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JP4237697B2 - 河川の護岸装置及び河川の護岸工法 - Google Patents
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JP4237697B2 - 河川の護岸装置及び河川の護岸工法 - Google Patents

河川の護岸装置及び河川の護岸工法 Download PDF

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Description

本発明は河川の護岸装置及び護岸工法に関するものであり、特に、河川の法面保護を目的とした河川の護岸装置及び護岸工法に関するものである。
通常、河川の側部には、河川の氾濫を防止するために護岸が構築されている。その護岸工法として、河床面又は法面若しくはその双方(以下、これらを総称して「法面等」という)に、自然石を並列敷設する護岸工法(例えば、特許文献1参照)、或いはコンクリートブロックを面張りして浸食や流出を防止する護岸工法(例えば、特許文献2参照)等が行われている。
特許文献1に記載の護岸工法は、法面等に複数の立杭を深く打ち込み、この立杭間に横材を渡して枠を形成した後、該枠上に自然石を載せ、枠内に同じく石材を詰めて護岸構造を形成するもので、立杭は法面等に直に打ち込まれている。この構造は、表面が自然石で凸凹しており、この凸凹で枠上の自然石表面粗度を高め、自然石周辺の流速を低減して、周辺土砂の流出を防止する。
特許文献2に記載の護岸工法は、一部が台座上面から突出された状態にして、自然石を埋め込み定着してなるコンクリートブロックを、法面等に並列敷設するものである。これにより、コンクリートブロックの台座の上面に突出した自然石が表面粗度を高め、該コンクリートブロック周辺の流速を低減して、周辺土砂の流出を防止する。
特開2001−172935号公報。 特開平4−166507号公報。
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、立杭を法面等に直に打ち込み、この立杭間に横材を渡して枠を形成し、この枠内に自然石等を並列敷設した状態にして構成しているので、立杭の打ち込みを深く、且つ、しっかりと打ち込んでいないと、洪水時の流水力によって立杭ごと根こそぎさらわれ、跡形も無くなる程の被害が発生する虞がある。このような場合は、立杭によって法面等がほじられて地盤が緩み、影響を大きくすることが心配される。又、根こそぎさらわれた場合、復旧は最初からの工事となるため、長期に亘り、工事費用も大きくなるという問題があった。
一方、特許文献2に記載の発明は、一部が台座上面から突出された状態にして、自然石を埋め込み定着してなる、コンクリートブロックを法面等に並列敷設している。この場合も、洪水時の大きな流水力がコンクリートブロックの自然石に加わると、コンクリートブロックごと根こそぎさらわれ、跡形も無くなる程の被害が発生する虞がある。この場合も、法面等からコンクリートブロックが剥がれることによって地盤が緩み、影響を大きくすることが心配される。又、復旧も最初からの工事となり、工事費用も大きくなるという問題があった。
そこで、洪水時に所定以上の流水力を受けたとき、基礎を残して他の部分を流出させることより、被害を最小限に抑え、復旧工事等を簡単にすることができる河川の護岸装置及び河川の護岸工法を得るために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、河川堤防の法面を被覆して、流水の浸食作用から前記法面を保護する河川の護岸装置であって
取付具の下側取付部、又は、上下面に貫通する少なくとも一つ以上の取付穴を有すると共に、流水抵抗を軽減するために、その表面がほぼ平坦で、側面に丸みを設けて形成されて、前記堤防の法面に敷設されたブロックと、
該ブロックの前記取付具の下側取付部取付具の上側取付部を通じて取り付けた杭部又は前記取付穴に取り付けた立杭と、
前記杭部又は立杭に取り付けて敷設した布又はネット状物とからなる覆土滑落防止材とを備えると共に、
前記杭部又は立杭に流水により所定以上の力が加わったときに、前記杭部が前記取付具の下側取付部から流水方向に倒回又は立杭が前記取付穴から流水方向に抜去されるように構築された河川の護岸装置において、
上記覆土滑落防止材により覆土の滑落を防止し、植生が安定するようにすると共に、上記覆土滑落防止材を、生分解性を有する天然素材で形成し、洪水時に
杭部が前記取付具の下側取付部から流水方向に倒回又は立杭が前記取付穴から抜去された場合に回収不要となし、
