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JP4225317B2 - ハイブリッド車両 - Google Patents
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JP4225317B2 - ハイブリッド車両 - Google Patents

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Description

この発明は、ハイブリッド車両に関し、より特定的には、エンジンおよびモータを動力源として備えるハイブリッド車両のエンジン始動制御に関する。
近年、エンジンの低燃費化を図るために、エンジンおよびモータの両方を動力源とするハイブリッド車両が実用化されている。このようなハイブリッド車両に用いられるハイブリッド駆動装置には、シリーズ方式、パラレル方式などの各種の方式が提案されているが、遊星歯車機構によってエンジンおよび2つのモータジェネレータを連結した、シリーズ−パラレルハイブリッド方式が提案されている。このようなシリーズ−パラレルハイブリッド方式では、遊星歯車機構によって構成された動力分割機構によって、エンジンおよびモータの駆動力が制御される。
このようなハイブリッド車両においては、走行状況に応じて、エンジンの停止または運転が選択される。特に、エンジンの始動時においては、エンジントルクが大きく変動するので、遊星歯車機構を構成するギヤ同士の噛み合い部などにおいて歯打ち音(以下、「異音」とも称する)や振動などが発生することが知られている。
そこで、たとえば、特開2005−318721号公報(特許文献1)に開示されるハイブリッド車両においては、モータの回転角を逐次検出し、その検出した回転角の推移に基づいて、モータのトルクが実質的に零に制御されている場合に、エンジントルクの変動により噛み合い機構で異音が発生しているか否かを判断し、異音が発生していると判断されると、モータからのトルクを徐々に増加させる構成が開示されている。この構成によれば、モータのトルクが実質的に零であっても、エンジントルクの変動による噛み合わせ機構における異音の発生を抑制する効果が得られる。
さらに、特許文献1に開示されるハイブリッド車両においては、モータからのトルクによりハイブリッド車両の停止状態が維持できない場合において、制動装置からの制動トルクを増加させる構成が開示されている。
特開2005−318721号公報 特開平9−170533号公報
しかしながら、車輪ブレーキなどの制動装置は、パッドなどを機械的に変位させることで生じる摩擦力により制動トルクを得るため、印加する電圧・周波数・位相などを変化させることで瞬間的にトルクを変化させることのできるモータに比較して、その応答性が低い。そのため、モータおよび制動装置に同時に指令を与えたとしても、モータが発生するトルクが制動装置により発生される制動トルクを上回り、運転性が低下するおそれがあった。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、エンジンおよびモータを含むハイブリッド駆動装置を備えたハイブリッド車両において、車両停止時からのエンジン始動時の運転性低下を抑制するハイブリッド車両を提供することである。
この発明によれば、車輪に連結された動力伝達部材と、動力伝達部材に連結されたエンジンおよびモータと、動力伝達部材に連結された噛み合い機構とを含むハイブリッド駆動装置を備えたハイブリッド車両である。そして、この発明に係るハイブリッド車両は、エンジンを回転駆動することにより始動させる始動手段と、車輪に制動トルクを付与する制動トルク付与手段と、エンジン始動要求時に、モータから所定のトルクを発生させる始動時モータ制御手段と、エンジン始動要求時に、モータが発生するトルクに抗して停止状態を維持するために、制動トルク付与手段から所定の制動トルクを付与させる制動トルク制御手段とを備える。さらに、始動時モータ制御手段は、制動トルク付与手段による制動トルクの付与に遅延して、モータから所定のトルクを発生させる。
この発明に係るハイブリッド車両によれば、始動時モータ制御手段は、制動トルク付与手段による制動トルクの付与に遅延してモータから所定のトルクを発生させる。そのため、制動トルク付与手段において制動トルクが生じるまでの時間が、モータがトルクを発生するまでの時間に比較して長い場合であっても、制動トルク付与手段は、モータが発生するトルクを超過するような制動トルクを付与する。
