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JP4205191B2 - α−アミノニトリル誘導体及びα−アミノ酸の製造方法 - Google Patents
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JP4205191B2 - α−アミノニトリル誘導体及びα−アミノ酸の製造方法 - Google Patents

α−アミノニトリル誘導体及びα−アミノ酸の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オキシムエステル化合物とシアン化剤、又はエノールエステル化合物とオキシム化合物とシアン化剤とから、α−アミノニトリル誘導体及びα−アミノ酸又はその塩を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
α−アミノ酸の製造法として、アルデヒド又はケトンをシアン化アルカリ及び塩化アンモニウム(又はアンモニア)で処理して対応するα−アミノニトリルとし(ストレッカー合成)、得られたα−アミノニトリルを濃塩酸などで加水分解する方法が知られている。
また、α−アミノ酸の他の製造法として、α−ハロゲン酸のアミノ化による方法、アシルアミノマロン酸エステル法、α−ケト酸の還元アミノ化法、アズラクトン合成法(アルデヒドとN−アシルグリシンとを無水酢酸中酢酸ナトリウムと反応させて得られる置換不飽和アズラクトンを氷酢酸中赤リンとヨウ化水素で還元する方法)なども知られている。
しかし、これらの方法は、収率、適用範囲などの点で必ずしも満足できる方法とはいえない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高い収率でα−アミノニトリル誘導体及びα−アミノ酸又はその塩を製造する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討した結果、金属触媒の存在下、オキシムエステル化合物とシアン化剤、又はオキシム化合物とエノールエステル化合物とシアン化剤とを反応させると、温和な条件であっても、対応するα−アミノニトリル誘導体が高い収率で得られることを見いだした。
【0005】
すなわち、本発明は、金属触媒の存在下、式(1)
【0006】
【化8】
Figure 0004205191
(式中、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、アリール基、及びシクロアルキル基から選択された基を示す。R及びRは、互いに結合して、隣接する炭素原子と共に環を形成していてもよい)で表されるオキシムエステル化合物と、シアン化剤とを反応させて、式(2)
【0007】
【化9】
Figure 0004205191
(式中、R4 はシアン化剤からシアノ基が脱離した残基又は水素原子を示す。R1 、R2 及びR3 は前記と同じ)で表されるα−アミノニトリル誘導体を生成させるα−アミノニトリル誘導体の製造方法を提供する。
本発明は、また、金属触媒の存在下、式(3)
【0008】
【化10】
Figure 0004205191
(式中、R、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、アリール基、及びシクロアルキル基から選択された基を示す。R、R及びRは、互いに結合して、隣接する1又は2個の炭素原子と共に環を形成していてもよい)で表されるエノールエステル化合物と、式(4)
【0009】
【化11】
Figure 0004205191
(式中、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、アリール基、及びシクロアルキル基から選択された基を示す。R及びRは、互いに結合して、隣接する炭素原子と共に環を形成していてもよい)で表されるオキシム化合物と、シアン化剤とを反応させて、前記式(2)で表されるα−アミノニトリル誘導体を生成させるα−アミノニトリル誘導体の製造方法を提供する。
【0010】
前記式において、Rは、例えば、水素原子、C1−6アルキル基、C 5−8シクロアルキル基、及びC6−10アリール基から選択できる。また、R及びRは、C1−6アルキル基、C5−8シクロアルキル基、及びC6−10アリール基などから選択でき、R及びRは、隣接する炭素原子と共に5〜10員のシクロアルカン環を形成していてもよい。R、R及びRは、例えば、水素原子、C1−6アルキル基、C5−8シクロアルキル基、及びC6−10アリール基から選択できる。Rは好ましくは水素原子又はメチル基であり、R及びRは好ましくは水素原子である。前記シアン化剤として、シアン化水素、金属シアニド、シアンヒドリン化合物、シアン化アシルなどを使用できる。
【0011】
本発明は、さらに、上記の製造方法により製造された前記式(2)で表されるα−アミノニトリル誘導体を加水分解して、式(5)
【0012】
【化12】
Figure 0004205191
(式中、R2 及びR3 は前記と同じ)で表されるα−アミノ酸又はその塩を生成させるα−アミノ酸又はその塩の製造方法を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
[金属触媒]
金属触媒には、種々の金属元素の単体及び化合物が含まれ、一種又は二種以上組合わせて使用できる。前記金属元素として、例えば、周期表2A族元素(マグネシウムMg、カルシウムCa、ストロンチウムSr、バリウムBaなど)、遷移金属元素、周期表3B族元素(ホウ素B、アルミニウムAlなど)などが挙げられる。なお、本明細書では、ホウ素Bも金属元素に含めるものとする。
