JP4205229B2 - 効果付与装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力された楽音信号に効果を付与する効果付与装置に関し、特に、効果付与に使用するエンベロープ波形の生成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、効果付与装置には、エンベロープ信号を使用して、効果を付与するものがある。例えば、シンセサイザーでは、各楽音ごとにエンベロープ波形のアタック時間、デイケイ時間、リリース時間を設定し、押鍵されるごとに、発音された楽音のエンベロープを、上記設定された各時間で規定されたエンベロープとするものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような構成では、楽音が発音されるごとに、その楽音に対して効果を付与することができるだけであり、外部から連続的に供給される楽音信号に対してその楽音信号が表す音楽のテンポに一致した効果を付与することができない。
【0004】
本発明は、外部から入力される楽音信号が表す音楽の流れに一致し、かつ使用者の好みに応じた効果を付与することができる効果付与装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様による効果付与装置は、外部から楽音信号が入力される外部楽音信号入力手段を有し、前記楽音信号に対応するテンポを指定するテンポ指定手段も備えている。このテンポ指定手段は、前記楽音信号からテンポを抽出することもできるし、或いは使用者が前記楽音信号を聴取して、テンポを指定することもできる。この効果付与装置は、さらに、テンポ指定手段によって指定されたテンポに対応する周期の信号を繰り返し生成する周期信号生成手段を備えている。この効果付与装置は、更に、エンベロープ波形の形状を定める複数種類のパラメータを任意に設定可能なエンベロープパラメータ設定手段も備えている。複数種類のパラメータとしては、例えばエンベロープ波形が複数の区間によって構成されている場合、各区間の長さを設定するもの、これに加えて各区間のうち単数または複数の所定の区間での勾配または前記所定の区間との境界における値も設定するものとできる。このエンベロープパラメータ設定手段によって設定された前記各パラメータにより定められる形状を持つエンベロープ波形を、前記周期信号生成手段が生成した前記周期信号に応じて繰り返し生成するエンベロープ波形生成手段が設けられている。前記エンベロープ波形に基づいて、前記外部楽音信号入力手段に入力された楽音信号に、効果を付与する効果付与手段も備えられている。効果付与手段としては、楽音信号のレベルの変更手段、楽音信号のフィルタリング手段、楽音信号のピッチ変更手段または楽音信号のフランジャー手段等の種々の手段とすることができる。この効果付与装置は、前記効果付与手段を効果付与状態または効果非付与状態に任意のタイミングで切り換える切換手段を有して、前記切換手段による前記効果非付与状態から前記効果付与状態への切換に応動して、前記周期信号をリセットすることにより、前記エンベロープ波形の生成をリセットする。
【0006】
この効果付与装置では、楽音信号に付与される効果の付与状態を規定するエンベロープ波形が、この楽音信号のテンポに対応する周期を持つものであるので、楽音信号に付与される効果は、この周期で繰り返し付与される。しかも、エンベロープ波形の形状は、使用者が、その形状を複数種類のパラメータによって事前に設定したものであるので、使用者の好みに応じた効果を付与することができる。更に、周期信号をリセットすることにより、エンベロープ波形の生成をリセットしているので、リセット時から、楽音信号にその天保に対応した効果を付与することができる。リセット時は、切換手段の効果非付与状態から付与状態への切換によって決定されるので、任意のタイミングで効果を付与することができる。
【0011】
また、本発明の他の態様の効果付与装置では、上述した態様と同様に、外部楽音信号入力手段と、テンポ指定手段と、周期信号生成手段と、エンベロープパラメータ設定手段と、エンベロープ波形生成手段と、効果付与手段とを、備えている。更に、他の態様の効果付与装置は、前記効果付与手段を効果付与状態または効果非付与状態に任意のタイミングで切り換えることを指示する切換指示手段を有している。更に、他の態様の効果付与装置は、前記切換指示手段により前記効果非付与状態から前記効果付与状態への切換指示後に、前記周期信号生成手段により生成された前記周期信号或いは前記エンベロープ波形生成手段より生成された前記エンベロープ波形が所定の状態になったときに、前記効果付与状態に切り換える切換手段も、有している。前記所定の状態としては、例えば周期信号またはエンベロープ波形の位相が予め定めた位相、例えば初期位相になったときがある。
