JP4226867B2 - 表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示装置に係り、特に異なる発光色の複数の単位画素で1カラー画素を構成する表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高度情報化社会の到来に伴い、パソコン、カーナビ、携帯情報端末、情報通信機器あるいはこれらの複合製品の需要が増大している。これらの製品の表示手段には、薄型、軽量、低消費電力のディスプレイデバイスが適しており、補助照明を用いる液晶表示装置、あるいは発光ダイオードなどの自発光型の電気光学素子を用いた表示装置やプラズマ表示装置も実用化されている。
【0003】
液晶表示装置は、薄型、軽量、かつ低電力消費であるという特性から各種の電子機器のディスプレイデバイスとして広く使用されている。また、発光ダイオードなどの自発光型の電気光学素子を用いた表示装置は、視認性がよいこと、広い視角特性を有すること、高速応答で動画表示に適していることなどの特徴があり、映像表示には特に好適と考えられている。
【0004】
この種の表示装置では、カラー表示を実現するために、複数色(通常は、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色)の単位画素を隣接して配置し、それぞれの単位画素ごとに色層(カラーフィルタ、あるいは発色層)を形成する。薄膜トランジスタを形成した基板側に顔料あるいは染料からなる着色材をインクジェット方式等で塗布する形式の液晶表示装置では、隣接する単位画素間で塗布する異なる着色材が互いに混入を起こさないようにする必要がある。
【0005】
インクジェットを用いた着色層の塗布は、一列に並べた多数のノズルを画素の配置面に対して移動させながら所要の着色材を吐出する方法が採用される。しかし、単位画素の領域にインクジェットのノズルを正確に位置合わせすることは困難であり、極めて接近して配列される単位画素の所定の色の領域にのみ所要の着色材を正確に塗布し、隣接する単位画素に混入しないようにすることは困難である。
【0006】
また、近年の有機物を発光層とする発光ダイオード(有機EL発光素子)を用いた表示装置は発光効率の急速な向上と映像通信を可能にするネットワーク技術の進展とが相まって、実用化の期待が高い。有機EL発光素子(OLEDと略称することもある)は有機発光層(有機EL層)を2枚の電極で挟んだダイオード構造を有する。このような有機EL発光素子を用いて構成した有機EL表示装置では、その画素選択を薄膜トランジスタ(以下、TFTとも称する)をスイッチング素子(アクティブ素子)としたものが一般的である。
【0007】
図14は薄膜トランジスタをスイッチング素子として用いた有機EL発光素子の発光機構を説明する1単位画素付近の構造例を模式的に説明する断面図である。なお、図14は説明のために単純化した概略構造であり、駆動回路には複数の薄膜トランジスタが用いられるが、図示は省略してある。有機EL発光素子は電流駆動素子であり、図中の参照符号Iで示した矢印は発光に寄与する電流の経路を示す。
【0008】
有機EL発光素子を用いた表示装置では、ガラス等の絶縁基板SUB上にポリシリコン層PSIなどで形成した各画素の薄膜トランジスタTFTを有する。薄膜トランジスタTFTは、ポリシリコン層等の半導体層PSI上に第1の絶縁層IS1、ゲート配線(走査線)GL、第2の絶縁層IS2、ソース・ドレイン配線SD(薄膜トランジスタTFTの動作によってソース電極ともなり、またドレイン電極ともなる)、第3の絶縁層IS3を有し、第3の絶縁層IS3の上層部に形成した保護膜PSVの上に第1の電極層となるITOのパターンが形成される。この第1の電極層ADは一方の電極(ここでは陽極)であり、保護膜PSVと第3の絶縁層IS3を貫通して開けたコンタクトホールでソース・ドレイン配線SDに接続されている。
【0009】
そして、保護膜PSVの上に発光材である有機EL層OLEを塗布する前に、アクリル樹脂からなる流動性のある層間絶縁層ILIを塗布して表面の平滑性を向上させると共に、フォトリソグラフィ技法等の加工手段で当該層間絶縁層ILIの画素領域に開口を形成する。この開口は第1の電極層ADのパターンの内側において有機EL層を設けるために要する領域だけに形成される。
