を示す整数、mは移動平均のサンプル数、上記センサ出力値S(n)とm個移動平均値Md(n)とから下記式(18)に従って第1差分値D(n)を算出する第1差分値算出手段と、
D(n)=Md(n)−S(n) …(18)
上記センサ出力値S(n)から下記式(19)に従ってベース値B(n)を算出するベース値算出手段と、
B(n)=B(n−1)+k{S(n)−B(n−1)} …(19)
但し、kは係数であり、0<k<1、上記センサ出力値S(n)とベース値B(n)とから下記式(20)に従って第2差分値D2(n)を算出する第2差分値算出手段と、
D2(n)=B(n)−S(n) …(20)
濃度低信号と濃度高信号のいずれかを発生する濃度信号発生手段であって、上記濃度低信号の発生期間中、上記第1差分値D(n)が第1しきい値よりも大きいときに、上記濃度高信号を発生し、上記濃度高信号の発生期間中、上記第2差分値D2(n)が第2しきい値よりも小さいときに、上記濃度低信号を発生する 濃度信号発生手段と、を備えるガス検出装置である。
【0100】
m個移動平均値Md(n)は、過去m個分のセンサ出力値S(n)〜S(n−(m−1))の平均値である。m個移動平均値Md(n)は、センサ出力値S(n)に緩やかに追従する、従って、例えば、ドリフト等によってセンサ出力値が緩やかに上昇するときには、これに追従して変化するが、センサ出力値が素早く変化したときには十分追従できないので、第1差分値が大きな値となる。ベース値B(n)についても、前記したように、センサ出力値S(n)の変動に対して追従して変化する。
但し、ガス濃度上昇したときにセンサ出力電位が低下する特性のセンサ抵抗値変換回路を用いるので、式(18)によって求めた第1差分値D(n)、及び式(20)によって求めた第2差分値D2(n)は、前記式(14)あるいは(16)とは逆に、数値の取り扱いを容易にするため、移動平均値またはベース値からセンサ出力値を差し引いた値としてある。
【0101】
本発明のガス検出装置は、センサ抵抗値変換回路及びA/D変換手段のほか、このような性質を有するm個移動平均値Md(n)を算出する移動平均値算出手段、ベース値B(n)を算出するベース値算出手段、第1差分値算出手段、及び第2差分値算出手段を有し、濃度低信号と濃度高信号を切り替えて発生する。即ち、濃度低信号の発生期間中で、第1差分値が第1しきい値よりも大きいときに、濃度高信号を発生する。上記したように、移動平均値及びこれから算出した第1差分値を用いることで、ノイズの影響を抑制して、ガス濃度上昇を捉えることができる。
【0102】
一方、濃度高信号発生期間中で、第2差分値が第2しきい値よりも小さいときに、濃度低信号を発生する。ベース値はセンサ出力値に若干遅れながら追従する。従って、濃度が低下する期間には、センサ出力値に対してベース値が遅れて変化するから第2差分値は徐々に小さくなり、ついには第2しきい値よりも小さくなる。このようにして、ガス濃度が低下した場合には、第2差分値によって、ガス濃度の低下を検知することができる。しかもベース値を算出する際の係数kによって、センサ出力値に対するベース値の追従の緩急を調整できる。
【0103】
このように、このガス検出装置でも、ガス濃度の上昇段階では、移動平均値及びこれを用いた第1差分値の算出によって濃度上昇を確実に捉えることができ、一方、ガス濃度の低下段階では、ベース値及びこれを用いた第2差分値の算出によって、適切な濃度低下の時期を捉えることができる。
【0104】
さらに上記いずれかに記載のガス検出装置を含む車両用オートベンチレーションシステムとすると良い。
【0105】
本発明の車両用オートベンチレーションシステムは、特定ガスの濃度変化に応じて、濃度高信号及び濃度低信号、あるいは濃度レベル信号を適切に発生するので、これを用いて適切にベンチレーションを行うことができる。
【0106】
さらに、外気導入口の開閉装置と、上記いずれかに記載のガス検出装置と、前記濃度信号が濃度低信号であるときに、上記外気導入口の開閉装置を全開とし、前記濃度信号が濃度高信号であるときに、上記外気導入口の開閉装置を全閉とする開閉指示信号を出力する開閉指示手段と、を備える車両用オートベンチレーションシステムとすると良い。
【0107】
この車両用オートベンチレーションシステムでは、特定ガスの濃度に応じて、上記ガス検出装置が濃度低信号及び濃度高信号を発生し、濃度低信号を発生している時には、開閉装置を全開とし、濃度高信号を発生しているときには、開閉装置を全閉とする開閉支持信号を出力する。このため、特定ガスの濃度に応じて、適切に開閉装置を開閉することができる。
【0108】
あるいは、外気導入口の開閉装置と、上記いずれかに記載のガス検出装置と、前記濃度レベル信号に応じて、上記外気導入口の開閉装置の開度を指示する開度指示信号を出力する開度指示手段と、を備える車両用オートベンチレーションシステムとすると良い。
【0109】
この車両用オートベンチレーションシステムでは、特定ガスの濃度に応じて、上記ガス検出装置が複数の濃度レベル信号のうち特定ガスに応じた濃度レベル信号を発生する。開度指示手段では、この濃度レベル信号に応じて開閉装置の開度を指示する開度指示信号を出力する。このため、特定ガスの濃度に応じて、適切に開閉装置の開度を調整することができる。
【0110】
なお、開度指示信号は、濃度レベル信号に応じて開閉装置の開度を指示する。この際、複数の濃度レベル信号と開閉装置の開度とが一対一に対応するように設定しても良いが、複数の濃度レベル信号が同一の開度に対応していても良い。たとえば、レベル0〜レベル4の5段階の濃度レベルに対応する5段階の濃度レベル信号がある場合において、レベル0とレベル1に対応した濃度レベル信号に対して、開閉装置の開度を全開とし、レベル2に対応した濃度レベル信号に対して、開閉装置の開度を半開とし、レベル3とレベ4に対応した濃度レベル信号に対して、開閉装置の開度を全閉としても良い。
【0111】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
本発明の第1の実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。図1に本実施形態1のガス検出装置10の回路図及びブロック図と、これを含む車両用オートベンチレーションシステム100の概略構成を示す。
まずガス検出装置10について説明する。このガス検出装置10は、被測定ガス(本実施形態では大気)中にNOxなど酸化性ガス成分がある場合に、この様な特定ガスに反応して酸化性ガス成分の濃度上昇と共にセンサ抵抗値Rsが上昇するタイプの酸化物半導体のガスセンサ素子11を用いるものである。このガスセンサ素子11は自動車の室外に配置される。
このガスセンサ素子11を用い、センサ抵抗値変換回路14、バッファ13、A/D変換回路15からなる取得手段で、センサ出力値S(n)を取得する。具体的には、センサ抵抗値変換回路14は、このガスセンサ素子11のセンサ抵抗値Rsに応じたセンサ出力電位Vsを出力する。具体的には、電源電圧Vccをガスセンサ素子11と検出抵抗値Rdを有する抵抗器12とで分圧した動作点Pdのセンサ出力電位Vsを、バッファ13を介して出力するようになっている。このため、このセンサ抵抗値変換回路14では、NOxなどの酸化性ガスの濃度が上昇すると、センサ抵抗値Rsが上昇し、センサ出力電位Vsが上昇するように構成されている。
バッファ13の出力(センサ出力電位Vs)は、A/D変換回路15に入力されて、所定のサンプリング周期(本実施形態では0.25秒)毎にデジタル化されたセンサ出力値S(n)として出力され、マイクロコンピュータ16の入力端子17に入力される。nは順序を表す一連の整数である。
【0112】
さらにこのマイクロコンピュータ16の出力端子18からは、電子制御アセンブリ20を制御するための濃度高信号と濃度低信号のいずれかの濃度信号LVが出力される。この電子制御アセンブリ20は、自動車の内気循環及び外気取り入れを制御する換気系30のフラップ34を制御するものである。この換気系30は、本実施形態では具体的には、自動車室内につながるダクト31に、二股状に接続された、内気を取り入れ循環させる内気取り入れ用ダクト32と外気を取り入れる外気取り入れ用ダクト33とを切り替えるフラップ34を制御するものである。
電子制御アセンブリ20のうち、フラップ駆動回路21は、マイクロコンピュータ16の出力端子18からの濃度信号LV、本実施形態に即して言えば、NOxなどの酸化性ガス成分の濃度が上昇したか下降したかを示す濃度信号LVに従って、アクチュエータ22を動作させフラップ34を回動させて、内気取り入れ用ダクト32及び外気取り入れ用ダクト33のいずれかをダクト31に接続させる。
【0113】
例えば、図2のフローチャートに示すように、ステップS1で初期設定を行った後、ステップS2で濃度レベル信号LVを取得し、ステップS3で濃度信号LVが濃度高信号であるか否か、つまり濃度高信号発生中であるか否かを判断する。ここで、Noつまり濃度低信号発生中の場合には、特定ガスの濃度が低いのであるから、ステップS4において、フラップ34の全開を指示する。これにより、フラップ34が回動して、外気取り入れ用ダクト33がダクト31に接続され、外気が車室内に取り入れられる。一方、ステップS3においてYesつまり濃度高信号発生中の場合には、車室外の特定ガスの濃度が高いのであるから、ステップS5において、フラップ34の全閉を指示する。これにより、フラップ34が回動して、内気取り入れ用ダクト32がダクト31に接続され、外気導入が遮断されると共に、内気循環となる。
【0114】
ダクト31内には、空気を圧送するファン35が設置されている。なお、フラップ駆動回路21は、濃度信号LVだけに応じてフラップ34を開閉するようにしても良いが、例えば、マイクロコンピュータなどを用い、ガス検出装置10による濃度信号LVの他、図中破線で示すように、例えば室温センサや湿度センサ、外気温センサなどからの情報をも加味して、フラップ34を開閉するようにしても良い。
【0115】
マイクロコンピュータ16では、入力端子17から入力されたセンサ出力値S(n)を後述するフローに従った処理を行うことにより、ガスセンサ素子11のセンサ抵抗値Rsやその変化などから酸化性ガス成分の濃度変化を検出する。マイクロコンピュータ16は、詳細は図示しないが、公知の構成を有し、演算を行うマイクロプロセッサ、プログラムやデータを一時記憶しておくRAM、プログラムやデータを保持するROMなどを含む。また、A/D変換回路15をも含むものを用いることもできる。
【0116】
次いで、マイクロコンピュータ16における制御を、図3のフローチャートに従って説明する。自動車のエンジンが駆動されると、本制御システムが立ち上がる。ガスセンサ素子11が活性状態となるのを待って、まずステップS11で初期設定を行う。初期設定として、ベース値B(0)として、ガスセンサ素子11が活性状態となった当初のセンサ出力値S(0)を記憶しておく(B(0)=S(0))。また、濃度信号LVとして濃度低信号を発生させておく、具体的には濃度信号LVをローレベルとしておく。
その後、ステップS12に進み、センサ信号つまりセンサ出力電位Vsを0.25秒ごとにA/D変換したセンサ出力値S(n)を順次読み込む。次いで、ステップS13において、現時点で濃度信号LVがハイレベル、つまり特定ガス(本実施形態では酸化性ガス)の濃度が高いレベルにあることを示す濃度高信号を発生しているかどうかを判断する。ここで、Noつまり特定ガスの濃度が低く、濃度信号LVがローレベルであり濃度低信号を発生していれば、ステップS14に進む。一方、Yes、つまり特定ガスの濃度が高く濃度信号LVがハイレベルであり濃度高信号を発生していれば、ステップS15に進む。
【0117】
ステップS14では、ベース値B(n)を前回のベース値B(n−1)とセンサ出力値S(n)とを利用して以下の式によって算出しステップS16に進む。B(n)=B(n−1)+k1{S(n)−B(n−1)}、ここで、第1係数k1は、0<k1<1である。
一方、ステップS15では、以下の式を用いて前回のベース値B(n−1)とセンサ出力値S(n)とからベース値B(n)を算出してステップS16に進む。B(n)=B(n−1)+k2{S(n)−B(n−1)}、ここで、第2係数k2は、0≦k2<k1<1である。
前記したように、ベース値B(n)は、使用する係数k1,k2の大きさによってセンサ出力値S(n)に対する追従の程度が異なり、比較的大きな第1係数k1(k1>k2)を用いた場合(ステップS14)には、ベース値B(n)はセンサ出力値S(n)に若干遅れながらも比較的迅速に追従する。一方、比較的小さな第2係数k2(k2<k1)を用いた場合(ステップS15)には、ベース値B(n)の変化が緩慢になり、ゆっくり追従する。
【0118】
従って、ステップS14に代えてステップS15を経由し、算出式を切り替えて第2係数k2を用いてベース値を算出すると、たとえセンサ出力値S(n)が大きく変化していたとしても、算出されたベース値B(n)は、その切替直前ベース値B(n−1)からあまり変化しないことになる。ここで、切替直前のベース値B(n−1)は、ステップS14で第1係数k1を用いて算出したものであるから、その切替前のセンサ出力値S(n−1)に追従した値となっている。従って、このステップS15で算出されたベース値B(n)は、過去、つまり切り替え直前の状態の影響を反映した値となる。
逆に、ステップS15に代えてステップS14を経由し、ベース値の算出式を切り替えて、第1係数k1を用いてベース値を算出すると、ベース値B(n)は、現在のセンサ出力値S(n)に迅速に追従するので、切替以前のベース値やセンサ出力値の影響は少ない値となる。
【0119】
ステップS16では、差分値D(n)をD(n)=S(n)−B(n)の式に従って算出し、ステップS17で濃度しきい値Tと比較する。D(n)>Tとなった場合(Yes)はステップS18に進み、D(n)≦Tとなった場合(No)はステップS19に進む。
【0120】
もし、それまでは濃度低信号を発生している状態(ステップS13でNo)で、D(n)>Tとなった場合(Yes)には、センサ出力値S(n)とこれよりも若干遅れて追従するベース値B(n)との差が大きくなったことを示している。つまり、特定ガス(酸化性ガス)の濃度が上昇したためにセンサ出力値S(n)が上昇したと考えられる。
また、それまでは濃度高信号が発生している状態(ステップS13でYes)で、D(n)>Tとなった場合(Yes)には、現在のセンサ出力値S(n)と、過去の状態、即ち酸化性ガスの濃度が上昇する直前の状態をある程度反映しているベース値B(n)との差が未だに大きいこと、つまり、未だに酸化性ガスの濃度が十分低下していないことを示している。
そこで、ステップS18で特定ガスの濃度高信号を発生する、または濃度高信号の発生を維持する。具体的には、濃度信号LVをハイレベルにする。
【0121】
一方、もし、それまでは濃度低信号を発生している状態(ステップS13でNo)で、D(n)≦Tとなった場合(ステップS17でNo)には、現在のセンサ出力値S(n)とこれよりも若干遅れて追従するベース値B(n)との差が余り大きくなならず、ベース値B(n)が追従していることを示している。つまり、特定ガス(酸化性ガス)の濃度は低いままであると考えられる。
また、それまでは濃度高信号を発生している状態(ステップS13でYes)で、D(n)≦Tとなった場合(ステップS17でNo)には、センサ出力値S(n)と、過去の状態、即ち酸化性ガスの濃度が上昇する直前の状態をある程度反映しているベース値B(n)との差が小さくなったこと、つまり、酸化性ガスの濃度が十分低下したことを示している。
そこで、ステップS19で特定ガスの濃度低信号を発生させる、または発生を維持する。具体的には、濃度信号LVをローレベルにする。
【0122】
その後、ステップS18,S19のいずれからも、ステップS20に進み、ステップS14,S15で算出した前回のベース値B(n)を記憶し、ステップS21でA/Dサンプリングタイムのタイムアップを待った上で、ステップS12に戻る。
なお、特定ガスの濃度が上昇して差分値D(n)が大きくなると、ステップS18で濃度高信号を発生するので、その後は、ステップS13でYesと判断され、ステップS15に進むことで、ベース値B(n)を算出するための係数が切り替えられて、比較的小さな第2係数k2を用いてベース値B(n)が算出される。従って、センサ出力値S(n)に対してベース値B(n)の追従がゆっくりになり、特定ガスの濃度が上昇する時点のベース値に近い値を維持する。このため、ステップS15で算出されるこのベース値B(n)は、比較的特定ガスの濃度が低かった過去の状態を保持していると考えられ、このベース値B(n)を基準として差分値D(n)を算出することで特定ガスの濃度変化を判別できる。
【0123】
また逆に、特定ガスの濃度が低下して差分値D(n)が小さくなると、ステップS19で濃度低信号を発生するので、その後は、ステップS13でNoと判断され、ステップS14に進むことで、ベース値B(n)を算出するための係数が切り替えられて、再び比較的大きな第1係数k1を用いてベース値B(n)が算出される。従って、センサ出力値S(n)に対してベース値B(n)が良く追従するようになる。つまり過去の状態に影響されにくくなる。このため、再び特定ガスの濃度が上昇すると、過去の特定ガスの変動に影響されることなく再び差分値D(n)が大きくなるので、確実に特定ガスの濃度が上昇を捉えて濃度高信号を発生することができる。
【0124】
次いで、NOxの濃度を上昇させその後低下させたときの、図3に示すフローチャートに従った制御により得られるセンサ出力値S(n)、ベース値B(n)、差分値D(n)及び濃度信号LVの変化の例を図4、図5に示す。なお本例は、風洞内にガスセンサ素子11を配置しておき、当初、NOxを含まない清浄空気を所定の風速で流しておく。その後、所定時間だけ、所定濃度のNOxを混入した空気を流したものである。センサ出力値S(n)、ベース値B(n)、差分値D(n)はいずれもマイクロコンピュータ16内で処理される数値であるが、理解を容易にするため、これらの図ではA/D変換前の電圧値に換算して表現した。
まず、第1係数k1=1/16、第2係数k2=0、濃度しきい値T=0.02Vとした場合について説明する。
時刻0〜約35秒においては、清浄空気が流され、センサ出力値S(n)は若干のノイズによる変動はあるものの、ほぼ一定値(約1.0V)に保たれている。時刻約35秒においてNOxの上昇が始まると、それに伴いセンサ出力値S(n)が上昇して、時刻約70〜約210秒の間はほぼ一定の高い値(約1.8V)となり、それ以降、時刻約210〜約300秒において徐々に低下して元のレベル(約1.0V)に戻る様子が分かる。
【0125】
これに対し、ベース値B(n)は、当初時刻0〜約35秒においては、センサ出力値S(n)に追従して若干の変動しながらほぼ一定値を保っている。従って、差分値D(n)は、ほぼ0Vを維持している。ところが、時刻約35秒において、NOxの濃度が上昇すると、センサ出力値S(n)が上昇し始める。すると、ベース値B(n)が完全には追従できないため、差分値D(n)が大きくなり、しきい値T=0.02Vを超えると、濃度信号LVがローレベルからハイレベルに変化し、濃度高信号を発生する状態となる。また、次回以降、ベース値B(n)の算出にk2(=0)が使用される。ステップS15において、k2=0の場合、B(n)=B(n−1)となるので、ベース値B(n)はセンサ出力値S(n)に拘わらず、一定値、つまり、NOxの濃度が上昇する時点でのベース値を維持することになる。従って、図4において、時刻約35〜300秒ではベース値B(n)は一定となっている。
【0126】
その後、NOxの濃度が徐々に低下してセンサ出力値S(n)が低下すると、差分値D(n)も小さくなり、ついに時刻約300秒で濃度しきい値T=0.02Vを下回ると、NOxの濃度が低下したと判断され、濃度信号LVはハイレベルからローレベルに変化し、濃度低信号を発生する状態となる。それとともに、ベース値B(n)は第1係数k1を用いて算出されるので、センサ出力値S(n)に追従して変化する。
従って、もし、図4中に一点鎖線で示すように、再びNOxの濃度が上昇してセンサ出力値S(n)が上昇したとしても、直ちにこれを検知し、濃度信号LVをハイレベルとして濃度高信号を発生することができる。
【0127】
以上では、濃度高信号発生中のベース値B(n)算出に際し、第2係数k2=0とした。しかし、前記したように、ガスセンサ11は、特定ガスの濃度のみならず、温度や湿度、風速などの影響でそのセンサ抵抗値Rsがドリフトする。従って、もし、NOxの濃度が高い状態の間(例えば、時刻約35〜210秒の間)に、センサ抵抗値Rsが高くなる方向にドリフトが生じたとすると、たとえNOxの濃度を低下させ清浄空気を流したとしても、図4中に破線で示すように、センサ出力値S(n)が元のレベル(約1.0V)に戻らず、差分値D(n)が0Vに近づかないことがある。従って、濃度しきい値T=0.02Vを下回らないので、実際には、NOxの濃度が十分低下したのにも拘わらず、濃度信号LVがローレベルにならず、破線で示すようにいつまでも濃度高信号を発生し続けることがあり得る。
【0128】
そこで、第2係数k2>0とすることがより好ましい。図5に、第2係数k2=1/2048とした他は、上記と同様とした場合の結果について示す。このようにすると、時刻約35秒で濃度高信号を発生し、その後は第2係数k2を用いてベース値B(n)が算出されることに変わりはないが、ベース値B(n)はセンサ出力値S(n)に緩やかに近づくように徐々に増加する。したがって、ベース値B(n)は長時間経つとセンサ出力値S(n)に近づくので、差分値D(n)は必ず0に近づいて小さな値となる。このため、たとえドリフトが生じていたとしても、差分値D(n)が必ず濃度しきい値Tを下回り、濃度信号LVはローレベルに戻る、つまり濃度低信号を発生するようになる。
なお、濃度低信号を発生すると、ベース値B(n)の係数が切り替えられ、第1係数k1を用いて算出される(時刻約240秒以降)ので、ベース値B(n)は一転してセンサ出力値S(n)に対して良く追従するようになることが理解できる。従って、この場合にも、時刻約240秒以降に再びNOxの濃度が上昇しても、確実に上昇を検知することが出来る。
【0129】
(変形形態1)
次いで、上記実施形態1の変形形態について説明する。本変形形態1のガス検出装置40及び、これを含む車両用オートベンチレーションシステム140は、上記実施形態1とほぼ同様の構成及び処理フローによって処理されるが、異なる点をいくつか有する。即ち、上記実施形態1ではガスセンサ素子11として、NOxなどの酸化性ガス成分がある場合にこれに反応して、酸化性ガス成分の濃度上昇と共にセンサ抵抗値Rsが上昇するタイプのガスセンサ素子を用いた。これに対し、本変形形態1では、ガスセンサ素子411として、COやHCなどの還元性ガス成分がある場合にこれに反応し、還元性ガス成分の濃度上昇と共にセンサ抵抗値Rsが低下するタイプのガスセンサ素子41を用いる点で異なる。
またこれに伴い、本変形形態1のセンサ抵抗値変換回路44では、ガスセンサ素子41のセンサ抵抗値Rsに応じたセンサ出力電位Vsを出力し、COやHCなどの還元性ガスの濃度が上昇すると、センサ抵抗値Rsが低下し、センサ出力電位Vsが低下するように構成される点でも異なる。