前記遷移金属の元素としては、例えば、周期表3A族元素[希土類元素(例えば、スカンジウムSc、イットリウムY、ランタノイド系列元素(ランタンLa、セリウムCe、プラセオジムPr、ネオジムNd、プロメチウムPm、サマリウムSm、ユーロピウムEu、ガドリニウムGd、テルビウムTb、ジスプロシウムDy、ホルミウムHo、エルビウムEr、ツリウムTm、イッテルビウムYb、ルテチウムLu)、アクチノイド系列元素(例えば、アクチニウムAcなど)]、4A族元素(チタンTi、ジルコニウムZr、ハフニウムHfなど)、5A族元素(バナジウムV、ニオブNb、タンタルTaなど)、6A族元素(クロムCr、モリブデンMo、タングステンWなど)、7A族元素(マンガンMn、テクネチウムTc,レニウムReなど)、8族元素(鉄Fe、ルテニウムRu、オスミウムOs、コバルトCo、ロジウムRh、イリジウムIr、ニッケルNi、パラジウムPd、白金Ptなど)、1B族元素(銅Cu、銀Ag、金Auなど)、2B族元素(亜鉛Zn,カドミウムCdなど)などが挙げられる。
好ましい金属触媒を構成する元素には、遷移金属の元素(例えば、ランタノイド系列元素などの希土類元素、アクチノイド系列元素などの周期表3A族元素、4A族元素、5A族元素、6A族元素、7A族元素、8族元素、1B族元素、2B族元素)、3B族元素などが含まれる。
金属元素の化合物には、水酸化物、金属酸化物(複酸化物又は酸素酸若しくはその塩)、有機酸塩、無機酸塩、ハロゲン化物、前記金属元素を含む配位化合物(錯体)やポリ酸(ヘテロポリ酸やイソポリ酸)又はその塩などが含まれる。金属化合物において元素の原子価は特に制限されず、例えば2〜6価程度であってもよい。
【0014】
水酸化物には、例えば、Sm(OH)2 、Sm(OH)3 、Mn(OH)2 、MnO(OH)、Fe(OH)2 、Fe(OH)3 、及び対応する他の金属の水酸化物などが含まれる。金属酸化物には、例えば、SmO2 、SmO3 、TiO2 、ZrO2 、V2 3 、V2 5 、CrO、Cr2 3 、MoO3 、MnO、Mn34 、Mn23 、MnO2 、Mn27 、FeO、Fe2 3 、Fe3 4 、RuO2 、RuO4 、CoO、CoO2 、Co2 3 、RhO2 、Rh2 3 、Cu2 3 、及び対応する他の金属の酸化物などが含まれる。複酸化物または酸素酸若しくはその塩としては、例えば、MnAl24 、MnTiO3 、LaMnO3 、K2 Mn25 、CaO・xMnO2 (x=0.5,1,2,3,5)、マンガン酸塩[例えば、Na3 MnO4 、Ba3 [MnO42 などのマンガン(V)酸塩、K2 MnO4 、Na2 MnO4 、BaMnO4 などのマンガン(VI)酸塩、KMnO4 、NaMnO4 、LiMnO4 、NH4 MnO4 、CsMnO4 、AgMnO4 、Ca(MnO42 、Zn(MnO42 、Ba(MnO42 、Mg(MnO42 、Cd(MnO42 などの過マンガン酸塩]、モリブデン酸、タングステン酸、及び対応する他の金属の複酸化物または酸素酸若しくはその塩などが含まれる。
有機酸塩としては、例えば、有機カルボン酸(ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ナフテン酸、ステアリン酸などのモノカルボン酸、シュウ酸、マレイン酸などの多価カルボン酸)、オキシカルボン酸(グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸など)、チオシアン酸、スルホン酸(メタンスルホン酸、トリクロロメタンスルホン酸、トリフルロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸などのアルキルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などのアリールスルホン酸など)などの有機酸との塩が例示され、無機酸塩としては、例えば、硝酸塩、硫酸塩,リン酸塩、炭酸塩、過塩素酸塩など挙げられる。有機酸塩又は無機酸塩の具体例としては、例えば、酢酸サマリウム(II)、酢酸サマリウム(III)、酢酸コバルト、酢酸マンガン、プロピオン酸コバルト、プロピオン酸マンガン、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガン、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸マンガン、チオシアン酸マンガン、トリクロロ酢酸サマリウム(II)、トリクロロ酢酸サマリウム(III)、トリフルオロ酢酸サマリウム(II)、トリフルオロ酢酸サマリウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸サマリウム(II)(すなわち、サマリウム(II)トリフラート)、トリフルオロメタンスルホン酸サマリウム(III)(すなわち、サマリウム(III)トリフラート)、硝酸サマリウム(II)、硝酸コバルト、硝酸鉄、硝酸マンガン、硝酸ニッケル、硝酸銅、硫酸サマリウム(II)、硫酸コバルト、硫酸鉄、硫酸マンガン、リン酸サマリウム(II)、リン酸コバルト、リン酸鉄、リン酸マンガン、炭酸サマリウム(II)、炭酸鉄、炭酸マンガン、過塩素酸鉄、及び対応する他の金属の有機酸塩または無機酸塩などが挙げられる。
ハロゲン化物としては、フッ化物、塩化物、臭化物およびヨウ化物が含まれ、例えば、SmCl2 、SmCl3 、TiCl2 、TiCl4 、ZrCl2 、ZrOCl2 、VCl3 、VOCl2 、MoCl3 、MnCl2 ,MnCl3 、FeCl2 、FeCl3 、RuCl3 、CoCl2 、RhCl2 、RhCl3 、NiCl2 、PdCl2 、PtCl2 、CuCl、CuCl2 、AlCl3 などの塩化物や、これらに対応するフッ化物,臭化物やヨウ化物(例えば、SmF2 、SmF3 、SmBr2 、SmBr3 、SmI2 、SmI3 、MnF2 、MnBr2 、MnF3 、FeF2 、FeF3 、FeBr2 、FeBr3 、FeI2 、CuBr、CuBr2 など)などのハロゲン化物、M1 MnCl3 、M1 2MnCl4 、M1 2MnCl5 、M1 2MnCl6 (M1 は一価金属を示す)などの複ハロゲン化物、及び対応する他の金属のハロゲン化物などが挙げられる。
【0015】
