JP4211091B2 - コンクリートの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主としてドライバッチによるコンクリートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンクリートの製造から運搬までの方法としては、工場で製造されたレディミクストコンクリートをミキサー車に投入し、これを攪拌しながら現場まで搬送する方法と、工場で計量された細骨材、粗骨材及びセメントをミキサー車に投入し、これを攪拌しながら現場まで搬送し、現場に到着後、所定量の水及び混和剤を投入する方法の2つがある。
【0003】
後者の方法は、いわゆるドライバッチと呼ばれているものであり、ミキサー車に水を投入しないことからスランプ低下や流動性低下の懸念がなく、長距離搬送に適したコンクリートの製造方法といえる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ドライバッチによる方法でも、細骨材が湿潤状態で保管される場合が多いことから、細骨材の表面水率によっては、搬送中においてセメントの一部が細骨材の表面水と反応し凝結を開始してしまうという問題を生じていた。また、その結果として、現場で水や混和剤を投入する際、予定していた量よりも多めの水やAE剤を投入しなければ、設計上のスランプや空気量を確保することができないという事態を招き、コンクリート強度の低下を余儀なくされるという問題も生じていた。
【0005】
一方、湿潤状態の細骨材を粗骨材やセメントと混合した状態で放置してもスランプを実質的に低下させずに済む限界時間、いわば限界放置時間が存在するが、細骨材の表面水率を3%程度に抑えることができたとしても、限界放置時間は1時間がせいぜいで、ドライバッチ方式を採用する理由がなくなってしまう。そして、そもそもプラントに山積みされた細骨材の表面水率を3%程度に抑えること自体、大変な手間とコストがかかる。
【0006】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、ドライバッチ方式において細骨材の表面水に起因するセメント凝結を回避可能なコンクリートの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係るコンクリートの製造方法は請求項1に記載したように、粗骨材及び表面水率が6%以下の湿潤状態の細骨材からなる骨材の一部を絶乾状態若しくは気乾状態となるように乾燥させ、次いで前記骨材を混合攪拌することにより、前記湿潤状態の細骨材の表面水を前記粗骨材若しくは前記乾燥させた細骨材に吸収させ、しかる後に前記骨材をセメントとともに混合攪拌しつつ搬送し、次いで、水及び必要な混和剤を投入してコンクリートを製造するものである。
また、本発明に係るコンクリートの製造方法は請求項2に記載したように、粗骨材及び湿潤状態の細骨材からなる骨材の一部を絶乾状態若しくは気乾状態となるように乾燥させ、次いで前記骨材を混合攪拌することにより、乾燥させていない細骨材の表面水率を1%〜8%低減させ、しかる後に前記骨材をセメントとともに混合攪拌しつつ搬送し、次いで、水及び必要な混和剤を投入してコンクリートを製造するものである。
【0008】
また、本発明に係るコンクリートの製造方法は、前記粗骨材を絶乾状態若しくは気乾状態になるように乾燥させ、該粗骨材を前記セメントとの混合攪拌工程の前に前記湿潤状態の細骨材とともに混合攪拌するものである。
【0009】
また、本発明に係るコンクリートの製造方法は、前記粗骨材に人工軽量骨材を使用するものである。
【0010】
本発明に係るコンクリートの製造方法においては、まず、粗骨材及び湿潤状態の細骨材からなる骨材の一部を乾燥させ、次いで、かかる骨材を混合攪拌する。
【0011】
このようにすると、湿潤状態の細骨材の表面水が、乾燥によって吸水能力が生じた細骨材若しくは粗骨材の方に吸収され、結局、当初湿潤状態にあった細骨材は、表乾状態若しくは気乾状態となって表面水をもたない状態となるか、わずかな表面水しか存在しない状態となる。
【0012】
次に、かかる状態にて骨材をセメントとともに混合攪拌しつつ現場まで搬送し、次いで、現場にて水及び必要な混和剤を投入してコンクリートを製造する。
【0013】
このとき、細骨材は、表乾若しくは気乾状態となっているかあるいは表面水率がきわめて小さな状態となっているので、セメントとともに混合攪拌しても、セメントと細骨材の表面水との反応は、実質的に生じないか若しくは大幅に抑制される。
