JP4201162B2 - パターン形成体の製造方法およびそれに用いるフォトマスク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光触媒を用いて特性を変化させるに当たり、形成されたパターン形成体中には光触媒が存在しないため、経時的に劣化する可能性の少ないパターン形成体の製造方法、およびこの製造方法にも用いることができるフォトマスクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、高精細なパターンを形成する方法として、基材上に塗布したフォトレジスト層にパターン露光を行い、露光後、フォトレジストを現像し、さらにエッチングを行ったり、フォトレジストに機能性を有する物質を用いて、フォトレジストの露光によって目的とするパターンを直接形成する等のフォトリソグラフィーによるパターン形成体の製造方法が知られている。
【0003】
フォトリソグラフィーによる高精細パターンの形成は、液晶表示装置等に用いられるカラーフィルタの着色パターンの形成、マイクロレンズの形成、精細な電気回路基板の製造、パターンの露光に使用するクロムマスクの製造等に用いられているが、これらの方法によっては、フォトレジストを用いると共に、露光後に液体現像液によって現像を行ったり、エッチングを行う必要があるので、廃液を処理する必要が生じる等の問題点があり、またフォトレジストとして機能性の物質を用いた場合には、現像の際に使用されるアルカリ液等によって劣化する等の問題点もあった。
【0004】
カラーフィルタ等の高精細なパターンを印刷等によって形成することも行われているが、印刷で形成されるパターンには、位置精度等の問題があり、高精度なパターンの形成は困難であった。
【0005】
一方、このような問題点を解決するために、光触媒の作用により濡れ性が変化する物質を用いてパターンを形成するパターン形成体の製造方法等が本発明者等において検討されてきた。しかしながら、これまでの光触媒の作用によるパターン形成体の製造方法は、製造されるパターン形成体自体に光触媒が含まれる構成となることから、パターン形成体の種類によっては、この光触媒によって劣化が起こる可能性があるという問題点を有する場合もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、パターン形成体の製造に際して、高精度にパターンを形成することが可能であり、露光後の後処理が不要で、かつ製造されたパターン形成体内に光触媒が含有されていないことから、パターン形成体自体の劣化の心配もないパターン形成体の製造方法を提供することを主目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、光触媒の作用により表面の特性が変化する特性変化層を有するパターン形成体用基板を調製するパターン形成体用基板調製工程と、基材と、前記基材上にパターン状に形成された遮光部と、前記遮光部上に形成され、無定形シリカからなるプライマー層と、前記プライマー層上に形成され光触媒を含有する光触媒含有層とを有する光触媒含有層側基板の光触媒含有層と前記特性変化層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向から前記光触媒含有層にエネルギーを照射することにより、前記光触媒含有層に含まれる光触媒の作用によって前記特性変化層表面に特性の変化したパターンを形成するパターン形成工程とを有することを特徴とするパターン形成体の製造方法を提供する。
【0008】
本発明によれば、特にエネルギー照射後の後処理も必要無く、種々の特性を有するパターンを高精細に形成することができる。また、エネルギー照射後、パターン形成体から光触媒含有層側基板を取り外すので、パターン形成体自体には光触媒含有層が含まれることがなく、したがってパターン形成体の光触媒の作用による経時的な劣化に対する心配がない。さらに、光触媒含有層と特性変化層との間隔が、上述した範囲内であるので、効率よくかつ精度の良好な特性の変化したパターンを有するパターン形成体を得ることができる。
【0009】
本発明においては、上記光触媒含有層と上記特性変化層とを、0.2μm〜10μmの範囲内となるよう間隔をおいて配置したものであることが好ましい。光触媒含有層と特性変化層との間隔が、0.2μm〜10μmの範囲内であるので、短時間のエネルギー照射により特性の変化したパターンを有するパターン形成体を得ることができる。
【0010】
本発明においては、上記光触媒含有層側基板が、基材と、上記基材上にパターン状に形成された光触媒含有層とからなることが好ましい。このように、光触媒含有層をパターン状に形成することにより、フォトマスクを用いることなく特性変化層上に特性の異なるパターンを形成することが可能となるからである。また、光触媒含有層に対応する面のみ特性が変化するものであるので、照射するエネルギーは特に平行なエネルギーに限られるものではなく、また、エネルギーの照射方向も特に限定されるものではないことから、エネルギー源の種類および配置の自由度が大幅に増加するという利点を有するからである。
【0011】
本発明においては、上記光触媒含有層側基板が、基材と、上記基材上に形成された光触媒含有層と、パターン状に形成された遮光部とからなり、上記パターン形成工程におけるエネルギーの照射が、光触媒含有層側基板から行なわれることが好ましい。
【0012】
このように光触媒含有層側基板に遮光部を有することにより、エネルギー照射に際してフォトマスク等を用いる必要がないことから、フォトマスクと位置合わせ等が不要となり、工程を簡略化することが可能となるからである。
【0013】
本発明においては、上記光触媒含有層側基板において、上記遮光部が上記基材上にパターン状に形成され、さらにその上に上記光触媒含有層が形成されているものであってもよく、また上記光触媒含有層側基板において、上記基材上に光触媒含有層が形成され、上記光触媒含有層上に上記遮光部がパターン状に形成されているものであってもよい。
【0014】
遮光部は、特性変化層と近い位置に配置されることが、得られる特性パターンの精度上好ましいものであるといえる。したがって、上述した位置に遮光部を配置することが好ましいのである。また、光触媒含有層上に遮光部を形成した場合は、上記パターン形成工程における光触媒含有層と特性変化層との配置に際してのスペーサとして用いることができるという利点を有するものである。
【0015】
本発明においては、上記光触媒含有層側基板において、上記光触媒含有層上に厚みが0.2μm〜10μmの範囲内であるスペーサがパターン状に形成されており、上記スペーサと上記特性変化層とを接触させて露光させることが好ましい。
【0016】
このように、光触媒含有層上にパターン状にスペーサを設け、これを特性変化層と接触させるようにして露光することにより、光触媒含有層と特性変化層との距離を0.2μm〜10μmの範囲内に容易に保つことが可能となる。また、このスペーサが形成された部分は光触媒含有層がスペーサにより覆われることから、この部分はエネルギー照射されても特性変化層上の特性に変化が生じない。したがって、スペーサが形成されたパターンと同じパターンで特性変化層上に特性の異なるパターンを形成することが可能となる。
【0017】
本発明においては、上記スペーサが、遮光性の材料で形成された遮光部であることが好ましい。スペーサが遮光部であることにより、遮光部を特性変化層に密着させた状態でエネルギー照射を行うことにより、より高精細なパターンを形成することが可能となるからである。
【0018】
本発明はまた、透明な基材上に遮光部がパターン状に形成されたフォトマスク上にプライマー層を介して光触媒含有層が形成された光触媒含有層側基板と、少なくとも上記光触媒含有層中の光触媒の作用により特性の変化する特性変化層を有するパターン形成体用基板とを、上記光触媒含有層および上記パターン形成体用基板が接触するように配置し、もしくは上記光触媒含有層の光触媒の作用が上記特性変化層に及ぶ距離を隔てて上記光触媒含有層側基板を配置した後、エネルギーを照射することにより、照射した部分の特性変化層の特性を変化させて、次いで、光触媒含有層側基板を取り外すことにより特性の変化したパターンを形成することを特徴とするパターン形成体の製造方法を提供する。
【0019】
本発明によれば、特にエネルギー照射後の後処理も必要無く、高感度で高精細なパターンを製造することができる。また、エネルギー照射後、パターンから光触媒含有層側基板を取り外すので、特性変化層側基板自体には光触媒含有層が含まれることがなく、したがって光触媒の作用による経時的な劣化に対する心配がない。さらに、プライマー層の効果により、上記遮光部をパターニングする際に生じ、遮光部もしくは遮光部間の開口部に存在する残渣等が、光触媒の作用に影響を与えない。したがって、光触媒の感度を向上させることが可能であり、短時間のエネルギー照射により特性の変化したパターンを得ることができる。
【0020】
本発明においては、上記光触媒含有層の光触媒の作用が上記特性変化層に及ぶ距離が、0.2μm〜10μmの範囲内とであることが好ましい。光触媒含有層と特性変化層との間隔が、0.2μm〜10μmの範囲内であるので、短時間のエネルギー照射により特性の変化したパターンを有するパターン形成体を得ることができるからである。
【0021】
本発明においては、上記光触媒含有層が、光触媒からなる層であることが好ましい。光触媒含有層が光触媒のみからなる層であれば、特性変化層の特性を変化させる効率を向上させることが可能であり、効率的にパターン形成体を製造することができるからである。
【0022】
本発明においては、上記光触媒含有層が、光触媒を真空製膜法により基材上に製膜してなる層であることが好ましい。このように真空製膜法により光触媒含有層を形成することにより、表面の凹凸が少なく均一な膜厚の均質な光触媒含有層とすることが可能であり、特性変化層表面への特性パターンの形成を均一にかつ高効率で行うことができるからである。
【0023】
本発明においては、上記光触媒含有層が、光触媒とバインダとを有する層であってもよい。このようにバインダを用いることにより、比較的容易に光触媒含有層を形成することが可能となり、結果的に低コストでパターン形成体の製造を行うことができるからである。
【0024】
本発明においては、上記光触媒が、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化タングステン(WO3)、酸化ビスマス(Bi2O3)、および酸化鉄(Fe2O3)から選択される1種または2種以上の物質であることが好ましく、中でも請求項15に記載するように、上記光触媒が酸化チタン(TiO2)であることが好ましい。これは、二酸化チタンのバンドギャップエネルギーが高いため光触媒として有効であり、かつ化学的にも安定で毒性もなく、入手も容易だからである。
【0025】
本発明においては、上記パターン形成体用基板が、少なくとも基板とこの基板上に設けられた上記特性変化層とから形成されていることが好ましい。これは、通常特性変化層は種々の特性を有するものであることから、強度面、コスト面および機能面から基板上に薄膜として形成されることが好ましいからである。
【0026】
本発明においては、上記特性変化層が、光触媒含有層中の光触媒の作用により、エネルギー照射された際に液体との接触角が低下するように濡れ性が変化する濡れ性変化層であることが好ましい。この特性変化層の特性は種々のものがあるが、その中でも重要なものとして濡れ性の変化を挙げることができる。このように特性変化層を濡れ性変化層とすることにより、光触媒の作用により濡れ性の変化したパターンを有するパターン形成体とすることが可能となり、この濡れ性の変化した部位にインク等の機能性部用組成物を付着させることにより、後述するように種々の機能性素子、例えばカラーフィルタやマイクロレンズ等を形成することができるからである。
【0027】
本発明においては、上記濡れ性変化層上における表面張力40mN/mの液体との接触角が、露光されていない部分において10°以上であり、露光された部分において9°以下であることが好ましい。エネルギーが照射されていない部分は撥液性が要求される部分であり、照射された部分は親液性が要求される部分であることから、この程度の濡れ性である必要があるからである。
【0028】
本発明においては、上記濡れ性変化層が、オルガノポリシロキサンを含有する層であることが好ましく、中でも、上記オルガノポリシロキサンが、フルオロアルキル基を含有するポリシロキサンであることが好ましい。このような濡れ性変化層は、光触媒含有層が接触した状態でのエネルギー照射により、大幅な濡れ性の変化を得ることができるからである。
【0029】
