JP4228091B2 - 可変焦点距離レンズ系 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、小型の可変焦点距離レンズ系に関し、特に少ないレンズ枚数で高変倍比の可変焦点距離レンズ系に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、レンズシャッター式カメラでは、ズームレンズを備えたカメラが一般的である。レンズシャッター式カメラは、携帯性(小型・軽量に優れること)が重視され、カメラ本体の小型化・軽量化に従って、撮影レンズも小型化・軽量化が図られてきた。
【0003】
ズームレンズが一般的になるに従って、望遠端状態での焦点距離が大きく(つまり被写体により近づいた撮影が行える)、変倍比(望遠端状態での焦点距離を広角端状態での焦点距離で割った値)が大きな(つまり撮影の自由度が高い)ズームレンズに関する提案が種々なされてきた。
これらのズームレンズは、望遠端状態での焦点距離が大きく、従って望遠端状態でのレンズ全長も大きく、携帯性に不都合が生じてしまうので、携帯時には隣合うレンズ群同士の間隔が最小となるような状態でカメラ本体内に格納して、使用時以外は携帯性を向上させていた。
【0004】
鏡筒は多重構造とし、各部分鏡筒がほぼ完全に重なるように格納することで、携帯性を向上させていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、望遠端状態での焦点距離が大きくなるに従って、鏡筒も望遠端状態で大きくなるため、鏡筒を構成する各部分鏡筒も大きくなり、結果的に携帯性に不都合が生じてしまった。
部分鏡筒の数を増やし、各部分鏡筒の長さを小さくして、格納状態でカメラ本体の厚みを減らすことも考えられるが、逆に、鏡筒径が太くなりカメラ本体の高さと幅の増大を招くので好ましくない。
【0006】
また、光学設計上、望遠端状態でのレンズ全長を短縮することで、上記不都合の回避も考えられるが、従来のズームレンズでレンズ全長を短くするには、各レンズ群の屈折力を強めるか、あるいは可動レンズ群を増やすことが必要であり、いずれの場合もレンズ枚数の増大を引き起こすので、軽量化に不都合であった。
本発明の目的は、以上の問題点を解決し、小型で高変倍化に適した可変焦点距離レンズ系を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、物体側より順に、正屈折力を有する第1レンズ群と、正屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群とからなり、広角端状態より望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔が増大し、第2レンズ群と第3レンズ群との間隔が減少するように、すべてのレンズ群が物体側へ移動し、第2レンズ群が、両凹レンズと正レンズからなる接合負レンズを含む負部分群と、その像側に配置され、正レンズ成分だけで構成される正部分群とで構成され、開口絞りが負部分群と正部分群との間に配置され、第1レンズ群が、両凸レンズと物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズとが物体側より順に配置された接合レンズからなり、以下の条件式(4)を満足することにより問題点の解決を図るものである。
(4) 2.5<|ra|/Dc
但し、
ra:前記第1レンズ群の接合レンズの接合面の曲率半径
(ra<0)
Dc:広角端状態における前記第1レンズ群を構成する接合レンズの、接合面から開口絞りまでの軸上距離
【0008】
【発明の実施の形態】
まず、本発明による可変焦点距離レンズ系の構成について説明する。
本発明による可変焦点距離レンズ系は、物体側より順に、正屈折力を有する第1レンズ群と、正屈折力を有する第2レンズ群と、負屈折力を有する第3レンズ群を有し、広角端状態(焦点距離がもっとも短いレンズ位置状態)から望遠端状態(焦点距離がもっとも長いレンズ位置状態)までレンズ位置状態が変化する際に、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔が増大し、第2レンズ群と第3レンズ群との間隔が減少するように、3つのレンズ群すべてが物体側へ移動する。その結果、レンズ系全体での焦点距離が大きくなる。
【0009】
次に、各レンズ群の機能について説明する。
最も像側に配置される第3レンズ群は負屈折力を有し、第1レンズ群と第2レンズ群により形成される被写体像を拡大し、レンズ全長を短縮する。
そして、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、第3レンズ群が物体側へ移動する。これにより、第3レンズ群による上記被写体像の拡大率(これは第3レンズ群の横倍率に相当する)が増大する。
【0010】
第1レンズ群と第2レンズ群は光束を収斂させる機能を有し、特に第1レンズ群は望遠端状態で収斂作用を強める。