錯体を形成する配位子としては、OH(ヒドロキソ)、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ基などのアルコキシ基、アセチル、プロピオニルなどのアシル基、メトキシカルボニル(アセタト)、エトキシカルボニルなどのアルコキシカルボニル基、アセチルアセトナト、シクロペンタジエニル、C1-4 アルキル置換シクロペンタジエニル(ペンタメチルシクロペンタジエニルなど)、塩素、臭素などハロゲン原子、CO、CN、酸素原子、H2 O(アコ)、ホスフィン(例えば、トリフェニルホスフィンなどのトリアリールホスフィン)などのリン化合物、テトラヒドロフランなどの酸素含有化合物、NH3 (アンミン)、NO、NO2 (ニトロ)、NO3 (ニトラト)、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ピリジン、フェナントロリンなどの窒素含有化合物などが挙げられる。錯体又は錯塩において、同種又は異種の配位子は一種又は二種以上配位していてもよい。
好ましい錯体における配位子は、例えば、OH、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アセチルアセトナト、シクロペンタジエニル、C1-2 アルキル置換シクロペンタジエニル、ハロゲン原子、CO、CN、H2 O(アコ)、トリフェニルホスフィンなどのリン化合物や、テトラヒドロフラン(THF)などの酸素含有化合物、NH3 、NO2 、NO3 を含めて窒素含有化合物である場合が多い。錯体として、例えば、アセチルアセトナト錯体(Ce,Ti,Zr,V,Cr,Mo,Mn,Fe,Ru,Co,Ni,Cu,Znなどのアセチルアセトナト錯体や、チタニルアセチルアセトナト錯体TiO(AA)2 、ジルコニルアセチルアセトナト錯体ZrO(AA)2 、バナジルアセチルアセトナト錯体VO(AA)2 、ジアセチルアセトナトサマリウム(II)、トリアセチルアセトナトサマリウム(III)など)、シアノ錯体(ヘキサシアノマンガン(I)酸塩,ヘキサシアノ鉄(II)酸塩など)、カルボニル錯体やシクロペンタジエニル錯体(ジシクロペンタジエニルサマリウム(II)、トリシクロペンタジエニルサマリウム(III)、ジペンタメチルシクロペンタジエニルサマリウム(II)、トリペンタメチルシクロペンタジエニルサマリウム(III)などのサマロセン型錯体、トリカルボニルシクロペンタジエニルマンガン(I)、ビスシクロペンダジエニルマンガン(II)、ビスシクロペンタジエニル鉄(II)、Fe(CO)5 、Fe2 (CO)9 、Fe3 (CO)12など)、ニトロシル化合物(Fe(NO)4 、Fe(CO)2 (NO)2 など)、チオシアナト錯体(コバルトチオシアナト、マンガンチオシアナト、鉄チオシアナトなど)、アセチル錯体(酢酸ジルコニルZrO(OAc)2 、酢酸チタニルTiO(OAc)2 、酢酸バナジルVO(OAc)2 など)、及び対応する他の金属の錯体などが挙げられる。
【0016】
ポリ酸(イソポリ酸やヘテロポリ酸)は、例えば、周期表5A族又は6A族元素、例えば、V(バナジン酸)、Mo(モリブデン酸)およびW(タングステン酸)の少なくとも一種である場合が多く、中心原子は特に制限されず、例えば、Cu、Be、B、Al、Si、Ge、Sn、Ti、Th、N、P、As、Sb、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、S、Se、Te、Mn、I、Fe、Co、Ni、Rh、Os、Ir、Pt、Cuなどであってもよい。ヘテロポリ酸またはその塩の具体例としては、例えば、リンモリブデン酸、リンタングステン酸、ケイモリブデン酸、ケイタングステン酸、コバルトモリブデン酸、コバルトタングステン酸、モリブデンタングステン酸、マンガンモリブデン酸、マンガンタングステン酸、マンガンモリブデンタングステン酸、バナドモリブドリン酸、リンバナドモリブデン酸,マンガンバナジウムモリブデン酸、マンガンバナドモリブドリン酸、及びこれらの塩などが挙げられる。
また、ホウ素化合物としては、例えば、ホウ酸(オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸など)、ホウ酸塩(例えば、ホウ酸ニッケル、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸マンガンなど)、B2 3 などのホウ素酸化物、ボラザン、ボラゼン、ボラジン、ホウ素アミド、ホウ素イミドなどの窒素化合物、BF3 、BCl3 、テトラフルオロホウ酸塩などのハロゲン化物、ホウ酸エステル(例えば、ホウ酸メチル、ホウ酸フェニルなど)などが挙げられる。
【0017】
前記金属触媒は、均一系であってもよく、不均一系であってもよい。また、触媒は、担体に触媒成分が担持された固体触媒であってもよい。担体としては、活性炭、ゼオライト、シリカ、シリカ−アルミナ、ベントナイトなどの多孔質担体を用いる場合が多い。固体触媒における触媒成分の担持量は、担体100重量部に対して、触媒成分0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜30重量部、さらに好ましくは1〜20重量部程度である。
【0018】
上記触媒は、前記式(1)で表されるオキシムエステル化合物とシアン化剤との反応、または前記式(3)で表されるエノールエステル化合物と、前記式(4)で表されるオキシム化合物と、シアン化剤との反応により、前記式(2)で表されるα−アミノニトリル誘導体を生成させる上で有用である。
【0019】
[オキシムエステル化合物]
式(1)で表されるオキシムエステル化合物において、R1 、R2 、R3 は、非反応性原子または非反応性有機基を示す。
非反応性原子又は非反応性有機基には、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基などが含まれる。
前記ハロゲン原子には、ヨウ素、臭素、塩素およびフッ素が含まれる。アルキル基には、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、オクタデシル基などの炭素数1〜20程度の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基(好ましくは炭素数1〜10程度のアルキル基)が含まれる。好ましいアルキル基としては、例えば、炭素数1〜6程度、特に炭素数1〜4程度の低級アルキル基が挙げられる。
