JP4242000B2 - 耐震杭 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐震性に優れた杭に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
1995年に発生した阪神大震災の被害調査の結果、多くの場所打ち杭やPHC既製杭が、地表面より4mから6m程度の深度付近や杭頭付近で曲げ破壊していることが明らかになった。これは、軟弱粘性土層や緩い砂層からなる中間層に大きな水平変位が生じ、その結果、中間層の上下に存在している強固な層と、中間層の境界部に位置する杭の部位に、多大なせん断力や曲げモーメント等の断面力が生じ、当該断面力を受けて杭の破壊が生じたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
現時点において、地震時の杭の挙動はほぼ解明されており、曲げモーメントの大きくなる位置が、ほぼ実際の杭の破壊位置と一致していることがわかっている。そのため、地震に対する杭の設計では、曲げモーメントが大きく作用する断面位置において杭をヒンジ構造にして、作用する曲げモーメントに対し、杭を回転変形させることにより低減させることができるという原理はわかっており、これまでにも多くの試行錯誤が行われてきた。
しかし、構造的合理性、構造物の安全性、さらに費用面等から、実用性に優れた方法は開発されておらず、早急に開発されることが望まれていた。
【0004】
本発明は、前記の問題点を解決するためになされたものであり、構造が簡易であり、かつ、施工が容易である耐震性に優れた耐震杭を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
要するに、請求項1記載の耐震杭は、軸方向に配筋される複数の主鉄筋およびコンクリートからなる杭本体と、前記杭本体の軸方向と直交する任意位置に、前記主鉄筋を連結するための連結材を備え、前記連結材を境として、一方向側に配筋されている第1の主鉄筋の端部は当該連結材に固定されているとともに、前記第1の主鉄筋と反対側に配筋されている第2の主鉄筋の端部は、前記軸方向に伸縮可能となるように弾性部材を介して前記連結材に取り付けられており、前記弾性部材は、前記連結材に設けられたガイドパイプ内に挿設されていることを特徴とするものである。
ここで、連結材を設ける位置は、杭本体に作用する断面力(特に、曲げモーメント)が大きくなる位置に設けることが必要である。
【0006】
ここで、弾性部材は、ゴム又はコイルスプリング、或いは前記ゴム及びコイルスプリングを併用したものであることが、実際の施工上からは好適である。
【0007】
したがって、本発明によれば、第1の主鉄筋を連結材に固定し、また、第2の主鉄筋を軸方向に伸縮可能となるように弾性部材を介して連結材に取り付けることにより、杭本体を連結材の部分でヒンジ構造にすることができる。そのため、杭本体に作用する曲げモーメントに対しては、当該連結材の部分を中心として回転変形させることにより、その断面力を低減させるとともに、せん断応力に対しては抵抗可能な耐震構造にすることができる。
【0008】
また、請求項2記載の耐震杭は、請求項1に記載の耐震杭において、前記連結材が中央に開口部を有する連結板であることを特徴としている。
【0009】
したがって、本発明によれば、連結材が中央に開口部を有する連結板であることから、特に場所打ち杭を構築する際に、前記開口部にトレミー管を挿設してコンクリートを打設することができるため、その施工を容易に行うことができる。
【0010】
また、請求項3記載の耐震杭は、請求項1又は請求項2に記載の耐震杭において、前記連結材の外周を包囲して、前記軸方向に伸縮自在な防水部材を設けていることを特徴としている。
さらに、請求項4記載の耐震杭は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の耐震杭において、前記連結材および主鉄筋が、防錆材料により形成または被覆されていることを特徴としている。
【0011】
したがって、本発明によれば、連結材の外周が伸縮自在な防水部材により包囲されていることから、連結材の周囲における杭本体のコンクリートにひび割れが生じた場合であっても、連結材および主鉄筋の腐食を防止することができる。
また、連結材および主鉄筋が防錆材料により形成、または、被覆されていることから、当該連結材および主鉄筋の腐食を防止することができる。
【0012】
さらに、請求項5記載の耐震杭は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の耐震杭において、前記連結材の周囲にせん断補強鉄筋を配筋したことを特徴としている。