更に、上記ブロックの上下面に貫通して、流水の揚力を軽減すると共に植物を根付かせる穴もしくはスリットを、少なくとも一つ以上設け、
加えて、隣接するブロック同志を、連結金具で折り畳み自在に連結して多連状のブロックを構成し、且つ、前記連結金具の連結幅の調節により、ブロック間の空隙が調節できるように構成し、
そして更に、上記連結金具に吊り部を設け、複数のブロックを概ね水平に吊り上げられるようにし、上記法面に対して縦方向と横方向のいずれの方向にも多連状にして複数のブロックを一括して据え付けできるようにした河川の護岸装置を提供するものである
この構成によれば、流水により所定以上の力が杭部又は立杭に加わると、該杭部が取付具の下側取付部から流水方向に倒回され又は立杭が取り付け穴から流水方向に抜去される。これにより、ブロック上の障害物を無くし、ほぼ平坦なブロック表面だけとし、ブロックに作用する力を減らしてブロックが流出するのを防止し、法面上にブロックを残す。又、法面上に残されたブロックは、表面がほほ平坦であるから、流水抵抗も減り、流水を穏やかにして更に洗掘して侵食されるのを防ぐ。更に、流水から受ける抵抗が小さいから、従来のブロックに比べて十分軽い質量のものでも安定できる。
又、この構成によれば、覆土滑落防止材がブロック上に於ける覆土の滑落を防止し保護する。すなわち、ブロック上の覆土を安定させることにより、植物等が容易に根付くことができ、植生が安定し、植物等の生育が図れる。
そして、この構成によれば、生分解性を有する天然素材で形成した覆土滑落防止材は、流出されたままにしておいても、自然の腐食作用により分解され、土壌に還元される。
また、この構成によれば、ブロックに設けた穴もしくはスリットにより、ブロックが流水の揚力を受けると、その揚力は穴もしくはスリットを通して逃がされる。又、穴もしくはスリットに植物が根付いた後は、これらの植物により保持されるから、ブロックの流出を更に防止できる。
更に、この構成によれば、連結金具で繋いで多連状にしたブロックを、該連結金具で繋いだ部分で順番に折り畳んで積み重ね、その積み重ねた状態で例えば工場から現場へ運び、現場で再び広げて敷設することができる。又、連結金具の連結幅を調節することにより、ブロック間の空隙の大きさを調節し、多連状にされたブロックの敷設長さの調整や、その調整後の空隙を利用して植物を根付かせるときの適正な空間幅等を得ることができる。
加えて、この構成によれば、多連状にされたブロックを、連結金具の吊り部を利用して概ね水平に吊り上げ、そのまま法面に対して一括して据え付けることができる。
請求項記載の発明は、河川堤防の法面を被覆して、流水の浸食作用から前記法面を保護する河川の護岸工法において、
前記堤防の法面に平面状のブロックを複数敷き並べ、該ブロックの上面に倒回又は抜去可能にした杭部又は立杭と、該杭部又は立杭に取り付けられた布又はネット状の覆土滑落防止材とを前記ブロックの上に設置するとともに、
前記覆土滑落防止材に、流水により所定以上の力が加わったときに、前記杭部又は立杭が前記取付具の下側取付部又は取付穴から倒回又は抜去するように構築する河川の護岸工法を提供する。
この工法によれば、流水により所定以上の力が杭部又は立杭に加わると、該杭部が取付具の下側取付部から流水方向に倒回され又は立杭が取付穴から流水方向に抜去される。これにより、ブロック上の障害物を無くしほぼ平坦なブロック表面だけとし、ブロックに作用する力を減らしてブロックが流出するのを防止し、法面上にブロックを残す。又、法面上に残されたブロックは、表面がほぼ平坦であるから、流水抵抗も減り、流水を穏やかにして更に洗掘して浸食されるのを防ぐ。更に、流水から受ける抵抗が小さいから、従来のブロックに比べて十分軽い質量のものでも安定できる。
請求項1記載の発明は、洪水により所定以上の力が杭部又は立杭に加わったとき、該杭部が取付具の下側取付部から流水方向に倒回し又は立杭が取付穴から流水方向に抜去され、ブロックの上面よりも上側の部分を意図的に崩壊させて流し、ブロックはそのまま法面等の上に残したままにするから、復旧工事も最初からの工事ではなく、ブロックが敷設された後の工事からとなる。これにより、復旧時に於ける工期の短縮と工費の低減が図れる。又、台座となるブロックは、そのまま法面等に残された状態になるから、法面が流水の洗掘で更に浸食されるのを防止でき、被害を最小限に抑えることができる。更に、流水から受ける抵抗が小さいから、従来のブロックに比べて十分軽い質量のものでも安定でき、コストの低減が可能になる。
この発明は、覆土滑落防止材より、ブロック上に於ける覆土の滑落を防止することができるから、上記した発明の効果に加えて、植物等の生育が安定する。