【0020】
アルケニル基には、ビニル、プロペニル、2−プロペニル、ブテニル、ペンテニル、オクテニル、ドデシル基などの炭素数2〜20程度のアルケニル基(好ましくは炭素数2〜10、特に2〜6程度のアルケニル基)が含まれる。アルキニル基には、エチニル、プロピニル、オクチニル基などの炭素数2〜20程度のアルキニル基(好ましくは炭素数2〜10、特に2〜6程度のアルキニル基)が含まれる。
【0021】
アリール基には、フェニル基、ナフチル基などの炭素数6〜14程度のアリール基が含まれ、シクロアルキル基には、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル基などの炭素数3〜10程度のシクロアルキル基が含まれる。
複素環基に対応する複素環には、例えば、ヘテロ原子として酸素原子を含む複素環(例えば、フラン、オキサゾール、イソオキサゾール、テトラヒドロフランなどの5員環、ピランなどの6員環、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、キサントン、キサンテン、クロマン、イソクロマン、クロメンなどの縮合環)、ヘテロ原子として硫黄原子を含む複素環(例えば、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、チアジアゾール、ベンゾチオフェンなど)、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環(例えば、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、ピロリジンなどの5員環、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピペリジン、モルホリンなどの6員環、インドール、インドレン、イソインドール、インダゾール、インドリン、イソインドリン、キノリン、イソキノリン、キノリンキノリン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、プリン、カルバゾール、アクリジン、ナフトキノリン、フェナントロジン、フェナントロリン、ナフチリジン、ベンゾキノリン、フェノキサジン、フタロシアニン、アントラシアニンなどの縮合環)などが含まれる。
【0022】
2 及びR3 が、互いに結合して、隣接する炭素原子と共に形成する環としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、シクルヘプタン環、シクロオクタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環などのシクロアルカン環またはシクロアルケン環;ヘテロ原子として、酸素原子、イオウ原子、窒素原子を1〜3個含む非芳香族性複素環などが挙げられる。前記環の員数は、例えば3〜20、好ましくは3〜16、さらに好ましくは3〜12、特に5〜10程度である。
【0023】
1 、R2 、R3 における上記アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基、及びR2 とR3 が、互いに結合して、隣接する炭素原子と共に形成する環は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、置換オキシ基(例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基など)、置換チオ基(例えば、アルキルチオ基、アリールチオ基)、置換オキシカルボニル基(例えば、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基など)、オキソ基、カルバモイル基、置換カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、置換アミノ基、スルホ基、芳香族炭化水素基、複素環基、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基などが例示される。
【0024】
好ましいR1 には、水素原子、C1-10 アルキル基(例えば、C1-6 アルキル基、特にC1-4 アルキル基など)、C2-6 アルケニル基、C6-10 アリール基(例えば、フェニル基など)、C3-10 シクロアルキル基(例えば、C5-8 シクロアルキル基など)などが含まれる。なかでも、R1 として、水素原子、メチル基、エチル基、ビニル基、2−プロペニル基、フェニル基などが好ましい。
好ましいR2 、R3 には、C1-10 アルキル基(例えば、C1-6 アルキル基など)、C6-10 アリール基(例えば、フェニル基など)、C3-10 シクロアルキル基(例えば、C5-8 シクロアルキル基など)などが含まれる。また、R2 及びR3 が、互いに結合して、隣接する炭素原子と共に環(例えば3〜20員環、好ましくは3〜16員環、さらに好ましくは3〜12員環、特に5〜10員環)を形成するのも好ましい。R2 及びR3 を変化させることにより、対応する種々のα−アミノニトリル誘導体を生成させることができる。
【0025】
前記式(1)で表されるオキシムエステル化合物は、例えば、前記式(3)で表されるエノールエステル化合物と、前記式(4)で表されるオキシム化合物とを、前記金属触媒(例えば、サマリウム化合物などの周期表3族元素化合物など)の存在下で反応させることにより得ることができる。
【0026】
式(3)におけるR1 は、前記式(1)におけるR1 と同様である。式(3)中、R5 、R6 、R7 における非反応性有機基及び好ましい有機基としては、前記R2 、R3 における非反応性有機基及び好ましい有機基として例示した基などが挙げられる。また、R5 、R6 及びR7 が、互いに結合して、隣接する1又は2個の炭素原子と共に形成する環としては、前記R2 とR3 とが隣接する炭素原子とともに形成する環として例示したものが挙げられる。R5 としては、特に水素原子またはメチル基が好ましく、R6 及びR7 としては、特に水素原子であるのが好ましい。