【0012】
このように構成すると、切換指示さえ与えると、その後に、周期信号やエンベロープ波形が所定の状態になったときに、自動的に効果付与状態となる。
【0016】
本発明の別の態様の効果付与装置も、外部楽音信号入力手段と、テンポ指定手段と、周期信号生成手段と、エンベロープパラメータ設定手段と、エンベロープ波形生成手段と、効果付与手段とを、備えている。更に、他の態様の効果付与装置では、前記エンベロープパラメータ設定手段によって設定可能な前記複数種類のパラメータは、前記エンベロープ波形の時間長に関するパラメータを含んでいる。前記エンベロープ波形生成手段は、前記エンベロープ波形の時間長に関するパラメータに関連して設定された前記エンベロープ波形全体の時間長が前記周期信号の周期よりも長いとき、前記周期信号の周期毎に前記エンベロープ波形を生成し直すことによって、前記エンベロープ波形全体の時間長を、前記周期信号の周期に合うように変更する。
【0017】
この場合、実際に形成されるエンベロープ波形は、エンベロープパラメータ設定手段によって設定されたものと異なるものとなり、想定されたものと異なる効果を付与することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の1実施の形態の効果付与装置は、図1に機能ブロック図によって示すように、外部楽音信号入力手段、例えば入力端子2を有している。この入力端子2に供給された外部からの連続する楽音信号は、切換手段、例えばエフェクト切換スイッチ4の接触子4aに供給される。
【0019】
エフェクト切換スイッチ4は、接点4b、4c、4dを有し、接触子4aは、接点4b、4c、4dのいずれかに接触可能であり、通常状態では、接触子4aは接点4cに接触しているが、切換指示手段、例えばエフェクトオン/オフ操作子6の操作によって接点4bまたは4dに接触する。但し、接点4dへの接触は、操作子6が操作されている間だけ維持され、エフェクトオン/オフ操作子6の操作を中止すると、自動的に接点4cへの接触状態に復帰する。
【0020】
接点4cは、可変抵抗器8を介して混合器10に接続される。従って、接点4cに接触子4aが接触している状態では、楽音信号は、効果が付与されずに混合器10に出力される。接点4b、4dは、効果付与手段、例えばカットオフ周波数可変フィルタ12及びレベル制御部14の縦列接続回路に接続されている。この縦列接続回路の出力は、可変抵抗器16を介して混合器10に供給される。従って、接点4bまたは4dに接触子4aが接触しているとき、効果が付与された楽音信号が混合器10に供給される。なお、可変抵抗器8、10はバランス操作子18の操作によって、その値が調整される。
【0021】
カットオフ周波数可変フィルタ12は、これに供給される制御信号に従って、そのカットオフ周波数が変化するローパスフィルタである。むろん、ローパスフィルタに代えて、ハイパスフィルタやバンドパスフィルタを使用することもできる。
【0022】
レベル制御部14は、これに供給される制御信号、例えばエンベロープ波形信号に従って、入力された楽音信号のレベルを制御するものである。なお、効果付与手段は、楽音信号に効果を付与するものであればよく、カットオフ周波数可変フィルタ12、レベル制御部14以外の種々のものを採用することができる。例えば、楽音信号のピッチを変更するものや、楽音信号にフランジ効果を付与するもの等を採用することができる。
【0023】
カットオフ周波数可変フィルタ12への制御信号は、加算器20から供給される。この加算器20には、第1の制御信号として、低周波発振器(LFO)22が発振する周期T’の低周波パルス信号を元に、波形生成部24が生成した周期T’を持つ波形信号が供給される。この波形信号の波形は、複数の波形、例えば鋸歯状波、台形波、三角波等のうち波形選択操作子26によって選択された1つの波形とされる。
【0024】
この波形信号の加算器20への経路中には、LFOオン/オフ操作子28によって開閉される開閉スイッチ30と、LFOデプス操作子32によって操作される可変抵抗器34とが設けられている。開閉スイッチ30がオンのとき、波形生成部24から波形信号が加算器20に供給されるが、開閉スイッチ30がオフのときには、波形生成部24からの波形信号は加算器20に供給されない。また、LFOデプス操作子32の操作によって、カットオフ周波数可変フィルタ12によってかけられる変調の深さが調整される。