【0010】
したがって、画素領域には層間絶縁層ILIがテーパをもつ内壁となって堤部BKを形成し、底面に平坦な第1の電極層ADが露出した凹部(後述する実施例における表示部の凹部HL1)が形成されることになる。この表示部の凹部に発光材である有機EL層OLEを塗布することで、単位画素(後述する実施例におけるLD)の領域には所要の厚みで均一な有機EL層OLEが収容される。また、単位画素の領域の周囲に塗布された有機EL層OLEは層間絶縁層ILIで第1の電極層ADから隔離される。
【0011】
有機EL層OLEの塗布後、上層を覆って第2の電極層CD(他方の電極、ここでは陰極)が形成される。この第2の電極層CDは金属膜を好適とする。層間絶縁層ILIがテーパをもつことで、その上に塗布される有機EL層OLEおよび第2の電極層CDに、所謂段切れは発生し難い。有機EL層OLEの周囲にある端縁で形成される当該第2の電極層CDは、その端縁を含めて第1の電極層ADから離間される。そのため、第1の電極層AD、第2の電極層CDの何れかあるいは双方の端縁の間でのリーク電流の発生は充分に防止される。
【0012】
薄膜トランジスタTFTはドライバトランジスタ(図9で後述する実施例の薄膜トランジスタTFT2に相当)であり、この薄膜トランジスタTFTがゲート線GLで選択されたとき、電流供給バスラインから分岐した電流供給線より、コンデンサに保持されたデータ信号に応じた階調の電流値の電流Iが当該薄膜トランジスタTFTを通して有機EL層OLEを挟む一方の電極である第1の電極層ADに供給される。
【0013】
有機EL発光素子OLEDは、その有機EL層OLE内で第2の電極層CDからの電子と第1の電極層ADからのホールとが再結合し、当該有機発光層OLEの材料特性に応じたスペクトルの光Lを発光する。第1の電極層ADは各画素毎に独立であるが、第2の電極層CDは全画素についてべた膜状に形成されている。薄膜トランジスタTFTから有機発光素子OEを通った電流は第2の電極層CDから図示しない電流引抜き線を通して流れ出る。このような画素が多数マトリクス配列されて2次元の画像表示装置が構成される。
【0014】
発光「L」の方向が図14に示したものでは、基板SUBにガラスを好適とする透明絶縁基板を用い、その基板の内面に有機EL層を有する多数の画素構造を形成している。そして、有機EL層の光学特性が湿度によって劣化するのを回避するために他のガラス材あるいは金属製の缶(封止缶)で背面を覆い、周縁を封止して外部雰囲気からの湿気や酸素等のガスの浸入を遮断している。
【0015】
上記画素構造は、基板面にマトリクス状に配列した多数の薄膜トランジスタ、一方の電極(画素電極)、有機EL層、他方の電極(対向電極)を有し、各薄膜トランジスタで駆動される画素電極を一方の電極とし、対向電極である他方の電極の間に有機EL層を挟んで構成される。そして、有機EL層は画素電極と対向電極の間にかかる電界に応じて流れる電流Iにより発光し、当該有機EL層の組成に応じた光を発光することは前記のとおりである。
【0016】
なお、この種の従来技術を開示したものとしては、次のようなものを挙げることができる。
【0017】
【特許文献1】
特開2000−353594号
【特許文献2】
特開2000−172200号
【特許文献3】
特開平9−159998号
【特許文献2】
特開平6−342156号
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
通常、発光材である有機EL層は画素領域に形成した上に塗布され、その後に対向電極が形成される。この有機EL層の塗布には印刷方式あるいはインクジェット方式等が用いられるが、高精細な画素を形成する上では現在のところインクジェット方式が好適である。このためのインクジェット装置に有するインクジェットノズル(以下、単にノズルとも称する)は一方向に複数のノズル孔(インク吐出孔)を一線上に配列し、マトリクス配列された画素領域に対してある一方向に沿ってノズルを移動させながらノズル孔から有機EL材料(有機ELインク)を吐出する方法が広く採用されている。しかし、インクジェット方式では有機EL層を塗布する場合、ノズルと画素領域(単位画素)の位置合わせが難しく、ノズルから吐出された有機ELインクが隣接の画素領域にまで塗布されてしまうことがある。その結果、所謂混色が生じ、色再現性が劣化して高い表示品質を得ることが困難となる。