式(3)で表される好ましい化合物には、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ギ酸イソプロペニル、酢酸イソプロペニル、プロピオン酸イソプロペニルなどが含まれる。
式(4)で表されるオキシム化合物としては、前記式(1)で表されるオキシムエステル化合物に対応する化合物を使用する。オキシム化合物(4)として、例えば、2−ヘキサノンオキシムなどの脂肪族オキシム、シクロヘキサノンオキシム、シクロペンタノンオキシムなどの脂環式オキシム、アセトフェノンオキシム、ベンゾフェノンオキシム、ベンジルジオキシムなどの芳香族オキシムなどが例示できる。
【0027】
式(3)で表される化合物と式(4)で表される化合物との反応は、通常、溶媒中で行われる。前記溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸セロソルブ、プロピオン酸エチルなどのエステル類;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒などが挙げられる。
【0028】
上記反応において、式(3)で表される化合物と式(4)で表される化合物との割合は、例えば、前者/後者(モル比)=1/5〜5/1、好ましくは1/2〜2/1、さらに好ましくは1/1.5〜1.5/1程度である。また、前記金属触媒の使用量は、式(4)で表される化合物1モルに対して、例えば、0.001〜1モル、好ましくは0.01〜0.5モル、さらに好ましくは0.05〜0.2モル程度である。反応温度は、例えば、0〜100℃、好ましくは10〜60℃、さらに好ましくは10〜40℃程度である。
【0029】
反応終了後、慣用の分離精製手段、例えば、濾過、濃縮、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどにより、前記式(1)で表される化合物を分離精製することができる。
【0030】
[シアン化剤]
シアン化剤としては、シアン化反応に用いられる慣用のシアン化剤を使用でき、例えば、シアン化水素、金属シアニド、シアンヒドリン化合物、シアン化アシル、ハロゲン化シアンなどが挙げられる。金属シアニドには、例えば、シアン化ナトリウム、シアン化カリウムなどのアルカリ金属のシアン化物;シアン化カルシウムなどのアルカリ土類金属のシアン化物;シアン化銅などの遷移金属のシアン化物などが含まれる。シアンヒドリン化合物には、脂肪族、脂環式または芳香族のアルデヒドまたはケトンに対応する広範囲のα−シアンヒドリン化合物が含まれる。α−シアンヒドリン化合物の代表的な例として、例えば、ヒドロキシアセトニトリル、ラクトニトリル、アセトンシアンヒドリン、2−ヒドロキシブタンニトリル、2−ヒドロキシ−4−メチルブタンニトリル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタンニトリル、2−ヒドロキシ−3−ブテンニトリル、2−ヒドロキシペンタンニトリル、2−ヒドロキシヘキサンニトリル、2−ヒドロキシオクタンニトリルなどの脂肪族α−シアンヒドリン;2−ヒドロキシ−シクロヘキサンアセトニトリル、シクロペンタノンシアンヒドリン、シクロヘキサノンシアンヒドリンなどの脂環式α−シアンヒドリン;マンデロニトリル、2−ヒドロキシ−3−フェニルブタンニトリルなどの芳香族α−シアンヒドリンなどが挙げられる。シアン化アシルには、シアン化アセチル、シアン化プロピオニルなどのシアン化脂肪族アシル;シアン化ベンゾイルなどのシアン化芳香族アシルなどが含まれる。ハロゲン化シアンには、塩化シアン、臭化シアンなどが含まれる。
好ましいシアン化剤には、シアン化水素、金属シアニド、シアンヒドリン化合物及びシアン化アシルが含まれる。なかでも、シアン化水素、アルカリ金属のシアン化物、シアンヒドリン化合物(特に、炭素数3〜8程度の脂肪族α−シアンヒドリン)などが好ましい。
【0031】
[式(1)の化合物とシアン化剤との反応]
前記式(1)で表される化合物とシアン化剤との反応は、溶媒の非存在下で行ってもよいが、通常、溶媒中で行われる。溶媒としては、前記式(3)の化合物と式(4)の化合物との反応で用いられる溶媒として例示した溶媒を使用できる。
シアン化剤の使用量は、式(1)で表される化合物1モルに対して、例えば、0.8モル以上(例えば、0.8〜5モル程度)、好ましくは0.8〜3モル、さらに好ましくは0.9〜1.5モル程度である。
周期表3族元素化合物の使用量は、式(1)で表される化合物1モルに対して、例えば、0.001〜1モル、好ましくは0.01〜0.5モル、さらに好ましくは0.05〜0.2モル程度である。反応温度は、例えば、0〜100℃、好ましくは10〜60℃、さらに好ましくは10〜40℃程度である。
【0032】
上記反応により、式(1)のオキシムエステル化合物に対応する式(2)で表されるα−アミノニトリル誘導体が生成する。式(2)において、R4 は、シアン化剤の種類により、使用したシアン化剤からシアノ基が脱離した残基または水素原子を示す。例えば、シアン化剤として、シアン化水素、金属シアニド、シアン化アシル、ハロゲン化シアンを用いた場合には、通常、R4 は使用したシアン化剤からシアノ基が脱離した残基(すなわち、それぞれ、水素原子、金属原子、アシル基、ハロゲン原子)を示す。また、シアン化剤として、シアンヒドリン化合物を用いた場合には、R4 は水素原子を示す。なお、シアン化剤として、例えば、金属シアニドなどを用いた場合でも、系内にプロトン性化合物(例えば、水、アルコールなど)が存在したり、反応後にプロトン性化合物を添加すると、R4 は水素原子に変換され得る。
【0033】
また、この反応において、系内に前記式(3)で表される化合物を存在させてもよい。この場合、式(3)の化合物の使用量は、例えば、式(1)で表される化合物1モルに対して、0.001〜2モル程度、好ましくは0.01〜1.8モル程度(例えば、0.5〜1.5モル程度)である。
【0034】
反応は、回分式、半回分式、連続式などの慣用の方法により行うことができる。反応終了後、式(2)で表される化合物は、慣用の分離精製手段、例えば、濾過、濃縮、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなど、またはこれらを組合せることにより分離精製できる。
