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JP4212289B2 - 圧電磁器の製造方法 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペロブスカイト型酸化物を含有する圧電磁器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧電磁器としては、従来より、優れた圧電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)が最も多く利用されている。しかし、チタン酸ジルコン酸鉛は鉛を多く含んでいるので、最近では、酸性雨による鉛の溶出など地球環境におよぼす悪影響が問題となっている。そこで、チタン酸ジルコン酸鉛に代替する、鉛を含有しない圧電磁器の開発が望まれている。
【0003】
鉛を含有しない圧電磁器としては、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO3 )を主成分として含むものが知られている(特開平2−159079号公報参照)。この圧電磁器は、比誘電率εrおよび電気機械結合係数krが優れており、アクチュエータ用の圧電材料として有望である。また、鉛を含有しない他の圧電磁器としては、例えば、ニオブ酸ナトリウムカリウムリチウムを主成分として含むものが知られている(特開昭49−125900号公報または特公昭57−6713号公報参照)。この圧電磁器は、キュリー温度が350℃以上と高く、電気機械結合係数krも優れていることから、圧電材料として期待されている。更に、最近では、ニオブ酸ナトリウムカリウムとタングステンブロンズ型酸化物とを複合化したものも報告されている(特開平9−165262号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの鉛を含まない圧電磁器は、鉛系の圧電磁器に比べて圧電特性が低く、十分に大きな発生変位量を得ることができないという問題があった。特に、ニオブ酸ナトリウムカリウムリチウムなどのペロブスカイト型酸化物では、ナトリウム(Na),カリウム(K)およびリチウム(Li)などいわゆるAサイトに位置する第1元素と、ニオブ(Nb)などいわゆるBサイトに位置する第2元素との組成比に影響を受け、その組成比が小さいと異相の増加により特性が低下し、組成比が大きいと異相は減少するが特性は低下してしまうことも一因となっている。
【0005】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、ペロブスカイト型酸化物の第1元素と第2元素との組成比を調整し、特性を向上させることができる圧電磁器の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による圧電磁器の製造方法は、第1元素と第2元素と酸素とからなるペロブスカイト型酸化物を含有する圧電磁器を製造するものであって、第1元素および第2元素を含む原料について、第2元素に対する第1元素の組成比を1よりも大きく1.02よりも小さく調整し、仮焼する工程と、この仮焼により得られた仮焼物に第2元素の原料を混合し、第2元素に対する第1元素の組成比を1±0.001の範囲内に調整したのち、本焼成する工程とを備え、第1元素としてナトリウム(Na),カリウム(K)およびリチウム(Li)を含み、第2元素としてニオブ(Nb)およびタンタル(Ta)からなる群のうち少なくともニオブを含むものである。
【0007】
本発明による圧電磁器の製造方法では、仮焼の際に、第2元素に対する第1元素の組成比が1よりも大きく1.02よりも小さく調整され、本焼成の際に、第2元素に対する第1元素の組成比が1±0.001の範囲内に調整される。よって、ペロブスカイト型酸化物の異相が少なくなり、圧電特性が向上する。
【0009】
