JP4228665B2 - 非水電解液二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水電解液二次電池に関し、特に高温保存後の電池特性ならびに充放電サイクル特性に優れた非水電解液二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、AV機器、ノート型パソコン、或いは携帯型通信機器などの駆動用電源として、ニッケルカドミウム蓄電池やニッケル水素蓄電池が主に用いられていたが、近年では、電子機器のポータブル化やコードレス化が進展して定着するに従って、駆動用電源となる二次電池の高エネルギー密度化や小型軽量化の要望が、ますます強くなっている。このような要望に応える電池として、小型・軽量でありながら急速充電が可能で、高エネルギー密度を有するという極めて顕著な特徴を有するリチウムイオン二次電池に代表される非水電解液二次電池が、開発され主流になっている。
【0003】
この非水電解液二次電池は、図1に示すように、アルミニウム製の正極集電体1aにリチウム含有遷移金属化合物、例えばLiCoO2を正極活物質とする正極合剤層を形成した正極板1と、銅製の負極集電体に炭素材料を負極活物質とする負極合剤層を形成した負極板2とをセパレータ3を介して絶縁した状態で捲回してなる極板群、非水電解液、ならびに前記極板群と非水電解液とを電池ケース4に収納し、リチウムイオンの挿入、離脱を利用した電池であり、充放電サイクル時の膨張、収縮を抑え、充放電サイクル特性を向上させる方法として、最外周部分において、セパレータを熱溶着して固定する方法(例えば、特許文献1参照。)や絶縁部材を貼り付ける方法が提案されている(例えば、特許文献2〜4参照。)。
【0004】
しかしながら、電子機器の高機能化等に伴い、さらなる高容量化、高エネルギー密度化が強く要望されており、容量に寄与しないセパレータや集電体などを薄くしたり、極板の充填密度を上げているため、充放電サイクル時の発熱が大きくなり、極板群の膨張、収縮を抑えることが困難になっている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−167799号公報
【特許文献2】
特開平10−247503号公報
【特許文献3】
特開2000−251866号公報
【特許文献4】
特開2002−124293号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような課題に鑑みなされたもので、充放電サイクル時の発熱に伴う極板群の膨張、収縮を抑え、充放電サイクル特性に優れ、信頼性の高い非水電解液二次電池を提供することを主たる目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決するための本発明は、正極板と負極板とをセパレータを介して絶縁した状態で捲回してなる極板群、非水電解液、ならびに前記極板群と非水電解液とを収納する電池ケースからなる非水電解液二次電池において、前記電池ケースと前記正極板の正極合剤層が無く正極集電体とがセパレータを介して対向する領域では正極集電体の上下両端部に対向する位置の前記セパレータ上に絶縁部材が配設されており、この正極集電体と対向している絶縁部材の幅をS、正極板幅をMとしたとき(S/M)≦0.20であることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1に、円筒型リチウム二次電池の主要構成を示す電池断面図、図2(a)、(b)にその一部縦断面図を示す。正極板1と負極板2とがセパレータ3を介して絶縁された状態で捲回してなる極板群と非水電解液(図示せず)とが電池ケース4に収納されている。正極板1は、アルミニウム製の箔やラス加工やエッチング処理された箔からなる正極集電体1aの片側または両面に正極活物質、結着剤、導電剤、必要に応じて増粘剤を溶剤に混練分散させたペースト状の正極合剤を塗布、乾燥、圧延して正極合剤層を形成することができ、その厚みは100μm〜200μmの厚みで、柔軟性があることが好ましい。
【0009】
正極板の最外周は、正極合剤層が無く正極集電体1aのみで、充放電サイクル時の発熱を電池ケース4を通じて外部に放出させることができる。
【0010】
正極活物質としては、例えば、リチウムイオンをゲストとして受け入れ得るリチウム含有遷移金属化合物が使用される。例えば、コバルト、マンガン、ニッケル、クロム、鉄およびバナジウムから選ばれる少なくとも一種類の金属とリチウムとの複合金属酸化物、LiCoO2、LiMnO2、LiNiO2、LiCoxNi(1-x)O2(0<x<1)、LiCrO2、αLiFeO2、LiVO2等が好ましい。
【0011】