【0019】
本発明の目的は、隣接する単位画素領域に異なる着色材や発光材が入り込むことがなく、混色のない高品質の表示を可能とした表示装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、色の異なる単位画素の間に表示に寄与しない領域の配置を工夫し、隣接する単位画素の間を離すことでインクジェット装置のノズルから吐出される着色材あるいは発光材は隣接する単位画素まで達するのを阻止する。その結果、表示色の異なる単位画素間の混色が防止され、高品質の表示を得ることができる。
【0021】
すなわち、本発明では、表示色の異なる複数の単位画素からなる多数のカラー画素が表示面の第1の方向および第1の方向に交差する第2の方向に配置された表示装置において、カラー画素を構成する同一表示色の単位画素のそれぞれを第1の方向に配置される表示部と非表示部で構成し、第2の方向に隣接する単位画素の表示部と非表示部を第2の方向で互い違いに配列する。
【0022】
単位画素の非表示部の面積は対応する表示部の面積より狭くして開口率を大きくする。また、カラー画素を構成する複数の単位画素のうち、最も輝度が高い表示色(例えば、緑(G))の単位画素の表示部の面積を他の表示色(例えば、赤(R)、青(B))の単位画素の表示部の面積より狭くすればさらに単位画素間の混色を防止できる。そして、単位画素の非表示部には対応する表示部を駆動する薄膜トランジスタ等のアクティブ素子を形成する。
【0023】
さらに、本発明では、表示色の異なる複数の単位画素からなる多数のカラー画素が表示面の第1の方向および第1の方向に交差する第2の方向に配置された表示装置において、単位画素を表示部およびこの表示部に対して第1の方向に位置する非表示部で構成し、少なくとも第2の方向に沿った多数のカラー画素を構成する各単位画素の境界に堤部を設け、この堤部の間に形成された凹部における表示部のそれぞれにインクジェット装置で発光材を塗布する。
【0024】
この場合も、単位画素の非表示部の面積を対応する表示部の面積より狭くして開口率を大きくする。また、カラー画素を構成する複数の単位画素のうち、最も輝度が高い表示色(例えば、緑(G))の単位画素の表示部の面積を他の表示色(例えば、赤(R)、青(B))の単位画素の表示部の面積より狭くすればさらに表示品質を向上できる。そして、単位画素の非表示部には対応する表示部を駆動する薄膜トランジスタ等のアクティブ素子を形成する。
【0025】
第2の方向に隣接する前記単位画素を構成する前記表示部と前記非表示部とを、第2の方向に沿って互い違いに配列することで、隣接する表示部の距離はさらに大きくなる。堤部の間に形成された凹部の前記非表示部は、第2の方向に隣接する単位画素の発光層の混色を遮断する発光層隔離領域となる。上記の堤部は第1の方向にも設けることで発光層の流出を抑制し、所定の領域に所要の量で確実に発光層の塗布を行うことができる。このことは、前記した着色材の塗布についても同様である。
【0026】
上記発光層を有機エレクトロルミネッセンス層とすることで有機EL表示装置を構成できる。また、単位画素の非表示部には対応する表示部を駆動するアクティブ素子を設ける。
【0027】
上記の各構成とすることにより、隣接する単位画素の間を離すことでインクジェット装置のノズルから吐出される着色材あるいは発光材は隣接する単位画素まで達するのを阻止する。その結果、表示色の異なる単位画素間の混色が防止され、高品質の表示を得ることができる。
【0028】