【0014】
骨材を乾燥させる程度は、絶乾状態である必要はなく、わずかでも吸水能力を有する気乾状態で足りるし、粗骨材及び湿潤状態の細骨材からなる骨材のうち、乾燥させる骨材の種類とその量についても任意であって、粗骨材だけ乾燥させる、粗骨材に加えて湿潤状態の細骨材の一部を乾燥させるなどの方法が考えられるが、前記粗骨材を絶乾状態若しくは気乾状態になるように乾燥させ、該粗骨材を前記セメントとの混合攪拌工程の前に前記湿潤状態の細骨材とともに混合攪拌する場合においては、細骨材の表面水が絶乾若しくは気乾状態にある粗骨材に吸収され、湿潤状態にあった細骨材は、表乾若しくは気乾状態となるかあるいは表面水率がきわめて小さい湿潤状態となる。
【0015】
したがって、かかる状態でセメントと混合攪拌すれば、従来のような細骨材の表面水とセメントとの反応が確実に防止され若しくは大幅に抑制される。なお、この構成では、湿潤状態の細骨材を乾燥させるよりも、より効率的な乾燥が可能となる。
【0016】
ここで、粗骨材に高吸水骨材若しくは人工軽量骨材を使用するならば、吸水性能が高い分だけ、細骨材の表面水を吸収する能力が大きくなる。したがって、必要な乾燥の程度が緩和されるとともに、使用可能な細骨材の表面水率の上限も緩和される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るコンクリートの製造方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0018】
図1は、本実施形態に係るコンクリートの製造方法の手順を示したフローチャートである。同図でわかるように、本実施形態に係るコンクリートの製造方法においては、まず、粗骨材及び湿潤状態の細骨材からなる骨材のうち、粗骨材を絶乾状態若しくはそれに近くなるまで乾燥炉等を用いて乾燥させる(ステップ101)。粗骨材は、できるだけ吸水性の高いものを使用し、できれば高吸水骨材若しくは人工軽量骨材を使用するのが望ましい。
【0019】
次に、乾燥が終了した粗骨材を湿潤状態の細骨材とともにミキサー車に投入し、これらを混合攪拌する(ステップ102)。
【0020】
このようにすると、湿潤状態の細骨材の表面水が、乾燥によって吸水能力が生じた粗骨材の方に吸収され、結局、当初湿潤状態にあった細骨材は、表乾若しくは気乾状態か、あるいは表面水率がきわめて小さな湿潤状態に変化する。
【0021】
次に、ミキサー車にセメントを追加投入して粗骨材及び細骨材からなる骨材とともに混合攪拌しつつ現場まで搬送する(ステップ103)。このとき、細骨材は、表乾若しくは気乾状態あるいは表面水率のきわめて小さな湿潤状態にあるため、セメントとともに混合攪拌しても、セメントと細骨材の表面水との反応は、実質的に生じないか若しくは大幅に抑制される。
【0022】
次に、現場にて水及び必要な混和剤をミキサー車に投入してコンクリートを製造する(ステップ104)。なお、この段階で粗骨材及び細骨材が気乾状態になっておれば、示方配合に合うように適宜水量補正を行う。
【0023】
以上説明したように、本実施形態に係るコンクリートの製造方法によれば、粗骨材を絶乾状態若しくはそれに近い状態に乾燥させ、該粗骨材を湿潤状態にある細骨材とともに攪拌混合し、しかる後にセメントとともに混合攪拌しながら現場まで搬送するようにしたので、細骨材は、その表面水が粗骨材に吸収されて表乾若しくは気乾状態あるいは表面水率がきわめて小さな湿潤状態となる。
【0024】
したがって、このような粗骨材及び細骨材をセメントとともに混合攪拌しながら現場まで長時間搬送しても、セメントと細骨材の表面水との反応を実質的になくすか、あるいは大幅に抑制することが可能となり、限界放置時間(スランプを実質的に減少させずに済む限界時間)を大幅に延ばすことができる。例えば、細骨材の表面水率を1%以下に調整できたとすると、限界放置時間は、約3時間になる。
【0025】
ちなみに、従来においては、細骨材の表面水率が3%以上になると、限界放置時間は1時間となり、ドライバッチ方式の利点である長距離搬送はほとんど不可能であった。また、細骨材の表面水率が3%の場合に3時間放置すると、コンクリート圧縮強度が20%低下し、表面水率が6%の場合に6時間放置すると、コンクリート圧縮強度が50%低下する。
【0026】
一方、本実施形態に係るコンクリートの製造方法によれば、湿潤状態の細骨材を表面水率がきわめて小さな状態に変化させて限界放置時間を延ばすことができるので、遠方の現場であっても示方配合通りの水やAE剤で設計通りのスランプ、空気量及びコンクリート強度を確保することが可能となる。