結着剤としては、使用する溶剤や電解液に対して安定な材料であれば、特に限定されないが、例えば、フッ素系結着材やアクリルゴム、変性アクリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプロピレンゴム、ブタジエンゴム、アクリル系重合体、ビニル系重合体等を単独、或いは二種類以上の混合物または共重合体として用いることができる。フッ素系結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニリデン(VDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)の共重合体(P(VDF−HFP))やポリテトラフルオロエチレン樹脂のディスパージョン等が好ましい。
【0012】
増粘剤としては、カルボシキメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化スターチ、リン酸化スターチ、ガゼイン等が好ましい。
【0013】
導電剤としては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、グラファイト、黒鉛、炭素繊維等を単独、或いは二種類以上の混合物が好ましい。
【0014】
溶剤としては、結着剤が溶解可能な溶剤が適切で、有機系結着剤の場合は、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルスルホルアミド、テトラメチル尿素、アセトン、メチルエチルケトン等の有機溶剤を単独またはこれらを混合した混合溶剤が好ましく、水系結着剤の場合は水や温水が好ましい。また、負極板2は、負極集電体の片側または両面に負極活物質と結着剤、必要に応じて増粘剤、導電助剤を溶剤に混練分散させたペースト状の負極合剤を塗布、乾燥、圧延して負極合剤層を形成することができ、その厚みは100μm〜210μmの厚みで、柔軟性があることが好ましい。
【0015】
負極活物質としては、特に限定されるものではないが、例えば、有機高分子化合物(フェノール樹脂、ポリアクリロニトリル、セルロース等)を焼成することにより得られる炭素材料、コークスやピッチを焼成することにより得られる炭素材料、或いは人造グラファイト、天然グラファイト等が好ましく、その形状としては、球状、鱗片状、塊状のものを用いることができる。
【0016】
負極集電体として用いる銅または銅合金は、特に限定されるものではなく、圧延箔、電解箔などが挙げられ、その形状も箔、孔開き箔、エキスパンド材、ラス材等であっても構わないが、その厚みは引張り強度が強いほど好ましいが、厚くなると電池内部の空隙体積が少なくなり、エネルギー密度が低下するので20μm以下が好ましく、8〜15μmの範囲がより好ましい。
【0017】
結着剤、溶剤および必要に応じて加えることができる導電助剤は正極の導電剤と同様のものを使用することができる。
【0018】
ところで、正極および負極の活物質、結着剤、必要に応じて加える導電剤、導電助剤を溶剤に混練分散させてペースト状合剤を作製する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、プラネタリーミキサー、ホモミキサー、ピンミキサー、ニーダー、ホモジナイザー等を用いることができる。これらを単独、或いは組み合わせて使用することも可能である。
【0019】
また、上記ペースト状合剤の混練分散時に、各種分散剤、界面活性剤、安定剤等を必要に応じて添加することも可能である。
【0020】
塗着乾燥は、特に限定されるものではなく、上記のように混錬分散させたペースト状の合剤を、例えば、スリットダイコーター、リバースロールコーター、リップコーター、ブレードコーター、ナイフコーター、グラビアコーター、ディップコーター等を用いて、容易に塗着することができ、自然乾燥に近い乾燥が好ましいが、生産性を考慮すると70℃〜200℃の温度で乾燥させるのが好ましい。
【0021】
圧延は、ロールプレス機によって所定の厚みになるまで、線圧1000〜2000kg/cmで数回圧延を行うか、線圧を変えて圧延するのが好ましい。
【0022】
セパレータとしては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂の微多孔膜や不織布からなる単層または多層構造で構成されており、ポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂の2層または両端がポリプロピレン樹脂で中間層がポリエチレン樹脂の3層構造でシャットダウン機能を有するセパレータが好ましく、セパレータの厚みは10〜30μmの範囲が好ましい。
【0023】
絶縁部材は基材と糊剤からなり、基材の厚みとしては、20μm〜60μmの範囲、糊剤の厚みとしては20μm〜80μmの範囲が、絶縁性、貼着性、作業性の観点から好ましい。
【0024】
絶縁部材の基材の材質としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂などを挙げることができ、これらを単独またはブレンドした樹脂、変性した樹脂を用いることができる。そして、ガラス繊維、タルク、シリカなどの充填材を添加しても良い。
