JP4221788B2 - 耐熱性に優れたレジストパターンの形成方法及びそれに用いられるポジ型レジスト組成物 - Google Patents
耐熱性に優れたレジストパターンの形成方法及びそれに用いられるポジ型レジスト組成物 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線などの放射線の照射及びアルカリ現像により形成され、半導体集積回路の製作などに用いられるポジ型レジストパターンの耐熱性を改良する方法、並びにそのために用いられるポジ型レジスト組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アルカリ可溶性成分としてのノボラック樹脂及び感放射線成分としてのキノンジアジド化合物を含有するポジ型レジストは、キノンジアジド化合物が放射線の作用により分解してカルボキシル基を生じ、アルカリ不溶の状態からアルカリ可溶の状態になることを利用して、マスクを介した放射線照射(いわゆるパターニング露光)及びアルカリ現像により、ポジ型の像を与える。このようなノボラック/キノンジアジド系のポジ型レジストは、一般に解像度に優れるため、集積回路の製作に多く用いられている。
【0003】
ポジ型レジストは、解像度や感度、プロファイルなどの諸性能に優れることが重要であるが、その他に耐熱性も要求される。例えば、大きな発熱のあるイオン注入(ion implantation)工程やリフロー工程では、高い耐熱性が必要となる。ここでイオン注入とは、レジストパターンをマスクとして半導体基板にホウ素やリンなどのイオンを注入する工程であり、イオンの注入に伴って高いエネルギーを発生し、高温になる。イオン注入工程でレジストパターンがだれたり倒れたりすると、正確な回路が形成されなくなるため、耐熱性に優れるレジストが要求される。またリフローとは、現像後のレジストパターンを加熱することにより、レジストを膨張させてホールパターン(レジスト膜が除去された部分)の寸法を小さくする手法であり、これによって一層微細な集積回路の製作が可能となる。リフローは110〜180℃程度の温度で行われ、比較的高温の一段加熱で行われることも、また最初は低温で、次に高温でという二段加熱が行われることもあるが、最終的には140〜180℃程度の高温が採用され、耐熱性に優れるレジストのほうがリフローにおける寸法制御が正確になるので、好ましい。
【0004】
レジストの耐熱性を向上させるには、それを構成する樹脂の分子量を上げることが考えられるが、充分な耐熱性を持たせるほどに分子量を高めると、解像度の低下や現像残渣(スカム)の発生など、基本性能が悪化する傾向にある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、レジストの耐熱性を向上させるための新たな手法を提供し、さらにはそれに適したポジ型レジスト組成物を提供することにある。
【0006】
本発明者らは、かかる目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、アルカリ可溶性成分としてのノボラック樹脂及び感放射線成分としてのキノンジアジド化合物を含有するポジ型レジスト組成物に、ある種の化合物を含有させ、アルカリ現像後にその化合物から酸又はラジカルを発生させて硬化させる処理を施すことにより、感度や解像度を低下させることなく、レジストの耐熱性を大幅に向上させうることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、アルカリ可溶性ノボラック樹脂、キノンジアジド系感放射線剤及び、パターニング露光の波長に感度を有しないが、その後の処理により酸又はラジカルを発生する活性剤を含有するポジ型レジスト組成物を基板上に塗布してレジスト膜を形成し、そこにパターニング露光し、アルカリ現像液で現像した後、活性剤から酸又はラジカルを発生させて硬化させることにより、耐熱性に優れたレジストパターンを形成する方法を提供するものである。
【0008】
活性剤から酸又はラジカルを発生させて硬化させる処理は、例えば、活性剤として、パターニング露光の波長には感度を有しないが、別の波長の光に感度を有する化合物、いわゆる光酸発生剤を用い、現像後のレジストパターンにその光酸発生剤が感度を有する波長の光を照射し、加熱する方法、活性剤として、熱分解により酸を発生する化合物(本明細書では、熱酸発生剤と呼ぶことがある)を用い、現像後のレジストパターンを加熱する方法、活性剤として、熱分解によりラジカルを発生する化合物(本明細書では、ラジカル発生剤と呼ぶことがある)を用い、現像後のレジストパターンを加熱する方法などによって、行うことができる。
【0009】
