JP4241166B2 - 安全装置の使用に応じた課金システム及びその方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の安全装置の使用に応じた課金システム及びその方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両には各種安全装置が装備され、車両の安全性向上を図ることが行われている。
例えば、車輪のロックを防止するためのアンチロック・ブレーキシステム、車輪のスリップを抑制するためのトラクション・コントロールシステム、車両の不安定な姿勢挙動を抑制するためのダイナミック・スタビイリティ・コントロールシステム等様々な安全装置を車両に装備することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、これらの安全装置を装備する場合、安全装置を構成するアクチュエータやコントロールユニット等各種部品が必要となるため、車両コストが上昇する。
そこで、これら高価な安全装置は、通常、車両に標準的に装備されるのではなく、ユーザーが選択して購入可能なオプション部品として設定されることが多い。
しかしながら、昨今の安全性向上要求の高まりから、これらの安全装置のコストを下げて標準的に装備することが望まれている。
そこで、本出願人は、車両販売時に安全装置全てのコストをユーザーに負担させるのではなく、車両販売後の安全装置の使用状況に応じて安全装置の使用料を課金することによって安全装置に掛かるコストを回収する知見を見出した。
これによって、安全装置のイニシャルコストを下げることができ、それに伴って安全装置の数量を増やすことができるため、安全装置の更なるコストダウンを図ることができる上、安全装置の作動によって課金されるという心理的、金銭的な心証をユーザーに与えることができるため、ユーザーの安全意識の高揚を図れ、更なる安全効果の向上を図れるという新たな知見を見出したものである。
【0004】
尚、下記特許文献1には、アンチロック・ブレーキシステム等安全装置の作動時間の累積情報を中古車の査定会社に提供することが開示されている。
しかしながら、上述の先行技術によれば、アンチロック・ブレーキシステム等安全装置の作動状態を検出することまでは開示されているものの、安全装置の作動状態に応じて課金したり、使用料をユーザーに報知することについては、何ら開示されていないものである。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−76012号公報
【0006】
本発明は、以上のような課題に勘案してなされたもので、その目的は、安全装置のイニシャルコストを下げることによって安全装置が装備された車両台数を増加させて安全装置のコストダウンを図るとともに、金銭的、心理的に安全性を高めることが可能な安全装置の使用に応じた課金システム及びその方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明にあってはその解決手法として次のようにしてある。すなわち、本発明の第1の構成において、車両に装備された安全装置と、車両の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
該運転状態検出手段により上記安全装置の作動条件の成立が検出された時上記安全装置を作動させる安全装置作動手段と、
上記安全装置の作動情報を記憶する作動情報記憶手段と、
上記車両と通信可能に構成され、上記作動情報記憶手段に記憶された作動情報を入手する作動情報入手手段と、
該作動情報入手手段により入手された作動情報に基づいて上記安全装置の使用料を算出する使用料算出手段と、
該使用料算出手段により算出された使用料を、所定のタイミングまたは上記車両の使用者による報知要求指示手段の操作に応じて上記車両の使用者に報知する報知手段とを備えるよう構成してある。
本発明の第1の構成によれば、安全装置の作動情報に基づいて安全装置の使用料が算出されるため、安全装置に掛かるコストを車両販売時と、その後の使用時とに分けて回収できるため、安全装置のイニシャルコストを下げることができ、安全装置が装備された車両の数量を増加できるため、安全装置の更なるコストダウンを図ることができる。
また、安全装置の作動情報に基づいて安全装置の使用料が算出され、算出された使用料が車両の使用者に報知されるため、心理的、金銭的な心証をユーザーに与えることができ、ユーザーの安全意識の高揚を図れ、更なる安全性の向上を図ることができる。
【0008】
本発明の第2の構成において、上記作動情報記憶手段は、上記安全装置の作動強度に関連するパラメータを記憶するよう構成されており、
上記使用料算出手段は、上記安全装置の作動強度に関連するパラメータが所定の閾値よりも大きい程使用料を高く設定するよう構成してある。
安全装置の使用に対して課金する際、ユーザーの認識が難しい微少な作動に対しても課金されるとユーザーは違和感を覚える。
そこで、安全装置の作動強度が予め設定した閾値より大きくなった時、課金することが考えられる。
しかしながら、安全装置の作動強度が閾値以上になった場合であっても、閾値以上における安全装置の作動強度に応じてユーザーの安全装置の作動に対する認識度合が異なるため、安全装置の作動強度に関わらず一律の課金がなされるとユーザーは違和感を覚える。また、安全装置の作動強度が大きい程ユーザーに対する安全効果も大きいため、安全装置の作動強度に応じて課金することが望ましいものである。
本発明の第2の構成によれば、作動強度が閾値よりも大きい時初めて課金されるとともに、作動強度が大きい程使用料が高く設定されるため、ユーザーの違和感を抑制することができる。
【0009】
本発明の第3の構成において、上記車両は、複数の異なる安全装置を備えており、上記使用料算出手段は、予め実験または統計によって求められた各安全装置間の作動頻度の違いに応じて、作動頻度が少ない安全装置程使用料を高く設定するよう構成してある。
車両には、複数の安全装置が備えられる場合があり、その各安全装置間ではその作動頻度が異なる。
そして、作動頻度の低い安全装置は、言い換えると、緊急度が高い安全装置であり、このような安全装置が作動するような場合は、ユーザーの運転が安全運転から大きく逸脱している状態であると認められることから、このような場合においても作動頻度が高い安全装置が使用される場合と同様の課金がなされるのでは、ユーザーに対する安全意識高揚効果が十分であるとは言い難い。
本発明の第3の構成によれば、作動頻度の低い安全装置、言い換えると、緊急度の高い安全装置が使用される場合は、その使用料が高く設定されるため、ユーザーに対する更なる安全意識の高揚を図ることができる。
【0010】
本発明の第4の構成において、上記車両は、複数の異なる安全装置を備えており、上記使用料算出手段は、予め実験または統計によって求められた各安全装置間の作動頻度の違いに応じて、作動頻度が少ない安全装置程所定の閾値を低く設定するよう構成してある。