なお、本発明は上記の構成および後述する実施例の構成に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱することなく、種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、実施例の図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明による表示装置の一実施例を説明する要部平面図であり、図2は図1のA−A線に沿った断面図である。図1および図2は本発明を有機EL表示装置に適用した場合の画素構成を示す。図1および図2中、参照符号R,G,Bは表示部であり、Rは赤色の表示部、Gは緑色の表示部、Bは青色の表示部で、Nは非表示部、BKは堤部である。各単位画素LDは表示部Rと非表示部N、表示部Gと非表示部N、表示部Bと非表示部Nで構成され、第2の方向に隣接する3つの単位画素(R+N)、(G+N)、(B+N)で1カラー画素を構成する。
【0030】
また、参照符号BLは基板、HL1は表示部R,G,Bの凹部(以下、第1凹部)、HL2は非表示部Nの凹部(以下、第2凹部)を示す。そして、参照符号DAは第1の方向S1に有するデータ線またはドレイン線で駆動される単位画素、GAは第2の方向S2に有する走査線またはゲート線で選択される単位画素、OLEDは有機EL層を示し、OLED(R)は赤色の有機EL層、OLED(G)は緑色の有機EL層、OLED(B)は青色の有機EL層、ADは陽極(一方の電極)、PEDOTはホール注入層である。
【0031】
図2に断面で示されたように、単位画素LDの表示部と非表示部の間には堤部BKが形成され、この堤部BKで表示部の凹部である第1の凹部HL1と非表示部の凹部である第2の凹部HL2が形成される。第1の凹部HL1と第2の凹部HL2は、図2では第2の方向S2に堤部BKが形成されている状態を示しているが、図1の平面図に示したように、堤部BKは第1の方向S1にも形成するのが望ましい。すなわち、第1の凹部HL1と第2の凹部HL2の各周囲に堤部を持たせることで、塗布される材料の流出を阻止し、かつ第1の凹部HL1に所要の量の材料を確保することができる。このことは、以下の各実施例でも同様である。
【0032】
第1の凹部HL1には一方の電極(ここでは、陽極)AD、ホール注入層PEDOTと有機EL層OLEDが塗布される。一方の電極ADは画素電極であり、図1に示したように、表示部を構成して非表示部Nと共に互い違いに(第1の方向S1と第2の方向S2共に千鳥状に)配列される。単位画素LDの表示部と第2の方向で隣接する単位画素の非表示部には薄膜トランジスタTFTが配置される。薄膜トランジスタTFTは有機EL層をオン・オフするスイッチング素子の機能を有する。
【0033】
本実施例では、1カラー画素を構成する赤色の有機EL層OLED(R)と緑色の有機EL層OLED(G)および青色の有機EL層OLED(B)は、緑色の有機EL層OLED(G)が第1の方向S1の上方に位置する正三角形と下方に位置する逆三角形の交互の繰り返しで第2の方向に沿って配列されている。堤部BKは画素開口部となる第1の電極ADの大部分を露呈し、それ以外の部分を覆っている。この画素開口部にホール注入層PWDOTが塗布され、さらにその上に有機EL層OLEDが塗布されている。なお、図1では、第1の凹部1を矩形として示したが、これは円形、楕円形、あるいはその他の多角形でよい。
【0034】
図3はホール注入層と有機EL発光層の形成工程を説明する図2と同様の断面図である。図中、図1および図2と同一参照符号は同一機能部分に対応する。この工程では、ホール注入層と有機EL発光層をインクジェット装置でそれぞれの材料を塗布する。なお、インクジェット装置は第1の方向または第2の方向に配列された多数のノズルを有し、各ノズルは一色のホール注入層材料または一色の有機EL発光材料を1カラー画素ごとに走査しながら対応する表示部の凹部HL1に吐出する。
【0035】
図3の(a)は基板BLに薄膜トランジスタTFT、第1の電極AD、堤部BKを形成した状態を示す。この基板に対し、同図(b)にはホール注入層を形成する工程を示す。すなわち、インクジェット装置のノズルから溶剤に溶かしたホール注入層材料が液滴PEDOT(BALL)として吐出され、第1の凹部HL1に塗布される。第1の凹部HL1に塗布されたホール注入層材料は両側の堤部BK内に貯留された液状の塗布層PEDOT(PL)となる。
【0036】