ここで用いるポジ型レジスト組成物は、上記のノボラック樹脂、キノンジアジド系感放射線剤及び活性剤に加えて、架橋剤を含有するのが有利である。そこで本発明はまた、アルカリ可溶性ノボラック樹脂、キノンジアジド系感放射線剤及び、パターニング露光の波長に感度を有しないが、その後の処理により酸又はラジカルを発生する活性剤、及び架橋剤を含有するポジ型レジスト組成物をも提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明において、ポジ型レジスト組成物を構成するアルカリ可溶性ノボラック樹脂は、ポジ型レジストのアルカリ可溶性成分として一般的に用いられているものでよく、通常は、フェノール系化合物とアルデヒドとを酸触媒の存在下で縮合させることにより、得られる。ノボラック樹脂の製造に用いられるフェノール系化合物としては、例えば、フェノール、o−、m−又はp−クレゾール、2,3−、2,5−、3,4−又は3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、2−、3−又は4−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4−又は−5−メチルフェノール、2−、4−又は5−メチルレゾルシノール、2−、3−又は4−メトキシフェノール、2,3−、2,5−又は3,5−ジメトキシフェノール、2−メトキシレゾルシノール、4−tert−ブチルカテコール、2−、3−又は4−エチルフェノール、2,5−又は3,5−ジエチルフェノール、2,3,5−トリエチルフェノール、2−ナフトール、1,3−、1,5−又は1,7−ジヒドロキシナフタレン、キシレノールとヒドロキシベンズアルデヒドとの縮合により得られるポリヒドロキシトリフェニルメタン系化合物などが挙げられる。これらのフェノール系化合物は、それぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0011】
ノボラック樹脂の製造に用いられるアルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ピバルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、アクロレイン及びクロトンアルデヒドのような脂肪族アルデヒド類、シクロヘキサンアルデヒド、シクロペンタンアルデヒド、フルフラール及びフリルアクロレインのような脂環式アルデヒド類、 ベンズアルデヒド、o−、m−又はp−メチルベンズアルデヒド、p−エチルベンズアルデヒド、2,4−、2,5−、3,4−又は3,5−ジメチルベンズアルデヒド、o−、m−又はp−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−、m−又はp−アニスアルデヒド及びバニリンのような芳香族アルデヒド類、フェニルアセトアルデヒド及びケイ皮アルデヒドのような芳香脂肪族アルデヒド類などが挙げられる。これらのアルデヒドも、それぞれ単独で、又は所望により2種以上組み合わせて用いることができる。これらのなかでは、工業的に入手しやすいことから、ホルムアルデヒドが好ましく用いられる。
【0012】
フェノール系化合物とアルデヒドとの縮合に用いられる酸触媒の例としては、塩酸、硫酸、過塩素酸及び燐酸のような無機酸、蟻酸、酢酸、シュウ酸、トリクロロ酢酸及びp−トルエンスルホン酸のような有機酸、酢酸亜鉛、塩化亜鉛及び酢酸マグネシウムのような二価金属塩などが挙げられる。これらの酸触媒も、それぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。縮合反応は常法に従って行うことができ、例えば、60〜120℃の範囲の温度で2〜30時間程度行われる。
【0013】
縮合により得られるノボラック樹脂は、例えば分別などの操作を施して、分子量 1,000以下の範囲の成分をゲル浸透クロマトグラフ(GPC)パターンにおける面積比で表したときに、未反応のフェノール系化合物を除く全パターン面積に対して25%以下、さらには20%以下にしておくのが好ましい。ここでパターン面積は、254nmのUV検出器を用いて測定したものを意味し、分子量はポリスチレン換算分子量を意味する。
【0014】
こうして高分子量成分を多くしたノボラック樹脂に、低分子量の、例えば分子量 1,000以下のアルカリ可溶性フェノール系化合物を加えることも有効である。このようなアルカリ可溶性低分子量フェノール系化合物は、分子構造中にフェノール性水酸基を少なくとも2個有するのが好ましく、例えば、特開平 2-275955 号公報(= USP 5,456,995 + USP 5,456,996) や特開平 2-2560 号公報に記載のものなどが挙げられる。分子量 1,000以下のアルカリ可溶性フェノール系化合物を用いる場合は、ノボラック樹脂とアルカリ可溶性フェノール系化合物の合計量を基準として、3〜40重量%の範囲で存在させるのが好ましい。
【0015】
また、本発明におけるキノンジアジド系感放射線剤も、ポジ型レジストの分野で一般的に用いられているものでよく、通常は、フェノール性水酸基を有する化合物のo−キノンジアジドスルホン酸エステルであることができる。 好ましくは、フェノール性水酸基を少なくとも3個有するポリヒドロキシ化合物の1,2−ナフトキノンジアジド−5−若しくは4−スルホン酸エステル又は1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホン酸エステルである。このようなエステルは、上記のフェノール性水酸基を有する化合物を、トリエチルアミンのような塩基の存在下でo−キノンジアジドスルホン酸ハライドと反応させることにより、製造できる。o−キノンジアジドスルホン酸ハライドは、特に1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライドであるのが好ましい。このようなキノンジアジド系感放射線剤は、それぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。感放射線剤は、ノボラック樹脂及び所望により用いられる前記アルカリ可溶性低分子量フェノール系化合物の合計量を基準に、通常10〜100重量%の範囲、さらには10〜50重量%の範囲で存在させるのが好ましい。
