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JP4240763B2 - レーザ装置 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はレーザ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
共振器と増幅器を直列に配置するレーザ装置は、一般にパルス増幅等エネルギ効率をさほど重要視しない用途に使用されていることが多いため、レーザ光のビームモード(レーザビームモード)を増幅器側において制御するためには、増幅器側のアパーチャ(レーザビームモード調整機構)における小孔の直径に余裕を持たせるか、或はレーザ光から不要な成分を積極的に取り除くようにしている。
【0003】
而して、上記のレーザ装置の場合、装置の製作精度や設置精度等の機械精度はさほど高くなくても良いが、出力されるレーザ光のエネルギ効率が悪く、大出力のレーザ装置としては不適当である。又、大出力のレーザ装置として用いる場合には、レーザ光の直径(成型量)がうまく管理されていないと、レーザ光の光軸が所定の位置からずれ、発熱が生じる等の問題が有る。
【0004】
大出力のレーザ装置としては、多段YAGレーザを用いると共に共振器及び増幅器を直列に配置するものがある。この場合、出力光であるレーザ光のエネルギ効率を高くするために、レーザ光の断面形状を所望の形状にするには、レーザ光を所望の直径に絞る必要が有る。このため、従来から大出力のレーザ装置の共振器及び増幅器の何れにおいても、レーザ媒質であるYAGロッドを収納したキャビティのレーザ光入側及び出側にレーザビームモード調整機構としてアパーチャを設け、レーザ光を絞るようにしている。
【0005】
図3は共振器及び増幅器が直列に配設されていると共に各キャビティのレーザ光入側及び出側にレーザビームモード調整機構としてアパーチャが設られている従来の大出力のレーザ装置の一例を示す。図中、1はレーザ装置、2はレーザ光3を発生させて共振させるための共振器、4は共振器2のレーザ光3進行方向下流側に直列に配置された増幅器である。
【0006】
共振器2は、例えば、光学定盤5と、寸法や水平度を高精度に加工されて光学定盤5上に設置されたベース6と、ベース6のレーザ光3進行方向入口側及び出口側端部上面に配置された共振用の一対のレーザミラー7,8と、レーザミラー7,8間にベース6の上面に対し直線的に連続して位置するよう配設されると共に内部にYAGロッド9が位置決めされて収納された複数のキャビティ10と、各キャビティ10のレーザ光3入口側及び出口側に夫々設置されると共に中央にレーザ光3の通過出来るピンホールのごとき小孔11が穿設された薄板状のアパーチャ12を備えている(図4参照)。
【0007】
又、増幅器4は、共振器2のようなレーザミラー7,8は備えていないが、他の部分の構成は共振器2と同様になっている。すなわち、増幅器4は、例えば、光学定盤13と、寸法や水平度を高精度に加工されて光学定盤13上に設置されたベース14と、ベース14上に直線的に連続して位置するよう配設されると共に内部にYAGロッド15が位置決めされて収納された複数のキャビティ16と、各キャビティ16のレーザ光3入口側及び出口側に夫々設置されると共に中央にレーザ光3の通過出来るピンホールのごとき小孔17が穿設された薄板状のアパーチャ18を備えている(図4参照)。
【0008】
共振器2及び増幅器4においては、所定のキャビティ10,16におけるYAGロッド9,15等の光学素子の軸心と、このYAGロッド9,15に対し組をなすアパーチャ12,18における小孔11,17の軸心は、ベース6,14にセットする前に、互いに一致するよう予め位置調整が行われており、キャビティ10,16及びアパーチャ12,18は、ベース6,14へセットした状態でX−Yの二軸方向への位置調整を行い得るようになっている(ここで、Xは高さ方向、Yは平面視でYAGロッド9,15の径方向である)。なお、図示してないが、YAGロッド9,15はロッドホルダに支持され、ロッドホルダ内周とYAGロッド9,15外周との間にはOリングが介在している。
【0009】
而して、上述のレーザ装置1の共振器2及び増幅器4におけるYAGロッド9,15等の光学素子の軸心はレーザ光3の光軸に一致するように予め調整されている。光学素子としては、YAGロッド9,15の他にレンズや光ファイバ等がある。
【0010】
レーザ装置1の運転時、共振器2の各キャビティ10に設けられた励起光源(図示せず)によりYAGロッド9が照射されることにより発生したレーザ光3はレーザミラー7,8間で共振され、高レベルとなりレーザミラー8を透過して共振器2から出力され、増幅器4へ導入される。
【0011】
増幅器4へ導入されたレーザ光3は、キャビティ16に設けられた励起光源(図示せず)により照射されているYAGロッド15を透過して増幅されたうえ出力され、下流側に設けられている光ファイバに導入され、加工対象部に伝送される。
【0012】