【0025】
加算器20には、第2の制御信号として、後述するエンベロープ波形信号が供給される。このエンベロープ波形信号が加算器20に供給されており、かつLFOオン/オフスイッチ30がオンのときには、波形生成部24からの波形信号とエンベロープ波形信号とを加算したものが、フィルタ12に制御信号として供給される。エンベロープ波形信号が加算器20に供給されており、LFOオン/オフスイッチ30がオフのときには、エンベロープ波形信号のみが制御信号としてカットオフ周波数可変フィルタ12に供給される。また、エンベロープ波形信号が加算器20に供給されていない状態で、LFOオン/オフスイッチ28がオンのときには、波形生成部24からの波形信号のみがフィルタ12に制御信号として供給される。
【0026】
レベル制御部14には、切換スイッチ38の接触子38aが接点38bに接触しているときに、エンベロープ生成部36からのエンベロープ波形信号が、供給される。切換スイッチ38の接触子38aが接点38cに接触しているときには、上述したようにエンベロープ波形信号が加算器20に供給される。切換スイッチ38の接触子38aが接点38dに接触しているときには、エンベロープ波形信号はいずれにも供給されない。接触子38aの切換は、制御対象選択用操作子40の操作によって行われる。
【0027】
エンベロープ生成部36は、低周波発振器(LFO)42から供給される1つのパルス信号に応じて、その時点からの経過時間を計測して、それに基づき例えば図2に示すようなエンベロープ波形信号を生成するものである。LFO42からパルス信号が繰り返し供給されるため、いいかえれば低周波パルス信号が供給されるため、エンベロープ波形信号は、図3に示すように繰り返し発生される。このエンベロープ波形信号の周期Tは、LFO42が発生する低周波パルス信号に基づいて決定される。このエンベロープ波形信号は、アタック時間T1、デイケイ時間T2、サステイン時間T3、リリース時間T4と、アタックレベルmaxと、サステインレベルL1とによって規定されるものである。アタックレベルmaxは、予め定められた固定値であり、アタック時間T1、デイケイ時間T2、サステイン時間T3、サステインレベルL1を表す値の信号が、エンベロープパラメータ操作子43によってそれぞれ個別に設定される。
【0028】
また、リリース時間T4を表す値の信号は、演算部44によって、後述する乗算器46から与えられる周期Tを表す信号から、アタック時間T1、デイケイ時間T2、サステイン時間T3をそれぞれ表す信号を減算することによって算出され、エンベロープ生成部36に供給される。従って、全ての時間T1乃至T4を一々設定する必要はなく、4つの時間のうち1つの時間が自動的に設定されるので、設定操作が簡易化されている。なお、アタックレベルmaxを固定値としたが、エンベロープパラメータ操作子43の操作によって、任意に設定するように構成することもできる。
【0029】
LFO22は、乗算器45から供給される周期を示す値を有する信号T’の示す周期T’に等しい周期T’で低周波パルス信号を発生する。LFO42は、乗算器46から供給される周期を示す値を有する信号Tの示す周期Tに等しい周期で低周波パルス信号を発生する。これらLFO22、42は、切換スイッチ4の接触子4aが接点4bまたは4dに接触させられたとき、同時にリセットされ、直ちに所定の位相、例えば初期位相0からそれぞれ周期T’、Tの周期信号の発生を開始する。即ち、リセットされた時点で最初のパルスを発生し、その後は、T’、Tでパルスを繰り返し発生する。
【0030】
乗算器45、46には、共に周期変換部48からの周期を示す値を有する信号が供給されている。乗算器45では、この周期を示す値を有する信号に、音符選択部50によって選択された音符の長さ、例えば四分音符、二分音符、八分音符、十六分音符等のうち、使用者によって選択されたものを表す係数が、乗算されて、周期T’を示す値を有する信号を生成し、LFO22に供給される。同様に、乗算器46では、周期変換部48からの周期を示す値を有する信号に、音符選択部52によって選択された音符の長さを表す係数が乗算されて、周期Tを示す値を有する信号が生成され、LFO22に供給される。従って、音符選択操作子50、52の操作によって、周期T’とTとが等しい場合もあるし、一方が他方の何倍かの値となることもある。