【0035】
[式(3)の化合物と式(4)の化合物とシアン化剤の反応]
式(2)で表されるα−アミノニトリル誘導体は、前記金属触媒の存在下、前記式(3)の化合物と前記式(4)の化合物と前記シアン化剤とを反応させることによっても得ることができる。
この反応も、前記と同様、溶媒の存在または非存在下の何れの条件で行ってもよい。溶媒としては、前記式(1)の化合物とシアン化剤との反応の場合と同様の溶媒を用いることができる。この方法で用いる金属触媒として、サマリウム化合物などの周期表3族元素化合物などが好ましい。
この反応において、式(3)の化合物と式(4)の化合物との割合は、例えば、前者/後者(モル比)=1/5〜5/1、好ましくは1/2〜2/1、さらに好ましくは1/1.5〜1.5/1程度である。シアン化剤の使用量は、式(4)の化合物1モルに対して、例えば、0.8モル以上(例えば、0.8〜5モル程度)、好ましくは0.8〜3モル、さらに好ましくは0.9〜1.5モル程度である。また、金属触媒の使用量は、式(4)で表される化合物1モルに対して、例えば、0.001〜1モル、好ましくは0.01〜0.5モル、さらに好ましくは0.05〜0.2モル程度である。反応温度は、例えば、0〜100℃、好ましくは10〜60℃、さらに好ましくは10〜40℃程度である。
反応は、回分式、半回分式、連続式などの慣用の方法により行うことができる。反応終了後、前記と同様の分離精製手段により、前記式(2)で表される化合物を分離精製できる。
【0036】
本発明のα−アミノニトリル誘導体の製造方法によれば、α−アミノ酸の前駆体であるα−アミノニトリル誘導体を良好な収率で製造することができる。
【0037】
[α−アミノ酸またはその塩の製造]
α−アミノ酸またはその塩は、前記方法により得られた式(2)で表されるα−アミノニトリル誘導体を加水分解することによって得ることができる。
加水分解は、慣用の加水分解法、例えば、酸加水分解法、アルカリ加水分解法などにより行うことができる。
【0038】
酸加水分解に用いる酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などのスルホン酸などが挙げられる。酸の使用量は、触媒量程度であればよく、例えば、式(2)で表されるα−アミノニトリル誘導体1モルに対して、0.00001〜1モル程度、好ましくは0.00005〜0.5モル程度、さらに好ましくは0.0001〜0.1モル程度である。
水の使用量は、式(2)の化合物1モルに対して1モル以上、例えば、1〜100モル程度の範囲で適当に選択できる。加水分解は、反応を損なわない範囲で、有機溶媒の存在下で行ってもよい。有機溶媒としては、前記例示の溶媒が例示される。反応温度は、例えば、0〜150℃、好ましくは10〜110℃、さらに好ましくは40〜100℃程度である。
酸加水分解により、通常、遊離のα−アミノ酸またはα−アミノ酸の酸性塩が生成する。これらの生成物は、慣用の方法により、α−アミノ酸の塩基性塩に変換できる。
【0039】
アルカリ加水分解は塩基の存在下で行われる。塩基としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;炭酸マグネシウムなどのアルカリ土類金属の炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属の炭酸水素塩などが挙げられる。
塩基の使用量は、式(2)の化合物1モルに対して、1モル以上、例えば、1〜10モル程度、好ましくは1〜5モル程度、さらに好ましくは2〜3モル程度である。水の使用量は酸加水分解と同様であり、反応は前記の有機溶媒やアルコール(例えば、メタノール、エタノールなど)の存在下で行ってもよい。反応温度は、例えば、0〜150℃、好ましくは10〜110℃程度である。
アルカリ加水分解により、通常、対応するα−アミノ酸の塩基性塩が生成する。α−アミノ酸の塩基性塩は、慣用の方法により、遊離のα−アミノ酸またはα−アミノ酸の酸性塩に変換できる。
【0040】
加水分解反応は、回分式、半回分式、連続式などの慣用の方法により行なうことができる。反応終了後、反応生成物は、必要に応じてpHを調整した後、慣用の方法、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを組合せた分離手段により、容易に分離精製できる。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、オキシム化合物またはオキシムエステル化合物から、α−アミノニトリル誘導体を良好な収率で得ることができる。また、前記α−アミノニトリル誘導体を加水分解することにより、対応するα−アミノ酸またはその塩を収率よく製造できる。
【0042】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
調製例1
シクロヘキサノンオキシム2.3g(20ミリモル)、酢酸イソプロペニル2.0g(20ミリモル)、ジ(η5 −ペンタメチルシクロペンタジエニル)サマリウム[Cp* 2Sm(THF)2 ]0.9g(2ミリモル)、及びトルエン20mlの混合物を室温で1時間撹拌し、析出した結晶を濾過することにより、3.1gのアセチルオキシイミノシクロヘキサン(O−アセチルシクロヘキサノンオキシム)が得られた(収率100%)。
【0043】
調製例2
シクロヘキサノンオキシムに代えて、シクロペンタノンオキシムを20ミリモル用いた以外は、調製例1と同様の操作を行い、アセチルオキシイミノシクロペンタノン(O−アセチルシクロペンタノンオキシム)を得た(収率100%)。
【0044】
実施例1
上記調製例1で得られたアセチルオキシイミノシクロヘキサン0.155g(1ミリモル)、アセトンシアンヒドリン0.085g(1ミリモル)、ジ(η5 −ペンタメチルシクロペンタジエニル)サマリウム[Cp* 2Sm(THF)2 ]0.045g(0.1ミリモル)、及びトルエン1mlの混合物を、25℃で3時間撹拌した。ガスクロマトグラフィーにより分析した結果、反応混合液中には、アセチルオキシイミノシクロヘキサンの転化率74%で、1−アセチルオキシアミノ−1−シアノシクロヘキサンが0.089g(収率49%:アセチルオキシイミノシクロヘキサン基準)生成していた。なお、シクロヘキサノンオキシムが収率9%で生成していた。