この発明は、覆土滑落防止材を、生分解性を有する天然素材で形成し、流出されたままにしておいても自然の腐食作用により分解されて、土壌に還元されるようにしているから、上記した発明の効果に加えて、崩壊後の処理が簡単になる。
この発明は、ブロックに設けた穴もしくはスリットにより、ブロックが流水の揚力を受けた場合、施工初期にあっては、穴もしくはスリットを通して揚力を逃がし、穴もしくはスリットに植物が根付いた後は、これらの植物の根付きによってブロックを抑えて保持するから、上記した発明の効果に加えて、更にブロックの流出を防止できる。
この発明は、連結金具でブロックを多連状に繋ぎ、それを順番に折り畳んで積み重ねた状態で例えば工場から現場へ運び、現場でひろげて敷設することができる。又、連結金具の連結幅を調節してブロック間の空隙の大きさを植物の育生に最適な大きさに変え、その空隙を利用して植物を根付かせたり、敷設ピッチの調節によりカーブ施工をスムーズに行うことができる。これにより、上記した発明の効果に加えて、作業性の向上が図れると共に、更に植物の生育を助けることができる。
この発明は、連結金具の吊り部を利用して多連状にされた複数のブロックを概ね水平もしくは法面に概ね平行に吊り上げ、そのまま法面(法肩、法尻の変曲部を含む)に対して一括して据え付けることができるから、上記した発明の効果に加えて、更に作業性の向上が図れる。
請求項記載の発明は、洪水により所定以上の力が杭部又は立杭に加わったとき、該杭部が取付具の下側取付部から流水方向に倒回され又は立杭が取付穴から流水方向に抜去され、ブロックの上面よりも上側の部分を意図的に崩壊させて流し、ブロックは、そのまま法面等の上に残したままにするから、復旧工事も最初からの工事ではなく、ブロックが敷設された後の工事からとなる。これにより、復旧時に於ける工期の短縮と工費の低減が図れる。又、台座となるブロックは、そのまま法面等に残された状態になるから、法面が流水の洗掘で更に浸食されるのを防止でき、被害を最小限に抑えることができる。更に、流水から受ける抵抗が小さいから、従来のブロックに比べて十分軽い質量のものでも安定でき、コストの低減が可能になる。
洪水時に所定以上の流水力を受けたとき、基礎を残して他の部分を流出させることより、被害を最小限に抑え、復旧工事等を簡単にするという目的を達成するために、河川堤防の法面を被覆して、流水の浸食作用から前記法面を保護する河川の護岸装置において、取付具、又は、上下面に貫通する少なくとも一つ以上の取付穴を有すると共に、流水抵抗を軽減するために、その表面がほぼ平坦で、側面に丸みを設けて形成されて、前記堤防の法面に敷設されたブロックと、該ブロックの前記取付具又は前記取付穴に取り付けた立杭と、前記立杭に取り付けて敷設した布又はネット状物とからなる覆土滑落防止材とを備えると共に、前記立杭に流水により所定以上の力が加わったときに、前記立杭が前記取付具又は前記取付穴から流水方向に倒回又は抜去されるように構築された河川の護岸装置を提供する。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。図1は本発明を適用した施工後の護岸を示す断面図である。図1に示すように、この護岸構造では、河川堤防10の法面11の上に護岸構造装置としての護岸構造体12を敷設し、この護岸構造体12の上に土砂を30〜50cm程被覆した後、その表面を更に土13で覆土してなり、この覆土した土13に草木14が植生された状態となっている。なお、図1中で符号H1で示す水面は洪水になる前に於ける普段の水面、H2で示す水面は洪水が起きたときの水面をそれぞれ示している。
図2及び図3は護岸構造体12を示しており、図2はその平面図、図3はその側面図である。尚、図2及び図3では、土13及び草木14等は省略してある。図2及び図3に於いて、護岸構造体12は、河川堤防10を流水による浸食やのり崩れ、或いは洗掘から守るためのものである。その護岸構造体12には、河川堤防10に於ける法面11の上に複数並べられて面張りされるブロック15,15…と、このブロック15,15…上にそれぞれ取り付けられた立杭16,16…、及び該立杭16,16…に取り付けてブロック15上に敷設された覆土滑落防止材17等で構成されている。
図4及び図5は護岸構造体12の部分拡大図で、図4は立杭16及び覆土滑落防止材17が取り付けられる前の状態で示す平面図、図5はその側面図である。図4及び図5において、ブロック15,15…は、縦又は横方向で隣接するもの同志を連結金具18で順に連結し、多連状のブロックとして形成され、複数のブロック15,15…が同時に一括して取り扱われる。