車両には、複数の安全装置が備えられる場合があり、その各安全装置間ではその作動頻度が異なる。
そして、作動頻度の低い安全装置は、言い換えると、緊急度が高い安全装置であるため、作動頻度が低い安全装置が使用されるような場合は、ユーザーの運転が安全運転から大きく逸脱している状態であると認められることから、このような場合においても作動頻度が高い安全装置が使用される場合と同様の課金がなされるのでは、ユーザーに対する安全意識高揚効果が十分であるとは言い難い。
本発明の第4の構成によれば、作動頻度の低い安全装置、言い換えると、緊急度の高い安全装置が使用される場合は、安全装置の課金が開始される閾値が小さく設定されるため、少しの作動によっても課金が開始されることになり、ユーザーに対する更なる安全意識の高揚を図ることができる。
【0011】
本発明の第5の構成において、上記報知手段は、上記安全装置の作動により新たな課金が生じたことを条件に報知するよう構成してある。
安全装置の使用料を報知する場合、常時報知されるとユーザーは煩わしさを感じ、逆に、特定期間(一年等)毎や、車検時等、課金情報の報知が遅くなり過ぎると、ユーザーに対する金銭的、心理的な安全効果が低下してしまう。
本発明の第5の構成によれば、安全装置の作動によって新たな課金が生じた時、その課金情報が報知されるため、ユーザーに対する課金報知タイミングを適正にでき、ユーザーに対する煩わしさや金銭的、心理的安全効果を確保することができる。
【0012】
本発明の第6の構成において、車両に装備された安全装置の作動情報を記憶するステップと、
記憶された作動情報を入手するステップと、
入手された作動情報に基づいて上記安全装置の使用料を算出するステップと、算出された使用料を、所定のタイミングまたは上記車両の使用者による報知要求指示手段の操作に応じて上記車両の使用者に報知するステップとから構成してある。
本発明の第6の構成によれば、安全装置の作動情報に基づいて安全装置の使用料が算出されるため、安全装置に掛かるコストを車両販売時と、その後の使用時とに分けて回収できるため、安全装置のイニシャルコストを下げることができ、安全装置が装備された車両の数量を増加できるため、安全装置の更なるコストダウンを図ることができる。
また、安全装置の作動情報に基づいて安全装置の使用料が算出され、算出された使用料が車両の使用者に報知されるため、心理的、金銭的な心証をユーザーに与えることができ、ユーザーの安全意識の高揚を図れ、更なる安全性の向上を図ることができる。
【0013】
【発明の効果】
本発明によれば、安全装置のイニシャルコストを下げることによって安全装置が装備された車両台数を増加させて安全装置のコストダウンを図るとともに、金銭的、心理的に安全性を高めることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、各種安全装置を制御するための車両制御ユニット20と、各種センサ、各種アクチュエータ、情報センター30との入出力関係を示す全体構成図である。
尚、本実施の形態では、安全装置として、車輪のロックを抑制するアンチロック・ブレーキシステム(以下、ABSという)、車両の不安定な挙動を抑制するダイミック・スタビリティ・コントロールシステム(以下、DSCという)、車輪のスリップを抑制するトラクション・コントロールシステム(以下、TCS)、先行車両との車間距離を維持するアダプティブ・クルーズ・コントロールシステム(以下、ACCという)、及び車両の車線からの逸脱を抑制するレーンキープ・サポートシステム(以下、LKSという)とに適用する例を示す。
【0015】
図1において、車両制御ユニット20には、右側前輪の車輪速度を検出する車輪速センサー1a、左側前輪の車輪速度を検出する車輪速センサー1b、右側後輪の車輪速度を検出する車輪速センサー1c、左側後輪の車輪速度を検出する車輪速センサー1d、先行車間と自車との間の距離を検出する車間距離センサー2、車両の速度を検出する車速センサー3、車両の横加速度を検出する横加速度センサー4、車両と路面の白線との距離を検出する車両横位置センサー5、ステアリングの操舵角を検出する舵角センサー6、車両のヨーを検出するヨーレートセンサー7、エンジンに吸入される空気量を検出するエアーアローセンサー8、エンジン回転数を検出するエンジン回転センサー9、アクセル開度を検出するアクセル開度センサー10、及び変速装置11のギヤ比センサーによって検出された各検出信号が入力される。
【0016】
車両制御ユニット20は、上述の各種センサーからの検出信号に基づいて、ブレーキ油圧を制御するためのブレーキアクチュエーター12、車両の車線逸脱を回避するための逸脱回避アクチュエーター(ここでは、電動パワーステアリングのモーター)13、先行車両への接近や、車線逸脱を警報するための警報装置(表示装置、音声装置、作動ランプ等)14、エンジントルクを変更するためのエンジントルク変更手段(燃料噴射弁、イグナイター、スロットル弁等)15、及び上述の変速装置11に各種アクチュエーターの作動条件に応じた各種制御信号を出力する。
【0017】
また、車両制御ユニット20は、各安全装置の作動時間を、各安全装置の1回の作動中に積算し、仮記憶するとともに、各安全装置作動終了後仮記憶された作動時間の積算値と、作動時間の積算値に基づき使用料マップから演算された各安全装置の使用料とを正式記憶する安全装置作動情報仮記憶手段20aと、安全装置作動情報仮記憶手段20aに記憶された作動時間の積算値が各安全装置毎に設定された所定値以上の作動について作動時間を積算、記憶するとともに、記憶された作動情報を情報センター30へ送信し、情報センター30からの初期化信号を受信後記憶内容を初期化する安全装置作動情報記憶手段20bと、各安全装置の作動終了直後は、安全装置作動情報仮記憶手段20aに記憶された安全装置1回の作動中における作動時間の積算値と、使用料とを表示させるとともに、使用者から課金要求があった時は、安全装置作動情報仮記憶手段20aに記憶された直前の作動時間の積算値と、使用料と、情報センター30に記憶された過去の累積作動時間と、使用料とを入手し、入手した作動時間、使用料をそれぞれ合計し、その合計された各値を課金情報表示手段16に表示させる課金情報表示制御手段20cとを備えている。
【0018】
情報センター30は、契約されたユーザーの車両に交通情報等の各種情報を提供するものであって、更には、車両制御ユニット20の安全装置作動情報記憶手段20bに記憶された作動情報を入手する作動情報入手手段30aと、その作動情報入手手段30aにより入手された作動情報に基づいて安全装置の使用料を算出し、その算出された使用料を車両制御ユニット20の課金情報表示制御手段20b及びユーザーに安全装置の使用料を請求する料金請求人40(信販会社、カーテディラー等)に送信する使用料算出手段30bとを備えている。
【0019】
以下、車両制御ユニット20に基づく各安全装置の制御の詳細を図2乃至図6に基づいて説明する。
