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JP4202139B2 - 温度依存性造影剤による強化型超音波検出 - Google Patents
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JP4202139B2 - 温度依存性造影剤による強化型超音波検出 - Google Patents

温度依存性造影剤による強化型超音波検出 Download PDF

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Description

本発明は、一般に、超音波検出及び画像法(イメージング)に関し、より好ましくは、ターゲットに結合した温度依存性造影剤の温度の変化に基づき超音波反射率の変化を検出するための新規な組成物、方法及び装置に関する。
分子映像法(分子イメージング)は、部位標的造影剤を用いた組織中の分子マーカーの特異的検出を可能にすることによって、伝統的な臨床的映像法の有用性を向上することができる (Weissleder、Radiology、1999年、212巻、609-614頁)。部位標的超音波(造影)剤に対する3つのアプローチが報告されているが、これらは、リポソームの使用 (Alkan-Onyukselら、 J. Pharm. Sci、1996年、85巻、486-490頁; Demosら、J. Pharm. Sci.、 1997年、86巻、167-171頁; Demosら、J. Am. Col. Cardiol.、1999年、33巻、867-875頁)、微小気泡の使用 (Mattreyら、Am. J. Cardiol.、1984年、54巻、206-210頁; Ungerら、Am. J. Cardiol.、1998年、81巻、58G-61G; Villanuevaら、Circulation、1998年、98巻、1-5頁; Klibanovら、Acad. Radiol.、1998年、5巻、S243-S246頁) 又はナノエマルジョンの使用 (Lanzaら、Circulation、1996年、94巻、3334-3340頁; Lanzaら、J. Acoust. Soc. Am.、1998年、104巻、3665-3672頁; Lanzaら、Ultrasound Med. Biol.、1997年、23巻、863-870頁) に基づいている。リポソームは、水中においてリン脂質により自然に形成される球形の二重膜小胞である。脱水−再水和プロセスにより生成される多層脂質二分子膜は、リポソームの内部において内部小胞を形成し、音響反射率を増加させることができる (Alkan-Onyukselら、1996年、上記; Demosら、 1997年、上記; Demosら、1999年、上記)。 第2のアプローチでは、その灌流適用に加えて部位標的様式のために、微小気泡が提案された。微小気泡は、血栓 (Ungerら、1998年、上記; Lanzaら、Ultrasound. Med. Biol.、1997年、23巻、863-870頁)、アビジン被覆ペトリ皿 (Klibanovら、1998年、上記) 及び活性化内皮細胞 (Villanueva et al., 1998, supra) を標的としていた。血栓と部位標的剤との相互作用の試験を行なった研究者もいた。とりわけ、アンガー等は、in vitro及びin vivoの何れにおいてもMRX-408(気泡ベースの造影剤)が首尾良く結合したのを観察した (Ungerら、1998年、上記)。
部位標的ナノエマルジョンは、脂質被包性液体ペルフルオロカーボンナノパーティクルからなる非気体音響造影剤である(Lanzaら、米国特許第5,690,907号;同第5,780,010号;及び同第5,958,371号参照)。ナノパーティクルは、直径約250nmである。ペルフルオロカーボンナノパーティクルエマルジョンは、in vitro及びin vivoの血栓調製物を標的とした場合、かなり大きい音響的コントラストを示した (Lanzaら、1998年、上記; Lanzaら、1997年、上記)。
部位標的造影剤の使用に際して直面する問題の1つとして、周囲の柔組織からの該パーティクルの高感度検出及び区別化がある。標的基質自体が音響発生性を有し又は当該基質表面からの信号が少々視界又は角度依存性でありうるので、血管表面上又はその近傍における病理学的変化の検出には障害が生じることがある。このような問題を解決しようとするなかで画像化技術が発達した。柔組織からの血流中の微小気泡の区別化を可能とするために第二高調波又は高調波及びパワー高調波ドップラーイメージングが使用された(Burnsら、Clinical Radiol.、1996年、51巻、50-55頁; Kasprzakら、Am. J. Cardiol.、1999年、83巻、211-217頁; Seniorら、Am. Heart J.、2000年、139巻、245-251頁; Spencerら、J. Am. Soc. Echo.、2000年、13巻、131-138頁参照)。しかしながら、柔組織もまた、第二高調波の後方散乱信号を発生する。更に、造影剤は、ドップラー技術の感度に対して余りにも遅い速度を示すことがある。微小気泡の後方散乱断面の増加の原因である共鳴現象とは異なり、部位標的ナノパーティクルエマルジョンからの反射増強を大きくする機構は、パーティクルが結合する表面における音響インピーダンスのミスマッチが原因であると報告されている(Lanzaら、1998年、上記)。それゆえ、部位標的音響造影剤、及びとりわけナノエマルジョン造影剤が造影剤として使用するにもかかわらず、より大きいコントラストを生成する手法を開発することにより、高感度の超音波分子イメージングシステムを実現できるかもしれない。
低速で超音波を伝送するペルフルオロカーボン液(複数)が知られている(Lagemannら、J. Am. Chem Soc.、1948年、70巻、2994-2996頁; Gupta、 Acustica、1979年、42巻、 273-277頁)。これらの物質を通る超音波の小さな速度は、温度上昇と共に直線的に超音波の速度が低下する温度依存性であることが示された(Narayanaら、Acoustics Letters、1986年、9巻、137-143頁)。この観察結果により音響レンズ(Id.)が開発可能であることが報告された。それにもかかわらず、ペルフルオロカーボン液内での超音波の速度の温度依存性の、超音波イメージングシステムへの適用可能性については、未だ提案されていない。
超音波エネルギーは、上述のような超音波イメージング法において部位標的造影剤へと適用された。この以前の仕事の多くは分子イメージングに注がれており、そのため低レベルの超音波エネルギーしか使用されず、標的とされた表面の温度変化が起こることについては報告されなかった。微小気泡超音波イメージングシステムでは、気体の微小気泡を形成するために液体前駆物質に十分なエネルギーが加えられた(Lohrmannら、米国特許第5,536,489号; Unger, 米国特許第5,542,935号)。提案された1つの手法によれば、相変化をin vivoで引き起こすためにエネルギーが加えられる。そのような手法では、温度変化は、気体状前駆体を気体状微小気泡へ変化させることに使用されるものであり、これら以前の研究はいずれも、液体状態を維持する超音波造影剤の温度を変化させること、又は超音波検出を向上するための基礎としての非気体性造影剤の温度の変化を利用することについては開示も示唆もしていない。
従って、コントラストを向上しかつ超音波分子イメージングシステムの感度を大きくする手法の開発に対する必要性が引き続き存在する。
それゆえ、本発明者らは、この課題解決のために、非気体状フルオロカーボン液を含みかつ標的(ターゲット)に結合するナノパーティクルの温度の変化が、該ターゲットの音響反射率に検出可能な変化を引き起こすということを首尾よく発見した。当該ターゲットに隣接するがナノパーティクルによって結合されない非標的領域は、音響反射率の変化をほとんど示さないか、検出可能なほどには示さない。その結果、部位標的ナノパーティクルの音響反射率の温度依存性の変化により、超音波反射(率)の感度の大きな測定、及びコントラストの大きなイメージング(画像化)が可能となる。
本発明の一実施形態では、超音波ターゲットの音響反射率の変化方法が提供される。この方法は、(1)当該超音波ターゲットに結合しかつ温度の変化に応じて音響反射率の変化を引き起こす非気体性音響画像化(造影)物質を該超音波ターゲットに投与すること、及び(2)前記超音波ターゲットと結合した前記非気体性音響画像化物質の音響反射率に測定可能な変化を引き起こすよう温度を変化させること、を特徴とする。非気体性音響画像化物質は、好ましくは、液体フルオロカーボンを含むナノパーティクルエマルジョンから構成される。非気体性音響画像化物質は、好ましくは、超音波ターゲットと結合するリガンドを含む。
本発明の他の一実施形態では、超音波ターゲットの増強された音響反射率の測定方法が提供される。この方法は、(1)当該超音波ターゲットに結合しかつ温度の変化に応じて音響反射率の変化を引き起こす非気体性音響画像化(造影)物質を該超音波ターゲットに投与すること、(2)前記超音波ターゲットと結合した前記非気体性音響画像化物質の音響反射率に測定可能な変化を引き起こすよう温度を変化させること、及び(3)前記結合した非気体性音響画像化物質の音響反射率の変化を検出すること、を特徴とする。音響反射率の変化の検出は、好ましくは、(a)前記結合非気体性音響画像化物質の温度を変化する前に反射率を測定すること、(b)前記結合非気体性音響画像化物質の温度を変化した後に反射率を測定すること、及び(c)前記結合非気体性音響造影物質の温度を変化する前の反射率に対する前記結合非気体性音響画像化物質の温度を変化した後の反射率の変化を決定すること、を含む。
本発明の他の一実施形態では、患者の組織の温度のモニター方法が提供される。該方法は、(1)前記組織に結合しかつ温度の変化に応じて音響反射率の変化を引き起こす非気体性音響画像化(造影)物質を該患者に投与すること、(2)前記組織に結合した前記非気体性音響画像化物質の音響反射率を検出すること、及び(3)前記組織に結合した前記非気体性音響画像化物質の温度を計算することを特徴とする。この方法では、好ましくは、温度の変化をモニターし、更に、この方法では、前記組織及び該組織に結合した前記非気体性音響画像化物質の温度を変化すること、を含む。音響反射率の検出は、前記組織に結合した前記非気体性音響画像化物質の音響反射率の変化の検出を含む。
本発明の一側面によれば、温度の変化は、結合した非気体性ナノパーティクルを活性化して該結合物質の温度を上昇しかつ該ターゲットの音響反射率を増強することによって惹起可能である。ナノパーティクルは、超音波、短波、マイクロ波、磁気照射、電磁エネルギー、又はこれらの組み合わせによって活性化可能である。
本発明の他の一側面によれば、前記ターゲットの音響反射率の測定可能な低下を引き起こすために、結合ナノパーティクルの温度を低下することができる。
本発明の方法は、ナノパーティクルに組み込まれる生理活性剤と一緒の投与と共に使用することができる。更に、例えば磁気共鳴映像法、電子スピン共鳴映像法、分光(スペクトロスコピック)映像法、陽電子放射断層撮影法、光学的映像法、X線映像法、核医学映像法、又はこれらの組み合わせのような他のイメージング技術の使用に好適な1又は2以上の画像化物質をナノパーティクルに組み込むことにより音響イメージングと共に他のイメージング技術を使用することも可能である。
本発明の他の一実施形態によれば、ターゲットと結合する温度感受性音響画像化(造影)物質を有し、ターゲットの温度変化を測定する測定装置が提供される。該装置は、前記温度感受性音響画像化物質の温度を変化するよう構成される要素、前記ターゲットに音響エネルギーを送達するよう構成される超音波源、その表面の音響反射率を測定するよう構成される超音波検出要素、及び温度変化がない場合の前記ターゲットの音響反射率に対する、温度変化の際の前記ターゲットの音響反射率を決定するコンパレータ(比較測定器)を含むことを特徴とする。1つの側面によれば、コンパレータは、前記ターゲットに結合した前記温度感受性音響画像化物質の温度変化の前後における該ターゲットの音響反射率の差を決定する。他の一側面によれば、コンパレータは、前記ターゲットに結合した前記温度感受性音響画像化物質の変化される温度が低下された後の該ターゲットの音響反射率に対する、該ターゲットに結合した該温度感受性音響画像化物質の温度変化の際の該ターゲットの音響反射率の差を決定する。温度変化要素は、前記ターゲットに結合した温度感受性音響画像化物質の温度を上昇するエネルギー源、又は前記ターゲットに結合した温度感受性音響画像化物質の温度を低下するエネルギーアブソーバーを含みうる。
上記の装置は、例えば、磁気共鳴映像法、電子スピン共鳴映像法、分光映像法、陽電子放射断層撮影法、光学的映像法、X線映像法、核医学映像法、又はこれらの組み合わせのような、少なくとも1つの他のイメージング(映像化)技術を実行する要素も含みうる。
以上より、本発明により達成される幾つかの利点の中でも、ターゲットの音響反射率を増強する方法の提供;音響的に反射性である周囲の組織から、標的組織を区別するための方法の提供;組織の温度の検出及びモニター(監視)するための方法の提供;温度変化を伴う治療上の措置中に実行するような、温度変化を検出するための方法の提供;及び上記各方法を実行するための装置の提供に注目すべきである。
本発明によれば、超音波ターゲットの音響反射率の検出は、該超音波ターゲットに結合しかつ温度の変化と共に音響反射率に測定可能な変化を引き起こす非気体性音響画像化(造影)物質の温度を変化することによって増強され得るということが発見された。
音響画像化物質は、好ましくは、先に記載された(米国特許第5,780,010号、同第5,958,371号、及び同第5,989,520号参照)ようなナノパーティクルエマルジョンである。本発明のナノパーティクルエマルジョンは、完全に分散される少なくとも2つの不混和性液体、好ましくは例えば油のような水中で分散される疎水性材料、から構成される。エマルジョンは、典型的には直径が0.1μmより大きい小滴又はナノパーティクルの形態をとる。エマルジョンナノパーティクルの安定性を高めるため、界面活性剤又は微細粉末(finely-divided solids)のような添加物をエマルジョンナノパーティクルに組み込むこともできる。
水中油型エマルジョンの油相は、エマルジョンの質量に関し、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは20〜40質量%である。油又は疎水成分は、温度の変化(即ち、プラス又はマイナス方向への変化)と共に変化する音響インピーダンスを示し、好ましくはフルオロケミカル液体である。これらのフルオロケミカルは、直鎖状、有枝鎖状、及び環状ペル(過)フルオロカーボン、直鎖状、有枝鎖状、及び環状ペルフルオロ第三アミン、直鎖状、有枝鎖状、及び環状ペルフルオロエーテル及びチオエーテル、クロロフルオロカーボン、及びペルフルオロエーテル重合体等を含む。50%まで水素が置換された化合物を使用することも可能であるが、ペルハロゲン(過ハロゲン)化合物が好ましい。最も好ましいのは、フッ素化(フッ素置換)化合物である。フルオロケミカル液体、即ち大気圧下、体温(例えば37℃)以上の温度で液体である物質、であればなんでも、本発明のフルオロケミカルエマルジョンを調製するために使用することができる。しかしながら、多くの目的に供するためには、安定性がより高められたエマルジョンフルオロケミカルが好ましい。そのようなエマルジョンを得るためには、50℃より大きい沸点を有するフルオロケミカル液体が好ましく、最も好ましくは凡そ80℃より大きい沸点を有するフルオロケミカル液体である。指針をなす決定的要因は、熱誘導及び画像化を意図した条件下において、例えばフルオロケミカル等の油が液相中に残存する(気体への転化は10%未満)ようにすることであろう。