本発明においては、上記オルガノポリシロキサンが、YnSiX(4−n)(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。このようなオルガノポリシロキサンを材料として濡れ性変化層を形成することにより、濡れ性の差の大きな濡れ性パターンが形成されたパターン形成体とすることができるからである。
【0030】
本発明においては、上記パターン形成体用基板が、自己支持性を有するフィルムであり、その少なくとも一方の表面が光触媒含有層中の光触媒の作用により、エネルギー照射された際に液体との接触角が低下するように濡れ性が変化するようなフィルム状の濡れ性変化層であってもよい。このようなパターン形成体は、例えば所定の材質からなる市販のフィルムの一方の表面に光触媒含有層と接触させた状態でエネルギー照射することのみで、濡れ性の異なるパターンを得ることが可能であり、安価なパターン形成体とすることができるからである。
【0031】
本発明においては、上記特性変化層が、光触媒含有層中の光触媒の作用により分解除去される分解除去層であってもよい。このように、特性変化層を光触媒含有層中の光触媒の作用により分解除去される分解除去層とすることにより、エネルギー照射された部分は光触媒の作用により分解され除去されることになる。このようにエネルギーが照射された部分は、特に後処理の必要性もなく完全に分解除去することが可能であるので、例えば分解除去層をフォトレジストとし、ここに光触媒含有層側基板を接触させて露光することにより、従来行われてきた現像工程を行う必要無しにフォトレジストにパターンを形成することができる等の種々の用途があるからである。
【0032】
本発明においては、上記分解除去層とこの分解除去層が分解除去された際に露出する基板との液体との接触角が異なることが好ましい。
【0033】
このように、分解除去層とこの分解除去層が分解除去された際に露出する基板との液体との接触角が異なることにより、エネルギー照射された部分は光触媒の作用により分解除去層が分解され除去されて基材が表面に露出することになる。一方、エネルギー照射されていない部分は分解除去層が残存することになる。ここで、分解除去層と露出した基材とで液体との接触角が異なるものである場合、例えば分解除去層を撥液性の材料で形成し、基材を親液性の材料で形成した場合等においては、予め機能性部を形成する部分にエネルギーを照射して光触媒を作用させることによりその部分の分解除去層を除去することができ、エネルギーを照射した部分は凹部でかつ親液性領域となり、エネルギーを照射しない部分は凸部でかつ撥液性領域となる。これにより、この機能性部を設ける凹部でかつ親液性領域の部分に機能性部用組成物を精確かつ容易に付着させることができる。よって、上述した特性変化層が濡れ性変化層である場合よりさらに精確に機能性部が形成でき、かつ現像工程もしくは洗浄工程等のエネルギー照射後の後処理を行う必要がない。このため、容易に工程を簡略化することが可能であり、安価かつ精確な機能性部を有する機能性素子を得ることができる。
【0034】
本発明においては、上記分解除去層が、自己組織化単分子膜、ラングミュア−ブロジェット膜、もしくは交互吸着膜のいずれかであることが好ましい。これらの材料が、光触媒含有層中の光触媒の作用により分解除去されて、種々の機能を発揮するものだからである。
【0035】
本発明においては、上記エネルギー照射が、光触媒含有層を加熱しながらなされることが好ましい。光触媒を加熱することにより、光触媒の感度が向上し、特性変化層上での特性の変化を効率的に行うことができるからである。
【0036】
本発明においては、透明な基材と、上記透明な基材上にパターン状に形成された遮光部と、上記透明な基材および遮光部上に形成されたプライマー層と、上記プライマー層上に形成された光触媒含有層とからなることを特徴とするフォトマスクを提供する。このようなフォトマスクを用いれば、単にこのフォトマスクを介してエネルギーを照射するのみで、種々の特性の変化したパターンを得ることができ、効率的にパターン形成体を得ることができるからである。
【0037】
また、本発明においては、透明な基材と、上記透明な基材上に形成された光触媒含有層と、0.2μm〜10μmの厚みで上記光触媒含有層上にパターン状に形成された遮光部パターンとからなることを特徴とするフォトマスク、および請求項29に記載するように透明な基材と、0.2μm〜10μmの厚みで上記透明基材上にパターン状に形成された遮光部パターンと、上記透明な基材および上記遮光部パターン上に形成された光触媒含有層とからなることを特徴とするフォトマスクを提供する。この場合も同様に、このフォトマスクを介して上述したような特性変化層を有するパターン形成体用基板にエネルギーを照射することにより、種々の特性の変化したパターンを得ることができ、効率的にパターン形成体を得ることができるからである。
【0038】
本発明においてはさらに、上記本発明に係るパターン形成体の製造方法により製造されたパターン形成体に、機能性部が配置されたことを特徴とする機能性素子を提供する。このように、本発明のパターン形成体を用いることにより、容易に機能性素子を得ることができる。
【0039】
本発明の機能性素子は、上記機能性部が金属であるものを挙げることができる。この場合は、例えば高精細な電気回路基板等に応用することが可能となる。
【0040】
本発明は、上記機能性素子における機能性部が、画素部であることを特徴とするカラーフィルタを提供する。このようなカラーフィルタは、高精細な画素部が高精度で形成されたもので、極めて高品質なものである。
【0041】
【発明の実施の形態】
まず、本発明のパターン形成体の製造方法について説明し、次いで、このパターン形成体の製造方法にも用いることができるフォトマスクについて説明する。
【0042】
A.パターン形成体の製造方法
本発明のパターン形成体の製造方法は、光触媒の作用により表面の特性が変化する特性変化層を有するパターン形成体用基板を調製するパターン形成体用基板調製工程と、
光触媒を含有する光触媒含有層が基材上に形成されてなる光触媒含有層側基板の光触媒含有層と上記特性変化層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射することにより、上記特性変化層表面に特性の変化したパターンを形成するパターン形成工程と
を有することを特徴とするものである。
【0043】
このように、本発明のパターン形成体の製造方法においては、光触媒含有層および特性変化層を所定の間隙を有するように配置した後、所定の方向からエネルギー照射することにより、光触媒含有層中の光触媒の作用により、光触媒含有層に面しかつ露光した部分の特性変化層の特性が変化し、この特性変化層上の特性の変化した部分のパターンが形成される。したがって、パターン形成に際して露光後の現像・洗浄等の後処理が不要となるので、従来より少ない工程で、かつ安価に特性の異なるパターンを形成することができる。そして、この特性変化層の材料を選択することにより、様々な用途に用いることができるパターン形成体とすることができる。
【0044】
さらに、本発明においては、特性変化層上の特性を光触媒含有層中の光触媒の作用により変化させた後、光触媒含有層側基板を取り外してパターン形成体側基板をパターン形成体としたものであるので、得られるパターン形成体には必ずしも光触媒が含有されている必要がない。したがって、得られるパターン形成体が光触媒の作用により経時的に劣化するといった不具合を防止することができる。
【0045】
このような、本発明のパターン形成体の製造方法について、図面を用いて具体的に説明する。図1は、本発明のパターン形成体の製造方法の一例を示すものである。
【0046】
この例においては、まず、基材1上に光触媒含有層2が形成されてなる光触媒含有層側基板3と、基板4上に特性変化層5が形成されてなるパターン形成体用基板6とを調整する(図1(a)参照、パターン形成体用基板調製工程)。
【0047】
次に、図1(b)に示すように、上記光触媒含有層側基板3とパターン形成体用基板6とを、それぞれの光触媒含有層2および特性変化層5が所定の間隔を有するように配置した後、必要とされるパターンが描かれたフォトマスク7を用い、これを介して紫外光8を光触媒含有層側基板3側から照射する。これにより、図1(c)に示すように、特性変化層5表面に特性の変化した領域9からなるパターンが形成される(パターン形成工程)。
【0048】
また、上記紫外線の照射は、上記例ではフォトマスク7を介したものであるが、後述するように光触媒含有層がパターン状に形成されたものや、光触媒含有層側基板内に遮光部が形成されたものを用いてもよく、この場合は、フォトマスク7等を用いることなく、全面に露光することになる。
【0049】
そして、上記パターン形成体用基板6上から光触媒含有層側基板を外す工程が行われ(図1(d))、表面に特性が変化したパターン9を有するパターン形成体6を得ることができる。
【0050】
このような本発明のパターン形成体の製造方法について、各要素毎に詳細に説明する。
【0051】
1.光触媒含有層側基板の調整
本発明においては、まず後述するパターン形成工程において用いる光触媒含有層側基板を調製する。この光触媒含有層側基板は、基材と、この基材上に形成された光触媒を含有する光触媒含有層とを有するものである。
【0052】
このような光触媒含有層側基板は、少なくとも光触媒含有層と基材とを有するものであり、通常は基材上に所定の方法で形成された薄膜状の光触媒含有層が形成されてなるものである。また、この光触媒含有層側基板には、パターン状に形成された遮光部が形成されたものも用いることができる。
【0053】
(光触媒含有層)
本発明に用いられる光触媒含有層は、光触媒含有層中の光触媒が、対象とする特性変化層の特性を変化させるような構成であれば、特に限定されるものではなく、光触媒とバインダとから構成されているものであってもよいし、光触媒単体で製膜されたものであってもよい。また、その表面の濡れ性は特に親液性であっても撥液性であってもよい。
【0054】
本発明において用いられる光触媒含有層は、例えば上記図1(a)等に示すように、基材1上に全面に形成されたものであってもよいが、例えば図2に示すように、基材1上に光触媒含有層2がパターン上に形成されたものであってもよい。
【0055】
このように光触媒含有層をパターン状に形成することにより、後述するパターン形成工程において説明するように、光触媒含有層を特性変化層と所定の間隔をおいて配置させてエネルギーを照射する際に、フォトマスク等を用いるパターン照射をする必要がなく、全面に照射することにより、特性変化層上に特性の変化したパターンを形成することができる。
【0056】
この光触媒処理層のパターニング方法は、特に限定されるものではないが、例えばフォトリソグラフィー法等により行うことが可能である。
【0057】
また、実際に光触媒含有層に面する特性変化層上の部分のみの特性が変化するものであるので、エネルギーの照射方向は上記光触媒含有層と特性変化層とが面する部分にエネルギーが照射されるものであれば、いかなる方向から照射されてもよく、さらには、照射されるエネルギーも特に平行光等の平行なものに限定されないという利点を有するものとなる。
【0058】
このように光触媒含有層における、後述するような二酸化チタンに代表される光触媒の作用機構は、必ずしも明確なものではないが、光の照射によって生成したキャリアが、近傍の化合物との直接反応、あるいは、酸素、水の存在下で生じた活性酸素種によって、有機物の化学構造に変化を及ぼすものと考えられている。本発明においては、このキャリアが光触媒含有層近傍に配置される特性変化層中の化合物に作用を及ぼすものであると思われる。
【0059】
本発明で使用する光触媒としては、光半導体として知られる例えば二酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化タングステン(WO3)、酸化ビスマス(Bi2O3)、および酸化鉄(Fe2O3)を挙げることができ、これらから選択して1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0060】
本発明においては、特に二酸化チタンが、バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性もなく、入手も容易であることから好適に使用される。二酸化チタンには、アナターゼ型とルチル型があり本発明ではいずれも使用することができるが、アナターゼ型の二酸化チタンが好ましい。アナターゼ型二酸化チタンは励起波長が380nm以下にある。
【0061】
このようなアナターゼ型二酸化チタンとしては、例えば、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(石原産業(株)製STS−02(平均粒径7nm)、石原産業(株)製ST−K01)、硝酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製TA−15(平均粒径12nm))等を挙げることができる。