本発明では、正屈折力を有する第1レンズ群と第2レンズ群が、広角端状態では隣接するように配置され、望遠端状態に向ってレンズ位置状態が変化する際に、それらレンズ群の間隔が増大するように移動する。また、広角端状態で、第2レンズ群と第3レンズ群とが間隔を広げて配置され、望遠端状態までレンズ位置状態が変化するにつれ、その間隔が減少するように移動する。
【0011】
このように移動させることにより、広角端状態では軸外光束が第3レンズ群の光軸から離れた位置を通過するので、広角端状態で発生する軸外収差を第3レンズ群により補正することができ、望遠端状態では軸外光束が第1レンズ群の光軸から離れた位置を通過するので、望遠端状態で発生する軸外収差を第1レンズ群により補正することができる。
【0012】
また、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、第1レンズ群を通過する軸外光束の位置が光軸から離れ、同時に第3レンズ群を通過する軸外光束の位置が光軸に近づくことを利用して、レンズ位置状態の変化に伴って発生する軸外収差の変動を良好に補正した。
次に、第2レンズ群の構成について説明する。
【0013】
本発明では少ないレンズ枚数で高変倍化を達成するために、第2レンズ群の中央付近、すなわち第2レンズ群を構成する負部分群と正部分群との間に開口絞りを配置する。
従来から、正正負3群タイプでは、開口絞りは第2レンズ群の物体側や像側に隣接して配置するか、あるいは第2レンズ群中に配置して、レンズ位置状態が変化する際に第2レンズ群と一体的に移動させるのが一般的であった。これは、絞り径が小さく、シャッターユニットの小型化に適切であると同時に、収差補正上、レンズ位置状態が変化する際に発生する軸外収差の変動を補正するのに適しているからであった。
【0014】
しかし、開口絞りが第2レンズ群の物体側に隣接して配置される場合、広角端状態で第3レンズ群を通過する軸外光束が、光軸から離れてしまうという不都合が生じる。逆に、開口絞りが第2レンズ群の像側に配置される場合、望遠端状態で第2レンズ群と第3レンズ群との間に、シャッターを配置するスペースが必要となるため、レンズ全長の短縮化が困難である。
【0015】
広角端状態で充分なバックフォーカスを確保するために、第2レンズ群の構成として、開口絞りの物体側に負部分群を配置し、像側に正部分群を配置した。また、第2レンズ群で発生する色収差を補正するために、負部分群中に両凹レンズと正レンズとの接合負レンズを配置した。正部分群中に負レンズ成分を配置すると、第3レンズ群を通過する軸外光束が光軸から離れて、レンズ径の小型化が充分達成できないので、正部分群を正レンズ成分だけで構成した。
【0016】
以下、各条件式について説明する.
本発明の可変焦点距離光学系は、次の条件式(1)を満足することが望ましい。
(1) 0.05<Da/f2<0.15
但し、
Da:前記第2レンズ群中の、前記負部分群と前記正部分群との軸上空気間隔
f2:前記第2レンズ群の焦点距離
条件式(1)は、第2レンズ群の負部分群と正部分群との間に形成される空気間隔を規定する条件式である。
【0017】
条件式(1)の上限値を上回った場合、望遠端状態でレンズ全長が大型化して、携帯性を損ねてしまう。逆に、下限値を下回った場合、負部分群と正部分群の屈折力がそれぞれ強くなるため、広角端状態において、第2レンズ群単独で発生する軸外収差が良好に補正できず、所定の光学性能が得られない。
本発明においては、より小型化を図るために、第2レンズ群の正部分群中に非球面レンズを配置することが望ましい。第2レンズ群の負部分群と正部分群のそれぞれで発生する球面収差が良好に補正できていないと、全系でのコマ収差が発生しやすくなる。しかし、小型化を図るために負部分群と正部分群との間隔を狭めると、負部分群と正部分群の屈折力がそれぞれ強くなり、特に正部分群で発生する負の球面収差が良好に補正できなくなるため、非球面レンズを導入して負の球面収差を良好に補正することが望ましい。
【0018】
ところで、本発明においては、広角端状態で、より高性能化を図るために以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
(2)2<|rb|/Db<3
条件式(2)は、第2レンズ群の最もも物体側に位置するレンズ面の曲率半径を規定する条件式である。
【0019】
本発明では、広角端状態で充分なバックフォーカスを得るために、第2レンズ群の負部分群は強い負屈折力を有する。このため、第2レンズ群の最も物体側のレンズ面が物体側に強い曲率の凹レンズ面となっており、特に広角端状態で軸外収差が発生しやすい。
条件式(2)の上限値を上回った場合、広角端状態で充分なバックフォーカスが確保できず、第3レンズ群のレンズ径が大型化してしまう。
【0020】
逆に、条件式(2)の下限値を下回った場合、広角端状態で発生する軸外収差を充分に補正しきれず、高性能化が図れない。