【0031】
周期変換部48は、テンポ設定部54からのテンポ信号に基づいて、周期を示す値を有する信号を生成する。テンポ設定部54は、テンポ変更操作子56の操作によって開閉スイッチ58がオンに操作されているとき、テンポ抽出部60が入力端子2に供給された楽音信号から抽出したテンポを表すテンポ信号を、周期変換部48に供給する。また、開閉スイッチ58がオフに操作されているときには、入力端子2に供給されている楽音信号を使用者が聴取しながら、タップボタン62を操作することによって生成されたテンポ信号を、周期変換部48に供給する。従って、LFO22、42が発生する周期信号の周期T’、T、ひいては波形生成部24が発生する波形信号の周期及びエンベロープ生成部36が発生するエンベロープ波形信号の周期は、共に入力端子2に供給される楽音信号のテンポに基づくものである。
【0032】
なお、テンポ設定部54からのテンポ信号は、テンポ表示部62に供給され、設定されたテンポが表示される。また、テンポ信号は、テンポクロック生成部64に供給される。ここで生成されたテンポクロック信号は、MIDI信号として外部に供給される。
【0033】
なお、図1では、この効果付与装置を機能ブロック図で示したが、DSP、CPU及び各操作子に基づいて構成することもできる。
【0034】
このように構成された効果付与装置によれば、楽音信号が入力端子2に供給されると、テンポ抽出部60によって、またはタップスイッチ62の操作によって、テンポ信号が生成される。このテンポ信号が周期変換部48で周期を示す値を有する信号に変換され、乗算器45、46に供給される。この周期を示す値を有する信号は、音符選択操作子50の操作によって選択された音符の長さを表す係数と、乗算器45において乗算され、周期T’を示す信号T’を生成する。この信号T’がLFO22に供給され、LFO22は、周期T’の低周波パルス信号を生成する。これが、波形生成部24に供給される。波形生成部24は、この周期T’を持ち、波形選択操作子26によって選択された波形を持つ波形信号を生成する。LFO22が繰り返しパルス信号を発生しているので、この波形信号も繰り返し生成される。
【0035】
開閉スイッチ30がオンのときには、この波形信号のレベルが可変抵抗器34によって調整され、加算器20に供給される。このとき、エンベロープ波形信号が加算器20に供給されていないと、この波形信号がカットオフ周波数可変フィルタ12に供給される。切換スイッチ4の操作によって楽音信号がフィルタ12に供給されている場合、楽音信号に変調が繰り返しかけられる。この波形信号の周期が、楽音信号のテンポに対応したものであるので、音楽の流れに一致して変調がかけられる。なお、エンベロープ波形信号も供給されている場合には、波形信号とエンベロープ波形信号とを加算した信号に基づいて、変調がかけられる。なお、加算に代えて、乗算をするようにしてもよい。
【0036】
周期変換部48の周期を示す値を有する信号には、音符選択部52によって選択された音符の長さを表す係数が、乗算器46において乗算され、周期Tを示す値を有する信号が生成され、LFO42に供給される。LFO42は、周期Tの低周波パルス信号をエンベロープ生成部36に供給する。エンベロープ生成部36には、エンベロープパラメータ操作子43からT1、T2、T3、L1が供給され、かつ演算部44からT4が供給される。エンベロープ生成部36は、T1、T2、T3、T4、L1、maxで規定されるエンベロープ波形信号を周期Tで繰り返し生成する。
【0037】
制御対象選択操作子40によって切換スイッチ38の接触子38aが接点38bに接触させられていると、エンベロープ波形信号がレベル制御部14に供給される。このエンベロープ波形信号に従って、カットオフ周波数可変フィルタ12の出力信号のレベルが制御される。従って、入力された楽音信号の流れに一致したエンベロープが、楽音信号に付与される。
【0038】
また、切換スイッチ38の接触子38aが接点38cに接触していると、エンベロープ波形信号が加算器20に供給され、カットオフ周波数可変フィルタ12の制御に使用される。即ち、開閉スイッチ30がオフの状態では、エンベロープ波形信号のみによってカットオフ周波数可変フィルタ12のカットオフ周波数が可変される。従って、使用者の好みに応じて設定されたエンベロープ波形によって、カットオフ周波数可変フィルタ12のカットオフ周波数が可変される。また、開閉スイッチ30がオンの状態では、エンベロープ波形信号と波形信号との加算値によって、カットオフ周波数可変フィルタ12のカットオフ周波数が可変される。
