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JP4241334B2 - ポーラスコンクリートブロックおよびその製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は、多数の空隙を有し、透水性を有するポーラスコンクリートブロック及びその製造方法に関するものである。
内部に多数の空隙を有するポーラスコンクリートは、
1)草木類の植生が良い。
2)水はけが良い。
3)光の反射による問題がない。
などの利点があり、自然環境が保護されるという点から注目され、歩道、車道の縁部、護岸等に広く用いられるようになってきている。しかし、ポーラスコンクリートは、通常のコンクリートと比べて強度が小さく、すべてポーラスコンクリートで積みブロック(間知ブロック等)などを成形した場合、実用に十分な強度を得ることができないという問題があった。
このため、ポーラスコンクリートを材料として用いて、積みブロックを作製する場合には、地中に埋設される基層部分を通常のコンクリート(例えば、即時脱型コンクリート)で形成し、表層部分のみをポーラスコンクリートで形成することが提案されている。
例えば、特許第2901909号公報では、積層した状態で表面に表出される表出面に骨材が埋設されており、この骨材で表面に凹凸面が形成されている生態系の積ブロックの製造方法において、骨材に、ゼオライト粉末とセメントとを混練りしたバインダーを添加して空隙骨材ペーストとし、この空隙骨材ペーストを型枠に所定の厚さに注入して、骨材の間に隙間ができるようにバインダーで結合し、空隙が設けられている骨材の上に、即時脱型コンクリートを注入してプレス成形し、成形された積ブロックを型枠から脱型することを特徴とする生態系の積ブロックの製造方法が開示されている。
この方法では、空隙層(ポーラスコンクリート層)と即時脱型コンクリートの境界面が平坦な面であるため、空隙層(ポーラスコンクリート層)と即時脱型コンクリートの結合が弱くなり易く、空隙層(ポーラスコンクリート層)が剥落し易いという問題があった。
そこで、この対策として、例えば、特開2001−347511号公報では、基層を構成する即時脱型コンクリートと、表層を構成するポーラスコンクリートとが積層して一体成形されてなるとともに、上記即時脱型コンクリートと、上記ポーラスコンクリートの境界は、凹凸形状が形成されてなるものとした。このように構成すれば、上記凹凸形状によって即時脱型コンクリートとポーラスコンクリートの接触面積が増えるので、結合力が増大し、ポーラスコンクリートが即時脱型コンクリートから剥落し難くなるというものである。
また、表層の周縁部分及び基層を構成する即時脱型コンクリートと、上記周縁部分以外の表層を構成するポーラスコンクリートとが積層して一体成形されてなるものとした。このように構成すれば、表層の周縁部分が即時脱型コンクリートによって形成されているため、ポーラスコンクリートが周縁部分から次第に剥落していくような事態が生じなくなり、また、ポーラスコンクリートが即時脱型コンクリートによって包囲される形になるため、これらの結合力が増大し、これによってもポーラスコンクリートが即時脱型コンクリートから剥落し難くなるというものである。
しかしながら、このような方法においても、ポーラスコンクリートそのものの強度が増強されているわけではなく、このポーラスコンクリート面への直接の衝撃などがあった場合など、形成する表層は、薄い板状(0.5〜2cm)であるため、衝撃に弱く、破損しやすく、取り扱い難い。
また、製造工程が複雑となり、製造期間が長くなり、また、製造コストも高くなってしまうなどの問題がある。また、このポーラスコンクリートで形成するのは表層部分のみであり、内部は通常のコンクリートであるため、内部への透水性は確保されず、本来の透水性コンクリートの機能を充分に達成することができない。
一般のポーラスコンクリートは、細骨材を用いず粗骨材のみを用いて、セメントと混練剤と水とで混練して製造するものであり、連通する空隙を形成させるようにしたものである。空隙率は25%以上であり、小動物の生育環境を考えた、比較的大きな空隙を有するものである。このため、強度が低下することは避けられない。