なお、望遠端状態でのレンズ全長の短縮化を同時に図るには、条件式(2)の上限値を2.7とすることがより望ましい。さらに、広角端状態で、より高性能化を図るには条件式(2)の下限値を2.2とすることがより好ましい。
【0021】
高変倍化と高性能化の両立を図るには、各レンズ群毎に発生する球面収差を良好に補正することが肝要である。
一般的に、球面収差を補正するには正レンズと負レンズを組み合せて用いることが望ましく、本発明においては、第1レンズ群と第3レンズ群がそれぞれ少なくとも1枚の正レンズと1枚の負レンズで構成されることが望ましい。
【0022】
特に、小型化を重視するには、第3レンズ群が少なくとも正レンズとその像側に配置される負レンズの2枚で構成されることが望ましく、より小型化を図るには、第1レンズ群が少なくとも正レンズとその像側に配置される負レンズで構成されることが望ましい。
本発明においては、レンズ径の小型化と高性能化とのバランスを取るために、以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
(3)0.6<f3N/f3<0.9
条件式(3)の上限値を上回った場合、第3レンズ群を通過する軸外光束が光軸から離れてレンズ径が大型化してしまう。逆に、条件式(3)の下限値を下回った場合、広角端状態で画角によるコマ収差の変動が良好に補正できず、高性能化が図れない。
【0023】
本発明において、構成の簡易化と高性能化を同時に図るには、第1レンズ群が両凸レンズと物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズの接合正レンズだけで構成されることが望ましく、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
(4)2.5<|ra|/Dc
条件式(4)の下限値を下回った場合、広角端状態でコマ収差の補正状態が波長によって大きく変化してしまうので、所定の光学性能が得られない。
【0024】
なお、本発明では、第1レンズ群で発生する負の球面収差を良好に補正して、高性能化を図るには、条件式(4)の上限値を6とすることがより望ましい。
本発明においては、レンズの材料としてプラスチック材料を導入することにより、軽量化や低コスト化を図ることも可能である。
プラスチック材料は、ガラス材料に比べて低温での成型が可能であり、加工が行いやすく、低コスト化に適している。また、ズームレンズを保持する鏡筒がプラスチック材料で作られている場合には、温度の変化によって鏡筒の長さが変化するため、プラスチック材料で成形されたレンズを用いることで、温度の変化による鏡筒の長さの変化に伴う像面位置の変動を緩和させることも可能である。
【0025】
本発明では、第3レンズ群中に配置される正レンズをプラスチック材料とした場合に、低コスト化と高性能化が同時に達成できるので、最も好ましい。
これは、ガラス非球面レンズに比べて、プラスチック非球面レンズの方が軽量であり、且つ低コスト化が図れ、望遠端状態でレンズ径に比べて光束の通過する範囲が小さいため、面精度が極めて高い状態でなくても、所定の光学性能が達成できるからである。
【0026】
本発明においては、別の観点によれば、撮影を行う際に、高変倍ズームレンズで発生しがちな手ブレ等が原因の像ブレによる失敗を防ぐために、ブレを検出するブレ検出系と駆動手段とをレンズ系に組み合わせ、レンズ系を構成するレンズ群のうち、1つのレンズ群を全体か、あるいはその一部を偏心レンズ群として偏心させることにより、ブレをブレ検出系により検出し、検出されたブレを補正するように駆動手段により偏心レンズ群を偏心させ像をシフトさせて、像ブレを補正することで防振光学系とすることが可能である。
【0027】
【実施例】
以下に、本発明による各実施例について説明する。
図1は、本発明の各実施例による可変焦点距離レンズ系の屈折力配分を示しており、物体側より順に、正屈折力の第1レンズ群G1、正屈折力の第2レンズ群G2、及び負屈折力の第3レンズ群G3の3つのレンズ群で構成され、広角端状態より望遠端状態まで焦点距離が変化する際に、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔が増大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔が減少するように、すべてのレンズ群が物体側へ移動する。
【0028】
非球面は、光軸に垂直な方向の高さをy、高さyのおける光軸方向の変位量をx、基準の曲率をc、円錐定数をκ、非球面係数をC4、C6、C8、C10 としたとき、以下の数式(a)で表わされる。
(a) x=c・y2/{1+(1−κ・c2・y2)1/2}
+C4・y4+C6・y6+C8・y8+C10・y10
数式(a)中のc2、y2、y4、y6、y8、y10 の各数字は累乗を表わす指数であり、1/2は(1−κ・c2・y2)の平方根を表わす。
〔第1実施例〕
図2は、本発明の第1実施例にかかる可変焦点距離レンズ系のレンズ構成を示す図である。
【0029】