好ましくは、始動時モータ制御手段は、制動トルク制御手段が所定の制動トルクを付与させるための指令を制動トルク付与手段に与えてから所定時間経過後に、所定のトルクを付与するための指令をモータに与える。
好ましくは、制動トルク付与手段は、自己の発生する制動トルクを示す信号を発生し、始動時モータ制御手段は、制動トルク付与手段が応答する信号に応じて、所定のトルクを付与するための指令をモータに与える。
好ましくは、制動トルク付与手段は、油圧駆動の車輪ブレーキからなる。
好ましくは、制動トルク付与手段からの所定の制動トルクの付与が完了した後に、エンジンを始動するエンジン始動手段をさらに備える。
好ましくは、始動時モータ制御手段は、エンジンの始動に伴うエンジントルク変動に起因した噛み合い機構での異音発生を抑制するように、モータから所定のトルクを発生させる。
この発明に係るハイブリッド車両によれば、車両停止時からのエンジン始動時の運転性低下を抑制できる。
この発明の実施の形態1について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1に従うハイブリッド車両の概略構成図である。
図1を参照して、ハイブリッド車両(以下、単に「車両」と称する)1は、ハイブリッド駆動装置10と、制御装置20と、スタートスイッチ25と、ディファレンシャルギヤ30と、車軸40と、車輪(駆動輪)50aと、車輪(従動輪)50bと、車輪制動装置60と、ブレーキペダル70と、ブレーキペダル踏込センサ75と、油圧制御部80と、油圧経路85とを備える。
ハイブリッド駆動装置10は、車両1の駆動力を発生する。ハイブリッド駆動装置10についてのより詳細な説明は後述する。ハイブリッド駆動装置10によって発生された駆動力は、ディファレンシャルギヤ30を介して車軸40に伝達され、車輪50aの回転駆動に用いられる。ディファレンシャルギヤ30は、路面からの抵抗差を利用して車輪50aの左右間の回転差を吸収する。
電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)で構成される制御装置20は、ハイブリッド駆動装置10が搭載された車両1を運転者の指示に応じて操作するために、自動車に搭載された機器・回路群の全体動作を制御する。
スタートスイッチ25は、運転者による図示しない押しボタンスイッチやイグニッションスイッチの操作に応じて、エンジン始動要求を制御装置20へ与える。
車輪制動装置60は、各車輪50aおよび50bに対応して設けられた車輪ブレーキであり、運転者によるブレーキペダル70の踏込量に応じた制動トルクを、対応する車輪50aまたは50bに対して発生させる。一例として、車輪制動装置60は、車輪50aまたは50bに連結されたロータとロータに対して軸方向から摩擦力を付与するパッドとからなるディスクブレーキや、車輪50aまたは50bに連結されたドラムとドラムに対して周方向の摩擦力を付与するライニングとからなるドラムブレーキなどである。そして、車輪制動装置60は、油圧制御部80が発生する油圧が油圧経路85を介して伝達されることで、パッドやライニングなどを機械的に変位させて制動トルクを発生する。なお、車輪制動装置60は、車輪50aおよび50bにおいて同一種類のブレーキとする必要はなく、たとえば、駆動輪である車輪50aに対してはディスクブレーキとし、従動輪である車輪50bに対してはドラムブレーキとしてもよい。
油圧制御部80は、ブレーキペダル70に設けられたブレーキペダル踏込センサ75によって検知される踏込量に応じて制御装置20から与えられる制動トルク指令を受けて、所定の油圧を発生する。したがって、車輪制動装置60による制動トルクは、ブレーキペダル70の踏込量に応じたものとなる。
なお、図1に示された車両1においては、車輪50aのみがハイブリッド駆動装置10からの駆動力を受けて駆動するように構成されるが、車輪50bに対しても、ハイブリッド駆動装置10または図示しない他の駆動手段により駆動されるように構成してもよい。
次に、ハイブリッド駆動装置10の構成について説明する。
図2は、図1に示すハイブリッド駆動装置10のより詳細な構成図である。