【0013】
したがって、本発明によれば、連結材の周囲にせん断補強鉄筋を配筋して、当該部位を補強したことから、連結材に曲げモーメントと同時にせん断力が作用した場合であっても、せん断補強鉄筋がせん断力に抵抗するため、杭本体のコンクリートに発生する斜めひび割れの進展を防ぐことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。なお、各実施形態において、同一の役割を果たす要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0015】
◎第1実施形態
(1)耐震杭の構成
図1に示すように、本発明に係る耐震杭は、杭本体Kと、当該杭本体Kの中間部であって、軸方向と直交する位置に設けられている耐震ジョイント部Jから構成されている。
【0016】
杭本体Kは、軸方向に配筋されている複数の主鉄筋S1,S2と、円周方向に当該主鉄筋S1,S2の周囲を包囲して配筋されている帯鉄筋(せん断補強鉄筋)(図示せず)と、当該主鉄筋S1,S2および帯鉄筋と一体となっているコンクリートCからその主要部が構成されている。
主鉄筋は、耐震ジョイント部Jを境に、上方に配筋されている第1主鉄筋S1と、下方に配筋されている第2主鉄筋S2とが複数本設けられている。
【0017】
なお、第1主鉄筋S1と第2主鉄筋S2は、後述するリングプレート30の孔部31,32に、交互に位置をずらしながら配筋されている。また、前記第1主鉄筋S1および第2主鉄筋S2のリングプレート30側の端部は、ナット12,22を容易に螺合させるために、ネジ節(図示せず)が形成されている。
【0018】
耐震ジョイント部Jは、連結材であるリングプレート30により形成されており、第1主鉄筋固定部10および第2主鉄筋取付部20において、それぞれ第1主鉄筋S1および第2主鉄筋S2と固定、取り付けされている。
リングプレート30は、中央に円形の開口部を有する鋼製の円板であり、その上面部には、第1主鉄筋S1および第2主鉄筋S2を固定、取り付けするための複数の孔部31,32が、所定間隔で穿設されている。
【0019】
図4に示すように、第1主鉄筋S1は、その下端部が孔部31に挿通されているとともに、リングプレート30の両側から一対のワッシャー11とナット12により固定されている。
また、図2(a)に示すように、第2主鉄筋S2は、その上端部が孔部32に挿通されているとともに、リングプレート30の上部に設けられている硬質ゴム35を介し、当該リングプレート30の両側から一対のワッシャー21とナット22により、軸方向に伸縮自在に取り付けられている。
硬質ゴム35は、円筒状のガイドパイプ34内に挿設されているとともに、上部のワッシャー21およびナット22と、リングプレート30の間で弾性変形し、その弾性力を第2主鉄筋S2に付勢可能となるように構成されている。
【0020】
したがって、耐震杭に曲げモーメントが作用した場合には、引張側の第2主鉄筋S2には引張力および硬質ゴム35の弾性力が作用するため、当該第2主鉄筋S2は軸方向であるリングプレート30の下方へ、大きく伸長できるようになっている。
【0021】
ここで、弾性部材に関し補足説明する。
前記実施形態では、弾性部材として硬質ゴム35を用いているが、弾性部材の他の実施形態としては、コイル状に形成した鋼製スプリング36(図3(a))や、前記硬質ゴム35の内部に前記鋼製スプリング36を埋設した複合部材(図3(b))等を用いることができる。
【0022】
なお、弾性部材として、ばね的機能と減衰機能を併有する高減衰ゴムを用いると、耐震ジョイント部Jが繰り返し地震力を受けた場合であっても、ダンパ等の減衰部材を設けることなしで変位の減衰を図ることが可能となり、免震効果をも期待できることから非常に好適である。
【0023】
なお、弾性部材のばね定数を大きくすると、耐震ジョイント部Jの復元特性が大きくなるため、当該弾性部材の選定およびバネ定数の設定は、耐震杭と構造物の全体で最適になるように設計することが必要となる。
【0024】
(2)耐震杭の作用
本発明に係る耐震杭は前記のように構成されており、以下にその作用について説明する。
ここで、図5は、本発明に係る耐震杭に働く外力(図中において、曲げモーメントをMと表示)と変形(図中において、回転角をφと表示)の態様を示す側断面図であり、図6は、耐震杭の耐震ジョイント部Jに作用する曲げモーメント(M)と回転角(φ)の関係を示す図である。
【0025】