また、この製造方法は、ペロブスカイト型酸化物に加えて、タングステンブロンズ型酸化物を含む組成物を含有する圧電磁器を製造する場合に好ましく、中でも、長周期型周期表2族の元素と、ニオブおよびタンタルからなる群のうちの少なくともニオブとを含むタングステンブロンズ型酸化物を含有する圧電磁器を製造する場合に好ましく用いられる。この組成物におけるタングステンブロンズ型酸化物の含有量は5mol%以下とすることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明の一実施の形態に係る圧電磁器の製造方法における工程を表すものである。この製造方法は、ペロブスカイト型酸化物を含む圧電磁器の製造に関するものであり、例えば、ペロブスカイト型酸化物とタングステンブロンズ型酸化物とを含む組成物を主成分として含有する圧電磁器を製造する際に好ましく用いられる。この組成物において、ペロブスカイト型酸化物とタングステンブロンズ型酸化物とは、固溶していてもよく、完全に固溶していなくてもよい。
【0012】
なお、本実施の形態では、ペロブスカイト型酸化物が、長周期型周期表1族の元素を含む第1元素と、ニオブおよびタンタルからなる群のうちの少なくともニオブを含む第2元素と、酸素とからなり、タングステンブロンズ型酸化物が、長周期型周期表2族の元素を含む第3元素と、ニオブおよびタンタルからなる群のうちの少なくともニオブを含む第4元素と、酸素とからなる場合について具体的に説明する。なお、第1元素はペロブスカイト型酸化物のいわゆるAサイトに位置し、第2元素はペロブスカイト型酸化物のいわゆるBサイトに位置し、第3元素はタングステンブロンズ型酸化物のいわゆるAサイトに位置し、第4元素はタングステンブロンズ型酸化物のいわゆるBサイトに位置するものである。このペロブスカイト型酸化物の化学式は例えば化1で表され、タングステンブロンズ型酸化物の化学式は例えば化2で表される。
【0013】
【化1】
M1m (Nb1-z Taz )O3
式中、M1は第1元素を表し、zは0≦z<1の範囲内の値である。mは化学量論組成であれば1であるが、化学量論組成からずれていてもよい。酸素の組成は化学量論的に求めたものであり、化学量論組成からずれていてもよい。
【0014】
【化2】
M2(Nb1-w Taw 2 6
式中、M2は第3元素を表し、wは0≦w<1の範囲内の値である。第3元素と第4元素(Nb1-w Taw )と酸素との組成比は化学量論的に求めたものであり、化学量論組成からずれていてもよい。
【0015】
まず、主成分の原料を用意する。例えば、第1元素,第2元素,第3元素および第4元素を含む酸化物をそれぞれ用意する。または、酸化物でなく、炭酸塩あるいはシュウ酸塩のように焼成により酸化物となるものを用いてもよい。次いで、これら原料を十分に乾燥させたのち、秤量し混合する(ステップS101)。
【0016】
その際、第1元素としては、長周期型周期表1族の元素のうちのナトリウム,カリウムおよびリチウムを用意することが好ましく、第2元素としては、ニオブおよび必要に応じてタンタルを用意することが好ましい。また、第3元素としては、長周期型周期表2族の元素のうちのマグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),ストロンチウム(Sr)およびバリウム(Ba)からなる群のうちの少なくとも1種を用意することが好ましく、第4元素としては、ニオブおよび必要に応じてタンタルを用意することが好ましい。このような場合に、鉛を含有せずあるいは鉛の含有量を少なくして、より優れた圧電特性を有する圧電磁器を得ることができるからである。
【0017】
第1元素に関する原料の配合比は、第1元素におけるカリウムの含有量を10mol%以上90mol%以下、リチウムの含有量を20mol%以下とすることが好ましい。カリウムの含有量が少ないと発生変位量を大きくすることができず、カリウムの含有量が多いと焼成時におけるカリウムの揮発が激しく、焼成が難しいからである。また、リチウムの含有量が多いと発生変位量を大きくすることができないからである。
【0018】
第1元素と第2元素とに関する原料の配合比は、第2元素に対する第1元素の組成比(第1元素/第2元素、いわゆるA/B比;以下、単にA/B比と表す)を、モル比で1よりも大きく1.02よりも小さくすることが好ましい。1以下では異相の増加により発生変位量が低下し、1.02以上では過剰な第1元素の存在により発生変位量が低下してしまうからである。
【0019】
第2元素または第4元素としてタンタルを添加する場合には、第2元素および第4元素に関する原料の配合比は、第2元素と第4元素との合計におけるタンタルの含有量を50mol%以下とすることが好ましい。タンタルの含有量が多いと、キュリー温度が低くなると共に、発生変位量が小さくなってしまうからである。なお、第2元素と第4元素とは同一となるようにしてもよく、異なるようにしてもよい。