【0062】
光触媒の粒径は小さいほど光触媒反応が効果的に起こるので好ましく、平均粒径か50nm以下が好ましく、20nm以下の光触媒を使用するのが特に好ましい。
【0063】
本発明における光触媒含有層は、上述したように光触媒単独で形成されたものであってもよく、またバインダと混合して形成されたものであってもよい。
【0064】
光触媒のみからなる光触媒含有層の場合は、特性変化層上の特性の変化に対する効率が向上し、処理時間の短縮化等のコスト面で有利である。一方、光触媒とバインダとからなる光触媒含有層の場合は、光触媒含有層の形成が容易であるという利点を有する。
【0065】
光触媒のみからなる光触媒含有層の形成方法としては、例えば、スパッタリング法、CVD法、真空蒸着法等の真空製膜法を用いる方法を挙げることができる。真空製膜法により光触媒含有層を形成することにより、均一な膜でかつ光触媒のみを含有する光触媒含有層とすることが可能であり、これにより特性変化層上の特性を均一に変化させることが可能であり、かつ光触媒のみからなることから、バインダを用いる場合と比較して効率的に特性変化層上の特性を変化させることが可能となる。
【0066】
また、光触媒のみからなる光触媒含有層の形成方法としては、例えば光触媒が二酸化チタンの場合は、基材上に無定形チタニアを形成し、次いで焼成により結晶性チタニアに相変化させる方法等が挙げられる。ここで用いられる無定形チタニアとしては、例えば四塩化チタン、硫酸チタン等のチタンの無機塩の加水分解、脱水縮合、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラメトキシチタン等の有機チタン化合物を酸存在下において加水分解、脱水縮合によって得ることができる。次いで、400℃〜500℃における焼成によってアナターゼ型チタニアに変性し、600℃〜700℃の焼成によってルチル型チタニアに変性することができる。
【0067】
また、バインダを用いる場合は、バインダの主骨格が上記の光触媒の光励起により分解されないような高い結合エネルギーを有するものが好ましく、例えばオルガノポリシロキサン等を挙げることができる。
【0068】
このようにオルガノポリシロキサンをバインダとして用いた場合は、上記光触媒含有層は、光触媒とバインダであるオルガノポリシロキサンとを必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、この塗布液を基材上に塗布することにより形成することができる。使用する溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましい。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディッブコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。バインダとして紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより光触媒含有層を形成することかできる。
【0069】
また、バインダとして無定形シリカ前駆体を用いることができる。この無定形シリカ前駆体は、一般式SiX4で表され、Xはハロゲン、メトキシ基、エトキシ基、またはアセチル基等であるケイ素化合物、それらの加水分解物であるシラノール、または平均分子量3000以下のポリシロキサンが好ましい。
【0070】
具体的には、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラメトキシシラン等が挙げられる。また、この場合には、無定形シリカの前駆体と光触媒の粒子とを非水性溶媒中に均一に分散させ、基材上に空気中の水分により加水分解させてシラノールを形成させた後、常温で脱水縮重合することにより光触媒含有層を形成できる。シラノールの脱水縮重合を100℃以上で行えば、シラノールの重合度が増し、膜表面の強度を向上できる。また、これらの結着剤は、単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
【0071】
バインダを用いた場合の光触媒含有層中の光触媒の含有量は、5〜60重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲で設定することができる。また、光触媒含有層の厚みは、0.05〜10μmの範囲内が好ましい。
【0072】
また、光触媒含有層には上記の光触媒、バインダの他に、界面活性剤を含有させることができる。具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKKOL BL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)製サーフロンS−141、145、大日本インキ化学工業(株)製メガファックF−141、144、ネオス(株)製フタージェントF−200、F251、ダイキン工業(株)製ユニダインDS−401、402、スリーエム(株)製フロラードFC−170、176等のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙げることかでき、また、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもできる。
【0073】
さらに、光触媒含有層には上記の界面活性剤の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマー、ポリマー等を含有させることができる。
【0074】
(基材)
本発明においては、図1に示すように、光触媒含有層側基板3は、少なくとも基材1とこの基材1上に形成された光触媒含有層2とを有するものである。
【0075】
この際、用いられる基材を構成する材料は、後述するパターン形成工程におけるエネルギーの照射方向や、得られるパターン形成体が透明性を必要とするか等により適宜選択される。
【0076】
すなわち、例えばパターン形成体が不透明なものを基板として用いる場合においては、エネルギー照射方向は必然的に光触媒含有層側基板側からとなり、図1(b)に示すように、フォトマスク7を光触媒含有層側基板3側に配置して、エネルギー照射をする必要がある。また、後述するように光触媒含有層側基板に遮光部を予め所定のパターンで形成しておき、この遮光部を用いてパターンを形成する場合においても、光触媒含有層側基板側からエネルギーを照射する必要がある。このような場合、基材は透明性を有するものであることが必要となる。
【0077】
一方、パターン形成体が透明である場合であれば、パターン形成体用基板側にフォトマスクを配置してエネルギーを照射することも可能である。また、このパターン形成体用基板内にパターン形成体側遮光部を形成する場合は、パターン形成体用基板側からエネルギーを照射する必要がある。このような場合においては、基材の透明性は特に必要とされない。
【0078】
また本発明に用いられる基材は、可撓性を有するもの、例えば樹脂製フィルム等であってもよいし、可撓性を有さないもの、例えばガラス基板等であってもよい。これは、後述するパターン形成工程におけるエネルギー照射方法により適宜選択されるものである。
【0079】
このように、本発明における光触媒含有層側基板に用いられる基材は特にその材料を限定されるものではないが、本発明においては、この光触媒含有層側基板は、繰り返し用いられるものであることから、所定の強度を有し、かつその表面が光触媒含有層との密着性が良好である材料が好適に用いられる。
【0080】
具体的には、ガラス、セラミック、金属、プラスチック等を挙げることができる。
【0081】
なお、基材表面と光触媒含有層との密着性を向上させるために、基材上にプライマー層を形成するようにしてもよい。このようなプライマー層としては、例えば、シラン系、チタン系のカップリング剤等を挙げることができる。
【0082】
(遮光部)
本発明に用いられる光触媒含有層側基板には、パターン状に形成された遮光部が形成されたものを用いても良い。このように遮光部を有する光触媒含有層側基板を用いることにより、エネルギー照射に際して、フォトマスクを用いたり、レーザ光による描画照射を行う必要がない。したがって、光触媒含有層側基板とフォトマスクとの位置合わせが不要であることから、簡便な工程とすることが可能であり、また描画照射に必要な高価な装置も不必要であることから、コスト的に有利となるという利点を有する。
【0083】
このような遮光部を有する光触媒含有層側基板は、遮光部の形成位置により、下記の二つの実施態様とすることができる。
【0084】
一つが、例えば図3に示すように、基材1上に遮光部13を形成し、この遮光部13上に光触媒含有層2を形成して、光触媒含有層側基板3とする実施態様である。もう一つは、例えば図4に示すように、基材1上に光触媒含有層2を形成し、その上に遮光部13を形成して光触媒含有層側基板3とする実施態様である。
【0085】
いずれの実施態様においても、フォトマスクを用いる場合と比較すると、遮光部が、上記光触媒含有層と特性変化層とが間隙をもって位置する部分の近傍に配置されることになるので、基材内等におけるエネルギーの散乱の影響を少なくすることができることから、エネルギーのパターン照射を極めて正確に行うことが可能となる。
【0086】
さらに、上記光触媒含有層上に遮光部を形成する実施態様においては、光触媒含有層と特性変化層とを所定の間隙をおいて配置する際に、この遮光部の膜厚をこの間隙の幅と一致させておくことにより、上記遮光部を上記間隙を一定のものとするためのスペーサとしても用いることができるという利点を有する。
【0087】
すなわち、所定の間隙をおいて上記光触媒含有層と特性変化層とを接触させた状態で配置する際に、上記遮光部と特性変化層とを密着させた状態で配置することにより、上記所定の間隙を正確とすることが可能となり、そしてこの状態で光触媒含有層側基板からエネルギーを照射することにより、特性変化層上にパターンを精度良く形成することが可能となるのである。
【0088】
このような遮光部の形成方法は、特に限定されるものではなく、遮光部の形成面の特性や、必要とするエネルギーに対する遮蔽性等に応じて適宜選択されて用いられる。
【0089】
例えば、スパッタリング法、真空蒸着法等により厚み1000〜2000Å程度のクロム等の金属薄膜を形成し、この薄膜をパターニングすることにより形成されてもよい。このパターニングの方法としては、スパッタ等の通常のパターニング方法を用いることができる。
【0090】
また、樹脂バインダ中にカーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子を含有させた層をパターン状に形成する方法であってもよい。用いられる樹脂バインダとしては、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ゼラチン、カゼイン、セルロース等の樹脂を1種または2種以上混合したものや、感光性樹脂、さらにはO/Wエマルジョン型の樹脂組成物、例えば、反応性シリコーンをエマルジョン化したもの等を用いることができる。このような樹脂製遮光部の厚みとしては、0.5〜10μmの範囲内で設定することができる。このよう樹脂製遮光部のパターニングの方法は、フォトリソ法、印刷法等一般的に用いられている方法を用いることができる。
【0091】
なお、上記説明においては、遮光部の形成位置として、基材と光触媒含有層との間、および光触媒含有層表面の二つの場合について説明したが、その他、基材の光触媒含有層が形成されていない側の表面に遮光部を形成する態様も採ることが可能である。この態様においては、例えばフォトマスクをこの表面に着脱可能な程度に密着させる場合等が考えられ、パターン形成体を小ロットで変更するような場合に好適に用いることができる。
【0092】
(プライマー層)
本発明において、上述したように基材上に遮光部をパターン状に形成して、その上に光触媒含有層を形成して光触媒含有層側基板とする場合においては、上記遮光部と光触媒含有層との間にプライマー層を形成することが好ましい。
【0093】
このプライマー層の作用・機能は必ずしも明確なものではないが、遮光部と光触媒含有層との間にプライマー層を形成することにより、プライマー層は光触媒の作用による特性変化層の特性変化を阻害する要因となる遮光部および遮光部間に存在する開口部からの不純物、特に、遮光部をパターニングする際に生じる残渣や、金属、金属イオン等の不純物の拡散を防止する機能を示すものと考えられる。したがって、プライマー層を形成することにより、高感度で特性変化の処理が進行し、その結果、高解像度のパターンを得ることが可能となるのである。
