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JP4201770B2 - ウレタンカップリング - Google Patents
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Description

本発明は、端面の複数の突起と中心孔とを有する円形ハブの一対がウレタンエラストマーを介して接合されたウレタンカップリングに関する。
弾性体軸継手は、駆動軸と従動軸とを弾性体を介して連結し、この弾性体の変形により両軸間の偏心、偏角等を吸収しつつ動力を伝達するものである。このような従来の弾性体軸継手の弾性体にゴムを使用するものとして、JIS−B1455のゴム軸継手に規定されるものがある。
このゴム軸継手は、軸に嵌入される中心孔を有する一対の円形ハブの端面に周方向に等間隔で複数の突起を設けた1対の突起同志を向かい合わせ、前記突起を交互に等間隔に位置させるとともにこれにより円形及び突起間に形成される空間にダンパーとしてゴム弾性体を介在させたものである。
駆動軸から従動軸への動力の伝達は、駆動軸側の円形ハブの突起がゴム弾性体を押圧し、この押圧力を受けてゴム弾性体が従動軸側の円形ハブの突起を押圧することにより行われる。そして、このとき両軸間に偏心、偏角が存在していてもゴム弾性体の弾性により吸収される。このようなゴム弾性体の機能を十分に発揮させる材料として、ウレタンエラストマーを用いた、ウレタンカップリングが知られている。
このウレタンエラストマーは、液状ウレタンを熱硬化させるタイプのものである。一対の円形ハブをその突起が空間を有してかみ合い状態となし、その空間に液状ウレタンを充満させ、加熱して硬化させる。従来、この充満作業は、一対の円形ハブを型内に保持し、前記空間に液状ウレタンを注入することで行われていた。
しかしながら、従来のウレタン注型は、大気圧下で行われていたため、液状ウレタン内に存在する気泡がとれずに、そのまま残るという問題点があった。気泡が残ると、所定の反発弾性率が得られなくなる。この気泡は、液状ウレタンの秤量時及び攪拌時に発生するものであり、秤量及び攪拌工程で気泡を生じないようにすることは製造工程を複雑化させる。
したがって本発明の目的は、液状ウレタン内に存在する気泡を除去しつつ、一対の円形ハブの間の空間に充満させることができるウレタンカップリングを提供することにある。
前記のような目的を達成するために、本発明1は、端面の複数の突起と中心孔とを有する円形ハブの一対を、前記突起が空間を有してかみ合い状態になるように配置し、前記空間に前記端面同士を接合するウレタンエラストマーを介在させてなり、前記ウレタンエラストマーには、目視で気泡は見当たらず、前記一対の円形ハブの間の前記空間を満たす液状ウレタンは金型のゲート部を介して注入され、このゲート部におけるウレタンの収縮に対抗するために前記空間に連通する液状ウレタンの溜め部を少なくとも前記ゲート部に対面する位置に設けることにより、前記ウレタンエラストマーの前記中心孔周りの収縮が点対称になるようにしているウレタンカップリングである。
本発明2は、本発明1において、前記一対の円形ハブの前記金型に対する位置決めはシャフトを介して行われ、前記シャフトの大径部と小径部との間の段部に前記円形ハブの端面を当接させることにより、一方の円形ハブの中心孔は大きく、他方の円形ハブの中心孔は小さく形成され、前記ウレタンエラストマーは、その内径が大きな中心孔と同じになるように介在されているものである。
また本発明では、前記遠心力を保持したまま前記液状ウレタンを反応硬化させる。そこで、反応促進のために、上下金型を加熱可能にしている。前記遠心力により気泡が追いやられた液状ウレタンが一対の円形ハブの間の空間を満たし、その状態を保って反応硬化を進める。一対の円形ハブの上下金型に対する位置決めはシャフトを介して行う。一対の円形ハブの間の空間を満たす液状ウレタンは金型のゲート部を介して注入される。このゲート部におけるウレタンの収縮に対抗するために前記空間に連通する液状ウレタンの溜め部を少なくとも前記ゲート部に対面する位置に設けると、前記ウレタンの前記シャフト周りの収縮が点対称になる。前記シャフトを抜き取ってウレタンカップリングにした時に、前記シャフト周りのウレタンの収縮がシャフト周りで点対象であるため、一対のハブの中心孔同志の偏心及び偏角が防止され、精度の良いウレタンカップリングが得られる。
