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JP4244553B2 - 生産管理装置及び製品生産方法 - Google Patents
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生産管理装置及び製品生産方法 Download PDF

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  • General Factory Administration (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生産管理装置及び製品生産方法、特に分岐や合流など比較的複雑な生産ラインを流れる製品を管理する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両生産指示システムなどにおいては、ボディ、塗装、組み立てといった大まかな工程単位で管理が行われているのが実状であり、各工程をより細かく管理する必要性が生じている。一方、製品の生産進行状況を把握するために、特許第2721561号のように生産現場において各製品の各設備での処理開始終了時刻を求めて最終的に製品の完成予定日を予測する技術が知られている。この技術では、予測時点での最新の製品の進度情報と各設備の段取り状態を含む情報とに基づいて各設備での現状の段取りと各設備の前で処理を待っている製品の納期とを考慮して優先的に着工すべき製品を決定し、設備毎の着工順序を予測してCRTなどに出力している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術においては、基本的に生産ラインを上流から下流に向けて流れる製品を対象としており、例えば車両の塗装工程における多回塗りなどのように、単純に上流から下流に向けて流れる場合のほか、ある工程が終了した後に別の工程に分岐し、所定の工程を経た後に再びもとの生産ラインに合流するなどの複雑な工程が存在する。従来技術においては、このような分岐・合流を伴う複雑な生産ラインに対応することが困難であり、各製品の進捗状況などを正確に管理することができない問題があった。
【0004】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みなされたものであり、その目的は、分岐、合流を伴うような比較的複雑な生産ライン上で製品を生産する場合においてもより細かく、かつ正確に製品を生産できる装置及び方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、生産ラインを工程要素及び前記工程要素を互いに接続するトラッキングポイントでモデル化したときの、製品毎の前記トラッキングポイントの関係及び前記トラッキングポイントと前記工程要素の関係を記憶する手段と、前記トラッキングポイント間の関係及び前記トラッキングポイントと前記工程要素の関係に基づき前記生産ラインを制御する手段とを備え、前記記憶する手段は、異常処理時の関係を記憶することなく正常処理時の関係を記憶し、前記制御する手段は、前記関係に基づき前記製品のトラッキングポイント通過の可否を判断して制御し、前記製品が通過しようとするトラッキングポイントが直前に通過したトラッキングポイントよりも前記生産ラインの下流側に存在する場合には前記記憶する手段に記憶された前記関係を用いて通過の可否を判断し、前記製品が通過しようとするトラッキングポイントが直前に通過したトラッキングポイントよりも前記生産ラインの上流側に存在する場合には前記記憶する手段に記憶された前記関係によらずに前記製品の通過を許可することを特徴とする。
【0006】
ここで、前記制御する手段は、前記製品が通過しようとするトラッキングポイントの通過回数が制限されている場合には該回数に基づき通過の可否を判断することが好適である。
【0007】