【0025】
絶縁部材の糊剤としては、天然ゴム、イソブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム、アクリル樹脂などを挙げることができる。これらを単独や積層したものや、変性したものを用いることができる。
【0026】
このようにして得られる正極板1と負極板2とをセパレータ3を介して絶縁された状態で捲回した極板群の最外周に上端部絶縁部材11aおよび下端部絶縁部材11bを配設して電池ケース4に収納する。このとき、上端部絶縁部材11a、下端部絶縁部材11bを配設する位置と幅が重要であり、前記正極板1の正極合剤層が無く正極集電体1aと電池ケース4とがセパレータ3を介して対向する領域では正極集電体1aの上下両端部に対向する位置の前記セパレータ3上に上端部絶縁部材11a、下端部絶縁部材11bを配設し、これらの正極集電体1aと対向している上端部絶縁部材11a、下端部絶縁部材11bの幅の総和をS、正極板幅をMとしたとき(S/M)≦0.20とする。
【0027】
正極板1の最外周は、正極合剤層が無く正極集電体1aのみで、充放電サイクル時の発熱を、電池ケース4を通じて外部に放出させることができ、絶縁部材を最外周のセパレータに貼着することにより、極板群の膨張、収縮を抑制することができるが、正極集電体1aの上下両端部のバリ等によって、電池ケース4と短絡する危険性を回避するために、絶縁部材をこの部分に配設する必要がある。
【0028】
また、(S/M)の比率は0.20以下が好ましく、0.05以上、0.20以下の範囲が最適である。0.20を超える場合には、充放電時の膨張、収縮を抑える効果が変わらない上、充放電の妨げとなるので好ましくなく、逆に0.05未満の場合には、充放電時の膨張、収縮を抑える効果がほとんど無いので好ましくない。
【0029】
ところで、正極板1の最外周を正極合剤層が無く正極集電体1aのみにし、さらに、図2(c)、(d)に示すように、負極板2の最外周を負極合剤層が無く負極集電体2aのみにすることにより、充放電サイクル時の発熱をより効率良く、電池ケース4を通じて外部に放出させることができる。
【0030】
非水電解液としては、非水溶媒と電解質からなり、非水溶媒としては、主成分として環状カーボネートおよび鎖状カーボネートが含有される。前記環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、およびブチレンカーボネート(BC)から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。また、前記鎖状カーボネートとしては、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、およびエチルメチルカーボネート(EMC)等から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
【0031】
電解質としては、例えば、電子吸引性の強いリチウム塩を使用し、例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiC(SO2CF3)3等が挙げられる。これらの電解質は、一種類で使用しても良く、二種類以上組み合わせて使用しても良い。これらの電解質は、前記非水溶媒に対して0.5〜1.5Mの濃度で溶解させることが好ましい。
【0032】
【実施例】
以下、実施例および比較例を用いて詳細に説明するが、これらは、本発明を何ら限定するものではない。
【0033】
(実施例1)
正極板1は、正極活物質としてコバルト酸リチウムを100重量部、導電剤としてアセチレンブラックの炭素粉末を3重量部、結着剤としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂ディスパージョンを固形分で4重量部、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース水溶液を固形分で0.8重量部を混練分散させてペースト状合剤を作製した。このペースト状合剤を、厚さ20μmの帯状のアルミニウム箔からなる正極集電体1aに連続的に間欠塗着を行い乾燥して、厚み290μmの正極板1を作製し、線圧1000Kg/cmで3回圧延を行うことにより、正極板厚みを180μmに圧延した。この正極板1の最外周で正極合剤層が無く正極集電体1aが露出している部分に正極リード7をスポット溶接して取り付けた後、120℃で15分間の正極板乾燥を行った。
【0034】
次に、負極板は負極活物質としてリチウム箔を吸蔵、放出可能な鱗片状黒鉛100重量部、結着剤としてスチレンブタジエンゴム(SBR)の水溶性ディスパージョンを固形分として4重量部、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース水溶液を0.8重量部を混練分散させて、ペースト状合剤を作製した。このペースト状合剤を厚さ14μmの帯状の銅箔からなる負極集電体に連続的に間欠塗着を行い乾燥して、厚さ300μmの負極板2を作製し、線圧110Kg/cmで3回圧延を行うことにより、負極板厚みを196μmに圧延した。この負極板3の最内周で負極合剤層が無く負極集電体が露出している部分にスポット溶接して負極リード8を取り付けた後、110℃で10分間の負極板乾燥を行った。