さらに、マイクロコンピュータ16における処理のフローも若干異なる。
従って、異なる部分を中心に説明し、同様な部分については同じ記号や番号を付し、説明を省略あるいは簡略化する。
【0130】
まず、図6を参照して、ガス検出装置40について説明する。このガス検出装置40は、上記したように還元性ガス成分がある場合にこれに反応してガス濃度上昇と共にセンサ抵抗値Rsが低下するタイプの酸化物半導体のガスセンサ素子41を用いる。
センサ抵抗値変換回路44は、このガスセンサ素子41のセンサ抵抗値Rsに応じたセンサ出力電位Vsを出力する。センサ抵抗値変換回路44では、上記したように、還元性ガス濃度が上昇すると、動作点Pdのセンサ出力電位Vsが低下する。
センサ出力電位Vsは、A/D変換回路15で0.25秒毎にA/D変換され、センサ出力値S(n)としてマイクロコンピュータ16の入力端子17に入力される。
【0131】
さらにこのマイクロコンピュータ16の出力端子18からは、実施形態1と同様に、電子制御アセンブリ20を制御するため、還元性ガス成分濃度の高低を示す濃度高信号と濃度低信号のいずれかの濃度信号LVが出力され、電子制御アセンブリ20により、自動車の内気循環及び外気取り入れを制御する換気系30のフラップ34が制御される。
マイクロコンピュータ16では、入力端子17から入力されたセンサ出力値S(n)を後述するフローに従った処理を行い、ガスセンサ素子41のセンサ抵抗値Rsやその変化などから還元性ガス成分の濃度変化を検出する。
【0132】
次いで、本変形形態におけるマイクロコンピュータ16における制御を、図7のフローチャートに従って説明する。自動車のエンジンが駆動されると本制御システムが立ち上がり、ガスセンサ素子41が活性状態となるのを待って、まずステップS11で実施形態1と同様にして初期設定を行う。
その後、ステップS12に進み、センサ出力値S(n)を順次読み込む。次いで、ステップS13において、現時点で濃度信号LVが濃度高信号を発生しているかどうかを判断する。濃度低信号を発生していれば(No)、ステップS44に進む。一方、濃度高信号を発生していれば(Yes)、ステップS45に進む。
【0133】
ステップS44では、ベース値B(n)を前回のベース値B(n−1)とセンサ出力値S(n)とを利用して以下の式によって算出しステップS46に進む。B(n)=B(n−1)+k3{S(n)−B(n−1)}、ここで、第3係数k3は、0<k3<1である。
一方、ステップS45では、以下の式を用いて前回のベース値B(n−1)とセンサ出力値S(n)とからベース値B(n)を算出してステップS46に進む。B(n)=B(n−1)+k4{S(n)−B(n−1)}、ここで、第4係数k4は、0≦k4<k3<1である。
実施形態1で説明したのと同様ように、ベース値B(n)は、使用する係数k3,k4の大きさによってセンサ出力値S(n)に対する追従の程度が異なり、比較的大きな第3係数k3(k3>k4)を用いた場合(ステップS44)には、ベース値B(n)はセンサ出力値S(n)に若干遅れながらも比較的迅速に追従する。一方、比較的小さな第4係数k4(k4<k3)を用いた場合(ステップS45)には、ベース値B(n)の変化が緩慢になり、ゆっくり追従する。
【0134】
従って、ステップS44に代えてステップS45を経由し、算出式を切り替えて第4係数k4を用いてベース値を算出すると、たとえセンサ出力値S(n)が大きく変化していたとしても、算出されたベース値B(n)は、その切替直前ベース値B(n−1)からあまり変化しないことになる。ここで、切替直前のベース値B(n−1)は、ステップS44で第3係数k3を用いて算出したものであるから、その切替前のセンサ出力値S(n−1)に追従した値となっている。従って、このステップS45で算出されたベース値B(n)は、過去、つまり切り替え直前の状態の影響を反映した値となる。
逆に、ステップS45に代えてステップS44を経由し、ベース値の算出式を切り替えて、第3係数k3を用いてベース値を算出すると、ベース値B(n)は、現在のセンサ出力値S(n)に迅速に追従するので、切替以前のベース値やセンサ出力値の影響は少ない値となる。
【0135】
ステップS46では、差分値D(n)を実施形態1と異なるD(n)=B(n)−S(n)の式に従って算出し、ステップS17で濃度しきい値Tと比較する。D(n)>Tとなった場合(Yes)はステップS18に進み、D(n)≦Tとなった場合(No)はステップS19に進む。
【0136】
実施形態1と同様、ステップS18では、特定ガスの濃度高信号を発生させる、または濃度高信号の発生を維持する。具体的には、濃度信号LVをハイレベルにする。一方、ステップS19では、特定ガスの濃度低信号を発生させる、または発生を維持する。具体的には、濃度信号LVをローレベルにする。
【0137】
その後、ステップS18,S19のいずれからも、ステップS20に進み、ステップS14,S15で算出した前回のベース値B(n)を記憶し、ステップS21でA/Dサンプリングタイムのタイムアップを待った上で、ステップS12に戻る。
【0138】
実施形態1と同様に、特定ガスの濃度が上昇して差分値D(n)が大きくなると、ステップS18で濃度高信号を発生するので、その後は、ステップS13でYesと判断され、ステップS45に進むことで、ベース値B(n)を算出するための係数が切り替えられて、比較的小さな第4係数k4を用いてベース値B(n)が算出される。従って、現在のセンサ出力値S(n)に対してベース値B(n)の変化が緩慢になり、特定ガスの濃度が上昇する時点のベース値に近い値を維持する。このため、ステップS45で算出されるこのベース値B(n)は、比較的特定ガスの濃度が低かった過去の状態を保持していると考えられ、このベース値B(n)を基準として差分値D(n)を算出することで特定ガスの濃度変化を判別できる。
【0139】
また逆に、特定ガスの濃度が低下して差分値D(n)が小さくなると、ステップS19で濃度低信号を発生するので、その後は、ステップS13でNoと判断され、ステップS44に進むことで、ベース値B(n)を算出するための係数が切り替えられて、再び比較的大きな第3係数k3を用いてベース値B(n)が算出される。従って、センサ出力値S(n)に対してベース値B(n)が良く追従するようになる。つまり過去の状態に影響されにくくなる。このため、再び特定ガスの濃度が上昇すると、過去の特定ガスの変動に影響されることなく再び差分値D(n)が大きくなるので、確実に特定ガスの濃度が上昇を捉えて濃度高信号を発生することができる。
【0140】
次いで、COの濃度を上昇させその後低下させたときに、図7に示すフローチャートに従った制御により得られるセンサ出力値S(n)、ベース値B(n)、差分値D(n)及び濃度信号LVの変化の例を図8に示す。なお本例も、風洞内にガスセンサ素子41を配置しておき、当初、COを含まない清浄空気を所定の風速で流しておく。その後、所定時間だけ、所定濃度のCOを混入した空気を流したものである。センサ出力値S(n)、ベース値B(n)、差分値D(n)、及び濃度しきい値Tはいずれもマイクロコンピュータ16内で処理される数値であるが、理解を容易にするため、これらの図ではA/D変換前の電圧値に換算して表現した。
第3係数k3=1/16、第4係数k4=1/1920、濃度しきい値T=0.02Vとした場合について説明する。
時刻0〜約35秒においては、清浄空気が流され、センサ出力値S(n)は若干のノイズによる変動はあるものの、ほぼ一定値(約2.5V)に保たれている。時刻約35秒においてCOの上昇が始まると、それに伴いセンサ出力値S(n)が低下する。その後、再び時刻約210秒〜約245秒において徐々に上昇して、ついには元のレベル(約2.5V)に戻る様子が分かる。
【0141】
これに対し、ベース値B(n)は、当初時刻0〜約35秒においては、センサ出力値S(n)に追従して若干の変動しながらほぼ一定値を保っている。従って、差分値D(n)は、ほぼ0を維持している。ところが、時刻約35秒において、COの濃度が上昇すると、センサ出力値S(n)が低下し始める。すると、ベース値B(n)が完全には追従できないため、その差である差分値D(n)が大きくなり、しきい値T=0.02Vを超えると、濃度信号LVがローレベルからハイレベルに変化し、濃度高信号を発生する。また、次回以降、ベース値B(n)の算出にはk4(=1/1920)が使用される。ステップS45において、k4=1/1920(≠0)の場合、ベース値B(n)はセンサ出力値S(n)に緩やかに近づくように徐々に低下する。
【0142】
その後、COの濃度が徐々に低下してセンサ出力値S(n)が上昇すると、差分値D(n)も小さくなり、ついに時刻約235秒で濃度しきい値T=0.02Vを下回ると、COの濃度が低下したと判断され、濃度信号LVはハイレベルからローレベルに変化し、濃度低信号を発生する状態となる。それとともに、ベース値B(n)は第3係数k3を用いて算出されるので、再びセンサ出力値S(n)に追従して変化するようになる。
従って、もし、再びCOの濃度が上昇してセンサ出力値S(n)が低下したとしても、直ちにこれを検知し、濃度信号LVをハイレベルとして濃度高信号を発生することができる。
【0143】
このような制御によっても、車両用オートベンチレーションシステム140(図6参照)において、実施形態1と同様の制御(図2参照)により、得られた濃度信号LV(濃度低信号及び濃度高信号)を用いて、フラップ駆動回路21でフラップ34の開閉を指示し、外気導入と内気循環(全開/全閉)を制御することができる。
なお、本変形形態1では、第4係数k4=0としたものについては説明しなかったが、実施形態1と同様に、k4=0としても、還元性ガスの濃度変化を測定することができる。但し、実施形態1において説明したように、環境の変化などの影響で、もしガスセンサ素子41のセンサ抵抗値Rsが低くなる側にドリフトした場合には、還元性ガス成分の濃度が十分低下しても濃度低信号を発生できない場合があり得るので、上記のようにk4>0とするのが好ましい。
【0144】
(変形形態2)
次いで、第2の変形形態について説明する。本変形形態2は、変形形態1と異なり、上記実施形態1と同様のガス検出装置10及び、これを含む車両用オートベンチレーションシステム100を有する。即ち、NOxなどの酸化性ガス成分の濃度変化を検出し、これに基づいてフラップ34を開閉するシステムである。但し、マイクロコンピュータ16における処理フローが異なり、濃度しきい値にヒステリシス特性を持たせたので、異なる部分を中心に説明し、同様な部分については同じ記号や番号を付し、説明を省略あるいは簡略化する。
【0145】
本変形形態2のマイクロコンピュータ16における制御を、図9のフローチャートに従って説明する。実施形態1と同様に、自動車のエンジンが駆動されると、本制御システムが立ち上がり、ガスセンサ素子11が活性状態となるのを待って、ステップS11で初期設定を行う。初期設定として、ベース値B(0)として当初のセンサ出力値S(0)を記憶しておく(B(0)=S(0))。また、濃度信号LVとして濃度低信号を発生させてローレベルとしておく。
その後、ステップS12に進み、センサ出力電位Vsを0.25秒ごとにA/D変換してセンサ出力値S(n)を順次読み込む。次いで、ステップS13において、現時点で濃度信号LVがハイレベル、つまり濃度高信号を発生しているかどうかを判断する。ここで、Noつまり濃度低信号を発生していれば、ステップS14に進む。一方、Yesつまり濃度高信号を発生していれば、ステップS15に進む。
【0146】
ステップS14では、実施形態1と同様にしてベース値B(n)を算出し、ステップS51に進む。一方、ステップS15でも、ベース値B(n)を算出し、ステップS53に進む。
前記したように、ベース値B(n)は、使用する係数k1,k2の大きさによってセンサ出力値S(n)に対する追従の程度が異なり、比較的大きな第1係数k1(k1>k2)を用いた場合(ステップS14)には、ベース値B(n)はセンサ出力値S(n)に迅速に追従する。一方、比較的小さな第2係数k2(k2<k1)を用いた場合(ステップS15)には、ベース値B(n)は、その変化が緩慢になり、過去の状態の影響を反映した値となる。
【0147】
ステップS51では、差分値D(n)をD(n)=S(n)−B(n)の式に従って算出し、ステップS52で濃度高しきい値Tuと比較する。D(n)>Tuとなった場合(Yes)はステップS18に進み、D(n)≦Tuとなった場合(No)には、そのままステップS20に進む。
【0148】
ステップS52でYesとなるのは、それまでは濃度低信号を発生している状態(ステップS13でNo)で、D(n)>Tuとなった場合であるから、センサ出力値S(n)とこれよりも若干遅れて追従するベース値B(n)との差が大きくなったことを示している。つまり、特定ガス(酸化性ガス)の濃度が上昇したためにセンサ出力値S(n)が上昇したと考えられる。
そこで、ステップS18で特定ガスの濃度高信号を発生する。具体的には、濃度信号LVをハイレベルにする。
【0149】
一方、ステップS53でも、差分値D(n)をD(n)=S(n)−B(n)の式に従って算出し、ステップS54で濃度低しきい値Tdと比較する。なおこの濃度低しきい値はTdは、濃度高しきい値Tuよりも小さな値である(Tu>Td)。そして、D(n)<Tdとなった場合(Yes)はステップS19に進み、D(n)≧Tdとなった場合(No)には、そのままステップS20に進む。
【0150】
ステップS54でYesとなるのは、それまでは濃度高信号を発生している状態(ステップS13でYes)で、D(n)<Tdとなった場合であるから、センサ出力値S(n)と、過去の状態、即ち酸化性ガスの濃度が上昇する前の状態をある程度反映しているベース値B(n)との差が小さくなったこと、つまり、酸化性ガスの濃度が十分低下したことを示している。
そこで、ステップS19で特定ガスの濃度低信号を発生する。具体的には、濃度信号LVをローレベルにする。
【0151】
その後は、ステップS18,S19のいずれからも、ステップS20に進み、ステップS14,S15で算出した前回のベース値B(n)を記憶し、ステップS21でA/Dサンプリングタイムのタイムアップを待った上で、ステップS12に戻る。
このようにしても、実施形態1と同様に、特定ガスの濃度が上昇して差分値D(n)が大きくなると、ステップS18で濃度高信号を発生する。その後は、ステップS13でYesと判断され、ステップS15に進むことで、ベース値B(n)を算出するための係数が切り替えられて、比較的小さな第2係数k2を用いてベース値B(n)が算出される。従って、センサ出力値S(n)に対してベース値B(n)の変化が緩慢になり、特定ガスの濃度が上昇する時点のベース値に近い値を維持する。このため、ステップS15で算出されるこのベース値B(n)は、比較的特定ガスの濃度が低かった過去の状態を保持していると考えられ、このベース値B(n)を基準として差分値D(n)を算出することで特定ガスの濃度変化を判別できる。
【0152】
また逆に、特定ガスの濃度が低下して差分値D(n)が小さくなると、ステップS19で濃度低信号を発生する。その後は、ステップS13でNoと判断され、ステップS14に進むことで、ベース値B(n)を算出するための係数が切り替えられて、再び比較的大きな第1係数k1を用いてベース値B(n)が算出される。従って、センサ出力値S(n)に対してベース値B(n)が迅速に追従するようになる。このため、再び特定ガスの濃度が上昇しても、過去の特定ガスの変動に影響されることなく再び差分値D(n)が大きくなるので、確実に特定ガスの濃度が上昇を捉えて濃度高信号を発生することができる。
【0153】
また、本変形形態2の処理では、濃度しきい値として2つのしきい値Tu,Tdを用い、差分値D(n)が濃度高しきい値Tuよりも大きい(D(n)>Tu)ときに濃度高信号を発生し、差分値D(n)が濃度低しきい値Tdよりも小さい(D(n)<Td)ときに濃度低信号を発生するようにしている。このため、ノイズなどによってセンサ出力値S(n)や差分値D(n)が変動している場合にも、濃度高信号と濃度低信号がと頻繁入れ替わるチャタリングを生じ難くできるメリットがある。
【0154】
(変形形態3)
次いで、第3の変形形態について説明する。上記変形形態2は、実施形態1のものにおいて、濃度しきい値にヒステリシスを持たせたものである。これに対し、本変形形態3は、前記した変形形態1とのものにおいて、濃度しきい値にヒステリシスを持たせたものである。従って、本変形形態3は、前記変形形態1と同様のガス検出装置40及び、これを含む車両用オートベンチレーションシステム140を有する。即ち、COなどの還元性ガス成分の濃度変化を検出し、これに基づいてフラップ34を開閉するシステムである。
但し、マイクロコンピュータ16における処理フローが異なり、濃度しきい値にヒステリシス特性を持たせているので、異なる部分を中心に説明し、同様な部分については同じ記号や番号を付し、説明を省略あるいは簡略化する。
【0155】
本変形形態3のマイクロコンピュータ16における制御を、図10のフローチャートに従って説明する。変形形態1と同様に、自動車のエンジンが駆動されると、本制御システムが立ち上がり、ガスセンサ素子41が活性状態となるのを待って、ステップS11で初期設定を行う。初期設定として、ベース値B(0)として当初のセンサ出力値S(0)を記憶しておく(B(0)=S(0))。また、濃度信号LVとして濃度低信号を発生させてローレベルとしておく。
その後、ステップS12に進み、センサ出力電位Vsを0.25秒ごとにA/D変換してセンサ出力値S(n)を順次読み込む。次いで、ステップS13において、現時点で濃度信号LVがハイレベル、つまり濃度高信号を発生しているかどうかを判断する。ここで、Noつまり濃度低信号を発生していれば、ステップS44に進む。一方、Yesつまり濃度高信号を発生していれば、ステップS45に進む。
【0156】
ステップS44では、変形実施形態1と同様にしてベース値B(n)を算出し、ステップS61に進む。一方、ステップS45でも、ベース値B(n)を算出し、ステップS63に進む。
前記したように、ベース値B(n)は、使用する係数k3,k4の大きさによってセンサ出力値S(n)に対する追従の程度が異なり、比較的大きな第3係数k3(k3>k4)を用いた場合(ステップS44)には、ベース値B(n)はセンサ出力値S(n)に良く追従する。一方、比較的小さな第4係数k4(k4<k3)を用いた場合(ステップS45)には、ベース値B(n)はその変化が緩慢になり、過去の状態の影響を反映した値となる。
【0157】
ステップS61では、差分値D(n)をD(n)=B(n)−S(n)の式に従って算出し、ステップS62で濃度高しきい値Tuと比較する。D(n)>Tuとなった場合(Yes)はステップS18に進み、D(n)≦Tuとなった場合(No)には、そのままステップS20に進む。
【0158】
ステップS62でYesとなるのは、それまでは濃度低信号を発生している状態(ステップS13でNo)で、D(n)>Tuとなった場合であるから、センサ出力値S(n)とこれよりも若干遅れて追従するベース値B(n)との差が大きくなったことを示している。つまり、特定ガス(還元性ガス)の濃度が上昇したためにセンサ出力値S(n)が上昇したと考えられる。
そこで、ステップS18で特定ガスの濃度高信号を発生する。具体的には、濃度信号LVをハイレベルにする。
【0159】
一方、ステップS63でも、差分値D(n)をD(n)=B(n)−S(n)の式に従って算出し、ステップS64で濃度低しきい値Tdと比較する。なおこの濃度低しきい値Tdは、濃度高しきい値Tuよりも小さな値である(Tu>Td)。そして、D(n)<Tdとなった場合(Yes)はステップS19に進み、D(n)≧Tdとなった場合(No)には、そのままステップS20に進む。
【0160】
ステップS64でYesとなるのは、それまでは濃度高信号を発生している状態(ステップS13でYes)で、D(n)<Tdとなった場合であるから、センサ出力値S(n)と、過去の状態、即ち還元性ガスの濃度が上昇する前の状態をある程度反映しているベース値B(n)との差が小さくなったこと、つまり、還元性ガスの濃度が十分低下したことを示している。
そこで、ステップS19で特定ガスの濃度低信号を発生する。具体的には、濃度信号LVをローレベルにする。
【0161】
その後は、ステップS18,S19のいずれからも、ステップS20に進み、ステップS44,S45で算出した前回のベース値B(n)を記憶し、ステップS21でA/Dサンプリングタイムのタイムアップを待った上で、ステップS12に戻る。
このようにしても、変形形態1と同様に、特定ガスの濃度が上昇して差分値D(n)が大きくなると、ステップS18で濃度高信号を発生する。その後は、ステップS13でYesと判断され、ステップS45に進むことで、ベース値B(n)を算出するための係数が切り替えられて、比較的小さな第4係数k4を用いてベース値B(n)が算出される。従って、センサ出力値S(n)に対してベース値B(n)の変化が緩慢になり、特定ガスの濃度が上昇する時点のベース値に近い値を維持する。このため、ステップS45で算出されるこのベース値B(n)は、比較的特定ガスの濃度が低かった過去の状態を保持していると考えられ、このベース値B(n)を基準として差分値D(n)を算出することで特定ガスの濃度変化を判別できる。
【0162】
また逆に、特定ガスの濃度が低下して差分値D(n)が小さくなると、ステップS19で濃度低信号を発生する。その後は、ステップS13でNoと判断され、ステップS44に進むことで、ベース値B(n)を算出するための係数が切り替えられて、再び比較的大きな第3係数k3を用いてベース値B(n)が算出される。従って、センサ出力値S(n)に対してベース値B(n)が良く追従するようになる。このため、再び特定ガスの濃度が上昇すると、過去の特定ガスの変動に影響されることなく再び差分値D(n)が大きくなるので、確実に特定ガスの濃度が上昇を捉えて濃度高信号を発生することができる。
【0163】
また、本変形形態3の処理でも、濃度しきい値として2つのしきい値Tu,Tdを用い、差分値D(n)が濃度高しきい値Tuよりも大きい(D(n)>Tu)ときに濃度高信号を発生し、差分値D(n)が濃度低しきい値Tdよりも小さい(D(n)<Td)ときに濃度低信号を発生するようにしている。このため、ノイズなどによってセンサ出力値S(n)や差分値D(n)が変動している場合にも、濃度高信号と濃度低信号がと頻繁入れ替わるチャタリングを生じ難くできるメリットがある。
【0164】
(実施形態2)
次いで、第2の実施形態について説明する。本実施形態2も、上記実施形態1と同様のガス検出装置10及び、これを含む車両用オートベンチレーションシステム100を有する。即ち、NOxなどの酸化性ガス成分の濃度変化を検出し、これに基づいてフラップ34を開閉するシステムである。但し、マイクロコンピュータ16における処理フローが異なり、濃度高及び濃度低の2つのレベル信号ではなく、3つ以上濃度レベル、具体的には4つの濃度レベルに対応する4種の濃度レベル信号LV(LV=0,1,2,3)を有し、これらの濃度レベルを分ける3つのレベル間しきい値T1,T2,T3(T1<T2<T3)を有する。従って、異なる部分を中心に説明し、同様な部分については同じ記号や番号を付し、説明を省略あるいは簡略化する。
【0165】
