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JP4244099B2 - 樹脂成形金型 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は樹脂成形金型の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
樹脂成形金型として、例えば▲1▼特開平7−285169号公報「樹脂成形用金型」や▲2▼実開平6−9744号公報「金型」が知られている。
上記▲1▼は、同公報の図1によれば、金型本体14(符号は公報に記載の符号を流用)を加熱又は冷却のために多孔質焼結金属で形成し、金型本体14のキャビティに金属、合成樹脂又はセラッミクなどの表面被膜12を形成したものである。
上記▲2▼は、同公報の図1によれば、金型1のキャビティ2表面近傍に冷却のために多孔質材の部分域3を形成し、この部分域3にメッキ等の表層7を形成し、この表層7の反対から部分域3に給水路4及び排水路5を接続したものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記▲1▼の樹脂成形用金型では、金型本体14を多孔質焼結金属で形成し、金型本体14のキャビティに金属、合成樹脂又はセラッミクなどの表面被膜12で覆っただけのものなので、ショットを重ねると多孔質焼結金属が潰され、キャビティの変形を招く。
上記▲2▼の金型では、単に、多孔質材の部分域3に給水路4及び排水路5を接続しただけのものなので、給水路4近くの冷却効果が大きく、排水路5近くでは冷却効果が小さいことになり、実質的に金型の加熱・冷却サイクルが長く、成形時間が長くなり、生産性の低下を招く虞れがある。
【0004】
そこで、本発明の目的は、金型の強度を維持しつつ熱媒体の流路を形成すると共に、金型の加熱・冷却サイクルの短縮を図ることのできる樹脂成形金型を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、凹部の底がキャビティに近づくように凹部を金型本体に開け、この金型本体の凹部内に焼結金属層を形成し、凹部を蓋部材で塞ぎ、焼結金属層に冷却用媒体又は加熱用媒体としての熱媒体を流通させることで、金型本体を強制冷却又は強制加熱することのできる樹脂成形金型であって、凹部の底から蓋部材に至る第1の突部を金型本体に付設すると共に、蓋部材に外側へ延びる第2の突部を付設したことを特徴とする。
【0006】
キャビティへ樹脂を射出若しくは投入すると樹脂成形圧が金型本体にかかる。このとき、第1の凸部並びに蓋部材が補強部材となって金型本体の変形、すなわち、キャビティの変形を防止する役割を果たす。
金型本体に第1の突部を付設し、この突部の先端を蓋部材で支持させる構造を採用したことでキャビティの形状を良好に保てる。
【0007】
請求項2は、第1の突部の軸線上に第2の突部を配置したことを特徴とする。第1の突部は、補強部材であると共に熱伝導部材でもある。そこで、第1の突部と第2の突部を一直線上に並べれば、熱の流れが円滑となり、金型本体の放熱機能を格段に高めることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る樹脂成形金型の斜視図である。
樹脂金型装置20は、樹脂成形金型としての可動側金型30と樹脂成形金型としての固定側金型40とから構成するものであって、可動側金型30に成形凸部32を形成し、固定側金型40に成形凹部42を形成し、これらの成形凹部42及び成形凸部32を合せることで樹脂成形品Wを成形するためのキャビティ50を形成するものである。
【0009】
図2は図1の2−2線断面図であり、可動側金型30の縦断面を示す。
可動側金型30は、金型本体31に形成した成形凸部32と、金型本体31に形成した凹部33と、この凹部33内に形成する多孔質の焼結金属層34と、これらの焼結金属層34及び凹部33を一括して覆う蓋部材35と、金型本体31に形成した複数の入水口36・・・(・・・は複数個を示す。以下同じ)及び排水口37・・・とからなる。なお、本図では、入水口36・・・及び排水口37・・・は一個のみを示す。
固定側金型40は、金型本体41に成形凹部42を備え、金型本体41に可動側金型30と略同一の凹部、焼結金属層、蓋部材、入水口及び排水口を備えるものであり、詳細な説明は省略する。
【0010】
図3は図1の3−3線断面図であり、可動側金型30の横断面を示す。
凹部33は、底33hがキャビティ50に近づくように金型本体31に開けたものであり、キャビティ50の強度を高めるための第1の突部としての第1のリブ38・・・を備えたものである。
焼結金属層34は、熱媒体(不図示)としての冷却用媒体又は加熱用媒体を流通させるための部材であり、熱媒体は、焼結金属層34を流通させることで可動側金型30を強制冷却又は強制加熱を図るための媒体である。