図2の可変焦点距離レンズ系において、物体側より順に、第1レンズ群G1は、両凸レンズと、物体側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズとの接合レンズL1で構成され、第2レンズ群G2は、両凹レンズと両凸レンズとの接合負レンズL21と、両凸形状の正レンズL22と、像側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL23で構成され、第3レンズ群G3は、両凸形状の正レンズL31と、物体側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL32で構成される。開口絞りSはレンズ成分L21とL22との間に配置され、レンズ位置状態が変化する際に、第2レンズ群G2と一体的に移動する。
【0030】
第1実施例ではレンズ成分L21が負部分群、レンズ成分L22とL23とが正部分群を形成する。
以下の表1に、本発明における第1実施例の諸元の値を掲げる。表1において、fは焦点距離を、FNOはFナンバーを、2ωは画角を表し、屈折率はd線(λ=587.6nm)に対する値である。
【0031】
【表1】
第9面と第12面は非球面であり、非球面係数は以下に示す通りである。
10の後の負数は、指数を表わす。
図3より図6は本発明の第1実施例の諸収差図を示し、図3より図6はそれぞれ広角端状態(f=39.50)、第1中間焦点距離状態(f=64.69)、第2中間焦点距離状態(f=88.59 )、望遠端状態(f=114.00)での無限遠合焦状態における諸収差図を表わす。
【0032】
図3より図6の各収差図において、球面収差図中の実線は球面収差、破線はサイン・コンディション(正弦条件)を示す。Yは像高を示し、非点収差図中の実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面を示す。コマ収差図は、像高Y=0、5.4、10.8、15.1、21.6でのコマ収差を表し、Aは入射角を表わす。
【0033】
各収差図から、本実施例は諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
〔第2実施例〕
図7は、本発明の第2実施例にかかる可変焦点距離レンズ系のレンズ構成を示す図である。
【0034】
図7の可変焦点距離レンズ系において、物体側より順に、第1レンズ群G1は、両凸レンズと、物体側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズとの接合レンズL1で構成され、第2レンズ群G2は、両凹レンズと両凸レンズとの接合負レンズL21と、両凸形状の正レンズL22で構成され、第3レンズ群G3は、物体側に凹面を向けたメニスカス形状の正レンズL31と、物体側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL32で構成される。開口絞りSはレンズ成分L21とL22との間に配置され、レンズ位置状態が変化する際に、第2レンズ群G2と一体的に移動する。
【0035】
第2実施例ではレンズ成分L21が負部分群、レンズ成分L22が正部分群を形成する。
以下の表2に、本発明における第2実施例の諸元の値を掲げる。表2において、fは焦点距離を、FNOはFナンバーを、2ωは画角を表し、屈折率はd線(λ=587.6nm)に対する値である。
【0036】
【表2】
第9面と第10面は非球面であり、非球面係数は以下に示す通りである。
10の後の負数は、指数を表わす。
図8より図11は本発明の第2実施例の諸収差図を示し、図8より図11はそれぞれ広角端状態(f=39.50)、第1中間焦点距離状態(f=56.26)、第2中間焦点距離状態(f=79.99 )、望遠端状態(f=114.00)での無限遠合焦状態における諸収差図を表わす。
【0037】
図8より図11の各収差図において、球面収差図中の実線は球面収差、破線はサイン・コンディション(正弦条件)を示す。Yは像高を示し、非点収差図中の実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面を示す。コマ収差図は、像高Y=0、5.4、10.8、15.1、21.6でのコマ収差を表し、Aは入射角を表わす。
【0038】
各収差図から、本実施例は諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
〔第3実施例〕
図12は、本発明の第3実施例にかかる可変焦点距離レンズ系のレンズ構成を示す図である。
【0039】
図12の可変焦点距離レンズ系において、物体側より順に、第1レンズ群G1は、両凸レンズと、物体側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズとの接合レンズL1で構成され、第2レンズ群G2は、両凹レンズと両凸レンズとの接合負レンズL21と、両凸形状の正レンズL22で構成され、第3レンズ群G3は、物体側に凹面を向けたメニスカス形状の正レンズL31、物体側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL32で構成される。