各ブロック15,15…は、例えば縦と横の長さが共に1m,1m、高さ(厚み)が10cm前後のコンクリート製のブロックであり、表面は流水抵抗を軽減するためにほぼ平坦に形成され、側面には丸味を持たせてある。又、4つの角は、一部が上下面に亘って各々切り欠かれ、この切り欠きによって、各角にはそれぞれ切欠部19が設けられている。更に、コンクリートのブロック15,15…を成形するとき、その前後の部分には、左右の切欠部19内に一端20a,20aをそれぞれ延出させた状態にして、丸棒状の鉄筋20がインサートされている。その鉄筋20の各端20a,20aには、各々ネジが刻設されている。
又、各ブロック15,15…には、中央の位置に立杭取付穴21が上下に貫通して設けられている。立杭取付穴21の形状は円形の他に、五角形、六角形等、多角形状の穴であっても良い。又、立杭取付穴21からそれぞれ異なる角に向かって、ほぼ等しい距離だけ離れた4つの位置には、上下に貫通している揚力軽減用穴22,22,22,22が設けられている。この揚力軽減用穴22,22…は、施工後に洪水があったとき、ブロック15,15…と法面11との間に侵入する水を抜いて流水の揚力を軽減する役目をし、施工後、植物を法面11に根付かせる役目もする。尚、揚力軽減用穴22,22…は、本例では丸穴で4つ形成したものを図示しているが、丸穴以外、例えば長穴やスリット状のものであっても良く、又、少なくとも一つ以上設ければ良い。
図6は、連結金具18の単品を示すもので、同図(a)は平面図、同図(b)は側面図である。図6に於いて、連結金具18は、略長方形をした平板状の金属板18Aと該金属板18Aに取り付けられた吊り金18Bとでなる。金属板18Aは、側面に鉄筋20の端部20a,20aを貫通させる取付穴18a,18aが設けられている。吊り金18Bは、逆U字状に形成されていて、そのU字開放端18D,18Dを金属板18Aの一面にそれぞれ溶接して該金属板18Aと一体化され、該金属板18Aの上側にリング状をした吊り部18cが作られた状態になっている。
次に、図4〜図6を用いて、連結金具18で各ブロック15,15を連結する手順を説明する。先ず、鉄筋20が通されている端部をそれぞれ互いに突き合わせて、各ブロック15,15を配置し、この配置で隣同士となった鉄筋20の一側に於ける端部20a,20aを、連結金具18の内面側から取付穴18a,18aにそれぞれ通す。この連結では、吊り部18cを上側にする。又、取付後、金属板18Aの取付穴18a,18aを貫通して、金属板18Aの外面側に突出している鉄筋20の端部20a,20aに、ナット23,23をそれぞれ締め付けて固定する。このようにして連結金具18を各ブロック15,15の左右両側にそれぞれ取り付けると、この箇所に於ける連結が完了する。
続いて、連結を終えた2つのブロック15,15に、別のブロック15を用意し、同じく鉄筋20が通されている端部を互いに突き合わせて配置する。又、この配置で隣同士となった鉄筋20の一側に於ける端部20a,20aに、前と同じようにして連結金具18を取り付け、更にナット23,23で固定する。この作業を繰り返すことによって、必要数のブロック15,15…を順に、連結金具18を介して多連状に連結することができる。
又、鉄筋20と連結金具18との間は、鉄筋20を枢軸として、その軸廻り、すなわちブロック15の上下方向に回動でき、この回動で各ブロック15,15…を折り畳んで順に積み重ねることができる。図5中に二点鎖線で示すブロック15は、このようにして折り畳んだ状態を示している。尚、この多連状にする時期は、トラック等で輸送する際での効率性を考慮し、工場出荷時あるいは施工現場のいずれの場合もあり、それは作業事情等に応じて選択される。
更に、連結金具18で連結された各ブロック15,15…との間には、隙間S1が設けられている。この隙間S1は、植生用の隙間としても用いることができる。従って、植生用として用いる場合、隙間S1はある程度の大きさを確保する必要がある。従って、例えば、図7に示すように、取付穴18a,18aの他に、取付穴18d,18dを付加した連結金具18を用意し、使用する取付穴18a,18a,18d,18dの位置を選択することにより、植生に適した隙間S1を調節して、各ブロック15,15…同志を連結することも可能である。又、複数の穴を用意せずに、その長手方向に細長く延びる長穴を設けた連結金具18を使用し、その長穴内に於ける取付位置を変えて隙間S1を調整するようにすることも可能である。