また、生態系のポーラスコンクリートを考慮すると、空隙は小さく多い程良く、上記の場合には、無数の空隙を形成させるために、ゼオライト粉末、スラブ粉末、フライアッシュ、無水石膏などをセメントに配合して骨材間に多数の空隙を有するように結合させるバインダーとしている。
上記のゼオライトなどの添加剤を用いたものは、一般的なポーラスコンクリートによって実現できる比較的大きな空隙とともに、小さな空隙を無数に形成させること、また、産業廃棄物の有効利用も考慮したものであり、そのために、これらの配合材は、非常に微細で、無数の空隙を有する多孔質材が用いられているものである。この多孔質材が粗骨材の表面を覆うこととなり、粗骨材の表面に無数の微細な空隙が形成されることとなり、比較的大きな空隙により、小動物の育成環境を形成し、微細な空隙により微生物の繁殖を促進し植物育成環境を形成することで生態系全体に有効なポーラスコンクリートを実現したものである。
特開平9−194267号公報 特開2001−347511号公報 「ポーラスコンクリートの製造方法に関する基礎的研究」平成10年度三重県工業技術総合研究所研究報告 No.23(1999)
解決しようとする課題は、内部に充分な空隙を有し、透水性を充分に発揮し、環境保全性を高めるとともに、実用的な強度を実現できることを特徴とするポーラスコンクリートブロック及びその製造方法を提供するものである。
従来の一般的なポーラスコンクリートは、細骨材を使用せずに粗骨材のみで製造したものであり、比較的大きな空隙を形成するものであり、上記の特開平9−194267号公報や特開2001−347511号公報では、バインダーにゼオライト粉末、スラブ粉末、フライアッシュ、無水石膏などを配合することで、上記の比較的大きな空隙とともに、微細な無数の空隙を同時に形成できるようにしたものである。単に透水性、通気性を考慮するのみではなく、環境保全型のポーラスコンクリートブロックとすることができ、ポーラスコンクリート部と即時脱型コンクリート部との組み合わせにより、ポーラスコンクリートの強度の問題を解決しようとするものである。
しかしながら、ポーラスコンクリートそのものの強度の増強とはなっていない。また、表面層のみをポーラスコンクリートとした場合には、あくまでも表面のみの環境保全性であり、全面的な透水性、下部の土層からの植生は確保できない。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、ポーラスコンクリートの利点である通気性、透水性、環境保全性を充分に確保すると共に、実用的な強度を満足することのできるポーラスコンクリートブロックを提供することである。
本発明は、上記の課題を解決するために、請求項1では、骨材とセメント材に、石炭灰と増粘剤及び消泡剤が混練されていることを特徴とするポーラスコンクリートブロックとしたものである。
該骨材は、通常、コンクリートブロックに用いられるもので良く、2.5〜5.0mmφ程度のものが好ましい。単粒度砕石(6号)などが使用できる。
該セメント材としては、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、普通ポルトランドセメント等のポルトランドセメントや、エコセメント等が用いられる。
該石炭灰は、フライアッシュが好ましく、クリンカアッシュを混合したものでも良い。フライアッシュは、石炭を燃焼させた時に発生する石炭灰のうち、電気集じん器により捕集された微粉末の灰のことで、石炭灰の約90%がこのフライアッシュである。また、フライアッシュは、顕微鏡で拡大すると、球状を呈しており、コンクリートなどに混ぜると流動性が向上する。
クリンカアッシュは、石炭を燃焼させた時に発生する石炭灰のうち、ボイラの底部に落下した石炭灰の塊を回収し、脱水・粉砕した灰のことである。石炭灰の約10%がこのクリンカアッシュである。クリンカアッシュは、顕微鏡で拡大すると、小さな孔がたくさんあり、排水性、通気性に優れています。
