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JP4239342B2 - シールド掘進機の予備カッタ装置 - Google Patents
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JP4239342B2 - シールド掘進機の予備カッタ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はシールド掘進機の予備カッタ装置に係り、特に長距離施工に際して固定カッタビットが摩耗したときに使用する予備カッタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、中間立坑等を設けることなく長距離(6km程度)を一気に施工する長距離施工の要請が高まっている。この場合、施工中にカッタビットの摩耗が懸念されるため、予備カッタビットを備えたシールド掘進機が種々提案されている。例えば特開平7-139291号公報及び特開平7-324593号公報には、図10に示すように、カッタヘッドのカッタスポークaに複数のカッタビットbを所定間隔で固設すると共に、これらカッタビットbに隣接させて出没可能な予備カッタビットcを設けたものが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来技術には以下の問題がある。即ち、図10(a) に示すように、予備カッタビットcの未使用時には予備カッタビットcがカッタスポークaに格納されているので、土砂の流れはF1 のようにスムーズである。しかし、図10(b) に示すように、予備カッタビットcの使用時には、予備カッタビットcが固定カッタビットb間の隙間を埋めるようにして突出するため、F2 のように土砂の流れが妨げられ、掘削効率が悪いという欠点がある。この場合、予備カッタビットcによって掘削された土砂はビット間の狭い隙間を通り抜けることができず、大部分カッタスポークaに当たるようになり、カッタスポークaに大きな回転抵抗を与えてしまう。
【0004】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、予備カッタビット使用時にも土砂の流れを妨げないシールド掘進機の予備カッタ装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るシールド掘進機の予備カッタ装置は、前面のカッタヘッドに半径方向に延出するカッタスポークを設け、該カッタスポークの幅中心部に前面がカッタヘッドに開口し、後端がカッタスポークの後端から突出するように断面四角形状のケーシングを設け、該ケーシングの内面の各面に摺動板を設けると共にケーシングの後端にピン部材を設け、上記ケーシング内に外面が四角形に形成された油圧ジャッキを、その外面の各面が上記摺動板に当接するように収納すると共に、油圧ジャッキのピストンロッドの先端部を上記ピン部材に設け、上記油圧ジャッキのジャッキ本体の先端面に上記ケーシング内に収納可能な予備カッタビットを設けて予備カッタビットがカッタスポークから出没するようにしたものである。
【0006】
これによれば、カッタスポークに固定されるカッタビットと予備カッタビットとを隣り合せることなくスポークの幅方向ないし進行方向にずらすことができ、土砂の流れをスムーズにできる。
【0007】
上記カッタスポークの幅方向の両側に長手方向所定間隔でカッタビットが固設され、上記予備カッタビットが、上記固定カッタビットと同一周上となるように配置されるとよい
【0008】
上記カッタスポークの幅方向の両側に長手方向所定間隔でカッタビットが固設され、その長手方向に沿った上記カッタビット間の位置に上記予備カッタビットが配置されてもよい
【0009】
上記予備カッタビットが配置される上記カッタスポークの長手方向の位置において、上記カッタスポークの両側の角部が切除されるのが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0011】