【0094】
なお、本発明においてプライマー層は、遮光部のみならず遮光部間に形成された開口部に存在する不純物が光触媒の作用に影響することを防止するものであるので、プライマー層は開口部を含めた遮光部全面にわたって形成されていることが好ましい。
【0095】
図5はこのようなプライマー層を形成した光触媒含有層側基板の一例を示すものである。遮光部13が形成された基材1の遮光部13が形成されている側の表面にプライマー層10が形成されており、このプライマー層10の表面に光触媒含有層2が形成されている。
【0096】
上記基材上に遮光部がパターン状に形成された構成は、一般的なフォトマスクの構成である。したがって、このプライマー層は、光触媒含有層がプライマー層を介してフォトマスク上に形成されたものであるといえる。
【0097】
本発明におけるプライマー層は、光触媒含有層とフォトマスクとが物理的に接触しないように配置された構造であれば特に限定されるものではない。すなわち、フォトマスクの遮光部と光触媒含有層とが接触しないようにプライマー層が形成されていればよいのである。
【0098】
このプライマー層を構成する材料としては、特に限定されるものではないが、光触媒の作用により分解されにくい無機材料が好ましい。具体的には無定形シリカを挙げることができる。このような無定形シリカを用いる場合には、この無定形シリカの前駆体は、一般式SiX4で示され、Xはハロゲン、メトキシ基、エトキシ基、またはアセチル基等であるケイ素化合物であり、それらの加水分解物であるシラノール、または平均分子量3000以下のポリシロキサンが好ましい。
【0099】
また、プライマー層の膜厚は、0.001μmから1μmの範囲内であることが好ましく、特に0.001μmから0.1μmの範囲内であることが好ましい。
【0100】
2.パターン形成体用基板調整工程
本発明のパターン形成体の製造方法においては、図1に示すように、まず上述した光触媒含有層側基板3と対向する位置に配置するパターン形成体用基板6を準備する。
【0101】
このパターン形成体用基板は、少なくとも特性変化層を有するものであれば特に限定されるものではないが、強度等の関係から基板上にこの特性変化層が形成されていることが好ましい。また、必要であれば他の保護層等も形成されてもよいが、少なくとも一方の面全面もしくは部分的に特性変化層が露出している必要がある。
【0102】
本発明においてパターン形成体用基板とは、いまだ特性変化層に特性変化部位によるパターンが形成されていない状態の基板を示し、このパターン形成体用基板に対して露光して、特性変化層上に特性変化部位のパターンが形成されたものをパターン形成体とする。
【0103】
(1)特性変化層
本発明における特性変化層とは、光触媒の作用により特性が変化する層であればいかなる層であってもよく、例えば特性変化層中にスピロピラン等のフォトクロミック材料あるいは光触媒の作用により分解される有機色素等を特性変化層に混合し、特性変化層を光触媒の作用により着色する層としてもよい。
【0104】
また、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンなどのポリマー材料等を用いることにより、露光した部分が光触媒の作用により、極性基が導入されたり、表面の状態が粗い状態となったりして種々の物質との接着性が向上するようにした層を特性変化層としてもよい。このように特性変化層を接着性が変化する接着性変化層とすることにより、パターン露光により接着性の良好なパターンを形成することが可能となる。このような接着性の良好な部位のパターンを有するパターン形成体は、例えば、このようなパターン形成体に金属成分を蒸着し、金属の薄膜を形成し、次いで接着性の違いを利用して金属薄膜を例えば粘着剤や薬剤等により剥離することにより、金属の薄膜のパターンを形成することが可能となる。この方法によれば、レジストのパターンを形成することなく金属薄膜のパターンを形成することが可能となり、印刷法によるものよりも高精細なパターンを有するプリント基板や電子回路素子等を形成することができる。
【0105】
また、本発明においては、このような特性変化層が、乾式法、すなわち真空蒸着法等により形成されたものであってもよく、また湿式法、すなわちスピンコート法やディップコート法等の方法により形成されたものであってもよい。
【0106】
このように、特性変化層は光触媒の作用により変化する種々の特性を有する層であれば特に限定されないのであるが、本発明においては中でも特性変化層が光触媒の作用により濡れ性が変化して濡れ性によるパターンが形成される濡れ性変化層である場合、および特性変化層が光触媒の作用により分解除去され凹凸によるパターンが形成される分解除去層である場合の二つの場合が、特に得られる機能性素子等の関係からより本発明の有効性を引き出すものであるので好ましい。
【0107】
(濡れ性変化層)
本発明における濡れ性可変層は、上記光触媒の作用により表面の濡れ性が変化する層であれば特に限定されるものではないが、一般にはエネルギーの照射に伴う光触媒の作用により、その濡れ性変化層表面における液体との接触角が低下するように濡れ性が変化する層であることが好ましい。
【0108】
このように、露光(本発明においては、光が照射されたことのみならず、エネルギーが照射されたことをも意味するものとする。)により液体との接触角が低下するように濡れ性が変化する濡れ性変化層とすることにより、上記遮光部を介したエネルギーの照射を行うことにより容易に濡れ性をパターン状に変化させ、液体との接触角の小さい親液性領域のパターンを形成することが可能となり、この親液性領域に機能性部用組成物を付着させることにより、容易に機能性素子を形成することができる。したがって、効率的に機能性素子が製造でき、コスト的に有利となるからである。
【0109】
ここで、親液性領域とは、液体との接触角が小さい領域であり、機能性部用組成物、例えば機能性素子がカラーフィルタであれば、画素部(着色層)着色用のインク、また機能性素子がマイクロレンズであれば、マイクロレンズ形成用組成物等に対する濡れ性の良好な領域をいうこととする。また、撥液性領域とは、液体との接触角が大きい領域であり、上述した機能性部用組成物に対する濡れ性が悪い領域をいうこととする。
【0110】
上記濡れ性変化層は、露光していない部分、すなわち撥水性領域においては、表面張力40mN/mの液体との接触角が10°以上、好ましくは表面張力30mN/mの液体との接触角が10°以上、特に表面張力20mN/mの液体との接触角が10°以上の濡れ性を示すことが好ましい。これは、露光していない部分は、本発明においては撥液性が要求される部分であることから、液体との接触角が小さい場合は、撥液性が十分でなく、上記機能性部形成用組成物が残存する可能性が生じるため好ましくないからである。
【0111】
また、上記濡れ性変化層は、露光すると液体との接触角が低下して、表面張力40mN/mの液体との接触角が9°以下、好ましくは表面張力50mN/mの液体との接触角が10°以下、特に表面張力60mN/mの液体との接触角が10°以下となるような層であることが好ましい。露光した部分、すなわち親液性領域における液体との接触角が高いと、この部分での機能性部形成用組成物の広がりが劣る可能性があり、機能性部の欠け等の問題が生じる可能性があるからである。
【0112】
なお、ここでいう液体との接触角は、種々の表面張力を有する液体との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後)し、その結果から、もしくはその結果をグラフにして得たものである。また、この測定に際して、種々の表面張力を有する液体としては、純正化学株式会社製のぬれ指数標準液を用いた。
【0113】
また、本発明において上述したような濡れ性変化層を用いた場合、この濡れ性変化層中にフッ素が含有され、さらにこの濡れ性変化層表面のフッ素含有量が、濡れ性変化層に対しエネルギーを照射した際に、上記光触媒の作用によりエネルギー照射前に比較して低下するように上記濡れ性変化層が形成されていてもよい。
【0114】
このような特徴を有する濡れ性変化層であれば、エネルギーをパターン照射することにより、容易にフッ素の含有量の少ない部分からなるパターンを形成することができる。ここで、フッ素は極めて低い表面エネルギーを有するものであり、このためフッ素を多く含有する物質の表面は、臨界表面張力がより小さくなる。したがって、フッ素の含有量の多い部分の表面の臨界表面張力に比較してフッ素の含有量の少ない部分の臨界表面張力は大きくなる。これはすなわち、フッ素含有量の少ない部分はフッ素含有量の多い部分に比較して親液性領域となっていることを意味する。よって、周囲の表面に比較してフッ素含有量の少ない部分からなるパターンを形成することは、撥液性域内に親液性領域のパターンを形成することとなる。
【0115】
したがって、このような濡れ性変化層を用いた場合は、エネルギーをパターン照射することにより、撥液性領域内に親液性領域のパターンを容易に形成することができるので、この親液性領域のみに機能性部を形成することが容易に可能となり、低コストで品質の良好な機能性素子とすることができる。
【0116】
上述したような、フッ素を含む濡れ性変化層中に含まれるフッ素の含有量としては、エネルギーが照射されて形成されたフッ素含有量が低い親液性領域におけるフッ素含有量が、エネルギー照射されていない部分のフッ素含有量を100とした場合に10以下、好ましくは5以下、特に好ましくは1以下であることが好ましい。
【0117】
このような範囲内とすることにより、エネルギー照射部分と未照射部分との濡れ性に大きな違いを生じさせることができる。したがって、このような濡れ性変化層に機能性部を形成することにより、フッ素含有量が低下した親液性領域のみに正確に機能性部を形成することが可能となり、精度良く機能性素子を得ることができるからである。なお、この低下率は重量を基準としたものである。
【0118】
このような濡れ性変化層中のフッ素含有量の測定は、一般的に行われている種々の方法を用いることが可能であり、例えばX線光電子分光法(X-ray Photoelectron Spectroscopy, ESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)とも称される。)、蛍光X線分析法、質量分析法等の定量的に表面のフッ素の量を測定できる方法であれば特に限定されるものではない。
【0119】
このような濡れ性変化層に用いられる材料としては、上述した濡れ性変化層の特性、すなわち露光により接触する光触媒含有層中の光触媒により濡れ性が変化する材料で、かつ光触媒の作用により劣化、分解しにくい主鎖を有するものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、(1)ゾルゲル反応等によりクロロまたはアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロキサン、(2)撥水牲や撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオルガノポリシロキサン等のオルガノポリシロキサンを挙げることができる。
【0120】
上記の(1)の場合、一般式:
YnSiX(4−n)
(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)
で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。なお、ここでYで示される基の炭素数は1〜20の範囲内であることが好ましく、また、Xで示されるアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基であることが好ましい。
【0121】
また、特にフルオロアルキル基を含有するオルガノポリシロキサンが好ましく用いることができ、具体的には、下記のフルオロアルキルシランの1種または2種以上の加水分解縮合物、共加水分解縮合物が挙げられ、一般にフッ素系シランカップリング剤として知られたものを使用することができる。
【0122】
CF3(CF2)3CH2CH2Si(OCH3)3;
CF3(CF2)5CH2CH2Si(OCH3)3;
CF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH3)3;
CF3(CF2)9CH2CH2Si(OCH3)3;
(CF3)2CF(CF2)4CH2CH2Si(OCH3)3;
(CF3)2CF(CF2)6CH2CH2Si(OCH3)3;
(CF3)2CF(CF2)8CH2CH2Si(OCH3)3;