尚、連結金具18で多連状に連結されるブロック15の数は、取り扱い性等を考慮し、8〜10個を1ユニットとする。又、施工時、連結されている1ユニット分のブロック15,15…を、例えば図8に示すように、クレーンで吊られたH鋼等でなる架台24から垂れ下がる、複数の吊り具25,25…の各フック25aを、各フック25aと対応する連結金具18の吊り部18cにそれぞれ掛け止めし、これを水平に吊り上げ、更に施工位置へ移動し、該施工位置で法面11に対して縦又は横方向に設置すると、多連複数のブロック15,15…を一括して据え付けることができる。
このようにすると、作業能率を上げることができる。
図9は、立杭16をブロック15の立杭取付穴21に取り付けた状態で示す護岸構造体12の部分拡大図で、同図(a)はその平面図、同図(b)は一部を断面して示す側面図である。図9に於いて、立杭16は断面円形で長さが30〜50cm程の棒状材である。この立杭16は、下端が立杭取付穴21に抜き差し可能な状態に緩く差し込まれ、ブロック15の上面からほぼ直角に突出した状態で、該ブロック15に取り付けられている。尚、立杭16は、自然の腐食作用によって分解され、土壌に還元される素材、例えば木材・竹等で作られ、又、上下端には、覆土滑落防止材17を取り付けるためのフック状の留め具26を設けている。そして、この立杭16は、ブロック15が法面11に敷設された後に、各立杭取付穴21に一本ずつ取り付けられる。
覆土滑落防止材17は、布状もしくはネット状にしたもので、多連状に連結された各ブロック15に於ける立杭取付穴21と対応する位置毎に、筒状部17aを有している。覆土滑落防止材17は、立杭16の上側から筒状部17aを被せ、その筒状部17aの一部を立杭16の留め具26に掛け止めして取り付けられる。また覆土滑落防止材17を折返し筒状部17a部分を縫製して袋状とし、立杭16に被せて取付けてもよい。そして、各立杭16,16…間に、覆土滑落防止材17が順次幕状に張られる。
尚、覆土滑落防止材17は、麻あるいは椰子の実の殻から取り出した繊維(椰子殻繊維)を編んだものや、とうもろこしなどの植物資源を合成した繊維などを使用している。麻や椰子殻繊維は、敷設時から相当の期間が経過すれば、自然の腐食作用によって分解されて土壌に還元される、生分解性を有する天然素材である。
次に、このように構成された護岸構造体12を使用する護岸工事の手順を図1〜図9を用いて説明する。先ず、図2に示しているように、多連状に連結されたブロック15,15…を、施工位置の法面11上に規則正しく縦又は横方向に敷き並べて設置する。次いで、立杭16を立杭取付穴21に差し込み、該立杭16をブロック15,15…上にそれぞれ立設する。その後、各立杭16,16…に筒状部17aを順に被せ、幕を張るかのようにして、覆土滑落防止材17を立杭16,16…に取り付ける。この場合、覆土滑落防止材17は、流水方向に沿って取り付け、幕の高さは立杭16の高さとほぼ同じか、または10cm程度下げた高さであり、20〜50cm程である。図2及び図3は、この状態を示す。尚、覆土滑落防止材17の下側は多少長くして、その一部がブロック15,15…の上を覆うようにしても良い。又、覆土滑落防止材17の敷設を簡略化し、立杭の転倒を防止すると共に、敷設後の弛みを無くすために、覆土滑落防止材17の上下端に芯材としてワイヤーまたは生分解性のロープを通す構造にしても良く、更に、このワイヤーを立杭16,16…への取付用としても良い。
次いで、流水方向に沿って張られた覆土滑落防止材17との間を埋めるようにして、ブロック15,15…上に例えば土砂等を入れ、該土砂で覆土滑落防止材17が隠れる程度まで被覆し、更に、その上を植生用の土13で覆土すると完成する。図1は、この完成後の状態を示す。尚、ブロック15,15…の上に土砂を入れれば、植生用の土13での覆土は必ずしも必要とするものではない。
このような護岸工事を行った河川堤防では、必要に応じて、河川堤防10の表面を覆っている土13に草木14が植栽される、または自生する。この草木14は、年月が経つに連れて根が張り、その根が覆土滑落防止材17、立杭16等に絡みついて根付くと共に、ブロック15,15…間の隙間S1や切欠部19で作られる隙間S2、及びブロック15,15…にそれぞれ作られている揚力軽減用穴22を通って法面11内に入り込んで根付き、堤防をより強固なものにする。
次に、作用を説明する。例えば洪水が起き、流水で堤防の表面が洗掘される等して、立杭16に所定以上の力が加わると、立杭16が立杭取付穴21から抜去され、ブロック15,15…上に施工されていた部分が崩壊する。この崩壊で、立杭16、覆土滑落防止材17及び土砂がそれぞれ流出し、法面11上に敷き並べているブロック15,15…にかかる抵抗が減らされ、このブロック15,15…だけが残る。又、残されたブロック15,15…は、その表面がほぼ平坦になっているので、流水の抵抗をさほど受けず、そのまま残り続ける。