図6に本実施形態に係るシールド掘進機の全体を示す。ここでのシールド掘進機1は約6kmを一気に施工する長距離施工用泥土圧シールドである。円筒状のシールドフレーム2が途中で二分割され中折れ可能となっている。3が中折れジャッキである。4は推進用シールドジャッキで、これはセグメント5を反力受けとして機体全体を前進させる。6はシールド前面に配置された回転可能なカッタヘッド、7はカッタヘッドの回転軸となりシールド中心に設けられたシャフト、8は隔壁、9は駆動モータ、10はカッタギヤ、11は油圧供給用ロータリジョイント、12はスクリュコンベアである。シールドフレーム2内には図示しないエレクタ(セグメント自動組立装置)が設けられる。
【0012】
図5にも示すように、カッタヘッド6は、前記シャフト7と、シャフト7から半径方向外側に放射状に延出する複数のカッタスポーク13と、カッタスポーク13の外周端を一体的に結ぶ外周リング14とを備える。カッタスポーク13は周方向等間隔に6本設けられる。カッタスポーク13にその背面側に突出する可動撹拌翼15が設けられ、隔壁8にもその前面側に突出する固定撹拌翼16が設けられる。こうしてカッタスポーク13と隔壁8との間で掘削後の土砂が撹拌翼15,16により撹拌され、スクリュコンベア12により機内側に搬送される。シャフト7の前端にフィッシュテールビット17が設けられる。
【0013】
図1及び図4に詳細に示すように、カッタスポーク13は所定の幅Wを有した断面四角の管状に形成される。カッタスポーク13の前面側であって、その幅方向両側の角部に長手方向所定間隔で複数のカッタビット18が固設されている。即ち、その角部にカッタビット取付台19が一体的に設けられ、このカッタビット取付台19にカッタビット18が図示しないボルトで固定されている。なお取付方法はこれに限らず、溶接等でもよい。カッタビット18はカッタスポーク13から所定量前方に突出される。
【0014】
カッタビット18は図4に示すように半径方向に分割された丸付数字1〜16の全てのパスを通過するように各カッタスポーク13に配される。カッタスポーク13の幅方向両側にカッタビット18があるのは、機体のローリングを防止すべくカッタヘッド6を交互に正転又は逆転する必要があるからである。一つのパスに対し、突出量が大小の少なくとも二つのカッタビット18が設けられる。所謂高低差ビットの構成である。これは最初突出量大のカッタビット18で掘削を行い、このビットが摩耗したら突出量小のカッタビット18で掘削を行うというものである。このように長距離施工時のビット摩耗に対応している。なお突出量大のカッタビットを18aで、突出量小のカッタビットを18bでそれぞれ図6に示す。
【0015】
特に、これらビットが摩耗したときにも掘削が行えるよう、バックアップとして、カッタスポーク13の幅中心部ないし中央に予備カッタビット20が出没可能に設けられる。予備カッタビット20は一本おきのカッタスポーク13に二又は三個ずつ、カッタスポーク13の幅中心に沿って所定間隔で設けられる。これら予備カッタビット20はカッタヘッド6の半径方向外側寄りの位置に設けられ、パスが重複しないよう半径方向に適宜分散配置される。
【0016】
図1乃至図3に示すように、予備カッタビット20はカッタスポーク13に内蔵された油圧ジャッキ21により出没移動される。即ち、カッタスポーク13にケーシング22が一体的に設けられ、ケーシング22内に油圧ジャッキ21が前後伸縮可能に収められる。油圧ジャッキ21のピストンロッドの先端部21aが、ケーシング22の後端にピン部材23を介して固定され、油圧ジャッキ21の伸縮時、その本体21bが、ケーシング22内面に設けられた摺動板24上を摺動し、本体21bが前後移動するようになっている。
【0017】
予備カッタビット20は本体21bの前端面に設けられる。図1に実線で示すように、油圧ジャッキ21の収縮時は、予備カッタビット20がケーシング22及びカッタスポーク13内に完全に格納されて摩耗が防止され、土砂の付着も防止される。つまり固定カッタビット18が摩耗するまで予備カッタビット20は使用されない。一方、図1に仮想線で示すように、油圧ジャッキ21の伸長時は、予備カッタビット20がケーシング22及びカッタスポーク13から前方に突出されて掘削可能に位置される。このときの突出量は高低差ビットのうち突出量大のカッタビット18の突出量と等しくされる。シャフト7の軸受荷重がその突出量に基づいて設定されているからである。ただしこのような制限がなければ予備カッタビット20の突出量は自由に設定できる。
【0018】