また、本発明は、生産ラインを工程要素及び前記工程要素間を互いに接続するトラッキングポイントでモデル化し、製品毎の前記トラッキングポイント間の関係及び前記トラッキングポイントと前記工程要素の関係をコンピュータのメモリに記憶させ、前記トラッキングポイント間の関係及び前記トラッキングポイントと前記工程要素の関係に基づき前記生産ラインの所定位置に設けられた出力装置に前記コンピュータから指示を出力することで前記製品を前記生産ライン上で順次加工するコンピュータによる製品生産方法であって、前記メモリは、前記関係として異常処理時の関係を記憶することなく正常処理時の関係を記憶し、前記コンピュータは、前記関係に基づき前記製品のトラッキングポイント通過の可否を判断して前記指示を出力し、前記製品が通過しようとするトラッキングポイントが直前に通過したトラッキングポイントよりも前記生産ラインの下流側に存在する場合には前記メモリに記憶された前記関係を用いて通過の可否を判断し、前記製品が通過しようとするトラッキングポイントが直前に通過したトラッキングポイントよりも前記生産ラインの上流側に存在する場合には前記メモリに記憶された前記関係によらずに前記製品の通過を許可するように指示を出力することを特徴とする。
【0008】
本方法においても、前記コンピュータは、前記製品が通過しようとするトラッキングポイントの通過回数が制限されている場合には該回数に基づき通過の可否を判断して出力することが好適である。
【0009】
トラッキングポイントは、工程と工程を結ぶ論理的な通過ポイントであり、例えば生産ラインで分岐が存在していても、各分岐毎にトラッキングポイントを設定することで分岐の生産ラインを表現することができる。また、合流についても、各合流路毎にトラッキングポイントを設定することで合流の生産ラインを容易に表現することができる。そして、分岐後の工程が変化した場合には、トラッキングポイントに接続される工程要素を変化させればよく、生産ラインの変化にも容易に対応してモデル化することができる。
【0010】
但し、正常処理のみならず、手直し工程などの異常処理についてもその関係を規定すると、規定すべき関係数が膨大なものとなり、漏れも生じ易くなる。そこで、本発明のように、正常処理と異常処理を分離し、正常処理についての関係を記憶する。そして、手直し工程については別途処理するものとし、手直しされた製品が生産工程に復帰してきた場合を考慮して、製品が通過しようとするトラッキングポイントが直前に通過したトラッキングポイントよりも前記生産ラインの上流側に存在する場合には前記関係によらずに前記製品の通過を許可することで、手直し製品についても容易に対応することが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
【0012】
まず、本実施形態の前提技術について説明する。図1には、本実施形態において管理される生産ラインの一例が示されている。なお、図に示された生産ラインは車両の塗装工程を示したものである。まず、中塗り工程aが存在し、中塗り工程aの後に上塗り工程bが存在する。上塗り工程bを完了した車両は次に上塗り検査工程cに進入し、上塗りが所定の規格に従って行われたか否かが検査される。上塗り検査工程cが終了した後、車両によっては塗装最終検査工程fに進み、塗装最終検査工程fが完了した後に次段階の工程、例えば組み立て工程に進んでいく。一方、車両の種類によっては上塗り検査工程cが完了した後に、多回塗り返送工程dに進入し、再び塗装が行われる場合がある。多回塗り返送工程dが完了した車両は、再びもとの生産ラインに合流し、再度上塗り工程bに進入する。上塗り工程bを完了した車両は、上塗り検査工程cに進入し、ここで検査結果がOKである場合には塗装最終検査工程fに進み、最終検査が行われる。上塗り検査工程cでNGと判定された車両に対しては、塗装最終検査工程fあるいは多回塗り返送工程dに進むことなく、上塗り手直し工程eに進んで手直しされた後に次の工程に進む。
【0013】
このように、本実施形態における塗装工程は、上塗り検査工程cから塗装最終検査工程fあるいは多回塗り返送工程dに分岐する工程及び多回塗り返送工程dからもとの生産ラインに合流する工程を含んでおり、車両毎に次にどの工程に進むべきか、及び予定通りに各工程での処理が行われているか否かを正確に把握する必要がある。
【0014】