地震により、耐震杭に、図5の矢印方向に曲げモーメントMが作用した場合には、図5左側の第2主鉄筋S2には引張力が生じるとともに、硬質ゴム35が圧縮変形するために、下向きの付勢力(図2(b)参照)が作用する。そのため、当該第2主鉄筋S2は、リングプレート30から下方に伸び変形する(図6(op間の状態))。このとき、コンクリートCの引張強度より小さい引張力が作用している間は、引張側のコンクリートCは第2主鉄筋S2と一体となって抵抗する。しかし、前記引張強度以上の引張力が作用すると、リングプレート30の下側にひび割れC1が集中的に発生し、大きく成長するため、当該部位のコンクリートCと第2主鉄筋の一体性が失われてしまい、コンクリートCは、引張力に抵抗できなくなる。
【0026】
そのため、コンクリートCと第2主鉄筋S2が一体となっている部分(以下、「一般部分」という)と比較して、耐震ジョイント部Jは、より小さな曲げモーメントに対して大きな回転変形が可能となる、すなわちヒンジ化することになる(図6(pq間に示す状態))。このため、曲げモーメントが作用した場合に、耐震ジョイント部Jを中心に、杭本体Kが回転変形することが可能となり、当該部位に作用する曲げモーメントを低減させることができる。
【0027】
さらに、曲げモーメントが増大すると、耐震ジョイント部Jはさらに回転変形が進行するが、やがて、硬質ゴム35の変形が限界に達すると、第2主鉄筋S2はリングプレート30に固定された状態になる。そのため、第2主鉄筋S2は、第1主鉄筋S1およびリングプレート30と一体となり、曲げモーメントに抵抗することが可能となる。したがって、大きな回転変形が生じた後は、耐震ジョイント部Jは、前記一般部分と同様の曲げ耐力を有することになる(図6(qr間に示す状態))。
【0028】
また、耐震ジョイント部Jには、曲げモーメントと同時にせん断力が作用する。その際、杭本体Kが、曲げモーメントに対して大きく回転変形した場合であっても、帯鉄筋が配筋されているため、当該帯鉄筋がせん断力に抵抗することから、コンクリートCに発生する斜めひび割れが進展することはない。
【0029】
このように、本発明に係る耐震杭の曲げモーメントに対する最終耐力は、耐震杭の全体にわたって同一であるとともに、耐震ジョイント部Jは、理論的に最大曲げモーメントが生じる箇所に設けられることが一般的であることから、耐震杭は耐震ジョイント部J以外の杭の部位において曲げ破壊することはない。
【0030】
なお、参考までに、図6(左部)に、前記一般部分に作用する曲げモーメント(M)と曲げ変形により生じる変形角(φ)の関係についても示す。これによると、耐震ジョイント部Jは一般部分と比較して変形角が大きく、非常に大きな曲げ変形を許容することがわかる。したがって、耐震ジョイント部Jは、地震時において地盤が液状化等することにより大きくせん断変形しても、地盤変形に追従して杭本体Kが大きく回転変形することにより、曲げモーメントを減少させることができるため、耐震ジョイント部Jが設けられていない場合に比べて、杭本体Kの直径および主鉄筋S1,S2の数等を減少させることができる。
【0031】
さらに、図7(a)には、複数本の従来の杭K’を、その頭部でフーチングF’(または、基礎梁)に接合した場合における、杭K’とフーチングF’に生じる曲げモーメントの分布を示し、図7(b)は、複数本の耐震杭を、その頭部でフーチングFに接合した場合における、耐震杭とフーチングFに生じる曲げモーメントの分布を示す。
これによると、耐震ジョイント部Jにおいて、曲げモーメントが低減することに伴い、フーチングFに作用する曲げモーメントも低下するため、杭本体KだけではなくフーチングFの断面積をも低減することができる。
【0032】
さらに、耐震ジョイント部Jの第2主鉄筋取付部20において、第2主鉄筋S2の上端部とリングプレート30の間に、硬質ゴム35を介装させていることから、当該硬質ゴム35が免震部材の役割を果たし、地盤から伝達される地震応答加速度を、耐震ジョイント部Jにおいて遮断することができる。そのため、耐震杭に作用する曲げモーメントを低減できるとともに、杭基礎の上部に構築される構造物や上部構造への地震による加速度応答を減少させることができ、当該構築物等を免震構造として設計することができる。
【0033】
(3)耐震杭の構築方法
本発明に係る耐震杭は、従来の場所打ち杭を構築する際の方法とほぼ同様の方法により、容易に構築することができる。
以下、図10により、耐震杭の構築方法の一例について簡単に説明する。
【0034】
まず、リバースサーキュレーション工法等のベントナイト泥水工法により、対象地盤50に孔部52を掘削する(図10(a))。
次に、地上部で予め組み立てた鉄筋篭53を、機械式のグリップジョイント(または、鉄筋のラップジョイント)により連結し、泥水51が満たされている孔部52中に挿設することにより、鉄筋篭53の建て込みを行う(図10(b))。