【0016】
本発明に用いるポジ型レジスト組成物は、アルカリ可溶性ノボラック樹脂及びキノンジアジド系感放射線剤に加えて、活性剤を含有する。この活性剤は、レジスト膜にパターニングのための露光を施す際の光の波長、例えば436nmのg線や365nmのi線に感度を有しないが、その後の処理により酸又はラジカルを発生する化合物である。具体的には、パターニング露光の波長の光には感度を有さず、それより短い波長の光で分解して酸を発生する光酸発生剤や、熱分解により酸を発生する熱酸発生剤、熱分解によりラジカルを発生するラジカル発生剤などであることができる。
【0017】
光酸発生剤としては、特に化学増幅型レジストの分野で公知の各種化合物を用いることができ、例えば、オニウム塩化合物、有機ハロゲン化合物、スルホン化合物、スルホネート化合物などが包含される。
【0018】
光酸発生剤となるオニウム塩化合物の例としては、 下式(I)で示されるヨードニウム塩や、下式(II)で示されるスルホニウム塩などを挙げることができる。
【0019】
【0020】
式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は互いに独立に、水素、アルキル又はアルコキシを表し、R5 はアリール又はアリーロイルメチルを表し、R6 及びR7 は互いに独立に、アルキル若しくはアリールを表すか、又は両者が結合してアルキレン鎖を形成し、Aはフッ素を含む酸残基を表す。
【0021】
また、光酸発生剤となる有機ハロゲン化合物の例としては、下式(III) で示されるハロゲン含有トリアジン化合物などを挙げることができる。
【0022】
【0023】
式中、R11はペルハロアルキルを表し、R12及びR13は互いに独立に、無置換の若しくは置換されたアルキル、アリール又は無置換の若しくは置換されたスチリルを表す。
【0024】
また、光酸発生剤となるスルホン化合物の例としては、下式(IV)で示される化合物を挙げることができる。
【0025】
R21−SO2−X−Y−R22 (IV)
【0026】
式中、R21及びR22は互いに独立に、アルキル、シクロアルキル又はアリールを表し、Xは直接結合又はジアゾメチレンを表し、Yは−CO−又は−SO2− を表す。
【0027】
さらに、光酸発生剤となるスルホネート化合物の例としては、下式(V)で示される芳香族化合物や、下式(VI)で示されるN−ヒドロキシイミドのスルホネートなどを挙げることができる。
【0028】
【0029】
式中、Arはニトロ若しくはメチルスルホニルオキシを有するフェニル、α−ベンゾイルベンジル又はα−ベンゾイル−α−ヒドロキシベンジルを表し、R23はアルキル又はアリールを表し、R24は無置換の若しくは置換されたアルキル、脂環式炭化水素残基、アリール、アラルキル又はカンファー基を表し、Zは直接結合又はメチレンを表し、Qは2価の炭化水素残基を表す。
【0030】
上記の各式において、アルキル及びアルコキシは、それぞれ炭素数1〜6程度であることができ、シクロアルキルは炭素数5〜8程度であることができる。アリールは典型的にはフェニル又はナフチルであり、アラルキルは典型的にはベンジルであり、これらのフェニル及びナフチルには、水酸基、ニトロ、ハロゲン、上記の炭素数を有するアルキル若しくはアルコキシ、アリーロキシ又はアリールチオのような置換基が結合していてもよく、またこれらフェニル及びナフチルにおける隣接する二つの炭素原子間がメチレンジオキシのような2価基で結合されていてもよい。さらに、アルキルに置換しうる基としては、塩素やフッ素のようなハロゲンが挙げられる。
【0031】
式(II)において、R6 とR7 が結合する場合のアルキレン鎖は、炭素数2〜6程度であることができる。式(I)及び(II)中のA- で表されるフッ素を含む酸の陰イオンとしては、テトラフルオロボレートイオン(BF4 -)、ヘキサフルオロホスフェートイオン(PF6 -)、ヘキサフルオロアンチモネートイオン(SbF6 -) 、トリフルオロメタンスルホネートイオン(CF3SO3 -) などが挙げられる。式(III) 中、R11で表されるペルハロアルキルを構成するハロゲンは、フッ素や塩素であることができ、またR12及び/又はR13がスチリルである場合、そのスチリルのベンゼン核に置換しうる基としては、炭素数1〜6程度のアルキルやアルコキシなどが挙げられる。
【0032】
式(VI)において、R24で表される脂環式炭化水素残基は、単環や架橋多環など、炭素数5〜16程度であることができ、具体例としては、シクロヘキシルやアダマンチルなどが挙げられる。また同式において、R24で表されるカンファー基とは、ショウノウ(camphor) から導かれる1価基を意味し、具体的には10−カンファー基、すなわち10−カンファースルホン酸からスルホン酸基を除去した形の基が挙げられる。さらに同式において、Qで表される2価の炭化水素残基は、アルキレンやアリーレン、脂環式2価基など、広範な基をとることができ、具体例としては、エチレン、トリメチレン、1,2−フェニレン、1,8−ナフチレン、5−ノルボルネン−2,3−ジイルなどが挙げられる。
【0033】
式(I)に相当するヨードニウム塩として、具体的には次のような化合物を例示することができる。
【0034】
ジフェニルヨードニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム トリフルオロメタンスルホネート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム テトラフルオロボレート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム トリフルオロメタンスルホネートなど。
【0035】
式(II)に相当するスルホニウム塩として、具体的には次のような化合物を例示することができる。
【0036】
トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、
トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
トリフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
p−トリルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
2,4,6−トリメチルフェニルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、
4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
1−(2−ナフトイルメチル)チオラニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
1−(2−ナフトイルメチル)チオラニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネートなど。
【0037】
式(III) に相当するハロゲン含有トリアジン化合物として、具体的には次のようなものを例示することができる。
【0038】
2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−メトキシ−1−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソラン−5−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(3,4,5−トリメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(3,4−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(2,4−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(2−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−ブトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−ペンチルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなど。
【0039】
式(IV)に相当するスルホン化合物として、具体的には次のようなものを例示することができる。
【0040】
ジフェニル ジスルホン、
ジ−p−トリル ジスルホン、
ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(4−クロロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(p−トリルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(2,4−キシリルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、
(ベンゾイル)(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、
フェニルスルホニルアセトフェノンなど。
【0041】
式(V)に相当する芳香族のスルホネート化合物として、具体的には次のようなものを例示することができる。
【0042】
α−ベンゾイルベンジル p−トルエンスルホネート(通称ベンゾイントシレート)、
β−ベンゾイル−β−ヒドロキシフェネチル p−トルエンスルホネート(通称α−メチロールベンゾイントシレート)、
1,2,3−ベンゼントリイル トリスメタンスルホネート、
2,6−ジニトロベンジル p−トルエンスルホネート、
2−ニトロベンジル p−トルエンスルホネート、
4−ニトロベンジル p−トルエンスルホネートなど。
【0043】
また式(VI)に相当するN−ヒドロキシイミドのスルホネート化合物として、具体的には次のようなものを例示することができる。
【0044】
N−(フェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(p−クロロフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(シクロヘキシルスルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(1−ナフチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(ベンジルスルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(10−カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフタルイミド、