本実施形態2のマイクロコンピュータ16における制御を、図11のフローチャートに従って説明する。実施形態1と同様に、自動車のエンジンが駆動されると、本制御システムが立ち上がり、ガスセンサ素子11が活性状態となるのを待って、ステップS71で初期設定を行う。初期設定として、ベース値B(0)として当初のセンサ出力値S(0)を記憶しておく(B(0)=S(0))。また、濃度レベル信号LVとしてLV=0に相当する信号を発生させる。具体的には、マイクロコンピュータ16の出力端子18から出力される信号としてPWM(パルス幅変調)信号を出力するようにし、デューティ比を濃度レベル信号に対応させ、LV=0に相当する信号として、デューティ比15%のPWM信号を発生させる。なお、同様に、LV=1に相当する信号としてデューティ比30%、LV=2に相当する信号としてデューティ比50%、LV=3に相当する信号としてデューティ比70%のPWM信号を発生させることとしている。
【0166】
その後、ステップS72に進み、センサ出力電位Vsを0.25秒ごとにA/D変換してセンサ出力値S(n)を順次読み込む。次いで、ステップS73において、現時点で濃度レベル信号LV=0、つまり最も濃度が低いレベルを示す信号を発生しているかどうかを判断する。ここで、NoつまりLV=1,2,3のいずれかであれば、ステップS74に進む。一方、YesつまりLV=0の信号を発生していれば、ステップS75に進む。
【0167】
ステップS74では、実施形態1と同様にしてベース値B(n)を算出し、ステップS76に進む。一方、ステップS75でも、ベース値B(n)を算出し、ステップS76に進む。
前記したように、ベース値B(n)は、使用する係数k1,k2の大きさによってセンサ出力値S(n)に対する追従の程度が異なり、比較的大きな第1係数k1(k1>k2)を用いた場合(ステップS74)には、ベース値B(n)はセンサ出力値S(n)に迅速に追従する。一方、比較的小さな第2係数k2(k2<k1)を用いた場合(ステップS75)には、ベース値B(n)は、その変化が緩慢になり、過去の状態の影響を反映した値となる。
ステップS76では、差分値D(n)をD(n)=S(n)−B(n)の式に従って算出し、ステップS77のサブルーチンで濃度レベル信号LVを切り替えて発生させるかどうかを判断する。
【0168】
このステップS77の内容を図12に示す。このステップS77に進むと、まず、ステップS771で現在発生している濃度レベル信号LVが、最も低い濃度レベルに対応するLV=0であるかどうかを判断する。ここで、YesつまりLV=0の場合には、ステップS774に進む。一方、NoつまりLV=1,2,3のいずれかである場合には、ステップS772に進む。
ステップS772では、現在発生している濃度レベル信号LVが、2番目に低い濃度レベルに対応するLV=1であるかどうかを判断する。ここで、YesつまりLV=1の場合には、ステップS775に進む。一方、NoつまりLV=2,3のいずれかである場合には、ステップS773に進む。
さらに、ステップS773では、現在発生している濃度レベル信号LVが、3番目に低い濃度レベルに対応するLV=2であるかどうかを判断する。ここで、YesつまりLV=2の場合には、ステップS776に進む。一方、Noつまり最も高い濃度レベルに対応するLV=3である場合には、ステップS77Cに進む。
このようにすることで、いずれの濃度レベル信号LVにあるかが場合分けできたことになる。
【0169】
ステップS774では、差分値D(n)が第1レベル間しきい値T1より大きいかどうかを判断する。ここで、NoつまりD(n)≦T1のときは、最も低い濃度レベルから上の濃度レベルに変更する必要がないので、サブルーチンを抜けてメインルーチンに戻る。一方、YesつまりD(n)>T1のときは、ステップS777に進み、濃度レベル信号LVを1ランク上のLV=1とし、その後メインルーチンに戻る。具体的にはマイクロコンピュータ16の出力端子18から出力するPWM信号のデューティ比を15%から30%に変更し、メインルーチンに戻る。
また、ステップS775では、差分値D(n)が第2レベル間しきい値T2より大きいかどうかを判断する。ここで、NoつまりD(n)≦T2のときは、ステップS77Aに進む。一方、YesつまりD(n)>T2のときは、ステップS778に進み、濃度レベル信号LVを現在より1ランク上のLV=2とし、メインルーチンに戻る。具体的にはPWM信号のデューティ比を30%から50%に変更し、メインルーチンに戻る。
さらに、ステップS776では、差分値D(n)が第3レベル間しきい値T3より大きいかどうかを判断する。ここで、NoつまりD(n)≦T3のときは、ステップS77Bに進む。一方、YesつまりD(n)>T3のときは、ステップS779に進み、濃度レベル信号LVを現在より1ランク上のLV=3とし、メインルーチンに戻る。具体的にはPWM信号のデューティ比を50%から70%に変更し、メインルーチンに戻る。
【0170】
ステップS77Aでは、差分値D(n)が第1レベル間しきい値T1より小さいかどうかを判断する。ここで、NoつまりD(n)≧T1のときは、現在の濃度レベルからランクを下げる必要がないので、サブルーチンを抜けてメインルーチンに戻る。一方、YesつまりD(n)<T1のときは、ステップS77Dに進み、濃度レベル信号LVを1ランク下のLV=0とし、その後メインルーチンに戻る。具体的にはマイクロコンピュータ16の出力端子18から出力するPWM信号のデューティ比を30%から15%に変更し、メインルーチンに戻る。
また、ステップS77Bでは、差分値D(n)が第2レベル間しきい値T2より小さいかどうかを判断する。ここで、NoつまりD(n)≧T2のときは、現在の濃度レベルからランクを下げる必要がないのでメインルーチンに戻る。一方、YesつまりD(n)<T2のときは、ステップS77Eに進み、濃度レベル信号LVを現在より1ランク下のLV=1とし、メインルーチンに戻る。具体的にはPWM信号のデューティ比を50%から30%に変更し、メインルーチンに戻る。
さらに、ステップS77Cでは、差分値D(n)が第3レベル間しきい値T3より小さいかどうかを判断する。ここで、NoつまりD(n)≧T3のときは、現在の濃度レベルからランクを下げる必要がないのでメインルーチンに戻る。一方、YesつまりD(n)<T3のときは、ステップS77Fに進み、濃度レベル信号LVを現在より1ランク下のLV=2とし、メインルーチンに戻る。具体的にはPWM信号のデューティ比を70%から50%に変更し、メインルーチンに戻る。
【0171】
その後は、ステップS78で、ステップS74,S75で算出した前回のベース値B(n)を記憶し、ステップS79でA/Dサンプリングタイムのタイムアップを待った上で、ステップS72に戻る。
【0172】
このようにすると、特定ガスの濃度が上昇して差分値D(n)が大きくなり、第1レベル間しきい値T1を超えると、ステップS777で濃度レベル信号LV=1とする。その後は、ステップS73でNoと判断され、ステップS75に進むことで、ベース値B(n)を算出するための係数が切り替えられて、比較的小さな第2係数k2を用いてベース値B(n)が算出される。従って、センサ出力値S(n)に対してベース値B(n)の変化が緩慢になり、特定ガスの濃度が上昇する時点のベース値に近い値を維持する。このため、このベース値B(n)を基準として差分値D(n)を算出することで特定ガスの濃度変化を判別することができる。しかも本実施形態2では、特定ガスの濃度を複数の濃度レベルに分けて出力することができる。これにより、電子制御アセンブリ20において、全開や全閉だけでなく、半開などガス濃度に応じて適切なフラップ34の開閉を行わせることができる。
【0173】
また逆に、特定ガスの濃度が十分低下して差分値D(n)が小さくなると、ステップS77Dで濃度レベル信号LV=0を発生する。その後は、ステップS73でYesと判断され、ステップS74に進むことで、ベース値B(n)を算出するための係数が切り替えられて、再び比較的大きな第1係数k1を用いてベース値B(n)が算出される。従って、センサ出力値S(n)に対してベース値B(n)が良く追従するようになる。このため、再び特定ガスの濃度が上昇しても、過去の特定ガスの変動に影響されることなく再び差分値D(n)が大きくなるので、確実に特定ガスの濃度が上昇を捉えて適切な濃度レベル信号を発生することができる。
なお、本実施形態2では、濃度レベル信号LVは、1ランクずつしか上下しないようにしている。このようにすることで、濃度レベル信号の急変を防ぐことができる。
【0174】
次いで、NOxの濃度を上昇させ、その後低下させたときに、図11、図12に示すフローチャートに従った制御により得られるセンサ出力値S(n)、ベース値B(n)、差分値D(n)及び濃度レベル信号LVの変化の例を図13に示す。なお本例も、実施形態1において説明した例と同様に、風洞内にガスセンサ素子11を配置しておき、当初、NOxを含まない清浄空気を所定の風速で流し、その後、所定期間だけ所定濃度のNOxを混入した空気を流したものである。第1係数k1=1/16、第2係数k2=1/2048、第1レベル間しきい値T1=0.02V、第2レベル間しきい値T2=0.3V、第3レベル間しきい値T3=0.7Vとした場合について説明する。
時刻0〜約35秒においては、清浄空気が流され、センサ出力値S(n)は若干のノイズによる変動はあるものの、ほぼ一定値(約1.0V)に保たれている。時刻約35秒においてNOxの上昇が始まると、それに伴いセンサ出力値S(n)が上昇する。その後、再び時刻約240秒〜約300秒において徐々に低下して、ついには元のレベル(約1.0V)に戻る様子が分かる。
【0175】
これに対し、ベース値B(n)は、当初時刻0〜約35秒においては、センサ出力値S(n)に追従して若干の変動しながらほぼ一定値を保っている。従って、差分値D(n)は、ほぼ0Vを維持している。ところが、時刻約35秒において、NOxの濃度が上昇すると、センサ出力値S(n)が上昇し始める。すると、ベース値B(n)が完全には追従できないため、差分値D(n)が大きくなり、第1レベル間しきい値T1=0.02Vを超えると、濃度レベル信号LVがLV=0からLV=1に変更される。また、次回以降、ステップS75において、ベース値B(n)の算出にはk2(=1/2048)が使用されるので、ベース値B(n)はセンサ出力値S(n)に緩やかに近づくように徐々に上昇する。
【0176】
さらに、センサ出力値S(n)が上昇しても、ベース値B(n)はそれほど上昇しないため、さらに差分値D(n)が増加するので、第2レベル間しきい値T2=0.3Vを超えると、濃度レベル信号LVがLV=2に、さらに、第3レベル間しきい値T3=0.7Vを超えると、濃度レベル信号LVがLV=3に変更される。
【0177】
その後、NOxの濃度が徐々に低下してセンサ出力値S(n)が低下すると、差分値D(n)も小さくなる。差分値が第3レベル間しきい値T3=0.7Vを下回ると、NOxの濃度が1ランク分低下したと判断し、濃度レベル信号LVをLV=3からLV=2に変更する。さらに、差分値が第2レベル間しきい値T2=0.3Vを下回ると、NOxの濃度がさらに1ランク分低下したと判断し、濃度レベル信号LVをLV=2からLV=1に変更する。さらに、差分値が第1レベル間しきい値T1=0.02Vを下回ると、NOxの濃度が十分低下したと判断し、濃度レベル信号LVをLV=1からLV=0に変更する。それとともに、以降ベース値B(n)はステップS74によって第1係数k1を用いて算出されるようになるので、再びセンサ出力値S(n)に追従して変化するようになる。従って、再びNOxの濃度が上昇してセンサ出力値S(n)が低下したとしても、直ちにこれを検知し、適切な濃度レベル信号LVを発生することができる。
なお、本実施形態2では、濃度レベルを1ランク上げるときのレベル間しきい値と濃度レベルを1ランク上げるときのレベル間しきい値とに、同じレベル間しきい値T1,T2,T3を用いているので、上記例(図13参照)では、若干チャタリングが生じている。
【0178】
このような制御によって得られた濃度レベル信号LVを用いることで、車両用オートベンチレーションシステム100(図1参照)について、例えば、下記のような制御を行うことができる。即ち、フラップ駆動回路21において、図14のフローチャートに示すように、ステップS1で初期設定を行った後、ステップS2Aで濃度レベル信号LVを取得し、ステップS3Aで濃度レベル信号LVがレベルを検出する。ここで、LV=0、つまり車室外における特定ガスの濃度が十分低い場合には、ステップS4Aにおいて、フラップ34の全開を指示する。これにより、フラップ34が回動して、外気取り入れ用ダクト33がダクト31に接続され、外気が車室内に取り入れられる。一方、ステップS3AにおいてLV=2または3、つまり車室外における特定ガスの濃度がかなり高い場合には、ステップS5Aにおいて、フラップ34の全閉を指示する。これにより、フラップ34が回動して、内気取り入れ用ダクト32がダクト31に接続され、外気導入が遮断されると共に、内気循環となる。さらに、ステップS3Aにおいて、LV=1の場合、つまり特定ガスの濃度がやや高い場合には、ステップS6において、フラップ34の半開を指示する。これにより、外気の導入が若干制限されると共に、内気循環も行われる。
このように、複数(本実施形態では3つ)の濃度レベル信号を発生させることにより、フラップ34の開度を、全閉と全開だけでなく、より細かく制御することができる。
【0179】
さらに、上記では、LV=2と3とでいずれもフラップ34を全閉としたが、LV=2では1/4開とし、LV=3で全閉とするなど、各濃度レベル信号とフラップ34の開度とを一対一に対応させても良い。またこれとは逆に、LV=0で全開とし、LV=1,2,3のいずれでも全閉とするようにフラップ34を制御することもできる。この場合でも、特定ガスの濃度レベルがどの程度であるかを知ることができる利点がある。
【0180】
なお、本実施形態2では、第2係数k2=0としたものについては説明しなかったが、実施形態1と同様に、k2=0としても、還元性ガスの濃度変化を測定することができる。但し、実施形態1において説明したように、環境の変化などの影響で、もしガスセンサ素子11のセンサ抵抗値Rsが高くなる側にドリフトした場合には、酸化性ガス成分の濃度が十分低下してもLV=0の濃度レベル信号を発生できない場合があり得るので、上記のようにk2>0とするのが好ましい。
【0181】
(変形形態4)
上記実施形態2の変形形態について説明する。本変形形態4は、上記実施形態2と同様に、マイクロコンピュータ16における処理フローにおいて、3つ以上濃度レベル、具体的には4つの濃度レベルに対応する4種の濃度レベル信号LV(LV=0,1,2,3)を有し、これらの濃度レベルを分ける3つのレベル間しきい値T1,T2,T3(T1<T2<T3)を有する。但し、前記変形形態1と同様に、ガス検出装置40及びこれを含む車両用オートベンチレーションシステム140を有する。即ち、COなどの還元性ガス成分の濃度変化を検出し、これに基づいてフラップ34を開閉するシステムである点で、上記実施形態2と異なる。従って、異なる部分を中心に説明し、同様な部分については同じ記号や番号を付し、説明を省略あるいは簡略化する。
【0182】
本変形形態4のマイクロコンピュータ16における制御を、図15のフローチャートに従って説明する。実施形態2と同様に、自動車のエンジンが駆動されると、本制御システムが立ち上がり、ガスセンサ素子41が活性状態となるのを待って、ステップS71で初期設定を行う。初期設定として、ベース値B(0)として当初のセンサ出力値S(0)を記憶しておく(B(0)=S(0))。また、濃度レベル信号LVとしてLV=0に相当する信号を発生させる。出力端子18から出力されるPWM信号のデューティ比を濃度レベル信号に対応させ、LV=0に相当する信号として、デューティ比15%、LV=1に相当する信号としてデューティ比30%、LV=2に相当する信号としてデューティ比50%、LV=3に相当する信号としてデューティ比70%のPWM信号を発生させることも実施形態2と同様である。
【0183】
その後、ステップS72に進み、センサ出力値S(n)を順次読み込む。次いで、ステップS73において、現時点で濃度レベル信号LV=0、つまり最も濃度が低いレベルを示す信号を発生しているかどうかを判断する。ここで、NoつまりLV=1,2,3のいずれかであれば、ステップS85に進む。一方、YesつまりLV=0の信号を発生していれば、ステップS84に進む。
【0184】
ステップS84では、第3係数k3によってベース値B(n)を算出し、ステップS86に進む。一方、ステップS85では、第4係数k4によってベース値B(n)を算出し、ステップS86に進む。
ベース値B(n)は、使用する係数k3,k4の大きさによってセンサ出力値S(n)に対する追従の程度が異なり、比較的大きな第3係数k3(k3>k4)を用いた場合(ステップS84)には、ベース値B(n)はセンサ出力値S(n)に迅速に追従する。一方、比較的小さな第4係数k4(k4<k3)を用いた場合(ステップS85)には、ベース値B(n)は、その変化が緩慢になり、過去の状態の影響を反映した値となる。
ステップS86では、差分値D(n)をD(n)=B(n)−S(n)の式に従って算出し、ステップS77のサブルーチンで濃度レベル信号LVを切り替えて発生させるかどうかを判断する。
ステップS77のサブルーチンでの処理(図12参照)は、実施形態2と同様であるので記載を省略する。
【0185】
その後は、ステップS78で、ステップS84,S85で算出した前回のベース値B(n)を記憶し、ステップS79でA/Dサンプリングタイムのタイムアップを待った上で、ステップS72に戻る。
【0186】
このようにしても、還元性ガスの濃度が上昇して差分値D(n)が大きくなって、第1レベル間しきい値T1を超えると、ステップS777で濃度レベル信号LV=1とする。その後は、ステップS73でNoと判断され、ステップS85に進むことで、ベース値B(n)を算出するための係数が切り替えられて、比較的小さな第4係数k4を用いてベース値B(n)が算出される。従って、センサ出力値S(n)に対してベース値B(n)の変化が緩慢になり、特定ガスの濃度が上昇する時点のベース値に近い値を維持する。このため、ステップS85で算出されるこのベース値B(n)は、比較的特定ガスの濃度が低かった過去の状態を保持していると考えられ、このベース値B(n)を基準として差分値D(n)を算出することで特定ガスの濃度変化を判別することができる。しかも本変形形態42でも、特定ガスの濃度を複数の濃度レベルに分けて出力することができる。これにより、電子制御アセンブリ20において、全開や全閉だけでなく、半開などガス濃度に応じて適切なフラップ34の開閉を行わせることができる。
【0187】
また逆に、特定ガスの濃度が十分低下して差分値D(n)が小さくなると、ステップS77Dで濃度レベル信号LV=0を発生する。その後は、ステップS73でYesと判断され、ステップS84に進むことで、ベース値B(n)を算出するための係数が切り替えられて、再び比較的大きな第3係数k3を用いてベース値B(n)が算出される。従って、センサ出力値S(n)に対してベース値B(n)が良く追従するようになる。このため、再び特定ガスの濃度が上昇しても、過去の特定ガスの変動に影響されることなく再び差分値D(n)が大きくなるので、確実に特定ガスの濃度が上昇を捉えて適切な濃度レベル信号を発生することができる。
なお、本変形形態42でも、濃度レベル信号LVは、1ランクずつしか上下しないようにしている。このようにすることで、濃度レベル信号の急変を防ぐことができる。
【0188】
次いで、本変形形態4でも、COの濃度を上昇させ、その後低下させたときに、図15及び図12に示すフローチャートに従った制御により得られるセンサ出力値S(n)、ベース値B(n)、差分値D(n)及び濃度レベル信号LVの変化の例を図16に示す。なお本例も、変形形態1において説明した例と同様に、風洞内にガスセンサ素子41を配置しておき、当初、COを含まない清浄空気を所定の風速で流し、その後、所定期間だけ所定濃度のCOを混入した空気を流したものである。
第3係数k3=1/16、第4係数k4=1/1920、第1レベル間しきい値T1=0.02V、第2レベル間しきい値T2=0.5V、第3レベル間しきい値T3=1.1Vとした場合について説明する。
時刻0〜約35秒においては、清浄空気が流され、センサ出力値S(n)は若干のノイズによる変動はあるものの、ほぼ一定値(約2.5V)に保たれている。時刻約35秒においてCOの上昇が始まると、それに伴いセンサ出力値S(n)が低下する。その後、再び時刻約210秒〜約265秒において徐々に上昇して、ついには元のレベル(約2.5V)に戻る様子が分かる。
【0189】
これに対し、ベース値B(n)は、当初時刻0〜約35秒においては、センサ出力値S(n)に追従して若干の変動しながらほぼ一定値を保っている。従って、差分値D(n)は、ほぼ0Vを維持している。ところが、時刻約35秒において、COの濃度が上昇すると、センサ出力値S(n)が上昇し始める。すると、ベース値B(n)が完全には追従できないため、差分値D(n)が大きくなり、第1レベル間しきい値T1=0.02Vを超えると、濃度レベル信号LVがLV=0からLV=1に変更される。また、次回以降、ステップS85において、ベース値B(n)の算出にはk4(=1/1920)が使用されるので、ベース値B(n)はセンサ出力値S(n)に緩やかに近づくように徐々に低下する。
【0190】
さらに、センサ出力値S(n)が低下しても、ベース値B(n)はそれほど低下しないため、さらに差分値D(n)が増加するので、第2レベル間しきい値T2=0.5Vを超えると、濃度レベル信号LVがLV=2に、さらに、第3レベル間しきい値T3=1.1Vを超えると、濃度レベル信号LVがLV=3に変更される。
【0191】
その後、COの濃度が徐々に低下してセンサ出力値S(n)が上昇すると、差分値D(n)も小さくなる。差分値が第3レベル間しきい値T3=1.1Vを下回ると、COの濃度が1ランク分低下したと判断し、濃度レベル信号LVをLV=3からLV=2に変更する。さらに、差分値が第2レベル間しきい値T2=0.5Vを下回ると、COの濃度がさらに1ランク分低下したと判断し、濃度レベル信号LVをLV=2からLV=1に変更する。さらに、差分値が第1レベル間しきい値T1=0.02Vを下回ると、COの濃度が十分低下したと判断し、濃度レベル信号LVをLV=1からLV=0に変更する。それとともに、以降ベース値B(n)はステップS84によって第3係数k3を用いて算出されるようになるので、再びセンサ出力値S(n)に追従して変化するようになる。従って、再びCOの濃度が上昇してセンサ出力値S(n)が低下したとしても、直ちにこれを検知し、適切な濃度レベル信号LVを発生することができる。
なお、本変形形態4でも、濃度レベルを1ランク上げるときのレベル間しきい値と濃度レベルを1ランク上げるときのレベル間しきい値とに、同じレベル間しきい値T1,T2,T3を用いているので、上記例(図16参照)では、若干チャタリングが生じている。
【0192】
このような制御によっても、車両用オートベンチレーションシステム140(図6参照)において、実施形態2と同様(図14参照)、得られた濃度レベル信号LVを用いて、フラップ駆動回路21でフラップ34の開度を指示し、適切に外気導入や内気循環の制御をすることができる。