【0020】
ペロブスカイト型酸化物とタングステンブロンズ型酸化物とに関する原料の配合比は、ペロブスカイト型酸化物とタングステンブロンズ型酸化物との組成比をモル比で化3に示した範囲内とすることが好ましい。すなわち、組成物におけるタングステンブロンズ型酸化物の含有量を、0mol%よりも大きく5mol%以下とすることが好ましい。タングステンブロンズ型酸化物を添加することにより焼成を容易とすることができると共に、発生変位量を大きくすることができる一方で、タングステンブロンズ型酸化物の含有量が多すぎると、発生変位量が小さくなってしまうからである。
【0021】
【化3】
(1−n)X+nY
式中、Xはペロブスカイト型酸化物、Yはタングステンブロンズ型酸化物をそれぞれ表し、nは0<n≦0.05の範囲内の値である。
【0022】
また、主成分に加えて、必要に応じて副成分を添加するようにしてもよい。副成分としては、長周期型周期表における3族から12族の元素のうちの少なくとも1種を含む酸化物が好ましく、中でも、マンガン(Mn)を含む酸化物が好ましい。焼結性を向上させることにより圧電特性をより向上させることができるからである。副成分の原料としては、主成分と同様に、酸化物を用いてもよいが、炭酸塩あるいはシュウ酸塩のように焼成により酸化物となるものを用いてもよい。副成分の添加量は、主成分の0.1質量%以上1質量%以下となるようにすることが好ましい。
【0023】
続いて、主成分の原料および必要に応じて副成分の原料を添加した混合物を仮焼する(ステップS102)。仮焼温度は、例えば本実施の形態において具体的に説明した組成であれば、650℃〜950℃とすることが好ましい。これにより、ペロブスカイト型酸化物およびタングステンブロンズ型酸化物が合成される。その際、本実施の形態では、原料におけるA/B比を1よりも大きく1.02よりも小さくしているので、異相の少ないペロブスカイト型酸化物が得られる。
【0024】
仮焼したのち、この仮焼物に第2元素の原料を添加して、粉砕・混合する(ステップS103)。これにより、第2元素の原料を添加した後の混合粉におけるA/B比を、1±0.001の範囲内に調整する。この範囲内において圧電特性を向上させることができ、大きな発生変位量を得ることができるからである。
【0025】
仮焼物に第2元素の原料を混合したのち、例えば、バインダを加えて造粒し、一軸プレス成形機あるいは静水圧成形機(CIP)などを用いプレス成形する(ステップS104)。成形したのち、例えば、この成形体を加熱して脱バインダを行い(ステップS105)、本焼成する(ステップS106)。焼成温度は仮焼温度以上とすることが好ましく、例えば本実施の形態において具体的に説明した組成であれば、950℃〜1350℃とすることが好ましい。そののち、この焼結体を必要に応じて加工し、電極を形成し、加熱したシリコーンオイル中で電界を印加して分極を行う(ステップS107)。これにより、圧電磁器が得られる。
【0026】
このように本実施の形態によれば、仮焼時におけるA/B比を1よりも大きく1.02よりも小さくし、本焼成時におけるA/B比を1±0.001の範囲内とするようにしたので、ペロブスカイト型酸化物の異相を少なくし、圧電特性を向上させることができる。
【0027】
【実施例】
更に、本発明の具体的な実施例について説明する。
【0028】
実施例1〜3として、化4に示したペロブスカイト型酸化物とタングステンブロンズ型酸化物とを含む組成物を主成分として含有する圧電磁器を作製した。
【0029】
【化4】
Figure 0004212289
【0030】
まず、主成分の原料として、炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )粉末、炭酸カリウム(K2 CO3 )粉末、炭酸リチウム(Li2 CO3 )粉末、酸化ニオブ(Nb2 5 )粉末、酸化タンタル(Ta2 5 )粉末および炭酸バリウム(BaCO3 )粉末をそれぞれ用意した。また、副成分の原料として、炭酸マンガン(MnCO3 )粉末を用意した。次いで、これら主成分および副成分の原料を十分に乾燥させ秤量したのち、ボールミルにより水中で5時間混合し、乾燥して原料混合粉末を得た(図1;ステップS101参照)。
【0031】