本発明のナノパーティクルエマルジョンについて、本書において用語「非気体性」又は「液体」について言及する場合、ナノパーティクルの内部体積の10%未満が、ナノパーティクルの全体積に対し(即ち、v/vで)気相をなすことを意味するよう意図しているが、この値は、好ましくは凡そ8%(v/v)以下、より好ましくは5%(v/v)以下、最も好ましくは2%(v/v)以下である。ここで使用した用語「凡そ」は、表示した数値の前後の値(10%)の範囲を含むことを意図している。例えば、凡そ8%とは、7.2%〜8.8%の範囲の値を含むことを意図している。
本発明のナノパーティクルエマルジョンは、脂質でカプセル被膜化されていると好ましい。特別な実施形態では、脂質カプセル被膜化パーティクルは、ペルフルオロカーボンから構成されてもよいが、このエマルジョンパーティクルは、誘導体化された天然又は合成リン脂質、脂肪酸、コレステロール、脂質、スフィンゴミエリン、トコフェロール、糖脂質、ステリルアミン、カルジオリピン、エーテル又はエステル結合した脂肪酸を有する脂質、又は脂質重合体からなる外膜を有する。
フルオロカーボンエマルジョン、とりわけペルフルオロカーボンエマルジョンは、生物医学的分野への適用に好適であり、本発明のパーティクルでの使用にも好適である。ペルフルオロカーボンエマルジョンは、安定で、生物学的に不活性で、主として経肺胞蒸発(trans-pulmonic alveolae evaporation)によって容易に代謝されることが知られている。更に、その粒子サイズは小さいため、経肺通路(transpulmonic passage)に容易に適応し、かつその循環の半減期(4〜8時間)は、他の剤の循環半減期よりも大きいので有利である。また、ペルフルオロカーボンは、人工血液代用剤としての使用を含む、広範囲に亘る生物医学分野への適用にこれまで使用されてきた。本発明で使用するために、フルオロカーボンがフルオロカーボン−ハイドロカーボン、ペルフルオロアルキル化エーテル、ポリエーテル又はクラウンエーテルであるようなフルオロカーボンエマルジョンを含む複数のフルオロカーボンエマルジョンを使用してもよい。有用なペルフルオロカーボンエマルジョンは、米国特許第4,927,623号、同第5,077,036号、同第5,114,703号、同第5,171,755号、同第5,304,325号、同第5,350,571号、同第5,393,524号、及び同第5,403,575号に記載されており、ペルフルオロカーボン化合物が、ペルフルオロトリブチルアミン、ペルフルオロデカリン、ペルフルオロオクチルブロマイド、ペルフルオロジクロロオクタン、ペルフルオロデカン、ペルフルオロトリプロピルアミン、ペルフルオロトリメチルシクロヘキサン、又は他のペルフルオロカーボン化合物であるようなペルフルオロカーボンエマルジョンを含む。更に、そのようなペルフルオロカーボン化合物の混合物を、本発明の実施に使用されるエマルジョンに組み込んでもよい。
本発明に有用なペルフルオロカーボンエマルジョンの具体的な実施形態として、ペルフルオロジクロロオクタンエマルジョンを挙げることができるが、これは、その脂質の被膜が、約50〜約99.5モルパーセントのレシチン、好ましくは約55〜約70モルパーセントのレシチン、0〜50モルパーセントのコレステロール、好ましくは約25〜約45モルパーセントのコレステロール、及び約0.5〜約10モルパーセントのビオチン化ホスファチジルエタノールアミン、好ましくは約1〜約5モルパーセントのビオチン化ホスファチジルエタノールアミンを含む。ホスファチジルセリンのような他のリン脂質をビオチン化し、ステアリルアミンのような脂肪族アシル基をビオチンと複合化し、又はコレステロール若しくは他の脂溶性化合物をビオチン化して、脂質でカプセル被膜化されるパーティクルのための脂質の被膜に組み込んでもよい。本発明の実施に使用されるビオチン化ペルフルオロカーボンの例の調製については、以下において説明するが、これは既知の手順に従っている。
脂質カプセル被膜化パーティクルがエマルジョンではなくリポソームによって構成される場合、そのようなリポソームは、文献(例えば、Kimelbergら、CRC Crit. Rev. Toxicol.、1978年、6巻、25頁、; Yatvinら、Medical Physics、1982年、9巻、149頁参照)に一般的に記載されているような方法で調製することができる。リポソームは、当業者には既知であり、一般的に、レシチン及びステロール、卵ホスファチジルコリン、卵ホスファチジン酸、コレステロール及びα−トコフェロールを含む脂質材料から構成される。
例えば界面活性剤等のエマルジョン形成剤は、エマルジョンの形成を容易にしかつその安定性を向上するために使用することができる。フルオロケミカル液体のエマルジョンの形成を容易にするために、典型的には、水相界面活性剤が使用されてきた。界面活性剤は、親水性部分と疎水性部分を両方とも含む物質であればどんな物質でもよい。水又は溶媒に添加されると、界面活性剤は、表面張力を低減する。好ましい界面活性剤は、リン脂質とコレステロールである。
何れかの又は種々(複数)の脂質系界面活性剤を脂質単分子膜に組み込んでもよい。当該界面活性剤は、好ましくは天然又は合成のリン脂質であるが、脂肪酸、コレステロール、リゾリピド、スフィンゴミエリン、トコフェロール、糖脂質、ステアリルアミン、カルジオリピン、 プラスマロゲン、エーテル又はエステル結合した脂肪酸を有する脂質、脂質重合体、及び脂質と複合化したポリエチレングリコールでもあってもよい。他の既知の界面活性剤添加物、例えば、PLURONIC F−68、HAMPOSYL L30(W. R. Grace Co., Nashua, N.H.)、ドデシル硫酸ナトリウム、Aerosol 413(American Cyanamid Co., Wayne, N.J.)、Aerosol 200(American Cyanamid Co.)、LIPOPROTEOL LCO(Rhodia Inc., Mammoth, N.J.)、STANDAPOL SH 135(Henkel Corp., Teaneck, N.J.)、FIZUL 10−127(Finetex Inc., Elmwood Park, N.J.)、及びCYCLOPOL SBFA 30(Cyclo Chemicals Corp., Miami, Fla.);以下の商標名で販売されているような両性界面活性剤:Deriphat(商標) 170(Henkel Corp.)、LONZAINE JS(Lonza, Inc.)、NIRNOL C2N−SF(Miranol Chemical Co., Inc., Dayton, N.J.)、AMPHOTERGE W2(Lonza, Inc.)、及びAMPHOTERGE 2WAS(Lonza, Inc.);以下の商標名で販売されているような非イオン界面活性剤:PLURONIC F−68(BASF Wyandotte, Wyandotte, Mich.)、PLURONIC F−127(BASF Wyandotte)、BRIJ 35(ICI Americas; Wilmington, Del.)、TRITON X−100(Rohm and Haas Co., Philadelphia, Pa.)、BRIJ 52(ICI Americas)、SPAN 20(ICI Americas)、GENEROL 122 ES(Henkel Corp.)、TRITON N−42(Rohm and Haas Co.,)、Triton(商標) N−101(Rohm and Haas Co.,)、TRITON X−405(Rohm and tlaas Co.,)、TWEEN 80(ICI Americas)、TWEEN 85(ICI Americas)、及びBRIJ 56(ICI Americas)等を、エマルジョンの安定化向上を促進するために、0.10〜5.0質量%の濃度で、単独又は組み合わせて使用してもよい。
乳化されるべきフルオロケミカル液体に可溶なフルオロ化界面活性剤も使用することができる。好適なフルオロケミカル界面活性剤は、ペルフルオロヘキサン酸及びペルフルオロオクタン酸のようなフルオロ化アルカン酸、及びアミドアミン誘導体を含む。これら界面活性剤は、一般的に、0.01〜5.0質量%の濃度、好ましくは0.1〜1.0質量%の濃度で使用される。他の好適なフルオロケミカル界面活性剤は、ペルフルオロ化アルコールリン酸エステル及びそれらの塩、ペルフルオロ化スルホンアミドアルコールリン酸エステル及びそれらの塩、ペルフルオロ化アルキルスルホンアミドアルキレン第4アンモニウム塩、N,N−(カルボキシル置換低級アルキル)ペルフルオロ化アルキルスルホンアミド、及びそれらの混合物を含む。ここで用いた用語「ペルフルオロ化」は、界面活性剤が少なくとも1つのペルフルオロ化されたアルキル基を含むということを意味するものとする。
好適なペルフルオロ化アルコールリン酸エステルは、モノ−及びビス(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロアルキル)リン酸塩(エステル)のジエタノールアミン塩の遊離酸を含む。このようなリン酸塩は、商標名ZONYL RP(E. I. Dupont de Nemours and Co., Wilmington, Del.)のものが入手可能であるが、既知の方法によって分解されて対応する遊離酸を生成する。好適なペルフルオロ化スルホンアミドアルコールリン酸エステルは、米国特許第3,094,547号に記載されている。好適なペルフルオロ化スルホンアミドアルコールリン酸エステル及びそれらの塩は、ペルフルオロ−n−オクチル−N−エチルスルホンアミドエチルリン酸エステル、ビス(ペルフルオロ−n−オクチル−N−エチルスルホンアミドエチル)リン酸エステル;ビス(ペルフルオロ−n−オクチル−N−エチルスルホンアミドエチル)リン酸、ビス(ペルフルオロデシル−N−エチルスルホンアミドエチル)リン酸、及びビス(ペルフルオロヘキシル−N−エチルスルホンアミドエチル)リン酸のアンモニウム塩を含む。好ましい処方物は、ホスファチジルコリン、誘導ホスファチジルエタノールアミン、及びコレステロールを水性界面活性剤として使用する。
脂質カプセル被膜化エマルジョンには、核酸材料がパーティクル表面に付着するのを容易にするカチオン性脂質を界面活性剤(含有)層に処方してもよい。カチオン性脂質は、1,2−ジアシル−3−トリメチルアンモニウムプロパン(TAP),1,2−ジアシル−3−ジメチルアンモニウムプロパン(DAP),DC−コレステロール(DC−Chol),ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロマイド(DDAB),1,2−ジアシル−sn−グリセロ−3−エチルホスホコリン DOTMA,N−[1−(2,3−ジオレオイロキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド;DOTAP,1,2−ジオレオイロキシ−3−(トリメチルアンモニウム)プロパン;及びDOTB,1,2−ジオレオイル−3−(4’−トリメチル−アンモニウム)ブタノイル−sn−グリセロールを含むがこれらに限定されない。一般に、脂質界面活性剤単分子膜中におけるカチオン性脂質と非カチオン性脂質のモル比は、例えば、1:1000〜2:1であり、好ましくは2:1〜1:10、より好ましくは1:1〜1:2.5、最も好ましくは1:1である(カチオン性脂質のモル数と非カチオン性脂質、例えばDPPC、のモル数の比)。さまざまな脂質が、エマルジョン界面活性剤の非カチオン性脂質成分を構成することができる。上述の化合物に加え、とりわけジパルミトイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジル−エタノールアミン又はジオレオイルホスファチジルエタノールアミンがこれに該当する。上述したカチオン性脂質の代わりに、ポリリジン又はポリアルギニンのようなカチオン性ポリマーを有する脂質も脂質界面活性剤に含まれうるが、これらは、例えば遺伝子材料又はそのアナログのような負に帯電した薬剤をエマルジョンパーティクルの外側に結合させてもよい。
本発明の音響造影(画像化)物質は、少なくとも1つのペルフルオロカーボンから構成されることが好ましいが、ターゲットに結合すると温度依存性の反射率を示す。ペルフルオロカーボンは、温度の上昇に従って超音波の速度を直線的に減少させるということ、及び10℃〜50℃の温度範囲に亘って密度が減少するということが報告されている(Narayanaら、1986年、上記)。それゆえ、ナノパーティクルエマルジョンの温度依存性又は例えば好ましいペルフルオロカーボン成分のようなナノパーティクルエマルジョンの構成成分の温度依存性は、エマルジョン又はその構成成分の超音波の速度を決定することによって測定することができる。これについては以下の実施例においてより完全に説明している。この測定は、所与のペルフルオロカーボン成分に関する反射率の変化の大きさの予測に利用することができると考えられている。
超音波ターゲットは、in vivo又はin vitroのターゲットであってもよく、好ましくは生物学的材料であるが、該ターゲットは生物学的材料である必要はない。ターゲットは、音響造影物質が結合する表面、又は音響造影物質が侵入しかつターゲットの表面下の部分に結合する三次元構造体から構成されてもよい。
音響造影物質を超音波ターゲットに固定するために、音響造影物質にリガンドを組み込むことが好ましい。リガンドは、能動的ターゲティングを可能にするために、目的のターゲットに特異的に構成されてもよい。ここに、能動的ターゲティングとは、局在化による細胞、組織又は器官への剤のリガンド指向的部位特異的蓄積、及び細胞の表面膜又は細胞外若しくは細胞内マトリクスに現出した分子エピトープ、即ちレセプタ、脂質、ペプチド、細胞接着分子、多糖、生体高分子等への結合をいう。抗体、抗体のフラグメント、小さなオリゴペプチドのようなポリペプチド、立体構造を有する大きなポリペプチド又はタンパク質、ペプチド様物質、多糖、アプタマー、脂質、核酸、レクチン、又はこれらの組み合わせを含む様々なリガンドを使用することができる。リガンドは、細胞のエピトープ又はレセプタに特異的に結合する。
ここに、用語「リガンド」は、エマルジョンパーティクル自体とは異なる生物学的ターゲットの他の分子に特異的に結合する小さなターゲティング分子をいうものとする。反応には、錯体の金属原子と配位共有結合を形成するため電子対を供与又は受容する分子を必要とはしないが排除もしない。従って、リガンドは、直接的結合に対しては共有結合的に又は間接的結合に対しては非共有結合的に、音響パーティクル表面(エマルジョン)の表面に付着することができる。