従って、この構造によれば、洪水により所定以上の力が立杭16に加わったとき、該立杭16がブロック15,15…の立杭取付穴21から流水方向に抜去され、ブロック15,15…の上面よりも上側の部分を意図的に崩壊させて流し、ブロック15,15…はそのまま法面11等の上に残したままにするから、復旧工事も最初からの工事ではなく、ブロック15,15…が敷設された後の工事からになる。これにより、復旧時に於ける工期の短縮と工費の低減が図れる。又、台座となるブロック15,15…は、そのまま法面11等に残された状態になるから、法面11が流水の洗掘で浸食されるのを防止でき、被害を最小限に抑えることができることになる。
又、崩壊して流された立杭16は木製または竹製で、覆土滑落防止材17は生分解性を有する天然素材で形成されており、何れも自然の腐食作用によって分解されて土壌に還元されるものであるから、例え流出したままにしておいても、環境に影響を及ぼすことはない。従って、復旧工事では、崩壊された立杭16、覆土滑落防止材17の処理を同時に進めなくても良いから、復旧工事を更に簡単にすることができる。
更に、ブロック15,15の側面に丸みを設けてあるため、図10の(a)に示すように、ブロック15,15相互の接点に於いてスムーズに回転ができる。従って、図11に施工時における動作順序を示すように、法肩や法尻等の勾配変化点のある場合にも、その勾配の形状に倣って同図の(a)〜(d)の順に自動的に変化するので、多連複数のブロック15,15を一括して据え付けることができる。因みに、図10の(b),(c)に示すように、ブロック15,15の側面に丸みを設けていないと、接点でブロック相互が干渉してスムーズな回転ができない。
(立杭の別実施例)
図12は本発明に於ける護岸構造体に適用可能な立杭の別の実施例を示す。図12に示す立杭27は、図1〜図11に示した立杭16に変えて使用できるもので、立杭27以外は図1〜図11と同じであるから、同じ部材には同じ符号を付して重複した説明は省略する。
図12に於いて、立杭27は、取付具27Aと該取付具27Aに着脱可能可能に取り付けられた杭部27Bとで構成され、全体が断面円形で、長さが30〜50cm程の棒状材である。
取付具27Aは、ブロック15,15…の立杭取付穴21に取り付けられる下側取付部28と、該下側取付部28の上部に枢軸30を介して取り付けられた上側取付部29とで構成されている。又、下側取付部28と上側取付部29との間は、枢軸30を支点として互いに回転可能になっている。尚、下側取付部28と上側取付部29との間には、図示しない摩擦部材が設けられていて、下側取付部28と上側取付部29との間に所定以上の力が加わらない限り、両者の間は回転せず、取付具27Aは上下方向に真っ直ぐに延ばされた状態で維持される構造になっている。
又、上側取付部29の上面には、杭取付穴31が設けられている。この杭取付穴31には、杭部27Bの下端が着脱自在に挿入されて取り付けられる。その杭部27Bは、自然の腐食作用によって分解され、土壌に還元される素材、例えば木材等で作られる。更に、杭部27B及び上側取付部29の一部には、覆土滑落防止材17を取り付けるためのフック状の留め具26が設けられている。
そして、このように構成された立杭27は、取付具27Aの下側取付部28をブロック15,15…の立杭取付穴21に挿入して、各ブロック15,15…にそれぞれ取り付けられる。尚、立杭取付穴21に対する下側取付部28の取り付けは、着脱不能による固定、あるいは簡単に抜去できる状態、のいずれの取り付けであっても良い。但し、簡単に抜去できる構造にした場合には、取付具27Aは土壌に還元される部材を中心として構成されるのが好ましく、固定される構造とした場合には、腐食に強い合成樹脂材等を用いることができる。
次いで、各ブロック15,15に取り付けた取付具27Aの上側取付部29に、杭部27Bを抜去可能に取り付け、この杭部27Bを上側取付部29と共にブロック15,15…上にそれぞれ立設する。この場合、上側取付部29の倒れ方向を流水方向と一致させる。その後、各立杭27,27…に、覆土滑落防止材17の筒状部17aを順に被せ、幕を張るようにして、覆土滑落防止材17を立杭27,27…に取り付ける。この場合、立杭27,27…の倒れ方向を流水方向に向け、且つ覆土滑落防止材17は流水方向に対して平行となるようにして取り付ける。又、幕の高さは杭部27Bの高さとほぼ同じ30〜50cm程である。
その後、流水方向に対して、前後の位置に張られた覆土滑落防止材17との間を埋めるようにして、ブロック15,15…上に例えば土砂等を入れ、該土砂で覆土滑落防止材17が隠れる程度まで被覆し、更に、その上を植生用の土13で覆土すると完成する。