【0020】
(ABS)
図2はABSの詳細制御を示すフローチャートであって、ステップS1では各車輪速センサー1a〜1dの検出値を入力する。
続く、ステップS2では、各車輪速センサー1a〜1dの検出値の内、最小車輪速を除く3つの検出値の平均値を演算し、その平均値を車体速度Vrefとする。
ステップS3では、各車輪のスリップ率Saを以下の式に基づいて演算する。
【0021】
スリップ率Sa={1−(各車輪速V−車体速度Vref)}/車体速度Vref
【0022】
ステップS4では、ステップS3で算出されたスリップ率SaがABS制御開始閾値以上であるか否か判定する。
ステップS4でYESと判定された時、ステップS5に進み、NOと判定された時は、リターンする。
ステップS5では、ステップS3で算出されたスリップ率SaがABS制御終了閾値以下か否か判定する。
ステップS5の判定でNOと判定された時、つまり、スリップ率SaがABS制御開始閾値とABS制御終了閾値との間にあり、ABS制御中である場合、ステップS6に進み、ABS制御フラグFabsを「1」にセットし、スリップ率Saの大きさに応じたブレーキ圧を保持、減圧、保持、増圧のサイクルを繰り返すABS制御を行うとともに、その作動時間を積算し、仮記憶する。
続く、ステップS7ではABS作動中であることを示すABSランプを点灯する。
また、ステップS5でNOと判定された時は、つまり、ABS制御によってスリップ率Saがスリップ制御終了閾値よりも小さくなった時は、ステップS8に進み、ABS制御フラグFabsを「0」にリセットし、ステップS6で積算された作動時間を正式記憶した後、仮記憶した作動時間を初期化する。
最後に、ステップS9でABSランプを消灯する。
【0023】
(DSC制御)
図3(a)、図3(b)はDSCの詳細制御を示すフローチャートであって、図3のステップS10では、各車輪速センサー1a〜1dの検出値、横加速度センサー4の検出値ωr、舵角センサー6の検出値θ、ヨーレートセンサー7の検出値及び車両制御ユニット20で演算されたベースエンジントルクを入力する。ステップS11では、各車輪速センサー1a〜1dの検出値の内、最小車輪速を除く3つの検出値に基づいて平均値を演算し、その平均値を車体速度Vrefとする。
次いで、ステップS12では、車体速度Vref、舵角θに基づいて第1目標ヨーレート値ω1を演算する。具体的には、以下の式に基づき演算する。
【0024】
ω1=Vref×θ×((1-k×V×V)×L)
ここで、Vref:車体速度
θ:操舵角度
k:車体特有の定数
L:ホイールベース
【0025】
ステップS13では、横加速度に対する車体速度Vrefとの比に基づいて第2目標ヨーレート値ω2を演算する。
ステップS14では、ステップS12で演算した第1目標ヨーレート値ω1と、ステップS13で演算した第2目標ヨーレート値ω2との内大きい値を最終的な目標ヨーレートωtとして設定し、ステップS15では、ステップS13で設定された最終的な目標ヨーレートωtとヨーレートセンサー7により検出された実際のヨーレートωrとの偏差△ωを演算する。
ステップS16では、左回りのヨーレートが所定値以上で、左旋回中か否か判定し、YESと判定された時は、ステップS17に進む。
続く、ステップS17では、ステップS15で演算された偏差△ωが閾値Thos1(0ではない正の値)以上か否か判定し、YESと判定された時は、左旋回中におけるオーバーステア状態と判定できるため、ステップS18でDSC制御フラグFDSCをを「1」にセットした後、ステップS19で△ωが大きい程旋回外輪(右輪)のブレーキ力を大きくすべくブレーキアクチュエータ12を制御する。そして、ステップS20では、ブレーキ作動時間を積算し、仮記憶する。
【0026】
また、ステップS17でNOと判定された時は、ステップS21に進み、ステップS15で演算された偏差△ωが閾値Thus1(0ではない負の値)よりも小さいか否か判定する。
ステップS21でYESと判定された時は、左旋回中におけるアンダーステア状態と判定できるため、ステップS22でステップS18と同様DSC制御フラグFDSCを「1」にセットした後、ステップS23で△ωが大きい程旋回内輪(左輪)のブレーキ力を大きくすべくブレーキアクチュエータ12を制御する。
【0027】
続く、ステップS24では、エンジン制御も併せて実行し、左旋回中におけるアンダーステア状態を正常状態に速やかに復帰させるため、△ωが大きい程トルクダウン量を大きくすべく、車両制御ユニット20で演算された現在のベースエンジントルクに基づいてトルクダウン後の要求トルクを演算、例えば、現在のベースエンジントルクから△ω相当のエンジントルクダウン量を減算して求め、求められた要求トルクになるよう燃料噴射弁、イグナイター、スロットル弁等のエンジントルク変更手段15を制御する。
そして、ステップS25で、ブレーキ作動時間、エンジン制御作動時間をそれぞれ積算し、仮記憶する。
【0028】
また、上記ステップS16でNOと判定された時は、ステップS26に進み、ステップS26では右回りのヨーレートが所定値以上で、右旋回中か否か判定する。
ステップS26でYESと判定された時は、次のステップS27で、ステップS15で演算された偏差△ωが閾値Thus2(0ではない負の値)以下か否か判定し、YESと判定された時は、右旋回中におけるオーバーステア状態と判定できるため、ステップS28において、先のステップS18、S22と同様に、DSC制御フラグFdscを「1」にセットした後、ステップS29で△ωにが大きい程旋回外輪(左輪)のブレーキ力を大きくすべくブレーキアクチュエータ12を制御する。
そして、ステップS30では、ブレーキ作動時間を積算し、仮記憶する。
【0029】
また、ステップS27でNOと判定された時は、ステップS31に進み、ステップS15で演算された偏差△ωが閾値Thos2(0ではない正の値)よりも大きいか否か判定する。
ステップS31でYESと判定された時は、右旋回中におけるアンダーステア状態と判定できるため、ステップS32において、先のステップS18、S22、S28と同様に、DSC制御フラグFdscを「1」にセットした後、次のステップS33で△ωが大きい程旋回内輪(右輪)のブレーキ力を大きくすべくブレーキアクチュエータ12を制御する。
そして、次のステップS34において、先のステップS24と同様に、△ωが大きい程トルクダウン量を大きくすべく、現在のベースエンジントルクに基づいて要求トルクを演算し、求められた要求トルクになるよう燃料噴射弁、イグナイター、スロットル弁等のエンジントルク変更手段15を制御する。
そして、ステップS35で、ブレーキ作動時間、エンジン制御作動時間をそれぞれ積算し、仮記憶する。
【0030】