【0193】
なお、本変形形態4でも、第4係数k4=0としたものについては説明しなかったが、変形形態1と同様に、k4=0としても、還元性ガスの濃度変化を測定することができる。但し、センサ抵抗値Rsが低くなる側にドリフトした場合には、還元性ガス成分の濃度が十分低下してもLV=0の濃度レベル信号を発生できない場合があり得るので、上記のようにk4>0とするのが好ましい。
【0194】
(変形形態5,6)
上記実施形態2及び変形形態4では、ステップS77のサブルーチン(図12参照)において、濃度レベル信号LVは、1ランクずつしか上下しないようにしている。しかし、差分値D(n)に応じて、濃度レベル信号LVを選択できるようにして、濃度レベル信号LVが一度に複数ランク分上下可能とすることもできる。
即ち、本変形形態5のガス検出装置10及び、これを含む車両用オートベンチレーションシステム100は、処理フローのうち、ステップS77のサブルーチンが実施形態2のものとは異なるのみであるので、ステップS77のサブルーチンの内容を図17を参照して説明する。
【0195】
ステップS76で差分値D(n)を算出して、ステップS77に進む(図11参照)と、まず、ステップS91で現在発生している濃度レベル信号LVが、最も低い濃度レベルに対応するLV=0であるかどうかを判断する。ここで、YesつまりLV=0の場合には、ステップS94に進む。一方、NoつまりLV=1,2,3のいずれかである場合には、ステップS92に進む。
ステップS92では、現在発生している濃度レベル信号LVが、2番目に低い濃度レベルに対応するLV=1であるかどうかを判断する。ここで、YesつまりLV=1の場合には、ステップS95に進む。一方、NoつまりLV=2,3のいずれかである場合には、ステップS93に進む。
さらに、ステップS93では、現在発生している濃度レベル信号LVが、3番目に低い濃度レベルに対応するLV=2であるかどうかを判断する。ここで、YesつまりLV=2の場合には、ステップS96に進む。一方、Noつまり最も高い濃度レベルに対応するLV=3である場合には、ステップS97に進む。
このようにすることで、現在いずれの濃度レベルにあるか、つまりどの濃度レベル信号LVを発生しているかが場合分けできたことになる。
【0196】
ステップS94では、差分値D(n)が第1濃度レベル間しきい値T1より大きいかどうかを判断する。ここで、NoつまりD(n)≦T1のときは、ステップS9Aに進む。一方、YesつまりD(n)>T1のときは、ステップS95に進む。
さらに、ステップS95では、差分値D(n)が第2濃度レベル間しきい値T2より大きいかどうかを判断する。ここで、NoつまりD(n)≦T2のときは、ステップS99に進む。一方、YesつまりD(n)>T2のときは、ステップS96に進む。
さらに、ステップS96では、差分値D(n)が第3濃度レベル間しきい値T3より大きいかどうかを判断する。ここで、NoつまりD(n)≦T3のときは、ステップS98に進む。一方、YesつまりD(n)>T3のときは、ステップS9Eに進む。
【0197】
一方、ステップS97では、差分値D(n)が第3濃度レベル間しきい値T3より小さいかどうかを判断する。ここで、NoつまりD(n)≧T3のときは、ステップS9Eに進む。一方、YesつまりD(n)<T3のときは、ステップS98に進む。
さらに、ステップS98では、差分値D(n)が第2濃度レベル間しきい値T2より小さいかどうかを判断する。ここで、NoつまりD(n)≧T2のときは、ステップS9DCに進む。一方、YesつまりD(n)<T2のときは、ステップS99に進む。
さらに、ステップS99では、差分値D(n)が第1濃度レベル間しきい値T1より小さいかどうかを判断する。ここで、NoつまりD(n)≧T1のときは、ステップS9Bに進む。一方、YesつまりD(n)<T3のときは、ステップS9Aに進む。
これにより、現在の濃度レベルに拘わらず、差分値D(n)に応じた場合分けができる。
【0198】
そこで、ステップS9Aでは、濃度レベル信号をLV=0とする、あるいはLV=0を維持する。また、ステップS9Bでは、濃度レベル信号をLV=1とする、あるいはLV=1を維持する。ステップS9Dでは、濃度レベル信号をLV=2とする、あるいはLV=2を維持する。ステップS9Eでは、濃度レベル信号をLV=3とする、あるいはLV=3を維持する。
以上により、現在の濃度レベルに拘わらず、差分値D(n)に応じた場合分けを行って、差分値D(n)に応じた濃度レベル信号を発生させることができるようになる。従って、差分値D(n)が急激に上昇あるいは低下した場合には、濃度レベル信号LVが一度に複数ランク分上下することもあり得ることになる。
【0199】
なお、上記変形形態5では、実施形態2のガス検出装置10及び、これを含む車両用オートベンチレーションシステム100において、処理フローのうち、ステップS77のサブルーチンの内容を図17に示すものとした。しかし、同様にして、前記変形形態4のガス検出装置40及び、これを含む車両用オートベンチレーションシステム140において、ステップS77のサブルーチンの内容を図17に示すものを適用した変形形態6としてもよい。この変形形態6でも、現在の濃度レベルに拘わらず、差分値D(n)に応じた場合分けを行って、差分値D(n)に応じた濃度レベル信号を発生させることができるようになる。従って、差分値D(n)が急激に上昇あるいは低下した場合には、濃度レベル信号LVが一度に複数ランク分上下することもあり得ることになる。
【0200】
(変形形態7,8)
上記実施形態2や変形形態4では、濃度レベルを1ランク上げるときのレベル間しきい値と濃度レベルを1ランク下げるときのレベル間しきい値とに、同じレベル間しきい値T1,T2,T3を用いていた。これに対し、各々のレベル間しきい値について、ヒステリシスを持たせるとよい。つまりレベルを上げるときのしきい値としてレベルアップしきい値と、これより小さな値レベルを下げるときのしきい値として、対応するレベルアップしきい値より小さな値のレベルダウンしきい値をそれぞれ選択することが好ましい。
即ち、本変形形態7では、実施形態2のガス検出装置10及びこれを含む車両用オートベンチレーションシステム100において、処理フローのうち、図18に示すように、ステップS77のサブルーチンの内容のうち、各レベル間しきい値T1,T2,T3をそれぞれレベルアップしきい値Tu1,Tu2,Tu3、あるいはレベルダウンしきい値Td1,Td2,Td3に代えたものである。そこで、ステップS77のサブルーチンの内容を図18を参照して説明する。
なお、各レベルアップしきい値Tu1,Tu2,Tu3、及びレベルダウンしきい値Td1,Td2,Td3は、それぞれTu1<Tu2<Tu3、Td1<Td2<Td3、Td1<Tu1、Td2<Tu2、Td3<Tu3、の関係となっている。
【0201】
実施形態2と同様に、ステップS76で差分値D(n)を算出して、ステップS77に進む(図11参照)と、まず、ステップS771で現在発生している濃度レベル信号LVが、最も低い濃度レベルに対応するLV=0であるかどうかを判断する。ここで、YesつまりLV=0の場合には、ステップS774Aに進む。一方、NoつまりLV=1,2,3のいずれかである場合には、ステップS772に進む。
ステップS772では、現在発生している濃度レベル信号LVが、LV=1であるかどうかを判断する。ここで、Yesの場合には、ステップS775Aに進む。一方、Noの場合には、ステップS773に進む。
さらに、ステップS773では、現在発生している濃度レベル信号LVが、LV=2であるかどうかを判断する。ここで、Yesの場合はステップS776Aに進む。一方、NoつまりLV=3である場合には、ステップS77CAに進む。このようにすることで、現在いずれの濃度レベルにあるか、つまりどの濃度レベル信号LVを発生しているかが場合分けできる。
【0202】
ステップS774Aでは、差分値D(n)が第1レベルアップしきい値Tu1より大きいかどうかを判断する。ここで、NoつまりD(n)≦Tu1のときは、最も低い濃度レベルから上の濃度レベルに変更する必要がないので、サブルーチンを抜けてメインルーチンに戻る。一方、YesつまりD(n)>Tu1のときは、ステップS777に進み、濃度レベル信号LVを1ランク上のLV=1とし、その後メインルーチンに戻る。具体的にはPWM信号のデューティ比を15%から30%に変更し、メインルーチンに戻る。
また、ステップS775Aでは、差分値D(n)が第2レベルアップしきい値Tu2より大きいかどうかを判断する。ここで、NoつまりD(n)≦Tu2のときは、ステップS77AAに進む。一方、YesつまりD(n)>Tu2のときは、ステップS778に進み、濃度レベル信号LVを現在より1ランク上のLV=2とし、メインルーチンに戻る。具体的にはPWM信号のデューティ比を30%から50%に変更し、メインルーチンに戻る。
さらに、ステップS776Aでは、差分値D(n)が第3レベルアップしきい値Tu3より大きいかどうかを判断する。ここで、NoつまりD(n)≦Tu3のときは、ステップS77BAに進む。一方、YesつまりD(n)>Tu3のときは、ステップS779に進み、濃度レベル信号LVを現在より1ランク上のLV=3とし、メインルーチンに戻る。具体的にはPWM信号のデューティ比を50%から70%に変更し、メインルーチンに戻る。
このように、ステップ774A,775A,776Aでは、レベル間しきい値T1,T2,T3に代えて、レベルアップしきい値Tu1,Tu2,Tu3と比較する。
【0203】
ステップS77AAでは、差分値D(n)が第1レベルダウンしきい値Td1より小さいかどうかを判断する。ここで、NoつまりD(n)≧Td1のときは、現在の濃度レベルからランクを下げる必要がないので、サブルーチンを抜けてメインルーチンに戻る。一方、YesつまりD(n)<Td1のときは、ステップS77Dに進み、濃度レベル信号LVを1ランク下のLV=0とし、その後メインルーチンに戻る。具体的にはPWM信号のデューティ比を30%から15%に変更し、メインルーチンに戻る。
また、ステップS77BAでは、差分値D(n)が第2レベルダウンしきい値Td2より小さいかどうかを判断する。ここで、NoつまりD(n)≧Td2のときは、現在の濃度レベルからランクを下げる必要がないのでメインルーチンに戻る。一方、YesつまりD(n)<Td2のときは、ステップS77Eに進み、濃度レベル信号LVを現在より1ランク下のLV=1とし、メインルーチンに戻る。具体的にはPWM信号のデューティ比を50%から30%に変更し、メインルーチンに戻る。
さらに、ステップS77CAでは、差分値D(n)が第3レベルダウンしきい値Td3より小さいかどうかを判断する。ここで、NoつまりD(n)≧Td3のときは、現在の濃度レベルからランクを下げる必要がないのでメインルーチンに戻る。一方、YesつまりD(n)<Td3のときは、ステップS77Fに進み、濃度レベル信号LVを現在より1ランク下のLV=2とし、メインルーチンに戻る。具体的にはPWM信号のデューティ比を70%から50%に変更し、メインルーチンに戻る。
このように、ステップ77AA,77BA,77CAでは、レベル間しきい値T1,T2,T3に代えて、レベルダウンしきい値Td1,Td2,Td3と比較する。
【0204】
その後は、ステップS78で、ステップS74,S75で算出した前回のベース値B(n)を記憶し、ステップS79でA/Dサンプリングタイムのタイムアップを待った上で、ステップS72に戻る(図11参照)。
【0205】
このようにすると、実施形態2と同様に、特定ガスの濃度が上昇して差分値D(n)が大きくなり、第1レベル間しきい値Tu1を超えると、比較的小さな第2係数k2を用いてベース値B(n)が算出される。従って、センサ出力値S(n)に対してベース値B(n)の変化が緩慢になり、算出されるベース値B(n)は、比較的特定ガスの濃度が低かった過去の状態を保持していると考えられる。このベース値B(n)を基準として差分値D(n)を算出することで特定ガスの濃度変化を判別することができる。
また、本変形形態7でも、特定ガスの濃度を複数の濃度レベルに分けて出力することができ、電子制御アセンブリ20において、全開や全閉だけでなく、半開などガス濃度に応じて適切なフラップ34の開閉を行わせることができる。
【0206】
さらに、上記のように、濃度レベルを1ランク上げるときのレベルアップしきい値Tu1等と濃度レベルを1ランク下げるときのレベルダウンしきい値Td1等とを異ならせているので、差分値D(n)がしきい値付近の値となったときにわずかな変動で濃度レベルが変わる問題、つまり濃度レベル信号LVが頻繁に変わるチャタリングを防止することができて好ましい。
【0207】
次いで、NOxの濃度を上昇させ、その後低下させたときに、本変形形態7、即ち、図11及び図18に示すフローチャートに従った制御により得られるセンサ出力値S(n)、ベース値B(n)、差分値D(n)及び濃度レベル信号LVの変化の例を図19に示す。なお本例は、実施形態2において説明したのと同じデータを用い、図18に示すフローチャートに従うデータ処理を行ったものである。従って、第1係数k1=1/16、第2係数k2=1/2048である。また、第1レベルアップしきい値Tu1=0.02V、第2レベルアップしきい値Tu2=0.3V、第3レベルアップしきい値Tu3=0.7V、第1レベルダインしきい値Tu1=0V、第2レベルダウンしきい値Tu2=0.2V、第3レベルダウンしきい値Tu3=0.6Vとした。
【0208】
図13に示す実施形態2の濃度レベル信号LVにおいて、時刻約150秒においてチャタリングが生じたのに対し、図19の例ではチャタリングが生じていない。このように、レベルアップしきい値とレベルダウンしきい値とを用いてヒステリシスを持たせたので、本変形形態7によれば、チャタリングを防止できることが判る。
【0209】
なお、上記変形形態7では、実施形態2のガス検出装置10及び、これを含む車両用オートベンチレーションシステム100において、処理フローのうち、ステップS77のサブルーチンの内容を図18に示すものとした。しかし、同様にして、前記変形形態4のガス検出装置40及び、これを含む車両用オートベンチレーションシステム140において、ステップS77のサブルーチンの内容を図18に示すものを適用した変形形態8としてもよい。この変形形態8でも、濃度レベルを1ランク上げるときのレベルアップしきい値Tu1等と濃度レベルを1ランク下げるときのレベルダウンしきい値Td1等とを異ならせているので、差分値D(n)がしきい値付近の値となったときにわずかな変動で濃度レベルが変わる問題、つまり濃度レベル信号LVが頻繁に変わるチャタリングを防止することができて好ましい。
【0210】
同様に、COの濃度を上昇させ、その後低下させたときに、本変形形態8、即ち、図11及び図18に示すフローチャートに従った制御により得られるセンサ出力値S(n)、ベース値B(n)、差分値D(n)及び濃度レベル信号LVの変化の例を図20に示す。なお本例は、変形形態4において説明したのと同じデータを用い、図18に示すフローチャートに従うデータ処理を行ったものである。従って、第3係数k3=1/16、第4係数k4=1/1920である。また、第1レベルアップしきい値Tu1=0.02V、第2レベルアップしきい値Tu2=0.5V、第3レベルアップしきい値Tu3=1.1V、第1レベルダインしきい値Tu1=0V、第2レベルダウンしきい値Tu2=0.4V、第3レベルダウンしきい値Tu3=1.0Vとした。
【0211】
図16に示す変形形態4の濃度レベル信号LVにおいて、時刻約180〜200秒においてチャタリングが生じたのに対し、図20の例ではチャタリングが生じていない。このように、レベルアップしきい値とレベルダウンしきい値とを用いてヒステリシスを持たせたので、本変形形態8においても、チャタリングを防止できることが判る。
【0212】
(変形形態9,10)
上記変形形態5や変形形態6でも、濃度レベルを上げるとき際のレベル間しきい値と濃度レベルを下げるときのレベル間しきい値とに、同じレベル間しきい値T1,T2,T3を用いていた(図17参照)。これに対し、上記変形形態7,8で行ったのと同様に、各々のレベル間しきい値について、ヒステリシスを持たせるとよい。つまりレベルを上げるときのしきい値としてレベルアップしきい値と、これより小さな値レベルを下げるときのしきい値として、対応するレベルアップしきい値より小さな値のレベルダウンしきい値をそれぞれ選択することが好ましい。
即ち、本変形形態9では、実施形態2のガス検出装置10及びこれを含む車両用オートベンチレーションシステム100において、処理フローのうち、図21に示すように、ステップS77のサブルーチンの内容のうち、各レベル間しきい値T1,T2,T3をそれぞれレベルアップしきい値Tu1,Tu2,Tu3、あるいはレベルダウンしきい値Td1,Td2,Td3に代えたものである。そこで、ステップS77のサブルーチンの内容を図21を参照して説明する。
なお、各レベルアップしきい値Tu1,Tu2,Tu3、及びレベルダウンしきい値Td1,Td2,Td3は、それぞれTu1<Tu2<Tu3、Td1<Td2<Td3、Td1<Tu1、Td2<Tu2、Td3<Tu3、の関係となっている。
【0213】
実施形態2や変形形態5と同様に、ステップS76で差分値D(n)を算出して、ステップS77に進む(図11参照)と、まず、ステップS91で現在発生している濃度レベル信号LVが、LV=0であるかどうかを判断する。ここで、Yesの場合には、ステップS94Aに進む。一方、Noの場合には、ステップS92に進む。
ステップS92では、現在発生している濃度レベル信号LVが、LV=1であるかどうかを判断する。ここで、YesつまりLV=1の場合には、ステップS95Aに進む。一方、Noの場合には、ステップS93に進む。
さらに、ステップS93では、現在発生している濃度レベル信号LVが、LV=2であるかどうかを判断する。ここで、Yesの場合には、ステップS96Aに進む。一方、NoつまりLV=3である場合には、ステップS97Aに進む。
このようにすることで、変形形態4と同様に、現在いずれの濃度レベルにあるか、つまりどの濃度レベル信号LVを発生しているかが場合分けできたことになる。
【0214】
次いで、ステップS94Aでは、差分値D(n)が第1レベルアップしきい値Tu1より大きいかどうかを判断する。ここで、NoつまりD(n)≦Tu1のときは、ステップS9Aに進む。一方、YesつまりD(n)>Tu1のときは、ステップS95Aに進む。
さらに、ステップS95Aでは、差分値D(n)が第2レベルアップしきい値Tu2より大きいかどうかを判断する。ここで、NoつまりD(n)≦Tu2のときは、ステップS99Aに進む。一方、YesつまりD(n)>Tu2のときは、ステップS96Aに進む。
さらに、ステップS96Aでは、差分値D(n)が第3レベルアップしきい値Tu3より大きいかどうかを判断する。ここで、NoつまりD(n)≦Tu3のときは、ステップS98Aに進む。一方、YesつまりD(n)>Tu3のときは、ステップS9Eに進む。
【0215】
一方、ステップS97Aでは、差分値D(n)が第3レベルダウンしきい値Td3より小さいかどうかを判断する。ここで、NoつまりD(n)≧Td3のときは、ステップS9Eに進む。一方、YesつまりD(n)<Td3のときは、ステップS98Aに進む。
さらに、ステップS98Aでは、差分値D(n)が第2レベルダウンしきい値Td2より小さいかどうかを判断する。ここで、NoつまりD(n)≧Td2のときは、ステップS9Dに進む。一方、YesつまりD(n)<Td2のときは、ステップS99Aに進む。
さらに、ステップS99Aでは、差分値D(n)が第1レベルダウンしきい値Td1より小さいかどうかを判断する。ここで、NoつまりD(n)≧Td1のときは、ステップS9Bに進む。一方、YesつまりD(n)<Td13のときは、ステップS9Aに進む。
これにより、本変形形態9でも、現在の濃度レベルに拘わらず、差分値D(n)に応じた場合分けができる。
【0216】
そこで、ステップS9Aでは、濃度レベル信号をLV=0とする、あるいはLV=0を維持する。また、ステップS9Bでは、濃度レベル信号をLV=1とする、あるいはLV=1を維持する。ステップS9Dでは、濃度レベル信号をLV=2とする、あるいはLV=2を維持する。ステップS9Eでは、濃度レベル信号をLV=3とする、あるいはLV=3を維持する。
以上により、本実施形態9でも、変形形態5と同様に、現在の濃度レベルに拘わらず、差分値D(n)に応じた場合分けを行って、差分値D(n)に応じた濃度レベル信号を発生させることができるようになる。従って、差分値D(n)が急激に上昇あるいは低下した場合には、濃度レベル信号LVが一度に複数ランク分上下することもあり得ることになる。
さらに、本変形形態9では、レベルアップしきい値及びレベルダウンしきい値を用いたので、濃度レベル変更の際、濃度レベル信号のチャタリングを防止することができる。
【0217】
なお、上記変形形態9では、変形形態5,即ち実施形態2のガス検出装置10及び、これを含む車両用オートベンチレーションシステム100において、処理フローのうち、ステップS77のサブルーチンの内容を図21に示すものとした。しかし、同様にして、前記変形形態6,即ち変形形態4のガス検出装置40及び、これを含む車両用オートベンチレーションシステム140において、ステップS77のサブルーチンの内容を図21に示すものを適用した変形形態10としてもよい。この変形形態10でも、現在の濃度レベルに拘わらず、差分値D(n)に応じた場合分けを行って、差分値D(n)に応じた濃度レベル信号を発生させることができるようになる。従って、差分値D(n)が急激に上昇あるいは低下した場合には、濃度レベル信号LVが一度に複数ランク分上下することもあり得ることになる。
しかも、本変形形態10では、レベルアップしきい値及びレベルダウンしきい値を用いたので、濃度レベル変更の際、濃度レベル信号のチャタリングを防止することができる。
【0218】
(実施形態3)
次いで、第3の実施形態について説明する。本実施形態3も、上記実施形態1,2と同様のガス検出装置10及び、これを含む車両用オートベンチレーションシステム100を有する(図1参照)。即ち、NOxなどの酸化性ガス成分の濃度変化を検出し、これに基づいてフラップ34を開閉するシステムである。
但し、マイクロコンピュータ16における処理フローが異なる。即ち、前述の実施形態1,2等では、濃度低信号発生中の場合と濃度高信号発生中の場合で異なる算出手法を用いたが、その具体的手法としては、同様なベース値B(n)の算出式を用いながらも、その係数を異ならせることによって算出手法を異ならせた。
これに対し、本実施形態3では、濃度低信号発生中には微分値を用いてガス濃度の変化を検出する。一方、濃度高信号発生中には、ベース値B(n)を用いてガス濃度の変化を検出する。そこで、本実施形態3では、上記実施形態1,2と異なる部分を中心に説明し、同様な部分については説明を省略あるいは簡略化する。
【0219】
本実施形態3のマイクロコンピュータ16における制御を、図22のフローチャートに従って説明する。実施形態1と同様に、自動車のエンジンが駆動されると、本制御システムが立ち上がり、ガスセンサ素子11が活性状態となるのを待って、ステップS101で初期設定を行う。初期設定として、濃度信号LVとして濃度低信号を発生させておく、具体的には濃度信号LVをローレベルとしておく。