アビジン−ビオチン相互作用は、既に多くの生物学的及び分析システムに取り入れられかつin vivoへの適用に選択されている極めて有用な非共有結合的ターゲティングシステムである。アビジンは、ビオチンに対し生理的条件下で迅速かつ安定な結合を可能にする高い親和性(10−15M)を有する。この手法を利用するターゲティングシステムは、処方物に応じて、2ステップ又は3ステップで実行される。典型的には、まず、モノクローナル抗体のようなビオチン化リガンドを投与して特異的分子エピトープを「プレターゲット」する。次に、アビジンを投与して「プレターゲット」したリガンドのビオチン部分に結合させる。最後に、ビオチン化剤を添加して、アビジンに残存している空のビオチン結合部位に結合させることによって、リガンド−アビジン−エマルジョンの「サンドイッチ」を形成する。アビジン−ビオチン法は、表面抗体の存在を介する細網内皮系によるターゲット剤の加速された早期の除去(クリアランス)を回避することができる。更に、アビジンは、独立した4つのビオチン結合部位を有するが、信号の増幅を提供し、検出の感度を改善する。
ここに、用語「ビオチン剤」又はビオチン剤へとの結合に関する「ビオチン化」は、ビオチン、ビオサイチン、及び例えばビオチンアミドカプロン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、ビオチン4−アミドベンゼン酸、ビオチンアミドカプロイルヒドラジド及び他のビオチン誘導体及び複合体のような他のビオチン誘導体及びアナログを含むのもとする。そのほか誘導体としては、ビオチン−デキストラン、ビオチン−ジスルフィド−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、ビオチン−6アミドキノリン、ビオチンヒドラジド、d−ビオチン−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、ビオチンマレイミド、d−ビオチンp−ニトロフェニルエステル、ビオチン化ヌクレオチド、及びN,ε−ビオチニル−l−リジンのようなビオチン化アミノ酸も含む。用語「アビジン剤」又はアビジン剤との結合に関する「アビジン化」は、アビジン、ストレプトアビジン、ストレプトアビジン又はアビジン複合体のようなアビジンアナログ、アビジン又はストレプトアビジンの高精製分画種、及び非アミノ酸又は部分アミノ酸変異体、組換え又は化学合成アビジンを含むものとする。
ターゲティングリガンドを、パーティクル表面の性質に応じ種々の方法により音響パーティクルの表面に化学的に付着させてもよい。結合は、使用するリガンドに応じてエマルジョンパーティクルが生成される前又は後に実行してもよい。リガンドのタンパク質剤への直接的化学結合では、その表面に本来的に存在する多数のアミノ基(例えばリジン)をよく利用する。或いは、ピリジルジチオプロピオネート、マレイミド又はアルデヒドのような機能的化学活性基を、パーティクルを生成した後、リガンドの結合のための化学的「フック」としてその表面に組み込むことも可能である。他の一般的な後処理法では、リガンドを付加する前に、カルボジイミドによって、表面カルボン酸塩を活性化する。選択される共有結合的連結ストラテジは、主として、リガンドの化学的性質によって決定される。モノクローナル抗体及び他の大きなタンパク質は、厳しい処理条件下では変性する場合もある;他方、炭水化物、短ペプチド、アプタマー、薬剤又はペプチド様物質の生理活性は、多くの場合保存可能である。高レベルのリガンド結合の完全性を確実にしかつターゲットパーティクルの結合活性を最大化するために、例えばポリエチレングリコール又は単純なカプロン酸エステルブリッジのようなフレキシブルなポリマースペーサアームを、活性化された表面機能性基とターゲティングリガンドの間に挿入することができる。このような付加部分は、10nm以上とすることができ、パーティクル表面の相互作用によるリガンド結合の妨害を最小にすることができる。
モノクローナル抗体を、病態的分子エピトープを含む広範囲の分子エピトープの何れにも(何れかに)向けられる部位ターゲティングリガンドとして使用してもよい。既に、免疫グロブリン−γ(IgG)クラスモノクローナル抗体を、リポソーム、エマルジョン及び他の微小気泡パーティクルに結合させて、能動的(アクティブ)部位特異的ターゲティングを提供している。これらのタンパク質は、H鎖及びL鎖の同一の対からなる対称的な糖タンパク質(分子量約150,000ダルトン)である。2つのアームの各々の端部の高頻度可変領域は、同一の抗原結合ドメインを提供する。可変長分枝炭水化物ドメインは、補体活性化領域に結合し、ヒンジ領域は、還元されてより小さいフラグメントを生成できるとりわけ接近容易な鎖間ジスルフィド結合を有する。
二価のF(ab’)及び一価のF(ab)フラグメントは、リガンドとして使用することができ、これらは、それぞれ、ペプシン又はパパイン消化による抗体全体の選択的開裂に由来する。Fc領域の除去により、分子の免疫原性は大きく減少し、結合糖鎖を介する非特異的肝臓取り込みは大きく減少し、かつ補体活性化及び結果としての抗体依存性細胞毒性は大きく低下する。補体固定及び関連する細胞性細胞毒性は、ターゲット部位を保存しなければならない場合は有害でありえ、又はホストキラー細胞の補充とターゲット細胞の破壊が所望の場合(例えば坑腫瘍剤)は有利でありうる。
モノクローナル抗体は、大抵、マウスに由来しており、程度はそれぞれ異なるが他の種に対して本来的に免疫原性である。遺伝子工学技術によるマウス抗体のヒト化により、生体適合性が改善されかつ循環半減期が長いキメラリガンドが開発された。ターゲット分子エピトープに対する組換え抗体の結合親和性は、結合イディオタイプの選択的部位特異的突然変異誘発によって改善できることがある。
抗体産生動物を使用することなく広範囲の異なる抗原に対する組換えヒトモノクローナル抗体フラグメントを生成するために、ファージディスプレイ技術を使用してもよい。一般に、クローニングにより、ヒトBリンパ球の全メッセンジャーRNA(mRNA)から酵素「逆転写酵素」によって演繹・合成される相補DNA(cDNA)鎖の大きな遺伝子ライブラリが作られる。免疫グロブリンcDNA鎖は、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)によって増幅され、所与の抗原に特異的なL鎖及びH鎖が、ファージミドベクターに組み込まれる。このファージミドベクターを適切なバクテリアに感染させることにより、scFv免疫グロブリン分子がバクテリオファージの表面に発現する。目的の抗原(例えば、タンパク質、ペプチド、核酸、及び糖)に対し免疫吸着/ファージ増殖サイクルを繰り返すことにより、特定の免疫グロブリンを発現するバクテリオファージが選択される。ターゲット抗原に厳格に特異的なバクテリオファージを適切なベクター(例えば、大腸菌、酵母、細胞)に導入し、発酵によって増殖して、天然の抗体に極めて類似する構造を有するヒト抗体フラグメントを大量に産生する。ファージディスプレイ技術により、ターゲティングと治療学的応用のための特有のリガンドの生産が可能となった。
ポリペプチドは、抗体のように、標的化された造影剤のためのベクター分子として使用するため大きな特異性とエピトープ親和性を有していてもよい。これらは、(例えば血小板GIIbIIIaレセプターのRGDエピトープのような)特有のレセプタ配列に対し特異的な、例えば5〜10個のアミノ酸残基を有する小さいオリゴペプチドであってもよく、又はコレシストキニンのような、より大きい生理活性ホルモンであってもよい。より小さいペプチドは、ヒト化されていないマウス抗体よりも固有の免疫原性は小さいかもしれない。細胞接着分子、サイトカイン、セレクチン、カドヘドリン、Igスーパーファミリー、インテグリン等のペプチド又はペプチド(非ペプチド)アナログをターゲット治療剤送達のために使用してもよい。
肝細胞に局在するアシアロ糖タンパク質レセプターに対する親和性は大きいため、肝特異的に適用するためにアシアロ糖タンパク質が使用された。第一期及び第二期の肝腫瘍及び肝炎のような良性のび漫性肝臓疾患を検出するために、アシアロ糖タンパク質指向剤(主として酸化鉄と結合した磁気共鳴剤)が使用された。アシアロ糖タンパク質レセプターは、肝細胞に極めて大量に存在し(細胞当り約500,000)、急速に内部移行し、引き続き細胞表面に現れ再利用される。剤を肝ターゲットに局在化させるために、アラビノガラクタンのような多糖を使用してもよい。アラビノガラクタンは、アシアロ糖タンパク質肝レセプターに対する高親和性を呈する多末端アラビノース基を有する。
アプタマーは、高親和性、高特異性RNA又はDNAベースリガンドであり、in vitroでの選択実験(SELEX: systematic evolution of ligands by exponential enrichment)によって生産される。アプタマーは、20〜30ヌクレオチドのランダム配列から作成され、分子抗原又は細胞への吸収(吸着)によって選択的にスクリーニングされ、特異的高親和性結合リガンドを生成するために濃縮される。In vivoでの安定性及び有用性を向上するために、アプタマーは、一般的に、ヌクレアーゼ消化を抑制しかつ薬物、ラベル又はパーティクルとの結合が可能となるよう化学的に修飾される。他のより単純な化学的ブリッジが、リガンド相互作用に非特異的に関与する核酸の代わりに使用されることもよくある。溶液中では、アプタマーは、立体構造が解除されているが、特異的認識を供するターゲットエピトープに絡んだり包んだりすることはできる。エピトープの周囲の核酸の特有の折り畳みにより、水素結合、静電相互作用、スタッキング、及び形状相補性を介して、差別的分子内接触が可能となる。タンパク質ベースのリガンドと比較すると、アプタマーは、安定で、熱殺菌に対しより伝導性が大きく、免疫原性は小さい。現在、アプタマーは、血管新生、活性化血小板、及び固体腫瘍を含む多数の臨床関連病態をターゲットするために使用されており、その使用は益々増えている。治療エマルジョンパーティクルのためのターゲティングリガンドとしてのアプタマーの臨床上の有効性は、核酸のリン酸基により減ぜられる負の表面電荷のクリアランス速度への影響に依存させてもよい。脂質ベースのパーティクルに関する以前の研究は、負のゼータ電位により、リポソームの循環半減期は著しく低下し、他方中性又は正のパーティクルは同様のより長い全身残存性を有するということを示唆している。
あるin vitroでの適用に関しMillbrathら(米国特許第5,401,634号)に記載されているような、特異的結合種をフルオロケミカル小滴に結合するための「プライマー材料」と称されているものを使用することも可能である。ここに、「プライマー材料」は、パーティクルと、ターゲティングリガンド又はターゲティングリガンドのサブユニットのようなターゲティングリガンドの成分との間で共有結合を形成するために化学的に利用可能なエマルジョン脂質界面活性剤層に組み込まれる何らかの成分又は誘導成分をいうものとする。
従って、特異的結合種(例えばターゲティングリガンド)を、油/水界面に直接吸着し又はプライマー材料を使用することによりカプセル被覆を行なう脂質単分子膜に固定してもよい。プライマー材料は、特異的結合又はターゲティング種と化学的に結合又は吸着するためにパーティクルに組み込まれる界面活性剤適合性化合物であれば任意のものでよい。水性連続相と、連続及び不連続相の界面でプライマー材料と吸着又は結合する生理活性リガンドとによって、エマルジョンを形成すると好ましい結果が得られる。カップリング剤及び高帯電ポリマーと特異的に反応することができるアミン、カルボキシル、メルカプト又はその他の機能性基を有する自然発生又は合成ポリマーをカップリングプロセスで使用してもよい。特異的結合種(例えば抗体)を、直接的吸着又は化学的結合によって、フルオロケミカルエマルジョンパーティクルの表面に固定してもよい。直接的吸着によって固定可能な特異的結合種の例として、小ペプチド、ペプチド様物質、又は多糖ベースの剤を挙げることができる。そのようなエマルジョンを形成するために、エマルジョンを形成する前に特異的結合種を水相に懸濁又は溶解してもよい。また、エマルジョンを形成した後特異的結合種を添加して、pH7.0のバッファ(典型的にはリン酸緩衝食塩水)中、室温(25℃)で1.2〜18時間穏やかに振盪することによりインキュベートしてもよい。
特異的結合種をプライマー材料に結合すべき場合、従来のカップリング技術を利用してもよい。特異的結合種を、当業者に既知の方法により、カップリング剤を用いて、プライマー材料と共有結合的に結合してもよい。プライマー材料は、ホスファチジルエタノールアミン(PE), N−カプロイルアミン−PE, n−ドデカニルアミン, ホスファチジルチオエタノール,N−1,2−ジアシル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[4−(p−マレイミドフェニル)ブチルアミド], 1,2−ジアシル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[4−(p−マレイミドメチル)シクロヘキサン−カルボキシラート], 1,2−ジアシル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート], 1,2−ジアシル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N[PDP (ポリエチレングリコール) 2000], N−スクシニル−PE, N−グルタリル−PE, N−ドデカニル−PE, N−ビオチニル−PE, 又は N−カプロイル−PEを含んでもよい。付加的なカップリング剤は、1−エチル−3−(3−N,Nジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロライド又は 1−シクロヘキシル−3−(2−モルフォリノエチル)カルボジイミドメチル−p−トルエンスルホネートのようなカルボジイミドを使用する。他の好適なカップリング剤には、アクロレイン、メタクロレインのようなエチレン系不飽和化合物か2−ブテナールの何れかを有するか、又はグルタルアルデヒド、プロパンジアール又はブタンジアールのような複数のアルデヒド基を有するアルデヒドカップリング剤が含まれる。カップリング剤には、ほかにも、2−イミノチオランヒドロクロライド, ジスクシンイミジルサブストレート, ジスクシンイミジルタートラート, ビス[2−(スクシンイミドオキシカルボニロキシ)エチル]スルホン, ジスクシンイミジルプロピオナート, エチレングリコールビス(スクシンイミジルサクシネート)のような二機能性N−ヒドロキシスクシンイミドエステル; N−(5−アジド−2−ニトロベンゾイロキシ)スクシンイミド, p−アジドフェニルブロマイド, p−アジドフェニルグリオキサル, 4−フルオロ−3−ニトロフェニルアジド, N−ヒドロキシスクシンイミジル−4−アジドベンゾアート, m−マレイミドベンゾイル N−ヒドロキシスクシンイミドエステル, メチル−4−アジドフェニルグリオキサル, 4−フルオロ−3−ニトロフェニルアジド, N−ヒドロキシスクシンイミジル−4−アジドベンゾアートヒドロクロライド, p−ニトロフェニル2−ジアゾ−3,3,3−トリフルオロプロピオネート, N−スクシンイミジル−6−(4'−アジド−2'−ニトロフェニルアミノ)ヘキサノアート, スクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシラート, スクシンイミジル4−(p−マレイミドフェニル)ブチラート, N−スクシンイミジル(4−アジドフェニルジチオ)プロピオナート, N−スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオナート, N−(4−アジドフェニルチオ)フタルアミドのようなヘテロ二機能性試薬; 1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン, 4,4'−ジフルオロ−3,3'−ジニトロジフェニルスルホン, 4,4'−ジイソチオシアノ−2,2'−ジスルホン酸スチルベン, p−フェニレンジイソチオシアネート, カルボニルビス(L−メチオニンp−ニトロフェニルエステル), 4,4'−ジチオビスフェニルアジド, エリトリトールビスカーボネートのようなホモ二機能性試薬、及びジメチルアジピミデートヒドロクロライド, ジメチルスベリミデート, ジメチル3,3'−ジチオビスプロピオンイミデートヒドロクロライドのような二機能性イミドエステル等が含まれる。特異的結合種とプライマー材料との共有結合は、上述の試薬を使用し、例えば中性のpH、25℃未満の温度の水溶液中で1時間からオーバーナイトで行なう、伝統的な既知の反応によって形成することができる。