【0045】
反応混合液をカラムクロマトグラフィーに付すことにより、1−アセチルオキシアミノ−1−シアノシクロヘキサンを分離精製し、 1H−NMR、13C−NMR、IR及びMASSの各スペクトルを測定した。
【0046】
1H−NMR(CDCl3)δ:1.15-2.15(10H, m), 2.11(3H, s), 7.58(1H, s)
13C−NMR(CDCl3)δ:18.67, 21.73, 24.64, 32.92, 59.43, 119.89, 169. 92
IR(cm-1):3852, 3750, 3648, 3207, 2950, 2885, 2363, 1740, 1540, 1507 , 1456, 1375, 1248, 1010, 977, 931, 606
MS:182(M+), 135, 123, 113, 81, 67, 53, 43, 27
実施例2
25℃で20時間撹拌した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、反応混合液中には、アセチルオキシイミノシクロヘキサンの転化率84%で、1−アセチルオキシアミノ−1−シアノシクロヘキサンが0.084g(収率46%:アセチルオキシイミノシクロヘキサン基準)生成していた。なお、シクロヘキサノンオキシムが収率21%で生成していた。
【0047】
実施例3
アセトンシアンヒドリンを0.17g(2ミリモル)使用した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、反応混合液中には、アセチルオキシイミノシクロヘキサンの転化率77%で、1−アセチルオキシアミノ−1−シアノシクロヘキサンが0.089g(収率49%:アセチルオキシイミノシクロヘキサン基準)生成していた。なお、シクロヘキサノンオキシムが収率17%で生成していた。
【0048】
実施例4
ジ(η5 −ペンタメチルシクロペンタジエニル)サマリウム[Cp* 2Sm(THF)2 ]に代えて、トリイソプロポキシサマリウム[Sm(O−i−Pr)3 ]を0.1ミリモル使用した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、反応混合液中には、アセチルオキシイミノシクロヘキサンの転化率80%で、1−アセチルオキシアミノ−1−シアノシクロヘキサンが0.031g(収率17%:アセチルオキシイミノシクロヘキサン基準)生成していた。なお、シクロヘキサノンオキシムが収率30%で生成していた。
【0049】
実施例5
ジ(η5 −ペンタメチルシクロペンタジエニル)サマリウム[Cp* 2Sm(THF)2 ]に代えて、無水塩化アルミニウム(AlCl3 )を0.1ミリモル使用した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、アセチルオキシイミノシクロヘキサンの転化率89%で、1−アセチルオキシアミノ−1−シアノシクロヘキサンが得られた(収率82%)。
【0050】
実施例6
ジ(η5 −ペンタメチルシクロペンタジエニル)サマリウム[Cp* 2Sm(THF)2 ]に代えて、塩化ジルコニル(ZrOCl2 )を0.1ミリモル使用した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、アセチルオキシイミノシクロヘキサンの転化率79%で、1−アセチルオキシアミノ−1−シアノシクロヘキサンが得られた(収率73%)。
【0051】
実施例7
ジ(η5 −ペンタメチルシクロペンタジエニル)サマリウム[Cp* 2Sm(THF)2 ]に代えて、四塩化チタン(TiCl4 )を0.1ミリモル使用した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、アセチルオキシイミノシクロヘキサンの転化率78%で、1−アセチルオキシアミノ−1−シアノシクロヘキサンが得られた(収率72%)。
【0052】
実施例8
ジ(η5 −ペンタメチルシクロペンタジエニル)サマリウム[Cp* 2Sm(THF)2 ]に代えて、亜鉛アセチルアセトナト[Zn(AA)2 ]を0.1ミリモル使用した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、アセチルオキシイミノシクロヘキサンの転化率68%で、1−アセチルオキシアミノ−1−シアノシクロヘキサンが得られた(収率64%)。
【0053】
実施例9
ジ(η5 −ペンタメチルシクロペンタジエニル)サマリウム[Cp* 2Sm(THF)2 ]に代えて、塩化銅[Cu(Cl)2 ]を0.1ミリモル使用した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、アセチルオキシイミノシクロヘキサンの転化率61%で、1−アセチルオキシアミノ−1−シアノシクロヘキサンが得られた(収率58%)。
【0054】
実施例10
ジ(η5 −ペンタメチルシクロペンタジエニル)サマリウム[Cp* 2Sm(THF)2 ]に代えて、塩化第二鉄[Fe(Cl)3 ]を0.1ミリモル使用した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、アセチルオキシイミノシクロヘキサンの転化率59%で、1−アセチルオキシアミノ−1−シアノシクロヘキサンが得られた(収率57%)。
【0055】
実施例11
ジ(η5 −ペンタメチルシクロペンタジエニル)サマリウム[Cp* 2Sm(THF)2 ]に代えて、塩化バナジル(VOCl2 )を0.1ミリモル使用した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、アセチルオキシイミノシクロヘキサンの転化率76%で、1−アセチルオキシアミノ−1−シアノシクロヘキサンが得られた(収率72%)。
【0056】
実施例12