CF3(C6H4)C2H4Si(OCH3)3;
CF3(CF2)3(C6H4)C2H4Si(OCH3)3;
CF3(CF2)5(C6H4)C2H4Si(OCH3)3;
CF3(CF2)7(C6H4)C2H4Si(OCH3)3;
CF3(CF2)3CH2CH2SiCH3(OCH3)2;
CF3(CF2)5CH2CH2SiCH3(OCH3)2;
CF3(CF2)7CH2CH2SiCH3(OCH3)2;
CF3(CF2)9CH2CH2SiCH3(OCH3)2;
(CF3)2CF(CF2)4CH2CH2SiCH3(OCH3)2;
(CF3)2CF(CF2)6CH2CH2Si CH3(OCH3)2;
(CF3)2CF(CF2)8CH2CH2Si CH3(OCH3)2;
CF3(C6H4)C2H4SiCH3(OCH3)2;
CF3(CF2)3(C6H4)C2H4SiCH3(OCH3)2;
CF3(CF2)5(C6H4)C2H4SiCH3(OCH3)2;
CF3(CF2)7(C6H4)C2H4SiCH3(OCH3)2;
CF3(CF2)3CH2CH2Si(OCH2CH3)3;
CF3(CF2)5CH2CH2Si(OCH2CH3)3;
CF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH2CH3)3;
CF3(CF2)9CH2CH2Si(OCH2CH3)3;および
CF3(CF2)7SO2N(C2H5)C2H4CH2Si(OCH3)3。
【0123】
上記のようなフルオロアルキル基を含有するポリシロキサンをバインダとして用いることにより、濡れ性変化層の未露光部の撥液性が大きく向上し、例えば機能性素子がカラーフィルタである場合における画素部着色用のインクといった機能性部用組成物の付着を妨げる機能を発現する。
【0124】
また、上記の(2)の反応性シリコーンとしては、下記一般式で表される骨格をもつ化合物を挙げることができる。
【0125】
【化1】
【0126】
ただし、nは2以上の整数であり、R1,R2はそれぞれ炭素数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル、アルケニル、アリールあるいはシアノアルキル基であり、モル比で全体の40%以下がビニル、フェニル、ハロゲン化フェニルである。また、R1、R2がメチル基のものが表面エネルギーが最も小さくなるので好ましく、モル比でメチル基が60%以上であることが好ましい。また、鎖末端もしくは側鎖には、分子鎖中に少なくとも1個以上の水酸基等の反応性基を有する。
【0127】
また、上記のオルガノポリシロキサンとともに、ジメチルポリシロキサンのような架橋反応をしない安定なオルガノシリコーン化合物を混合してもよい。
【0128】
本発明においては、このようにオルガノポリシロキサン等の種々の材料を濡れ性変化層に用いることができるのであるが、上述したように、濡れ性変化層にフッ素を含有させることが、濡れ性のパターン形成に効果的である。したがって、光触媒の作用により劣化・分解しにくい材料にフッ素を含有させる、具体的にはオルガノポリシロキサン材料にフッ素を含有させて濡れ性変化層とすることが好ましいといえる。
【0129】
このように、オルガノポリシロキサン材料にフッ素を含有させる方法としては、通常高い結合エネルギーを有する主剤に対し、フッ素化合物を比較的弱い結合エネルギーで結合させる方法、比較的弱い結合エネルギーで結合されたフッ素化合物を濡れ性変化層に混入させる方法等を挙げることができる。このような方法でフッ素を導入することにより、エネルギーが照射された場合に、まず結合エネルギーが比較的小さいフッ素結合部位が分解され、これによりフッ素を濡れ性変化層中から除去することができるからである。
【0130】
上記第1の方法、すなわち、高い結合エネルギーを有するバインダに対し、フッ素化合物を比較的弱い結合エネルギーで結合させる方法としては、上記オルガノポリシロキサンにフルオロアルキル基を置換基として導入する方法等を挙げることができる。
【0131】
例えば、オルガノポリシロキサンを得る方法として、上記(1)として記載したように、ゾルゲル反応等によりクロロまたはアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロキサンを得ることができる。ここで、この方法においては、上述したように上記一般式:
YnSiX(4−n)
(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)
で示される珪素化合物の1種または2種以上を、加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合することによりオルガノポリシロキサンを得るのであるが、この一般式において、置換基Yとしてフルオロアルキル基を有する珪素化合物を用いて合成することにより、フルオロアルキル基を置換基として有するオルガノポリシロキサンを得ることができる。このようなフルオロアルキル基を置換基として有するオルガノポリシロキサンをバインダとして用いた場合は、エネルギーが照射された際、接触する光触媒含有層中の光触媒の作用により、フルオロアルキル基の炭素結合の部分が分解されることから、濡れ性変化層表面にエネルギーを照射した部分のフッ素含有量を低減させることができる。
【0132】
この際用いられるフルオロアルキル基を有する珪素化合物としては、フルオロアルキル基を有するものであれば特に限定されるものではないが、少なくとも1個のフルオロアルキル基を有し、このフルオロアルキル基の炭素数が4から30、好ましくは6から20、特に好ましくは6から16である珪素化合物が好適に用いられる。このような珪素化合物の具体例は上述した通りであるが、中でも炭素数が6から8であるフルオロアルキル基を有する上記珪素化合物、すなわちフルオロアルキルシランが好ましい。
【0133】
本発明においては、このようなフルオロアルキル基を有する珪素化合物を上述したフルオロアルキル基を有さない珪素化合物と混合して用い、これらの共加水分解縮合物を上記オルガノポリシロキサンとして用いてもよいし、このようなフルオロアルキル基を有する珪素化合物を1種または2種以上用い、これらの加水分解縮合物、共加水分解縮合物を上記オルガノポリシロキサンとして用いてもよい。
【0134】
このようにして得られるフルオロアルキル基を有するオルガノポリシロキサンにおいては、このオルガノポリシロキサンを構成する珪素化合物の内、上記フルオロアルキル基を有する珪素化合物が0.01モル%以上、好ましくは0.1モル%以上含まれていることが好ましい。
【0135】
フルオロアルキル基がこの程度含まれることにより、濡れ性変化層上の撥液性を高くすることができ、エネルギーを照射して親液性領域とした部分との濡れ性の差異を大きくすることができるからである。
【0136】
また、上記(2)に示す方法では、撥液牲に優れた反応性シリコーンを架橋することによりオルガノポリシロキサンを得るのであるが、この場合も同様に、上述した一般式中のR1,R2のいずれかもしくは両方をフルオロアルキル基等のフッ素を含有する置換基とすることにより、濡れ性変化層中にフッ素を含ませることが可能であり、またエネルギーが照射された場合に、シロキサン結合より結合エネルギーの小さいフルオロアルキル基の部分が分解されるため、エネルギー照射により濡れ性変化層表面におけるフッ素の含有量を低下させることができる。
【0137】
一方、後者の例、すなわち、バインダの結合エネルギーより弱いエネルギーで結合したフッ素化合物を導入させる方法としては、例えば、低分子量のフッ素化合物を導入させる場合は、例えばフッ素系の界面活性剤を混入する方法等を挙げることができ、また高分子量のフッ素化合物を導入させる方法としては、バインダ樹脂との相溶性の高いフッ素樹脂を混合する等の方法を挙げることができる。
【0138】
本発明における濡れ性変化層には、さらに界面活性剤を含有させることができる。具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKKOL BL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)製サーフロンS−141、145、大日本インキ化学工業(株)製メガファックF−141、144、ネオス(株)製フタージェントF−200、F251、ダイキン工業(株)製ユニダインDS−401、402、スリーエム(株)製フロラードFC−170、176等のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙げることかでき、また、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもできる。
【0139】
また、濡れ性変化層には上記の界面活性剤の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマー、ポリマー等を含有させることができる。
【0140】
このような濡れ性変化層は、上述した成分を必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、この塗布液を基板上に塗布することにより形成することができる。使用する溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましい。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディッブコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。また、紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより濡れ性変化層を形成することかできる。
【0141】
本発明において、この濡れ性変化層の厚みは、光触媒による濡れ性の変化速度等の関係より、0.001μmから1μmであることが好ましく、特に好ましくは0.01〜0.1μmの範囲内である。
【0142】
本発明において上述した成分の濡れ性変化層を用いることにより、接触する光触媒含有層中の光触媒の作用により、上記成分の一部である有機基や添加剤の酸化、分解等の作用を用いて、露光部の濡れ性を変化させて親液性とし、未露光部との濡れ性に大きな差を生じさせることができる。よって、機能性部用組成物、例えば画素部着色用のインク等との受容性(親液性)および反撥性(撥液性)を高めることによって、品質の良好でかつコスト的にも有利なカラーフィルタ等の機能性素子を得ることができる。
【0143】
なお、本発明に用いられる濡れ性変化層は、上述したように光触媒の作用により濡れ性の変化する層であれば特に限定されるものではないが、特に、光触媒を含まない層であることが好ましい。このように濡れ性変化層内に光触媒が含まれなければ、その後機能性素子として用いた場合に、経時的な劣化を心配する必要がなく、長期間に渡り問題なく使用することが可能だからである。
【0144】
上述した濡れ性変化層は、通常基板上に形成されるものであるが、本発明におていは、この濡れ性変化層が自己支持性を有する材料で形成されており、基板を含まないものであってもよい。
【0145】
なお、本発明でいう自己支持性を有するとは、他の支持材無しで有形な状態で存在し得ることをいうこととする。
【0146】
このような本発明に用いられる濡れ性変化層の材料として、具体的には、光触媒含有層をその表面に接触させてエネルギーを照射させることにより、その後塗布する機能性部用組成物が有する表面張力と同等の表面張力の液体に対する接触角が、少なくとも1°以上、好ましくは5°特に10°以上変化する材料を挙げることができる。
【0147】
また、この濡れ性変化層は、照射されるエネルギーを透過することができる材料で形成されていることが必要である。
【0148】
このような材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリビニルフロライド、アセタール樹脂、ナイロン、ABS、PTFE、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリ弗化ビニリデン、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、シリコーン等を挙げることができる。
【0149】
(分解除去層)
次に分解除去層について説明する。この分解除去層は、露光された際に光触媒含有層中の光触媒の作用により、露光された部分の分解除去層が分解除去される層である。
【0150】