本発明1〜2では、収納部の周囲に、液状ウレタンを注入するためのゲート部と、このゲート部におけるウレタンの収縮と同様の収縮を生じさせるための溜め部とを設け、前記溜め部を少なくとも前記ゲートと対面する位置に配設することなど、前記中心孔の周りで点対称となる部位で外側に向かう収縮が生じる状態にて固化すると、高精度のウレタンカップリングを製造できる。すなわち、前記収納部の周囲であって、少なくとも、前記ゲート部と対面する位置に、前記液状ウレタンの溜め部を配設すると、一対の円形ハブの中心孔同志の偏心や偏角を防止できる。
本発明3〜4では、遠心力で液状ウレタンを一対の円形ハブ間の空間に注入し、遠心力を保ったまま前記液状ウレタンを反応硬化させるため、秤量時又は攪拌時に前記液状ウレタン内に発生した気泡が除去され、円形ハブの一対を所定のウレタンエラストマーを介して接合することができる。
本発明5〜10では、シャフトを使って一対の円形ハブの位置決めを行うため、円形ハブの突起の位置関係や円形ハブの同心度が高精度に維持でき、予めセットされたシャフトと円形ハブを金型に取り付けるだけでよいため、作業工程の能率化が可能になる。また、シャフトの軸方向の段部により、一対の円形ハブの軸方向位置が決まり、シャフトに対するネジ止めにより、一対の円形ハブの周方向位置が決まるので、シャフトに対する一対の円形ハブの精度良い取り付けが簡単にできる。また、シャフトの上下突出部により、一対の円形ハブのシャフト基準の精度を維持したまま、シャフト及び円形ハブの取付体を上下金型へ簡単にセットできる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明品の製造に用いる製造装置の断面図であり、図2は、前記製造装置における下金型の上面図であり、図3は、前記製造装置におけるシャフトとハブの取付け状態を示す横断面図であり、図4は、前記シャフトとハブの取付け状態を示す縦断面図である。
まず、図1〜2により、本発明品の製造装置の全体を説明する。本製造装置は、円形ハブ2,3の一対を所定位置で固定するシャフト11と、シャフト11の多数を固定可能な下金型12及び上金型13と、下金型12を支持する回転板(駆動手段)14と、この回転板14を高速回転させる駆動モータ(駆動手段)15とを備えてなる。
駆動モータ15は垂直上向きの出力軸15aを水平配置の回転板14の回転中心に嵌入等により取り付けたものである。この回転板14の上に、円形の下金型12をその中心が一致するようにボルト16を用いて固定する。
円形の下金型12は、シャフト11の下突出部41に対応する下固定部17と、円形ハブ2,3の一方に対応する下収納部18とからなる下二段孔部19を、図2のように、回転中心20の同心円21に等分配置(図示例では12等分配置)したものである。回転中心20の回りに下円形貯留部22が設けられ、下円形貯留部22から各々の下収納部18に放射状に延びる下ゲート部23が配設されている。
図1に戻り、円形の上金型13も、シャフト11の上突出部42に対応する上固定部24と、円形ハブ2,3の他方に対応する上収納部25とからなる上二段孔部26を、下金型12の下二段孔部19と軸心が一致するように配設したものである。また下金型12の下円形貯留部22と下ゲート部23に一致する上円形貯留部27と上ゲート部28が上金型13にも配設されている。なお、上下円形貯留部22,27と上下ゲート部23,28は、一体の円形貯留部及びゲート部として、上下金型12,13の一方だけに設けることもできる。
この上金型13の回転中心20に沿って、上下円形貯留部22,27に至る注入口29が設けられている。そして、上下金型12,13はボルト13aで閉じた状態に固定される。このボルト13aにより、上下金型12,13は開閉自在となっている。また、上下金型12,13には、図示されない電気ヒータ等の加熱手段が内蔵されている。さらに、下金型12の第2収納部18と上金型13の第2収納部25の各々の合わせ面近くに、円形ハブの外周との間をシールするOリング(弾性体リング)30,31が配設されている。