N−(10−カンファースルホニルオキシ)ナフタルイミドなど。
【0045】
次に、熱分解により酸を発生する熱酸発生剤について説明すると、上記光酸発生剤のうちある種のものは、熱的に不安定で、110〜150℃程度の比較的低温で分解するので、このようなものを用いることができる。また、光に対しては感度を有しないが、加熱により酸を発生する化合物もあるので、このようなものを用いることもでき、具体例としては、特開平 8-248561 号公報に記載されるような酸増殖剤のうち、熱的に不安定で、上記のような比較的低い温度で分解するものを挙げることができる。ペルフルオロアルキルスルホン酸又はペルフルオロアルキルカルボン酸のエステルの構造になった化合物も、上記のような比較的低い温度の加熱で酸を発生する。なお、特開平 8-248561 号公報に記載されるような酸増殖剤のうち、それ自身は光や熱で分解しないものであっても、光や熱で分解する他の酸発生剤と組み合わせて、酸の発生効率を上げ、熱硬化特性を向上させる目的で用いることもできる。
【0046】
さらに、熱分解によりラジカルを発生するラジカル発生剤としては、ラジカル反応の開始剤として知られる種々の化合物、例えば、過酸化物やアゾ化合物のうち、110〜150℃程度の比較的低い温度で分解するものを用いることができる。
【0047】
本発明の方法は、上述した光酸発生剤、熱酸発生剤又はラジカル発生剤のような活性剤をポジ型レジスト組成物中に含有させ、現像後に酸又はラジカルを発生させて硬化させるものであり、活性剤の存在及び、現像後の酸又はラジカルを発生させて硬化させる処理により、レジストに高い耐熱性が付与されるが、このレジスト組成物には、さらに架橋剤を含有させるのが好ましい。ここで用いる架橋剤は、ノボラック樹脂を架橋させて硬化させうるものであればよく、一般樹脂分野、ネガ型レジスト分野、繊維処理剤分野などで用いられている架橋剤であることができる。具体的には、エポキシ化合物、メチロール基又はメチロールエーテル基を有する化合物などが挙げられる。エポキシ系の架橋剤としては、例えば、ビスフェノールAのような低分子量フェノール化合物やノボラック樹脂オリゴマーなどのフェノール性水酸基をグリシジルエーテル化したものが一般的である。
【0048】
また、メチロール基又はメチロールエーテル基を有する架橋剤としては、例えば、下式(VII)
【0049】
【0050】
(式中、R31は−NR36R37又はアリールを表し、R31が−NR36R37の場合はR32、R33、R34、R35、R36及びR37の一つ、そしてR31がアリールの場合はR32、R33、R34及びR35の一つが−CH2OR38 を表し、R32、R33、R34、R35、R36及びR37の残りは互いに独立に、水素又は−CH2OR38 を表し、ここにR38は水素又はアルキルを表す)
で示されるメラミン又はグアナミン系の化合物を挙げることができる。ここで、アリールは典型的にはフェニル、1−ナフチル又は2−ナフチルであり、これらのフェニルやナフチルには、アルキル、アルコキシ、ハロゲンなどの置換基が結合していてもよい。アルキル及びアルコキシは、それぞれ炭素数1〜6程度であることができる。R38で表されるアルキルは、上記のなかでも、メチル又はエチル、とりわけメチルであるのが一般的である。
【0051】
式(VII) に相当するメラミン系化合物、すなわち下式(VIIa)
【0052】
【0053】
(式中、R32、R33、R34、R35、R36及びR37は前記の意味を表す)
の化合物には、ヘキサメチロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、テトラメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ペンタメトキシメチルメラミン、テトラメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミンなどが包含される。また、式(VII) に相当するグアナミン系化合物には、テトラメチロールベンゾグアナミン、テトラメトキシメチルベンゾグアナミン、トリメトキシメチルベンゾグアナミン、テトラエトキシメチルベンゾグアナミンなどが包含される。
【0054】
さらに、メチロール基又はメチロールエーテル基を有する架橋剤には、次のような化合物も包含され、これらを用いることもできる。以下には、化合物名とそれに対応する化学構造式を示すが、(c)〜(f)の化学構造式はメチルエーテル体で代表する。
【0055】
(a)2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−4−メチルフェノール、
(b)4−tert−ブチル−2,6−ビス(ヒドロキシメチル)フェノール、
(c)5−エチル−1,3−ビス(ヒドロキシメチル)ペルヒドロ−1,3,5−トリアジン−2−オン(通称N−エチルジメチロールトリアゾン)又はそのジメチルエーテル体、
(d)ジメチロールトリメチレン尿素又はそのジメチルエーテル体、
(e)3,5−ビス(ヒドロキシメチル)ペルヒドロ−1,3,5−オキサジアジン−4−オン(通称ジメチロールウロン)又はそのジメチルエーテル体、
(f)テトラメチロールグリオキザールジウレイン又はそのテトラメチルエーテル体。
【0056】