図2を参照して、この発明の実施の形態1に従うハイブリッド駆動装置10は、燃料の燃焼によって作動する内燃機関などのエンジン(E/G)112と、そのエンジン112の回転変動を吸収するスプリング式のダンパ装置114と、そのダンパ装置114を介して伝達されるエンジン112の出力を第1モータジェネレータ116および出力部材118へ機械的に分配する遊星歯車式の動力分割機構120と、出力部材118に回転力を加える第2モータジェネレータ122とを備えている。
エンジン112、ダンパ装置114、動力分割機構120、および第1モータジェネレータ116は同軸上において軸方向に並んで配置されており、第2モータジェネレータ122は、ダンパ装置114および動力分割機構120の外周側に同心に配設されている。
動力分割機構120は、シングルピニオン型の遊星歯車装置で、3つの回転要素として第1モータジェネレータ116のモータ軸124に連結されたサンギヤ120sと、ダンパ装置114に連結されたキャリア120cと、第2モータジェネレータ122のロータ122rと連結されたリングギヤ120rとを含む。
出力部材118は、第2モータジェネレータ122のロータ122rにボルトなどによって一体的に固設されており、そのロータ122rを介して動力分割機構120のリングギヤ120rに連結されている。出力部材118には出力歯車126が設けられており、中間軸128の大歯車130および小歯車132を介して傘歯車式のディファレンシャルギヤ30が減速回転させられて、図1に示した車輪50aに動力が分配される。
この発明の実施の形態1においては、動力分割機構120、出力部材118、出力歯車126、大歯車130、中間軸128、小歯車132、およびディファレンシャルギヤ30が車輪50aまでの「動力伝達部材」を構成する。
第1モータジェネレータ116および第2モータジェネレータ122は、それぞれ、第1M/G制御器136および第2M/G制御器138を介して蓄電装置(バッテリ)140と電気的に接続されている。これらのモータジェネレータ116および122は、それぞれ蓄電装置140からの電気エネルギが供給されて所定のトルクで回転駆動される回転駆動状態と、回転制動(モータジェネレータ自体の電気的な制動トルク)により発電機として機能して蓄電装置140に電気エネルギを充電する充電状態と、モータ軸124やロータ122rが自由回転することを許容する無負荷状態との間で動作を切換えられる。
図3は、制御装置20を説明する概略構成図である。
図3を参照して、制御装置20は、CPUで構成されるコントローラ21と、RAM,ROM等で構成されるメモリ領域22とを含む。エンジン112は、燃料噴射量やスロットル弁開度、点火時期(起動指令)などが制御装置20によって制御されることにより、その回転数やトルク等の作動状態が制御される。
また、第1M/G制御器136および第2M/G制御器138も、制御装置20によって制御される。すなわち、制御装置20は、予め設定されたプログラムに従って処理ルーチンを実行することにより、第1M/G制御器136および第2M/G制御器138に制御指令を与え、走行状況に応じて、第1モータジェネレータ116および第2モータジェネレータ122による走行モードを、モータ走行、充電走行、およびエンジン・モータ走行等の間で切換える。
さらに、制御装置20は、ブレーキペダル踏込センサ75から受けたブレーキ踏込量および予め設定されたプログラムに従い、油圧制御部80へ制動トルク指令を与える。
再度、図2を参照して、この発明の実施の形態1においては、車両1が停止している状態からエンジン112を始動する場合には、第1モータジェネレータ116を電動機として駆動させる。すると、動力分割機構120のリングギヤ120rが反力要素となり第1モータジェネレータ116のトルクは、モータ軸124、キャリア120cおよびダンパ装置114を介してエンジン112に伝達され、エンジン112がクランキング(回転駆動)される。エンジン112のクランキングに伴い、燃料の噴射および点火が行なわれて、エンジン112の自立回転が確立される。エンジン112の自立回転が確立されると、ダンパ装置114、キャリア120cおよびリングギヤ120rを介して、出力部材118にエンジン112からのトルクが伝達される。出力部材118のトルクは、出力歯車126、大歯車130、小歯車132およびディファレンシャルギヤ30を介して、車輪50aに動力が伝達されて駆動力が発生する。