【0035】
このようにして得られた正極板1と負極板2とを耐熱温度が138℃で、厚さ20μmのポリプロピレン製セパレータ3を介して絶縁した状態で捲回してなる極板群を作製した。
【0036】
この極板群の図2(a)に示すように、幅57mmの正極板最外周の正極集電体1aの上端面を被覆するように上端部絶縁部材11aを上端部より下方に4.0mm、上方に2.0mmの位置に対向するように幅6mmの絶縁テープを幅60mmのセパレータ3の最外周の外側に貼着して配設した。
【0037】
次に、図2(b)に示すように、正極板最外周の正極集電体1aの下端面を被覆するように下端部絶縁部材11bを下端部より上方に4.0mm、下方に2.0mmの位置に対向するように幅6mmの絶縁テープをセパレータ3の最外周の外側に貼着して配設した。
【0038】
このとき、S/M=(4.0+4.0)/57=0.14であった。
【0039】
なお、この上端部絶縁部材11aおよび下端部絶縁部材11bは、厚さ40μmのポリプロピレン樹脂の基材と厚さ10μmのウレタン樹脂の糊剤からなる絶縁テープを用い、隙間が生じないようにオーバーラップさせた。
【0040】
次に、負極板6から連接する負極リード9を下部絶縁板10を介して、前記ケース8と電気的に接続し、正極板5から連接する正極リード3を上部絶縁板4を介して、封口板1の内部端子に電気的に接続した後、非水電解液(図示せず)を注液し、封口板5と電池ケース4が絶縁ガスケット6を介してかしめ封口して、直径18mm、高さ65mmサイズで電池容量が2000mAhの円筒型リチウムイオン二次電池を作製し、電池Aとした。
【0041】
なお電解液は、エチレンカーボネート30体積%、エチルメチルカーボネート50体積%、プロピオン酸メチル20体積%の混合溶媒中に、電解質としてヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)を1.0モル溶かした電解液を所定量注液した。この電解液は、正極活物質層および負極活物質層内に含浸されて、電池反応において、微多孔膜のセパレータを通して正極板1と負極板2間のLiイオンの移動を担う。
【0042】
(実施例2)
正極板最外周の正極集電体1aの上端面を被覆するように上端部絶縁部材11aを上端部より下方に6.0mm、上方に1.5mmの位置に対向するように幅7.5mmの絶縁テープをセパレータ3の最外周の外側に貼着して配設し、正極板最外周の正極集電体1aの下端面を被覆するように下端部絶縁部材11bを下端部より上方に5.4mm、下方に1.6mmの位置に対向するように幅7.0mmの絶縁テープをセパレータ3の最外周の外側に貼着して配設した以外は実施例1と同様にして円筒型リチウムイオン二次電池を作製し、S/M=(6.0+5.4)/57=0.20となる電池Bとした。
【0043】
(実施例3)
正極板最外周の正極集電体1aの上端面を被覆するように上端部絶縁部材11aを上端部より下方に1.3mm、上方に1.2mmの位置に対向するように幅2.5mmの絶縁テープをセパレータ3の最外周の外側に貼着して配設し、正極板最外周の正極集電体1aの下端面を被覆するように下端部絶縁部材11bを下端部より上方に1.5mm、下方に1.5mmの位置に対向するように幅3.0mmの絶縁テープをセパレータ3の最外周の外側に貼着して配設した以外は実施例1と同様にして円筒型リチウムイオン二次電池を作製し、S/M=(1.3+1.5)/57=0.05となる電池Cとした。
【0044】
(比較例1)
正極板最外周の正極集電体1aの上端面を被覆するように上端部絶縁部材11aを上端部より下方に8.5mm、上方に1.5mmの位置に対向するように幅10mmの絶縁テープをセパレータ3の最外周の外側に貼着して配設し、正極板最外周の正極集電体1aの下端面を被覆するように下端部絶縁部材11bを下端部より上方に8.5mm、下方に1.5mmの位置に対向するように幅10mmの絶縁テープをセパレータ3の最外周の外側に貼着して配設した以外は実施例1と同様にして円筒型リチウムイオン二次電池を作製し、S/M=(8.5+8.5)/57=0.30となる電池Dとした。
【0045】
(比較例2)
極板群の最外周部分である幅60mmのセパレータ3には何も上端部絶縁部材11aおよび下端部絶縁部材11bを貼着せず、熱溶着により群の形状を保持させたこと以外は実施例1と同様にして円筒型リチウムイオン二次電池を作製し、電池Eとした。
【0046】
(比較例3)