この液状の塗布層PEDOT(PL)は乾燥され、その溶剤が除去されて図3(c)に示したように薄いホール注入層PEDOTとなる。ホール注入層PEDOTは各単位画素に形成される。次に、インクジェット装置のノズルから溶剤に溶かした一色目の有機EL発光材料OLED(BALL)を第1色の表示部の凹部HL1に吐出し、当該第1の凹部HL1に塗布される。第1の凹部HL1に塗布された有機EL発光材料は両側にある堤部BKの内部に液状の塗布層OLED(PR)として貯留される。図3(d)は、第1色目の有機EL発光材料の塗布が完了し、第2色目の有機EL発光材料の液滴OLED(BALL)を第2色の第1の凹部HL1に滴下している状態を示す。
【0037】
第2色目の有機EL発光材料の塗布は第1色目の有機EL発光材料の液状の塗布層OLED(PR)を乾燥した後に行うのが望ましい。第3色目の有機EL発光材料の塗布も第2色目の有機EL発光材料の乾燥後に行うのが望ましい。しかし、本実施例では、隣接する表示部が第2の凹部HL2で隔てられているため、乾燥工程を待たずに次の有機EL発光材料を塗布しても問題ない。図3(e)は全ての有機EL発光材料を塗布し、乾燥されて3色の有機EL発光層OLED(R),OLED(G),OLED(B)を形成した状態を示す。
【0038】
図4は本実施例における有機EL発光層の塗布状態の説明図である。なお、ホール注入層の塗布も同様である。インクジェット装置に有するノズルで有機EL発光材料の液滴OLED(BALL)を第1の凹部HL1に吐出するとき、吐出の許容範囲は図中にaで示した範囲である。吐出される有機EL発光材料の液滴OLED(BALL)が許容範囲aから外れて図中のbに示す範囲になったとき、当該液滴OLED(BALL)は第2の凹部HL2に落ち、隣接する単位画素を構成する第1の凹部まで達することはない。
【0039】
従来の単位画素の構成では、所定の表示部のすぐ側に隣接する表示部が位置するため、吐出される有機EL発光材料の液滴OLED(BALL)が図4の範囲bにずれると混色が起こる。しかし、本実施例では、第2の凹部HL2があるため、範囲bに滴下された液滴はこの第2の凹部HL2に貯留される。したがって、隣接する第1の凹部HL1に異なる色の発光材料が混入することがなく、その結果、混色の発生を回避することができ、色相劣化のない高品質のカラー表示を実現できる。
【0040】
次に、上記した工程で形成したホール注入層と有機EL発光層を有する有機EL表示装置の画素構成の一例を説明する。本発明による単位画素構成を有する表示装置では、非表示部に設ける薄膜トランジスタの配置が単位画素ごとに第2の方向S2に関して第1の方向に互い違いの配置となる。したがって、各単位画素を駆動する走査配線の引き回しに工夫が必要となる。
【0041】
図5は本発明による有機EL表示装置における走査配線の一引回し例を模式的に説明する要部平面図である。有機EL表示装置では、各単位画素の駆動回路は2以上の薄膜トランジスタで構成されるが、図5では1個で代表させている。図中、参照符号LDは単位画素を構成する表示部に有する有機EL発光部であり、LD(R)は赤の発光部、LD(G)は緑の発光部、LD(B)は青の発光部を示す。この各有機EL発光部LD(R)、LD(G)、LD(B)にデータを書き込む薄膜トランジスタTFTを選択するための走査配線(ゲート線)GLは、第2の方向に配列された各単位画素を第2の方向で挟むように第1の方向に配置する。
【0042】
すなわち、第2の方向に延在し、第1の方向に並設される走査線をGLn、GLn+1、GLn+2、GLn+3、・・としたとき、第2の方向に配列されている単位画素を第1の方向から挟むように各走査線を分岐させる。例えば、走査線GLnをGLnaとGLnbに分岐し、第2の方向に隣接する単位画素の薄膜トランジスタTFT(データ書込み用薄膜トランジスタ)のゲートを互い違いに接続する。なお、データ線DLは各単位画素の間で第1の方向に配置される。駆動用の薄膜トランジスタTFTの出力電極は発光部LD(R)、LD(G)、LD(B)の各一方の電極(画素電極)AD(図2参照)に接続している。この構成により、走査線GLの形成が複雑になるものの、各薄膜トランジスタTFTと走査線GLn、・・・の距離は全ての単位画素で同一となり、走査線と薄膜トランジスタTFTのゲート電極の間の抵抗を全ての単位画素で同一とすることができる。