シャフト11を中心にし上下金型のゲート部23,28を起点とすると、+180°離れた平行な位置に、上下金型に分かれて位置する第1溜め部32U,32Lが配設され、+90°離れた直交する位置に、上下金型に分かれて位置する第2溜め部33U,33Lが配設され、−90°離れた直交する位置に、上下金型に分かれて位置する第3溜め部34U,34Lが配設されている。ゲート部23,28、第1溜め部32U,32L、第2溜め部33U,33L及び第3溜め部34U,34Lは、上下金型の収納部18,25のうち、一対の円形ハブ2,3の間の空間に連通するように設けられている。
第1溜め部32U,32Lは、ゲート部23,28と同じ長さ及び同じ巾を有している。ゲート部23,28があると、それだけウレタンの量が多くなって収縮量も大きくなる。第1溜め部32U,32Lのウレタンの収縮が、前記ゲート部23,28のウレタンの収縮に直接的に対抗することができる。第1溜め部32U,32Lがない場合、シャフト11がこの収縮に対抗している。そのため、シャフト11を抜き取ると、前記ゲート部23,28がある側のウレタンの収縮が大きくなり、一対の円形ハブの偏心・偏角が生じる。そこで、前記ゲート部23,28のウレタンの収縮に対抗するため、少なくとも、前記ゲート部23,28から+180°離れた対向位置に第1溜め部32U,32Lを設ける。前記ゲート部23,28におけるウレタンの収縮と同じ現象をシャフト11の周りで点対象になるように多く生じさせると、シャフト11周りの収縮が略均一になる。そこで、第2溜め部33U,33L及び第3溜め部34U,34Lを、ゲート部23,28と同じ長さ及び同じ巾をにして設けることが好ましい。図示のように、収納部18,25の回りを4等分した位置にゲート部23,28、第1溜め部32U,32L、第2溜め部33U,33L及び第3溜め部34U,34Lを設けると、収納部18,25内部の空間にあるウレタンの収縮がシャフト11に対して点対象によりバランスするようになる。その結果、前記シャフト11を抜き取ってウレンタンカップリングにしたとき、ウレタンの収縮の偏在によって生じる、一対の円形ハブの中心孔同志の偏心や偏角が抑制される。
図3及び図4により、円形ハブ2,3とシャフト11との取付体を説明する。図4は図3のX−X線断面図である。図3において、大径の第1突出部41から小径の第2突出部42に至るまでに、順次小径となる第1軸部43と第2軸部44を設けたものである。大径の第1突出部41と小径の第1軸部43との間に第1段部45が形成され、大径の第1軸部43と小径の第2軸部44との間に第2段部46が形成されている。また、第1軸部43の円形ハブ2の対面側の端面近くと、第2軸部44の円形ハブ3の対面側の端面近くに、円形ハブ2,3の中心孔の間をシールするOリング(弾性体リング)47,48が配設されている。更に、第1軸部43の円形ハブ2の中間位置と、第2軸部44の円形ハブ3の中間位置に、円形ハブ2,3のボルト孔に対面する平面部49,50が設けられている。
図5及び図6により、円形ハブ2,3の構造を説明する。図6は図5のY−Y線断面図である。図5において、アルミ合金製の一対の円形ハブ2,3は、それぞれ中心孔4,5を有し、互いに対向する端面に突起6,7が突設されたものである。図6のように、円形ハブ2の3本の突起6,6,6と円形ハブ3の3本の突起7,7,7は互いに同じ距離離れた空間を介してかみ合い状態に配設されている。この空間にあるウレタンエラストマー8が一対の円形ハブ2,3を接合する構造になっている。通常、一方の円形ハブ2の中心孔4は他方の円形ハブ3の中心孔5より大径になっている。またウレタンエラストマー8は内側が中心孔4と同じ内径を有するリングになっており、リングから放射状に延びる部分が突起6,7の間の空間等を埋めている。さらに、円形ハブ2の本体の中間位置に中心孔4に開口するボルト孔9が設けられ、同じく円形ハブ3の本体の中間位置に中心孔5に開口するボルト孔10が設けられている。なお、円形ハブ2,3にアルミ合金を使用した場合には、ウレタンレラストマー8との接着性を向上させるために、円形ハブ2,3の対向する部分に接着剤を予め塗布しておく接着性向上のための処理を施しておくことが望ましい。