このように分解除去層は、露光した部分が光触媒の作用により分解除去されることから、現像工程や洗浄工程を行うことなく分解除去層のある部分と無い部分からなるパターン、すなわち凹凸を有するパターンを形成することができる。したがって各種印刷版原版等の凹凸のパターンを必要とする部材は、この方法により容易に形成することができる。また、スクリーン上にこの分解除去層を塗布し、光触媒含有層側基板と接触させてパターン露光することにより、露光された部分の分解除去層は分解除去されることから、スクリーン印刷の原版を現像・洗浄工程無しに形成することができる。さらに、レジスト特性を有する素材でこの分解除去層を形成した場合は、光触媒含有層側基板と接触させてパターン露光することにより、容易にレジストのパターンを形成することができる。したがって、現像・洗浄工程の無いフォトレジストとして、半導体製造工程等に用いることも可能である。
【0151】
なお、この分解除去層は、露光による光触媒の作用により酸化分解され、気化等されることから、現像・洗浄工程等の特別な後処理なしに除去されるものであるが、分解除去層の材質によっては、洗浄工程等を行ってもよい。
【0152】
また、この分解除去層を用いた場合は、凹凸を形成するのみならず、分解除去されて露出する基材と分解除去層との特性の相違によりパターンを形成することも可能である。このような特性としては、接着性、発色性等種々のものを挙げることができるが、本発明においては中でも濡れ性を挙げることができ、この濡れ性の相違によりパターンを形成することが、最終的に素子を形成した場合の有効性の点で好ましい。
【0153】
すなわち、本発明においては、分解除去層とこの分解除去層が分解除去されて露出する基板との液体の接触角が異なるように構成されていることが好ましく、特に基板の液体との接触角より分解除去層上の液体との接触角が大きいことが好ましい。
【0154】
このような分解除去層表面に要求される撥液性としては、その後塗布する機能性部用組成物が有する表面張力と同等の表面張力の液体に対する接触角が、30°以上、特に40°以上、中でも50°以上となるものであることが好ましい。
【0155】
このような分解除去層に用いることができる材料としては、具体的には機能性薄膜、すなわち、自己組織化単分子膜、ラングミュア−ブロケット膜、および交互吸着膜等が好適に用いられ、その他フッ素系樹脂等を用いることができる。
【0156】
ここで、本発明に用いられる自己組織化単分子膜、ラングミュア−ブロケット膜、および交互吸着膜について具体的に説明する。
【0157】
a.自己組織化単分子膜
自己組織化単分子膜(Self-Assembled Monolayer)の公式な定義の存在を発明者らは知らないが、一般的に自己組織化膜として認識されているものの解説文としては、例えばAbraham Ulmanによる総説“Formation and Structure of Self-Assembled Monolayers”, Chemical Review, 96, 1533-1554 (1996)が優れている。本総説を参考にすれば、自己組織化単分子膜とは、適当な分子が適当な基板表面に吸着・結合(自己組織化)した結果生じた単分子層のことと言える。自己組織化膜形成能のある材料としては、例えば、脂肪酸などの界面活性剤分子、アルキルトリクロロシラン類やアルキルアルコキシド類などの有機ケイ素分子、アルカンチオール類などの有機イオウ分子、アルキルフォスフェート類などの有機リン酸分子などが挙げられる。分子構造の一般的な共通性は、比較的長いアルキル鎖を有し、片方の分子末端に基板表面と相互作用する官能基が存在することである。アルキル鎖の部分は分子同士が2次元的にパッキングする際の分子間力の源である。もっとも、ここに示した例は最も単純な構造であり、分子のもう一方の末端にアミノ基やカルボキシル基などの官能基を有するもの、アルキレン鎖の部分がオキシエチレン鎖のもの、フルオロカーボン鎖のもの、これらが複合したタイプの鎖のものなど様々な分子から成る自己組織化単分子膜が報告されている。また、複数の分子種から成る複合タイプの自己組織化単分子膜もある。また、最近では、デンドリマーに代表されるような粒子状で複数の官能基(官能基が一つの場合もある)を有する高分子や直鎖状(分岐構造のある場合もある)の高分子が一層基板表面に形成されたもの(後者はポリマーブラシと総称される)も自己組織化単分子膜と考えられる場合もあるようである。本発明は、これらも自己組織化単分子膜に含める。
【0158】
b.ラングミュア−ブロジェット膜
本発明に用いられるおけるラングミュア−ブロジェット膜(Langmuir-Blodgett Film)は、基板上に形成されてしまえば形態上は上述した自己組織化単分子膜との大きな相違はない。ラングミュア−ブロジェット膜の特徴はその形成方法とそれに起因する高度な2次元分子パッキング性(高配向性、高秩序性)にあると言える。すなわち、一般にラングミュア−ブロジェット膜形成分子は気液界面上に先ず展開され、その展開膜がトラフによって凝縮されて高度にパッキングした凝縮膜に変化する。実際は、これを適当な基板に移しとって用いる。ここに概略を示した手法により単分子膜から任意の分子層の多層膜まで形成することが可能である。また、低分子のみならず、高分子、コロイド粒子なども膜材料とすることができる。様々な材料を適用した最近の事例に関しては宮下徳治らの総説“ソフト系ナノデバイス創製のナノテクノロジーへの展望” 高分子 50巻 9月号 644-647 (2001)に詳しく述べられている。
【0159】
c.交互吸着膜
交互吸着膜(Layer-by-Layer Self-Assembled Film)は、一般的には、最低2個の正または負の電荷を有する官能基を有する材料を逐次的に基板上に吸着・結合させて積層することにより形成される膜である。多数の官能基を有する材料の方が膜の強度や耐久性が増すなど利点が多いので、最近ではイオン性高分子(高分子電解質)を材料として用いることが多い。また、タンパク質や金属や酸化物などの表面電荷を有する粒子、いわゆる“コロイド粒子”も膜形成物質として多用される。さらに最近では、水素結合、配位結合、疎水性相互作用などのイオン結合よりも弱い相互作用を積極的に利用した膜も報告されている。比較的最近の交互吸着膜の事例については、静電的相互作用を駆動力にした材料系に少々偏っているがPaula T. Hammondによる総説“Recent Explorations in Electrostatic Multilayer Thin Film Assembly” Current Opinion in Colloid & Interface Science, 4, 430-442 (2000)に詳しい。交互吸着膜は、最も単純なプロセスを例として説明すれば、正(負)電荷を有する材料の吸着−洗浄−負(正)電荷を有する材料の吸着−洗浄のサイクルを所定の回数繰り返すことにより形成される膜である。ラングミュア−ブロジェット膜のように展開−凝縮−移し取りの操作は全く必要ない。また、これら製法の違いより明らかなように、交互吸着膜はラングミュア−ブロジェット膜のような2次元的な高配向性・高秩序性は一般に有さない。しかし、交互吸着膜及びその作製法は、欠陥のない緻密な膜を容易に形成できること、微細な凹凸面やチューブ内面や球面などにも均一に成膜できることなど、従来の成膜法にない利点を数多く有している。
【0160】
また、分解除去層の膜厚としては、後述するエネルギー照射工程において照射されるエネルギーにより分解除去される程度の膜厚であれば特に限定されるものではない。具体的な膜厚としては、照射されるエネルギーの種類や分解除去層の材料等により大きく異なるものではあるが、一般的には、0.001μm〜1μmの範囲内、特に0.01μm〜0.1μmの範囲内とすることが好ましい。
【0161】
(2)基板
本発明のパターン形成体の製造方法において、特性変化層は強度との関係や最終的な機能性素子との関係から、図1に示すように基板4上に形成されることが好ましい。このような基板としては、パターン形成体もしくはパターン形成体により形成された機能性素子の用途に応じて、ガラス、アルミニウム、およびその合金等の金属、プラスチック、織物、不織布等を挙げることができる。
【0162】
3.パターン形成工程
本発明においては、次に、光触媒含有層および特性変化層を200μm以下であって、接触しないように間隙をおいて配置した後、所定の方向からエネルギーを照射するパターン形成工程が行われる。
【0163】
このように光触媒含有層と特性変化層表面とを所定の間隔で離して配置することにより、酸素と水および光触媒作用により生じた活性酸素種が脱着しやすくなる。すなわち、上記範囲より光触媒含有層と特性変化層との間隔を狭くした場合は、上記活性酸素種の脱着がしにくくなり、結果的に特性の変化速度を遅くしてしまう可能性があることから好ましくなく、上記範囲より間隔を離して配置した場合は、生じた活性酸素種が特性変化層に届き難くなり、この場合も特性の変化速度を遅くしてしまう可能性があることから好ましくないのである。
【0164】
本発明において上記間隙は、パターン精度が極めて良好であり、光触媒の感度も高く、したがって特性変化の効率が良好である点を考慮すると特に0.2μm〜10μmの範囲内、好ましくは1μm〜5μmの範囲内とすることが好ましい。このような間隙の範囲は、特に間隙を高い精度で制御することが可能である小面積のパターン形成体用基板に対して特に有効である。
【0165】
一方、例えば300mm×300mmといった大面積のパターン形成体用基板に対して処理を行う場合は、接触することなく、かつ上述したような微細な間隙を光触媒含有層側基板とパターン形成体用基板との間に設けることは極めて困難である。したがって、パターン形成体用基板が比較的大面積である場合は、上記間隙は、10〜100μmの範囲内、特に50〜75μmの範囲内とすることが好ましい。間隙をこのような範囲内とすることにより、パターンがぼやける等のパターン精度の低下の問題や、光触媒の感度が悪化して特性変化の効率が悪化する等の問題が生じることなく、さらに特性変化層上の特性変化のムラが発生しないといった効果を有するからである。
【0166】
このように比較的大面積のパターン形成体用基板を露光する際には、露光装置内の光触媒含有層側基板とパターン形成体用基板との位置決め装置における間隙の設定を、10μm〜200μmの範囲内、特に25μm〜75μmの範囲内に設定することが好ましい。設定値をこのような範囲内とすることにより、パターン精度の大幅な低下や光触媒の感度の大幅な悪化を招くことなく、かつ光触媒含有層側基板とパターン形成体用基板とが接触することなく配置することが可能となるからである。
【0167】
本発明においては、このような間隙をおいた配置状態は、少なくとも露光の間だけ維持されればよい。
【0168】
このような極めて狭い間隙を均一に形成して光触媒含有層と特性変化層とを配置する方法としては、例えばスペーサを用いる方法を挙げることができる。そして、このようにスペーサを用いることにより、均一な間隙を形成することができると共に、このスペーサが接触する部分は、光触媒の作用が特性変化層表面に及ばないことから、このスペーサを上述したパターンと同様のパターンを有するものとすることにより、特性変化層上に所定のパターンを形成することが可能となる。
【0169】
本発明においては、このようなスペーサを一つの部材として形成してもよいが、工程の簡略化等のため、上記光触媒含有層側基板の欄で説明したように、光触媒含有層側基板の光触媒含有層表面に形成することが好ましい。なお、上記光触媒含有層側基板調製工程における説明においては、遮光部として説明したが、本発明においては、このようなスペーサは特性変化層表面に光触媒の作用が及ばないように表面を保護する作用を有すればよいものであることから、特に照射されるエネルギーを遮蔽する機能を有さない材料で形成されたものであってもよい。
【0170】
次に、上述したような接触状態を維持した状態で、接触する部分へのエネルギー照射が行われる。なお、本発明でいうエネルギー照射(露光)とは、光触媒含有層による特性変化層表面の特性を変化させることが可能ないかなるエネルギー線の照射をも含む概念であり、可視光の照射に限定されるものではない。
【0171】
通常このような露光に用いる光の波長は、400nm以下の範囲、好ましくは380nm以下の範囲から設定される。これは、上述したように光触媒含有層に用いられる好ましい光触媒が二酸化チタンであり、この二酸化チタンにより光触媒作用を活性化させるエネルギーとして、上述した波長の光が好ましいからである。
【0172】
このような露光に用いることができる光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマランプ、その他種々の光源を挙げることができる。
【0173】
上述したような光源を用い、フォトマスクを介したパターン照射により行う方法の他、エキシマ、YAG等のレーザを用いてパターン状に描画照射する方法を用いることも可能である。
【0174】