【0011】
蓋部材35は、焼結金属層34及び凹部33を一括して覆うベース部35aと、このベース部35aに形成する第2の突部としての第2のリブ39・・・とからなる部材であり、第1のリブ38・・・の先端にベース部35aを当てることで第1のリブ38・・・と共にキャビティ50の強度を高める部材である。
第2のリブ39・・・は、第1のリブ38・・・の軸線C・・・上に配置することで、可動側金型30の放熱効果の促進を図ることを狙ったものである。すなわち、第1のリブ38・・・は、補強部材であると共に熱伝導部材でもある。そこで、第1のリブ38・・・と第2のリブ39・・・を一直線上に並べれば、熱の流れが円滑となり、金型本体31の放熱機能を格段に高めることができる。
【0012】
すなわち、可動側金型30は、凹部33の底33hがキャビティ50に近づくように凹部33を金型本体31に開け、この金型本体31の凹部33内に焼結金属層34を形成し、凹部33を蓋部材35で塞ぎ、焼結金属層34に冷却用媒体又は加熱用媒体としての熱媒体(不図示)を流通させることで、金型本体31を強制冷却又は強制加熱することのできる樹脂成形金型であって、凹部33の底33hから蓋部材35に至る第1のリブ38・・・を金型本体31に付設すると共に、蓋部材35に外側へ延びる第2のリブ39・・・を付設したものである。
【0013】
可動側金型30は、凹部33の底33hがキャビティ50に近づくように凹部33を金型本体31に開け、この金型本体31の凹部33内に焼結金属層34を形成し、凹部33を蓋部材35で塞ぎ、焼結金属層34に冷却用媒体又は加熱用媒体としての熱媒体(不図示)を流通させるようにしたので、キャビティ50の強度を維持しつつ熱媒体の通路を形成することができる。この結果、耐久性を向上させた樹脂成形金型を得ることができる。
【0014】
さらに、言及すれば、キャビティ50へ樹脂を射出若しくは投入すると樹脂成形圧が金型本体31にかかる。このとき、第1のリブ38・・・並びに蓋部材35が補強部材となって金型本体31の変形、すなわち、キャビティ50の変形を防止する役割を果たす。金型本体31に第1のリブ38・・・を付設し、これらの第1のリブ38・・・の先端を蓋部材35で支持させる構造を採用したことでキャビティ50の形状を良好に保てる。
【0015】
また、凹部33の底33hから蓋部材35に至る第1のリブ38・・・を金型本体31に付設すると共に、蓋部材35に外側へ延びる第2のリブ39・・・を付設したので、金型本体31の放熱効果の向上を図ることができる。
可動側金型30は、第1のリブ38・・・の軸線C・・・上に第2のリブ39・・・を配置したので、金型本体31の放熱効果のさらなる促進を図ることができる。この結果、可動側金型30の加熱・冷却サイクルの短縮を図ることができ、成形コストの削減を図ることができる。
【0016】
図4は図1の4−4断面図であり、可動側金型30の平面断面を示す。
可動側金型30は、言い換えれば、第1のリブ38・・・を残すようなかたちで、金型本体31に凹部33を形成したものであり、結果として、凹部33は複数の流路33A〜33F(ここでは、凹部33を流路33A〜33Fと呼ぶことにする)を形成したかたちになり、それぞれの流路33A〜33Fに焼結金属層34を設け、それぞれの流路33A〜33Fに入水口36・・・及び排水口37・・・を設けたものとも言える。
従って、凹部33をそれぞれの流路33A〜33Fに仕切ることで、熱媒体(不図示)を均一に流すことができるので、金型温度のばらつきの低減を図ることができる。
【0017】
以上に述べた可動側金型30(樹脂成形金型)の作用を次に説明する。
図5(a)〜(d)は本発明に係る樹脂成形金型の第1作用説明図であり、可動側金型30(図3参照)の製作手順の一例を示す。
(a)において、金属ブロック52に成形凸部32及び凹部33を形成し、金型本体31を製作する。
(b)において、鉄系金属、アルミニウム系金属若しくはステンレス鋼の金属粒53・・・を凹部33に充填する。
(c)において、凹部33内に金属粒53・・・を充填済みの金型本体31を焼結炉54に入れ、金属粒53・・・同士を焼結させ、焼結金属層34を形成する。
【0018】
(d)において、蓋部材35で焼結金属層34及び凹部33を一括して覆い、ボルト締め又は熱溶着を行ない、凹部33を密封する。その後、成形凸部32面の仕上を行なう。例えば、成形凸部32面と凹部33の底33h面との厚さをtとするときに、厚さtを2mmから5mmの範囲に設定する。ここで、厚さtが2mm以下では成形凸部32の強度が不足する。また、5mm以上では冷却効率又は熱効率の悪化を招く。
【0019】
図6(a),(b)は本発明に係る樹脂成形金型の第2作用説明図であり、(a)は比較例を示し、(b)は実施例を示す。