図3に戻り、シャフト11の第1軸部43は円形ハブ2の中心孔4に嵌まる外径を有しており、円形ハブ2の反対向面側の端部が第1段部45に当たってシャフト11に対する軸方向位置が決まる。また、シャフト11の第2軸部44は円形ハブ3の中心孔5に嵌まる外径を有しており、円形ハブ3の対向面側の端部が第2段部46に当たってシャフト11に対する軸方向位置が決まる。これにより、円形ハブ2の突起6と円形ハブ3との間の距離εと、円形ハブ3の突起7と円形ハブ2との間の距離εとが自動的に決まるようになっている。
円形ハブ2のボルト孔9に止めネジ51をねじ込むと、止めネジ51の先端が平面部49に垂直に当たり、円形ハブ2のシャフト11の周方向位置が決まる。同様に、円形ハブ3のボルト孔10に止めネジ52をねじ込むと、止めネジ52の先端が平面部50に垂直に当たり、円形ハブ3のシャフト11の周方向位置が決まる。これにより、図4のように、円形ハブ2の突起6と円形ハブ3の突起7との間の隙間53が角度αの等しいものとなって、円形ハブ2,3の周方向位置が自動的に決まるようになっている。
このように、シャフト11に円形ハブ2,3を順に嵌めて段部45,46に当て、止めネジ51,52をねじ込むだけで、シャフト11に対する円形ハブ2,3の軸方向位置と周方向位置か決まる。そして、円形ハブ2,3の間に突起6,7を介在させた所定空間54が形成される。
前記ポリウレタンエラストマーとしては、トルエンジシソシアネート(TDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)及びパラフェニレンジイソシアネート(PPDI)等に代表されるジシソシアネートと、ポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリカーボネイト系ポリオールの1種又は2種以上からなるプレポリマーに硬化剤(架橋剤)を配合してなるポリウレタンエラストマーが用いられる。
ポリエステル系ポリオールとしては、例えば、ポリカルボン酸と低分子ポリオールとの縮合物で、分子量500〜10000のものが挙げられる。ポリエーテル系ジオールとしては、例えば、アルキレンオキシド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド)を活性水素化合物である多価アルコール(例えば、ジエチレングリール)を開始剤として開環付加重合により与えられるものが挙げられる。ポリカーボネート系ポリオールとしては、従来公知のポリオール(多価アルコール)とホスゲン、クロル蟻酸エステル、ジアルキルカーボネート又はジアリルカーボネートとの縮合によって得られ、種々の分子量のものが挙げられる。
前記ポリオールの1種または2種以上をTDI、MDI及びPPDI等に代表されるジイソシアネートと反応させて、ウレタンプレポリマー(液状ウレタン)を製造するための方法としては、特に限定されず、例えば、反応温度、反応時間、溶媒の有無等を含めて公知の方法で行うことができる。本発明に用いるウレタンエラストマーを得るためには、上述のようにして得られたウレタンプレポリマーと、硬化剤とを混合して、ウレタンプレポリマーを硬化(反応硬化)させればよい。
使用できる硬化剤としては、特に限定されず、従来、ウレタンプレポリマーを硬化してウレタンエラストマーを生成させる際に一般的に用いられているもので構わない。例えば、ポリオール化合物、ポリアミン化合物等が挙げられる。ポリオール化合物としては、特に限定されず、1級ポリオール、2級ポリオール、3級ポリオールのいずれを用いてもよい。
上記の硬化剤と、前述のようにして得られたウレタンプレポリマーとを混合して、同ウレタンプレポリマーを硬化(架橋)させるための方法としては、特に限定されず、例えば、ウレタンプレポリマーに対する硬化剤の混合割合、硬化温度、硬化時間等を含めて、通常の方法で行うことができる。本発明に用いるポリウレタンエラストマーは、添加剤等を含有するものとしてもよい。この添加剤は、可塑剤、難燃剤、充填剤、安定剤、着色剤等である。安定剤は、従来より使用されている酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、加水分解防止剤等である。