尚、ステップS21、S26、S31のいずれかの判定でNOと判定された時は、DSC制御を行うことなくステップS23に進んでDSC制御フラグFdscを「0」にリセットし、ステップS37では、ステップS20、S25、S30、S35のいずれかにおいて積算されたブレーキ作動時間またはエンジン制御作動時間をそれぞれ分けて正式記憶し、仮記憶された各作動時間を初期化する。
【0031】
(TCS制御)
図4はTCSの詳細制御を示すフローチャートであって、ステップS40では、図3(a)のステップS10と同様に各種センサ検出値を入力するとともに、ステップS41では、図2のステップS2、図3(a)のステップS11と同様に車体速度Vrefを演算する。すなわち、車体速度Vrefは、各車輪速センサー1a〜1dの検出値の内、最小車輪速を除く3つの検出値に基づいて平均値を演算することにより決定される。
【0032】
ステップS42では、右側前輪FR(右側駆動輪)の車輪速と車体速度Vrefとの差に基づいて右側駆動輪スリップ量Vrを演算し、ステップS43では、左側前輪FL(左側駆動輪)の車輪速と車体速度Vrefとの差に基づいて左側駆動輪スリップ量Vlを演算する。尚、スリップ量(駆動輪速−車体速度V)に代えてスリップ率{1−(車体速度V/駆動輪速)}を用いてもよい。
【0033】
続く、ステップS44では、ステップS42若しくはステップS43で演算された右側駆動輪スリップ量Vrと、左側駆動輪スリップ量Vlとの内いずれか一方がエンジン制御用TCS制御開始閾値V0以上か否か判定し、ステップS44でYESと判定された時は、ステップS45に進む。
【0034】
ステップS45では、前述のDSC制御フラグFdscに基づいてDSC制御中か否か判定し、NOと判定された時は、ステップS46でトラクション制御フラグFtcsを「1」にセットし、続く、ステップS47でステップS42、S43で演算された右側駆動輪スリップ量Vrと左側駆動輪スリップ量Vlとの内、大きい方のスリップ量に基づいてスリップ量が大きい程トルクダウン量が大きくなるように、現在のベースエンジントルクに基づいて要求トルクを演算し、求められた要求トルクになるよう燃料噴射弁、イグナイター、スロットル弁等のエンジントルク変更手段15を制御する。尚、要求トルクの演算は、図3(b)のステップS24、S34と同様である。
そして、ステップS48では、エンジン制御作動時間を積算し、仮記憶する。
【0035】
続く、ステップS49では、ステップS42、S43で演算された右側駆動輪スリップ量Vrと左側駆動輪スリップ量Vlとの内いずれか一方がブレーキ制御用TCS制御開始閾値VB以上か否か判定する。尚、ブレーキ制御用TCS制御開始閾値VBは、エンジン制御用TCS制御開始閾値V0よりも大きな値に設定されている。
ステップS49でYESと判定された時は、ステップS50に進み、ステップS42、S43で演算された右側駆動輪スリップ量Vrと左側駆動輪スリップ量Vlとの内大きいスリップ量に基づいて、スリップ量が大きい程駆動輪に大きなブレーキ力をかけるようにブレーキアクチュエータ12を制御する。
そして、ステップS51でブレーキ作動時間を積算し、仮記憶する。
尚、ステップS49でNOと判定された時は、ブレーキ制御によるTCS制御の必要がないため、ステップS50、S51の処理を行うことなくリターンする。
【0036】
また、上記ステップS44でNOと判定された時またはS45でYESと判定された時は、ステップS52に進み、トラクション制御フラグFtcsが「1」か否か判定する。
ステップS52でYESと判定された時は、ステップS53に進み、トラクション制御フラグFtcsを「0」にリセットし、続く、ステップS54でステップS48、S51で積算されたエンジン制御作動時間、ブレーキ作動時間をそれぞれ正式記憶し、仮記憶された各作動時間を初期化する。
また、ステップS52でNOと判定された時は、ステップS53、S54の処理を行うことなくリターンする。
【0037】
(ACC制御)
図5はACCの詳細制御を示すフローチャートであって、図5のステップS60では、車間距離センサー2、車速センサー3の各検出値を入力する。
ステップS61では、車間距離を車速で除算して先行車両に追いつくまでの時間としての車頭時間を演算する。
続く、ステップS62では、車頭時間が第1所定値よりも小さいか否か判定する。
ステップS62でYESと判定された時、つまり、先行車両に追いつくまでの時間が短いと判定された時、ステップS63に進み、ACC制御フラグFaccを「1」にセット、エンジントルク変更手段15によるエンジントルクダウン制御を実行、ブレーキアクチュエータ12によるブレーキ制御を実行、及び警報装置14による重度の警報を実行する。尚、警報の程度は、音量等の変更によって行われる。
そして、ステップS64では、エンジン制御作動時間、ブレーキ作動時間をそれぞれ積算し、仮記憶する。
【0038】
また、ステップS62でNOと判定された時は、ステップS65に進み、車頭時間が上記第1所定値よりも大きい第2所定値よりも小さいか否か判定する。
ステップS65の判定でYESと判定された時、つまり、先行車両に追いつくまでの時間が第1所定値よりは大きいものの第2所定値よりも小さい時は、ステップS66に進み、ACC制御フラグFaccを「1」にセット、エンジントルク変更手段15によるエンジントルクダウン制御、及び警報装置14による中度の警報を実行する。尚、ステップS66で、ブレーキ制御を行わない理由は、車頭時間が第1所定値よりも小さい時に対して先行車両に追いつくまでの時間に若干余裕があり、ショック度合の小さいエンジントルクダウン制御のみで先行車両に追いつく事態を回避できるためである。
そして、ステップS67でエンジン制御作動時間を積算し、仮記憶する。
【0039】
また、ステップS65でNOと判定された時は、ステップS68に進み、車頭時間が第1、第2所定値よりも大きい第3所定値よりも小さいか否か判定する。ステップS68でYESと判定された時、つまり、先行車両に追いつくまでの時間が第1、第2所定値よりは大きいものの第3所定値よりも小さい時は、ステップS69に進み、ACC制御フラグFaccを「1」にセットし、警報装置14により軽度の警報のみ行う。尚、ステップS69でエンジントルクダウン制御、ブレーキ制御を行わない理由は、車頭時間が第2所定値よりも小さい時に対して先行車両に追いつくまでの時間に余裕があるためである。
また、ステップS68でNOと判定された時、つまり、車頭時間が第3所定値よりも大きくて先行車両に追いつくまでの時間に十分余裕がある時は、警報の必要はないため、ステップS70に進み、警報装置14による警報も中止する。
【0040】
続く、ステップS71では、ACC制御フラグFaccが「1」に設定されているか否か判定し、YESと判定された時は、ステップS72に進み、ACC制御フラグFaccを「0」にリセットし、ステップS64またはS67で積算されたエンジン制御作動時間、ブレーキ作動時間の積算値をそれぞれ分けて正式記憶し、仮記憶した各作動時間を初期化する。
また、ステップS71でNOと判定された時は、ACC制御が行われていない状態であるため、ステップS72の処理を行うことなくリターンする。