本発明のエマルジョンは、種々の方法によって調製することができる。その一例として、フルオロケミカル液と、適切なプライマー材料及び/又は特異的結合種を含む水溶液との混合物を超音波処理する方法がある。一般に、これらの混合物は、界面活性剤を含む。乳化された混合物を冷却し、界面活性剤の濃度を最小化し、生理食塩水バッファで緩衝することにより、典型的には、特異的結合能の保持も、プライマー材料のカップリング能も最大化される。これらの方法により、吸収(吸着)されたプライマー材料又は特異的結合種の単位当りの活性が大きい良好なエマルジョンが得られる。
高濃度のプライマー材料又は特異的結合種が脂質エマルジョンに被膜形成したら、混合物を超音波処理中加熱し、該混合物が、比較的低いイオン強度と中程度から低いpHを持つようにする。イオン強度が低く過ぎたり、pHが低く過ぎたり又は加熱し過ぎたりすると、相当分解したり、特異的結合種の有用な結合能や「プライマー材料」のカップリング能の全てが喪失したりすることもある。乳化の条件を注意深く制御・変化することにより、プライマー材料又は特異的結合種の特性を最適化しつつ、高濃度の被膜を形成することができる。
米国特許第4,310,505号に記載されているようにin vivoでのターゲティングのために炭水化物含有脂質を使用してもよい。この文献の記載内容は全て引照を持ってここに記載されているものとする。
エマルジョンを生成する他の一例として、水溶液、プライマー材料又は特異的結合種、フルオロカーボン液及び(もしあれば)界面活性剤を含む混合物の高圧流体をコントロールし、それらを互いに衝突させ、パーティクルのサイズ及び分布が制限されたエマルジョンを生成する方法がある。好ましいエマルジョンを作るために、微小流体化装置 (Microfluidics, Newton, Mass.) を使用することができる。この装置は、超音波処理又は他の伝統的な方法によってエマルジョンを後処理するためにも有用である。エマルジョン小滴の流動体を微小流体化装置に供給することにより、サイズが小さく、限定的なパーティクルサイズ分布を有する処方物が得られる。
乳化剤及び/又は可溶化剤をエマルジョンと共に使用してもよい。そのような剤には、アラビアゴム, コレステロール, ジエタノールアミン, グリセリルモノステアレート, ラノリンアルコール, レシチン, モノ−及びジグリセリド, モノエタノールアミン, オレイン酸, オレイルアルコール, ポリオキサマー(poloxamer), ピーナッツオイル, パルミチン酸, ポリオキシエチレン50ステアレート, ポリオキシル35ひまし油, ポリオキシル10オレイルエーテル, ポリオキシル20セトステアリルエーテル, ポリオキシル40ステアレート, ポリソルベート20, ポリソルベート40, ポリソルベート60, ポリソルベート80, プロピレングリコールジアセテート, プロピレングリコールモノステアレート, ラウリル硫酸ナトリウム, ステアリン酸ナトリウム, ソルビタンモノラウレート, ソルビタンモノオレアート, ソルビタンモノパルミテート, ソルビタンモノステアレート, ステアリン酸, トロラミン(trolamine)、及び乳化ろうが含まれるがこれらに限定されない。植物又は動物由来の脂質に見出される飽和又は不飽和炭化水素脂肪酸の代わりに脂質の成分としてフルオロ脂肪酸を有する脂質であればどれでも使用することができる。エマルジョンと共に使用可能な懸濁剤及び/又は増粘剤には、アラビアゴム, 寒天, アルギン酸, モノステアリン酸アルミニウム, ベントナイト, マグマ, カルボマー934P, カルボキシメチルセルロース, カルシウム及びナトリウム及びナトリウム12, カラゲーニン, セルロース, デキストリン, ゼラチン, グアールガム, ヒドロキシエチルセルロース, ヒドロキシプロピルメチルセルロース, 珪酸マグネシウムアルミニウム, メチルセルロース, ペクチン, ポリエチレンオキサイド, ポリビニルアルコール, ポビドン, プロピレングリコールアルギナート, 二酸化珪素, アルギン酸ナトリウム, トラガカントゴム、及びキサンガムが含まれるがこれらに限定されない。
有用なエマルジョンは、例えば直径約0.01μm〜10μm、好ましくは約0.1〜約0.5μmの範囲の、広い範囲の公称パーティクル径を有しうる。乳化方法及び化学成分を変えることにより、エマルジョンパーティクルの大きさを制御・変化することができる。パーティクルの大きさは小さいものが有利であるが、それは、小さいパーティクルはより長時間循環し、かつより大きいパーティクルよりも安定性が大きい傾向があるからである。
標的化治療エマルジョンは、生理活性剤(例えば、薬物、プロドラッグ、遺伝子材料、放射性同位元素、又はそれらの組み合わせ)をその未変化(ネイティブ)型に組み込んだり、リガンド標的化パーティクルへの組み込み又は吸着を向上するための疎水性又は荷電成分によって修飾してもよい。生理活性剤は、プロドラッグであってもよい。プロドラッグには、Sinkylaら、J. Pharm. Sci.、1975年、64巻、181-210頁、1997年5月6日に出願された米国特許出願第08/851,780号、及び1997年7月2日に出願された米国特許出願第08/887,215号に記載されたものも含まれる。これらの文献の記載内容はすべて引照を以って繰り込みここに記載されているものとみなす。
そのような治療剤には、白金化合物 (例えば スピロプラチン, シスプラチン, 及びカルボプラチン), メトトレキセート, フルオロウラシル, アドリアマイシン, マイトマイシン, アンサミトシン, ブレオマイシン, シトシンアラビノシド, アラビノシルアデニン, メルカプトポリリジン, ビンクリスチン, ブスルファン, クロラムブチル, メルファラン (例えば PAM, L−PAM又はフェニルアラニンマスタード), メルカプトプリン, ミトタン, プロカルバジンヒドロクロライドダクチノマイシン (アクチノマイシンD), ダウノルビシンヒドロクロライド, ドキソルビシンヒドロクロライド, タキソール, プリカマイシン (ミトラマイシン), アミノグルテチミド, エストラムスチンリン酸ナトリウム, フルタマイド(flutamide), 酢酸ロイプロライド(leuprolide), 酢酸メゲストロール, クエン酸タモキシフェン, テストラクトン, トリロスタン, アムサクリン (m−AMSA), アスパラギナーゼ (L−アスパラギナーゼ) エルビナ(Erwina)アスパラギナーゼ, インターフェロン α−2a, インターフェロン α−2b, テニポサイド(teniposide) (VM−26), 硫酸ビンブラスチン (VLB), 硫酸ビンクリスチン, ブレオマイシン, 硫酸ブレオマイシン, メトトレキセート, アドリアマイシン, アラビノシル(arabinosyl), ヒドロキシ尿素, プロカルバジン, ダカーバジン, エトポシド及び他のビンカアルカロイドのような有糸分裂阻害剤を含む抗悪性腫瘍薬; 放射性ヨウ素, サマリウム, ストロンチウムコバルト, イットリウム等(但しこれらに限定されない)のような放射性医薬品; 成長ホルモン, ソマトスタチン, プロラクチン, 甲状腺, ステロイド, アンドロゲン, プロゲスチン, エストロゲン及び抗エストロゲンのような(但しこれらに限定されない)ホルモンを含むタンパク質及び非タンパク質性自然生産物又はそれらのアナログ/ミメティクス; オーラノフィン, メトトレキサート, アザチオプリン, サルファザラジン(sulfazalazine), レフルノマイド(leflunomide), ハイドロクロロキン, 及び エタネルセプト(etanercept)のような抗リウマチ薬を含むがこれらに限定されない鎮痛薬; バクロフェン, ダントロレン, カリソプロドール, ジアゼパム, メタキサロン(metaxalone), シクロベンザプリン, クロルゾキサゾン, チザニジンのような筋弛緩剤; コデイン, フェンタニール, ヒドロモルホン, レアボルファノール(lleavorphanol), メペリジン, メタドン, モルフィン, オキシコドン, オキシモルホン, プロポキシフェンのような麻薬性作用物質; ブプレノルフィン, ブトルファノール, デゾシン(dezocine), ナルブフィン(nalbuphine), ペンタゾシンのような麻薬性作用物質−拮抗物質; ASA, アセトミノフェン(acetominophen), トラマドール又はそれらの組み合わせを含むナルメフェン(nalmefene)及び ナロキソンその他の鎮痛薬のような麻薬性拮抗物質; セレコキシブ(celecoxib), ジクロフェナク, ジフルニサル, エトドラク(etodolac), フェノプロフェン, フルルビプロフェン, イブプロフェン, インドメタシン, ケトプロフェン, ケトロラク(ketorolac), ナプロキセン, オキサプロキセン(oxaproxen), ロフェコキシブ(rofecoxib), サリサレート(salisalate), スルジンダク(suldindac), トルメチンを含むがこれらに限定されない非ステロイド系抗炎症剤; エトミデート, フェンタニル, ケタミン, メトヘキシタル, プロポフォル(propofol), スフェンタニル, チオペンタール等のような麻酔剤及び鎮痛剤; パンクロニウム, アトラクリウム, キサトラクリウム(cisatracurium), ロクロニウム(rocuronium), スクシニルコリン, ベルクロニウム(vercuronium)のような(但しこれらに限定されない)神経筋遮断剤; アンホテリシンB, クロトリマゾール, フルコナゾール, フルシトシン, グリセオフルビン, イトラコナゾール, ケトコナゾール, ニスタチン及びテルビナフィンを含む抗真菌剤、アミノグリコシドを含む抗菌剤; 駆虫剤; クロロキン, ドキシサイクリン, メフロキン(mefloquine), プリマキン, キニーネのような抗マラリア剤; ダプソン, エタンブトール, エチオナミド, イソニアジド, ピラチナミド, リファブチン(rifabutin), リファンピン, リファペンチン(rifapentine)を含む抗放線菌剤; アルベンダゾール, アトバコン(atovaquone), イオドキノール(iodoquinol), イベルメクチン,メベンダゾル, メトロニダゾール, ペンタミジン, プラジカンテル, ピランテル, ピリメタミン, チアベンダゾールを含む抗寄生虫剤; アバカビル(abacavir), ジダノシン, ラミブジン, スタブジン(stavudine), ザルシタビン, 及びジドブジン 並びにインジナビル及び関連化合物のようなプロテアーゼ阻害剤, シドフォビル(cidofovir), フォスカーネット及びガンシクロビルを含むがこれらに限定されない抗−CMV剤を含む抗ウイルス剤; アマタジン(amatadine), リマンタジン(rimantadine), ザナミビル(zanamivir)を含む抗ヘルペス剤; インターフェロン, リバビリン, レベトロン(rebetron); カルバペネン(carbapenems), セファロスポリン, フルオロキノン(fluoroquinones), マクロライド, ペニシリン, スルホンアミド, テトラサイクリン, 並びに、アズトレオナム, クロラムフェニエオール(chloramphenieol), ホスホマイシン, フラゾリドン, ナリジクス酸, ニトロフラントイン, バンコマイシン等を含むその他の抗生物質; 硝酸塩, 利尿剤, ベータ遮断薬, カルシウムチャンネル遮断薬, アンギオテンシン転換酵素抑制薬, アンギオテンシンレセプタ拮抗剤, 抗アドレナリン剤, 抗律動不整剤, 抗高脂血症剤, 血小板凝集阻害化合物, 昇圧剤, 血栓溶解剤, 座瘡調製剤, 乾癬剤を含む抗高血圧剤; コルチコステロイド; アンドロゲン, アナボリックステロイド, ビスホスホン酸塩; スルホノ尿素(sulfonoureas)及びその他の抗糖尿病剤; 通風関連薬; 抗ヒスタミン剤, 鎮咳剤, 鬱血除去剤及び去痰剤; 制酸剤, 5−HTレセプタ拮抗剤, H2拮抗剤, ビスマス化合物, プロトンポンプ阻害剤, 下剤, オクトレオチド及びそのアナログ/ミメティクス; 抗凝血剤を含む抗潰瘍剤; 免疫用抗原, イムノグロビン(immunoglobins), 免疫抑制剤; 抗痙攣剤, 5−HTレセプタ作用物質, 他の偏頭痛治療剤; 抗コリン作用剤及びドーパミン作用剤を含む抗パーキンソン症候群剤; エストロゲン, GnRH作用物質, プロゲスチン, エストロゲンレセプタモジュレータ, 子宮収縮抑制剤, 子宮収縮剤(uterotnics), ヨウ素産物のような甲状腺剤、及び抗甲状腺剤; 非経口の鉄, ヘミン, ヘマトポルフィリン及びそれらの誘導体のような血液産物、が含まれるがこれらに限定されない。
遺伝子材料には、例えば、核酸, 組換えRNA及びDNA、及びアンチセンスRNA及びDNAを含む、天然型又は合成型のRNA及びDNA; ハンマーヘッドRNA, リボザイム, マンマーヘッドリボザイム, 抗原核酸(一本鎖及び二本鎖RNA及びDNA及びそれらのアナログ), リボオリゴヌクレオチド, アンチセンスリボオリゴヌクレオチド, デオキシリボオリゴヌクレオチド, 及びアンチセンスデオキシリボオリゴヌクレオチドが含まれる。使用可能な他のタイプの遺伝子材料には、例えば、プラスミド, ファージミド, コスミド, 酵母人工染色体, 及び 欠陥又は「ヘルパー」ウイルスのような発現ベクターにより運ばれる遺伝子, ホスホロチオネート及びホスホロジチオネートオリゴデオキシヌクレオチドのような抗原核酸(一本鎖及び二本鎖RNA及びDNA及びそれらのアナログ)が含まれる。更に、遺伝子材料は、例えば、タンパク質又は他のポリマーと組み合わせてもよい。
上述のとおり、エマルジョンナノパーティクルは、天然状態又は化学的に処理された(錯体を形成した)状態のガドリニウム, マグネシウム, 鉄, マンガンを含むがこれらに限定されない常磁性又は超常磁性成分をパーティクルに取り入れてもよい。同様に、天然状態又は化学的に処理された(錯体を形成した)状態のポジトロン放射体, ガンマ線放射体, ベータ線放射体, アルファ線放射体を含む放射性核種がパーティクル上又はパーティクル内に含まれていてもよい。これらの成分を加えることにより、温度増強超音波画像化法と組み合わせて、磁気共鳴映像法、陽電子放射断層撮影法及び核医学映像法のような他の臨床的画像化法を付加的に使用することが可能となる。更に、処方物内又は処方物上に取り込んだ金属イオンを、局所的高熱を増加ないし実現する「種」として利用することも可能である。