セメント混合材として、フライアッシュを混和すると、強度、水密性に優れ、ひび割れのないコンクリートができるため、ダムの建設などに利用されており、コンクリート混和材として、フライアッシュを混和すると、コンクリートの流動性が向上するため、中空鋼管柱のコンクリート充填を容易するなどに利用されている。また、フライアッシュは粘土とほぼ同じ化学組成であるため、タイルの原料としても利用されている。
該増粘剤(分離低減剤)は、主に高流動コンクリートに用いられており、増粘剤として市販されているものは、主成分の違いによりセルロース系、アクリル系およびバイオポリマー系などがあり、いずれを使用しても良い。
高流動コンクリートは、通常のコンクリート配合に高性能減水剤または高性能AE減水剤と増粘剤を加えて,高流動性,分離抵抗性,自己充填性を持たせた,省力化施工・高信頼性コンクリートであり、狭いところにコンクリートを打ち込みたい場合に使用されている。
また、請求項2では、前記の石炭灰は、骨材の1〜4%であることを特徴とするポーラスコンクリートブロックとしたものである。
4%以上では、通常のポーラスコンクリートと同様に強度が不十分となる。1%以下では、石炭灰の植生効果が期待できない。また、石炭灰は、セメント材に均一に混合することで微細気泡の分散性に影響し、少ないと微細気泡の分散が悪くなる。
また、請求項3では、前記の増粘剤は、ポルトランドセメントの0.1〜0.5%であるポーラスコンクリートブロックとしたものである。
0.1%以下では、成形が困難となり、0.5%以上では、強度が不十分となる。
また、請求項4では、前記の消泡剤は、ポルトランドセメントの0.05〜0.5%であるポーラスコンクリートブロックとしたものである。
該消泡剤は、シリコーン消泡剤などが使用できる。一般的に離型剤に混合して使用されているタイプの消泡剤を使用できる。離型剤への使用の場合には1%程度混合して使用されているものである。
本発明においては、ポルトランドセメントに対して0.05〜0.5重量%程度の消泡剤を使用する。好ましくは、0.1%程度である。結合材を練り混ぜる場合、混練り中に気泡が巻き込まれるが、消泡することにより緻密な結合材を練り上げることができ、骨材との密着性及び基層部分との密着性を高めることができるポーラスコンクリートである。
結合材中に気泡が多いと強度が低下してしまう。逆に、骨材との密着性及び強度を上げるために増粘材を減らすと、成形性が低下し生産能力が低下してしまう。このため、増粘材を極端に減らすことはできない。
そこで本発明では、結合材(ペースト)中の気泡を消泡することにより、該ペーストの容積を小さくすることができ、また、ポーラスコンクリートの空隙を改善することができ、強度及び空隙率を満足するポーラスコンクリートを提供するものである。
また、請求項5では、前記の骨材の粒径は、2.5mm〜5.0mmφであるポーラスコンクリートブロックとしたものである。
骨材は、一般に使用される粗骨材を使用できる。単粒度砕石などで粒度が2.5mm〜5.0mmφのものが好ましい。2.5mmφ以下では、比較的大きな空隙ができにくくなる。5.0mmφ以上では、強度の著しい低下を招く。
また、請求項6では、砕石、石炭灰、ポルトランドセメント、増粘剤、及び水とを混練する混練工程と、前記混練工程で得られたコンクリートペーストに、消泡剤を混入させる消泡工程と、前記消泡工程で得られたコンクリートペーストをプレス成形するための加圧成形工程とからなる、ポーラスコンクリートブロックの製造方法としたものである。
該混練工程は、モルタル用ミキサーなどのミキサーを使用して混練する。混練は、混練工程の材料をすべて混合して一度に混練しても良く、ミキサーによっては、砕石とポルトランドセメントと石灰石とを先に空練りし、その後に増粘材と水を加えて混練し、2段階に混練としても良い。いずれにしても、充分な混練が行われるまで混練する。
該消泡工程は、混練工程で巻き込まれる気泡を消滅させるものであり、ポルトランドの0.1重量%程度が目安であり、消泡効果が現れるまで混練する。
該加圧成形工程は、混練され、気泡が消滅されたポーラスコンクリートをコンクリートブロックのプレス成形装置でブロック形状に加圧成形するものであり、従来のコンクリートブロックの加圧成形と同様に行うことができる。
本発明によれば、以下に示すような効果がある。