油圧ジャッキ21及びケーシング22の後端部がカッタスポーク13の背面側に突出される。これによりこの突出部分を掘削後土砂の撹拌翼として利用できる。突出部分において、油圧ジャッキ21がケーシング22で保護されるので油圧ジャッキ21の損傷が防止できる。もっとも油圧ジャッキ21の構造によってはケーシング22を省略することも可能である。
【0019】
突出部分において、油圧ジャッキ21を伸長位置にロックするためのロック機構25が設けられる。即ち、ロック機構25は、カッタスポーク13の後方隣接位置においてケーシング22に取り付けられた案内筒26と、案内筒26内でこれに沿って移動可能なロックピン27と、ロックピン27をケーシング22内に向けて付勢するバネ(コイルスプリング)28と、案内筒26の入口を塞ぎバネ受けとして機能する蓋29とから構成される。
【0020】
図2に実線で示すように、油圧ジャッキ21の収縮時は、ロックピン27が本体21bに押されて案内筒26内に格納されている。一方、図2に仮想線で示すように、油圧ジャッキ21の伸長時は、本体21bの後端の段差30がちょうどロックピン27の位置に差し掛かり、ロックピン27がバネ28に押されて段差30に入り込む。これにより本体21bの収縮が規制され、油圧ジャッキ21は伸長位置にロックされる。このようにこのロック機構25では1回ロックすると掘削終了までロック解除できず、油圧ジャッキ21を収縮させて予備カッタビット20を引っ込めることができない。しかし、油圧シリンダ等を用いて掘削中に自由にロックまたはロック解除できるようにし、掘削中に予備カッタビット20を引っ込めるようにすることも可能である。
【0021】
予備カッタビット20にはコピーカッタとしても実績のある双頭型ビットが採用される。即ち、カッタヘッド6の正逆いずれの回転でも切削可能なタイプである。いずれの回転方向に対しても、逃げ角とすくい角とを有する刃31a,31bが向けられている。
【0022】
その他、カッタヘッド6には出没可能なコピーカッタ32や、図示省略するが、出没可能な最外周予備ビット、先行ビット、油圧式摩耗検知ビット、注泥ノズル保護ビット等が配設される。
【0023】
次に本実施形態の作用を説明する。
【0024】
このシールド掘進機ではカッタスポーク13の幅中心部に予備カッタビット20を設けている。このため、図9に示すように、固定のカッタビット18と予備カッタビット20とがカッタスポーク13の幅方向ないし進行方向にずらされ、カッタスポーク13の進行方向前後に配置される。こうなると固定カッタビット18、予備カッタビット20ともに両隣に大きな空間を作ることができ、且つその空間を通じてF3 の如く土砂を通過させることができる。このように、予備カッタビット20の使用時にもスムーズに土砂を流すことができるようになり、土砂の掻き込み能力を低下させることなく、掘削効率の低下も防止できる。
【0025】
かかるシールド掘進機は長距離施工用である。従ってカッタビットの摩耗に対処すべく、通常のシールド掘進機(施工距離2km程度)よりカッタビット数を多くする必要がある。こうなると必然的にカッタビット取付のためのカッタスポークの本数も多くなる。通常は4本であるが、ここでは6本である。従来はカッタスポークの本数が少なかったため、上記のような予備カッタビットを取り付けるスペースがなかった。カッタスポークの中に複数の油圧ジャッキや油圧配管、注泥管等を収めなければならず、またカッタスポークの前面にも所定数のカッタビットを取り付けなければならないからである。しかし、本実施形態ではカッタスポークの本数が比較的多いので、取付スペースに余裕が生まれ、上記のような予備カッタビットをカッタスポークの幅中心部に取り付けることが可能となった。
【0026】
次に、本実施形態では油圧ジャッキ21及びケーシング22の突出部分を撹拌翼として利用できる利点がある。またこのように突出させることによって、カッタスポーク13の奥行き寸法(シールド前後方向の寸法)を通常のシールド掘進機と同じにすることができる利点がある。即ち、特開平7-139291号公報及び特開平7-324593号公報では油圧ジャッキをカッタスポーク内に全長収めていたため、カッタスポークの奥行き寸法が通常のものより大きくならざるを得なかった。本実施形態では突出させたので、突出部分を撹拌翼として利用できるだけでなく、カッタスポークを通常と同じ太さに抑制しコストアップを防止できる利点がある。
【0027】