また、露光に際してのエネルギーの照射量は、特性変化層表面が光触媒含有層中の光触媒の作用により特性変化層表面の特性の変化が行われるのに必要な照射量とする。
【0175】
この際、光触媒含有層を加熱しながら露光することにより、感度を上昇させことが可能となり、効率的な特性の変化を行うことができる点で好ましい。具体的には30℃〜80℃の範囲内で加熱することが好ましい。
【0176】
本発明における露光方向は、光触媒含有層側基板に遮光部が形成されているか否か等のパターンの形成方法や、光触媒含有層側基板もしくはパターン形成体用基板が透明であるか否かにより決定される。
【0177】
すなわち、光触媒含有層側基板に遮光部が形成されている場合は、光触媒含有層側基板側から露光が行なわれる必要があり、かつこの場合は光触媒含有層側基板が照射されるエネルギーに対して透明である必要がある。なお、この場合、光触媒含有層上に遮光部が形成され、かつこの光触媒含有層側遮光部を上述したようなスペーサとしての機能を有するように用いた場合においては、露光方向は光触媒含有層側基板側からでもパターン形成体用基板側からであってもよい。
【0178】
また、光触媒含有層がパターン状に形成されている場合における露光方向は、上述したように、光触媒含有層と特性変化層とが接触する部分にエネルギーが照射されるのであればいかなる方向から照射されてもよい。
【0179】
同様に、上述したスペーサを用いる場合も、接触する部分にエネルギーが照射されるのであればいかなる方向から照射されてもよい。
【0180】
フォトマスクを用いる場合は、フォトマスクが配置された側からエネルギーが照射される。この場合は、フォトマスクが配置された側の基板、すなわち光触媒含有層側基板もしくはパターン形成体用基板のいずれかが透明である必要がある。
【0181】
上述したようなエネルギー照射が終了すると、光触媒含有層側基板が特性変化層との接触位置から離され、これにより図1(d)に示すように特性が変化した特性変化領域9からなるパターンが特性変化層5上に形成される。
【0182】
このようなパターン形成工程における、特性変化層表面の特性の変化は、大きく分けて二つのタイプに分けることが可能であり、一つがその表面の性質を変化させるものであり、もう一つが除去するものである。
【0183】
すなわち、表面の性質を変化する場合とは、特性変化層表面の化合物が光触媒の作用により変性して、その化学的性質、物理的性質を変化させるものである。例えば、表面の抵抗値を変化させる場合、表面の化学的な活性を変化させる場合、表面の粘着性を変化させる場合等がある。具体的には、上述した濡れ性変化層がその代表的な例である。
【0184】
一方、他の性質として、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により、特性変化層が除去される場合も本発明でいう特性変化層の特性の変化に含まれるものである。例えば、基板上の特性変化層がエネルギーが照射された部分のみ除去される場合や、特性変化層表面において、エネルギーが照射された部分のみ凹部が形成される場合、さらには特性変化層表面においてエネルギーが照射されることにより部分的な除去が発生して凹凸が生じる場合等である。この場合の代表的な例が、上述した分解除去層である。
【0185】
4.機能性素子
上述したパターン形成体用基板に特性の変化したパターンを形成することによりパターン形成体を得ることができる。そしてこのパターンに沿って、機能性部形成用組成物を付着させることにより、種々の機能性素子を得ることができる。
【0186】
このような機能性素子は、上述したパターン形成体のパターンに沿って機能性部が形成されてなる点に特徴を有するものである。
【0187】
ここで機能性とは、光学的(光選択吸収、反射性、偏光性、光選択透過性、非線形光学性、蛍光あるいはリン光等のルミネッセンス、フォトクロミック性等)、磁気的(硬磁性、軟磁性、非磁性、透磁性等)、電気・電子的(導電性、絶縁性、圧電性、焦電性、誘電性等)、化学的(吸着性、脱着性、触媒性、吸水性、イオン伝導性、酸化還元性、電気化学特性、エレクトロクロミック性等)、機械的(耐摩耗性等)、熱的(伝熱性、断熱性、赤外線放射性等)、生体機能的(生体適合性、抗血栓性等)な各種の機能を意味するものである。
【0188】
このような機能性部のパターン形成体のパターンに対応した部位への配置は、親液性領域および撥液性領域の濡れ性の差を利用した方法や、親液性領域および撥液性領域の密着性の差を利用した方法等により行われる。
【0189】
例えば、濡れ性変化層上における濡れ性パターンの密着性の差を利用する場合としては、濡れ性変化層上に全面にわたって機能性部用組成物としての金属を蒸着させ、その後粘着剤等により引き剥がすことにより、密着性が良好な親液性領域のみ機能性部としての金属のパターンが形成される。これにより容易にプリント基板等を形成することができる。
【0190】
また、濡れ性変化層上における濡れ性パターンの濡れ性の差を利用する場合としては、機能性部用組成物をパターン形成体上に塗布することにより、濡れ性の良好な親液性領域のみ機能性部用組成物が付着することになり、容易にパターン形成体の親液性領域のパターン上にのみ機能性部を配置することができる。
【0191】
本発明に用いられる機能性部用組成物としては、上述したように機能性素子の機能、機能性素子の形成方法等によって大きく異なるものであり、例えば上述した密着性の相違により金属のパターンを形成するような場合は、この機能性部用組成物は金属となり、また濡れ性の相違によりパターンを形成する場合には、紫外線硬化型モノマー等に代表される溶剤で希釈されていない組成物や、溶剤で希釈した液体状の組成物等を用いることができる。
【0192】
溶剤で希釈した液体状組成物の場合は、溶剤が水、エチレングリコール等の高表面張力を示すものであることが好ましい。また、機能性部用組成物としては粘度が低いほど短時間にパターンが形成できることから特に好ましい。ただし、溶剤で希釈した液体状組成物の場合には、パターン形成時に溶剤の揮発による粘度の上昇、表面張力の変化が起こるため、溶剤が低揮発性であることが望ましい。
【0193】
本発明に用いられる機能性部用組成物としては、パターン形成体に付着等させて配置されることにより機能性部となるものであってもよく、またパターン形成体上に配置された後、薬剤により処理され、もしくは紫外線、熱等により処理された後に機能性部となるものであってもよい。この場合、機能性部用組成物の結着剤として、紫外線、熱、電子線等で硬化する成分を含有している場合には、硬化処理を行うことにより素早く機能性部が形成できることから好ましい。
【0194】
このような機能性素子の形成方法を具体的に説明すると、例えば機能性部用組成物をディップコート、ロールコート、ブレードコート、スピンコート等の塗布手段、インクジェット等を含むノズル吐出手段等の手段を用いて塗布することにより、パターン形成体表面の親液性領域パターン上に機能性部を形成する。
【0195】
さらに、無電解めっきによる金属膜形成方法に本発明のパターン形成体を用いることにより、機能性部として金属膜のパターンを有する機能性素子を得ることができる。具体的には、濡れ性の差を利用することにより、パターン形成体の濡れ性変化層表面における親液性領域にのみ化学めっきの前処理液によって処理を行い、次いで処理したパターン形成体を化学めっき液に浸漬することにより、所望の金属パターンを濡れ性変化層上に有する機能性素子を得ることができる。この方法によれば、レジストパターンを形成することなく、金属のパターンを形成することができるので、機能性素子として、プリント基板や電子回路素子を製造することができる。
【0196】
また、全面に機能性部用組成物を配置した後、撥液性領域と親液性領域との濡れ性の差異を利用して不要な部分を取り除くことにより、パターンに沿って機能性部を形成するようにしてもよい。これは濡れ性変化層上の親液性領域と撥液性領域との密着性の差を利用して、例えば、粘着テープを密着した後に引き剥がすことによる剥離、空気の吹き付け、溶剤による処理等の後処理により不要部分を除去して機能性部のパターンを得ることができる。
【0197】
この場合は、本発明のパターン形成体の濡れ性変化層表面に全面に機能性部用組成物を配置する必要があるが、この方法としては、例えばPVD、CVD等の真空製膜手段を挙げることができる。
【0198】
このようにして得られる機能性素子として具体的には、カラーフィルタ、マイクロレンズ、プリント基板、電子回路素子等を挙げることができる。
【0199】
5.カラーフィルタ
カラーフィルタは、液晶表示装置等に用いられるものであり、赤、緑、青等の複数の画素部がガラス基板等上に高精細なパターンで形成されたものである。本発明のパターン形成体をこのカラーフィルタの製造に用いることにより、低コストで高精細なカラーフィルタとすることができる。
【0200】
すなわち、上述したパターン形成体の親液性領域に、例えばインクジェット装置等によりインク(機能性部用組成物)を付着・硬化させることにより、容易に画素部(機能性部)を形成することができ、これにより少ない工程数で高精細なカラーフィルタを得ることができる。
【0201】
また、本発明においては、上記パターン形成体の遮光部をそのままカラーフィルタにおけるブラックマトリックスとして用いることが可能である。したがって、上述した本発明のパターン形成体上に機能性部としての画素部(着色層)を形成するれば、別途ブラックマトリックスを形成すること無しに、カラーフィルタを得ることが可能である。
【0202】
B.フォトマスク
次に、本発明のフォトマスクについて説明する。本発明のフォトマスクは、少なくとも以下の3つの態様がある。
【0203】
第1の態様のフォトマスクは、透明な基材と、0.2μm〜10μmの厚みで上記透明基材上にパターン状に形成された遮光部パターンと、上記透明な基材および上記遮光部パターン上に形成された光触媒含有層とからなることを特徴とするものであり、その具体例を、図3に示す。
【0204】
このように、本発明においては、上記パターン形成体の製造方法において、遮光部を有する光触媒含有層側基板の機能面に着目し、これをフォトマスクとしたものである。
【0205】
また、第2の態様のフォトマスクは、透明な基材と、上記透明な基材上に形成された光触媒含有層と、0.2μm〜10μmの厚みで上記光触媒含有層上にパターン状に形成された遮光部パターンとからなることを特徴とするものであり、その具体例を図4に示す。
【0206】
さらに、第3の態様のフォトマスクは、透明な基材と、上記透明な基材上にパターン状に形成された遮光部と、上記透明な基材および遮光部上に形成されたプライマー層と、上記プライマー層上に形成された光触媒含有層とからなることを特徴とするものであり、その具体例を図5に示す。
【0207】
いずれのフォトマスクの各要素とも、上記「パターン形成体の製造方法」の欄において説明したものと同様であり、かつ各態様が奏する作用効果も、上記「パターン形成体の製造方法」の欄において説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0208】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0209】
【実施例】
以下、本発明について、実施例を通じてさらに詳述する。
[実施例1]
100μmのラインアンドスペースで厚さ0.4μmのクロム製の遮光部パターンが形成された石英ガラス基板上に、テイカ(株)製の光触媒用酸化チタンコーティング剤TKC301をコーティングし、350℃で3時間乾燥させ、光触媒含有層付きフォトマスク(光触媒含有層側基板)を完成させた。
【0210】
次に、メチルトリメトキシシラン5gに0.1N塩酸水3gを添加し1時間室温にて攪拌した溶液をガラス基板上にコーティングし、150℃で10分間乾燥させ濡れ性変化層を形成した。
【0211】
これに、先のフォトマスクを密着させ、フォトマスク側から超高圧水銀ランプにて20mW/cm2(365nm)の照度で紫外線照射し濡れ性変化層表面に濡れ性のパターンを形成した。このとき、未露光部の水の接触角は72°であり、露光部の水の接触角が10°以下になるのに120秒かかった。また、濡れ性変化層表面上の未露光部は95μmで露光部は105μmであった。
【0212】
[実施例2]
実施例1のクロム製のパターン形成体の厚みが0.1μmのものを使用する以外は実施例1同様にパターン形成を行った。その結果、露光部の水の接触角が10°以下になるのに370秒かかった。
【0213】
[実施例3]
実施例1のパターン形成体において、遮光部パターンをカーボンブラックが分散された樹脂バインダ製の厚さ20μmのものとした以外は実施例1同様にパターン形成を行った。その結果、露光部の水の接触角が10°以下になるのに560秒かかった。