その際、原料混合粉末の配合比は、主成分が化4に示した組成となるように調整した。但し、原料混合粉末のA/B比は実施例1〜3で表1に示したように変化させ、仮焼時のA/B比を調整した。また、副成分である酸化マンガンの含有量はMnOを基準として主成分に対して0.31質量%となるようにした。なお、副成分の含有量は、主成分の原料のうち炭酸塩をCO2 が解離した酸化物に換算し、その換算した主成分の原料の合計質量に対して副成分の原料である炭酸マンガン粉末の混合量が0.5質量%となるようにしたものである。
【0032】
【表1】
Figure 0004212289
【0033】
続いて、この原料混合物をプレス成形して、850℃〜950℃で2時間仮焼した(図1;ステップS102参照)。得られた仮焼物について、X線回折により組成の分析を行った。実施例2のX線回折プロファイルを図2に示す。
【0034】
仮焼したのち、この仮焼物に第2元素の原料(酸化ニオブ粉末および酸化タンタル粉末)をA/B比が1.0000となるように添加して、本焼成時のA/B比を1.0000に調整した。すなわち、圧電磁器のA/B比、つまり化4におけるmが1.0000となるようにした。第2元素の原料を添加したのち、ボールミルを用いて水中で粉砕・混合し、乾燥させた(図1;ステップS103参照)。そののち、この混合粉にポリビニルアルコールを加えて造粒し、一軸プレス成形機により約40MPaの圧力で直径17mmの円柱状に成形して、更に約400MPaの圧力で静水圧成形した(図1;ステップS104参照)。
【0035】
成形したのち、この成形体を650℃で4時間加熱して脱バインダを行い(図1;ステップS105参照)、更に1000℃〜1100℃で4時間本焼成した(図1;ステップS106参照)。そののち、この焼成体をスライス加工およびラップ加工により厚さ0.6mmの円板状とし、両面に電極を形成して、加熱したシリコーンオイル中で5kV/mmの電界を15分間印加して分極処理を行った(図1;ステップS107参照)。これにより、実施例1〜3の圧電磁器を得た。
【0036】
得られた実施例1〜3の圧電磁器について、24時間放置したのち、圧電特性として、電気機械結合係数kr、比誘電率εr、および3kV/mmの電界を印加した際の発生変位量を測定した。電気機械結合係数krおよび比誘電率εrの測定にはインピーダンスアナライザー(ヒューレット・パッカード社製HP4194A)を用い、比誘電率εrを測定する際の周波数は1kHzとした。発生変位量の測定には、図2に示したような渦電流による変位測定装置を用いた。この変位測定装置は、一対の電極11,12の間に試料13を挟み、直流電流を印加した場合の試料13の変位を変位センサ14により検出し、変位検出器15によりその発生変位量を求めるものである。
【0037】
得られた結果を表1に示す。なお、表1に示した発生変位量は、測定値を試料の厚さで割り100を掛けた値(測定値/試料の厚さ×100)である。
【0038】
本実施例に対する比較例1〜8として、仮焼時のA/B比および本焼成時のA/B比を表1に示したように変化させたことを除き、他は実施例1〜3と同様にして圧電磁器を作製した。なお、比較例1〜7は仮焼時のA/B比と本焼成時のA/B比とを同一としたものであり、比較例8は仮焼時のA/B比を1.0200と大きくしたものである。比較例1〜8についても、実施例1〜3と同様にして、仮焼物の組成、並びに圧電磁器の電気機械結合係数kr、比誘電率εrおよび3kV/mmの電界を印加した際の発生変位量を測定した。比較例1〜3,7,8のX線プロファイルを図2に合わせて示すと共に、電気機械結合係数kr、比誘電率εrおよび発生変位量の結果を表1に合わせて示す。
【0039】
図2に示したように、仮焼時のA/B比を1.000以上とした比較例3,実施例2および比較例7,8では、K3 LiNb6 17などの異相を示すピークが小さく、仮焼時のA/B比を1.000よりも小さくした比較例1,2では大きかった。
【0040】
また、表1に示したように、実施例1〜3によれば、仮焼時のA/B比と本焼成時のA/B比とを同一とした比較例1〜7よりも、電気機械結合係数kr、比誘電率εr、および発生変位量を大きくすることができた。更に、仮焼時のA/B比を1.0200と大きくし、本焼成時のA/B比を1.0000とした比較例8は、仮焼時も本焼成時もA/B比を1.0000とした比較例3よりも発生変位量が小さかった。
【0041】