ところで、エンジン112は、燃料の燃焼による熱エネルギを回転運動に変換するものであるために、トルク変動が不可避的に生じる。特に、エンジン回転数が所定回転数以下である場合は燃焼が不安定であり、エンジントルクの変動幅が大きくなる。このようなエンジントルクの変動が生じた場合には、エンジン112から車輪50aに至る動力伝達部材(たとえばリングギヤ120r)に連結されている噛み合い機構で、衝撃による異音が生じることがある。なお、この発明の実施の形態1において、「噛み合い機構」には、動力分割機構120を構成するギヤ同士の噛み合い部、出力歯車126と大歯車130との噛み合い部、および小歯車132の噛み合い部などが含まれる。
そこで、特許文献1でも開示されているように、エンジンの始動前に、第2モータジェネレータから所定のトルクを発生させて、動力分割機構120を構成するギヤ同士の噛み合い部、出力歯車126と大歯車130との噛み合い部、および小歯車132の噛み合い部などに押付け力を与えることで、噛み合い機構で生じる異音を抑制することが知られている。以下では、押付け力を与えるために、第2モータジェネレータが発生するトルクを「押付けトルク」とも称する。
一方で、第2モータジェネレータが発生する押付けトルクは、リングギヤ120rを介して出力部材118へ伝達される。そのため、車輪50aに対して制動トルクが付与されていなければ、車両1には何らかのショックが生じる可能性がある。すなわち、車両1は、第2モータジェネレータ122からの押付けトルクを受けて、瞬間的な変位を生じる可能性がある。運転者の操作によりエンジン始動要求が生じる場合には、シフトポジションがパーキングポジションであることをエンジン始動条件とすることで、パーキングロックブレーキなどにより制動トルクを確実に付与できる。しかしながら、充電装置の充電要求により、停車中においてエンジン始動要求が生じる場合などには、制動トルクを確実に付与することができない。そこで、第2モータジェネレータから押付けトルクを発生すると同時に、車輪制動装置60から制動トルクを付与して、車両1に生じるショックを抑制することが望ましい。
上述したように、車輪制動装置60は、油圧制御部80から油圧経路85を介して伝達された油圧を受けて制動トルクを発生するため、制御装置20からの制動トルク指令を受けて、実際に制動トルクを生じるまでに遅れ時間(むだ時間)が存在する。一方、第2モータジェネレータ122は、第2M/G制御器138から印加される電圧・周波数・位相などに応じて、押付けトルクを瞬間的に発生する。
すなわち、制御装置20からの指令に対する車輪制動装置60の応答性は、第2モータジェネレータの応答性に比較して低い。したがって、制御装置20が油圧制御部80および第2M/G制御器138に対して、それぞれ押付けトルク指令および制動トルク指令を同時に与えたとしても、車輪制動装置60が制動トルクを発生するタイミングは、第2モータジェネレータ122が押付けトルクを発生するタイミングより遅延する。そのため、第2モータジェネレータ122が発生する押付けトルクが、車輪制動装置60が付与する制動トルクを超過し、車両1にショックを与える可能性がある。
そこで、この発明の実施の形態1においては、第2モータジェネレータ122による押付けトルクの発生を車輪制動装置60による制動トルクの付与に遅延させる。たとえば、制御装置20は、制動トルク指令を車輪制動装置60に与えてから所定の時間が経過した後に、押付けトルク指令を第2M/G制御器138に与える。
図4は、車輪制動装置60による制動トルクおよび第2モータジェネレータ122による押付けトルクの時間的な変化を説明するための図である。
図4(a)は、車輪制動装置60および第2モータジェネレータ122に対して、同時に指令を与える場合である。
図4(b)は、この発明の実施の形態1における場合である。
図4(a)を参照して、時刻t0においてエンジン始動要求が生じると、油圧制御部80に対して制動トルク指令が与えられ、かつ、第2M/G制御器138に対して押付けトルク指令が与えられる。すると、第2モータジェネレータ122は、時刻t1において、押付けトルク指令に応じた押付けトルクの発生を開始する。一方、車輪制動装置60は、時刻t2(>t1)において、制動トルク指令に応じた制動トルクの発生を開始する。ここで、時刻t0〜t3の期間において、第2モータジェネレータ122が発生する押付けトルクは、車輪制動装置60が実際に発生する制動トルクを超過している。すなわち、時刻t0〜t3の期間においては、車両1にショックを与える可能性があることを意味する。