【0220】
その後、ステップS102に進み、センサ出力電位Vsを0.4秒ごとにA/D変換したセンサ出力値S(n)を順次読み込む。次いで、ステップS103において、現時点で濃度信号LVがハイレベル、つまり特定ガス(本実施形態では酸化性ガス)の濃度が高いレベルにあることを示す濃度高信号を発生しているかどうかを判断する。ここで、Noつまり特定ガスの濃度が低く、濃度信号LVがローレベルであり濃度低信号を発生していれば、ステップS104に進む。一方、Yes、つまり特定ガスの濃度が高く濃度信号LVがハイレベルであり濃度高信号を発生していれば、ステップS108に進む。
【0221】
ステップS104では、実施形態1等と異なり、微分値V(n)を算出する。具体的には、現在のセンサ出力値S(n)と1サイクル前(0.4秒前)のセンサ出力値S(n−1)を用いて、以下の式V(n)=S(n)−S(n−1)によって算出し、ステップS105に進む。
この微分値V(n)は、現在と1サイクル前のセンサ出力値S(n)の変化を示している。従って、酸化性ガスの濃度の上昇によって、センサ出力値S(n)が大きくなると、その変化は直ちにこの微分値V(n)に現れる。
【0222】
次いで、ステップS105で、ベース値B(n)の値を調整する。このステップS105におけるベース値の調整については、後述する。その後、ステップS106で微分値V(n)と微分しきい値Tvとを比較し、微分値V(n)が微分しきい値Tvよりも大きいとき(Yes)には、ステップS107に進み、現在発生している濃度低信号に代えて、濃度高信号を発生し、ステップS112に進む。具体的には、濃度信号LVをローレベルからハイレベルに切り替える。一方、微分値V(n)の大きさが微分しきい値Tv以下の場合(No)には、ステップS112に進む。
【0223】
一方、ステップS108では、実施形態1と同様の式(下記参照)を用いて、前回のベース値B(n−1)とセンサ出力値S(n)とからベース値B(n)を算出してステップS109に進む。B(n)=B(n−1)+k{S(n)−B(n−1)}、ここで、係数kは、0<k<1である。
前記したように、ベース値B(n)は、センサ出力値S(n)に追従しつつもセンサ出力値より緩慢に変化する性質を有している。しかも、使用する係数kの大きさによってセンサ出力値S(n)に対する追従の程度が異なり、比較的大きな係数kを用いた場合には、ベース値B(n)はセンサ出力値S(n)に若干遅れながらも比較的迅速に追従する。一方、比較的小さな係数kを用いた場合には、ベース値B(n)の変化が緩慢になり、センサ出力値に対してゆっくり追従する。
【0224】
従って、酸化性ガス濃度の上昇によって、センサ出力値S(n)が大きくなる期間においては、ベース値B(n)はセンサ出力値S(n)ほどには上昇しない。つまり、算出されたベース値B(n)は、その直前ベース値B(n−1)からあまり変化しないことになる。従って、遡れば、ステップS107で濃度低信号から濃度高信号に切り替えて発生した時点のベース値の影響が反映していることになる。
【0225】
ここで、ステップS105では、ベース値B(n)として、現在のセンサ出力値S(n)を代入する調整を行っている。従って、濃度低信号から濃度高信号への切替(ステップS107)直前のベース値は、その時点(切り替え直前)でのセンサ出力値に等しくされている。このため、それ以降にステップS108で算出されたベース値は、切り替え直前のセンサ出力値から徐々に変化した値となる。このようにして、このステップS108で算出されたベース値B(n)は、切り替え直前のセンサ出力値からセンサ出力値の変化に対して緩慢に追従した値となる。
【0226】
ステップS109では、差分値D(n)をD(n)=S(n)−B(n)の式に従って算出し、ステップS110でPIしきい値Tpと比較する。差分値がPIしきい値Tpより小さくなった場合、即ちD(n)<Tpとなった場合(Yes)にはステップS111に進み、現在発生している濃度高信号に代えて、濃度低信号を発生し、ステップS112に進む。具体的には、濃度信号LVをハイレベルからローレベルに切り替える。一方、差分値D(n)の大きさがPIしきい値Tp以上の場合(No)には、ステップS112に進む。
このように、差分値D(n)がPIしきい値Tpよりも小さくなった場合、つまり、センサ出力値とベース値との差が、PIしきい値Tpより小さくなった場合には、酸化性ガスの濃度が低下したと判断して、濃度高信号から濃度低信号に切り替える。
【0227】
その後、ステップS107,S111のいずれからも、ステップS112に進み、ステップS105,S108で算出した前回のベース値B(n)を記憶し、ステップS113でA/Dサンプリングタイムのタイムアップを待った上で、ステップS102に戻る。
このようにして、酸化性ガスの濃度が大きく上昇すると、直ちに微分値V(n)が微分しきい値Tvより大きくなり、濃度上昇の早い段階で、濃度高信号を発生する。その後は、ステップS103でYesと判断され、ステップS108に進むことで、微分値V(n)に代えて、ベース値B(n)が算出される。
【0228】
逆に、酸化性ガスの濃度が低下すると、差分値D(n)が小さくなり、ステップS111で濃度低信号を発生する。その後は、ステップS103でNoと判断され、ステップS104に進むことで、再び微分値V(n)が算出される。従って、再び酸化性ガスの濃度が上昇しても、ガス濃度上昇の早い段階でこれを捉えて、濃度高信号を発生することができる。
【0229】
次いで、上記フローチャートに従って動作するガス検出装置10及び車両用オートベンチレーションシステム100を、実際の道路を走行した場合におけるガス濃度変化データに適用した場合の、センサ出力値S(n)、ベース値B(n)、差分値D(n)、微分値V(n)、及び濃度信号LVの変化の例を、図23のグラフに示す。なお、センサ出力値S(n)、微分値V(n)、ベース値B(n)、差分値D(n)はいずれもマイクロコンピュータ16内で処理される数値であるため、センサ出力値、ベース値、差分値の大きさを示す図中左端及び右端の縦軸は、任意の数値単位と考えて良い。また、見やすくするため、微分値V(n)は正の値のみ表示すると共に、図中右端の縦軸に示すように、目盛り毎の単位をセンサ出力値等に比して大きくしてある。最下段に示す濃度信号LVは、ハイ/ローの2段階に切り替えられ、図中上方がハイレベルに対応している。また、本実施形態では、係数k=1/64、微分しきい値Tv=100、PIしきい値Tp=0とした場合について説明する。
【0230】
時刻0〜785秒の期間においては、一部(330〜345秒、及び635〜680秒)を除き、濃度信号LVはローレベル、つまり濃度低信号を発生している。この期間は、ステップS105においてベース値B(n)=S(n)とされているので、センサ出力値とベース値とは一致して変化している。
その後、時刻約785秒付近において、センサ出力値が急激に(階段状)に上昇した。すると、直ちに微分値V(n)が大きくなって微分しきい値Tvを超えたため、濃度低信号に代えて濃度高信号が発生され(即ち濃度信号がハイレベルとされ)、ベース値B(n)がステップS108によって算出されるようになる。
その後、時刻約890秒でセンサ出力値が低下し始めると、差分値も減少し、時刻約905秒で差分値がPIしきい値Tp=0以下となる。従って、ステップS111において、濃度高信号に代えて濃度低信号が発生される。
【0231】
時刻約1155〜1260秒及び、時刻約1285〜1345秒においても同様な動作が確認できる。
さらに、時刻約785秒、1155秒、1285秒付近におけるセンサ出力値とベース値の関係から理解できるように、本実施形態では、濃度低信号発生時には、微分値V(n)によってセンサ出力値の上昇、即ちガス濃度の上昇を検知しているので、上昇のごく初期に濃度低信号に代えて濃度高信号を発生することが可能となっていることが判る。
なお、上記グラフでは、ベース値を算出するに当たって係数kとしてk=1/64を使用したが、より小さな係数(例えば1/256など)を用いれば、センサ出力値に対して、ベース値がより緩慢に追従するため、センサ出力値がさらに低くなった時点で濃度低信号へ切り替えるようにすることができる。
【0232】
上記制御によっても、車両用オートベンチレーションシステム100(図1参照)において、実施形態1と同様(図2参照)、得られた濃度信号LV(濃度低信号及び濃度高信号)を用いて、フラップ駆動回路21でフラップ34の開閉を指示し、外気導入と内気循環(全開/全閉)を制御することができる。
【0233】
(変形形態11)
次いで、上記実施形態3の変形形態について説明する。本変形形態11のガス検出装置40及び、これを含む車両用オートベンチレーションシステム140は、前記した変形形態1とほぼ同様の構成を有する(図6参照)。従って、実施形態3と、ほぼ同様な処理フローによって処理されるが、異なる点をいくつか有する。即ち、上記実施形態3ではガスセンサ素子11として、酸化性ガス成分の濃度上昇と共にセンサ抵抗値Rsが上昇するタイプのガスセンサ素子を用いた。これに対し、本変形形態11では、還元性ガス成分の濃度上昇と共にセンサ抵抗値Rsが低下するタイプのガスセンサ素子41を用いる点で異なる。
またこれに伴い、本変形形態11のセンサ抵抗値変換回路44では、還元性ガスの濃度が上昇すると、センサ抵抗値Rsが低下し、センサ出力電位Vsが低下するように構成されている点でも異なる。
さらに、マイクロコンピュータ16における処理のフローも若干異なる。
従って、変形形態1や実施形態3と異なる部分を中心に説明し、同様な部分については説明を省略あるいは簡略化する。
【0234】
本変形形態11のマイクロコンピュータ16における制御を、図24のフローチャートに従って説明する。実施形態3と同様に、自動車のエンジンが駆動されると、本制御システムが立ち上がり、ガスセンサ素子41が活性状態となるのを待って、ステップS201で初期設定を行う。初期設定として、濃度信号LVとして濃度低信号を発生させておく、具体的には濃度信号LVをローレベルとしておく。
【0235】
その後、ステップS202に進み、センサ出力電位Vsを0.4秒ごとにセンサ出力値S(n)を順次読み込む。次いで、ステップS203において、濃度高信号を発生しているかどうかを判断する。ここで、Noつまり濃度信号LVがローレベルの場合には、ステップS104に進む。一方、Yesつまり濃度信号LVがハイレベルの場合には、ステップS108に進む。
【0236】
ステップS204では、実施形態3と同様に、微分値V(n)を算出する。但し、実施形態3のステップS104と異なり(図22参照)、1サイクル前のセンサ出力値S(n−1)から現在のセンサ出力値S(n)を差し引いて、つまり以下の式V(n)=S(n−1)−S(n)によって算出し、ステップS205に進む。このようにして微分値V(n)を算出するのは、ガスの濃度が上昇したときに微分値が正の値となるようにして、微分値を扱いやすくするためである。この微分値V(n)は、1サイクル前と現在のセンサ出力値S(n)の変化を示している。従って、還元性ガスの濃度の上昇によって、センサ出力値S(n)が小さくなると、その変化は直ちにこの微分値V(n)に現れる。
【0237】
次いで、ステップS205で、ベース値B(n)の値を調整する。このステップS205におけるベース値の調整については、後述する。その後、ステップS206で微分値V(n)と微分しきい値Tvと比較し、微分値V(n)が微分しきい値Tvよりも大きいとき(Yes)には、ステップS207に進み、現在発生している濃度低信号に代えて、濃度高信号を発生し、ステップS212に進む。具体的には、濃度信号LVをローレベルからハイレベルに切り替える。一方、微分値V(n)の大きさが微分しきい値Tv以下の場合(No)には、ステップ212に進む。
【0238】
一方、ステップS208では、変形形態1と同様の式(下記参照)を用いて、ベース値B(n)を算出してステップS209に進む。B(n)=B(n−1)+k{S(n)−B(n−1)}、ここで、係数kは、0<k<1である。
ベース値B(n)は、センサ出力値S(n)に追従しつつもセンサ出力値より緩慢に変化する。
【0239】
従って、還元性ガスの濃度の上昇によって、センサ出力値S(n)が小さくなる期間においては、ベース値B(n)はセンサ出力値S(n)ほどには低下しない。従って、遡れば、ステップS207で濃度低信号から濃度高信号に切り替えて発生した時点のベース値の影響が反映していることになる。
【0240】
ここで、ステップS205では、ベース値B(n)として、現在のセンサ出力値S(n)を代入する調整を行っているので、それ以降にステップS208で算出されたベース値は、切り替え直前のセンサ出力値から徐々に変化した値となる。このように、このステップS208で算出されたベース値B(n)は、切り替え直前のセンサ出力値からセンサ出力値の変化に対して緩慢に追従した値となる。
【0241】
ステップS209では、実施形態3と同じく差分値D(n)を求める。但し、D(n)=B(n)−S(n)の式に従って算出する。これも、差分値を正の値として扱いやすくするためである。その後、ステップS210でPIしきい値Tpと比較する。D(n)<Tpとなった場合(Yes)にはステップS211に進み、現在発生している濃度高信号に代えて、濃度低信号を発生し、ステップS212に進む。一方、D(n)≧Tpの場合(No)には、ステップS212に進む。
このようにして、差分値D(n)がPIしきい値Tpよりも小さくなった場合には、還元性ガスの濃度が低下したと判断して、濃度高信号から濃度低信号に切り替える。差分値D(n)がPIしきい値Tpより小さくなったと言うことは、還元性ガスの濃度が低下したことを示していると考えられるからである。
【0242】
その後、ステップS212において、ステップS205,S208で算出した前回のベース値B(n)を記憶し、ステップS213でA/Dサンプリングタイムのタイムアップを待った上で、ステップS202に戻る。
このようにして、還元性ガスの濃度が大きく上昇すると、直ちに微分値V(n)が微分しきい値Tvより大きくなり、濃度上昇の早い段階で濃度高信号を発生する。その後は、ステップS203でYesと判断され、ステップS208に進むことで、微分値V(n)に代えて、ベース値B(n)が算出される。
【0243】
逆に、還元性ガスの濃度が低下すると、差分値D(n)が小さくなり、ステップS211で濃度低信号を発生する。その後は、ステップS203でNoと判断され、ステップS204に進むことで、再び微分値V(n)が算出される。従って、再び還元性ガスの濃度が上昇しても、ガス濃度上昇の早い段階でこれを捉えて、濃度高信号を発生することができる。
【0244】
(実施形態4)
次いで、第4の実施形態について説明する。本実施形態4も、上記実施形態1,3と同様のガス検出装置10及び、これを含む車両用オートベンチレーションシステム100を有する。即ち、酸化性ガス成分の濃度変化を検出し、これに基づいてフラップ34を開閉するシステムである。また、ガス濃度の低い期間は微分値を算出し、ガス濃度が高い期間はベース値及び差分値を算出する点は、実施形態3と同様である。
但し、本実施形態4は、マイクロコンピュータ16における処理フローが異なり、濃度高(ハイ)及び濃度低(ロー)の2つのレベルの濃度信号ではなく、実施形態2と同様に、3つ以上濃度レベル、具体的には4つの濃度レベルに対応する4種の濃度レベル信号LV(LV=0,1,2,3)を有する。なお、実施形態2と異なり、これらの濃度レベルを分ける3つのレベル間しきい値Tp1,Tp2,Tp3(Tp1<Tp2<Tp3)のほか、LV=0の状態からガス濃度が上昇した際、微分値と比較するしきい値として、微分しきい値Tvを有する。従って、実施形態1,3と異なる部分を中心に説明し、同様な部分については説明を省略あるいは簡略化する。
【0245】
本実施形態4のマイクロコンピュータ16における制御を、図25、図26のフローチャートに従って説明する。実施形態1,3と同様に、自動車のエンジンが駆動されると、本制御システムが立ち上がり、ガスセンサ素子11が活性状態となるのを待って、ステップS301で初期設定を行う。初期設定として、濃度レベル信号LVとしてLV=0に相当する信号を発生させる。
具体的には、実施形態2と同じく、出力端子18からの出力信号としてPWM信号を出力し、デューティ比を濃度レベル信号に対応させ、LV=0に対応してデューティ比15%のPWM信号を発生させる。同様に、LV=1に相当する信号としてデューティ比30%、LV=2に相当する信号としてデューティ比50%、LV=3に相当する信号としてデューティ比70%のPWM信号を発生させる。
【0246】
その後、ステップS302に進み、センサ出力電位Vsを0.4秒ごとにA/D変換してセンサ出力値S(n)を順次読み込む。次いで、ステップS303において、現時点で濃度レベル信号LV=0、つまり最も濃度が低いレベルを示す信号を発生しているかどうかを判断する。ここで、NoつまりLV=1,2,3のいずれかであれば、ステップS308に進む。一方、YesつまりLV=0の信号を発生していれば、ステップS304に進む。
【0247】
ステップS304では、実施形態3と同様にして微分値V(n)を算出し、ステップS305に進む。ステップS305では、実施形態3と同様にして、ベース値B(n)の値を調整する。このステップS305におけるベース値の調整については、実施形態3と同様である。その後、ステップS306で微分値V(n)と微分しきい値Tvと比較し、微分値V(n)が微分しきい値Tvよりも大きいとき(Yes)には、ステップS307に進み、現在発生しているLV=0の濃度レベル信号に代えて、LV=1の濃度レベル信号を発生し、ステップS311に進む。一方、微分値V(n)の大きさが微分しきい値Tv以下の場合(No)には、ステップS311に進む。
これにより、センサ出力値S(n)が1サイクルの間に大きく増加して、微分値V(n)が微分しきい値Tvよりも大きくなった場合には、素早くこれを捉えて、濃度レベル信号をLV=0からLV=1に切り替え、ガス濃度が上昇してことを知らせることができる。
【0248】
一方、ステップS308でも、実施形態3と同じくベース値B(n)を算出し、ステップS309に進む。
前記したように、ベース値B(n)は、センサ出力値S(n)に追従しつつもセンサ出力値より緩慢に変化する性質を有している。
ステップS309では、差分値D(n)をD(n)=S(n)−B(n)の式に従って算出し、ステップS310で示すサブルーチンにおいて濃度レベル信号LVを切り替えるかどうかの判断に用いる。
【0249】
このステップS310のサブルーチンの内容を図26に示す。このサブルーチンS310は、ステップS91及びS94に対応するステップが無いことを除き、実施形態2におけるサブルーチンS77と同様である。
即ち、このステップS310に進むと、まず、ステップS321で現在発生している濃度レベル信号LVが、2番目に低い濃度レベルに対応するLV=1であるかどうかを判断する。ここで、YesつまりLV=1の場合には、ステップS323に進む。一方、NoつまりLV=2,3のいずれかである場合には、ステップS322に進む。
ステップS322では、現在発生している濃度レベル信号LVが、2番目に高い濃度レベルに対応するLV=2であるかどうかを判断する。ここで、YesつまりLV=2の場合には、ステップS324に進む。一方、Noつまり最も高い濃度レベルに対応するLV=3である場合には、ステップS325に進む。
このようにすることで、現在いずれの濃度レベル信号LVを発生しているかのよって場合分けできたことになる。
【0250】
ステップS323では、差分値D(n)が第2レベル間しきい値Tp2より大きいかどうかを判断する。ここで、NoつまりD(n)≦Tp2のときは、ステップS327に進む。一方、YesつまりD(n)>Tp2のときは、ステップS324に進む。
さらに、ステップS324では、差分値D(n)が第3レベル間しきい値Tp3より大きいかどうかを判断する。ここで、NoつまりD(n)≦Tp3のときは、ステップS326に進む。一方、YesつまりD(n)>Tp3のときは、ステップS331に進む。
【0251】
一方、ステップS325では、差分値D(n)が第3レベル間しきい値Tp3より小さいかどうかを判断する。ここで、NoつまりD(n)≧Tp3のときは、ステップS331に進む。一方、YesつまりD(n)<Tp3のときは、ステップS326に進む。
さらに、ステップS326では、差分値D(n)が第2レベル間しきい値Tp2より小さいかどうかを判断する。ここで、NoつまりD(n)≧Tp2のときは、ステップS330に進む。一方、YesつまりD(n)<Tp2のときは、ステップS327に進む。
さらに、ステップS327では、差分値D(n)が第1レベル間しきい値Tp1より小さいかどうかを判断する。ここで、NoつまりD(n)≧Tp1のときは、ステップS329に進む。一方、YesつまりD(n)<Tp3のときは、ステップS328に進む。
これにより、現在の濃度レベルに拘わらず、差分値D(n)に応じた場合分けができる。
【0252】
そこで、ステップS328では、濃度レベル信号をLV=0とする。また、ステップS329では、濃度レベル信号をLV=1とする、あるいはLV=1を維持する。ステップS330では、濃度レベル信号をLV=2とする、あるいはLV=2を維持する。ステップS331では、濃度レベル信号をLV=3とする、あるいはLV=3を維持する。
以上により、現在の濃度レベルに拘わらず、差分値D(n)に応じた場合分けを行って、差分値D(n)に応じた濃度レベル信号を発生させることができるようになる。従って、差分値D(n)が急激に上昇あるいは低下した場合には、濃度レベル信号LVが一度に複数ランク分上下することもあり得ることになる。
さらに、ステップS328で濃度レベル信号をLV=0とした後には、ステップS303でYesと判断され、ステップS304に進むことで、再び微分値V(n)が算出される。従って、再び還元性ガスの濃度が上昇しても、ガス濃度上昇の早い段階でこれを捉えて、濃度レベル信号LV=1を発生することができる。
【0253】
次いで、上記フローチャートに従って動作するガス検出装置10及び車両用オートベンチレーションシステム100を、実際の道路を走行した場合におけるガス濃度変化データに適用した場合の、センサ出力値S(n)、ベース値B(n)、差分値D(n)、微分値V(n)、及び濃度レベル信号LVの変化の例を、図27のグラフに示す。
なお、このグラフに使用するセンサ出力値のデータとしては、図23で示したガス濃度変化データと同一のものを使用した。また、ベース値の算出のための係数kも同様の値を用いた。従って、センサ出力値の他、微分値、ベース値、差分値はいずれも、図23に示したものと同一であり、濃度レベル信号のみが異なっている。即ち、本実施形態では、濃度レベル信号として、LV=0,1,2,3の4段階に対応する濃度レベル信号を出力するので、このグラフでも、図中上方ほど高位の濃度レベル信号に対応するように表現している。
また、図21と同様に、センサ出力値、ベース値、差分値の大きさを示す図中左端及び右端の縦軸は、任意の数値単位であり、微分値V(n)は正の値のみ表示すると共に、目盛り毎の単位をセンサ出力値等に比して大きくした。係数k=1/64、微分しきい値Tv=100、第1レベル間しきい値Tp1=0、第2レベル間しきい値Tp2=1000、第3レベル間しきい値Tp3=2000とした。