次に、作用を説明する。例えば洪水が起き、流水で堤防の表面が洗掘される等して、立杭27に所定以上の力が加わると、先ず、枢軸30を支点として上側取付部29が、杭部27B、覆土滑落防止材17と共に水流の下流側方向に倒回し、この倒回でブロック15,15…上に施工されていた部分が崩壊する。更に力が加わると、杭部27Bが上側取付部29から抜去、あるいは立杭27の全体が立杭取付穴21から抜去され、杭部27B或いは立杭27、覆土滑落防止材17及び土砂がそれぞれ流出し、法面11上に敷き並べている表面がほぼ平坦なブロック15,15…だけとなる。これにより、ブロック15,15…にかかる抵抗が減らされ、このブロック15,15…と取付具27Aだけ、或いは…ブロック15,15だけが残る。
従って、この立杭27を使用した場合でも、洪水により所定以上の力が立杭27に加わったとき、少なくとも杭部27Bがブロック15,15…側に於ける取付具27Aの杭取付穴31から流水方向に抜去され、ブロック15,15…の上面よりも上側の部分を意図的に崩壊させて流し、ブロック15,15…はそのまま法面等の上に残したままになる。これにより、復旧工事は最初からの工事ではなく、ブロック15,15…が敷設された後の工事からになるので、復旧時に於ける工期の短縮と工費の低減が図れることになる。
図13に開示の技術例は、本発明の実施例そのものではないが、本発明と密接に関連する技術であるので記述するものである。図13に示す立杭35は、図1〜図11に示した立杭に代えて使用できるもので、立杭35以外は図1〜図11とほぼ同じであるから、同じ部材には同じ符号を付して重複した説明は省略する。
図13に於いて、立杭35は、取付具35Aと該取付具35Aに回動自在に取り付けられた杭部35Bとで構成され、全体の長さは30〜50cm程度である。
取付具35Aは、一端側にループ部36aを設け、他端側にネジ36bを刻設してなる金属製の棒状基材36と、ループ部36aの両側面にそれぞれスポット溶接等で固定された金属製のプレート37,37とで構成されている。又、各プレート37,37のほぼ中心には、左右に貫通して取付穴38が設けられている。そして、この取付具35Aは、ブロック15を作るときに予め他端側にネジ36bを締めこむためのインサートナットを埋めこんでおくか、あるいはブロック15に設けられている取付穴21に後からねじ込んで固定し、一端側のループ部36aをブロック15の上面より真っ直ぐ直角に突出させた状態にして取り付けられる。尚、他端側を取付穴21に取り付けるとき、ネジ36bの部分を凝固剤等を用いてブロック15にしっかりと固定する。
杭部35Bは金属製の棒状材で、本体部39aと、該本体部39aの下端側の一部をL字状に屈曲させた取付部39bとを一体に有し、更に取付部39bの外周にネジ39cを刻設している。その取付部39bの直径は、取付具35A側の取付穴38の内径に略等しい。そして、この杭部35Bを取付具35Aに取り付ける場合、まず、取付具35Aの一側面から他側面まで貫通する状態にして、取付部39bを取付穴38に挿入する。続いて、取付具39Aの他側面側でネジ39cにナット40を取り付け、該ナット40と本体部39aの一部で取付具35Aを締め付けると、取付具35Aに取り付けることができる。又、この取り付けでは、杭部35Bの本体部39aがブロック15の上面に対してほぼ直角となった状態して保持する。この杭部35Bは、締め付け力以上の力が外側から加わると、取付穴38内で取付部39bが回転し、杭部35Bが倒回する。
そして、護岸を必要とする所定の位置にブロック15を並べた後に、前述した手順にてブロック15の取付穴21に前記立杭35を固定し、各立杭35,35…に覆土滑落防止材17の筒状部17aを順に被せ、幕を張るようにして覆土滑落防止材17を取り付ける。この場合も、杭部35Bの倒れ方向を流水方向に向け、且つ、覆土滑落防止材17は流水方向に対して平行となるようにして取り付ける。
この構造でも、例えば洪水が起き、立杭35に所定以上の力が加わると、取付部39bを枢軸として杭部35Bが倒回し、この倒回でブロック15,15…上に施工されていた部分が崩壊して流れ、ブロック15,15は、そのまま法面等の上に残したままになる。これにより、復旧工事は最初からの工事ではなく、ブロック15,15…が敷設された後の工事からになるので、復旧時に於ける工期の短縮と工費の低減が図れることになる。
また、図14に示すように、連結金具18は、それぞれ鉄筋を折り曲げ加工した金属材180Aと吊り金材180Bとからなり、これら金属材180Aと吊り金材180Bを互いに溶接等で固定すると共に、金属材180Aに取付穴180aが開穿された座金180Cを溶着して、図4に示した鉄筋20の各端20a,20aをインサートさせてナット締めにて固定してもよい。