つぎに、上述した製造装置を用いた本発明品の製法を説明する。図3に示すように、まずシャフト11に大きな中心孔4を有する円形ハブ2を嵌入し、円形ハブ2の端面を第1段部45に当てる。つぎに、シャフト11に小さな中心孔5を有する円形ハブ3を嵌入し、円形ハブ3の端面を第2段部46に当てる。そして、円形ハブ2のネジ孔9に止めボルト51をねじ込み、平面部49に止めボルト51の先端を当てる。同様に円形ハブ3のネジ孔10に止めボルト52をねじ込み、平面部50に止めボルト52の先端を当てる。このように、一対の円形ハブ2,3のシャフト11に対する軸方向位置と周方向位置に決め、軸方向隙間εと突起6,7間の隙間53等の空間54を所定形状のものとする(第1工程)。
図1のボルト13aを外し、上金型13を外した状態にする。図3のシャフト11と円形ハブ2,3の取付体を、下突出部41を下固定部17に嵌入することにより下金型12の所定位置にセットする。つぎに、上金型13を回転中心20に沿って降ろし、上突出部42を上固定部24に嵌入することにより上金型13の下金型12に対する同心を確保して、ボルト13aをねじ込む。すると、図3のシャフト11と円形ハブ2,3の取付体の12個が、上下金型12,13内にセットされ、円形ハブ2,3間の空間が、ゲート部23,28、円形貯留部27,28を介して注入口29に連通する状態になる。この状態にして、駆動モータ15を回転させると、回転円板14を介して上下金型12,13が回転し、シャフト11と円形ハブ2,3の取付体に大きな遠心力が発生する。遠心力が発生したまま、注入口29から液状ウレタンを注入すると、円形貯留部27,28、ゲート部22,27を介して、円形ハブ2,3間の空間に液状ウレタンが充満していく(第2工程)。
遠心力を発生させたまま上下金型12,13を加熱すると、液状ウレタンの反応硬化が進んでいく。遠心力が発生したままであるため、液状ウレタン内に気泡があっても、比重の軽い気泡部分は円形貯留部27,28に集まり、円形ハブ2,3の間の空間の液状ウレタンは最も遠心力か大きいため気泡が殆ど存在しなくなる。円形ハブ2,3の空間の液状ウレタンが反応硬化してウレタンエラストマーに変化すると、円形ハブ2,3がウレタンエラストマーで接合される(第3工程)。このとき、ゲート部23,28におけるウレタンの収縮により、円形ハブ2,3の空間にあるウレタンが引っ張られるが、第1溜め部32U,32Lからの引っ張りが対抗し、第2溜め部33U,33L及び第3溜め部34U,34Lが円形ハブ2,3の空間にあるウレタンの動きを規制し、ウレタンの収縮が周方向に均一化される。そのため、シャフト11を抜いたときに、ウレタンの収縮に起因する一対の円形ハブの中心孔同志の偏心や偏角が出なくなる。
上下金型12,13の回転を止め、ボルト13aを外して上金型13と下金型12を開放する。そして、下金型12からシャフト11と円形ハブ2,3の取付体の12個を取り外す。そして、止めネジ51,52を緩めて外し、取付体からシャフト11を抜き取る。円形ハブ2,3の間の空間に詰まったウレタンエラストマーのゲート部分をカットし、所定形状のウレタンカップリングを得る(第4工程)。
第2,第3工程の遠心力付与の工程で、液状ウレタンの収納部25への余分な洩れだしは、弾性リング30,31で止められ、同じく液状ウレタンの中心孔4,5への余分な洩れだしは図3の弾性リング47,48で止められる。そのため、所定形状のウレタンカップリングを得るまでの、仕上げ作業が簡単になる。但し、弾性リング47,48は必ずしも必要ではない。何故ならば、軸振れの精度を高めるためには、弾性リング47,48を省いた方が好ましい場合があるからである。
以上のように、一回の遠心力付与の工程で、12個のウレタンカップリングを得ることができる。また、一対の円形ハブ2,3をシャフト11で位置決めする構成であるため、大きな遠心力が作用しても、一対の円形ハブ2,3の位置関係がずれることがなく、高精度のウレタンカップリングが得られる。