【0254】
時刻0〜785秒の期間においては、一部(330〜345秒、及び635〜680秒)を除き、濃度レベル信号LVはLV=0に対応するデューティ比15%のPWM信号を発生している。この期間は、ステップS305においてベース値B(n)=S(n)とされているので、センサ出力値とベース値とは一致して変化している。
その後、時刻約785秒付近において、センサ出力値が急激に(階段状)に上昇した。すると、直ちに微分値V(n)が大きくなって微分しきい値Tvを超えたため、濃度レベル信号としてLV=1(ディーティ比30%のPWM信号)が発生され、ベース値B(n)がステップS308によって算出されるようになる。従って、センサ出力値の増加に対しベース値は緩慢に増加するために、両者に差が生じて、差分値が正の値(ここでは約1600)となる。従って、ステップS310のサブルーチンにおいて、濃度レベル信号がLV=2(デューティ比50%)に切り替えられる。その後、このグラフから判るように、差分値の変動に従って、濃度レベル信号がLV=2あるいはLV=1に切り替えられる。
その後、時刻約905秒で差分値が第1レベル間しきい値Tp1=0以下となる。従って、ステップS111において、濃度レベル信号としてLV=0が発生される。
【0255】
時刻約1155〜1260秒及び、時刻約1285〜1345秒においても同様な動作が確認できる。特に、時刻1155秒付近では、差分値が極めて大きく(約4000)なったため、濃度レベル信号としてLV=3(デューティ比70%)を発生する期間も有ったことが判る。
さらに、時刻約785秒、1155秒、1285秒付近におけるセンサ出力値とベース値の関係から理解できるように、本実施形態では、濃度レベル信号としてLV=0の発生時には、微分値V(n)によってセンサ出力値の上昇、即ちガス濃度の上昇を検知しているので、上昇のごく初期に濃度レベル信号として、LV=0に代えてLV=1,2,3のいずれかを発生していることが判る。
なお、上記グラフでは、ベース値を算出するに当たって係数kとしてk=1/64を使用したが、より小さな係数(例えば1/256など)を用いれば、センサ出力値に対して、ベース値がより緩慢に追従するため、センサ出力値がさらに低くなった時点で濃度レベル信号をLV=0に切り替えるようにすることができる。
【0256】
このような制御によっても、車両用オートベンチレーションシステム100(図1参照)において、実施形態2と同様(図14参照)、得られた濃度レベル信号LVを用いて、フラップ駆動回路21でフラップ34の開度を指示し、適切に外気導入や内気循環の制御をすることができる。
【0257】
なお、上記実施形態4では、酸化性ガスに反応するガスセンサ素子11を用いたガス検出装置10及び車両用オートベンチレーションシステム100に適用した。しかし、変形形態4,11と同様、還元性ガスに反応するガスセンサ素子41を用いたガス検出装置40及び車両用オートベンチレーションシステム140において、同様な処理を行っても良い。但し、この場合には、還元性ガスの濃度が上昇すると、センサ出力値が低下するので、前記した変形形態11と同様に、微分値V(n)をV(n)=S(n−1)−S(n)により、また、差分値D(n)をD(n)=B(n)−S(n)により算出する(図24参照)。
【0258】
(実施形態5)
次いで、第5の実施形態について説明する。本実施形態5も、上記実施形態1と同様のガス検出装置10及び、これを含む車両用オートベンチレーションシステム100を有する。即ち、酸化性ガス成分の濃度変化を検出し、これに基づいてフラップ34を開閉するシステムである。
但し、前記実施形態1では、濃度低信号発生期間も濃度高信号発生期間のいずれも、ベース値及び差分値を算出して、ガスの濃度変化を検出した。
これに対し、本実施形態5では、濃度低信号発生期間はm個移動平均値及び差分値(第1差分値)を算出し、濃度高信号発生期間はベース値及び差分値(第2差分値)を算出して、ガスの濃度変化を検出する点で異なる。従って、実施形態1と異なる部分を中心に説明し、同様な部分については説明を省略あるいは簡略化する。なお、本実施形態5ではm=100とした。
【0259】
本実施形態5のマイクロコンピュータ16における制御を、図28のフローチャートに従って説明する。実施形態1と同様に、自動車のエンジンが駆動されると、本制御システムが立ち上がり、ガスセンサ素子11が活性状態となるのを待って、ステップS401で初期設定を行う。この初期設定として、濃度信号LVとして濃度低信号を発生させておく、具体的には濃度信号LVをローレベルとしておく。
その後、ステップS402に進み、センサ出力電位VsをA/D変換したセンサ出力値S(n)を順次読み込む。これをステップS403でn≧m−1、従ってn≧99となるまで繰り返す。次述するように、ステップS406でm個移動平均値(100個移動平均値)を算出するため、予めm−1個(=99個)のセンサ出力値を得ておくのである。なお、ステップS402及びS403で繰り返し取得するセンサ出力値の時間間隔は、後述するセンサ出力値の取得と同じく0.4秒毎とした。但し、ガス検出をより早く可能とするために、ステップS402,S403でのサンプリングタイムを、短く設定しても良い。
【0260】
その後、ステップS404に進み、センサ出力電位Vsを0.4秒ごとにA/D変換したセンサ出力値S(n)を順次読み込む。次いで、ステップS405において、現時点で濃度信号LVがハイレベル、つまり特定ガス(本実施形態では酸化性ガス)の濃度が高いレベルにあることを示す濃度高信号を発生しているかどうかを判断する。ここで、Noつまり濃度信号LVがローレベルであり濃度低信号を発生していれば、ステップS406に進む。一方、Yes、つまり濃度信号LVがハイレベルであり濃度高信号を発生していれば、ステップS411に進む。
【0261】
ステップS406では、実施形態1等と異なり、m個移動平均値(本実施形態5では100個移動平均値)Md(n)を算出する。具体的には、現在から遡ってm個(=100個)のセンサ出力値S(n)〜S(n−99)の平均値を算出する。具体的には、以下の式Md(n)=(S(n)+S(n−1)+…+S(n−99))/100を用いて算出し、ステップS407に進む。
この移動平均値Md(n)は、現在から遡って100個分のセンサ出力値S(n)の平均値であって、平均値であるが故に、センサ出力値の急激な変動には十分追従できない。従って、例えばガスセンサ素子11の温度変化等によるセンサ出力値のドリフトなどにより、ゆっくりとセンサ出力値S(n)が大きくなると、その変化に追従して移動平均値Md(n)も増加する。しかし、センサ出力値が大きく上昇した場合には、移動平均値は十分追従できず、センサ出力値に遅れて上昇する。
【0262】
次いで、ステップS407で、第1差分値D(n)を式D(n)=S(n)−Md(n)に従って算出する。
酸化性ガスの濃度が低いまま変化が少ない場合や、変化が緩やかな場合には、移動平均値Md(n)がセンサ出力値S(n)に追従して変化するので、この第1差分値D(n)はあまり大きな値にならない。
しかし、酸化性ガスの濃度が大きく上昇してセンサ出力値S(n)が大きく上昇すると、移動平均値Md(n)は十分追従できないために第1差分値D(n)が大きくなる。従って、後述するステップS409において、D(n)>Tmと判断され、ステップS410で濃度高信号を発生させることができる。
【0263】
さらに、ステップS408でベース値B(n)の値を調整する。このステップS408におけるベース値の調整は、実施形態3におけるステップS105と同様の理由による。
その後、ステップS409で第1差分値D(n)と移動平均しきい値Tmとを比較し、第1差分値D(n)が移動平均しきい値Tmよりも大きいとき(Yes)には、ステップS410に進み、現在発生している濃度低信号に代えて、濃度高信号を発生し、ステップS416に進む。具体的には、濃度信号LVをローレベルからハイレベルに切り替える。一方、第1差分値D(n)の大きさが移動平均しきい値Tm以下の場合(No)には、てステップS416に進む。
【0264】
これにより、センサ出力値が増加して、第1差分値D(n)が移動平均しきい値Tmよりも大きくなった場合には、これを捉えて、濃度低信号から濃度高信号に切り替えることができる。
なお、本実施形態では、m=100としたが、移動平均のサンプル数mが大きいほど、m個移動平均値Md(n)は変化し難くなり、センサ出力値S(n)に対して緩慢に追従するようになる。逆にサンプル数mを小さくすると、センサ出力値S(n)に対して比較的早く追従するようになる。従って、このガス検出装置10などを使用する環境等を考慮して、サンプル数mの大きさを適宜選択すればよい。
なおこの移動平均値Md(n)は、センサ出力値S(n)の変化に対して、次述するステップS411で算出するベース値B(n)よりも敏感に変化するように、サンプル数mと係数kとの関係を定めると良い。
【0265】
一方、ステップS411では、実施形態1と同様の式(下記参照)を用いて、ベース値B(n)を算出してステップS412に進む。B(n)=B(n−1)+k{S(n)−B(n−1)}、ここで、係数kは、0<k<1である。
ベース値B(n)は、センサ出力値S(n)に追従しつつも、センサ出力値より緩慢に変化する性質を有している。しかも、使用する係数kの大きさによってセンサ出力値S(n)に対する追従の程度を変えることができる。
【0266】
従って、酸化性ガス濃度の上昇によって、センサ出力値S(n)が大きくなる期間においては、ベース値B(n)はセンサ出力値S(n)ほどには上昇しない。つまり、算出されたベース値B(n)は、その直前ベース値B(n−1)からあまり変化しないことになる。従って、遡れば、ステップS410で濃度低信号から濃度高信号に切り替えた時点のベース値の影響が反映していることになる。ここで、ステップS408では、ベース値B(n)として、現在のセンサ出力値S(n)を代入する調整を行っている。従って、濃度低信号から濃度高信号への切替(ステップS410)直前のベース値は、その時点(切り替え直前)でのセンサ出力値に等しい。また、それ以降にステップS411で算出されたベース値は、切り替え直前のセンサ出力値から徐々に変化した値となる。このように、このステップS411で算出されたベース値B(n)は、切り替え直前のセンサ出力値からセンサ出力値の変化に対して緩慢に追従した値となる。
【0267】
ステップS412では、第2差分値D2(n)を式D2(n)=S(n)−B(n)に従って算出する。
さらにステップS413では、過去のセンサ出力値の調整及び記憶を行う。具体的には、99個(=m−1個)分の過去のセンサ出力値S(n−1)〜S(n−99)を現在のセンサ出力値S(n)に書き換える。次述するように、ステップS405で濃度高信号に代えて濃度低信号を発生するようになった場合には、その後にステップS406で移動平均値を算出することとなる。その際に算出される移動平均値Md(n)の値を濃度信号切り替え直前のセンサ出力値に近い値となるようにし、切替時の動作が不安定となるのを防止するためである。
【0268】
次いで、ステップS414で第2差分値D2(n)とPIしきい値Tpとを比較する。D2(n)<Tpとなった場合(Yes)にはステップS415に進み、現在発生している濃度高信号に代えて、濃度低信号を発生し、ステップS416に進む。具体的には、濃度信号LVをハイレベルからローレベルに切り替える。
このように、D2(n)<Tpとなった場合、つまり、センサ出力値とベース値との差が、PIしきい値Tpより小さくなった場合には、酸化性ガスの濃度が低下したと判断して、濃度高信号から濃度低信号に切り替える。
【0269】
濃度高信号を発生中(ステップS405でYes)において、酸化性ガス濃度が低下すると、センサ出力値S(n)の低下に対して、ベース値B(n)が遅れて低下するので、第2差分値D2(n)は徐々に小さくなる。従って、第2差分値D2(n)がPIしきい値Tpより小さくなったということは、酸化性ガスの濃度が低下したことを示していると考えられるからである。
一方、第2差分値D2(n)の大きさがPIしきい値Tp以上の場合(No)には、ステップS416に進み、濃度高信号の発生を維持する。
【0270】
その後、ステップS410,S415のいずれからも、ステップS416に進み、ステップS408,S411で算出した前回のベース値B(n)を記憶し、ステップS417でA/Dサンプリングタイムのタイムアップを待った上で、ステップS404に戻る。
このようにして、酸化性ガスの濃度が上昇すると、センサ出力値S(n)の上昇に遅れて移動平均Md(n)が変化するので、これを用いて算出した第1差分値D(n)が移動平均しきい値Tmより大きくなり、ステップS410で濃度高信号を発生する。その後は、ステップS405でYesと判断され、ステップS411に進むことで、移動平均値Md(n)に代えて、ベース値B(n)が算出される。
【0271】
その後、酸化性ガスの濃度が低下すると、第2差分値D2(n)が小さくなり、ステップS414で濃度低信号を発生する。その後は、ステップS405でNoと判断され、ステップS406に進むことで、再び移動平均値Md(n)が算出される。従って、再び酸化性ガスの濃度が上昇しても、これを捉えて濃度高信号を発生することができる。
【0272】
上記制御によっても、車両用オートベンチレーションシステム100(図1参照)において、実施形態1と同様(図2参照)、得られた濃度信号LV(濃度低信号及び濃度高信号)を用いて、フラップ駆動回路21でフラップ34の開閉を指示し、外気導入と内気循環(全開/全閉)を制御することができる。
【0273】
(変形形態12)
次いで、上記実施形態5の変形形態について説明する。本変形形態12のガス検出装置40及び、これを含む車両用オートベンチレーションシステム140は、前記した変形形態1とほぼ同様の構成を有する(図6参照)。従って、実施形態5と、ほぼ同様な処理フローによって処理されるが、異なる点をいくつか有する。即ち、上記実施形態5ではガスセンサ素子11として、酸化性ガス成分の濃度上昇と共にセンサ抵抗値Rsが上昇するタイプのガスセンサ素子を用いた。これに対し、本変形形態12では、還元性ガス成分の濃度上昇と共にセンサ抵抗値Rsが低下するタイプのガスセンサ素子41を用いる点で異なる。
またこれに伴い、本変形形態12のセンサ抵抗値変換回路44では、還元性ガスの濃度が上昇すると、センサ抵抗値Rsが低下し、センサ出力電位Vsが低下するように構成されているる点でも異なる。
さらに、マイクロコンピュータ16における処理のフローも若干異なる。
従って、変形形態1や実施形態5と異なる部分を中心に説明し、同様な部分については説明を省略あるいは簡略化する。
【0274】
本変形形態12のマイクロコンピュータ16における制御を、図29のフローチャートに従って説明する。変形形態1と同様に、自動車のエンジンが駆動されると、本制御システムが立ち上がり、ガスセンサ素子41が活性状態となるのを待って、ステップS501で初期設定を行う。初期設定として、濃度信号LVとして濃度低信号を発生させておく、具体的には濃度信号LVをローレベルとしておく。
その後、ステップS502に進み、センサ出力電位VsをA/D変換したセンサ出力値S(n)を順次読み込む。これをステップS503でn≧99となるまで繰り返す。次述するように、ステップS506でm個移動平均値(100個移動平均値)を算出するため、予めm−1個(=99個)のセンサ出力値を得ておくのである。
【0275】
その後、ステップS504に進み、センサ出力電位Vsを0.4秒ごとにA/D変換したセンサ出力値S(n)を順次読み込む。次いで、ステップS505で、現在、濃度高信号を発生しているか否かを判断する。ここで、Noつまり濃度低信号を発生していれば、ステップS506に進む。一方、Yesつまり濃度高信号を発生していれば、ステップS511に進む。
【0276】
ステップS506では、実施形態5と同様にして100個移動平均値Md(n)を算出し、ステップS507に進む。
この移動平均値Md(n)は、センサ出力値に追従して変化することは、実施形態5と同様である。従って、ガスセンサ素子41の温度ドリフトなどにより、ゆっくりセンサ出力値S(n)が小さくなると、その変化に追従して移動平均値Md(n)も減少する。しかし、還元性ガスの濃度の上昇によりセンサ出力値が大きく減少した場合には、移動平均値が十分追従できずセンサ出力値に遅れて減少する。
【0277】
次いで、ステップS507で、第1差分値D(n)を式D(n)=Md(n)−S(n)に従って算出する。なお、実施形態5におけるステップS407と算出の式が異なるのは、本変形形態で用いるガスセンサ素子41の特性等を考慮し、還元性ガスの濃度の上昇局面で、第1差分値D(n)が正の値となるようにして、処理を容易にするためである。
さらに、ステップS508でベース値B(n)の値を調整する。このステップS508におけるベース値の調整は、実施形態3,5におけるステップS105、S408と同様の理由による。
【0278】
その後、ステップS509で第1差分値D(n)と移動平均しきい値Tmとを比較し、第1差分値D(n)が移動平均しきい値Tmよりも大きいとき(Yes)には、ステップS510に進み、現在発生している濃度低信号に代えて、濃度高信号を発生し、ステップS516に進む。具体的には、濃度信号LVをローレベルからハイレベルに切り替える。一方、第1差分値D(n)の大きさが移動平均しきい値Tm以下の場合(No)には、ステップS516に進む。
これにより、センサ出力値S(n)が減少して、第1差分値D(n)が移動平均しきい値Tmよりも大きくなった場合には、これを捉えて、濃度低信号から濃度高信号に切り替えることができる。
【0279】
一方、ステップS511では、変形形態1と同様の下記式を用いて、ベース値B(n)を算出してステップS512に進む。B(n)=B(n−1)+k{S(n)−B(n−1)}、ここで、係数kは、0<k<1である。
ベース値B(n)は、センサ出力値S(n)に追従しつつもセンサ出力値より緩慢に変化する性質を有している。しかも、使用する係数kの大きさによってセンサ出力値S(n)に対する追従の程度を変えることができる。
【0280】
従って、還元性ガスの濃度の上昇によって、たとえセンサ出力値S(n)が小さくなる期間においては、ベース値B(n)はセンサ出力値S(n)ほどには低下しない。つまり、算出されたベース値B(n)は、その直前ベース値B(n−1)からあまり変化しないことになる。従って、遡れば、ステップS510で濃度低信号から濃度高信号に切り替えて発生した時点のベース値の影響が反映していることになる。
ここで、ステップS508では、ベース値B(n)として、現在のセンサ出力値S(n)を代入する調整を行っている。従って、濃度低信号から濃度高信号への切替(ステップS510)直前のベース値は、その時点(切り替え直前)でのセンサ出力値に等しい。また、それ以降にステップS511で算出されたベース値は、切り替え直前のセンサ出力値から徐々に変化した値となる。このように、このステップS511で算出されたベース値B(n)は、切り替え直前のセンサ出力値からセンサ出力値の変化に対して緩慢に追従した値となる。
【0281】
ステップS512では、第2差分値D2(n)を式D2(n)=B(n)−S(n)に従って算出する。なお、本変形形態12におけるステップS412と算出の式が異なるのは、本変形形態で用いるガスセンサ素子41の特性等を考慮し、還元性ガスの濃度が高い期間に、第2差分値D2(n)が正の値となるようにして、処理を容易にするためである。
さらにステップS513では、過去のセンサ出力値の調整及び記憶を行う。具体的には、99個分の過去のセンサ出力値S(n−1)〜S(n−99)を現在のセンサ出力値S(n)に書き換える。再びステップS506で移動平均値を算出することとなった場合に、算出される移動平均値Md(n)の値を濃度信号切り替え直前のセンサ出力値に近い値となるようにし、切替時の動作が不安定となるのを防止するためである。
【0282】
次いで、ステップS514で第2差分値D2(n)とPIしきい値Tpとを比較する。D2(n)<Tpとなった場合(Yes)にはステップS515に進み、現在発生している濃度高信号に代えて、濃度低信号を発生し、ステップS516に進む。具体的には、濃度信号LVをハイレベルからローレベルに切り替える。このように、第2差分値D2(n)がPIしきい値Tpよりも小さい場合、つまり、ベース値とセンサ出力値との差が、PIしきい値Tpより小さくなった場合には、還元性ガスの濃度が低下したと判断して、濃度高信号から濃度低信号に切り替える。
【0283】
濃度高信号を発生中(ステップS505でYes)において、還元性ガスの濃度が低下すると、センサ出力値S(n)の上昇に対して、ベース値B(n)が遅れて上昇するので、第2差分値D2(n)は徐々に小さくなる。従って、第2差分値D2(n)がPIしきい値Tpより小さくなったということは、還元性ガスの濃度が低下したことを示していると考えられるからである。
一方、D2(n)≧Tpの場合(No)には、ステップ516に進み、濃度高信号の発生を維持する。
【0284】
その後、ステップS510,S515のいずれからも、ステップS516に進み、ステップS508,S511で算出した前回のベース値B(n)を記憶し、ステップS517でA/Dサンプリングタイムのタイムアップを待った上で、ステップS504に戻る。
このようにして、還元性ガスの濃度が上昇すると、センサ出力値S(n)の上昇に遅れて移動平均Md(n)が変化するので、これを用いて算出した第1差分値D(n)が移動平均しきい値Tmより大きくなり、ステップS510で濃度高信号を発生する。その後は、ステップS505でYesと判断され、ステップS511に進むことで、移動平均値Md(n)に代えて、ベース値B(n)が算出される。
【0285】
その後、還元性ガスの濃度が低下すると、第2差分値D2(n)が小さくなり、ステップS514で濃度低信号を発生する。その後は、ステップS505でNoと判断され、ステップS506に進むことで、再び移動平均値Md(n)や第1差分値D(n)が算出される。従って、再び還元性ガスの濃度が上昇してもこれを捉えて濃度高信号を発生することができる。
【0286】
上記制御によっても、車両用オートベンチレーションシステム140(図6参照)において、実施形態1と同様(図2参照)、得られた濃度信号LV(濃度低信号及び濃度高信号)を用いて、フラップ駆動回路21でフラップ34の開閉を指示し、外気導入と内気循環(全開/全閉)を制御することができる。
【0287】
以上において、本発明を実施形態及び変形形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態や変形形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態や変形形態では、ガスセンサ素子11,41を分圧回路のアース側(下側)に位置させ、検出抵抗12を電源側(上側)とした(図1、図6参照)が、上下逆として、ガスセンサ素子11,41を分圧回路の電源側(上側)に位置させ、検出抵抗12をアース側(下側)としても良い。但し、このようにした場合には、例えば、NOxの濃度が上昇すると、センサ電圧Vsが低下する方向に変化するというように、センサ抵抗変換回路の特性が逆になるので、それに応じた処理を行う必要がある。