【0041】
(LKS制御)
図8は、LKSの詳細制御を示すフローチャートであって、図8のステップS80では横加速度センサー4、車両横位置センサー5の各検出値を入力する。
ステップS81では、自車両から車線(白線)までの横距離を横加速度で除算して自車両が車線を逸脱するまでの逸脱時間Tsを演算する。
続く、ステップS82では、ステップS81で演算された逸脱時間Tsが第1所定値T1よりも小さいか否か判定する。
ステップS82の判定でYESと判定された時、ステップS83に進み、LKS制御フラグFlksを「1」にセット、逸脱時間Tsが第1所定値T1以上になるように逸脱回避アクチュエーター13による制御、及び警報装置14による重度の警報を行う。
そして、逸脱回避アクチュエーター13による作動時間を積算し、仮記憶する。
【0042】
また、ステップS82でNOと判定された時、ステップS85に進み、第1所定値T1よりも大きい第2所定値T2より小さいか否か判定する。
ステップS85でYESと判定された時、つまり、逸脱時間Tsが第1所定値T1よりは大きいものの第2所定値T2より小さい時、ステップS86に進み、警報装置14により中度の警報のみ行う。尚、ステップS86で逸脱回避アクチュエーター13の作動を行わない理由は、第1所定値T1以下の時に対して車線逸脱までに余裕があるためである。
【0043】
また、ステップS85でNOと判定された時、つまり、車両が車線を逸脱するような状態ではない場合、ステップS87に進み、警報装置14による警報を中止する。
続く、ステップS88では、LKS制御フラグFlksが「1」にセットされているか否か判定し、YESと判定された時は、ステップS89に進み、LKS制御フラグFlksを「0」にリセットし、ステップS83で積算された逸脱回避アクチュエーター13の作動時間を正式記憶し、仮記憶された作動時間を初期化する。
また、ステップS88でNOと判定された時は、LKS制御が行われていない状態であるため、ステップS89の処理を行うことなくリターンする。
【0044】
以上のように、ABS制御、DSC制御、TCS制御、ACC制御、LKS制御の各安全制御が行われるとともに、各安全制御の作動時間が各アクチュエーター毎に積算され、記憶される。
【0045】
次に、安全装置の課金処理について、図7乃至図10に基づいて説明する。
図7(a)、図7(b)は、車両制御ユニット20による詳細記憶処理を示すフローチャートであって、図7(a)のステップS100で情報センター30から安全装置の作動情報の記憶値に対する初期化、閾値を0に変更する信号を入力したか否か判定する。
ステップS100の判定でYESと判定された時、ステップS101に進み、初期化要求のあった安全装置の記憶値を初期化するとともに、閾値0要求のあった安全装置の閾値を0にする
また、ステップS100でNOと判定された時は、ステップS101の処理をバイパスしてステップS102に進む。
【0046】
ステップS102では、ABS制御フラグFabsの「1」から「0」への変化に基づいてABS制御が終了したか否か判定する。
ステップS102の判定でYESと判定された時、ステップS103に進み、仮記憶されたABS作動時間を抽出する。
続く、ステップS104では、ステップS103で抽出されたABS作動時間がABS制御用に設定された所定値以上であるか否か判定する。
ステップS104でYESと判定された時、つまり、ABS作動時間が所定値以上に長い時、ステップS105に進み、抽出された所定値以上のABS作動時間を前回の記憶値に加算し、ABS作動時間が所定値以上で、ABS作動強度が大きいABS作動時間の記憶値を演算する。
続く、ステップS106では、ステップS105で演算された記憶値がABS制御用に設定された閾値以上であるか否か判定する。
ステップS106の判定でYESと判定された時、つまり、ABS作動時間が所定値以上となる作動時間が閾値以上になり、ABSが十分機能していることを使用者が認知できるような作動時間が経過すると課金を開始するため、ステップS107に進み、ABS課金フラグFAをセットする。
尚、ステップS104、S106のいずれかの判定でNOと判定された時は、ステップS105、S107の処理を行うことなくリターンする。
【0047】
また、ステップS102でNOと判定された時、ステップS108に進み、DSC制御フラグFdscの「1」から「0」への変化に基づいてDSC制御が終了したか否か判定する。
ステップS108でYESと判定された時、ステップS109に進み、仮記憶されたエンジン制御作動時間(エンジンDSC)とブレーキ作動時間(ブレーキDSC)を抽出する。
続く、ステップS110では、ステップS109で抽出されたエンジン制御作動時間がエンジンDSC用に設定された所定値以上であるか否か判定する。
ステップS110でYESと判定された時、つまり、エンジン制御作動時間が所定値以上に長い時、ステップS111に進み、抽出されたエンジン制御作動時間が所定値以上で、エンジンDSC作動強度が大きいエンジン制御作動時間を前回の記憶値に加算してエンジン制御作動時間の記憶値を演算する。
尚、ステップS110の判定でNOと判定された時は、S111の処理をパイパスする。
また、ステップS112では、ステップS109で抽出されたブレーキ作動時間がブレーキDSC用に設定された所定値以上であるか否か判定する。
ステップS112でYESと判定された時、つまり、ブレーキ作動時間が所定値以上に長い時、ステップS113に進み、抽出されたブレーキ作動時間が所定値以上で、ブレーキDSC強度が大きいブレーキ作動時間を前回の記憶値に加算してブレーキ作動時間の記憶値を演算する。
尚、ステップS112の判定でNOと判定された時は、S113の処理をパイパスする。
ステップS114では、ステップS111及びS113で演算した各記憶値を加算して最終的なDSC作動時間としての記憶値を演算する。
続く、ステップS115では、ステップS114で演算された記憶値がDSC制御用に設定された閾値以上であるか否か判定する。
ステップS115の判定でYESと判定された時、つまり、DSC作動時間が所定値以上となる作動時間が閾値以上になり、DSCが十分機能していることを使用者が認知できるような作動時間が経過すると課金を開始するため、ステップS116に進み、DSC課金フラグFDをセットする。
尚、ステップS115の判定でNOと判定された時は、ステップS116の処理を行うことなくリターンする。
【0048】
また、ステップS108でNOと判定された時、ステップS117に進み、TCS制御フラグFtcsの「1」から「0」への変化に基づいてTCS制御が終了したか否か判定する。
ステップS117でYESと判定された時、ステップS118に進み、仮記憶されたエンジン制御作動時間(エンジンTCS)とブレーキ作動時間(ブレーキTCS)を抽出する。