ジ(η5 −ペンタメチルシクロペンタジエニル)サマリウム[Cp* 2Sm(THF)2 ]に代えて、塩化モリブデン[Mo(Cl)3 ]を0.1ミリモル使用した以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、アセチルオキシイミノシクロヘキサンの転化率74%で、1−アセチルオキシアミノ−1−シアノシクロヘキサンが得られた(収率73%)。
【0057】
実施例13
反応系内に酢酸イソプロペニルを1ミリモル添加して反応を行った以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、アセチルオキシイミノシクロヘキサンの転化率74%で、1−アセチルオキシアミノ−1−シアノシクロヘキサンが得られた(収率56%)。なお、反応混合液中には、シクロヘキサノンオキシムが収率4%で生成していた。
【0058】
実施例14
アセチルオキシイミノシクロヘキサンに代えて、調製例2で得られたアセチルオキシイミノシクロペンタンを1ミリモル用い、反応温度を50℃とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、1−アセチルオキシアミノ−1−シアノシクロペンタンが収率46%で得られた。
【0059】
IR(cm-1):3850,3740,3650,3200,2950,2360,1750,1540,1450,1250,950
MS:168(M+), 121, 109, 99, 67
実施例15
シクロヘキサノンオキシム0.115g(1ミリモル)、酢酸イソプロペニル0.1g(1ミリモル)、アセトンシアンヒドリン0.085g(1ミリモル)、ジ(η5 −ペンタメチルシクロペンタジエニル)サマリウム[Cp* 2Sm(THF)2 ]0.045g(0.1ミリモル)、及びトルエン1mlの混合物を、25℃で3時間撹拌したところ、反応混合液中には、シクロヘキサノンオキシムの転化率72%で、1−アセチルオキシアミノ−1−シアノシクロヘキサンが収率60%で生成していた。
【0060】
実施例16
実施例1と同様の操作により得られた1−アセチルオキシアミノ−1−シアノシクロヘキサン10ミリモル、水酸化カリウム20ミリモル、水10ml及びエタノール10mlの混合液を、60℃で4時間撹拌した。反応混合液を高速液体クロマトグラフィーにより分析したところ、1−アミノ−1−シクロヘキサンカルボン酸が、収率82%で生成していた。

Claims (8)

  1. 金属触媒の存在下、式(1)
    Figure 0004205191
    (式中、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、アリール基、及びシクロアルキル基から選択された基を示す。R及びRは、互いに結合して、隣接する炭素原子と共に環を形成していてもよい)で表されるオキシムエステル化合物と、シアン化剤とを反応させて、式(2)
    Figure 0004205191
    (式中、Rはシアン化剤からシアノ基が脱離した残基又は水素原子を示す。R、R及びRは前記と同じ)で表されるα−アミノニトリル誘導体を生成させるα−アミノニトリル誘導体の製造方法。
  2. 金属触媒の存在下、式(3)
    Figure 0004205191
    (式中、R、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、アリール基、及びシクロアルキル基から選択された基を示す。R、R及びRは、互いに結合して、隣接する1又は2個の炭素原子と共に環を形成していてもよい)で表されるエノールエステル化合物と、式(4)
    Figure 0004205191
    (式中、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、アリール基、及びシクロアルキル基から選択された基を示す。R及びRは、互いに結合して、隣接する炭素原子と共に環を形成していてもよい)で表されるオキシム化合物と、シアン化剤とを反応させて、式(2)
    Figure 0004205191
    (式中、Rはシアン化剤からシアノ基が脱離した残基又は水素原子を示す。R、R及びRは前記と同じ)で表されるα−アミノニトリル誘導体を生成させるα−アミノニトリル誘導体の製造方法。
  3. が、水素原子、C1−6アルキル基、C 5−8シクロアルキル基、及びC6−10アリール基から選択された基である請求項1または2記載のα−アミノニトリル誘導体の製造方法。
  4. 及びRが、同一又は異なって、C1−6アルキル基、C5−8シクロアルキル基、及びC6−10アリール基から選択された基であるか、又はR及びRが、隣接する炭素原子と共に5〜10員のシクロアルカン環を形成している請求項1または2記載のα−アミノニトリル誘導体の製造方法。
  5. 、R及びRが、同一又は異なって、水素原子、C1−6アルキル基、C5−8シクロアルキル基、及びC6−10アリール基から選択された基である請求項2記載のα−アミノニトリル誘導体の製造方法。
  6. が水素原子又はメチル基であり、R及びRが水素原子である請求項5記載のα−アミノニトリル誘導体の製造方法。
  7. シアン化剤が、シアン化水素、金属シアニド、シアンヒドリン化合物及びシアン化アシルから選択されたシアン化合物である請求項1または2記載のα−アミノニトリル誘導体の製造方法。
  8. 請求項1又は2記載の製造方法により製造された式(2)
    Figure 0004205191
    (式中、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、アリール基、及びシクロアルキル基から選択された基を示す。R及びRは、互いに結合して、隣接する炭素原子と共に環を形成していてもよい。Rはシアン化剤からシアノ基が脱離した残基又は水素原子を示す)で表されるα−アミノニトリル誘導体を加水分解して、式(5)
    Figure 0004205191
    (式中、R及びRは前記と同じ)で表されるα−アミノ酸又はその塩を生成させるα−アミノ酸又はその塩の製造方法。
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