【0043】
図6は本発明による有機EL表示装置における走査配線の他の引回し例を模式的に説明する要部平面図である。この例では、走査線GLn、GLn+1、GLn+2、GLn+3、・・は図5で説明したように分岐させない。その代わりに図6に示したように、走査線支線DLnTを設ける。他の構成は図5と同様である。この構成では、走査線GLn、・・・の形成が簡単である反面、走査線支線DLnTで選択される単位画素の薄膜トランジスタのゲート電極と走査線GLnの距離が大きくなり、抵抗が大きくなる。その結果、当該単位画素の輝度が他の単位画素より小さくなる恐れがある。しかし、この走査線支線DLnTで選択される単位画素を輝度が大きい緑の単位画素とすることで解決できる。
【0044】
図7は本発明による有機EL表示装置における走査配線のさらに他の引き回し例を模式的に説明する要部平面図である。この例では、走査線GLn、GLn+1、GLn+2、GLn+3、・・は各単位画素毎にデータ線方向に屈曲させ、全ての単位画素の薄膜トランジスタを同一条件で駆動するようにしたものである。この構成では、走査線GLの形成が多少複雑にはなるは、各薄膜トランジスタTFTと走査線GLn、・・・の距離は全ての単位画素で同一となり、走査線と薄膜トランジスタTFTのゲート電極の間の抵抗を全ての単位画素で同一とすることができる。
【0045】
図8は本発明による有機EL表示装置における走査配線のさらにまた他の引き回し例を模式的に説明する要部平面図である。この例では、走査線GLn、GLn+1、GLn+2、GLn+3、・・は第2の方向S2に延在させている。1カラー画素を構成する3つの単位画素のうち、1つの単位画素または2つ単位画素を駆動する薄膜トランジスタTFTを例えば走査線GLnに接続し、2つの単位画素または1つ単位画素を駆動する薄膜トランジスタTFTを例えば走査線GLn+に接続する。
【0046】
この場合、例えば走査線GLnで選択される単位画素へのデータ供給と走査線GLn+1で選択される単位画素へのデータ供給のタイミングに差を与えることで第1の方向と第2の方向で互いに隣接する3つの単位画素で1カラー画素の表示を行うことができる。また、特に、このようなデータ供給のタイミングに差を与えなくても、第1の方向で次の走査線に接続した単位画素とで1カラー画素を構成して表示を行うことも可能である。
【0047】
図9は有機EL表示装置における単位画素の構成例を説明する回路図である。この単位画素PXは、走査線GLとデータ線DLに接続したスイッチング用の薄膜トランジスタTFT1、走査線GLで選択されたスイッチング用薄膜トランジスタTFT1のオンでデータ線DLから供給される表示データを電荷として蓄積する蓄積容量CPR、有機EL素子OLEDの駆動用薄膜トランジスタTFT2、電流供給線CSLで構成される。なお、有機EL素子OLEDの一方の電極(陽極)ADは薄膜トランジスタTFT2に接続され、他方の電極(陰極CD)は図示しない電流排出線に接続されている。
【0048】
薄膜トランジスタTFT1のゲート電極は走査線GLに、ドレイン電極はデータ線DLに接続されている。また、薄膜トランジスタTFT2のゲート電極は薄膜トランジスタTFT1のソース電極に接続され、この接続点に蓄積容量CPRの一方の電極(+極)が接続されている。薄膜トランジスタTFT2のドレイン電極は電流供給線CSLに、ソース電極は有機EL素子OLEDの陽極ADに接続されている。
【0049】
単位画素PXが走査線GLで選択されて薄膜トランジスタTFT1がオンとなると、データ線DLから供給される表示データが蓄積容量CPRに蓄積される。そして、薄膜トランジスタTFT1がオフした時点で薄膜トランジスタTFT2がオンとなり、電流供給線CSLから有機EL素子OLEDに流れ、ほぼ1フレームの期間(または、1フィールド期間)にわたってこの電流を持続させる。このとき流れる電流は、蓄積容量CPRに蓄積されているデータ信号に対応する電荷で規定される。ここ回路は最も単純な構成であり、他に種々の回路構成が知られている。
【0050】