更に、光学的映像法は、これは、紫外線領域から赤外線領域の電磁エネルギーによって患者の組織又は部位を照射することにより生成される患者の当該組織又は部位の可視的表示と、当該照射の結果として生じる反射、散乱、吸収及び/又は蛍光エネルギーの何れかの分析に関するものであるが、温度依存性ターゲットエマルジョンの増強された音響反射率と組み合わせてもよい。例えば、光学的映像法には、可視光写真及びその変形、紫外線映像法、赤外線映像法、蛍光測定法、ホログラフィ、可視光顕微鏡検査、蛍光顕微鏡検査、分光測定法、分光法、蛍光偏光法等が含まれるがこれらに限定されない。
光活性剤は、診断又は治療に適用可能な、光に対し活性があるか又は光に対し反応を示す化合物又は材料であるが、これには、例えば、 発色団(例えば所定の波長の光を吸収する材料), フルオロフォア (例えば所定の波長の光を放射する材料), 光増感剤 (例えばin vitro及び/又はin vivoにおいて組織壊死及び/又は細胞死を可能にする材料), 蛍光材料, リン光材料等が含まれる。 「光」は、紫外線波長領域、可視光波長領域及び/又は赤外線波長領域を含む全ての光源に関する。本発明で使用可能な好適な光活性剤としては、第三者によって開示されたもの(Unger et al 6,123,923)があり、これについては引照を以って繰り込みここに記載されたものとするが、これには、例えば、 フルオレセイン, インドシアニングリーン, ローダミン, トリフェニルメチン(triphenylmethines), ポリメチン(polymethines), シアニン, フラーレン, オキサテルラゾール(oxatellurazoles), ベルジン(verdins), ロジン, ペルフィセン(perphycenes), サプフィリン(sapphyrins), ルビリン(rubyrins), コレステリル4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4−ボラ(bora)−3a,4a−ジアザ−s−インダセン(indacene)−3−ドデカノエート(dodecanoate), コレステリル12−(N−メチル−N−(7−ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イル)アミノ)ドデカネート, コレステリルシス−パリナレート(parinarate), コレステリル3−((6−フェニル)−1,3,5−ヘキサトリエニル)フェニル−プロピオネート(proprionate), コレステリル1−ピレンブチレート(pyrenebutyrate), コレステリル−1−ピレンデカノエート(pyrenedecanoate), コレステリル1−ピレンヘキサノエート(pyrenehexanoate), 22−(N−(7−ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イル)アミノ)−23,24−ビスノール(bisnor)−5−コレン(cholen)−3β−オール, 22−(N−(7−ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イル)アミノ)−23,24−ビスノール−5−コレン−3β−イルシス−9−オクタデセノエート(octadecenoate), 1−ピレンメチル3−(ヒドロキシ−22,23−ビスノール−5−コレネート(cholenate), 1−ピレン−メチル3β−(シス−9−オクタデセノイロキシ(octadecenoyloxy))−22,23−ビスノール−5−コレネート, アクリジンオレンジ10−ドデシルブロマイド, アクリジンオレンジ10−ノニルブロマイド, 4−(N,N−ジメチル−N−テトラデシルアンモニウム)−メチル−7−ヒドロキシクマリン)クロライド, 5−ドデカノイルアミノフルオレセイン, 5−ドデカノイルアミノフルオレセイン−ビス−4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジルエーテル, 2−ドデシルレソルフィン(dodecylresorufin), フルオレセインオクタデシルエステル, 4−ヘプタデシル−7−ヒドロキシクマリン, 5−ヘキサデカノイルアミノエオシン, 5−ヘキサデカノイルアミノフルオレセイン,5−オクタデカノイルアミノフルオレセイン, N−オクタデシル−N'−(5−(フルオレセイニル))チオ尿素, オクタデシルローダミンBクロライド, 2−(3−(ジフェニルヘキサトリエニル)−プロパノイル)−1−ヘキサデカノイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン, 6−N−(7−ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾル-4−イル)アミノ)ヘキサン酸, 1−ヘキサデカノイル−2−(1−ピレンデカノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホコリン, 1,1'−ジオクタデシル−3,3,3',3'−テトラメチル−インドカルボシアニン過塩素酸塩, 12−(9−アントロイロキシ(anthroyloxy))オレイン酸, 5−ブチル−4,4−ジフルオロ−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン(indacene)−3−ノナン酸, N−(リサミン(lissamine)(商標)ローダミンBスルホニル)−1,2−ジヘキサデカノイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン, トリエチルアンモニウム塩, フェニルグリオキサル一水和物, ナフタレン−2,3−ジカルボキシアルデヒド, 8−ブロモエチル−4,4−ジフルオロ−1,3,5,7−テトラメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン(indace ne), o−フタルジアルデヒド, リサミン(商標)ローダミンBスルホニルクロリド, 2',7'−ジフルオロフルオレセイン, 9−アントロニトリル(anthronitrile), 1−ピレンスルホニルクロリド, 4−(4−(ジヘキサデシルアミノ)−スチリル)−N−メチルピリジニウム(methylpyridinium)ヨウ化物, クロリン類(chlorines)(例えばクロリン(chlorin), クロリンe6, ボネリン(bonellin), モノ−L−アスパルチルクロリンe6, メソクロリン(mesochlorin), メソテトラフェニルイソバクテリオクロリン及びメソテトラフェニルバクテリオクロリン), ハイポクレリン(hypocrellin)B, プルプリン類(例えば、オクタエチルプルプリン, エチオプルプリン亜鉛(II), エチオプルプリンスズ(IV)及びエチルエチオプルプリンスズ), テキサフィリン(texaphyrin)ルテチウム, フォトフリン(photofrin), メタロポルフィリン, プロトポルフィリンIX, プロトポルフィリンスズ, ベンゾポルフィリン, ヘマトポルフィリン, フタロシアニン, ナフタロシアニン, メロシアニン(merocyanines), ランタニド錯体(lanthanide complexes), フタロシアニン珪素, フタロシアニン亜鉛, フタロシアニンアルミニウム, オクタブチルオキシフタロシアニンゲルマニウム, メチルフェオホルビド−α−(ヘキシル−エーテル), ポルフィセン(porphycenes), ケトクロリン(ketochlorins), スルホン化テトラフェニルポルフィン(tetraphenylporphines), δ−アミノレブリン酸, テキサフィリン(texaphyrins)(例えば、1,2−ジニトロ−4−ヒドロキシ−5−メトキシベンゼン, 1,2−ジニトロ−4−(1−ヒドロキシヘキシル)オキシ−5−メトキシベンゼン, 4−(1−ヒドロキシヘキシル)オキシ−5−メトキシ−1,2−フェニレンジアミン, 及びテキサフィリン金属錯体(金属Y(III), Mn(II), Mn(III), Fe(II), Fe(III)及びランタニド金属Gd(III), Dy(III), Eu(III), La(III), Lu(III)及び Tb(III)を含む)を含む), クロロフィル, カロチノイド, フラボノイド, ビリン, フィトクロム, フィコビリン, フィコエリトリン, フィコシアニン(phycocyanines), レチノイン酸
, レチノイン, レチナート, 又は上記化合物の任意の組み合わせが含まれるがこれらに限定されない。
上記化合物がそれぞれ例えば蛍光材料及び/又は光増感剤の何れに該当するかは、当業者であれば容易に認識し又は容易に決定できる。LISSAMINE(リサミン)は、N−エチル−N−[4−[[4−[エチル[(3−スルホフェニル)メチル]アミノ]フェニル](4−スルホフェニル)−メチレン]−2,5−シクロヘキサジエン−1−イリデン]−3−スルホベンゼン−メタナミニウム(methanaminium)水酸化物, 分子内塩(inner salt), 二ナトリウム塩(disodium salt)及び/又はエチル[4[p[エチル(m−スルホベンジル)アミノ]−α−(p−スルホフェニル)ベンジリデン]−2,5−シクロヘキサジエン−1−イリデン](m−スルホベンジル)アンモニウム水酸化物 分子内塩 二ナトリウム塩 (Molecular Probes, Inc., Eugene, Oreg.から商業的に入手可能) に対する商標である。本発明で使用するために好適な光活性剤としては、ほかにも、米国特許第4,935,498号に記載されたものがあり、その開示内容はすべて引照を以って繰り込みここに記載されたものとみなすが、例えば、4,5,9,24−テトラエチル−16−(1−ヒドロキシヘキシル)オキシ−17メトキシペンタアザペンタシクロ−(2 0.2.1.1,6.1,11.014,19)−ヘプタコサ−1,3,5,7,9,11(27),12,14,16,18,20,22(25),23−トリデカエンのジスプロシウム錯体及び2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピル−6−(4,5,9,24−テトラエチル−17−メトキシペンタアザペンタシクロ−(20.2.1.1,6.1,11.014,19)−ヘプタコサ−1,3,5,7,9,11(27), 12,14,16,18,20,22(25),23−トリデカエン−16−(1−オキシ)ヘキシルホスホラミダイトのジスプロシウム錯体がこれに含まれる。
更に、例えば、抗体、ペプチド断片、又は生理活性リガンドのミメティクスのようなある種のリガンドは、特異的エピトープに結合したとき拮抗剤又は作用剤としてその本来的な治療効果を発揮してもよい。例えば、新生血管内皮細胞のανβインテグリンに対する抗体は、固体腫瘍の成長及び転移に対する一過性阻害を示した。ανβインテグリンに向けられた治療エマルジョンパーティクルの効果は、パーティクル自体によって導入・送達される治療剤の効果に加え、ターゲティングリガンドの改善された拮抗作用によって発揮されてもよい。
ターゲットと結合した音響画像化物質の温度の変化は、温度の上昇又は低下の何れでもありうる。音響画像化物質の温度が上昇させられる実施形態では、エネルギー源は、エネルギーを増加するために使用され、音響反射率の増加が測定される。
ターゲットナノエマルジョンの部位において、超音波、短波、マイクロ波、磁気照射、電磁エネルギー又はこれらの組み合わせを含む(但しこれらに限定されない)種々の手段によって局所的高熱(高体温)を引き起こしてもよい。そのようなエネルギーは、外部のシステムにより非侵襲的に、又はカテーテルシステムにより比較的侵襲的に印加してもよい。Yangら(Med Biol Eng Comput、1979年、17巻、518-24頁) は、マイクロ波(例えば2500MHz)により皮膚の表面(皮下)に対する良好な加熱が得られ、900MHzの放射線により筋系に明らかな温度の上昇が引き起こされ、27MHzの短波により筋層(muscle layers)に広いプラトーの温度上昇が起こる、ということを示した。これらの研究者は、局所的高熱を制御するために、波の振動数、パワー、周囲条件、血管拡張、及びコアの境界条件(core boundary conditions)どのように変化させることができるかを示した。内部に配置されマイクロ波の放射により外部から加熱される加熱ターゲットとしてのフェライト含有媒体(ferrite-impregnated medium)のフェリ磁性共鳴の使用について報告した研究者もいる。この方法により、加熱の深さは共鳴を利用しない方法に比べて50%まで増加した。
侵襲が僅かしかない温熱療法は、固体腫瘍を治療するため現在利用されている癌治療法であり、この方法は、リガンド−標的化エマルジョンの温度依存性の音響的コントラスト形成を向上するための局所的発熱を生成することもできる。そのような方法により、短い時間枠の間(数マイクロ秒〜数分)高温を付与することができる。侵入型(interstitial)の加熱により、標的となる組織の体積は局在化され、周囲の正常な組織に対する熱の影響は最小に留められる。侵入型加熱エネルギーは、典型的には、レーザ光、マイクロ波、又は超音波によって送達される。ターゲット部位、アプリケータの配置及び当該部位への血液の灌流に基づいてエネルギー源を選択する。アプリケータの配置に基づく距離に応じたエネルギーの減少は、アプリケータに近いターゲットに対してより重要であるが、他方、減衰に基づくエネルギーの減少は、エネルギー源から離れたところではより重要である。従って、アプリケータに近いターゲットへの適用に対しては、レーザ光(これは組織内で著しく散乱されてしまう)が好適であり、深度がより大きい(より深い位置にある)構造(組織)の加熱に対しては、超音波又はマイクロ波がより好ましい (Skinnerら、Phys Med Biol、1998年、43巻、3535-47頁) 。
加熱効果には、好ましくは0.1W/cmより大きい強度が必要である(典型的には超音波画像化分野)と考えられている。また、強度のレベルは、(例えば約2000W/cmのような)集中された高強度の超音波の強度より小さいものが好ましい。組織自体を損傷しないままに維持する非破壊的パルス及び強度のレベルが使用されると更に好ましい。トランスデューサの性能、識別される組織の深さ、組織の減衰、ビームの散乱及びその他の物理的特徴に応じて、強度は大きいがパルス持続時間(パルス幅)は短いものがマイクロ秒からミリ秒の範囲での適用に対して有用であると考えられている。これらのパラメータは、治療への超音波の使用に関しより一般的に使用されている収束された高強度の超音波技術からそれ自体区別される。