【0040】
開口絞りSはレンズ成分L21とL22との間に配置され、レンズ位置状態が変化する際に、第2レンズ群G2と一体的に移動する。
第3実施例ではレンズ成分L21が負部分群、レンズ成分L22が正部分群を形成する。
以下の表3に、本発明における第3実施例の諸元の値を掲げる。表3において、fは焦点距離を、FNOはFナンバーを、2ωは画角を表し、屈折率はd線(λ=587.6nm)に対する値である。
【0041】
【表3】
第9面と第10面は非球面であり、非球面係数は以下に示す通りである。
10の後の負数は、指数を表わす。
図13より図16は本発明の第3実施例の諸収差図を示し、図13より図16はそれぞれ広角端状態(f=39.50)、第1中間焦点距離状態(f=64.73)、第2中間焦点距離状態(f=88.62 )、望遠端状態(f=114.00)での無限遠合焦状態における諸収差図を表わす。
【0042】
図13より図16の各収差図において、球面収差図中の実線は球面収差、破線はサイン・コンディション(正弦条件)を示す。Yは像高を示し、非点収差図中の実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面を示す。コマ収差図は、像高Y=0、5.4、10.8、15.1、21.6でのコマ収差を表し、Aは入射角を表わす。
【0043】
各収差図から、本実施例は諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
〔第4実施例〕
図17は、本発明の第4実施例にかかる可変焦点距離レンズ系のレンズ構成を示す図である。
【0044】
図17の可変焦点距離レンズ系において、物体側より順に、第1レンズ群G1は、両凸レンズと、物体側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズとの接合レンズL1で構成され、第2レンズ群G2は、両凹レンズと両凸レンズとの接合負レンズL21と、両凸形状の正レンズL22で構成され、第3レンズ群G3は、物体側に凹面を向けたメニスカス形状の正レンズL31、物体側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL32で構成される。
【0045】
開口絞りSはレンズ成分L21とL22との間に配置され、レンズ位置状態が変化する際に、第2レンズ群G2と一体的に移動する。
第4実施例ではレンズ成分L21が負部分群、レンズ成分L22が正部分群を形成する。
以下の表4に、本発明における第4実施例の諸元の値を掲げる。表4において、fは焦点距離を、FNOはFナンバーを、2ωは画角を表し、屈折率はd線(λ=587.6nm)に対する値である。
【0046】
【表4】
第9面と第10面は非球面であり、非球面係数は以下に示す通りである。
10の後の負数は、指数を表わす。
図18より図21は本発明の第4実施例の諸収差図を示し、図18より図21はそれぞれ広角端状態(f=39.50)、第1中間焦点距離状態(f=63.30)、第2中間焦点距離状態(f=86.15 )、望遠端状態(f=114.00)での無限遠合焦状態における諸収差図を表わす。
【0047】
図18より図21の各収差図において、球面収差図中の実線は球面収差、破線はサイン・コンディション(正弦条件)を示す。Yは像高を示し、非点収差図中の実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面を示す。コマ収差図は、像高Y=0、5.4、10.8、15.1、21.6でのコマ収差を表し、Aは入射角を表わす。
【0048】
各収差図から、本実施例は諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、少ない構成枚数でありながら、小型で高変倍比の可変焦点距離レンズ系が達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施例のかかる可変焦点距離レンズ系の屈折力配分および広角端状態(W)から望遠端状態(T)への変倍時における各レンズ群の移動の様子を示す図である。
【図2】本発明の第1実施例にかかる可変焦点距離レンズ系のレンズ構成を示す図である。
【図3】第1実施例の広角端状態での無限遠合焦状態における諸収差図である。
【図4】第1実施例の第1中間焦点距離状態での無限遠合焦状態における諸収差図である。
【図5】第1実施例の第2中間焦点距離状態での無限遠合焦状態における諸収差図である。
【図6】第1実施例の望遠端状態での無限遠合焦状態における諸収差図である。
【図7】本発明の第2実施例にかかる可変焦点距離レンズ系のレンズ構成を示す図である。
【図8】第2実施例の広角端状態での無限遠合焦状態における諸収差図である。