【0027】
また、本実施形態に係るコンクリートの製造方法によれば、粗骨材及び湿潤状態の細骨材からなる骨材のうち、粗骨材を乾燥させるようにしたので、湿潤状態の細骨材の一部を乾燥させるよりも、乾燥効率の向上を図ることが可能となる。
【0028】
また、本実施形態に係るコンクリートの製造方法によれば、粗骨材に高吸水骨材若しくは人工軽量骨材を使用するようにしたので、吸水性能が高い分だけ、細骨材の表面水を吸収する能力が大きくなる。したがって、必要な乾燥の程度が緩和されて乾燥工程の負担が軽くなるとともに、使用可能な細骨材の表面水率の上限も例えば5%から6%に緩和される。
【0029】
ここで、3つのコンクリート配合例(いずれもスランプ8cm)を表1に示すとともに、各配合で使用する3種類の粗骨材の吸水可能量とその吸水可能量を細骨材の表面水率に換算した値とを表2に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
表2から、表1に示した配合例では、標準的な骨材、高吸収骨材、人工軽量骨材の3種類の粗骨材を絶乾状態まで乾燥させた場合、それぞれ約1%、3%、8%の表面水率に相当する細骨材の表面水を吸収する(言い換えれば、表面水率をそれぞれ約1%、3%、8%低減させる)ことが可能であることがわかる。
【0033】
本実施形態では、粗骨材及び湿潤状態の細骨材からなる骨材の一部を乾燥させるようにしたが、骨材すべてを乾燥させるようにしても、セメントを追加投入して混合攪拌したときのセメントの凝結を防止することができることは言うまでもない。なお、かかる構成においては、骨材同士の混合攪拌工程を省略することが可能となる。
【0034】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1及び2に係る本発明のコンクリートの製造方法によれば、湿潤状態にあった細骨材は、表乾若しくは気乾状態となるかあるいは表面水率がきわめて小さい湿潤状態となる。したがって、このような粗骨材及び細骨材をセメントとともに混合攪拌しながら現場まで長時間搬送しても、セメントと細骨材の表面水との反応を実質的になくすか、あるいは大幅に抑制することが可能となり、限界放置時間を大幅に延ばすことができるとともに、その結果、遠方の現場であっても示方配合通りの水やAE剤で設計通りのスランプ、空気量及びコンクリート強度を確保することが可能となる。
【0035】
また、請求項3に係る本発明のコンクリートの製造方法によれば、湿潤状態の細骨材の一部を乾燥させるよりも、乾燥効率の向上を図ることが可能となるという効果も奏する。
【0036】
また、請求項4に係る本発明のコンクリートの製造方法によれば、吸水性能が高い分だけ、細骨材の表面水を吸収する能力が大きくなり、必要な乾燥の程度が緩和されるとともに、使用可能な細骨材の表面水率の上限も緩和されるという効果も奏する。
【0037】
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るコンクリートの製造方法の手順を示したフローチャート。
Claims (4)
- 粗骨材及び表面水率が6%以下の湿潤状態の細骨材からなる骨材の一部を絶乾状態若しくは気乾状態となるように乾燥させ、次いで前記骨材を混合攪拌することにより、前記湿潤状態の細骨材の表面水を前記粗骨材若しくは前記乾燥させた細骨材に吸収させ、しかる後に前記骨材をセメントとともに混合攪拌しつつ搬送し、次いで、水及び必要な混和剤を投入してコンクリートを製造することを特徴とするコンクリートの製造方法。
- 粗骨材及び湿潤状態の細骨材からなる骨材の一部を絶乾状態若しくは気乾状態となるように乾燥させ、次いで前記骨材を混合攪拌することにより、乾燥させていない細骨材の表面水率を1%〜8%低減させ、しかる後に前記骨材をセメントとともに混合攪拌しつつ搬送し、次いで、水及び必要な混和剤を投入してコンクリートを製造することを特徴とするコンクリートの製造方法。
- 前記粗骨材を絶乾状態若しくは気乾状態になるように乾燥させ、該粗骨材を前記セメントとの混合攪拌工程の前に前記湿潤状態の細骨材とともに混合攪拌する請求項1又は2記載のコンクリートの製造方法。
- 前記粗骨材に人工軽量骨材を使用する請求項3記載のコンクリートの製造方法。
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