【0057】
本発明の方法は、上記のような活性剤及び所望により架橋剤を含有するレジスト組成物から形成された現像後のレジストパターンに、当該活性剤から酸又はラジカルを発生させて硬化させるものである。ここで、活性剤から酸又はラジカルを発生させて硬化させる処理は、例えば、活性剤が光酸発生剤である場合は、現像後のレジストパターンにその光酸発生剤が感度を有する波長の光を照射して酸を発生させ、加熱して硬化させることにより行われる。また、活性剤が熱酸発生剤である場合は、加熱により酸の発生と硬化が行われる。さらに、活性剤がラジカル発生剤である場合は、加熱によりラジカルの発生と硬化が行われる。
【0058】
いずれの方法を採用するにしても、活性剤及び架橋剤は、上記のように作用するのに充分な量存在すればよいが、一般には、組成物中の全固形分量を基準に、活性剤を0.1〜25重量%程度の範囲で、また架橋剤を30重量%以下程度の範囲で存在させるのが好ましい。架橋剤の効果を有効に発揮させるためには、組成物中の全固形分量を基準に、0.1重量%以上存在させるのが好ましい。活性剤及び/又は架橋剤の量があまり少ないと、本発明の効果が不十分になり、一方これらの量があまり多いと、解像度などの基本性能に悪影響を及ぼしかねず、また活性剤がアルカリに不溶の場合は、その量があまり多いと感度を低下させる傾向にある。
【0059】
本発明のポジ型レジスト組成物は通常、上記の各成分を溶剤に溶解してレジスト溶液が調製され、シリコンウェハーなどの基体上に塗布される。ここで用いる溶剤は、各成分を溶解し、適当な乾燥速度を有し、そして溶剤が蒸発した後に均一で平滑な塗膜を与えるものであればよく、この分野で通常用いられているものであることができる。例えば、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル及びプロピレングリコールモノエチルエーテルのようなグリコールエーテル類、乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチルのようなエステル類、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノンのようなケトン類、γ−ブチロラクトンのような環状エステル類などが挙げられる。これらの溶剤は、それぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。また、このレジスト組成物は、必要に応じてさらに、ノボラック樹脂以外の樹脂や染料など、この分野で慣用されている添加物を少量含有することもできる。
【0060】
本発明では、以上説明したようなポジ型レジスト組成物を基体上に塗布してレジスト膜を形成し、次いでマスクを介してパターニング露光する。このパターニング露光には通常、波長436nmのg線や波長365nmのi線のような低波長の可視光線ないし近紫外線が用いられる。パターニング露光後は、アルカリ現像液で現像される。アルカリ現像液は、この分野で用いられる各種のアルカリ性水溶液であることができるが、一般には、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液が用いられることが多い。
【0061】
現像後は、レジスト中に存在する活性剤から、酸又はラジカルを発生させて硬化させる処理を行う。活性剤が光酸発生剤である場合、酸を発生させる処理は、その光酸発生剤が感度を有する波長の光をパターン全体に照射することにより行われる。ここで、光酸発生剤が感度を有する波長とは、その光の作用で光酸発生剤が分解して酸を発生する波長をいう。したがって、この照射に用いる光源は光酸発生剤が分解しうる波長のものであればよく、具体的には例えば、波長308nmの XeCl エキシマーランプ、波長254nmの水銀ランプの輝線、波長248nmの KrFエキシマーレーザー光、波長222nmの KrCl エキシマーランプ、 波長193nmの ArFエキシマーレーザー光、波長185nmの水銀ランプの輝線、波長172nmの Xe2エキシマーランプなどが挙げられる。一般には、波長300nm以下の深紫外線(deep UV )が有利である。
【0062】
このような光酸発生剤が感度を有する波長の光を照射することにより、光酸発生剤から酸が発生し、そして加熱処理によりノボラック樹脂が硬化する。この際架橋剤が存在すれば、発生した酸が架橋剤に作用して、架橋による硬化が一層有効に働くことになる。この加熱処理は、架橋が進行する温度及び時間で行えばよいが、一般には110〜180℃程度の温度で、0.5〜10分程度行われる。光酸発生剤から酸を発生させて硬化させる処理は一般に、その光酸発生剤が感度を有する波長の光を照射し、次いで加熱することにより行うのが有利であるが、光照射しながら加熱することも可能である。また、前述したリフロー処理を行う場合は、本発明による加熱処理をリフロー工程での加熱と兼ねてもよい。したがってこの加熱処理は、前記温度範囲のうち比較的高温側、例えば140〜180℃の一段階で行ってもよいし、最初は低温で、次に高温でという二段階で行ってもよい。
【0063】