すなわち、仮焼時のA/B比を1よりも大きく1.02よりも小さくし、本焼成時のA/B比を1±0.001とすれば、異相を少なくすることができると共に、圧電特性を向上させることができ、発生変位量を大きくできることが分かった。
【0042】
なお、上記実施例では、化4に示した組成を有する圧電磁器を作製する場合について具体的に説明したが、他の組成を有するペロブスカイト型酸化物を含む圧電磁器を作製する場合においても同様の結果を得ることができる。
【0043】
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は、上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形することができる。例えば、上記実施の形態および実施例では、ペロブスカイト型酸化物と、タングステンブロンズ型酸化物とを含む圧電磁器を製造する場合について説明したが、本発明は、少なくともペロブスカイト型酸化物を含む圧電磁器を製造する場合について広く適用することができる。すなわち、ペロブスカイト型酸化物のみからなる圧電磁器を製造する場合でもよく、ペロブスカイト型酸化物に加えて、タングステンブロンズ型酸化物に限らず他の化合物を含む圧電磁器を製造する場合でもよい。
【0044】
また、上記実施の形態および実施例では、ペロブスカイト型酸化物の原料と、タングステンブロンズ型酸化物の原料とを混合したのち、仮焼するようにしたが、ペロブスカイト型酸化物の原料とタングステンブロンズ型酸化物の原料とを別々に混合して、それぞれを個別に仮焼するようにしてもよい。これは、ペロブスカイト型酸化物とタングステンブロンズ型酸化物とを含む圧電磁器を製造する場合に限らず、ペロブスカイト型酸化物と他の化合物とを含む圧電磁器を製造する場合においても同様である。
【0045】
更に、上記実施の形態および実施例では、副成分の原料も主成分の原料と共に混合し、仮焼するようにしたが、仮焼後に副成分の原料を添加するようにしてもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし請求項のいずれかに記載の圧電磁器の製造方法によれば、第2元素に対する第1元素の組成比を1よりも大きく1.02よりも小さく調整して仮焼したのち、第2元素の原料を混合し、第2元素に対する第1元素の組成比を1±0.001の範囲内に調整して本焼成するようにしたので、ペロブスカイト型酸化物の異相を少なくし、圧電特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る圧電磁器の製造方法を表す流れ図である。
【図2】本発明の実施例および比較例における仮焼物のX線プロファイルを示す特性図である。
【図3】本発明の実施例および比較例において発生変位量の測定に用いた変位測定装置を表す構成図である。
【符号の説明】
11,12…電極、13…試料、14…変位センサ、15…変位検出器。

Claims (4)

  1. 第1元素と第2元素と酸素とからなるペロブスカイト型酸化物を含有する圧電磁器の製造方法であって、
    前記第1元素および前記第2元素を含む原料について、前記第2元素に対する前記第1元素の組成比を1よりも大きく1.02よりも小さく調整し、仮焼する工程と、
    この仮焼により得られた仮焼物に前記第2元素の原料を混合し、前記第2元素に対する前記第1元素の組成比を1±0.001の範囲内に調整したのち、本焼成する工程とを備え、
    前記第1元素としてナトリウム(Na),カリウム(K)およびリチウム(Li)を含み、前記第2元素としてニオブ(Nb)およびタンタル(Ta)からなる群のうち少なくともニオブを含む
    ことを特徴とする圧電磁器の製造方法。
  2. 前記ペロブスカイト型酸化物に加えて、タングステンブロンズ型酸化物を含む組成物を含有する圧電磁器を製造する
    ことを特徴とする請求項1記載の圧電磁器の製造方法。
  3. 前記組成物における前記タングステンブロンズ型酸化物の含有量を5mol%以下とする
    ことを特徴とする請求項記載の圧電磁器の製造方法。
  4. 長周期型周期表2族の元素と、ニオブおよびタンタルからなる群のうちの少なくともニオブとを含むタングステンブロンズ型酸化物を含有する圧電磁器を製造する
    ことを特徴とする請求項または請求項3に記載の圧電磁器の製造方法。
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