正極板最外周の正極集電体1aの上端面を被覆するように上端部絶縁部材11aを上端部より下方に4.5mm、上方に1.5mmの位置に対向するように幅6.0mmの絶縁テープをセパレータ3の最外周の外側に貼着して配設したが、正極板最外周の正極集電体1aの下端面には何も下端部絶縁部材11bを貼着しなかった以外は実施例1と同様にして円筒型リチウムイオン二次電池を作製し、S/M=(4.5+0)/57=0.08となる電池Fとした。
【0047】
(比較例4)
正極板最外周の正極集電体1aの下端面を被覆するように下端部絶縁部材11bを下端部より上方に5.4mm、下方に1.6mmの位置に対向するように幅7.0mmの絶縁テープをセパレータ3の最外周の内側に貼着して配設したが、正極板最外周の正極集電体1aの上端面には何も上端部絶縁部材11aを貼着しなかった以外は実施例1と同様にして円筒型リチウムイオン二次電池を作製し、S/M=(0+5.4)/57=0.09となる電池Gとした。
【0048】
(比較例5)
正極板最外周の正極集電体1aの上面を被覆するように上端部絶縁部材11aを上端部より下方に2.0mmの位置から下方に4.5mm、上方に3.5mmの位置に対向するように幅8mmの絶縁テープをセパレータ3の最外周の外側に貼着して配設し、正極板最外周の正極集電体1aの下面を被覆するように下端部絶縁部材11bを下端部より上方に2.0mmの位置から上方に4.5mm、下方に3.5mmの位置に対向するように幅8mmの絶縁テープをセパレータ3の最外周の外側に貼着して配設した以外は実施例1と同様にして円筒型リチウムイオン二次電池を作製し、S/M=(4.5+4.5)/57=0.16となる電池Hとした。
【0049】
このようにして得られた実施例1〜実施例3、比較例1〜比較例5の各電池5個について、充放電サイクル特性を評価した。充放電サイクル特性は、4.2Vで2時間の定電流−定電圧充電を行い、電池電圧が4.2Vに達するまでは1400mA(0.7ItA)の定電流充電を行い、その後、電流値が減衰して100mA(0.05ItA)になるまで充電した後、2000mA(1ItA)の定電流で3.0Vの放電終止電圧まで放電する充放電サイクル試験を20℃の環境下で繰り返し、3サイクル目を初期容量とし、この充放電サイクルを500サイクル繰り返した時点の初期容量に対する容量維持率の平均値の結果を表1に示す。
【0050】
また充放電サイクルを500サイクル繰り返した時点で、各電池を分解して電池A〜電池Hの負極板A〜負極板Hを取りだして、図3に示すように負極板を均等に5分割してそれぞれの部位において、厚みを測定し、極板厚み比=(選択部分の厚み)/(中央部(▲3▼)の厚み)として比率を求めるとともに、目視にて極板観察を行い、負極板の亀裂の有無を観察した結果を表1に示す。
【0051】
なお、それぞれの部位の厚みは5点、厚みゲージで測定した場合の平均値を用いた。
【0052】
【表1】
【0053】
本発明の非水電解液二次電池は比較例の電池と比べて、充放電サイクルを繰り返しても電池容量の劣化が少なく充放電サイクル特性に優れ、負極板に亀裂が入ることがなく、信頼性の高い電池であることがわかった。正極板の最外周は、正極合剤層が無く正極集電体1aのみで、充放電サイクル時の発熱を電池ケース4を通じて外部に放出させることができ、極板群の膨張、収縮を抑制することができる上、極板群を上下端部で固定することで、充放電時の膨張・収縮を極板内部で均一に緩和することができるためであると推定できる。
【0054】
【発明の効果】
以上の説明から明らかのように、本発明によれば、極板群の最外周に絶縁部材を配設する位置と幅を最適化することにより、充放電サイクルを繰り返しても電池容量の劣化の少ない電池を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る主要構成を示す電池断面図
【図2】(a)本発明の極板群上端部の一部縦断面図
(b)本発明の極板群下端部の一部縦断面図
(c)本発明の別の極板群上端部の一部縦断面図
(d)本発明の別の極板群下端部の一部縦断面図
【図3】負極板の分割図
【符号の説明】
1 正極板
1a 正極集電体
2 負極板
2a 負極集電体
3 セパレータ
4 電池ケース
5 封口板
6 ガスケット
7 正極リード
8 負極リード
9 上部絶縁板
10 下部絶縁板
11a 上端部絶縁部材
11b 下端部絶縁部材
Claims (2)
- 正極板と負極板とをセパレータを介して絶縁した状態で捲回してなる極板群、非水電解液、ならびに前記極板群と非水電解液とを収納する電池ケースからなる非水電解液二次電池において、前記電池ケースと前記正極板の正極合剤層が無く正極集電体とがセパレータを介して対向する領域では正極集電体の上下両端部に対向する位置の前記セパレータ上に絶縁部材が配設されており、前記正極集電体と対向している絶縁部材の幅をS、前記正極板幅をMとしたとき、(S/M)≦0.20であることを特徴とする非水電解液二次電池。
- 前記電池ケースが円筒型の電池ケースであることを特徴とする請求項1に記載の非水電解液二次電池。
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