一方、図4(b)を参照して、この発明の実施の形態1では、時刻t0においてエンジン始動要求が生じると、制御装置20は、まず、油圧制御部80に対して制動トルク指令を与える。なお、噛み合わせ機構に対して急激なトルク変動を与えると、エンジントルク変動と同様に、異音が発生する場合もあるので、制動トルク指令は所定のレート(変化率)をもって増加する。すると、車輪制動装置60は、時刻t2において、制動トルク指令に応じたトルクの発生を開始する。そして、制御装置20は、時刻t0から遅延時間ΔTだけ遅延した時刻t0+ΔTにおいて、第2M/G制御器138に対して押付けトルク指令を与える。すると、第2モータジェネレータ122は、押付けトルク指令に応じたトルクの発生を開始する。
その後、制御装置20は、車輪制動装置60が所定の制動トルクの発生を完了し、かつ、第2モータジェネレータ122が所定の押付けトルクの発生を完了した後、第1モータジェネレータによりエンジン112をクランキングし、エンジン112を始動させる。
このように、制御装置20は、第2モータジェネレータ122に対して押付けトルク指令を与えた後、遅延時間ΔTが経過した後に、油圧制御部80に対して制動トルク指令を与えることで、第2モータジェネレータ122からの押付けトルクが車輪制動装置60からの制動トルクを超過しないようにし、車両1を静止状態に維持する。なお、遅延時間ΔTは、油圧制御部80、油圧経路85および車輪制動装置60などにおける応答時間遅れなどを実験的に測定することで、予め決定しておくことができる。
図5は、この発明の実施の形態1に従うエンジンの始動制御の一例を示すフローチャートである。
図5を参照して、制御装置20は、所定条件の成立に応じたエンジン始動要求の発生を逐次チェックし(ステップS100)、エンジン始動要求が発生すると(ステップS100においてYESの場合)、油圧制御部80に対して制動トルク指令の増加を開始する(ステップS102)。そして、制御装置20は、所定の遅延時間ΔTだけ待機する(ステップS104)。そして、所定の遅延時間ΔTだけ待機した後、制御装置20は、第2M/G制御器138に対して、押付けトルク指令の増加を開始する(ステップS106)。
制御装置20は、押付けトルク指令が所定の値に到達したか否かを判断し(ステップS108)、押付けトルク指令が所定の値に到達した場合(ステップS108においてYESの場合)には、車輪制動装置60による所定の制動トルクの発生および第2モータジェネレータ122による所定の押付けトルクの発生が完了したと判断する。このとき、制御装置20は、第1M/G制御器136に回転指令を与え、第1モータジェネレータ116によりエンジン112をクランキングし、エンジン112を始動させる(ステップS110)。
なお、この発明の実施の形態1においては、第2モータジェネレータ122が「モータ」に相当する。また、第1M/G制御器136および第1モータジェネレータ116が「始動手段」を実現する。また、油圧制御部80、油圧経路85および車輪制動装置60が「制動トルク付与手段」を実現する。また、制御装置20が「始動時モータ制御手段」および「制動トルク制御手段」を実現する。
この発明の実施の形態1によれば、油圧制御部に与えられる制動トルク指令に対して、第2M/G制御器に与えられる押付けトルク指令が遅延するので、第2M/G制御器が押付けトルク指令を受けてから実際に第2モータジェネレータが押付けトルクを発生する応答時間に比較して、油圧制御部が制動トルク指令を受けてから制動装置が実際に制動トルクを発揮するまでの応答時間が長い場合においても、押付けトルクが制動トルクを超過することを回避できる。よって、押付けトルクによる車両へのショックを抑制し、車両停止時からのエンジン始動時の運転性低下を抑制できる。
[実施の形態2]
上述のこの発明の実施の形態1においては、第2M/G制御器138および油圧制御部80に対する指令に時間差を与える構成について説明したが、この発明の実施の形態2では、実際に発生する制動トルクを示す値に応じて第2M/G制御器138に押付けトルク指令を与えてもよい。