続く、ステップS119では、ステップS118で抽出されたエンジン制御作動時間がエンジンTCS制御用に設定された所定値以上であるか否か判定する。
ステップS119でYESと判定された時、つまり、エンジン制御作動時間が所定値以上に長い時、ステップS120に進み、抽出されたエンジン制御作動時間所定値以上で、エンジンTCS強度が大きいエンジン制御作動時間を前回の記憶値に加算してエンジン制御作動時間の記憶値を演算する。
尚、ステップS119の判定でNOと判定された時は、S120の処理をパイパスする。
また、ステップS121では、ステップS118で抽出されたブレーキ作動時間がブレーキTCS制御用に設定された所定値以上であるか否か判定する。
ステップS121でYESと判定された時、つまり、ブレーキ作動時間が所定値以上に長い時、ステップS122に進み、抽出されたブレーキ作動時間が所定値以上で、ブレーキTCS強度が大きいブレーキ作動時間を前回の記憶値に加算してブレーキ作動時間の記憶値を演算する。
尚、ステップS121の判定でNOと判定された時は、S122の処理をパイパスする。
ステップS123では、ステップS120及びS123で演算した各記憶値を加算して最終的なTCS作動時間としての記憶値を演算する。
続く、ステップS124では、ステップS123で演算された記憶値がTCS制御用に設定された閾値以上であるか否か判定する。
ステップS124の判定でYESと判定された時、つまり、TCS作動時間が所定値以上となる作動時間が閾値以上になり、TCSが十分機能していることを使用者が認知できるような作動時間が経過すると課金を開始するため、ステップS125に進み、TCS課金フラグFTをセットする。
尚、ステップS124の判定でNOと判定された時は、ステップS125の処理を行うことなくリターンする。
【0049】
また、ステップS117でNOと判定された時は、図7(b)のステップS126に進み、ACC制御フラグFaccの「1」から「0」への変化に基づいてACC制御が終了したか否か判定する。
ステップS126でYESと判定された時、ステップS127に進み、仮記憶されたエンジン制御作動時間(エンジンACC)とブレーキ作動時間(ブレーキACC)を抽出する。
続く、ステップS128では、ステップS127で抽出されたエンジン制御作動時間がエンジンACC用に設定された所定値以上であるか否か判定する。
ステップS128でYESと判定された時、つまり、エンジン制御作動時間が所定値以上に長い時、ステップS129に進み、抽出されたエンジン制御作動時間が所定値以上で、エンジンACC作動強度が大きいエンジン制御作動時間を前回の記憶値に加算してエンジン制御作動時間の記憶値を演算する。
尚、ステップS128の判定でNOと判定された時は、S129の処理をパイパスする。
また、ステップS130では、ステップS127で抽出されたブレーキ作動時間がブレーキACC用に設定された所定値以上であるか否か判定する。
ステップS130でYESと判定された時、つまり、ブレーキ作動時間が所定値以上に長い時、ステップS131に進み、抽出されたブレーキ作動時間が所定値以上で、ブレーキACC作動強度が大きいブレーキ作動時間を前回の記憶値に加算してブレーキ作動時間の記憶値を演算する。
尚、ステップS130の判定でNOと判定された時は、S131の処理をパイパスする。
ステップS132では、ステップS129及びS1131で演算した各記憶値を加算して最終的なACC作動時間としての記憶値を演算する。
続く、ステップS133では、ステップS132で演算された記憶値がACC制御用に設定された閾値以上であるか否か判定する。
ステップS133の判定でYESと判定された時、つまり、ACC作動時間が所定値以上となる作動時間が閾値以上になり、ACCが十分機能していることを使用者が認知できるような作動時間が経過すると課金を開始するため、ステップS134に進み、ACC課金フラグFCをセットする。
尚、ステップS133判定でNOと判定された時は、ステップS134の処理を行うことなくリターンする。
【0050】
また、ステップS126でNOと判定された時、ステップS135に進み、LKS制御制御フラグFlksの「1」から「0」への変化に基づいてLKS制御が終了したか否か判定する。
ステップS135の判定でYESと判定された時、ステップS136に進み、仮記憶されたLKS作動時間を抽出する。
続く、ステップS137では、ステップS136で抽出されたLKS作動時間がLKS制御用に設定された所定値以上であるか否か判定する。
ステップS137でYESと判定された時、つまり、LKS作動時間が所定値以上に長い時、ステップS138に進み、抽出されたLKS作動時間が所定値以上で、LKS作動強度が大きいLKS作動時間を前回の記憶値に加算してLKS作動時間の記憶値を演算する。
続く、ステップS139では、ステップS138で演算された記憶値がLKS制御用に設定された閾値以上であるか否か判定する。
ステップS139の判定でYESと判定された時、つまり、LKS作動時間が所定値以上となる作動時間が閾値以上になり、LKSが十分機能していることを使用者が認知できるような作動時間が経過すると課金を開始するため、ステップS140に進み、LKS課金フラグFLをセットする。
尚、ステップS137、S139のいずれかの判定でNOと判定された時は、ステップS138、S140の処理を行うことなくリターンする。
また、課金開始フラグをセットするか否か判定する閾値は、各安全装置毎に応じてその大きさが設定されており、例えば、DSC<TCS<LKS<ACC<ABSの順に大きくなるよう設定されている。
これは、実験または統計的に得られた各安全装置の使用頻度に関係しており、使用頻度が低い、言い換えると緊急度が高い安全装置程、閾値が小さく設定されており、少しの作動であっても課金が開始されるように設定されている。
【0051】
次に、車両制御ユニット20の情報センター30との通信処理に関する詳細処理を図8に示すフローチャートに基づいて説明する。
図8のステップS150では、車両のインストゥルメントパネルまたはナビゲーション装置の表示画面等に設けられた情報提供要求スイッチの操作に基づいて、乗員による情報センター30に対する情報提供サービス要求操作があったか否か判定する。
ステップS150の判定でYESと判定された時は、ステップS151に進み、通信を開始するとともに、情報提供要求信号を情報センター30に送信する。
【0052】
また、ステップS150の判定でNOと判定された時は、ステップS152に進み、車両のインストゥルメントパネルまたはナビゲーション装置の表示画面等に設けられた報知要求スイッチの操作に基づいて、課金要求操作があったか否か判定する。
ステップS152の判定でYESと判定された時は、ステップS153に進み、少なくとも1つの安全システムの課金閾値が0に変更されているか否か判定する。
ステップS153でYESと判定された時、つまり、安全装置の作動時間が所定値以上である作動時間が閾値以上になり、既に課金が開始されていると判定された時、ステップS154に進み、通信を開始し、課金情報要求を情報センター30に送信する。