【0214】
[実施例4]
フォトマスクと濡れ性変化層の露光を密着させずに、遮光部パターン上の光触媒含有層と濡れ性変化層とのギャップを10μmに設定した以外は実施例1同様にパターン形成を行った。その結果、露光部の水の接触角が10°以下になるのに120秒掛かった。また、濡れ性変化表面上の未露光部は80μmで露光部は120μmであった。
【0215】
[実施例5]
50μmのラインアンドスペースで厚さ0.4μmのクロム製の遮光部のパターンが形成された石英ガラス製のフォトマスク上に、以下のような組成の成分を混合後25℃で24時間攪拌して調整したプライマー層用塗工液を塗布後、120℃で20分間加熱し厚さ0.1μmのプライマー層を形成した。
【0216】
<プライマー層用塗工液の組成>
・0.1規定塩酸水溶液 50g
・テトラメトキシシラン 100g
次いで、石原産業製の光触媒無機用コーティング剤ST−K01をプライマー層上に塗布後、150℃で20分間加熱し厚さ0.15μmの光触媒含有層を形成し、光触媒付きフォトマスク(光触媒含有層側基板)を形成した。
【0217】
次いで、ガラス基板上に以下のような組成の成分を混合後25℃で24時間攪拌して調整したフッ素系シリコーン用塗工液を塗布後、120℃で15分間加熱し、厚さ0.05μmの特性変化層を形成した。
【0218】
<フッ素系シリコーン塗工液の組成>
・0.2規定塩酸水溶液 25g
・フルオロアルキルシラン 15g
・テトラメトキシシラン 50g
これに、先のフォトマスクを密着させ、フォトマスク側から超高圧水銀ランプにて、20mW/cm2(365nm)の照度で紫外線照射し特性変化層表面に濡れ性のパターンを形成した。このとき、未露光部の水との接触角は106°であり、露光部の水の接触角が10°以下になるのに120秒かかった。また、このときの未露光部位の幅は、49μm、露光部の幅は51μmであった。
【0219】
[参考例]
実施例5において、プライマー層を形成せず、光触媒付きフォトマスクを形成した以外は、上記実施例5と同様にパターン形成を行った。その結果、露光部の水との接触角が10°以下になるのに240秒かかった。またこのときの未露光部位の幅は40μm、露光部の幅は60μmであった。
【0220】
[実施例6]
50μmのラインアンドスペースで厚さ0.4μmのクロム製の遮光層パターンが形成された石英ガラス製のフォトマスク上に、以下のような組成の成分を混合後25℃で24時間攪拌して調整したプライマー層用塗工液を塗布後、120℃で20分間加熱し厚さ0.1μmのプライマー層を形成した。
【0221】
<プライマー層用塗工液の組成>
・0.1規定塩酸水溶液 50g
・テトラメトキシシラン 100g
次いで、石原産業製の光触媒無機用コーティング剤ST-K03をプライマー層上に塗布後、150℃で20分間加熱し厚さ0.15μmの光触媒含有層を形成し、光触媒付きフォトマスク(光触媒含有層側基板)を完成させた。
【0222】
次いで、370×470mmのガラス基板上に、以下のような組成の成分を混合後25℃で24時間攪拌して調整したフッ素系シリコーン用塗工液を塗布後、120℃で15分間加熱し厚さ0.05μmの特性変化層を形成した。
【0223】
<フッ素系シリコーン塗工液の組成>
・0.2規定塩酸水溶液 25g
・フルオロアルキルシラン 15g
・テトラメトキシシラン 50g
これに、大型自動露光機MA-6000シリーズ((株)大日本科研製)を用いて、フォトマスクとのギャップを60μmに設定し、フォトマスク側から20mW/cm2(365nm)の照度で紫外線照射し特性変化層表面に濡れ性のパターンを形成した。このとき、面内における4点のギャップは実測で53〜64μmの範囲であった。また、未露光部の濡れ標準試薬(40mN/m)の接触角は75°であり、露光部の濡れ標準試薬(40mN/m)の接触角が9°以下になるのに150秒かかった。また、このときの未露光部位の幅は49μm、露光部の幅は51μmであった。
【0224】
[実施例7]
実施例6のギャップを150μmと設定した以外は実施例6同様にパターン形成を行った。このとき、面内における4点のギャップは実測で145μm〜152μmの範囲であった。その結果、露光部の濡れ標準試薬(40mN/m)の接触角が9°以下になるのに230秒かかった。また、このときの未露光部位の幅は47μm、露光部の幅は53μmであった。
【0225】
[比較例1]
実施例6のギャップを250μmと設定した以外は実施例6同様にパターン形成を行った。その結果、露光部の濡れ標準試薬(40mN/m)の接触角が9°以下になるのに360秒かかった。また、このときの未露光部位の幅は15μm、露光部の幅は85μmであった。
【0226】
[比較例2]
実施例6のギャップを5μmと設定した以外は実施例6同様にパターン形成を行った。光触媒含有層と特性変化層とが接触している部分が生じ、その結果、面内で濡れ性の変化に差が生じてしまい、均一なパターンが得られなかった。
【0227】
[実施例8]
50μmのラインアンドスペースで厚さ0.4μmのクロム製の遮光層パターンが形成された石英ガラス製のフォトマスク上に、以下のような組成の成分を混合後25℃で24時間攪拌して調整したプライマー層用塗工液を塗布後、120℃で20分間加熱し厚さ0.1μmのプライマー層を形成した。
【0228】
<プライマー層用塗工液の組成>
・0.1規定塩酸水溶液 50g
・テトラメトキシシラン 100g
次いで、石原産業製の光触媒無機用コーティング剤ST-K03をプライマー層上に塗布後、150℃で20分間加熱し厚さ0.15μmの光触媒含有層を形成し、光触媒付きフォトマスク(光触媒含有層側基板)を完成させた。
【0229】
次いで、ガラス基板上に金を蒸着した基板を、オクタデカンチオールをヘキサンにより溶解した自己組織化膜組成物に24時間浸漬し、ガラス基板上に金を介して分解除去層を形成した。
【0230】
これに、先のフォトマスクを密着させ、フォトマスク側から超高圧水銀ランプにて20mW/cm2(365nm)の照度で紫外線照射し特性変化層表面に濡れ性のパターンを形成した。このとき、自己組織化膜を分解除去するのに150秒かかった。また、このときの未露光部位の幅は49μm、露光部の幅は51μmであった。
【0231】
【発明の効果】
本発明によれば、特にエネルギー照射後の後処理も必要無く、種々の特性を有するパターンを高精細に形成することができる。また、エネルギー照射後、パターン形成体から光触媒含有層側基板を取り外すので、パターン形成体自体には光触媒含有層が含まれることがなく、したがってパターン形成体の光触媒の作用による経時的な劣化に対する心配がない。さらに、光触媒含有層と特性変化層との間隔が、上述した範囲内であるので、効率よくかつ精度の良好な特性の変化したパターンを有するパターン形成体を得ることができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパターン形成体の製造方法の一例を示す工程図である。
【図2】本発明に用いられる光触媒含有層側基板の一例を示す概略断面図である。
【図3】本発明に用いられる光触媒含有層側基板の他の例を示す概略断面図である。
【図4】本発明に用いられる光触媒含有層側基板の他の例を示す概略断面図である。
【図5】本発明に用いられる光触媒含有層側基板の他の例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 … 基材
2 … 光触媒含有層
3 … 光触媒含有層側基板
4 … 基板
5 … 特性変化層
6 … パターン形成体用基板
9 … 特性変化領域
10 … プライマー層
13 … 遮光部
Claims (21)
- 光触媒の作用により表面の特性が変化する特性変化層を有するパターン形成体用基板を調製するパターン形成体用基板調製工程と、基材と、前記基材上にパターン状に形成された遮光部と、前記遮光部上に形成され、無定形シリカからなるプライマー層と、前記プライマー層上に形成され光触媒を含有する光触媒含有層とを有する光触媒含有層側基板の光触媒含有層と前記特性変化層とを、200μm以下となるように間隙をおいて配置した後、所定の方向から前記光触媒含有層にエネルギーを照射することにより、前記光触媒含有層に含まれる光触媒の作用によって前記特性変化層表面に特性の変化したパターンを形成するパターン形成工程とを有することを特徴とするパターン形成体の製造方法。
- 前記光触媒含有層と前記特性変化層とを、0.2μm〜10μmの範囲内となるよう間隔をおいて配置したことを特徴とする請求項1に記載のパターン形成体の製造方法。
- 前記光触媒含有層が、光触媒からなる層であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパターン形成体の製造方法。
- 前記光触媒含有層が、光触媒を真空製膜法により基材上に製膜してなる層であることを特徴とする請求項3に記載のパターン形成体の製造方法。
- 前記光触媒含有層が、光触媒とバインダとを有する層であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパターン形成体の製造方法。
- 前記光触媒が、前記光触媒が、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化タングステン(WO3)、酸化ビスマス(Bi2O3)、および酸化鉄(Fe2O3)から選択される1種または2種以上の物質であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載のパターン形成体の製造方法。
- 前記光触媒が酸化チタン(TiO2)であることを特徴とする請求項6に記載のパターン形成体の製造方法。
- 前記パターン形成体用基板が、少なくとも基板とこの基板上に設けられた前記特性変化層とから形成されていることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載のパターン形成体の製造方法。
- 前記特性変化層が、光触媒含有層中の光触媒の作用により、エネルギー照射された際に液体との接触角が低下するように濡れ性が変化する濡れ性変化層であることを特徴とする請求項8記載のパターン形成体の製造方法。
- 前記濡れ性変化層上における表面張力40mN/mの液体との接触角が、露光されていない部分において10°以上であり、露光された部分において9°以下であることを特徴とする請求項9に記載のパターン形成体の製造方法。
- 前記濡れ性変化層が、オルガノポリシロキサンを含有する層であることを特徴とする請求項9または請求項10に記載のパターン形成体の製造方法。
- 前記オルガノポリシロキサンが、フルオロアルキル基を含有するポリシロキサンであることを特徴とする請求項11に記載のパターン形成体の製造方法。
- 前記オルガノポリシロキサンが、YnSiX(4−n)(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることを特徴とする請求項11または請求項12に記載のパターン形成体の製造方法。
- 前記パターン形成体用基板が、自己支持性を有するフィルムであり、その少なくとも一方の表面が光触媒含有層中の光触媒の作用により、エネルギー照射された際に液体との接触角が低下するように濡れ性が変化するようなフィルム状の濡れ性変化層であることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載のパターン形成体の製造方法。
- 前記特性変化層が、光触媒含有層中の光触媒の作用により分解除去される分解除去層であることを特徴とする請求項8に記載のパターン形成体の製造方法。
- 前記分解除去層とこの分解除去層が分解除去された際に露出する基板との液体との接触角が異なることを特徴とする請求項15に記載のパターン形成体の製造方法。
- 前記エネルギー照射が、光触媒含有層を加熱しながらなされることを特徴とする請求項1から請求項16までのいずれかの請求項に記載のパターン形成体の製造方法。
- 透明な基材と、前記透明な基材上にパターン状に形成された遮光部と、前記透明な基材および遮光部上に形成され、無定形シリカからなるプライマー層と、前記プライマー層上に形成された光触媒含有層とからなることを特徴とするフォトマスク。
- 上記請求項1から請求項17までのいずれかの請求項に記載されたパターン形成体の製造方法により製造されたパターン形成体に、機能性部が配置されたことを特徴とする機能性素子。
- 前記機能性部が金属であることを特徴とする請求項19に記載の機能性素子。
- 請求項19に記載された機能性素子の機能性部が、画素部であることを特徴とするカラーフィルタ。
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