そこで、本実施形態においては、図に示された生産ラインをモデル化し、このモデル化された生産ラインに基づき、コンピュータが一括管理して生産ラインの各工程に指示を出力する。本実施形態における生産ラインは、工程要素と工程要素間を接続するトラッキングポイントにモデル化される。工程要素は、上述した中塗り工程aや上塗り工程b、上塗り検査工程cなどの各工程に対応しており、トラッキングポイントはある工程から次の工程に移行する際の通過ポイントに対応する。通過ポイントは物理的に存在するポイントであるが、トラッキングポイントは論理上存在するポイントであり、例えば生産ラインにおける分岐点においてはトラッキングポイントは分岐路毎に複数設定される。例えば、図1において上塗り検査工程cから車両が次に進行すべき工程として塗装最終検査工程f、多回塗り返送工程d、上塗り手直し工程eが存在するが、これら分岐工程に対応して論理的なトラッキングポイントもE,F,Gの3点が設定される。同様に、生産ラインにおける合流点においても、中塗り工程aから上塗り工程bに進入する経路と、多回塗り返送工程dから上塗り工程bに進入する経路が存在し、これら2つの経路に対応して2つの論理的なトラッキングポイントA,Bが設定される。
【0015】
図2には、トラッキングポイントを設定する際の基本的なルールが示されている。工程要素と工程要素は直接的に接続されることはなく、必ずトラッキングポイントを介して接続される。すなわち、工程要素−トラッキングポイント−工程要素である。一方、(a)に示されるように、1つのトラッキングポイント100の前には複数の工程要素11を接続することが可能である。このような態様は、例えば生産ラインの合流地点に相当する。また、(b)に示されるように、ある工程要素11の後に複数のトラッキングポイント100を接続することができ、各トラッキングポイント100の後には既に述べたように工程要素11が接続される。これは、例えば生産ラインにおける分岐点に相当する。一方、(c)に示されるように、あるトラッキングポイント100の後に複数の工程要素11を接続することはできない。これは、1つのトラッキングポイントに複数の工程要素を接続してしまうと、次にどちらの工程に進むべきかを一義的に定義することができないからである。このような基本ルールの下に、生産ラインを工程要素とトラッキングポイントを用いてモデル化し、生産ラインを進行する製品の生産プロセスをこれらの工程要素とトラッキングポイントを用いて表現する。
【0016】
図3及び図4には、トラッキングポイント及び工程要素を用いて生産プロセスを表現した場合のテーブル例が示されている。図3は工程要素とトラッキングポイントとの関係を規定したテーブルであり、図4はトラッキングポイント間の関係を規定したテーブルである。
【0017】
まず、図3において、生産ライン上に設定された各トラッキングポイント毎に、そのトラッキングポイントの後に存在する工程要素が関係付けられる。例えば、図1の例においては、トラッキングポイントAの後に上塗り工程bが存在し、トラッキングポイントCの後に上塗り検査工程cが存在するので、トラッキングポイントと工程要素との関係は、
トラッキングポイントA−工程要素b
トラッキングポイントC−工程要素c
などとなる。なお、分岐点においては、トラッキングポイントEの後に存在する工程は多回塗り返送工程dであり、トラッキングポイントFの後に存在する工程は塗装最終検査工程fであり、トラッキングポイントGの後に存在する工程は上塗り手直し工程eであることから、
トラッキングポイントE−工程要素d
トラッキングポイントF−工程要素f
トラッキングポイントG−工程要素e
と関係付けることができる。このように、あるトラッキングポイントとその後に存在する工程要素を関係付けることで、あるトラッキングポイントを通過した車両が次にどの工程に進むべきかをこのテーブルを参照することで決定できる。あるいは逆に、ある工程を進んでいる車両が過去にどのトラッキングポイントを通過した車両であるかも一義的に決定することもできる。
【0018】
一方、図4においては、上述したようにトラッキングポイント間の関係を規定している。例えば、図1においてある車両については、
中塗り工程a−トラッキングポイントA−上塗り工程b−トラッキングポイントC−上塗り検査工程c−トラッキングポイントF−塗装最終検査工程f−トラッキングポイントH
で規定される生産プロセスを経るが、別の車両では、途中から多回塗り返送工程dに分岐し、