尚、ステップS153の判定でNOと判定された時は、いずれの安全装置も閾値を超える程度に十分作動されておらず、課金が開始しされていないため、ステップS154の処理を行うことなくリターンする。
【0053】
また、ステップS152の判定でNOと判定された時、ステップS155に進み、情報提供要求スイッチ、または報知要求スイッチの操作に基づいて既に通信中か否か判定する。
ステップS155の判定でYESと判定された時は、ステップS156に進み、乗員による通信終了操作があったか、または所定時間無操作状態が継続したか否か判定する。
ステップS156の判定で、YESと判定された時、ステップS157に進み通信を終了する。
また、ステップS155、S156の内、いずれかの判定でNOと判定された時、ステップS157の処理を行うことなくリターンする。
【0054】
次に、情報センター30における安全装置の作動情報収集と課金処理とを図9に示すフローチャートに基づいて説明する。
図9に示す処理は、ユーザー車両との通信が開始されるとその処理が開始されるものであって、ステップS160では、車両制御ユニット20bの安全装置作動情報記憶手段20bから入手した課金開始フラグの少なくとも一つがセットされているか否か判定する。
ステップS160でYESと判定された時、課金開始フラグがセットされている安全装置の記憶値を抽出し、各安全装置毎に記憶値を積算するとともに、車両制御ユニット20bの安全装置作動情報記憶手段20bに記憶値の初期化と閾値の0化信号を送信する。
また、ステップS160でNOと判定された時は、ステップS161の処理をバイパスする。
ステップS162では、車両のインストゥルメントパネルまたはナビゲーション装置の表示画面等に設けられた報知要求スイッチの操作に基づいて使用者からの課金要求があったか否か判定する。
ステップS162でYESと判定された時、ステップS163に進み、各安全装置毎に使用料を演算し、演算された使用料を車両制御ユニット20の課金情報表示制御手段20cに送信する。
ここで、使用料は、例えば、各安全装置毎、各安全装置の作動時間に応じてそれぞれ設定される。具体的には、各安全装置の使用頻度が低い、言い換えると緊急度が高い程安全装置程使用料が高くなるよう設定されており、例えば、ABS<ACC<LKS<TCS<DSCの順に高くなるよう設定される。また、安全装置の作動時間の累積時間が所定時間以上になった場合、単位時間当たりの使用料が上昇するように設定される。
また、ステップS162の判定でNOと判定された時は、ステップS164に進み、安全装置の使用料以外の各種情報を車両制御ユニット20に送信する。
【0055】
次に、乗員への課金情報の報知処理を図10に示すフローチャートに基づいて説明する。
図10のステップS200では、ABS制御フラグFabsが「1」から「0」に変化したか否かに基づいてABS制御が終了したか否か判定する。
ステップS200の判定でYESと判定された時、ステップS201に進み、ABS課金フラグFAがセットされているか否か判定する。
ステップS201の判定でYESと判定された時、ステップS202に進み、前回ABS課金フラグFAがセットされているか否か判定する。
ステップS202でNOと判定された時、つまり、今回初めてABS課金フラグFAがセットされたことが判定された時は、ステップS203に進み、次回ABS作動から課金を開始する旨の報知を行う。
また、ステップS202の判定でNOと判定された時、前回既にABS課金フラグがセットされ課金が開始されている時は、ステップS204に進み、今回のABS作動に伴う作動時間及びその作動時間に応じた使用料を報知する。
【0056】
次に、ステップS205では、車両のインストゥルメントパネルまたはナビゲーション装置の表示画面等に設けられた報知要求スイッチの操作に基づいて課金情報要求が有るか否か判定し、YESと判定された時は、ステップS206に進み、NOと判定された時はリターンする。
ステップS206では、少なくとも1つの安全装置の閾値が0に変更されているか否か判定する。
ステップS206の判定でYESと判定された時、つまり、いずれかの安全装置の課金が開始されて閾値が0に変更されている時は、安全装置の過去の作動時間、使用料を入手するため、ステップS207に進み、情報センター30に通信要求信号を出力する。
続く、ステップS208では、情報センター30から各安全装置の過去の作動時間、使用料を入手する。
そして、ステップS209では、ステップS208で入手した各安全装置毎の過去の作動時間、使用料と、今回のABS作動時間、使用料(情報センター30送信前で、車両用制御ユニット20の安全装置作動情報記憶手段20bに記憶された情報)とを合計した情報を報知する。
また、ステップS206の判定でNOと判定された時、つまり、安全装置の作動時間が課金開始の閾値以上になっておらず、安全装置の作動時間が情報センター30に送信されていない時は、ステップS210に進み、車両用制御ユニット20の安全装置作動情報記憶手段20bに記憶された各安全装置の作動時間、使用料を報知する。
【0057】
また、ステップS200でNOと判定された時、ステップS211に進み、DSC制御フラグFdscの「1」から「0」への変化に基づいてDSC制御が終了したか否か判定する。
ステップS211の判定でYESと判定された時、ステップS212に進み、先のステップS201〜S210で説明したABS制御の報知制御と同様のDSC制御用の報知制御を行う。
【0058】
また、ステップS211でNOと判定された時、ステップS213に進み、TCS制御フラグFtcsの「1」から「0」への変化に基づいてTCS制御が終了したか否か判定する。
ステップS213の判定でYESと判定された時、ステップS214に進み、先のステップS201〜S210で説明したABS制御の報知制御と同様のTCS制御用の報知制御を行う。
【0059】
また、ステップS213でNOと判定された時、ステップS215に進み、ACC制御フラグFaccの「1」から「0」への変化に基づいてACC制御が終了したか否か判定する。
ステップS215の判定でYESと判定された時、ステップS216に進み、先のステップS201〜S210で説明したABS制御の報知制御と同様のACC制御用の報知制御を行う。
【0060】
また、ステップS215でNOと判定された時、ステップS217に進み、LKS制御フラグFlksの「1」から「0」への変化に基づいてLKS制御が終了したか否か判定する。
ステップS217の判定でYESと判定された時、ステップS218に進み、先のステップS201〜S210で説明したABS制御の報知制御と同様のLKS制御用の報知制御を行う。
【0061】