図10は図9に示した単位画素の回路を基板上で実現した構成例を説明する単位画素付近の平面図である。図中、図9と同一の参照符号は同一部分に対応し、DEは陽極ADの開口部である。この陽極ADは図1〜図2に示した表示部(R、またはG、もしくはB)にあり、薄膜トランジスタTFT1と薄膜トランジスタTFT2は同じく非表示部Nに配置される。
【0051】
図11は有機EL表示装置の駆動回路を含めた等価回路である。単位画素PXはマトリクス状に配列されて表示領域ARを形成する。データ線DLはデータ線駆動回路DDRにより駆動される。また、走査線GLは走査線駆動回路GDRで駆動される。電流供給線CSLは電流供給バスラインCSLBを介して図示しない電流供給回路に接続している。なお、TMは外部入力端子を示す。
【0052】
図12はカラー表示装置としての有機EL表示装置の構成を説明する等価回路である。3色の表示部R、G、Bのそれぞれは図11に示した単位画素PXはで構成され、走査線GL方向(第2の方向)に配列されて1カラー画素を構成する。他の構成は図11と同様である。
【0053】
以上の実施例は、本発明を有機EL表示装置に適用したものであるが、本発明は有機EL素子を用いた表示装置に限るものではなく、薄膜トランジスタ等のアクティブ素子で単位画素を駆動する、所謂アクティブ・マトリクス方式の各種表示装置に適用できる。
【0054】
図13は本発明の他の実施例の説明図であり、同図(a)は単位画素と1カラー画素の構成を説明する要部平面図、同図(b)はカラーフィルタ層の構成を説明する要部平面図である。この表示装置は液晶表示素子を用いたもので、基板上に薄膜トランジスタ等の駆動回路を形成し、その上層に3色のカラーフィルタ(RF、GF、BF)を塗布した形式、あるいは3色のカラーフィルタ(RF、GF、BF)を形成後に、その上層に駆動回路を形成したものである。カラーフィルタは第1の方向S1に沿ってストライプ状に同一色の単位画素の位置に対応して形成される。
【0055】
基板は前記図1と同様に、各単位画素の少なくとも第2の方向で隣接する単位の境界に堤部を有し、インクジェット装置で各色のフィルタ(カラーフィルタ)となる着色材を塗布する方法を採用した場合に有効である。図中、前記実施例と同じ参照符号は同一機能部分に対応する。1カラー画素CPXはR、G、Bの3つの単位画素で構成される。各単位画素PXは表示部(R,G,B)と非表示部Nで構成され、表示部(R,G,B)には液晶表示素子は配置され、非表示部Nには薄膜トランジスタ等の駆動回路が配置される。
【0056】
各カラーフィルタの間に設ける堤部は、駆動回路を覆う絶縁層あるいは遮光層(ブラックマトリクス)をフォトリソグラフィー技法でパターニングし、隣接するカラーフィルタを構成する着色材が互いに混色しないように機能する。着色材は第1の方向に連続して吐出されるようにノズルと基板を相対移動させる。異なる色のカラーフィルタの間に位置する非発光部Nにより、着色材を塗布する際に当該着色材は図4で説明した態様と同様に第2の方向に隣接する単位画素の表示部に達することが阻止される。なお、第1の方向でノズルを相対移動させる際に、次の走査線で走査される単位画素の境界部分で吐出を停止することで、カラーフィルタ(RF、GF、BF)を第1の方向に不連続に形成することもできる。
【0057】
異なる発色材または着色材をインクジェット装置などの塗布装置を用いて隣接する単位画素に混色をもたらさないようにする効果は、以上説明した形式の表示装置に限らず、他のアクティブ・マトリクス型の駆動を行う表示装置、例えばプラズマ素子を用いた表示装置などにも本発明を適用できる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、異なる発色材あるいは着色材の塗布領域の間の非表示部の配置を工夫することで当該発色材あるいは着色材を塗布する際に、隣接する単位画素に異なる発色材あるいは着色材が混入し難いため、隣接する単位画素の間での混色の発生を阻止することができる。その結果、色相の劣化がなく高品質の表示を得ることができる。また、この非表示部に薄膜トランジスタ等の駆動回路を作り込むことで単位画素領域を有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による表示装置の一実施例を説明する要部平面図である。