中塗り工程a−トラッキングポイントA−上塗り工程b−トラッキングポイントC−上塗り検査工程c−トラッキングポイントE−多回塗り返送工程d−トラッキングポイントB−上塗り工程b−トラッキングポイントD−上塗り検査工程c−トラッキングポイントF−塗装最終検査工程f−トラッキングポイントHなる工程を経て次の段階に進む。これらの工程の中でトラッキングポイント間の関係に着目すると、ある車両については、トラッキングポイントCの前にはトラッキングポイントAを通過し、トラッキングポイントEの前にはトラッキングポイントCを通過し、トラッキングポイントBの前にはトラッキングポイントEを通過し・・・となるので、あるトラッキングポイント(自トラッキングポイント)とその前を通過すべきトラッキングポイントを順次規定することで、その車両が通過すべき経路、すなわち生産プロセスを一義的に決定することができる。車両毎に異なる生産プロセスを経る場合には、この関係は車両毎(車種毎)に規定されることになる。そして、車両があるトラッキングポイントを通過した時点でこのテーブルを参照することで、その車両が過去にどのトラッキングポイントを通過したものであるか、あるいは次にどのトラッキングポイントを通過すべきなのかを決定することが可能となる。もちろん、図3に示された関係と図4に示された関係をともに参照することで、あるトラッキングポイントを通過した車両が、次にどの工程を経るべきか、及び次にどのトラッキングポイントを通過すべきであるかを同時に決定することができる。
【0019】
なお、図4において、メイン/サブの区分が存在するが、メインとは基本的に車両が必ず通過するトラッキングポイント、サブとは通常は通過しないが異常時(品質不良等発生時)に通過する可能性があるトラッキングポイントを示す。図1の例では、トラッキングポイントA,B,C,D,E,F,Hはメインであり、トラッキングポイントGはサブである。トラッキングポイントGは、上塗り検査工程cで異常が発見された場合に上塗り手直し工程eに移行するときに通過するトラッキングポイントだからである。また、サブのトラッキングポイントが存在する場合には、あるトラッキングポイントの前を通過すべきトラッキングポイントは複数存在することになる。具体的には、トラッキングポイントEについては通常はトラッキングポイントCが前トラッキングポイントとなるが、上塗り検査工程cで不良が発見されたときには上塗り手直し工程eを経ることから、サブトラッキングポイントであるトラッキングポイントGも前トラッキングポイントとなる。図4において、自トラッキングポイントEの前トラッキングポイント1がトラッキングポイントC、前トラッキングポイント2がGとあるのはこのことを示したものである。ちなみに、自トラッキングポイントGの場合には、前トラッキングポイントとして、前回も上塗り手直し工程eを経た場合もあるので、前トラッキングポイントとしてC,D,Gの3つが規定されている。もちろん、メイン/サブの区別は任意であり、手直し工程等が含まれない生産ラインにおいては、自トラッキングポイントに対して1つの前トラッキングポイントを規定すればよい。
【0020】
このように、本実施形態においてはトラッキングポイントとその後に存在する工程要素との関係、及びトラッキングポイント間の関係を規定しておき、ある車両がトラッキングポイントを通過した時点でこれらの関係を適宜参照することで、その車両が次にどのような処理を経るべきかを決定でき、また、本来の処理状態と現在の処理状態とを比較することで生産進捗状況も確実に把握することができる。そして、工程要素とトラッキングポイントを用いて生産ラインをモデル化することで、生産ラインが変更された場合にもトラッキングポイントと工程要素との関係及びトラッキングポイント間の関係をこの変更に応じて変化させることで、容易に対応することができる。特に、生産ラインの分岐点では、分岐路毎にトラッキングポイントを設けることで分岐を一義的に定義でき、また合流点では合流路毎にトラッキングポイントを設けることで合流を一義的に定義できるので、分岐及び合流を有する生産ラインでも生産プロセスを容易に把握することができる。
【0021】
図5には、本実施形態における生産管理装置の具体的な構成ブロック図が示されている。生産ラインのトラッキングポイント位置には通過車両情報を受け付けるセンサ10が設置されており、このセンサ10により車両がトラッキングポイントを通過したか否かを検出する。なお、センサ10は、車両がトラッキングポイントを通過したか否かを検出すると同時に、車両の所定位置に付与されている識別番号IDを読み取り、その識別番号により車種などを特定することが好適である。通過車両情報受付センサ10で検出されたデータは、トラッキングポイント通過可否判断部12に供給される。
【0022】