【0039】
切換スイッチ4の接触子4aは、エフェクトオン/オフ操作子6の操作によって接点4bに接触させられると、次にエフェクトオン/オフ操作子6が操作されるまで、この接触状態を維持するので、楽音信号は継続的にカットオフ周波数可変フィルタ12に供給され、楽音信号には上述したような効果が付与される。一方、切換スイッチ4の接触子4aは、接点4dにはエフェクトオン/オフ操作子6が操作されている期間だけ接触し、操作が中止されると、自動的に接点4cへの接触状態に復帰する。従って、接触子4aが接点4dに接触するように、エフェクトオン/オフ操作子6が操作されている期間だけ、楽音信号には効果が付与される。
【0040】
また、切換スイッチ4の接点4aが、接点4bまたは4dに接触したとき、LFO22、42には同時にリセット信号が供給され、LFO22、24は、同時に新たな低周波パルス信号を発生する。従って、両低周波パルス信号は同期しており、エンベロープ波形信号も、波形信号に同期したものとなり、図4(a)に示すように、エフェクトオン指示が与えられた時点から新たなエンベロープ波形を発生する。なお、切換スイッチ4の接触子4aが接点4cに接触したとき、効果の付与が中止される。
【0041】
なお、エンベロープパラメータ操作子43が設定するパラメータT1、T2、T3、L1として実際の値が設定されている。従って、図5(a)に示すようにT1として周期Tよりも長い時間を設定することが可能である。この場合、周期Tが経過したときに、LFO42が新たなパルス信号を発生するので、図2に示すようなアタック、デイケイ、サステイン、リリースを備えた想定波形とは異なり、時間の経過と共に立ち上がる鋸歯状波を生成することができる。
【0042】
或いは同図(b)に示すようにT1をほぼ0とし、T2が周期Tよりも大きく、L1をmaxよりも小さい値に設定することも可能である。この場合も、図2の想定波形と異なり、発生と同時にmaxまで値が増加し、時間の経過と共に値が低下し、周期Tの経過時点で0まで低下する台形波を生成することもできる。この状態において、L1をほぼ0に変更すると、時間の経過と共に立ち下がる鋸歯状波を生成することができる。
【0043】
同様に、同図(c)に示すように、T3を0にすると共に、T1+T2がTより小さくなるように設定し、L1をmaxに等しく設定すると、図2の想定波形と異なり、発生時点では値が0で、時間の経過と共に値が増加し、T1時間の経過時に値がmaxとなり、この値を時間T2維持し、以後値が時間の経過と共に低下し、時間T4の経過時点で0となる台形波を生成することができる。
【0044】
このようにエンベロープパラメータの設定によって、想定波形と異なるエンベロープ波形信号を生成することができる。なお、T1、T2、T3、L1の設定可能範囲を予め定めて、常にアタック、デイケイ、サステイン、リリースの各区間を備えるものとすることもできる。また、エンベロープパラメータの設定法としては、上記のようにT1乃至T3の実時間を設定するものの他に、周期Tに対するT1乃至T3の比率を設定するものや、T1、T2に代えて、アタック期間の勾配、デイケイ期間の勾配を設定するようにすることもできる。勾配を設定する場合、maxを固定値としているので、アタック期間の勾配、デイケイ期間の勾配を設定することにより、T1、T2も自動的に決定される。
【0045】
上記の実施形態では、エンベロープ波形は、アタック、デイケイ、サステイン、リリースの4区間を持つものとしたが、図6に示すように、アタック(T1)、デイケイ(T2)、リリース(T3)の3区間を有するものとすることもできる。この場合、設定を簡易にするため、T1、T2、L1のみを設定し、T3を演算部によってT−T1−T2の演算によって算出するように構成することができる。
【0046】
また、上記の実施の形態では、エフェクトオン/オフ操作子6の操作により、効果付与をオフ状態からオン状態に切換指示したとき、LFO22、42の位相をリセットするようにしたが、これ以外の手段によりリセットすることもできる。例えば、テンポ抽出部60は、外部から入力した楽音信号からテンポを抽出する際に、テンポの他に拍の開始も抽出するようにし、開閉スイッチ58がオン操作されている間には、抽出した拍の開始を示す信号をLFO22、42に供給するようにする。このようにすれば、外部から入力した楽音信号の拍に同期して、LFO22、42の位相をリセットすることができる。