耐震ジョイント部の形成は、鉄筋篭53を組み立てる際に、所望の位置にリングプレート30を設け、当該リングプレート30に主鉄筋S1,S2を連結することにより行う。
鉄筋篭53の建て込みが完了した後、トレミー管54を鉄筋篭53の内部へ挿設する(図10(c))。そして、当該トレミー管54を用いて泥水51とコンクリートCを置換しながら、水中コンクリートを打設して、耐震杭を完成させる(図10(d))。
【0035】
前記のように、本発明に係る耐震杭の構築方法は、鉄筋篭53に耐震ジョイント部Jを設けること以外は、従来の場所打ち杭の構築方法と同様である。そのため、確実に任意の位置に耐震ジョイント部Jを設けることができるとともに、施工費用が高くなる等の不都合が生ずることなく、簡易に耐震杭を構築することができる。
また、リングプレート30は、中央に円形の開口部を有している。そのため、水中コンクリートを打設する際にも、従来の施工方法と全く同様の方法により、トレミー管54を用いてコンクリートCを打設することができることから、コンクリートCの充填性にも全く影響を与えることがない点で非常に優れている。
【0036】
さらに、耐震ジョイント部Jを形成するための材料としては、リングプレート30と主鉄筋S1,S2の端部に設けるワッシャー11,21とナット12,22、および、ガイドパイプ34と硬質ゴム35であり、加えて、特別の加工等をも必要としないため、極めて安価に耐震杭を構築することができる。
【0037】
◎第2実施形態
前記のように、第1実施形態で説明した耐震杭は、耐震ジョイント部Jの下側における引張側のコンクリートCの部位に、ひび割れC1が集中して入ることになる(図5)。したがって、大地震を受けた後に継続して、当該耐震杭を使用し続けた場合には、ひび割れC1が開口したままの状態であるので、当該部位から地下水や地上からの浸透水が浸透し、主鉄筋S1,S2や鋼製のリングプレート30には腐食が進行することになる。
第2実施形態は、前記問題点を解決するための耐震杭であり、主鉄筋S1,S2や鋼製のリングプレート30の腐食を防止することを可能にしたものである。
【0038】
図8に示すように、第2実施形態の耐震杭は、第1実施形態の耐震杭に、さらにリングプレート30の外周を包囲するように、防水部材である止水ゴムリング40を設けたものである。止水ゴムリング40は円筒形状の外周部40aと、当該外周部40aと直交する方向に突設されている2段の突出部40b,40cから形成されている。
上部突出部40bは、平面視で内歯車状に凹凸部が形成されており、前記凸部には貫通孔(図示せず)が穿設されている。当該上部突出部40bは、リングプレート30に係止されているとともに、第1主鉄筋S1は、その下端部が前記貫通孔に挿通されており、リングプレート30の両側から一対のワッシャー11とナット12により固定されている。
【0039】
止水ゴムリング40は弾力性に富んでおり、耐震杭の軸方向に伸縮自在に形成されている。そのため、引張力が作用した場合には、当該止水ゴムリング40が伸長するとともに、圧縮力が作用した場合には収縮する等、外力の作用に応じて変形することにより、杭本体Kの変形に追従可能となっている。
また、止水ゴムリング40の軸方向の長さは、杭本体KのコンクリートCに予想されるひび割れ幅等に応じて、適切に定めることができる。
【0040】
このように構成したことから、大地震により、耐震ジョイント部Jの下部位置のコンクリートCにひび割れC1が生じてしまった場合であっても、止水ゴムリング40により、リングプレート30および主鉄筋S1,S2の止水性が確保されているため、ひび割れC1の部分から水等が浸入しても、当該リングプレート30および主鉄筋S1,S2は腐食することがない。
また、大地震後に、再度大地震に見舞われた場合であっても、止水ゴムリング40は大きな変形性を有しており、ひび割れC1とリングプレート30の間を遮水することが可能である。
【0041】
◎第3実施形態
第3実施形態も第2実施形態と同様に、主鉄筋S1,S2やリングプレート30’の腐食を防止することが可能な耐震杭である。
【0042】
図9に示すように、本実施形態の耐震杭は、リングプレート30’を防錆材料である高強度ファイバーコンクリート(圧縮強度200MPa)で形成するとともに、耐震ジョイントJ’近傍の主鉄筋S1,S2を防錆塗料であるエポキシ樹脂41により被覆したものであり、他の構成要素に関しては、第1実施形態と同様である。
【0043】