ところで、土砂の流れをスムーズにするには、図9に示すように、カッタスポーク13の長手方向に沿ったカッタビット18間の位置に予備カッタビット20を配置するのがよい。カッタビット18の周囲を流れる土砂と、予備カッタビット20で掘削された土砂とが互いに影響を受けづらくなるからである。本実施形態でも、パス数の関係で全数ではないが、図5に20aで示す予備カッタビットに対してこのような配置を行っている。
【0028】
なお、図7、図8に示すような他の実施形態も可能である。即ち、予備カッタビット20が配置されるカッタスポーク13の長手方向の位置において、カッタスポーク13の両側の角部が切除されてもよい。切除部を33で示す。この例ではカッタスポーク13の前面両側の角部が斜めに切除されている。こうなると図8に示すように掘削後の土砂を予備カッタビット20の手前や後方に流し易くなり、土砂の流れをさらにスムーズにできる。なお、この場合は当然に予備カッタビット20の両側にカッタビット18が設けられない。
【0029】
以上、本発明の実施の形態は上述のものに限られない。例えば予備カッタビットを出没移動させる手段は油圧ジャッキに限られない。予備カッタの形状等も任意である。
【0030】
【発明の効果】
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
【0031】
(1) 予備カッタビット使用時にも土砂の流れをスムーズにすることができる。
【0032】
(2) カッタスポークを通常と同じ太さにすることができ、コストアップを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る予備カッタ装置を示し、図4のI−I線断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る予備カッタ装置を示し、図1のII−II線断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る予備カッタ装置を示し、図1のIII 矢視図である。
【図4】本発明の実施形態に係るカッタヘッドを示し、図5の部分拡大図である。
【図5】本発明の実施形態に係るカッタヘッドの正面図である。
【図6】本発明の実施形態に係るシールド掘進機の右縦断面図である。
【図7】本発明の他の実施形態を示す概略部分正面図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係る作用を示し、図7のVIII−VIII線相当断面図である。
【図9】本発明の実施形態に係る作用を示す部分正面図である。
【図10】従来例を示し、(a) 図が予備カッタビット未使用時、(b) 図が予備カッタビット使用時を示す。上段が部分正面図、下段が断面図である。
【符号の説明】
1 シールド掘進機
6 カッタヘッド
13 カッタスポーク
18 カッタビット
20 予備カッタビット
21 油圧ジャッキ
33 切除部
W カッタスポークの幅

Claims (4)

  1. 前面のカッタヘッドに半径方向に延出するカッタスポークを設け、該カッタスポークの幅中心部に前面がカッタヘッドに開口し、後端がカッタスポークの後端から突出するように断面四角形状のケーシングを設け、該ケーシングの内面の各面に摺動板を設けると共にケーシングの後端にピン部材を設け、上記ケーシング内に外面が四角形に形成された油圧ジャッキを、その外面の各面が上記摺動板に当接するように収納すると共に、油圧ジャッキのピストンロッドの先端部を上記ピン部材に設け、上記油圧ジャッキのジャッキ本体の先端面に上記ケーシング内に収納可能な予備カッタビットを設けて予備カッタビットがカッタスポークから出没するようにしたことを特徴とするシールド掘進機の予備カッタ装置。
  2. 上記カッタスポークの幅方向の両側に長手方向所定間隔でカッタビットが固設され、上記予備カッタビットが、上記固定カッタビットと同一周上となるように配置された請求項1記載のシールド掘進機の予備カッタ装置。
  3. 上記カッタスポークの幅方向の両側に長手方向所定間隔でカッタビットが固設され、その長手方向に沿った上記カッタビット間の位置に上記予備カッタビットが配置される請求項1記載のシールド掘進機の予備カッタ装置。
  4. 上記予備カッタビットが配置される上記カッタスポークの長手方向の位置において、上記カッタスポークの両側の角部が切除される請求項3記載のシールド掘進機の予備カッタ装置。
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