この発明の実施の形態2に従うハイブリッド車両の構成は、この発明の実施の形態1における車両1と同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
再度、図1を参照して、油圧制御部80は、制御装置20からの制動トルク指令に応じて、油圧を発生すると同時に、その発生する油圧値を制御装置20へ応答する。油圧制御部80が発生する油圧値は、車輪制動装置60におけるパッドやライニングの押付圧、すなわち車輪制動装置60が発生する制動トルクを示す値とみなすことができる。そこで、制御装置20は、油圧制御部80が応答する油圧値に応じて、第2M/G制御器138に与える押付けトルク指令を調整してもよい。
図6は、この発明の実施の形態2における車輪制動装置60による制動トルクおよび第2モータジェネレータ122による押付けトルクの時間的な変化を説明するための図である。
図6を参照して、時刻t0においてエンジン始動要求が生じると、制御装置20は、油圧制御部80に対して制動トルク指令を与える。すると、油圧制御部80が発生する油圧は、制動トルク指令に遅れて立ち上がる。制御装置20は、油圧制御部80が応答する油圧値に応じて、押付けトルク指令を生成し、第2M/G制御器138へ与える。一例として、制御装置20は、油圧制御部80が応答する油圧値に所定の比例定数を乗じて押付けトルク指令を生成する。すると、第2モータジェネレータ122は、油圧制御部80が発生する油圧値、すなわち車輪制動装置60が生じる制動トルクを超過しないように、押付けトルクを発生することができる。
図7は、この発明の実施の形態2に従うエンジンの始動制御の一例を示すフローチャートである。
図7を参照して、制御装置20は、所定条件の成立に応じたエンジン始動要求の発生を逐次チェックし(ステップS200)、エンジン始動要求が発生すると(ステップS200においてYESの場合)、油圧制御部80に対して制動トルク指令の増加を開始する(ステップS202)。
また、制御装置20は、油圧制御部80が応答する油圧値を取得する(ステップS204)。そして、制御装置20は、取得した油圧制御部80の油圧値に応じて、押付けトルク指令を決定し(ステップS206)、第2M/G制御器138に対し決定した押付けトルク指令を与える(ステップS208)。さらに、制御装置20は、決定した押付けトルク指令が所定の値に到達したか否かを判断し(ステップS210)、押付けトルク指令が所定の値に到達していない場合(ステップS210においてNOの場合)には、上述のステップS204〜S210を繰返し実行する。制御装置20は、押付けトルク指令が所定の値に到達した場合(ステップS210においてYESの場合)には、制御装置20は、車輪制動装置60による所定の制動トルクの発生および第2モータジェネレータ122による所定の押付けトルクの発生が完了したと判断して、第1M/G制御器136に回転指令を与え、第1モータジェネレータ116によりエンジン112をクランキングし、エンジン112を始動させる(ステップS212)。
この発明の実施の形態2によれば、油圧制御部は、制動トルク指令に応じて発生する油圧値を応答し、その応答された油圧値に応じて第2M/G制御器に与えられる押付けトルク指令を決定する。すなわち、制動装置が実際に発生する制動トルクを示す油圧値に応じて、第2モータジェネレータが発生すべき押付けトルクに対応する押付けトルク指令が決定されるので、制動装置の劣化などによる油圧立ち上がり時間のバラツキが生じても、押付けトルクが制動トルクを超過することを確実に回避できる。よって、押付けトルクによる車両へのショックを抑制し、車両停止時からのエンジン始動時の運転性低下を抑制できる。
また、この発明の実施の形態2によれば、油圧制御部から応答された油圧値に応じて、押付けトルク指令が決定されるので、この発明の実施の形態1において、油圧立ち上がり時間のバラツキなどを考慮して遅延時間を比較的長く設定する場合などに比較して、エンジン始動要求を受けてから所定の押付けトルクを発生するまでの時間を短縮でき、より迅速なエンジンの始動を実現できる。