以上のように、本実施の形態によれば、安全装置の作動情報に基づいて安全装置の使用料が算出され、算出された使用料が車両の乗員に報知されるため、安全装置に掛かるコストを車両販売時と、その後の使用時とに分けて回収できるため、安全装置のイニシャルコストを下げることができ、安全装置が装備された車両の数量を増加できるため、安全装置の更なるコストダウンを図ることができる。また、安全装置の使用に対して課金されるため、心理的、金銭的な心証をユーザーに与えることができ、ユーザーの安全意識の高揚を図れ、更なる安全性の向上を図ることができる。
【0062】
また、安全装置の作動時間が所定値以上の作動が積算され、その積算された作動時間が閾値よりも大きく、作動強度が大きいとみなされる時初めて課金されるとともに、作動強度が大きい程使用料が高く設定されるため、ユーザーの違和感を抑制することができる。
【0063】
また、作動頻度の低い安全装置、言い換えると、緊急度の高い安全装置が使用される場合は、その使用料が高く設定されるため、ユーザーに対する更なる安全意識の高揚を図ることができる。
【0064】
また、作動頻度の低い安全装置、言い換えると、緊急度の高い安全装置が使用される場合は、安全装置の課金が開始される閾値が小さく設定されるため、少しの作動によっても課金が開始されることになり、ユーザーに対する更なる安全意識の高揚を図ることができる。
【0065】
また、安全装置が一旦作動されその作動が終了した直後であって、新たな課金が生じた時、その課金情報が報知されるため、ユーザーに対する課金報知タイミングを適正にでき、ユーザーに対する煩わしさや金銭的、心理的安全効果を確保することができる。
【0066】
また、各安全装置の作動時間、使用料の累積値は、車両用制御ユニット20ではなく、情報センター30に記憶されるため、車両用制御ユニット20の記憶容量の増大を抑制することができる。
【0067】
尚、本実施形態では、各安全装置間の使用頻度として、DSC<TCS<LKS<ACC<ABSの順を示したが、ACCとLKSとの使用頻度には大差がないことから、両者の順番を入れ替え、DSC<TCS<ACC<LKS<ABSの順となるように設定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる各種安全装置を制御するための車両制御ユニット20と、各種センサ、各種アクチュエータ、情報センター30との入出力関係を示す全体構成図。
【図2】本発明に関わるABSの詳細制御を示すフローチャート。
【図3】本発明に関わるDSCの詳細制御(a)、(b)を示すフローチャート。
【図4】本発明に関わるTCSの詳細制御を示すフローチャート。
【図5】本発明に関わるACCの詳細制御を示すフローチャート。
【図6】本発明に関わるLKSの詳細制御を示すフローチャート。
【図7】本発明に関わる車両制御ユニット20の安全装置作動情報記憶手段20bによる詳細記憶処理(a)、(b)を示すフローチャート。
【図8】本発明に関わる車両制御ユニット20の情報センター30との通信処理に関する詳細処理を示すフローチャート。
【図9】本発明に関わる情報センター30における安全装置の作動情報収集と課金処理を示すフローチャート。
【図10】本発明に関わる乗員への課金情報の報知処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
1a,1b,1c,1d:車輪速センサー(運転状態検出手段)
2:車間距離センサー(運転状態検出手段)
3:車速センサー(運転状態検出手段)
4:横加速度センサー(運転状態検出手段)
5:車両横位置センサー(運転状態検出手段)
6:舵角センサー(運転状態検出手段)
7:ヨーレートセンサー(運転状態検出手段)
8:エアーフローセンサー(運転状態検出手段)
9:エンジン回転センサー(運転状態検出手段)
10:アクセル開度センサー(運転状態検出手段)
11:変速装置(運転状態検出手段)
12:ブレーキアクチュエーター(安全装置)
13:逸脱回避アクチュエーター(安全装置)
14:警報装置
15:エンジントルク変更手段(安全装置)
16:課金情報表示手段
20:車両制御ユニット
20a:安全装置作動情報仮記憶手段(作動情報記憶手段)
20b:安全装置作動情報記憶手段(作動情報記憶手段)
20c:課金情報表示制御手段
30:情報センター
30a:作動情報入力手段
30b:使用料算出手段
40:料金請求者
Claims (6)
- 車両に装備された安全装置と、
車両の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
該運転状態検出手段により上記安全装置の作動条件の成立が検出された時上記安全装置を作動させる安全装置作動手段と、
上記安全装置の作動情報を記憶する作動情報記憶手段と、
上記車両と通信可能に構成され、上記作動情報記憶手段に記憶された作動情報を入手する作動情報入手手段と、
該作動情報入手手段により入手された作動情報に基づいて上記安全装置の使用料を算出する使用料算出手段と、
該使用料算出手段により算出された使用料を、所定のタイミングまたは上記車両の使用者による報知要求指示手段の操作に応じて上記車両の使用者に報知する報知手段とを備えていることを特徴とする安全装置の使用に応じた課金システム。 - 上記作動情報記憶手段は、上記安全装置の作動強度に関連するパラメータを記憶するよう構成されており、
上記使用料算出手段は、上記安全装置の作動強度に関連するパラメータが所定の閾値よりも大きい程使用料を高く設定するよう構成されていることを特徴とする請求項1記載の安全装置の使用に応じた課金システム。 - 上記車両は、複数の異なる安全装置を備えており、
上記使用料算出手段は、予め実験または統計によって求められた各安全装置間の作動頻度の違いに応じて、作動頻度が少ない安全装置程使用料を高く設定するよう構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の安全装置の使用に応じた課金システム。 - 上記車両は、複数の異なる安全装置を備えており、
上記使用料算出手段は、予め実験または統計によって求められた各安全装置間の作動頻度の違いに応じて、作動頻度が少ない安全装置程所定の閾値を低く設定することを特徴とする請求項2に記載の安全装置の使用に応じた課金システム。 - 上記報知手段は、上記安全装置の作動により新たな課金が生じたことを条件に報知するよう構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の安全装置の使用に応じた課金システム。
- 車両に装備された安全装置の作動情報を記憶するステップと、
記憶された作動情報を入手するステップと、
入手された作動情報に基づいて上記安全装置の使用料を算出するステップと、算出された使用料を、所定のタイミングまたは上記車両の使用者による報知要求指示手段の操作に応じて上記車両の使用者に報知するステップとからなる安全装置の使用に応じた課金方法。
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