【0047】
また、上記の実施の形態では、エフェクトオン/オフ操作子6の操作により、効果付与をオフ状態からオン状態に切換指示したときに、LFO22、42の位相をリセットするようにしたが、これ以外の制御態様を設け、複数の制御態様の中から、所望の制御態様を選択できるようにすることもできる。
【0048】
例えば、上記の実施の形態で説明した制御態様を第1の制御態様とし、これ以外に、次に説明する第2の制御態様、第3の制御態様を設け、いずれかの制御態様を任意に選択する。
【0049】
第2の制御態様では、エフェクトオン/オフ操作子6により効果付与をオフ状態からオン状態に切換指示しても、LFO22、42にリセット信号を供給しない。また、エフェクトオン/オフ操作子6により効果付与をオフ状態からオン状態に切換指示しても、切換スイッチ4の接触子4aを接点4cに接触したままとし、LFO22或いはLFO42の発生する低周波パルス信号の位相が初期位相、即ち、リセットされた時点と同じ位相となったことを位相検出手段によって検出し、これが検出されたときに、切換スイッチ4の接触子4aを接点4bまたは4dに接触させる。従って、LFO22、42は、効果付与状態がオン状態に切換指示されても、指示以前の状態を依然として保ち、同様に、エンベロープ生成部36も効果付与状態がオン状態に切換指示される以前の状態を保つ。そして、LFO22或いはLFO42の発生する低周波パルス信号の位相が初期位相となった時点で、初めて図4(b)に示すように、効果の付与が開始される。
【0050】
従って、LFO22或いは42の発生する低周波パルス信号の位相をリセットすることなく、この低周波パルス信号の位相に同期して、効果を付与し始めることができるので、エフェクトオン/オフ操作子6をラフなタイミングで操作しても、楽音信号に同期して効果付与を開始することができる。
【0051】
なお、切換スイッチ4の接触子4aを接点4b或いは4dに接触させる時点をLFO22或いはLFO42の発生する低周波パルス信号の位相が初期位相となった時点とする事に代えて、エンベロープ生成部36が発生するエンベロープ波形信号が所定のレベル例えば0になったことをレベル検出部によって検出し、これを検出した時点で接触子4aを接点4bまたは4dに接触させても、前述と同様なことができる。また、エンベロープ生成部36が、パルス信号の入力からの経過時間を計測して、エンベロープ波形信号を生成するものである場合、その経過時間が所定の値になったことを検出部で検出した時点に、切換スイッチ4を切り換えるようにしても、同様なことができる。
【0052】
第3の制御態様では、第2の制御態様と同様に、エフェクトオン/オフ操作子6により、効果付与をオフ状態からオン状態に切換指示しても、LFO22、42にリセット信号を供給しない。但し、第3の制御態様では、第2の制御態様と異なり、エフェクトオン/オフ操作子6により効果付与をオフ状態からオン状態に切換指示された時点で、直ちに図4(c)に示すように、効果の付与を開始する。
【0053】
なお、いずれの制御態様においてもエフェクトオン/オフ操作子6により、効果付与をオン状態からオフ状態に切換指示があったとき、図4(b)、(c)に示すように、効果の付与を停止する。
【0054】
【発明の効果】
以上のように、本発明の効果付与装置によれば、楽音信号の流れに一致し、しかも使用者の好みに応じた効果を、繰り返し付与することができる。また、切換手段の効果付与状態から付与状態への切換は、任意のタイミングに行え、この切換によってエンベロープ波形信号をリセットしているので、効果を任意のタイミングで付与することができる。同様に切換指示を与えるタイミングを、周期信号やエンベロープ波形が所定の状態になるタイミングとしなくても、周期信号やエンベロープ波形が所定の状態になったときに、自動的に効果付与状態とできるので、ラフなタイミングで切換指示を与えても、楽音信号に同期して、効果付与を開始することができる。更に、実際に形成されるエンベロープ波形は、エンベロープパラメータ設定手段によって設定されたものと異なるものとでき、想定されたものと異なる効果を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施の形態の効果付与装置のブロックダイアグラムである。
【図2】図1の効果付与装置が発生するエンベロープ波形信号の1周期分を示す波形図である。
【図3】図1の効果付与装置が発生するエンベロープ波形信号の複数周期分を示す波形図である。