一方、活性剤が熱酸発生剤又はラジカル発生剤である場合、酸又はラジカルを発生させる処理は、加熱により行われる。加熱処理は、熱酸発生剤又はラジカル発生剤が分解して酸又はラジカルを発生する温度及び時間で行えばよいが、一般には110〜180℃程度の温度を採用し、またこの温度で分解する熱酸発生剤又はラジカル発生剤を用いるのが好ましい。酸又はラジカルを発生させ、硬化させるための加熱処理は、上記の範囲の温度で一段で行ってもよいが、熱酸発生剤又はラジカル発生剤としては比較的低い温度、例えば110〜150℃の温度で分解する化合物を用い、比較的低い温度での加熱により酸又はラジカルを発生させ、次いで硬化に十分な高い温度に加熱して硬化させるという、二段の加熱を採用するのも有効である。例えば、110℃以上、好ましくは110〜150℃程度の温度で分解する熱酸発生剤又はラジカル発生剤を用い、その範囲の温度で酸又はラジカルを発生させるための加熱処理を行い、次いで140〜180℃程度でかつ先の加熱より高い温度で加熱することにより、硬化させる方法が採用しうる。またこの加熱処理は、先に説明した光酸発生剤を活性剤とする場合と同様、リフロー処理と兼ねることもできる。
【0064】
【実施例】
次に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。例中、部は重量部を意味する。また、以下の例で用いた主な材料は次のとおりである。
【0065】
(a) ノボラック樹脂
m−クレゾール/p−クレゾール/ホルムアルデヒドを、モル比50/50/80で、シュウ酸触媒の存在下に還流下で常法に従って反応させ、次いで分別して得られた、ポリスチレン換算重量平均分子量が約 8,000のノボラック樹脂であって、GPCパターンにおいて、未反応クレゾールのパターン面積を除いた全パターン面積に対するポリスチレン換算分子量 6,000以下の面積比が34%、そしてポリスチレン換算分子量 1,000以下の面積比が15%であるもの。
【0066】
(b) キノンジアジド系感光剤
下式
【0067】
【0068】
の構造を有する2,4,4−トリメチル−2′,4′,7−トリヒドロキシフラバンと、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライドとの、反応モル比1:2.6の縮合物。
【0069】
(c) 活性剤
光酸発生剤C1:N−(10−カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド。
熱酸発生剤C2:ベンゾイン トシレート。
熱酸発生剤C3:2−ニトロベンジル トシレート(みどり化学(株)製の“NB-101”)。
熱酸発生剤C4:2−ヒドロキシ−2−メチルシクロヘキシル トシレート。
ラジカル発生剤C5:2,2′−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル。
これらの活性剤は、それぞれ下式の構造を有する。
【0070】
【0071】
(d) 架橋剤
架橋剤D1:ヘキサメトキシメチルメラミン。
【0072】
実施例1〜6及び比較例1〜4
上記のノボラック樹脂を11部、上記のキノンジアジド系感光剤を4部、添加物として4,4′−(2−ヒドロキシベンジリデン)ジ−2,6−キシレノールを4部、及び溶剤として2−ヘプタノンを45部混合した。この液に、表1に示すそれぞれの光酸発生剤及び架橋剤を加えたのち、0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過して、レジスト液を調製した。
【0073】
ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で処理したシリコンウェハーに、上で得られた各レジスト液を乾燥後の膜厚が1.28μmとなるようスピンコートした。プリベークは、90℃、60秒の条件で、ダイレクトホットプレート上にて行った。こうしてレジスト膜を形成したウェハーに、 (株)ニコン製のg線ステッパー(“NSR-1755g7A”、NA=0.54)又は同社製のi線ステッパー(“NSR-2005i9C”、NA=0.57、σ=0.60)を用い、露光量を段階的に変化させて種々の寸法のラインアンドスペースパターンを露光した。その後、ホットプレート上にて、110℃、60秒の条件でポストエキスポジャーベークを行い、次いで2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で30秒間のパドル現像を行った。
【0074】
現像後のウェハーを、ウシオ電機(株)製のエキシマーランプ〔“UER-20-172”(波長172nm)又は“UER-20-222”(波長222nm)〕の照射窓に密着させ、表1の条件で露光した。“UER-20-172”を用いた場合、照射窓での照度は10mW/cm2 であった。その後、種々の温度に設定したホットプレートにウェハーを入れ、180秒間加熱して、耐熱性の試験を行った。加熱前後のパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、実効感度及び解像度は加熱前のパターンにつき以下のようにして、また耐熱性は加熱後のパターンにつき以下のようにして評価し、結果を表1に示した。
【0075】
実効感度: 0.60μmのラインアンドスペースパターンの断面が1:1になる露光量で表示した。
【0076】
解像度: 実効感度の露光量で分離するラインアンドスペースパターンの最小線幅で表示した。
【0077】
耐熱性: 実効感度で露光し、現像した3μm のラインアンドスペースパターンが変形を始める温度で表示した。
【0078】
【表1】
【0079】