なお、上述のこの発明の実施の形態1および2においては、主としてエンジン始動時における噛み合い機構での異音発生を抑制する目的で、第2モータジェネレータからのトルク発生および制動装置からの制動トルクの付与を行なう場合について説明したが、この目的に限られることはない。たとえば、エンジントルクの変動により動力分割機構で生じる反力を打ち消す目的で、第2モータジェネレータから所定のトルクを与える場合にも同様に適用できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の実施の形態1に従うハイブリッド車両の概略構成図である。 図1に示すハイブリッド駆動装置のより詳細な構成図である。 制御装置を説明する概略構成図である。 車輪制動装置による制動トルクおよび第2モータジェネレータによる押付けトルクの時間的な変化を説明するための図である。 この発明の実施の形態1に従うエンジンの始動制御の一例を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2における車輪制動装置による制動トルクおよび第2モータジェネレータによる押付けトルクの時間的な変化を説明するための図である。 この発明の実施の形態2に従うエンジンの始動制御の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
1 ハイブリッド車両、10 ハイブリッド駆動装置、20 制御装置、21 コントローラ、22 メモリ領域、25 スタートスイッチ、30 ディファレンシャルギヤ、40 車軸、50a 車輪(駆動輪)、50b 車輪(従動輪)、60 車輪制動装置、70 ブレーキペダル、75 ブレーキペダル踏込センサ、80 油圧制御部、85 油圧経路、112 エンジン(E/G)、114 ダンパ装置、116 第1モータジェネレータ、118 出力部材、120c キャリア、120s サンギヤ、120r リングギヤ、120 動力分割機構、122 第2モータジェネレータ、122r ロータ、124 モータ軸、126 出力歯車、128 中間軸、130 大歯車、132 小歯車、136 第1M/G制御器、138 第2M/G制御器、140 蓄電装置、ΔT 遅延時間。

Claims (6)

  1. 車輪に連結された動力伝達部材と、前記動力伝達部材に連結されたエンジンおよびモータと、前記動力伝達部材に連結された噛み合い機構とを含むハイブリッド駆動装置を備えたハイブリッド車両であって、
    前記エンジンを回転駆動することにより始動させる始動手段と、
    前記車輪に制動トルクを付与する制動トルク付与手段と、
    エンジン始動要求時に、前記モータから所定のトルクを発生させる始動時モータ制御手段と、
    前記エンジン始動要求時に、前記モータが発生するトルクに抗して停止状態を維持するために、前記制動トルク付与手段から所定の制動トルクを付与させる制動トルク制御手段とを備え、
    前記始動時モータ制御手段は、前記制動トルク付与手段による制動トルクの付与に遅延して、前記モータから所定のトルクを発生させる、ハイブリッド車両。
  2. 前記始動時モータ制御手段は、前記制動トルク制御手段が前記所定の制動トルクを付与させるための指令を前記制動トルク付与手段に与えてから所定時間経過後に、前記所定のトルクを付与するための指令を前記モータに与える、請求項1に記載のハイブリッド車両。
  3. 前記制動トルク付与手段は、自己の発生する制動トルクを示す信号を発生し、
    前記始動時モータ制御手段は、前記制動トルク付与手段が応答する前記信号に応じて、前記所定のトルクを付与するための指令を前記モータに与える、請求項1に記載のハイブリッド車両。
  4. 前記制動トルク付与手段は、油圧駆動の車輪ブレーキからなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のハイブリッド車両。
  5. 前記制動トルク付与手段からの前記所定の制動トルクの付与が完了した後に、前記エンジンを始動するエンジン始動手段をさらに備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載のハイブリッド車両。
  6. 前記始動時モータ制御手段は、前記エンジンの始動に伴うエンジントルク変動に起因した前記噛み合い機構での異音発生を抑制するように、前記モータから所定のトルクを発生させる、請求項1〜5のいずれか1項に記載のハイブリッド車両。
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