(a)において、樹脂成形金型としての可動側金型100は、金型本体101に成形凸部102を形成し、金型本体101に凹部103を形成し、この凹部103内に焼結金属層104形成し、これらの焼結金属層104及び凹部103を一括して平板の蓋部材105で覆ったものである。ここで、成形凸部102に矢印▲1▼の如く成形圧が加わることを想定すると、成形凸部102の強度を高める補強リブ(不図示)等がないので、成形凸部102はショットを重ねていくと二点鎖線で示すように変形を招く虞れがある。
【0020】
(b)において、可動側金型30は、凹部33の底33hがキャビティ50(図3参照)に近づくように凹部33を金型本体31に開け、この金型本体31の凹部33内に焼結金属層34を形成し、凹部33を蓋部材35で塞ぎ、焼結金属層34に冷却用媒体又は加熱用媒体としての熱媒体(不図示)を流通させるようにしたので、キャビティ50の強度を維持しつつ熱媒体の通路を形成することができる。この結果、耐久性を向上させた樹脂成形金型を得ることができる。また、凹部33の底33hから蓋部材35に至る第1のリブ38・・・を金型本体31に付設すると共に、蓋部材35に外側へ延びる第2のリブ39・・・を付設したので、金型本体31の放熱効果の向上を図ることができる。
すなわち、第1のリブ38・・・は、補強部材であると共に熱伝導部材でもある。そこで、第1のリブ38・・・と第2のリブ39・・・を一直線上に並べれば、熱の流れが円滑となり、金型本体31の放熱機能を格段に高めることができる。
【0021】
例えば、可動側金型30は、第1のリブ38・・・の軸線C・・・上に第2のリブ39・・・を配置したので、第1のリブ38から第2のリブ39に矢印▲2▼の如く熱が流れ、第2のリブ39から大気中に矢印▲3▼・・・の如く放熱させる。すなわち、金型本体31の放熱効果のさらなる促進を図ることができる。この結果、金型の加熱・冷却サイクルの短縮を図ることができ、成形コストの削減を図ることができる。
【0022】
尚、実施の形態では図3に示すように、第1・第2の突起をリブ形状(第1のリブ38・・・及び第2のリブ39・・・)としたが、これに限るものではなく、第1・第2の突起は、ピン又は棒形状であってもよい。
【0023】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、凹部の底がキャビティに近づくように凹部を金型本体に開け、この金型本体の凹部内に焼結金属層を形成し、凹部を蓋部材で塞ぎ、焼結金属層に冷却用媒体又は加熱用媒体としての熱媒体を流通させるようにしたので、キャビティの強度を維持しつつ熱媒体の通路を形成することができる。すなわち、金型本体に第1の突部を付設し、この突部の先端を蓋部材で支持させる構造を採用したのでキャビティの形状を良好に保てる。この結果、耐久性を向上させた樹脂成形金型を得ることができる。
また、凹部の底から蓋部材に至る第1の突部を金型本体に付設すると共に、蓋部材に外側へ延びる第2の突部を付設したので、金型本体の放熱効果の向上を図ることができる。
【0024】
請求項2は、第1の突部の軸線上に第2の突部を配置したので、金型本体の放熱効果のさらなる促進を図ることができる。すなわち、第1の突部と第2の突部を一直線上に並べたので、熱の流れが円滑となり、金型本体の放熱機能を格段に高めることができる。この結果、金型の加熱・冷却サイクルの短縮を図ることができ、成形コストの削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る樹脂成形金型の斜視図
【図2】図1の2−2線断面図
【図3】図1の3−3線断面図
【図4】図1の4−4断面図
【図5】本発明に係る樹脂成形金型の第1作用説明図
【図6】本発明に係る樹脂成形金型の第2作用説明図
【符号の説明】
30…樹脂成形金型(可動側金型)、31…金型本体、33…凹部、33h…底、34…焼結金属層、35…蓋部材、38…第1の突部(第1のリブ)、39…第2の突部、50…キャビティ、C…軸線。

Claims (2)

  1. 凹部の底がキャビティに近づくように凹部を金型本体に開け、この金型本体の凹部内に焼結金属層を形成し、前記凹部を蓋部材で塞ぎ、前記焼結金属層に冷却用媒体又は加熱用媒体としての熱媒体を流通させることで、金型本体を強制冷却又は強制加熱することのできる樹脂成形金型であって、
    前記凹部の底から蓋部材に至る第1の突部を金型本体に付設すると共に、前記蓋部材に外側へ延びる第2の突部を付設したことを特徴とする樹脂成形金型。
  2. 前記第1の突部の軸線上に前記第2の突部を配置したことを特徴とする請求項1記載の樹脂成形金型。
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