1)石炭灰により、微細な空隙を形成し、増粘剤により、ブロックの成形性を高め、消泡剤により、混練中に発生する気泡を消滅させることで、効果的に比較的大きな空隙を形成させることができ、環境保全効果を有するポーラスコンクリートブロックを提供できる。
2)コンクリートペーストに消泡剤を混合することで、気泡の調整が可能となり、コンクリートブロックの強度を実用強度まで高めることができる。
3)ポーラスコンクリートの利点である通気性、透水性、環境保全性を充分に発揮させることができると共に、実用的な強度を満足するこのできるポーラスコンクリートブロックを製造できる。
環境保全性と強度の問題を石炭灰の植生効果を活用し、増粘剤により成形が容易に行えるようになり、消泡剤により強度及び空隙率のアップを実現した。
図1は、本発明のポーラスコンクリートブロックの製造工程を示す、1実施例である。以下にその手順について、図1を用いて説明する。
1)第1混練工程4
砕石1を1518kgと、ポルトランドセメント2を275Kgと、フライアッシュ3を28kgとをパン型ミキサーで空練りする。37回/分にて60秒間混練した。
2)第2混練工程7
上記の空練り混練後に、増粘剤5(宇部興産(株)製のハイユーローズ)を約560gと、水6を88kgとを混入し、さらに混練する。37回/分にて60秒間混練した。増粘剤により、気泡が多数発生した。
3)消泡混練工程9
上記の混練ペーストに消泡剤8(日本シーカ(株)製のシーカサーフェイスクリーン)を約300g投入して混練し、消泡する。37回/分で120秒間混練した。
この工程により、発生した気泡が消え、また、微細な気泡のみとなる。
4)加圧成形工程10
上記の消泡されたコンクリートペーストをブロック型に充填し、プレス装置で加圧成形し、ポーラスコンクリート積みブロック11を製造した。成形プレス装置は、光洋商事(株)製の積みブロック成形機を使用した。プレス圧は、6N/mm2で行った。
上記のポーラスコンクリート積みブロックの強度試験結果を図2に示す。試験装置は、(株)関西機器製作所製の圧縮強度試験機を用いて、JIS A 1108でおこなった。図2に示すように、いずれも21N/mm2以上であり、充分な実用強度を示していた。また、空隙率も24%であった。
上記のポーラスコンクリートブロックを用いて、間知ブロックを製作し、護岸に設置した。2ヶ月で藻が良好に繁殖した。
本発明によるポーラスコンクリートブロックの製造工程を示すフロー図である。 本発明によるポーラスコンクリートブロックの強度試験結果を示す図である。
符号の説明
1 砕石
2 ポルトランドセメント
3 フライアッシュ
4 第1混練工程
5 増粘剤
6 水
7 第2混練工程
8 消泡剤
9 消泡混練工程
10 加圧成形工程
11 ポーラスコンクリート積みブロック

Claims (6)

  1. 骨材とポルトランドセメントに、石炭灰と増粘剤及び消泡剤が混練されていることを特徴とするポーラスコンクリートブロック。
  2. 前記の石炭灰は、骨材の1〜8%であることを特徴とする請求項1に記載のポーラスコンクリートブロック。
  3. 前記の増粘剤は、ポルトランドセメントの0.1〜0.5%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポーラスコンクリートブロック。
  4. 前記の消泡剤は、ポルトランドセメントの0.05〜0.5%であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの項に記載のポーラスコンクリートブロック。
  5. 前記の骨材の粒径は、2.5mm〜5.0mmφであることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの項に記載のポーラスコンクリートブロック。
  6. 砕石、石炭灰、ポルトランドセメント、増粘剤、及び水とを混練する混練工程と、前記混練工程で得られたコンクリートペーストに、消泡剤を混入させる消泡工程と、前記消泡工程で得られたコンクリートペーストをプレス成形するための加圧成形工程とからなる、ポーラスコンクリートブロックの製造方法。
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