表1に示すように、比較例1は、通常のレジストを用いて通常の方法でパターンを形成したものであり、これに比べて、本発明により、光酸発生剤を含有させたレジスト膜にパターニング露光し、現像した後、光酸発生剤が分解して酸を発生しうる波長の光を照射し、次いで加熱した実施例1〜6は、感度及び解像度を低下させることなく、著しく耐熱性を向上させている。この際レジスト中には、光酸発生剤とともに架橋剤を存在させるのが一層効果的である。一方、比較例2のように光酸発生剤を存在させ、また比較例3のように光酸発生剤と架橋剤を存在させても、現像後の露光を行わない場合には、耐熱性の向上はない。これは、光酸発生剤からの酸の発生がないために、架橋による硬化が進まなかったためと思われる。比較例4のようにレジスト組成は通常のままで現像後の露光を行った場合には、耐熱性が若干向上するものの、本発明による実施例1〜6のものは、これに比べても耐熱性が一層向上している。
【0080】
実施例7〜10及び比較例5〜6
前記のノボラック樹脂を11部、前記のキノンジアジド系感光剤を4部、添加物として4,4′−(2−ヒドロキシベンジリデン)ジ−2,6−キシレノールを4部、及び溶剤として2−ヘプタノンを45部混合した。この液に、表2に示すそれぞれの活性剤(熱酸発生剤又はラジカル発生剤)と架橋剤を加えたのち、0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過して、レジスト液を調製した。
【0081】
ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で処理したシリコンウェハーに、上で得られた各レジスト液を乾燥後の膜厚が1.28μmとなるようスピンコートした。プリベークは、90℃、60秒の条件で、ダイレクトホットプレート上にて行った。こうしてレジスト膜を形成したウェハーに、 (株)ニコン製のg線ステッパー(“NSR-1755g7A”、NA=0.54)を用い、露光量を段階的に変化させて種々の寸法のラインアンドスペースパターンを露光した。その後、ホットプレート上にて、110℃、60秒の条件でポストエキスポジャーベークを行い、次いで2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で30秒間のパドル現像を行った。
【0082】
現像後のウェハーを130℃のホットプレートで180秒間加熱した後、種々の温度に設定したホットプレートに入れ、180秒間加熱して、耐熱性の試験を行った。加熱前後のパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、実施例1〜6と同様の方法で、実効感度、解像度及び耐熱性を評価し、結果を表2に示した。
【0083】
【表2】
【0084】
表2に示すように、比較例5は、通常のレジストを用いて通常の方法でパターンを形成したものであり、これに比べて、本発明により、熱酸発生剤又はラジカル発生剤を含有させたレジスト膜にパターニング露光し、現像した後、熱酸発生剤又はラジカル発生剤が分解して酸を発生しうる温度で加熱した実施例7〜10は、感度及び解像度を低下させることなく、著しく耐熱性を向上させている。一方、比較例6のように架橋剤を存在させても、熱酸発生剤やラジカル発生剤が存在しない場合には、耐熱性の向上はない。これは、熱酸発生剤又はラジカル発生剤からの酸又はラジカルの発生がないために、架橋による硬化が進まなかったためと思われる。
【0085】
【発明の効果】
本発明によれば、感度や解像度などの諸性能を損なうことなく、著しく耐熱性を向上させることができる。したがって、イオン注入における信頼性が高まり、またリフロー処理などにも有効に使用することができる。
Claims (8)
- アルカリ可溶性ノボラック樹脂、キノンジアジド系感放射線剤及び、パターニング露光の波長に感度を有しないが、その後の処理により酸又はラジカルを発生する活性剤を含有するポジ型レジスト組成物を基板上に塗布してレジスト膜を形成し、そこにパターニング露光し、アルカリ現像液で現像した後、活性剤から酸又はラジカルを発生させて硬化させることを特徴とする耐熱性に優れたレジストパターンの形成方法。
- 活性剤が、パターニング露光の波長には感度を有しないが、別の波長の光に感度を有する光酸発生剤であり、該光酸発生剤から酸を発生させて硬化させる処理が、該光酸発生剤が感度を有する波長の光の照射及び加熱により行われる請求項1記載の方法。
- パターニング露光が、波長436nmのg線又は波長365nmのi線を用いて行われ、現像後の光照射が、該パターニング露光の波長より短い波長を有する光を用いて行われる請求項2記載の方法。
- 活性剤が、熱分解により酸を発生する熱酸発生剤であり、該熱酸発生剤から酸を発生させて硬化させる処理が、加熱により行われる請求項1記載の方法。
- 熱酸発生剤から酸を発生させるための加熱処理を施した後、さらに硬化のための加熱処理を施す請求項4記載の方法。
- 活性剤が、熱分解によりラジカルを発生するラジカル発生剤であり、該ラジカル発生剤からラジカルを発生させて硬化させる処理が、加熱により行われる請求項1記載の方法。
- 加熱処理が、110〜180℃の温度で行われる請求項2〜6のいずれかに記載の方法。
- ポジ型レジスト組成物が、さらに架橋剤を含有する請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
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