本発明の方法の他の実施形態では、音響画像化物質の温度の低下、及び反射率の減少の測定が行なわれる。温度の低下は、寒冷療法で使用される低温(cryogenic)装置のようなエネルギー吸収要素によって行なうことができる。寒冷療法は、場合により冷凍手術とも呼ばれるが、プローブを接触させて極低温を作用させることにより癌細胞を死滅させるために、プローブ内の液体窒素又は液体アルゴンをエネルギーアブソーバーとして使用する技術分野では既知である。(例えば、Leeら、Urology、1990年、54巻、135-40頁参照)。本発明の方法によれば、ターゲット組織と結合した音響画像化物質の音響反射率の減少に基づいたエネルギーアブソーバーのターゲティングのための方法と、温度の現象をモニタするための方法が提供される。
本発明の方法の他の実施形態では、音響画像化物質の温度を変化させるエネルギー源又はエネルギーアブソーバーが存在しない場合の音響反射率に対する、音響画像化物質の温度の変化時の音響画像化物質の音響反射率の測定が行なわれる。エネルギー源又はエネルギーアブソーバーが存在しない場合の測定は、エネルギーが変化する前か後に行なうことができる。従って、温度変化の前及び温度変化直後のコントロール条件の下で音響反射率を測定することができる。或いは、音響反射率は、エネルギー変化が達成されたとき、及び所定時間経過後エネルギー変化が消散しターゲットがエネルギー変化以前の温度に近い温度に戻ったときに測定することもできる。
音響反射率の差の測定は種々の方法で、例えば、反射率の差のデジタル数値表示、示差(differential)二次元又は三次元画像、色の異なる画像等として表現することができる。
本発明には、上記各方法を実行する装置も含まれる。本発明の装置は、温度感受性音響画像化物質が結合されるターゲットの温度の変化を測定する。本発明の装置は、音響画像化物質の温度を変化するよう構成される要素、音響エネルギーをターゲットへ送達するよう構成される超音波源、表面の音響反射率を測定するよう構成される超音波検出要素、及び温度変化がない場合のターゲットの音響反射率に対する、温度の変化時のターゲットの音響反射率を決定するコンパレータを含む。超音波送達要素及び超音波検出要素は、少なくとも1つの超音波圧電トランスデューサを有することが好ましい。温度変化要素は、超音波源、短波源、マイクロ波源、磁気照射源、電磁エネルギー源のようなエネルギー源、又は循環液体窒素又は循環液体アルゴンを含む低温要素のようなエネルギーアブソーバーから構成されうる。エネルギー変化要素は、プローブの形態をとることが好ましい。
本発明の装置のコンパレータ要素(比較測定器)は、エネルギー変化要素によって引き起こされる温度変化がない場合とある場合の示差測定(differential measurement)を提供する。一実施形態では、コンパレータは、エネルギー変化がない場合とある場合にそれぞれ生成される音響反射画像の減算に基づいた示差画像(differential image)を生成する画像プロセッサを有する。画像プロセッサは、減算画像(subtraction image)を生成するためのコンピュータハードウェア及びソフトウェア要素のような画像フレーム記憶要素及び/又は電子要素を含んでもよい。
本発明の好ましい実施態様は、以下の実施例で具体的に説明される。特許請求の範囲の射程内に含まれる他の実施態様は、本書において開示された本発明の詳細な説明又は実施を考慮することにより当業者には明らかとなるであろう。発明の詳細な説明は、実施例も同様であるが、単なる例示と考えるべきであり、本発明の保護範囲及び技術的思想は、特許請求の範囲に示されている。ここに、まとめとして、本発明の好ましい実施の形態を示す。
(形態1・基本構成) 超音波ターゲットと結合する液体ナノパーティクルを有する超音波ターゲットの音響反射率を変化する医療装置の作動方法は、
前記液体ナノパーティクルの温度を変化するためのエネルギーを該液体ナノパーティクルに供給し、前記超音波ターゲットの音響反射率に測定可能な変化を引き起こす温度変化要素を作動すること、
前記液体ナノパーティクルは、液体フルオロカーボンのパーティクルの表面が前記超音波ターゲットに結合するリガンドに結合する脂質/界面活性剤でカプセル被膜化されたものであることを特徴とする。
(形態2) 上記形態1の作動方法において、前記温度の変化は、少なくとも5℃であることが好ましい。
(形態3・基本構成2) 超音波ターゲットと結合する液体ナノパーティクルを有する超音波ターゲットの音響反射率の変化を測定する医療装置の作動方法であって、
前記装置は、
前記液体ナノパーティクルの温度を変化するためのエネルギーを該液体ナノパーティクルに供給し、前記超音波ターゲットの音響反射率に測定可能な変化を引き起こす温度変化要素;
前記超音波ターゲットに音響エネルギーを送達する超音波源;
前記超音波ターゲットの音響反射率を測定する超音波検出要素;及び
コンパレータ
を有し、及び
前記液体ナノパーティクルは、液体フルオロカーボンのパーティクルの表面が前記超音波ターゲットに結合するリガンドに結合する脂質/界面活性剤でカプセル被膜化されたものである作動方法は、
以下の工程:
前記超音波源によってエネルギーを生成すること;
前記超音波検出要素によって前記超音波ターゲットにより反射された音響エネルギーを検出し、温度変化前の音響反射率を測定すること;
前記温度変化要素によってエネルギーを生成すること;
前記超音波検出要素によって前記超音波ターゲットにより反射された音響エネルギーを検出し、温度変化後の音響反射率を測定すること;及び
前記コンパレータによって前記温度変化前の音響反射率と前記温度変化後の音響反射率とを比較することを有することを特徴とする。
(形態4・基本構成3) ターゲットと結合する液体ナノパーティクルを有するターゲットの温度変化を測定する測定装置であって、該液体ナノパーティクルが、液体フルオロカーボンのパーティクルの表面が脂質/界面活性剤でカプセル被膜化されなるコアを有するものにおいて、
該装置は、
前記液体ナノパーティクルの温度を変化するよう構成された要素、
前記ターゲットに音響エネルギーを送達するよう構成された超音波源、
前記ターゲットの音響反射率を測定するよう構成される超音波検出要素、及び
温度変化がない場合の前記ターゲットの音響反射率に対する、温度変化の際の前記ターゲットの音響反射率を決定するコンパレータを有することを特徴とする。
(形態5) 上記形態4の装置において、前記エネルギー源は、0.1W/cmより大きく2000W/cmより小さい強度を有する超音波エネルギー源であることが好ましい。
(形態6) 上記形態4又は5の装置において、前記温度を変化するよう構成された要素は、少なくとも5℃毎に温度を変化するよう構成されることが好ましい。
(形態7) 上記形態4〜6の何れかの装置において、前記コンパレータは、温度の上昇前後における表面の音響反射率の差を含む画像を生成するよう構成されることが好ましい。
(形態8・基本構成4) インビボ標的化診断法のための、液体フルオロカーボンからなるコアの表面が脂質/界面活性剤カプセル被膜化されてなるナノパーティクルのエマルジョンを含む組成物であって、該ナノパーティクルが該ナノパーティクルを生物学的ターゲットに結合するためのリガンドと結合したものにおいて、
前記診断法は、前記エマルジョンの存在下における前記ターゲットの画像化を含み、前記脂質/界面活性剤カプセル被膜化ナノパーティクルの前記コアは、該画像化中、液体フルオロカーボンとして存在し
前記リガンドは、
(a)アミン、アルデヒド、カルボキシル又はメルカプト基を介した、更に任意的にカップリング剤を介した、前記脂質/界面活性剤への化学的結合、又は
(b)前記脂質/界面活性剤の高帯電ポリマーへの非共有結合的結合、又は
(c)前記エマルジョン脂質/界面活性剤層へ組み込まれた誘導体化成分を含むプライマー材料への直接的結合
によって前記ナノパーティクルと結合することを特徴とする。
(形態9) 上記形態8の組成物において、前記プライマー材料は、
ホスファチジルエタノールアミン(PE),
N−カプロイルアミン−PE,
n−ドデカニルアミン,
ホスファチジルチオエタノール−N−1,2−ジアシル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[4−(p−マレイミドフェニル)ブチルアミド],
1,2−ジアシル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[4−(p−マレイミドメチル)シクロヘキサン−カルボキシラート],
1,2−ジアシル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート],
1,2−ジアシル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N[PDP (ポリエチレングリコール) 2000],
N−スクシニル−PE,
N−グルタリル−PE,
N−ドデカニル−PE,
N−ビオチニル−PE,
N−カプロイル−PE,
1−エチル−3−(3−N,Nジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロライド、又は
1−シクロヘキシル−3−(2−モルフォリノエチル)カルボジイミドメチル−p−トルエンスルホネートであること、
及び/又は
前記カップリング剤は、カルボジイミド、エチレン系不飽和化合物、複数のアルデヒド基を有するアルデヒドカップリング剤、二機能性N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、又はヘテロ二機能性試薬であることが好ましい。
(形態10) 上記形態8又は9の組成物において、前記リガンドは、抗体又は抗体のフラグメントであること、又は
前記リガンドは、αβインテグリンに対して向けられていることが好ましい。
(形態11) 上記形態10の組成物において、前記抗体フラグメントは、F(ab’)、F(ab)又はscFvフラグメントであることが好ましい。
(形態12) 上記9〜11の何れかの組成物において、前記エマルジョンは、更に、治療剤、磁気共鳴画像化物質、分光画像化物質、陽電子放射断層撮影用画像化物質、X線画像化物質、核医学用画像化物質、又はこれらの組み合わせを含むことが好ましい。
実施例1では、ペルフルオロオクタン、ペルフルオロジクロロオクタン及びペルフルオロオクチルブロマイドにおける超音波の速度の温度依存性の測定について説明する。
超音波の速度は、25MHzパナメトリクス社製球面上収束トランスデューサV324(25 MHz, Panametrics V324 spherically focused transducer)を用いて決定された。測定は、湯浴中に垂直にセットされた密閉試料容器に8mlのフルオロカーボンを加え、飛びとびの温度において、ペルフルオロオクタン、ペルフルオロジクロロオクタン又はペルフルオロオクチルブロマイドに対して行なった。試料容器の背面は、ステンレス鋼製の反射体から構成され、完全に閉鎖されたウェルを超えて延在し液体(水)通路測定及び試料通路測定を考慮している。ステンレス鋼反射体が音響ホログラム形成ビーム(insonifying beam)に対し垂直に配されるように試料容器を配置した。
トランスデューサから試料容器の前壁までの飛行時間及びトランスデューサからステンレス鋼プレートまでの飛行時間が、試料の互いに独立した(異なる)9つの位置に関して決定された。そして音速は、各温度につきそれぞれ平均して求めた。温度は、周囲の水浴を加熱しかつ試料が平衡に達するための時間(典型的には20〜25分)を設けることにより、25℃から47℃まで2℃ずつ増えるように変化させた。音速は、既に開示されているアルゴリズム (Kuoら、J.Acoust. Soc. Am.、1990年、88巻、1679-82頁) を用いて計算した。
音速測定の結果を図1にまとめた。他の液体ペルフルオロカーボンについて既に報告されているように、音速は、上記ペルフルオロカーボンの各々に対し、温度の上昇に応じて直線的な減少を示した。
実施例2では、アビジン−ビオチンターゲティングのためのビオチン化マイクロエマルジョンの調製について説明する。
ビオチン化ホスファチジルエタノールアミンをペルフルオロカーボンマイクロエマルジョンの外側の脂質単分子膜に取り込むことによりビオチン化エマルジョンを調製した。調製したマイクロエマルジョンは、以下のように、水中にペルフルオロオクタン (40% W/V, 3M), 植物油 (2% W/V), 界面活性剤共混合物 (2.0%, W/V) 及びグリセリン (1.7%, W/V) を含む。界面活性剤共混合物は、64モル%レクチン (Pharmacia, Inc), 35モル%コレステロール (Sigma Chemical Co.)及び 1モル% N−(6−(ビオチノイル)アミノ)ヘキサノイル)−ジパルミトイル−L−α−ホスファチジル−エタノールアミン, Pierce, Inc.) をクロロホルム中に溶解することにより調製した。クロロホルム−脂質混合物は、減圧蒸発し、50℃の真空窯で一晩乾燥し、そして超音波処理により水中へ分散させた。そして、懸濁液を、フルオロカーボン、植物油、グリセリン、及び脱イオン蒸留水と共に、ブレナーカップ (Dynamics Corporation of America) に移し、30〜60秒間乳化処理した。乳化混合物をMICROFLUIDICS emulsifier (Microfluidics Co.) に移し、3分間20,000 PSIで連続的に処理した。出来上がったエマルジョンを、ガラス瓶に入れ、窒素を充填し、使用するまで圧着密閉栓(stopper crimp seal)で密閉する。パーティクルの大きさ(径)は、レーザ光散乱微小粒子径分析機(laser light scattering submicron particle size analyzer) (Malvern Zetasizer 4, Malvern Instruments Ltd, Southborough, Mass.)を用い、37℃で3回測定した。その結果、パーティクルの大きさは、平均粒子径400nm未満であり、径分布も狭かった。
実施例3では、ナノパーティクルがF(ab)フラグメントと結合するエマルジョンの調製に使用可能な方法を説明する。
エマルジョンのターゲティングは、脂質単分子膜に取り込まれたプライマー材料を介して、抗体をナノパーティクルに直接化学的に結合することにより達成することができる。ペルフルオロカーボンナノパーティクル造影剤(画像化剤)は、実施例1で説明したようにして調製される。
F(ab)フラグメントは、イムノピュアF(ab)調製キット (Pierce, Rockford, IL)を用いて生成及び単離される。簡単に説明すれば、IgGを20mMリン酸/10 mM EDTAバッファ(pH 7.0)で透析し、20mg/mlに濃縮し、固定化パパインで消化する。可溶化されたF(ab)は、プロテインAカラムを用いて、Fcフラグメント及び未消化のIgGタンパクから精製する。F(ab)フラグメントは、G25−150カラムと脱酸素リン酸バッファー(pH6.7)を用いて、過剰のシステインから精製する。フラクションの同定は、通常のごとく、SDS−PAGEによって行なう。
F(ab)の各フラクションをプールし、プライマー導入エマルジョンと混合する (エマルジョン1ml当りF(ab)1〜2mg)。混合物をpH6.7に調節し、窒素を封入して密閉し、外界温度で穏やかに連続的に混合して一晩反応させる。混合物は、次に、結合しなかったF(ab)フラグメントを除去するために、300,000 MWCO Spectra/Por DispoDialyzer (Laguna Hills, CA)を用い、10mMリン酸バッファ(pH7.2)に対して透析してもよい。最終的に得られたエマルジョンは、ガラス瓶に入れ窒素を封入し、使用するまで4℃で保存する。上記の方法において、関連性のないコントロールIgG F(ab)フラグメントを用いることにより、非特異的コントロール用エマルジョンを調製することができる。