レーザ光3が共振器2及び増幅器4における各キャビティ10,16に設けられているYAGロッド9,15に導入される際或は導出される際には、レーザ光3はアパーチャ12,18の小孔11,17を通過する。このため、図4に示すように、YAGロッド9,15内を透過する際にレーザ光3はYAGロッド9,15の熱レンズ効果によりその径が変化するが、アパーチャ12,18の小孔11,17で所定の直径となると共に光軸が光学素子の軸心に対し所定の位置となるよう絞られる。
【0013】
このため、共振器2ではレーザミラー8の透過率が最適となるよう、レーザ光3のレーザビームモードが制御され、増幅器4では、出力が最大となるよう、レーザ光3のビームモードが制御される。その結果、レーザ装置からは大出力でエネルギ効率の高いレーザ光3が出力される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上述のレーザ装置では、エネルギ効率を高めるためには、共振器2と増幅器4とのYAGロッド9,15における有効媒質断面積を同一にすれば良いが、そのためには、共振器2と増幅器4との軸線を高い機械精度で設定する必要がある。これは、かなり高い精度でなければならず、実用的な機械精度(例えば2/1000mm)で装置を製作すると、共振器2と増幅器4のアパーチャ12,18における小孔11,17の有効径を同一とした場合、増幅器4においてはレーザ光3の光軸は増幅器4におけるYAGロッド15の軸線に対し若干ずれ、YAGロッド15の熱レンズ効果に基づく異常発熱の問題は避けられない。
【0015】
一方、逆に増幅器4側でアパーチャ18を設けない場合には、レーザ光3の光軸の乱れが大きくなる危険性を回避することができず、このため、Oリング等の装置構成品を熱により損傷する虞れが高くなり、又光ファイバ等の伝送光学系にも異常発熱を生じさせる虞れがある。
【0016】
本発明は、レーザビームモードは共振器内で決定され、増幅器側では、レーザビームモードをただ単に増幅するのみであるという特質に着目してなしたものであり、大出力のレーザ装置においてエネルギ効率を高くした場合に、レーザ光の光軸位置の管理を容易に行い得るようにして増幅器でのレーザ光の光軸の位置制御が精密でない場合でも、装置に異常な発熱が生じるのを防止し、又、増幅器で生じる虞れのあるビームモードの乱れを押え得るようにすることを目的としてなしたものである。
【0017】
本発明のレーザ装置は、レーザ光を発生させて共振させる共振器と、該共振器に対し直列に配列され且つ共振器からのレーザ光を増幅するための増幅器とを備え、
共振器は、レーザ光の進行方向に対し所定の間隔を置いて配置された共振用の一対のレーザミラーと、該一対のレーザミラーの間に配設されると共に内部にレーザロッドが収納されたキャビティと、該キャビティの入口側及び出口側のうち少なくとも何れか一方に設けられた小孔を有する第一のレーザビームモード調整機構とを備え、
増幅器は、内部にレーザロッドが収納されたキャビティと、該キャビティの入口側及び出口側のうち少なくとも何れか一方に設けられた小孔を有する第二のレーザビームモード調整機構とを備え
第二のレーザビームモード調整機構の小孔の直径を、共振器から出力されたレーザ光の増幅器側への伝送により生ずるレーザ光のずれ量と増幅器自体の位置ずれ量の予測量だけ、第一のレーザビームモード調整機構の小孔の直径よりも大きくした
ものである。
【0019】
本発明においては、レーザ光は増幅器のレーザビームモード調整機構における小孔を通過する際に、レーザビームモード調整機構において余分に切取られることがなく、又増幅器での光軸制御がラフなため増幅器から出力された後にレーザ光の光軸位置が異常になる場合でも、増幅器内で発熱が生じることを防止でき、更には、増幅器におけるレーザ光の管理を無理なく行うことができると共に発熱を回避しつつ適切な精度で増幅器に対する光軸の位置を調整できるため、増幅器により引き起こされるレーザビームモードの乱れをも制御することができ、更に又、レーザ光の光軸の乱れを押えることで、レーザ光は共振器におけるビーム特性を維持したまま容易に増幅器内を通過することができ、従って、エネルギ効率も更に向上するという相乗効果が期待できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0021】
図1及び図2は本発明を実施する形態の一例であって、レーザ装置1自体は図3に示すものと同一構成であるが、本図示例の特徴とするところは、図1及び図2に示すように、共振器2のアパーチャ12における小孔11の直径D1よりも、増幅器4のアパーチャ18における小孔17の直径D2を大きくした点にある。
【0022】
すなわち、アパーチャ12における小孔11の直径D1は図4に示す従来の場合と同一径であるが、アパーチャ18における小孔17の直径D2は、小孔11の直径D1よりも機械精度によるずれを許容する分だけ若干大きく形成されている。
【0023】