トラッキングポイント通過可否判断部12では、車両仕様データベース22に予め記憶された車両仕様(識別番号と車種との関係など)、トラッキングポイント情報データベース24に記憶されたトラッキングポイント情報(図3に示されるトラッキングポイントと工程要素間の関係)及び生産プロセス情報データベース26に格納された生産プロセス情報(図4に示されたトラッキングポイント間の関係)に基づき、あるトラッキングポイントを通過した車両が本来このトラッキングポイントを通過すべき車両であるか否かを判定する。例えば、ある車両は上塗り検査工程cからトラッキングポイントEを通過して多回塗り返送工程dに進むべきところ、トラッキングポイントFを通過していると判定された場合には、本来通過すべきでないと判定される。なお、本来的にトラッキングポイントEを通過すべき車両がトラッキングポイントEを通過した場合には(トラッキングポイントEを通過したという事実は、この車両がトラッキングポイントCを通過したことから決定できる。仮に、この車両がトラッキングポイントDを通過している場合には、トラッキングポイントFを通過していることになる)、逆にこの車両が上塗り検査工程cを経てきた車両であることを確認することもできる。トラッキングポイント情報や生産プロセス情報は、ユーザがキーボード38及び入力制御部(入力データを各データベースに振り分ける)34等の入力手段を用いて入力することができる。
【0023】
そして、トラッキングポイント通過可否判断部12にて、本来そのトラッキングポイントを通過すべきであると判断された場合には、その通過事実は通過実績記録部14に供給される。通過実績記録部14では、その車両がそのトラッキングポイントを通過した時刻を計測し、通過実績時刻データベース20に登録する。一方、通過実績記録部14は、計測した通過時間を通過予定時刻算出部16にも供給する。通過予定時刻算出部16は、車両仕様データベース22、トラッキングポイント情報データベース24、生産プロセス情報データベース26、及び各工程要素における詳細な工程情報を記録する工程情報データベース30からのデータに基づき、通過したトラッキングポイントの後に存在する工程を完了する予定時刻を算出する。具体的には、図3のトラッキングポイント情報(図3参照)及び生産プロセス情報(図4参照)に基づき、車両が通過した当該トラッキングポイントの後に経るべき各工程を抽出し、各工程におけるタクトタイムや稼働率、稼働時間帯などの工程情報を基に今後通過するトラッキングポイント毎に通過予定時刻を算出する。例えば、トラッキングポイントAを通過した車両に対し、トラッキングポイントCにおける通過予定時刻t1、トラッキングポイントEにおける通過予定時刻t2、トラッキングポイントBにおける通過予定時刻t3などを順次算出する等である。なお、通過予定時刻は、メイントラッキングポイントについて算出すればよい。サブトラッキングポイントは必ず通過するとは限らず、事前に通過予定時刻を算出する意味がないからである。算出された通過予定時刻は通過予定時刻データベース28に登録され、通過実績時刻と通過予定時刻はともに生産進捗状況表示部32に出力される。
【0024】
生産進捗状況表示部32はCRT36などを有して生産ラインのトラッキングポイント毎に配置されており、各トラッキングポイントに配置された生産進捗状況表示部32には、車両が到達すべき予定時刻が表示され、また実際に車両が通過した場合には通過予定時刻とともに通過実績時刻が表示されることになる。したがって、ユーザは生産進捗状況表示部32に表示された通過予定時刻を確認することでいつ頃車両が通過すべきかを事前に知ることができ、かつ、通過予定時刻と通過実績時刻とを比較することで、生産進捗状況も容易に把握することができる。例えば、トラッキングポイントCに設置された生産進捗状況表示部32には次に時刻t1において車両が通過することが表示され(これは、時刻t1に通過すべきとの生産指示と云うことができる)、仮に車両が通過した場合にはその時刻t1’も合わせて表示されることになり、t1とt1’とを比較することで進捗状況を把握できる。また、通過予定時刻に対しても未だ通過すべき車両が通過していない場合には、当該トラッキングポイントに設置された生産指示出力部18に対して生産指示を出力することもできる。
【0025】
このように、本実施形態では、車両があるトラッキングポイントを通過した時点で、次に通過すべきトラッキングポイントに対して何時通過すべきかを指示し、また実際に通過した場合には予定通過時間との比較を行うので、トラッキングポイントを必要に応じて多数設置することで、きめ細かく生産管理することができる。