実施例4では、アビジン−ビオチン結合体を有するターゲットと結合したマイクロエマルジョン超音波造影剤を用いたニトロセルロース膜の温度依存性ターゲティングについて説明する。
音響反射後方散乱を測定するための超音波データの取得のセットアップ及び分析は以下のように行なった。25MHz球面状収束トランスデューサ(spherically focused transducer) (直径0.63mm, 焦点距離2.54mm, Panametrics V324) を3つの垂直そり(orthogonal sleds)からなるガントリーに取り付けた。トランスデューサは、100μmの分解能を持つコンピュータ制御運動コントローラ (Aerotech Unidex 12) により、ラスタ走査パターンに従って摺動された。モータコントローラからモータに送信されるパルス列は、デジタルカウンタ (National Instruments PCI-1200) で計数され、そして、デジタル遅延生成器(digital delay generator) (Stanford Research Systems DG535)のために(1つの)トリガが生成された。そして、遅延生成器は、パルス発生器 (Panametrics 5900) とデジタイジング(digitizing)オシロスコープ (Hewlett-Packard 54510B) とに対し(1つの)トリガを送信し、リアルタイムデジタイザ (Tektronix RTD720A) に対し(1つの)遅延トリガを送信した。トランジューサが68×68(6.8mm×6.8mm)グリッド内の凝(血)塊(clot)の表面に亘って100μmの分解能で走査されるとき、後方散乱された超音波を表すトレースが、実行中に捕捉された。そして、トレースは、画像再構成とデータ記憶のために、リアルタイムデジタイザからGPIBを介して制御コンピュータ (Apple Power Macintosh 7300) へ伝送された。データ取得には、典型的に、1スキャン当り約4分かかった。
試料容器は、試料の音響ホログラム(insonification)の形成を可能にする音響アパーチャを有する完全に閉鎖されたウェルから構成される。試料容器は、2つのポートを介し、試料への造影剤の散布を可能にするシリコンチューブ (Masterflex Platinum, 内径1/8インチ) に取り付けられた。20 mL/minの速度の流量を供給するためにローラポンプ(roller pump) (Masterflex, Cole-Panner Inc.) を使用した。フローシステムには、50nmのリン酸バッファを20mL充填した。試料容器及び封入された試料は、垂直に載置され、造影剤の受身的な(passive)沈殿が起こらないようにした。試料を最初に配置した後、注入ポートを介して100μLの造影剤を瞬時投与し、最初と、60分の照射後に超音波モニタリングを行なった。そして、試料容器とチューブをリン酸バッファでフラッシュした。
画像形成により造影剤のターゲティングが成功したことを確認した後、温度調節器 (DigiSense, Cole-Parmer Inc.) によって制御される投入ヒータを用いて27℃から47℃まで温度を5℃ずつ上昇した。水浴全体を磁気スターラープレート上に載置して、適切に攪拌し水浴内全体の温度分布が一様になるようにした。温度の(5℃ごとの)各測定点において、ステンレス鋼プレートからの反射を観察することによりトランスデューサの焦点を求めた。そして、試料(容器)の前壁をトランスデューサの焦点の位置にセットした。
反射された超音波信号は全波整流され、ピーク検出c−スキャン画像の描画に使用されて、凝塊又はニトロセルロース試料の周りに目的のユーザ定義領域を描くことができるようにした。試料の表面からの超音波の問合せ波(interrogating wave)の反射を表す信号は、矩形ウィンドウ関数(rectangular windowing function)によって分離された。ウィンドウの位置決めは、ウィンドウのエッジをニトロセルロース紙の前壁エコーと後壁エコーの間の中間に位置付ける自動アルゴリズムによって、ニトロセルロース試料の場合注意深く調節した。そして、分離した信号を高速フーリエ変換し、使用可能な帯域幅 (17〜35MHz, 10dB下がった点のところで求めた) に亘る平均のパワーを対数で(in the logarithmic domain)計算した。そして、この「集積されたパワー(integrated power)」は、目的の領域の全ての点に対して選別され、最も明るい100個の点を分析のために記憶した。スキャンの際の各点において求められた集積パワーもまた凝塊の超音波増強における変化の画像を描画するために使用した。周波数依存性の反射増強は、最も明るい100個の点に対して平均が取られ、そしてコントロールスキャンに関する反射増強を減算することにより正規化(normalize)した。各試料に対しそれぞれこのプロセスを実行した。
in vitroでの温度依存性ターゲットエマルジョンのアビジン−ビオチンターゲティングのために、ニトロセルロース膜は以下のようにして調製した。ニトロセルロース平膜を、ジアミノヘキサンスペーサと結合するコントラストのために調製し、タンパク質結合体(複合体)のためにグルタルアルデヒドによって活性化した。ニトロセルロースディスク(直径2.4cm)を1,6ジアミノヘキサン (2.5% W/V、 pH 11.9)に浸沈して60分間一定速度で回転的に攪拌した。次に、これらの膜を、まず1M酢酸中で約12時間、次いで超純水中で12時間一定速度で攪拌することにより洗浄した。この洗浄の際、酢酸と超純水は、それぞれ数回交換した。そして、ジアミノアルカンで修飾されたニトロセルロース膜を15分間0.5M NaHCO/NaCO(pH 10)中の1%グルタルアルデヒドにさらし、そして超純水中で3時間洗浄した(その際超純水は数回入れ替える)。ジアミノヘキサンで修飾されグルタルアルデヒドで活性化されたニトロセルロース膜は、使用するまで4℃で乾燥保存した。
0.1Mリン酸緩衝食塩水(PBS)(pH 7.2−7.4) に溶解したアビジン(50μg)を、マイクロリットルシリンジを用いて、各ニトロセルロース膜の中心にスポット滴下して風乾し、乾燥させた。次に、膜をそれぞれ、PBS−0.1%Tween20を5分毎に3回交換することによって洗浄した。20分間アビジンを適用した後結合されずに残っているグルタルアルデヒド活性化タンパク質結合部位をブロックするために、PBS−0.1%Tween20に懸濁した脱水粉乳を加えた。過剰のタンパク質は、等張PBSの5分間洗浄を3回繰り返して除去した。
5つのアビジン導入ニトロセルロースディスクと5つのコントロールニトロセルロースディスクを、ビオチン化ペルフルオロオクタンパーティクルに曝すために使用した。音響画像化により造影剤のターゲティングが成功したことを確認した後、温度調節器 (DigiSense, Cole-Parmer Inc.) によって制御される投入ヒータを用いてターゲット試料の温度を27℃から47℃まで5℃ずつ増加した。水浴全体を磁気スターラープレート上に載置して、適切に攪拌し水浴内全体の温度分布が一様になるようにした。温度の(5℃ごとの)各測定点において、ステンレス鋼プレートからの反射を観察することによりトランスデューサの焦点を求めた。そして、試料(容器)の前壁をトランスデューサの焦点の位置にセットした。
図2に、ターゲット及びコントロールニトロセルロース膜に関する温度に応じた超音波反射力の変化を示した。これらの膜には、アビジンが一滴滴下されており、そのスポットはほぼ完全な円形をなしている。図2の各写真は、27℃の基準温度から各温度の測定点のそれぞれへ移行する場合の反射の増強に関する変化を示している。色の濃い部分は、濃さが大きいほど増強の変化も大きいことを表しており、コントロールニトロセルロースと比較すると、ターゲットニトロセルロースではかなり増加していることを見出すことができる。
ニトロセルロース膜試料の各々に対し最も明るい100個の部位を選択し、平均の周波数依存性反射増強を求めた。そして、各曲線を正規化して、同じ温度のコントロールニトロセルロース膜に対する反射増強を求めた。
更に、温度と共に増加する超音波後方散乱増強を、帯域幅(17〜34 MHz)を限定した平均によって図3に示した。結合ナノパーティクルと基質との間の温度の増加と共に生じるインピーダンスのミスマッチの増加により、ターゲット基質からの反射増強は改善される。ニトロセルロースに対するコントラストの増強と温度との間の相関(R=0.95)は優れている。図3に、反射増強の変化を温度の関数として定量化した。全体として、反射増強の増加は、ニトロセルロースに対し0.08 dB/Cである。
実施例5では、アビジン−ビオチン結合体を有するターゲットと結合したマイクロエマルジョン超音波造影剤を用いたニトロセルロース膜上の血漿の豊富な血漿凝血塊の温度依存性ターゲティングについて説明する。
ビオチン化1H10抗体を、EZ−LINK Sulfo−NHS−LC−ビオチン化キットを用いて調製した。簡単に説明すると、リン酸緩衝食塩水1mL中の抗体2〜10mgを蒸留水中のSulfo−NHS−LC−ビオチン混合して、12〜20倍Mの過剰試薬を抗体に供した。そして、この溶液を室温で30分間インキュベートした。ビオチン化された抗体は、10mL脱塩カラムを用いて試薬から分離した。リン酸緩衝食塩水で平衡と溶出を行なった。溶出液のフラクションを収集し、UV吸光度を分光光度計を用いて280nmで測定した。抗体を含むフラクションは、使用するまで4℃で保存した。
膜上に置いたプラスチックモールド内で、ヒトクエン酸添加血漿(375μl)及び100mM塩化カルシウム(25μl)を3単位のトロンビンと混合することにより、ニトロセルロース膜表面上に血漿凝血塊が生成した。血漿は外界温度でゆっくりと凝固させ、そしてPBSに移してコントロール又はターゲットコントラストシステムに曝すまで保存した。
凝血塊(n=9)をビオチン化1H10抗体と共にPBS中で穏やかに攪拌しながら4℃の冷蔵室内で一晩インキュベートした。そして、凝血塊をリンスし、室温で1時間穏やかに攪拌しながら100μgのアビジンに曝した。そして、凝血塊を再びリンスし、実施例4に記載したように造影剤に曝す準備をした。ビオチン化抗体又はアビジンでプレターゲットしていないコントロール凝血塊(n=7)を同じ方法でビオチン化造影剤に曝した。
実施例4と同様に音響反射率の測定を行なった。自然のヒト血漿凝血塊の本来的に乏しいエコー発生性を図4の左側の部分に示した。図4に、造影剤導入前後の血漿凝血塊の集積反射力に関する2つの画像を示した。これらの画像のグレースケールは、反射増強の対数で表されている。右側の写真の色のより濃い部分は、部位特異的超音波造影剤の存在によって凝血塊の増強が増加されている領域を表している。
図4に示したものと同じ血漿凝血塊を図5にも示したが、図5では、グレースケールは、27℃の基準温度から5℃ずつの温度の上昇により引き起こされた増強の変化を表している。ターゲットニトロセルロースの場合と同様に、ターゲットヒト血漿凝血塊も、温度に従いエコー発生性にかなりの増加を示し、他方コントロール凝血塊(これらは造影剤に曝されていない)は、この温度の範囲では殆ど変化を示さない。図6に、トランスデューサの使用可能な帯域幅(17〜34MHz)に亘って平均された凝血塊の最も明るい100個の部位に関する反射増強の結果を示した。この反射増強対温度のプロットに直線を嵌め込むと相関係数R=0.99と傾き0.21dB/Cが得られる。
比較を行なうと、コントロールニトロセルロースとコントロールヒト血漿凝血塊は、何れも、温度の上昇に対し反射力の僅かな変化しか示さなかった。これに対し、ターゲット又は増強基質は、何れも、5℃程度の温度の変化に対しても(反射)増強に関し検出可能な変化を示した。この示差音響反射応答(differential acoustic reflectivity response)は、コントラストのあるターゲット及び非ターゲット表面の間のセグメント形成、及びカラー化、デジタル減算(subtraction)又はその他の類似の方法による画像表現の向上に利用することができる。ターゲット組織の検出感度の向上、並びに臨床上の読取者への表示及び該読取者の認識を改善する能力により、その他の方法では正しく認識できなかったような病状の認識を大きく改善することができるであろう。
実施例6では、ヒト血漿凝血塊と結合したアビジン−ビオチンターゲットフルオロカーボンエマルジョンの音響反射率に関する温度依存性の変化のヒステリシスの欠如について説明する。
温度の効果の可逆性を試験するために、2つのヒト血漿凝血塊試料を加熱してから冷却し、実施例3に記載した方法を用いて温度の各測定点に対して反射(率)増強を記録した。ヒステリシス曲線を図7にプロットした。測定の誤差バーの範囲内では、増強の大きさは、各温度において同一であり、温度の変化の方向に依存していなかった。選択されたフルオロカーボン、即ちペルフルオロオクタンの沸点(105℃)及び試料がその中で音響ホログラム化される37℃の水浴の熱消散効果を考慮すれば、この結果により、ターゲット組織の音響反射の増強又は減少は、結合エマルジョンパーティクルの音響インピーダンスの温度依存性の変化に基づくのであって、フルオロカーボンの気体状態への相転移に基づくのではないということが確認される。
実施例7では、特に腫瘍量の形態の検出、局在化及び画定(defining)に関する高熱(高体温)療法と組み合わせた本発明の超音波画像化への適用及び高熱のモニタリングに使用可能な方法及び装置について説明する。
現在、種々の癌、とりわけ8cm未満の深さの癌に対する効果増強(augmentive)治療としての放射線腫瘍学と組み合わせた種々の形態の温熱療法が使用されている。この応用に対して現在使用されている装置の1つとして、Labthermics Technologies, Champaign, IL製のSonotherm(登録商標)1000がある。適切な組織温熱療法は、周囲の正常組織に対する処置を最小にして腫瘍を加熱することに関わっている。SONOTHERM 1000は、特定の組織量を小さな立方体の治療ボクセルに分ける能力を有する。超音波アレイの異なる成分の周波数と強度を調節することにより、「適切な」加熱パターンが達成される。
とりわけ小さい腫瘍を識別することの困難性に関する、この療法全体に関する鍵は、(1)三次元体積空間における腫瘍の正確な局在化及び形態描画、及び(2)腫瘍死滅と正常側枝組織の保存を保証する組織加熱プロセスにおける非侵襲型温度測定である。本発明の温度依存性超音波造影剤は、とりわけ癌が小さいか、バックグランドが本来的に音響反射性である場合に、高分解能検出、局在化、二次元又は三次元空間における腫瘍のマッピングを大きく増強する。このことは、ナノパーティクルターゲット組織と周囲の正常組織の示差(differential)超音波応答によって達成される。更に、音響後方散乱の温度依存性の変化は内部温度測定として使用することもできるため、ターゲット組織を適切なレベルに加熱し、他方他の組織の加熱を最小化することを保証する。この高分解能非侵襲型温度測定は、操作者が組織の温度をモニターしかつ温熱療法プロトコールを手動で調節できるようにするために、スケール化(scaled)カラーマップを使用することにより常にリアルタイムで表示することもできる。或いは、自己モニタリングアルゴリズムを有する温熱装置により、「実行中に」自動で超音波ビームを調節することもできる。