具体的には、共振器2において、一つのキャビティ10の下流側にあるアパーチャ12と、隣り合う他のキャビティ10の上流側にあるアパーチャ12との間におけるレーザ光3の直径を3.0mmとすると、レーザ光3は小孔11の位置で若干拡がるため、小孔11の直径D1は3.2mmとする。
【0024】
又、増幅器4においては、アパーチャ18の小孔17の直径D2は、小孔11よりも若干大きく、3.4mm程度とする。このようにするのは、共振器2から出力されたレーザ光3の増幅器4側への伝送により生ずるレーザ光3のずれ量と増幅器4自体の位置ずれ量の予測量が±0.1mmとなるためである。
【0025】
上述のように、アパーチャ18における小孔17の直径D2をアパーチャ12における小孔11の直径D1よりも若干大きくすることにより、レーザ光3は増幅器4のアパーチャ18における小孔17を通過する際に、小孔17の縁部に干渉することによりアパーチャ18において余分に切取られることがなく、又、増幅器4での光軸制御がラフなため増幅器4から出力後にレーザ光3の光軸位置が異常になる場合でも、増幅器4内で発熱が生じることを防止できる。
【0026】
更に、増幅器4におけるレーザ光3の管理を無理なく行うことができると共に発熱を回避しつつ適切な精度で増幅器4に対する光軸の位置を調整できるため、増幅器4により引き起こされるレーザビームモードの乱れをも制御することができ、このように、レーザ光3の光軸の乱れを押えることで、レーザ光3は共振器2におけるビーム特性を維持したまま容易に増幅器4内を通過することができ、従って、エネルギ効率も更に向上するという相乗効果が期待できる。
【0027】
なお、本発明のレーザ装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0028】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の請求項1に記載のレーザ装置においては、増幅器のレーザビームモード調整機構における小孔の直径を、共振器から出力されたレーザ光の増幅器側への伝送により生ずるレーザ光のずれ量と増幅器自体の位置ずれ量の予測量だけ、共振器のレーザビームモード調整機構における小孔の直径よりも大きくすることにより、
I)レーザ光は増幅器のレーザビームモード調整機構における小孔を通過する際に、レーザビームモード調整機構において余分に切取られることがない、
II)増幅器での光軸制御がラフなため増幅器から出力後にレーザ光の光軸位置が異常になる場合でも、増幅器内で発熱が生じることを防止できる、
III)増幅器におけるレーザ光の管理を無理なく行うことができると共に発熱を回避しつつ適切な精度で増幅器に対する光軸の位置を調整できるため、増幅器により引き起こされるビームモードの乱れをも制御することができる、
IV)レーザ光の光軸の乱れを押えることで、レーザ光は共振器におけるビーム特性を維持したまま容易に増幅器内を通過することができ、従って、エネルギ効率も更に向上するという相乗効果が期待できる、
等種々の優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーザ装置に使用する共振器におけるアパーチャの概要を示す断面図である。
【図2】本発明のレーザ装置に使用する増幅器におけるアパーチャの概要を示す断面図である。
【図3】レーザ装置の概要を説明するための配置図である。
【図4】共振器及び増幅器に使用するYAGロッドとアパーチャとの部分の拡大図である。
【符号の説明】
1 レーザ発振装置
2 共振器
3 レーザ光
4 増幅器
7 レーザミラー
8 レーザミラー
9 YAGロッド(レーザロッド)
10 キャビティ
11 小孔
12 アパーチャ(レーザビームモード調整機構)
15 YAGロッド(レーザロッド)
16 キャビティ
17 小孔
18 アパーチャ(レーザビームモード調整機構)
D1 直径
D2 直径

Claims (1)

  1. レーザ光を発生させて共振させる共振器と、該共振器に対し直列に配列され且つ共振器からのレーザ光を増幅するための増幅器とを備え、
    共振器は、レーザ光の進行方向に対し所定の間隔を置いて配置された共振用の一対のレーザミラーと、該一対のレーザミラーの間に配設されると共に内部にレーザロッドが収納されたキャビティと、該キャビティの入口側及び出口側のうち少なくとも何れか一方に設けられた小孔を有する第一のレーザビームモード調整機構とを備え、
    増幅器は、内部にレーザロッドが収納されたキャビティと、該キャビティの入口側及び出口側のうち少なくとも何れか一方に設けられた小孔を有する第二のレーザビームモード調整機構とを備え、
    第二のレーザビームモード調整機構の小孔の直径を、共振器から出力されたレーザ光の増幅器側への伝送により生ずるレーザ光のずれ量と増幅器自体の位置ずれ量の予測量だけ、第一のレーザビームモード調整機構の小孔の直径よりも大きくした
    ことを特徴とするレーザ装置。
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