同心円の直径(PCB)が205mmであって、シャフトと円形ハブの取付体を12個セットできる上下金型を用いた。プレポリマー(液状ウレタン)として、ポリエステル系T.D.I.ウレタンプレポリマーであるVibrathane8050(ユニロイヤル社製)に架橋剤としてポリオール系の架橋剤であるA−931(ユニロイヤル社製)、およびアミン系架橋剤であるMOCA(和歌山精化製)を表1に示すように混合し、予め攪拌しておいたものを使用した。
Figure 0004201770
水平配置の上下金型を中心軸回りで4000rpm±500rpmで回転させ、所定時間30〜40分遠心力を作用させたままにし、同時に上下金型を90〜130℃で加熱して前記液状ウレタンを硬化させた。硬化後にシャフトを上下金型から外し、シャフトからウレタンエラストマーで接合された円形ハブを取り外して、ウレタンカップリングを得た。この時の架橋後のウレタンエラストマーには気泡は目視では見当たらず、ウレタンエラストマーの反発弾性率は30%(JISK 6301)で均一であった。なお、3500rpm時の遠心力は1404Gであり、4500rpm時の遠心力は2321Gである。従って、ウレタンの注入時に必要な遠心力は1350〜2400Gである。
つぎに、上下金型のゲート部のウレタンの収縮に対抗できる位置に溜め部を配設した場合、一対の円形ハブの中心孔同志の偏心・偏角がどの程度防止できるかを測定した。
図2のようにゲート部と3か所の溜め部とを円周上に等分配置した金型と、溜め部がなくゲート部だけを配置した金型の両方を使用し、ハブ径30mm、両端の軸径8mmのウレタンカップリングを、3か所の溜め部有りで96個、溜め部無しで59個得た。一方のハブの軸を回転軸に嵌入し、他方のハブの軸の内側1mmの振れをテストインジケータで測定し、その結果を表2に示す。表2において、平均値は、96個又は59個の測定値の平均であり、MAXは、96個又は59個の測定値のうちの最大であり、MINは、96個又は59個の測定値のうちの最小である。金型内のウレタンの収縮を円周方向で均一にすると、出来たウレタンカップリングの偏心・偏角が大幅に改善されることが判る。
Figure 0004201770
本発明品の製造方法に用いる製造装置の断面図である。 前記製造装置における下金型の上面図である。 前記製造装置におけるシャフトとハブの取付け状態を示す横断面図である。 前記シャフトとハブの取付け状態を示す縦断面図である。 前記製造方法によるウレタンカップリングの横断面図である。 前記製造方法によるウレタンカップリングの縦断面図である。
符号の説明
2 円形ハブ
3 円形ハブ
4 中心孔
5 中心孔
6 突起
7 突起
8 ウレタンエラストマー
9 ネジ孔
10 ネジ孔
11 シャフト
12 下金型
13 上金型
14 回転板
15 駆動モータ(駆動手段)
17 下固定部
18 下収納部
20 回転中心
23,28 ゲート部
24 上固定部
25 上収納部
29 注入口
30 弾性リング
31 弾性リング
32U,32L 第1溜め部
33U,33L 第2溜め部
34U,34L 第3溜め部
41 下突出部
42 上突出部
43 第1軸部
44 第2軸部
45 第1段部
46 第2段部

Claims (2)

  1. 端面の複数の突起と中心孔とを有する円形ハブの一対を、前記突起が空間を有してかみ合い状態になるように配置し、前記空間に前記端面同士を接合するウレタンエラストマーを介在させてなり、
    前記ウレタンエラストマーには、目視で気泡は見当たらず、
    前記一対の円形ハブの間の前記空間を満たす液状ウレタンは金型のゲート部を介して注入され、このゲート部におけるウレタンの収縮に対抗するために前記空間に連通する液状ウレタンの溜め部を少なくとも前記ゲート部に対面する位置に設けることにより、前記ウレタンエラストマーの前記中心孔周りの収縮が点対称になるようにしているウレタンカップリング。
  2. 前記一対の円形ハブの前記金型に対する位置決めはシャフトを介して行われ、前記シャフトの大径部と小径部との間の段部に前記円形ハブの端面を当接させることにより、一方の円形ハブの中心孔は大きく、他方の円形ハブの中心孔は小さく形成され、前記ウレタンエラストマーは、その内径が大きな中心孔と同じになるように介在されている請求項1に記載のウレタンカップリング。
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