腫瘍のような病状は、通常の超音波によっては正常な組織から区別することが困難であり、特殊なコントラスト増強から利益が得られることがしばしばある。不利なことには、隣接する組織の大きな音響反射率は、ターゲット分子造影剤を用いた場合であっても、達成されるコントラストの増強の大きさを減じることがよくある。温度依存性ターゲット分子造影剤を使用する可能性により、更に、正常周囲組織に対するターゲット組織からの音響信号を増加することによって病的組織から正常組織を区別するための独特の機構が提供される。この特徴により、生検又は外部放射又は温熱療法のための、腫瘍、とりわけ小さい腫瘍の区分(セグメンテーション)及び局在化が改善される。改善された局在化により、外部の治療エネルギー源のより正確なフォーカシングが可能となり、治療の効率は最大化されかつ側枝(二次的)損傷は最小化される。更に、周囲組織に対し増加された音響後方散乱の大きさにより、非侵襲型の温度測定が提供される。ターゲット部位における適切なレベルの加熱をモニターし及び手動で制御するか高熱装置内部の自己制御システムによって(自動的に)制御することもできる。技術上の利点から、直ちに乳癌、悪性黒色腫、肉腫、リンパ腫、頭部及び頸部癌の治療、及び近いうちに、大腸(結腸)、子宮頸、子宮、肝臓、膵臓、胃等のようなより深い位置に生じる腫瘍の治療に対する適用を考えることができる。
例えば、乳癌の患者又は動物が病院に入院し、静脈カテーテルを受けるとする。新生血管細胞のανβインテグリンに向けられたモノクローナル抗体フラグメントを有する温度感受性音響ナノパーティクルを、0.1〜1.0mL/kg(体重)、好ましくは0.25〜0.5mL/kg(体重)の量で投与する。剤を15分〜5時間、好ましくは1〜2時間循環させて、新生血管組織レセプタを飽和させる。Agilent (Andover, Mass.), Acuson (Mountainview, Calif.), ATL (Bothel, Wash.), GE (Farifield, Conn.) Toshiba (Tokyo, JP)製の装置及び類似の装置のような商業的に入手可能な標準的な超音波画像形成装置を使用することにより基準の超音波画像が得られる。音響温度記録法(Sonothermography)は、SONOTHERM 1000 Therapy system (Labthermics Technologies, Champaign, Ill.) 又は製造業者の推薦する関連装置によって、疑わしい塊の存在が予想される位置に対して行なうことができる。SONOTHERM 1000は、選択された領域の組織の温度(42℃〜45℃)に間欠的上昇(持続時間はそれぞれ10秒未満)を繰り返し引き起こす。ナノパーティクルで標的された腫瘍血管系と周囲の正常組織の音響コントラストの示差的変化(differential changes)が、腫瘍量(tumor burden)のモルフォロジを特異的に検出、局在化及び画定するために使用される。これらの結果は、SONOTHERM 1000のプログラムに組み込まれ、与えられるべき高熱照射のための位置及び分布はより正確にされる。続いて行なわれる高温療法セッション中はいつでも、ターゲット組織の各領域内におけるターゲットナノパーティクルにより与えられる音響後方散乱の温度依存性の変化を、深部の腫瘍温度を非侵襲的に決定するために使用することもできる。この情報により、できるだけ厳しい許容度で高温プロトコールを精密かつ連続的に制御することができるため、正常組織の側枝(二次的)損傷は最小化され、この方法の全体としての安全性も向上する。
実施例8では、カテーテル用侵襲型温熱療法に本発明を適用するのに使用可能な方法及び装置について説明する。
標的化された温度依存性ナノパーティクルは、以下のようにカテーテルシステムで使用することもできる。治療及び手術に適用するために高度に収束された熱を生成することが可能な種々の治療用超音波カテーテルが開発された。そのような装置の一例として、Leeら (IEEE transactions of Biomedical Engineering. 1999年、4巻、880-90頁) によって記載されたマルチエレメントアレイシステム(multielement array system)がある。このユニットは、in vitro及びin vivoの両方で実施され、30mm×30mm×35mmのターゲット体積の92%以上で治療温度の上昇(5℃以上)を達成した。これ及び類似の装置により、温度分布の精密な制御を行なうことができる。この温熱(療法)カテーテルシステムを、商業的に利用可能な静脈内超音波トランスデューサ技術と組み合わせることにより、10〜50MHzの範囲の周波数における加熱された組織の精細かつ緻密な超音波画像を(両者に対し)生成することができた。これらの映像化/治療カテーテルデュアルシステムは、内視鏡及び静脈内適用の両方に使用することができた。
温熱療法及び超音波システムのためのカテーテルは、以下のような癌の治療に使用することができる。膵臓癌が疑われる患者を病院に入院させ、静脈カテーテルを行なう。新生血管細胞のανβインテグリンに向けられたモノクローナル抗体フラグメントを有する温度感受性音響ナノパーティクルを、0.1〜1.0mL/kg(体重)、好ましくは0.25〜0.5mL/kg(体重)の量で投与する。剤を15分〜5時間、好ましくは1〜2時間循環させて、新生血管組織レセプタを飽和させる。治療/画像化超音波組合せカテーテルを進行させ、経胃/経十二指腸(transgastric/transduodenal)アプローチからの膵臓の画像を得る。膵臓腫瘍の診断、位置及び程度が上述のような温度依存性画像化プロトコールによって確認される。局所的温熱療法を行なうために腫瘍の音響ホログラムを生成する。ターゲット組織の温度は、音響後方散乱の変化によって連続的にモニターされる。漸増する温度変化は、繰り返し更新され操作者によって観察される超音波画像ディスプレイ上でカラーマッピングされる。腫瘍破壊を最適化し、正常組織の二次的(側枝)損傷を最小化するために、操作者が手動で又は装置が自動的に超音波ビームの強度又は周波数を調節する。
上述したことを鑑みると、本発明の幾つもの利点が達成され、他の有利な結果が得られる事が分かる。
本発明の範囲から逸脱しない範囲において上記の方法及び構成に種々の変更を行なうことができるが、そのため上記の説明に含まれる全ての内容は単なる例として説明したのであって、これらに限定することは意図しない。
この明細書で引用した文献はすべて、引照によって本書に繰り込まれているものとする。これら文献に関する議論は、その著者によりなされた主張を単にまとめたものに過ぎず、何れの文献も従来技術を構成するものとは認めない。出願人は、上記各文献の正確さ及び適切さについて争う権利を留保する。
媒質ペルフルオロカーボン、即ちペルフルオロオクタン(PFO)、ペルフルオロジクロロオクタン(PFDCO)、及びペルフルオロオクチルブロマイド(PFOB)に関する、温度上昇に伴う音の伝播速度の減少。 温度32℃、37℃、42℃、及び47℃に関し、27℃で測定された反射率を超える反射率の増加を示すニトロセルロース膜から得た示差(differential)超音波画像。各図において、灰色が濃いほど反射率の増加はより大きい。 ターゲットニトロセルロース膜とコントロールとの間の、温度の関数としての超音波反射力の相対変化。 造影剤によるターゲティング前後(前:左図、後:右図)におけるヒトフィブリン凝(血)塊からの超音波反射。各図において、灰色が濃いほど反射も大きい。 温度32℃、37℃、42℃、及び47℃に関し、27℃で測定された反射率を超える反射率の増加を示すニトロセルロース膜上のヒト血漿凝血塊から得た示差超音波画像。各図において、灰色が濃いほど反射率の増加はより大きい。 ニトロセルロース膜上のターゲットヒト血漿凝血塊とコントロールとの間の、温度の関数としての超音波反射力の相対変化。 加熱(■印)後冷却(○印)した場合の、温度の関数としてプロットされたヒト血漿凝血塊からの反射増強のヒステリシスの欠如。

Claims (12)

  1. 超音波ターゲットと結合する液体ナノパーティクルを有する超音波ターゲットの音響反射率を変化する医療装置の作動方法であって、
    前記液体ナノパーティクルの温度を変化するためのエネルギーを該液体ナノパーティクルに供給し、前記超音波ターゲットの音響反射率に測定可能な変化を引き起こす温度変化要素を作動すること、
    前記液体ナノパーティクルは、液体フルオロカーボンのパーティクルの表面が前記超音波ターゲットに結合するリガンドに結合する脂質/界面活性剤でカプセル被膜化されたものであること
    を特徴とする作動方法。
  2. 前記温度の変化は、少なくとも5℃であること
    を特徴とする請求項1に記載の作動方法。
  3. 超音波ターゲットと結合する液体ナノパーティクルを有する超音波ターゲットの音響反射率の変化を測定する医療装置の作動方法であって、
    前記装置は、
    前記液体ナノパーティクルの温度を変化するためのエネルギーを該液体ナノパーティクルに供給し、前記超音波ターゲットの音響反射率に測定可能な変化を引き起こす温度変化要素;
    前記超音波ターゲットに音響エネルギーを送達する超音波源;
    前記超音波ターゲットの音響反射率を測定する超音波検出要素;及び
    コンパレータ
    を有し、及び
    前記液体ナノパーティクルは、液体フルオロカーボンのパーティクルの表面が前記超音波ターゲットに結合するリガンドに結合する脂質/界面活性剤でカプセル被膜化されたものであり、
    以下の工程:
    前記超音波源によってエネルギーを生成すること;
    前記超音波検出要素によって前記超音波ターゲットにより反射された音響エネルギーを検出し、温度変化前の音響反射率を測定すること;
    前記温度変化要素によってエネルギーを生成すること;
    前記超音波検出要素によって前記超音波ターゲットにより反射された音響エネルギーを検出し、温度変化後の音響反射率を測定すること;及び
    前記コンパレータによって前記温度変化前の音響反射率と前記温度変化後の音響反射率とを比較すること
    を有すること
    を特徴とする作動方法。
  4. ターゲットと結合する液体ナノパーティクルを有するターゲットの温度変化を測定する測定装置であって、該液体ナノパーティクルが、液体フルオロカーボンのパーティクルの表面が脂質/界面活性剤でカプセル被膜化されなるコアを有するものにおいて、
    該装置は、
    前記液体ナノパーティクルの温度を変化するよう構成された要素、
    前記ターゲットに音響エネルギーを送達するよう構成された超音波源、
    前記ターゲットの音響反射率を測定するよう構成される超音波検出要素、及び
    温度変化がない場合の前記ターゲットの音響反射率に対する、温度変化の際の前記ターゲットの音響反射率を決定するコンパレータ
    を有すること
    を特徴とする測定装置。
  5. 前記エネルギー源は、0.1W/cmより大きく2000W/cmより小さい強度を有する超音波エネルギー源であること
    を特徴とする請求項4に記載の装置。
  6. 前記温度を変化するよう構成された要素は、少なくとも5℃毎に温度を変化するよう構成されること
    を特徴とする請求項4又は5に記載の装置。
  7. 前記コンパレータは、温度の上昇前後における表面の音響反射率の差を含む画像を生成するよう構成されること
    を特徴とする請求項4〜6の何れか一項に記載の装置。
  8. インビボ標的化診断法のための、液体フルオロカーボンからなるコアの表面が脂質/界面活性剤カプセル被膜化されてなるナノパーティクルのエマルジョンを含む組成物であって、該ナノパーティクルが該ナノパーティクルを生物学的ターゲットに結合するためのリガンドと結合したものにおいて、
    前記診断法は、前記エマルジョンの存在下における前記ターゲットの画像化を含み、前記脂質/界面活性剤カプセル被膜化ナノパーティクルの前記コアは、該画像化中、液体フルオロカーボンとして存在し
    前記リガンドは、
    (a)アミン、アルデヒド、カルボキシル又はメルカプト基を介した、更に任意的にカップリング剤を介した、前記脂質/界面活性剤への化学的結合、又は
    (b)前記脂質/界面活性剤の高帯電ポリマーへの非共有結合的結合、又は
    (c)前記エマルジョン脂質/界面活性剤層へ組み込まれた誘導体化成分を含むプライマー材料への直接的結合
    によって前記ナノパーティクルと結合すること
    を特徴とする組成物。
  9. 前記プライマー材料は、
    ホスファチジルエタノールアミン(PE),
    N−カプロイルアミン−PE,
    n−ドデカニルアミン,
    ホスファチジルチオエタノール−N−1,2−ジアシル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[4−(p−マレイミドフェニル)ブチルアミド],
    1,2−ジアシル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[4−(p−マレイミドメチル)シクロヘキサン−カルボキシラート],
    1,2−ジアシル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート],
    1,2−ジアシル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N[PDP (ポリエチレングリコール) 2000],
    N−スクシニル−PE,
    N−グルタリル−PE,
    N−ドデカニル−PE,
    N−ビオチニル−PE,
    N−カプロイル−PE,
    1−エチル−3−(3−N,Nジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロライド、又は
    1−シクロヘキシル−3−(2−モルフォリノエチル)カルボジイミドメチル−p−トルエンスルホネートであること、
    及び/又は
    前記カップリング剤は、カルボジイミド、エチレン系不飽和化合物、複数のアルデヒド基を有するアルデヒドカップリング剤、二機能性N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、又はヘテロ二機能性試薬であること
    を特徴とする請求項8に記載の組成物。
  10. 前記リガンドは、抗体又は抗体のフラグメントであること、又は
    前記リガンドは、αβインテグリンに対して向けられていること
    を特徴とする請求項8又は9に記載の組成物。
  11. 前記抗体フラグメントは、F(ab’)、F(ab)又はscFvフラグメントであること
    を特徴とする請求項10に記載の組成物。
  12. 前記エマルジョンは、更に、治療剤、磁気共鳴画像化物質、分光画像化物質、陽電子放射断層撮影用画像化物質、X線画像化物質、核医学用画像化物質、又はこれらの組み合わせを含むこと
    を特徴とする請求項9〜11の何れか一項に記載の組成物。
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