尚、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
本発明を適用した施工後の護岸を示す断面図。 本発明の実施の形態として示す護岸装置の平面図。 本実施形態に於ける護岸装置の側面図。 本実施形態に於ける護岸装置の部分拡大図で、立杭及び覆土滑落防止材が取り付けられる前の状態で示す平面図。 本実施形態に於ける護岸装置の部分拡大図で、立杭及び覆土滑落防止材が取り付けられる前の状態で示す側面図。 本実施形態に於ける護岸装置で使用する連結金具の拡大図で、(a)はその平面図、(b)はその側面図。 本実施形態に於ける護岸装置で使用する連結金具の別の実施例を示す拡大側面図。 本実施形態の護岸装置に於けるブロックの敷設方法を説明する図。 本実施形態に於ける護岸装置の部分拡大図で、立杭をブロックの立杭取付穴に取り付けた状態で示す平面図、(b)は一部を断面して示す側面図。 本実施形態の効果を従来構造と対比して説明する図で、(a)は本実施形態の構造図、(b)及び(c)は従来の構造図。 本実施形態によるブロックの一施工例を示す図。 本実施形態に於ける護岸装置の別の実施例を示す部分拡大図で、立杭をブロックの立杭取付穴に取り付けた状態で示す平面図、(b)は一部を断面して示す側面図、(c)は立杭が倒回した状態で示す側面図。 本実施形態に於ける護岸装置の更に別の実施例を示す部分拡大図で、立杭をブロックの立杭取付穴に取り付けた状態で一部を断面して示す正面図、(b)はその一部を断面して示す側面図。 本実施形態で使用可能な連結金具の一変形例を示す図。
符号の説明
10 河川堤防
11 法面
12 護岸構造体(護岸装置)
15 ブロック
16 立杭
17 覆土滑落防止材
18 連結金具
18c 吊り部
18d 取付穴
20 鉄筋
20a 両端
21 立杭取付穴
22 揚力軽減用穴
25 吊り具
27 立杭
27A 取付具
27B 杭部
28 下側取付部
29 上側取付部
30 枢軸
31 杭取付穴

Claims (2)

  1. 河川堤防の法面を被覆して、流水の浸食作用から前記法面を保護する河川の護岸装置であって
    取付具の下側取付部、又は、上下面に貫通する少なくとも一つ以上の取付穴を有すると共に、流水抵抗を軽減するために、その表面がほぼ平坦で、側面に丸みを設けて形成されて、前記堤防の法面に敷設されたブロックと、
    該ブロックの前記取付具の下側取付部取付具の上側取付部を通じて取り付けた杭部又は前記取付穴に取り付けた立杭と、
    前記杭部又は立杭に取り付けて敷設した布又はネット状物とからなる覆土滑落防止材とを備えると共に、
    前記杭部又は立杭に流水により所定以上の力が加わったときに、前記杭部が前記取付具の下側取付部から流水方向に倒回又は立杭が前記取付穴から流水方向に抜去されるように構築された河川の護岸装置において、
    上記覆土滑落防止材により覆土の滑落を防止し、植生が安定するようにすると共に、上記覆土滑落防止材を、生分解性を有する天然素材で形成し、洪水時に杭部が前記取付具の下側取付部から流水方向に倒回又は立杭が前記取付穴から抜去された場合に回収不要となし、
    更に、上記ブロックの上下面に貫通して、流水の揚力を軽減すると共に植物を根付かせる穴もしくはスリットを、少なくとも一つ以上設け、
    加えて、隣接するブロック同志を、連結金具で折り畳み自在に連結して多連状のブロックを構成し、且つ、前記連結金具の連結幅の調節により、ブロック間の空隙が調節できるように構成し、
    そして更に、上記連結金具に吊り部を設け、複数のブロックを概ね水平に吊り上げられるようにし、上記法面に対して縦方向と横方向のいずれの方向にも多連状にして複数のブロックを一括して据え付けできるようにしたことを特徴とする河川の護岸装置。
  2. 河川堤防の法面を被覆して、流水の浸食作用から前記法面を保護する河川の護岸工法において、
    前記堤防の法面に平面状のブロックを複数敷き並べ、該ブロックの上面に倒回又は抜去可能にした杭部又は立杭と、該杭部又は立杭に取り付けられた布又はネット状の覆土滑落防止材とを前記ブロックの上に設置するとともに、
    前記覆土滑落防止材に、流水により所定以上の力が加わったときに、前記杭部又は立杭が前記取付具の下側取付部又は取付穴から倒回又は抜去するように構築することを特徴とする河川の護岸工法。
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