【0288】
また、上記実施形態3,変形形態11等では、ベース値B(n)を算出したが、このベース値の算出に代えて、移動平均値を算出するようにしても良い。また、実施形態3等では微分値V(n)を算出したが、微分値のほか、2階微分値や微分に似た算出手法(例えば、S(n)−S(n−2)など)によって求めた値を用いても良い。
【0289】
また、上記変形形態2,3,7,8,9,10では、濃度チャタリングを防止するため、しきい値にヒステリシスを持たせ、濃度レベルを上げるときと下げるときで異なるしきい値で判断するようにしている。しかし、その他の方法によって、濃度信号や濃度レベル信号のチャタリングを防止することもできる。例えば、一旦濃度レベルを変更したら、所定時間を経過するまでその濃度レベルを維持するようにする手法が挙げられる。
【0290】
さらに、上記各実施形態及び変形形態では、センサ抵抗変換回路14,44として、ガスセンサ素子11,41と検出抵抗12とで電源電位Vccを分圧し、その動作点Pdの電位Vsを用いるものを使用した。しかし、センサ抵抗変換回路としては、ガスセンサ素子のセンサ抵抗値Rsに応じたセンサ出力電位を出力するものであれば良く、上記分圧回路以外の回路構成とすることもできる。
例えば、図30に示すセンサ抵抗変換回路51を有するガス濃度検出装置50及びこれを含むオートベンチレーションシステム150を用いることもできる。即ち、センサ抵抗変換回路51は、ガスセンサ素子57のセンサ抵抗値Rsに応じて変化する動作点Pdのセンサ電圧Vs(出力信号)を得るためのセンサ抵抗変換回路であり、パルス入力端子52と、出力端子53とを有する。
このパルス入力端子52には、抵抗値Rcの固定抵抗器54が接続され、さらにこの抵抗器54に直列にダイオード55のアノード551が接続されている。また、ダイオード55のカソード552は、静電容量Cを有し一端562が接地されたコンデンサ56の他端561と接続している。さらに、ガスセンサ素子57は、コンデンサ56と並列に配置され、一端572が接地され、他端571がコンデンサ56の他端561及びダイオード55のカソード552と接続している。なお、この接続点が動作点Pdである。出力端子53にはこの動作点Pdのセンサ電位Vsが導かれている。
【0291】
センサ電位Vsは、実施形態1等と同様に、A/D変換回路15でA/D変換されて入力端子17入力されたセンサ出力値S(n)をマイクロコンピュータ16で処理して、ガスの濃度変化を検出する。このマイクロコンピュータ16の出力端子18には、実施形態1等と同様に、電子制御アセンブリ20(具体的にはフラップ駆動回路17やアクチュエータ18)が接続され、フラップ34が制御されるようになっている。
さらに、マイクロコンピュータ16には、センサ出力値S(n)などに応じて、オープンドレインタイプの制御出力端子19からパルス信号Scを出力する。このパルス信号Scによってガスセンサ素子駆動回路51が駆動される。このパルス信号Scは、図中下方の円内に示すように、0Vと+5Vとの2つの電位が交互に現れる周波数fpのパルス信号であり、このパルス信号Scのデューティ比DT(%)は、DT=100t1/(t1+t2)で与えられる。
【0292】
このセンサ抵抗変換回路51の入力端子52に印加されるパルス信号Scがハイレベルになると、固定抵抗器54とダイオード55を通じてコンデンサ56に、時定数τ1=C・Rc・Rs/(Rc+Rs)で充電される。
一方、パルス信号Scがローレベルになると、コンデンサ56の電荷はガスセンサ素子57を通じて、時定数τ2=CRsで放電される。
パルス信号Scを繰り返し入力すると、充電と放電とが均衡した定常状態となり、図中上方の円内に示すように、センサ電圧Vsは、若干のリップルVrを有するものの、ほぼ一定値となる。このセンサ電圧Vsは、センサ抵抗値Rsに応じて変化するから、センサ電圧VsをA/D変換して、実施形態1等と同様に処理することで、ガス濃度の変化を検出することができる。
【0293】
しかも、このセンサ抵抗変換回路51を用いると、パルス信号Scのデューティ比DTに応じて、コンデンサ56の充電電圧を変化させることができる。
前記したように、ガスセンサ素子11と検出抵抗12とで電源電圧Vccを分圧してセンサ電圧Vsを得る回路(図1参照)では、温度や湿度などの環境によって、センサ抵抗値Rsが大きく変動した場合に、センサ電圧Vsが電源電位Vcc近くあるいは接地電位近くに偏ってしまうことがある。すると、ガス濃度変化によってセンサ抵抗値Rsがさらに変化しても、それによるセンサ電圧Vsの変化が小さくなり、ガス濃度変化を正確に検出することができなくなることがある。
これに対して、本センサ抵抗変換回路51を用いたガス濃度検出装置50及びこれを含む車両用オートベンチレーションシステム150では、このような場合でも、パルス信号Scのデューティ比をDT適宜選択することで、センサ電圧Vsを、例えば、1〜3.5Vなどの所望の範囲に保ち、その電圧範囲内でガス濃度の変化によるセンサ電圧Vsの変動を精度良く計測できる利点がある。
【0294】
その他、図31に示すセンサ抵抗変換回路61を有するガス濃度検出装置60及びこれを含むオートベンチレーションシステム160を用いることもできる。このセンサ抵抗変換回路61では、コンデンサ70に蓄積した電荷を、ガスセンサ素子67と第2ダイオード68を介して接地電位(0V)となった制御出力端子19に戻して放電させる点で異なる。従って、異なる部分を中心に説明する。
【0295】
このセンサ抵抗変換回路61では、パルス入力端子62と一端702が接地されたコンデンサ70の他端701との間に、固定抵抗器64とコンデンサ70側をカソードとした第1ダイオード65とが直列に接続されたRD直列回路66と、ガスセンサ素子67とコンデンサ70側をアノードとした第2ダイオード68が直列に接続されたSD直列回路69とが、並列に接続されている。なお、コンデンサの他端701が動作点Pdであり、出力端子63にはこの動作点Pdのセンサ電位Vsが導かれている。
【0296】
このセンサ抵抗変換回路61についても、マイクロコンピュータ16の制御出力端子19から出力されたパルス信号Scがハイレベルとなると、RD直列回路66を通じて、時定数τ1=CRcでコンデンサ70に充電される。また、パルス信号Scがローレベルとなると、SD直列回路69を通じて、時定数τ2=CRsでコンデンサ70に蓄えられた電荷が放電される。
パルス信号Scを繰り返し入力すると、上記センサ抵抗変換回路51と同様に、センサ電圧Vsはほぼ一定値となる。このセンサ電圧Vsは、センサ抵抗値Rsに応じて変化するから、センサ電圧VsをA/D変換して、実施形態1等と同様に処理することで、ガス濃度の変化を検出することができる。
【0297】
しかも、パルス信号Scのデューティ比DTに応じてコンデンサ70の充電電圧を変化させることができる。このため、上記ガス検出装置50やオートベンチレーションシステム150と同じく、温度や湿度などの環境によって、センサ抵抗値Rsが大きく変動した場合に、センサ電圧Vsが電源電位Vcc近くあるいは接地電位近くに偏ってしまっても、パルス信号Scのデューティ比を適宜選択することで、センサ電圧Vsを、例えば、1〜3.5Vなどの所望の範囲に保ち、その電圧範囲内でガス濃度の変化によるセンサ電圧Vsの変動を確実に計測できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1にかかるガス検出装置および車両用オートベンチレーションシステムの概要を示す説明図である。
【図2】実施形態1にかかる車両用オートベンチレーションシステムにおける制御のフローを示す説明図である。
【図3】実施形態1にかかるガス検出装置のうちマイクロコンピュータにおける制御のフローを示す説明図である。
【図4】実施形態1にかかり、第2係数k2=0とした場合に、NOxの濃度がある期間上昇したときの、センサ出力値S(n)、ベース値B(n)、差分値D(n)の変化、及び濃度信号の変化を示す説明図である。
【図5】第2係数k2>0とした場合に、NOxの濃度がある期間上昇したときの、センサ出力値S(n)、ベース値B(n)、差分値D(n)の変化、及び濃度信号の変化を示す説明図である。
【図6】変形形態1にかかるガス検出装置および車両用オートベンチレーションシステムの概要を示す説明図である。
【図7】変形形態1にかかるガス検出装置のうちマイクロコンピュータにおける制御のフローを示す説明図である。
【図8】変形形態1にかかり、COの濃度がある期間上昇したときの、センサ出力値S(n)、ベース値B(n)、差分値D(n)の変化、及び濃度信号の変化を示す説明図である。
【図9】変形形態2にかかるガス検出装置のうちマイクロコンピュータにおける制御のフローを示す説明図である。
【図10】変形形態3にかかるガス検出装置のうちマイクロコンピュータにおける制御のフローを示す説明図である。
【図11】実施形態2にかかるガス検出装置のうちマイクロコンピュータにおける制御のフローを示す説明図である。
【図12】実施形態2にかかる制御フローのうち、濃度レベル信号切替発生のサブルーチンの内容を示す説明図である。
【図13】実施形態2にかかり、NOxの濃度がある期間上昇したときの、センサ出力値S(n)、ベース値B(n)、差分値D(n)の変化、及び濃度信号の変化を示す説明図である。
【図14】実施形態2にかかる車両用オートベンチレーションシステムにおける制御のフローを示す説明図である。
【図15】変形形態4にかかるガス検出装置のうちマイクロコンピュータにおける制御のフローを示す説明図である。
【図16】変形形態4にかかり、COの濃度がある期間上昇したときの、センサ出力値S(n)、ベース値B(n)、差分値D(n)の変化、及び濃度信号の変化を示す説明図である。
【図17】変形形態5,6にかかる制御フローのうち、濃度レベル信号切替発生のサブルーチンの内容を示す説明図である。
【図18】変形形態7,8にかかる制御フローのうち、濃度レベル信号切替発生のサブルーチンの内容を示す説明図である。
【図19】変形形態7にかかり、NOxの濃度がある期間上昇したときの、センサ出力値S(n)、ベース値B(n)、差分値D(n)の変化、及び濃度信号の変化を示す説明図である。
【図20】変形形態8にかかり、COの濃度がある期間上昇したときの、センサ出力値S(n)、ベース値B(n)、差分値D(n)の変化、及び濃度信号の変化を示す説明図である。
【図21】変形形態9,10にかかる制御フローのうち、濃度レベル信号切替発生のサブルーチンの内容を示す説明図である。
【図22】実施形態3にかかるガス検出装置のうちマイクロコンピュータにおける制御のフローを示す説明図である。
【図23】実施形態3にかかり、実際の走行時におけるセンサ出力値S(n)の例、及びベース値B(n)、差分値D(n)、微分値V(n)の変化、及び濃度信号の変化を示す説明図である。
【図24】変形形態11にかかるガス検出装置のうちマイクロコンピュータにおける制御のフローを示す説明図である。
【図25】実施形態4にかかるガス検出装置のうちマイクロコンピュータにおける制御のフローを示す説明図である。
【図26】実施形態4にかかる制御フローのうち、濃度レベル信号切替発生のサブルーチンの内容を示す説明図である。
【図27】実施形態4にかかり、実際の走行時におけるセンサ出力値S(n)の例、及びベース値B(n)、差分値D(n)、微分値V(n)の変化、及び濃度レベル信号の変化を示す説明図である。
【図28】実施形態5にかかるガス検出装置のうちマイクロコンピュータにおける制御のフローを示す説明図である。
【図29】変形形態12にかかるガス検出装置のうちマイクロコンピュータにおける制御のフローを示す説明図である。
【図30】その他のセンサ抵抗変換回路を含むガス濃度検出装置および車両用オートベンチレーションシステムの概要を示す説明図である。
【図31】さらに他のセンサ抵抗変換回路を含むガス濃度検出装置および車両用オートベンチレーションシステムの概要を示す説明図である。
【符号の説明】
100,140,150,160 車両用オートベンチレーションシステム
10,40,50,60 ガス検出装置
11,41,57,67 ガスセンサ素子
12 検出抵抗
14,44,51,61 センサ抵抗値変換回路
16 マイクロコンピュータ
20 電子制御アセンブリ
21 フラップ駆動回路
31,32,33 ダクト
34 フラップ
Claims (31)
- 特定ガスの濃度に応じて電気的特性が変化するガスセンサ素子を用いるガス検出装置であって、
上記ガスセンサ素子を用いてセンサ出力値を取得する取得手段と、
上記センサ出力値を用いて算出された第1判断対象値が、第1しきい値に対し第1大小関係を満たしているか否かを判断する第1判断手段と、
上記センサ出力値を用いて、上記第1判断対象値を算出する算出手法とは異なる算出手法で算出された第2判断対象値が、第2しきい値に対し第2大小関係を満たしているか否かを判断する第2判断手段と、
濃度低信号と濃度高信号のいずれかを発生する濃度信号発生手段であって、
上記濃度低信号を発生している期間において、上記第1判断手段で上記第1大小関係が満たされたときに、上記濃度低信号に代えて上記濃度高信号を発生し、
上記濃度高信号を発生している期間において、上記第2判断手段で上記第2大小関係が満たされたときに、上記濃度高信号に代えて上記濃度低信号を発生する
濃度信号発生手段と、
を備えるガス検出装置。 - 請求項1に記載のガス検出装置であって、
前記センサ出力値と、このセンサ出力値を用いて算出され、このセンサ出力値が変化したときに、このセンサ出力値よりも緩慢に追従変化する第2計算値と、の差分である第2差分値を算出する第2算出手段を備え、
前記第2判断手段は、
前記第2判断対象値である上記第2差分値が、前記第2しきい値に対し、前記第2大小関係を満たすか否かの判断を行う
ガス検出装置。 - 請求項2に記載のガス検出装置であって、
前記センサ出力値と、このセンサ出力値を用いて算出され、このセンサ出力値が変化したときに、前記第2計算値よりも敏感に追従変化する第1計算値との差分である第1差分値を算出する第1算出手段を備え、
前記第1判断手段は、
前記第1判断対象値である上記第1差分値が、前記第1しきい値に対し、前記第1大小関係を満たすか否かの判断を行う
ガス検出装置。 - 特定ガスの濃度に応じて電気的特性が変化するガスセンサ素子を用いるガス検出装置であって、
上記ガスセンサ素子を用いてセンサ出力値を取得する取得手段と、
複数の濃度レベルにそれぞれ対応する複数の濃度レベル信号を切り替えて発生する濃度レベル信号切替発生手段と、
上記センサ出力値を用いて算出された第1判断対象値が、第1しきい値に対し第1大小関係を満たしているか否かを判断する第1判断手段と、
上記センサ出力値を用いて、上記第1判断対象値を算出する算出手法とは異なる算出手法で算出された第2判断対象値と、上記複数の濃度レベル同士間のレベル間境界に対して1対1に対応する複数のレベル間しきい値とが、それぞれ所定の大小関係を満たすか否かを判断する第2判断手段と、
を備え、
上記濃度レベル信号切替発生手段は、
最も低位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号を発生している期間において、上記第1判断手段で上記第1大小関係が満たされたときに、上記最も低位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号に代えて、上記最も低位の濃度レベルより1つ高位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号を発生し、
最も低位の濃度レベルよりも高位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号を発生している期間において、
上記第2判断対象値が、現在の上記濃度レベルとこれより1つ高位の上記濃度レベルとの間の上記レベル間境界に対応する上記レベル間しきい値に対し、上記所定の大小関係を満たすときに、上記現在の濃度レベルよりも高位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生し、
上記第2判断対象値が、現在の上記濃度レベルとこれより1つ低位の上記濃度レベルとの間の上記レベル間境界に対応する上記レベル間しきい値に対し、上記所定の大小関係を満たさないときに、上記現在の濃度レベルよりも低位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生する
ガス検出装置。 - 特定ガスの濃度に応じてセンサ抵抗が変化するガスセンサ素子を用いるガス検出装置であって、
上記ガスセンサ素子に通電して、そのセンサ抵抗値変化に応じたセンサ出力電位を出力するセンサ抵抗値変換回路であって、上記特定ガスの濃度が上昇したときに上記センサ出力電位が上昇するセンサ抵抗値変換回路と、
所定時間毎に上記センサ出力電位をA/D変換してセンサ出力値を取得するA/D変換手段と、
上記センサ出力値から下記式(1)に従ってベース値を算出する第1ベース値算出手段と、
B(n)=B(n−1)+k1{S(n)−B(n−1)} …(1)
但し、S(n)はセンサ出力値、B(n)はベース値、k1は第1係数であり、0<k1<1、nは時系列の順序を示す整数、
上記センサ出力値S(n)とベース値B(n)とから下記式(2)に従って差分値D(n)を算出する差分値算出手段と、
D(n)=S(n)−B(n) …(2)
但し、D(n)は差分値、
濃度低信号と濃度高信号のいずれかを発生する濃度信号発生手段であって、
上記差分値が所定の濃度しきい値よりも大きいときに、上記濃度高信号を発生する濃度信号発生手段と、
上記濃度高信号の発生期間中、上記式(1)に代えて、上記センサ出力値S(n)から下記式(3)に従ってベース値B(n)を算出する第2ベース値算出手段と、
B(n)=B(n−1)+k2{S(n)−B(n−1)} …(3)
但し、k2は第2係数であり、0≦k2<k1<1、
を備えるガス検出装置。 - 請求項5に記載のガス検出装置であって、
前記所定の濃度しきい値に代えて、濃度高しきい値と、上記濃度高しきい値よりも小さな濃度低しきい値と、を有し、
前記濃度信号発生手段は、
前記濃度低信号の発生期間中に前記差分値が上記濃度高しきい値よりも大きくなると、上記濃度低信号に代えて上記濃度高信号を発生し、
上記濃度高信号発生期間中に前記差分値が上記濃度低しきい値よりも小さくなると、上記濃度高信号に代えて濃度低信号を発生する
ガス検出装置。 - 特定ガスの濃度に応じてセンサ抵抗が変化するガスセンサ素子を用いるガス検出装置であって、
上記ガスセンサ素子に通電して、そのセンサ抵抗値変化に応じたセンサ出力電位を出力するセンサ抵抗値変換回路であって、上記特定ガスの濃度が上昇したときに上記センサ出力電位が上昇するセンサ抵抗値変換回路と、
所定時間毎に上記センサ出力電位をA/D変換してセンサ出力値を取得するA/D変換手段と、
上記センサ出力値から下記式(1)に従ってベース値を算出する第1ベース値算出手段と、
B(n)=B(n−1)+k1{S(n)−B(n−1)} …(1)
但し、S(n)はセンサ出力値、B(n)はベース値、k1は第1係数であり、0<k1<1、nは時系列の順序を示す整数、
上記センサ出力値とベース値とから下記式(2)に従って差分値を算出する差分値算出手段と、
D(n)=S(n)−B(n) …(2)
但し、D(n)は差分値、
複数の濃度レベルにそれぞれ対応する複数の濃度レベル信号を切り替えて発生する濃度レベル信号切替発生手段であって、
上記複数の濃度レベル同士間のレベル間境界と1対1に対応する複数のレベル間しきい値であって、高位の上記濃度レベル間境界に対応する上記レベル間しきい値ほど大きな値であるレベル間しきい値を有し、
現在の上記濃度レベルとこれより1つ高位の上記濃度レベルとの間の上記レベル間境界に対応する上記レベル間しきい値よりも、上記差分値が大きいときに、上記現在の濃度レベルよりも高位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生し、
現在の上記濃度レベルとこれより1つ低位の上記濃度レベルとの間の上記レベル間境界に対応する上記レベル間しきい値よりも、上記差分値が小さいときに、上記現在の濃度レベルよりも低位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生する
濃度レベル信号切替発生手段と、
上記濃度レベル信号切替発生手段で、所定の上記濃度レベルよりも高位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号の発生期間中、上記式(1)に代えて、上記センサ出力値から下記式(3)に従ってベース値を算出する第2ベース値算出手段と、
B(n)=B(n−1)+k2{S(n)−B(n−1)} …(3)
但し、k2は第2係数であり、0≦k2<k1<1、
を備えるガス検出装置。 - 請求項7に記載のガス検出装置であって、
前記濃度レベル信号切替発生手段は、
前記現在の濃度レベルとこれより1つ高位の前記濃度レベルとの間の前記レベル間境界に対応する前記レベル間しきい値よりも、前記差分値が大きいときに、発生する前記濃度レベル信号として、上記1つ高位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生し、
前記現在の濃度レベルとこれより1つ低位の前記濃度レベルとの間の前記レベル間境界に対応する前記レベル間しきい値よりも、前記差分値が小さいときに、発生する前記濃度レベル信号として、上記1つ低位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生する
ガス検出装置。 - 請求項7に記載のガス検出装置であって、
前記濃度レベル信号切替発生手段は、
前記現在の濃度レベルとこれより1つ高位の前記濃度レベルとの間の前記レベル間境界に対応する前記レベル間しきい値よりも、前記差分値が大きいときに、発生する前記濃度レベル信号として、上記差分値が超えた上記レベル間しきい値に対応する1又は複数の上記濃度レベル間境界のうち、最も高位の上記濃度レベル間境界の高位側に位置する上記濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生し、
前記現在の濃度レベルとこれより1つ低位の前記濃度レベルとの間の前記レベル間境界に対応する前記レベル間しきい値よりも、前記差分値が小さいときに、発生する前記濃度レベル信号として、上記差分値が下回った上記レベル間しきい値に対応する1又は複数の上記濃度レベル間境界のうち、最も低位の上記濃度レベル間境界の低位側に位置する上記濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生する
ガス検出装置。 - 特定ガスの濃度に応じてセンサ抵抗が変化するガスセンサ素子を用いるガス検出装置であって、
上記ガスセンサ素子に通電して、そのセンサ抵抗値変化に応じたセンサ出力電位を出力するセンサ抵抗値変換回路であって、上記特定ガスの濃度が上昇したときに上記センサ出力電位が上昇するセンサ抵抗値変換回路と、
所定時間毎に上記センサ出力電位をA/D変換してセンサ出力値を取得するA/D変換手段と、