【図9】第2実施例の第1中間焦点距離状態での無限遠合焦状態における諸収差図である。
【図10】第2実施例の第2中間焦点距離状態での無限遠合焦状態における諸収差図である。
【図11】第2実施例の望遠端状態での無限遠合焦状態における諸収差図である。
【図12】本発明の第3実施例にかかる可変焦点距離レンズ系のレンズ構成を示す図である。
【図13】第3実施例の広角端状態での無限遠合焦状態における諸収差図である。
【図14】第3実施例の第1中間焦点距離状態での無限遠合焦状態における諸収差図である。
【図15】第3実施例の第2中間焦点距離状態での無限遠合焦状態における諸収差図である。
【図16】第3実施例の望遠端状態での無限遠合焦状態における諸収差図である。
【図17】本発明の第4実施例にかかる可変焦点距離レンズ系のレンズ構成を示す図である。
【図18】第4実施例の広角端状態での無限遠合焦状態における諸収差図である。
【図19】第4実施例の第1中間焦点距離状態での無限遠合焦状態における諸収差図である。
【図20】第4実施例の第2中間焦点距離状態での無限遠合焦状態における諸収差図である。
【図21】第4実施例の望遠端状態での無限遠合焦状態における諸収差図である。
【符号の説明】
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
Li 各レンズ成分
S 開口絞り
Claims (10)
- 物体側より順に、正屈折力を有する第1レンズ群と、正屈折力を有する第2レンズ群と、負屈折力を有する第3レンズ群とからなり、
広角端状態より望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が増大し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が減少するように、すべてのレンズ群が物体側へ移動し、
前記第2レンズ群は、両凹レンズと正レンズからなる接合負レンズを含む負部分群と、その像側に配置され、正レンズ成分だけで構成される正部分群とで構成され、
開口絞りが前記負部分群と前記正部分群との間に配置され、
前記第1レンズ群が、両凸レンズと物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズとが物体側より順に配置された接合レンズからなり、
以下の条件式(4)を満足することを特徴とする可変焦点距離レンズ系。
(4) 2.5<|ra|/Dc
但し、
ra:前記第1レンズ群の接合レンズの接合面の曲率半径
(ra<0)
Dc:広角端状態における前記第1レンズ群を構成する接合レンズの、接合面から開口絞りまでの軸上距離 - 請求項1記載の可変焦点距離レンズ系において、
以下の条件式(1)を満足することを特徴とする可変焦点距離レンズ系。
(1) 0.05<Da/f2<0.15
但し、
Da:前記第2レンズ群中の、前記負部分群と前記正部分群との軸上空気間隔
f2:前記第2レンズ群の焦点距離 - 請求項1乃至2記載の可変焦点距離レンズ系において、
前記第2レンズ群中の前記正部分群に配置される前記正レンズ成分が、非球面を含むことを特徴とする可変焦点距離レンズ系。 - 請求項1乃至3記載の可変焦点距離レンズ系において、
以下の条件式(2)を満足することを特徴とする可変焦点距離レンズ系。
(2) 2<|rb|/Db<3
但し、
rb:前記第2レンズ群中の、最も物体側に配置されるレンズ面の曲率半径
Db:広角端状態における前記第2レンズ群中の、最も物体側に配置されるレンズ面から開口絞りまでの軸上距離 - 請求項1乃至4記載の可変焦点距離レンズ系において、
前記第3レンズ群が、少なくとも1枚の正レンズと1枚の負レンズを有することを特徴とする可変焦点距離レンズ系。 - 請求項5記載の可変焦点距離レンズ系において、
前記第3レンズ群が、正レンズとその像側に配置される負レンズで構成されることを特徴とする可変焦点距離レンズ系。 - 請求項6記載の可変焦点距離レンズ系において、
以下の条件式(3)を満足することを特徴とする可変焦点距離レンズ系。
(3) 0.6<f3N/f3<0.9
但し、
f3N:前記第3レンズ群のもっとも像側に配置される負レンズの焦点距離
(f3N<0)
f3:前記第3レンズ群の焦点距離
(f3<0) - 請求項1乃至7記載の可変焦点距離レンズ系において、
前記第2レンズ群中の前記正部分群は、正の単レンズだけで構成されることを特徴とする可変焦点距離レンズ系。 - 請求項1乃至8記載の可変焦点距離レンズ系において、
前記第2レンズ群中の前記正部分群は、1枚の正レンズだけで構成されることを特徴とする可変焦点距離レンズ系。 - 請求項1乃至9記載の可変焦点距離レンズ系において、
前記第2レンズ群中の前記負部分群は、1つの接合レンズだけで構成され、
前記第2レンズ群中の前記正部分群は、1枚の正レンズだけで構成されることを特徴とする可変焦点距離レンズ系。
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