このように構成したことにより、大地震により、耐震ジョイント部J’の下部位置のコンクリートCにひび割れC1が生じた場合であっても、リングプレート30’は鋼製でなく、また主鉄筋S1,S2も直接被水することがないため、ひび割れC1の部分から浸水したとしても、当該リングプレート30’および主鉄筋S1,S2は腐食することがない。
【0044】
以上、本発明について、好適な実施形態についての一例を説明したが、本発明は当該実施形態に限られず、各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜設計変更が可能である。したがって、場所打ち杭に限らず、既製杭等の各種の杭に用いることができる。また、連結材の材質および形状、主鉄筋の数等に関しては特に制限はなく、防錆材料および防錆塗料に関しても、前記のものに限られるものではない。
さらに、前記実施形態では、耐震ジョイント部を、杭本体の中間部に設けた場合について説明した。しかし、耐震ジョイント部の位置は当該部位に限られるものではなく、杭頭部等に設けるものであってもよいことは言うまでもない。
【0045】
【発明の効果】
前記のように、本発明の耐震杭は、地盤の変形に応じて杭に作用する断面力を、連結部を中心として回転変形させることにより、杭本体に作用する断面力を低減させることができるとともに、杭頭部のフーチングに作用する断面力をも低減させることができる。したがって、本発明の耐震杭は、従来の杭のように杭の剛性と力で抵抗するものではないため、耐震杭とフーチング全体の断面を低減することができることから、構築物全体の建設価格を低減でき、かつ、耐震性能を向上させることができる。
【0046】
また、本発明の耐震杭によれば、レベル2クラスの巨大地震に対しても充分に耐用可能であり、耐久性に非常に優れているとともに、防水性を備えているため、大地震発生以降も継続的に使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る耐震杭の要部を拡大した斜視図である。
【図2】本発明に係る耐震杭の第2主鉄筋取付部を示す側断面図であり、(a)は通常時を示す図、(b)は引張力が作用した場合を示す図である。
【図3】(a)、(b)ともに、本発明に係る耐震杭の第2主鉄筋取付部の他の実施形態を示す側断面図である。
【図4】本発明に係る耐震杭の第1主鉄筋固定部を示す側断面図である。
【図5】本発明に係る耐震杭に働く外力と変形の態様を示す側断面図である。
【図6】本発明に係る耐震杭の耐震ジョイント部に作用する曲げモーメントと回転角、および、一般部分に作用する曲げモーメントと回転角の関係を示す図である。
【図7】杭と基礎梁に作用する曲げモーメント分布図を示したものであり、(a)は従来の杭を用いた場合、(b)は本発明に係る耐震杭を用いた場合である。
【図8】本発明に係る耐震杭の第2実施形態を示す要部を拡大した斜視図である。
【図9】本発明に係る耐震杭の第3実施形態を示す要部を拡大した斜視図である。
【図10】本発明に係る耐震杭の構築方法を示す側断面図である。
【符号の説明】
K 杭本体
J 耐震ジョイント部
C コンクリート
S1 第1主鉄筋
S2 第2主鉄筋
10 第1主鉄筋固定部
20 第2主鉄筋取付部
30,30’ リングプレート
35 硬質ゴム
40 止水ゴムリング
41 エポキシ樹脂
Claims (5)
- 軸方向に配筋される複数の主鉄筋およびコンクリートからなる杭本体と、
前記杭本体の軸方向と直交する任意位置に、前記主鉄筋を連結するための連結材を備え、前記連結材を境として、一方向側に配筋されている第1の主鉄筋の端部は当該連結材に
固定されているとともに、
前記第1の主鉄筋と反対側に配筋されている第2の主鉄筋の端部は、前記軸方向に伸縮可能となるように弾性部材を介して前記連結材に取り付けられており、
前記弾性部材は、前記連結材に設けられたガイドパイプ内に挿設されていることを特徴とする耐震杭。 - 前記連結材は、中央に開口部を有する連結板であることを特徴とする請求項1に記載の耐震杭。
- 前記連結材の外周を包囲して、前記軸方向に伸縮自在な防水部材を設けていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の耐震杭。
- 前記連結材および主鉄筋が、防錆材料により形成または被覆されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の耐震杭。
- 前記連結材の周囲にせん断補強鉄筋を配筋したことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の耐震杭。
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