上記センサ出力値から下記式(1)に従ってベース値を算出する第1ベース値算出手段と、
B(n)=B(n−1)+k1{S(n)−B(n−1)} …(1)
但し、S(n)はセンサ出力値、B(n)はベース値、k1は第1係数であり、0<k1<1、nは時系列の順序を示す整数、
上記センサ出力値とベース値とから下記式(2)に従って差分値を算出する差分値算出手段と、
D(n)=S(n)−B(n) …(2)
但し、D(n)は差分値、
複数の濃度レベルにそれぞれ対応する複数の濃度レベル信号を切り替えて発生する濃度レベル信号切替発生手段であって、
上記複数の濃度レベル同士間のレベル間境界と1対1に対応する複数のレベルアップしきい値であって、高位の上記濃度レベル間境界に対応する上記レベルアップしきい値ほど大きな値であるレベルアップしきい値と、
上記複数の濃度レベル間境界と1対1に対応する複数のレベルダウンしきい値であって、高位の上記濃度レベル間境界に対応する上記レベルダウンしきい値ほど大きな値であり、同位の上記濃度レベル間境界に対応する上記レベルアップしきい値よりも小さな値であるレベルダウンしきい値と、
を有し、
現在の上記濃度レベルとこれより1つ高位の上記濃度レベルとの間の上記レベル間境界に対応する上記レベルアップしきい値よりも、上記差分値が大きいときに、上記現在発生している上記濃度レベル信号に対応する上記濃度レベルよりも高位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生し、
現在の上記濃度レベルとこれより1つ低位の上記濃度レベルとの間の上記レベル間境界に対応する上記レベルダウンしきい値よりも、上記差分値が小さいときに、上記現在発生している上記濃度レベル信号に対応する上記濃度レベルよりも低位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生する
濃度レベル信号切替発生手段と、
上記濃度レベル信号切替発生手段で、所定の上記濃度レベルよりも高位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号の発生期間中、上記式(1)に代えて、上記センサ出力値から下記式(3)に従ってベース値を算出する第2ベース値算出手段と、
B(n)=B(n−1)+k2{S(n)−B(n−1)} …(3)
但し、k2は第2係数であり、0≦k2<k1<1、
を備えるガス検出装置。 - 請求項10に記載のガス検出装置であって、
前記濃度レベル信号切替発生手段は、
前記現在の濃度レベルとこれより1つ高位の前記濃度レベルとの間の前記レベル間境界に対応する前記レベルアップしきい値よりも、前記差分値が大きいときに、発生する前記濃度レベル信号として、上記1つ高位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生し、
前記現在の濃度レベルとこれより1つ低位の前記濃度レベルとの間の前記レベル間境界に対応する前記レベルダウンしきい値よりも、前記差分値が小さいときに、発生する前記濃度レベル信号として、上記1つ低位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生する
ガス検出装置。 - 請求項10に記載のガス検出装置であって、
前記濃度レベル信号切替発生手段は、
前記現在の濃度レベルとこれより1つ高位の前記濃度レベルとの間の前記レベル間境界に対応する前記レベルアップしきい値よりも、前記差分値が大きいときに、前記濃度レベル信号として、上記差分値が超えた上記レベルアップしきい値に対応する1又は複数の上記濃度レベル間境界のうち、最も高位の上記濃度レベル間境界の高位側に位置する上記濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生し、
前記現在の濃度レベルとこれより1つ低位の前記濃度レベルとの間の前記レベル間境界に対応する前記レベルダウンしきい値よりも、前記差分値が小さいときに、前記濃度レベル信号として、上記差分値が下回った上記レベルダウンしきい値に対応する1又は複数の上記濃度レベル間境界のうち、最も低位の上記濃度レベル間境界の低位側に位置する上記濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生する
ガス検出装置。 - 請求項7〜請求項12のいずれかに記載のガス検出装置であって、
前記第2ベース値算出手段における前記所定の濃度レベルは、
前記濃度レベル信号切替発生手段が有する前記複数の濃度レベルのうち、最も低位の濃度レベルである
ガス検出装置。 - 請求項5〜請求項13のいずれかに記載のガス検出装置であって、
前記第2係数k2は、k2>0である
ガス検出装置。 - 特定ガスの濃度に応じてセンサ抵抗が変化するガスセンサ素子を用いるガス検出装置であって、
上記ガスセンサ素子に通電して、そのセンサ抵抗値変化に応じたセンサ出力電位を出力するセンサ抵抗値変換回路であって、上記特定ガスの濃度が上昇したときに上記センサ出力電位が低下するセンサ抵抗値変換回路と、
所定時間毎に上記センサ出力電位をA/D変換してセンサ出力値を取得するA/D変換手段と、
上記センサ出力値から下記式(4)に従ってベース値を算出する第3ベース値算出手段と、
B(n)=B(n−1)+k3{S(n)−B(n−1)} …(4)
但し、S(n)はセンサ出力値、B(n)はベース値、k3は第3係数であり、0<k3<1、nは時系列の順序を示す整数、
上記センサ出力値S(n)とベース値B(n)とから下記式(5)に従って差分値D(n)を算出する差分値算出手段と、
D(n)=B(n)−S(n) …(5)
但し、D(n)は差分値、
濃度低信号と濃度高信号のいずれかを発生する濃度信号発生手段であって、上記差分値が所定の濃度しきい値よりも大きいときに、上記濃度高信号を発生する濃度信号発生手段と、
上記濃度高信号の発生期間中、上記式(4)に代えて、上記センサ出力値S(n)から下記式(6)に従ってベース値B(n)を算出する第4ベース値算出手段と、
B(n)=B(n−1)+k4{S(n)−B(n−1)} …(6)
但し、k4は第4係数であり、0≦k4<k3<1、
を備えるガス検出装置。 - 請求項15に記載のガス検出装置であって、
前記所定の濃度しきい値に代えて、濃度高しきい値と、上記濃度高しきい値よりも小さな濃度低しきい値と、を有し、
前記濃度信号発生手段は、
前記濃度低信号の発生期間中に前記差分値が上記濃度高しきい値よりも大きくなると、上記濃度低信号に代えて上記濃度高信号を発生し、
上記濃度高信号発生期間中に前記差分値が上記濃度低しきい値よりも小さくなると、上記濃度高信号に代えて濃度低信号を発生する
ガス検出装置。 - 特定ガスの濃度に応じてセンサ抵抗が変化するガスセンサ素子を用いるガス検出装置であって、
上記ガスセンサ素子に通電して、そのセンサ抵抗値変化に応じたセンサ出力電位を出力するセンサ抵抗値変換回路であって、上記特定ガスの濃度が上昇したときに上記センサ出力電位が低下するセンサ抵抗値変換回路と、
所定時間毎に上記センサ出力電位をA/D変換してセンサ出力値を取得するA/D変換手段と、
上記センサ出力値から下記式(4)に従ってベース値を算出する第3ベース値算出手段と、
B(n)=B(n−1)+k3{S(n)−B(n−1)} …(4)
但し、S(n)はセンサ出力値、B(n)はベース値、k3は第3係数であり、0<k3<1、nは時系列の順序を示す整数、
上記センサ出力値とベース値とから下記式(5)に従って差分値を算出する差分値算出手段と、
D(n)=B(n)−S(n) …(5)
但し、D(n)は差分値、
複数の濃度レベルにそれぞれ対応する複数の濃度レベル信号を切り替えて発生する濃度レベル信号切替発生手段であって、
上記複数の濃度レベル同士間のレベル間境界と1対1に対応する複数のレベル間しきい値であって、高位の上記濃度レベル間境界に対応する上記レベル間しきい値ほど大きな値であるレベル間しきい値を有し、
現在の上記濃度レベルとこれより1つ高位の上記濃度レベルとの間の上記レベル間境界に対応する上記レベル間しきい値よりも、上記差分値が大きいときに、上記現在の濃度レベルよりも高位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生し、
現在の上記濃度レベルとこれより1つ低位の上記濃度レベルとの間の上記レベル間境界に対応する上記レベル間しきい値よりも、上記差分値が小さいときに、上記現在の濃度レベルよりも低位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生する
濃度レベル信号切替発生手段と、
上記濃度レベル信号切替発生手段で、所定の上記濃度レベルよりも高位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号の発生期間中、上記式(4)に代えて、上記センサ出力値から下記式(6)に従ってベース値を算出する第4ベース値算出手段と、
B(n)=B(n−1)+k4{S(n)−B(n−1)} …(6)
但し、k4は第4係数であり、0≦k4<k3<1、
を備えるガス検出装置。 - 請求項17に記載のガス検出装置であって、
前記濃度レベル信号切替発生手段は、
前記現在の濃度レベルとこれより1つ高位の前記濃度レベルとの間の前記レベル間境界に対応する前記レベル間しきい値よりも、前記差分値が大きいときに、発生する前記濃度レベル信号として、上記1つ高位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生し、
前記現在の濃度レベルとこれより1つ低位の前記濃度レベルとの間の前記レベル間境界に対応する前記レベル間しきい値よりも、前記差分値が小さいときに、発生する前記濃度レベル信号として、上記1つ低位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生する
ガス検出装置。 - 請求項17に記載のガス検出装置であって、
前記濃度レベル信号切替発生手段は、
前記現在の濃度レベルとこれより1つ高位の前記濃度レベルとの間の前記レベル間境界に対応する前記レベル間しきい値よりも、前記差分値が大きいときに、発生する前記濃度レベル信号として、上記差分値が超えた上記レベル間しきい値に対応する1又は複数の上記濃度レベル間境界のうち、最も高位の上記濃度レベル間境界の高位側に位置する上記濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生し、
前記現在の濃度レベルとこれより1つ低位の前記濃度レベルとの間の前記レベル間境界に対応する前記レベル間しきい値よりも、前記差分値が小さいときに、発生する前記濃度レベル信号として、上記差分値が下回った上記レベル間しきい値に対応する1又は複数の上記濃度レベル間境界のうち、最も低位の上記濃度レベル間境界の低位側に位置する上記濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生する
ガス検出装置。 - 特定ガスの濃度に応じてセンサ抵抗が変化するガスセンサ素子を用いるガス検出装置であって、
上記ガスセンサ素子に通電して、そのセンサ抵抗値変化に応じたセンサ出力電位を出力するセンサ抵抗値変換回路であって、上記特定ガスの濃度が上昇したときに上記センサ出力電位が低下するセンサ抵抗値変換回路と、
所定時間毎に上記センサ出力電位をA/D変換してセンサ出力値を取得するA/D変換手段と、
上記センサ出力値から下記式(4)に従ってベース値を算出する第3ベース値算出手段と、
B(n)=B(n−1)+k3{S(n)−B(n−1)} …(4)
但し、S(n)はセンサ出力値、B(n)はベース値、k3は第3係数であり、0<k3<1、nは時系列の順序を示す整数、
上記センサ出力値とベース値とから下記式(5)に従って差分値を算出する差分値算出手段と、
D(n)=B(n)−S(n) …(5)
但し、D(n)は差分値、
複数の濃度レベルにそれぞれ対応する複数の濃度レベル信号を切り替えて発生する濃度レベル信号切替発生手段であって、
上記複数の濃度レベル同士間のレベル間境界と1対1に対応する複数のレベルアップしきい値であって、高位の上記濃度レベル間境界に対応する上記レベルアップしきい値ほど大きな値であるレベルアップしきい値と、
上記複数の濃度レベル間境界と1対1に対応する複数のレベルダウンしきい値であって、高位の上記濃度レベル間境界に対応する上記レベルダウンしきい値ほど大きな値であり、同位の上記濃度レベル間境界に対応する上記レベルアップしきい値よりも小さな値であるレベルダウンしきい値と、
を有し、
現在の上記濃度レベルとこれより1つ高位の上記濃度レベルとの間の上記レベル間境界に対応する上記レベルアップしきい値よりも、上記差分値が大きいときに、上記現在発生している上記濃度レベル信号に対応する上記濃度レベルよりも高位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生し、
現在の上記濃度レベルとこれより1つ低位の上記濃度レベルとの間の上記レベル間境界に対応する上記レベルダウンしきい値よりも、上記差分値が小さいときに、上記現在発生している上記濃度レベル信号に対応する上記濃度レベルよりも低位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生する
濃度レベル信号切替発生手段と、
上記濃度レベル信号切替発生手段で、所定の上記濃度レベルよりも高位の濃度レベルに対応する濃度レベル信号の発生期間中、上記式(4)に代えて、上記センサ出力値から下記式(6)に従ってベース値を算出する第4ベース値算出手段と、
B(n)=B(n−1)+k4{S(n)−B(n−1)} …(6)
但し、k4は第4係数であり、0≦k4<k3<1、
を備えるガス検出装置。 - 請求項20に記載のガス検出装置であって、
前記濃度レベル信号切替発生手段は、
前記現在の濃度レベルとこれより1つ高位の前記濃度レベルとの間の前記レベル間境界に対応する前記レベルアップしきい値よりも、前記差分値が大きいときに、前記濃度レベル信号として、上記1つ高位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生し、
前記現在の濃度レベルとこれより1つ低位の前記濃度レベルとの間の前記レベル間境界に対応する前記レベルダウンしきい値よりも、前記差分値が小さいときに、前記濃度レベル信号として、上記1つ低位の濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生する
ガス検出装置。 - 請求項20に記載のガス検出装置であって、
前記濃度レベル信号切替発生手段は、
前記現在の濃度レベルとこれより1つ高位の前記濃度レベルとの間の前記レベル間境界に対応する前記レベルアップしきい値よりも、前記差分値が大きいときに、前記濃度レベル信号として、上記差分値が超えた上記レベルアップしきい値に対応する1又は複数の上記濃度レベル間境界のうち、最も高位の上記濃度レベル間境界の高位側に位置する上記濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生し、
前記現在の濃度レベルとこれより1つ低位の前記濃度レベルとの間の前記レベル間境界に対応する前記レベルダウンしきい値よりも、前記差分値が小さいときに、前記濃度レベル信号として、上記差分値が下回った上記レベルダウンしきい値に対応する1又は複数の上記濃度レベル間境界のうち、最も低位の上記濃度レベル間境界の低位側に位置する上記濃度レベルに対応する上記濃度レベル信号を発生する
ガス検出装置。 - 請求項17〜請求項22のいずれかに記載のガス検出装置であって、
前記第4ベース値算出手段における前記所定の濃度レベルは、
前記濃度レベル信号切替発生手段が有する前記複数の濃度レベルのうち、最も低位の濃度レベルである
ガス検出装置。 - 請求項15〜請求項23のいずれかに記載のガス検出装置であって、
前記第4係数k4は、k4>0である
ガス検出装置。 - 特定ガスの濃度に応じてセンサ抵抗が変化するガスセンサ素子を用いるガス検出装置であって、
上記ガスセンサ素子に通電して、そのセンサ抵抗値変化に応じたセンサ出力電位を出力するセンサ抵抗値変換回路であって、上記特定ガスの濃度が上昇したときに上記センサ出力電位が上昇するセンサ抵抗値変換回路と、
所定時間毎に上記センサ出力電位をA/D変換してセンサ出力値を取得するA/D変換手段と、
上記センサ出力値から下記式(7)に従って微分値を算出する微分値算出手段と、
V(n)=S(n)−S(n−1) …(7)
但し、S(n)はセンサ出力値、V(n)は微分値、nは時系列の順序を示す整数、
上記センサ出力値S(n)から下記式(8)に従ってベース値B(n)を算出するベース値算出手段と、
B(n)=B(n−1)+k{S(n)−B(n−1)} …(8)
但し、kは係数であり、0<k<1、
上記センサ出力値S(n)とベース値B(n)とから下記式(9)に従って差分値D(n)を算出する差分値算出手段と、
D(n)=S(n)−B(n) …(9)
濃度低信号と濃度高信号のいずれかを発生する濃度信号発生手段であって、
上記濃度低信号の発生期間中、上記微分値V(n)が第1しきい値よりも大きいときに、上記濃度高信号を発生し、
上記濃度高信号の発生期間中、上記差分値D(n)が第2しきい値よりも小さいときに、上記濃度低信号を発生する
濃度信号発生手段と、
を備えるガス検出装置。 - 特定ガスの濃度に応じてセンサ抵抗が変化するガスセンサ素子を用いるガス検出装置であって、
上記ガスセンサ素子に通電して、そのセンサ抵抗値変化に応じたセンサ出力電位を出力するセンサ抵抗値変換回路であって、上記特定ガスの濃度が上昇したときに上記センサ出力電位が低下するセンサ抵抗値変換回路と、
所定時間毎に上記センサ出力電位をA/D変換してセンサ出力値を取得するA/D変換手段と、
上記センサ出力値から下記式(10)に従って微分値を算出する微分値算出手段と、
V(n)=S(n−1)−S(n) …(10)
但し、S(n)はセンサ出力値、V(n)は微分値、nは時系列の順序を示す整数、
上記センサ出力値S(n)から下記式(11)に従ってベース値B(n)を算出するベース値算出手段と、
B(n)=B(n−1)+k{S(n)−B(n−1)} …(11)
但し、kは係数であり、0<k<1、
上記センサ出力値S(n)とベース値B(n)とから下記式(12)に従って差分値D(n)を算出する差分値算出手段と、
D(n)=B(n)−S(n) …(12)
濃度低信号と濃度高信号のいずれかを発生する濃度信号発生手段であって、
上記濃度低信号の発生期間中、上記微分値V(n)が第1しきい値よりも大きいときに、上記濃度高信号を発生し、
上記濃度高信号の発生期間中、上記差分値D(n)が第2しきい値よりも小さいときに、上記濃度低信号を発生する
濃度信号発生手段と、
を備えるガス検出装置。 - 特定ガスの濃度に応じてセンサ抵抗が変化するガスセンサ素子を用いるガス検出装置であって、
上記ガスセンサ素子に通電して、そのセンサ抵抗値変化に応じたセンサ出力電位を出力するセンサ抵抗値変換回路であって、上記特定ガスの濃度が上昇したときに上記センサ出力電位が上昇するセンサ抵抗値変換回路と、
所定時間毎に上記センサ出力電位をA/D変換してセンサ出力値を取得するA/D変換手段と、
新しいものから遡ってm個分の上記センサ出力値から下記式(13)に従ってm個移動平均値を算出する移動平均値算出手段と、
Md(n)={S(n)+S(n−1)+…+S(n−(m−1))}…(13)
但し、S(n)はセンサ出力値、Md(n)はm個移動平均値、nは時系列の順序を示す整数、mは移動平均値のサンプル数、
上記センサ出力値S(n)とm個移動平均値Md(n)とから下記式(14)に従って第1差分値D(n)を算出する第1差分値算出手段と、
D(n)=S(n)−Md(n) …(14)
上記センサ出力値S(n)から下記式(15)に従ってベース値B(n)を算出するベース値算出手段と、
B(n)=B(n−1)+k{S(n)−B(n−1)} …(15)
但し、kは係数であり、0<k<1、
上記センサ出力値S(n)とベース値B(n)とから下記式(16)に従って第2差分値D2(n)を算出する第2差分値算出手段と、
D2(n)=S(n)−B(n) …(16)
濃度低信号と濃度高信号のいずれかを発生する濃度信号発生手段であって、
上記濃度低信号の発生期間中、上記第1差分値D(n)が第1しきい値よりも大きいときに、上記濃度高信号を発生し、
上記濃度高信号の発生期間中、上記第2差分値D2(n)が第2しきい値よりも小さいときに、上記濃度低信号を発生する
濃度信号発生手段と、
を備えるガス検出装置。 - 特定ガスの濃度に応じてセンサ抵抗が変化するガスセンサ素子を用いるガス検出装置であって、
上記ガスセンサ素子に通電して、そのセンサ抵抗値変化に応じたセンサ出力電位を出力するセンサ抵抗値変換回路であって、上記特定ガスの濃度が上昇したときに上記センサ出力電位が低下するセンサ抵抗値変換回路と、
所定時間毎に上記センサ出力電位をA/D変換してセンサ出力値を取得するA/D変換手段と、
新しいものから遡ってm個分の上記センサ出力値から下記式(17)に従ってm個移動平均値を算出する移動平均値算出手段と、
Md(n)={S(n)+S(n−1)+…+S(n−(m−1))}…(17)
但し、S(n)はセンサ出力値、Md(n)はm個移動平均値、nは時系列の順序を示す整数、mは移動平均のサンプル数、
上記センサ出力値S(n)とm個移動平均値Md(n)とから下記式(18)に従って第1差分値D(n)を算出する第1差分値算出手段と、
D(n)=Md(n)−S(n) …(18)
上記センサ出力値S(n)から下記式(19)に従ってベース値B(n)を算出するベース値算出手段と、
B(n)=B(n−1)+k{S(n)−B(n−1)} …(19)
但し、kは係数であり、0<k<1、
上記センサ出力値S(n)とベース値B(n)とから下記式(20)に従って第2差分値D2(n)を算出する第2差分値算出手段と、
D2(n)=B(n)−S(n) …(20)
濃度低信号と濃度高信号のいずれかを発生する濃度信号発生手段であって、
上記濃度低信号の発生期間中、上記第1差分値D(n)が第1しきい値よりも大きいときに、上記濃度高信号を発生し、
上記濃度高信号の発生期間中、上記第2差分値D2(n)が第2しきい値よりも小さいときに、上記濃度低信号を発生する
濃度信号発生手段と、
を備えるガス検出装置。 - 請求項1〜請求項28のいずれかに記載のガス検出装置を含む
車両用オートベンチレーションシステム。 - 外気導入口の開閉装置と、
請求項1〜請求項3、請求項5、請求項6、請求項15、請求項16、請求項25〜請求項28のいずれかに記載のガス検出装置と、
前記濃度信号が濃度低信号であるときに、上記外気導入口の開閉装置を全開とし、
前記濃度信号が濃度高信号であるときに、上記外気導入口の開閉装置を全閉とする開閉指示信号を出力する開閉指示手段と、
を備える車両用オートベンチレーションシステム。 - 外気導入口の開閉装置と、
請求項4、請求項7〜請求項14、請求項17〜請求項24のいずれかに記載のガス検出装置と、
前記濃度レベル信号に応じて、上記外気導入口の開閉装置の開度を指示する開度指示信号を出力する開度指示手段と、
を備える車両用オートベンチレーションシステム。
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