【図4】図1の効果付加装置における効果付与及び停止のタイミングを示す図である。
【図5】パラメータの値を種々に変更した場合の図3のエンベロープ波形信号の波形図である。
【図6】図1の効果付与装置が発生するエンベロープ波形信号の他の例の波形図である。
【符号の説明】
2 入力端子(外部楽音信号入力手段)
12 カットオフ周波数可変フィルタ(効果付与手段)
14 レベル制御部(効果付与手段)
22 LFO(周期信号生成手段)
36 エンベロープ生成部(エンベロープ波形生成手段)
43 エンベロープパラメータ操作子(エンベロープパラメータ設定手段)
42 LFO(周期信号生成手段)
54 テンポ設定部(テンポ指定手段)
Claims (3)
- 外部から楽音信号が入力される外部楽音信号入力手段と、
前記楽音信号に対応するテンポを指定するテンポ指定手段と、
このテンポ指定手段によって指定されたテンポに対応する周期の信号を繰り返し生成する周期信号生成手段と、
エンベロープ波形の形状を定める複数種類のパラメータを任意に設定可能なエンベロープパラメータ設定手段と、
このエンベロープパラメータ設定手段によって設定された前記各パラメータにより定められる形状を持つエンベロープ波形を、前記周期信号生成手段が生成した前記周期信号に応じて繰り返し生成するエンベロープ波形生成手段と、
前記エンベロープ波形に基づいて、前記外部楽音信号入力手段に入力された楽音信号に、効果を付与する効果付与手段とを、
備えた効果付与装置であって、
前記効果付与手段を効果付与状態または効果非付与状態に任意のタイミングで切り換える切換手段を有し、
前記切換手段による前記効果非付与状態から前記効果付与状態への切換に応動して、前記周期信号をリセットすることにより、前記エンベロープ波形の生成をリセットする
効果付与装置。 - 外部から楽音信号が入力される外部楽音信号入力手段と、
前記楽音信号に対応するテンポを指定するテンポ指定手段と、
このテンポ指定手段によって指定されたテンポに対応する周期の信号を繰り返し生成する周期信号生成手段と、
エンベロープ波形の形状を定める複数種類のパラメータを任意に設定可能なエンベロープパラメータ設定手段と、
このエンベロープパラメータ設定手段によって設定された前記各パラメータにより定められる形状を持つエンベロープ波形を、前記周期信号生成手段が生成した前記周期信号に応じて繰り返し生成するエンベロープ波形生成手段と、
前記エンベロープ波形に基づいて、前記外部楽音信号入力手段に入力された楽音信号に、効果を付与する効果付与手段とを、
備えた効果付与装置であって、
前記効果付与手段を効果付与状態または効果非付与状態に任意のタイミングで切り換えることを指示する切換指示手段と、
前記切換指示手段により前記効果非付与状態から前記効果付与状態への切換指示後に、前記周期信号生成手段により生成された前記周期信号或いは前記エンベロープ波形生成手段より生成された前記エンベロープ波形が所定の状態になったときに、前記効果付与状態に切り換える切換手段とを、
有する効果付与装置。 - 外部から楽音信号が入力される外部楽音信号入力手段と、
前記楽音信号に対応するテンポを指定するテンポ指定手段と、
このテンポ指定手段によって指定されたテンポに対応する周期の周期信号を繰り返し生成する周期信号生成手段と、
エンベロープ波形の形状を定める複数種類のパラメータを任意に設定可能なエンベロープパラメータ設定手段と、
このエンベロープパラメータ設定手段によって設定された前記各パラメータにより定められる形状を持つエンベロープ波形を、前記周期信号生成手段が生成した前記周期信号に応じて繰り返し生成するエンベロープ波形生成手段と、
前記エンベロープ波形に基づいて、前記外部楽音信号入力手段に入力された楽音信号に、効果を付与する効果付与手段とを、備えた効果付与装置であって、
前記エンベロープパラメータ設定手段によって設定可能な前記複数種類のパラメータは、前記エンベロープ波形の時間長に関するパラメータを含み、
前記エンベロープ波形生成手段は、前記エンベロープ波形の時間長に関するパラメータに関連して設定された前記エンベロープ波形全体の時間長が前記周期信号の周期よりも長いとき、前記周期信号の周期毎に前記エンベロープ波形を生成し直すことによって、前記エンベロープ波形全体の時間長を、前記周期信号の周期に合うように変更する効果付与装置。
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