【図2】 図1のA−A線に沿った断面図である。
【図3】 ホール注入層と有機EL発光層の形成工程を説明する図2と同様の断面図である。
【図4】 本発明の一実施例における有機EL発光層の塗布状態の説明図である。
【図5】 本発明による有機EL表示装置における走査配線の一引回し例を模式的に説明する要部平面図である。
【図6】 本発明による有機EL表示装置における走査配線の他の引回し例を模式的に説明する要部平面図である。
【図7】 本発明による有機EL表示装置における走査配線のさらに他の引き回し例を模式的に説明する要部平面図である。
【図8】 本発明による有機EL表示装置における走査配線のさらにまた他の引き回し例を模式的に説明する要部平面図である。
【図9】 有機EL表示装置における単位画素の構成例を説明する回路図である。
【図10】 図9に示した単位画素の回路を基板上で実現した構成例を説明する単位画素付近の平面図である。
【図11】 有機EL表示装置の駆動回路を含めた等価回路である。
【図12】 カラー表示装置としての有機EL表示装置の構成を説明する等価回路である。
【図13】 本発明の他の実施例の説明図である。
【図14】 薄膜トランジスタをスイッチング素子として用いた有機EL発光素子の発光機構を説明する1単位画素付近の構造例を模式的に説明する断面図である。
【符号の説明】
BL・・・・基板、HL1・・・・表示部の凹部、N・・・・非表示部、R,G,B・・・・表示部、HL2・・・・非表示部の凹部、S1・・・・第1の方向、S2・・・・第2の方向、DA・・・・第1の方向に有するデータ線またはドレイン線で駆動される単位画素、GA・・・・第2の方向に有する走査線またはゲート線で選択される単位画素、OLED・・・・有機EL層、OLED(R)・・・・赤色の有機EL層、OLED(G)・・・・緑色の有機EL層、OLED(B)・・・・青色の有機EL層、AD・・・・陽極(一方の電極)、PWDOT・・・・ホール注入層。
Claims (6)
- 表示色の異なる複数の単位画素からなる多数のカラー画素が表示面の第1の方向および第1の方向に交差する第2の方向に配置された表示装置であって、
前記単位画素は表示部および前記表示部に対して前記第1の方向に位置する非表示部で構成されており、
前記表示部と前記非表示部とは前記第1の方向に沿って互い違いに配列され、該第1の方向には各表示部の間に非表示部が配置され、
前記第1の方向に配置された単位画素は該第1の方向に延在するデータ線に接続され、
前記表示部と前記非表示部とは前記第2の方向に沿っても互い違いに配置され、該第2の方向にも各表示部の間に非表示部が配置され、
少なくとも前記第2の方向に沿った前記多数のカラー画素を構成する各単位画素の境界に堤部を有し、前記堤部の間に形成された凹部の前記表示部のそれぞれに発光層を有することを特徴とする表示装置。 - 前記単位画素の非表示部の面積は対応する表示部の面積より狭いことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 前記カラー画素を構成する複数の単位画素のうち、最も輝度が高い表示色の単位画素の表示部の面積は他の表示色の単位画素の表示部の面積より狭いことを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
- 前記堤部の間に形成された凹部の前記非表示部は、前記第2の方向に隣接する単位画素の前記発光層の混色を遮断する発光層隔離領域であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の表示装置。
- 前記発光層は有機エレクトロルミネッセンス層であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の表示装置。
- 前記単位画素の非表示部に、対応する表示部を駆動するアクティブ素子を有することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の表示装置。
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