【0026】
なお、本実施形態においては、生産ラインを流れる製品として車両を例にとり説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、車両部品あるいはその他の製品にも同様に適用することができる。
【0027】
また、本実施形態においてはトラッキングポイントと工程要素の関係として図3に示されるようにある通過ポイントとその後に存在する工程要素とを関係付けているが、これに限定されるものではなく、例えばあるトラッキングポイントとその前に存在すべき工程要素とを関係付けてもよく、あるトラッキングポイントに対しその前後に存在すべき工程要素を関連付けることもできる。
【0028】
さらに、本実施形態においては通過ポイント間の関係としてあるトラッキングポイントとその前に通過すべきトラッキングポイントとの関係を規定しているが、あるトラッキングポイントに対し、その前に通過すべき複数のトラッキングポイントを関連付けてテーブルとして記憶させることも好適である。
【0029】
以上が本実施形態の前提技術である。ところで、上記技術では、トラッキングポイント情報データベース24及び生産プロセスデータベース26に正常時の工程の他、手直し等の異常時の工程についても定義して記憶しておく必要があり、記憶すべき関係(あるいはルール)が膨大なものとなる。もちろん、考えられる全ての関係を記憶しておけば完全な管理が可能であるが、漏れが生じることも予想される。
【0030】
そこで、本実施形態では、トラッキングポイント情報データベース24及び生産プロセスデータベース26に全ての関係を記憶するのではなく、正常処理時のみの関係を記憶し、異常処理は別の異常処理用データベースで管理する。そして、塗り直し工程などが完了した車両に対しては、トラッキングポイント通過可否判断部12はある特定の条件下でトラッキングポイント通過の可否を判断する。その条件は以下の通りである。
【0031】
(1)車両が現在通過しようとするトラッキングポイントが、最近(直前)通過したトラッキングポイントよりも上流側(ボデー着工方向)にあれば、データベースに記憶された関係によらず無条件に車両の通過を許可する。
【0032】
(2)車両が現在通過しようとするトラッキングポイントが、最近(直前)通過したトラッキングポイントよりも下流側にあれば、データベースに記憶された関係に従い通過の可否を判断する。
【0033】
本実施形態では、手直し車両を別と考えているが、手直しのために前工程に戻る車両に対しては、通常の車両と同一工程を経ることになるため、(1)の条件が必要となるのである。すなわち、(1)の条件がないと、手直し車両についてはデータベースに記憶されていないため、一律に通過が拒否されてしまい手直しが不可能となってしまうからである。
【0034】
但し、トラッキングポイント情報データベース24に当該トラッキングポイントについてその通過回数に上限が設定されている場合には、この上限に従って通過の可否を判断することが必要である。
【0035】
図6には、本実施形態の処理フローチャートが示されている。図において、トラッキングポイントとしてA、B、Cが存在し、車両が既にトラッキングポイントAを通過し、次にトラッキングポイントBを通過しようとする場面を想定している。
【0036】
まず、通過車両のNo.を受信し(S101)、車両No.に基づき通過車両の仕様データを車両仕様情報データベース22から取得する(S102)。次に、通過実績記録部14から当該車両の通過実績を取得し(S103)、これから通過しようとするトラッキングポイントBが過去に通過したポイントか否かを判定する(S104)。
【0037】
そして、過去に通過したポイントである場合、トラッキングポイントBが複数回通過可能なトラッキングポイントであるか否かをトラッキングポイント情報データベース24から取得し(S105)、通過の上限を満たしているか否かを判定する(S106)。トラッキングポイントBが1回のみの通過しか許されていないトラッキングポイントである場合、あるいは、2回の通過が許されているが今回が3回目の通過である場合には、通過不可と判定して(S111)、通過を拒否する指令を生産指示出力部18から出力する(S112)。一方、通過の上限を満たしている場合には、生産プロセスデータベース26から生産プロセス情報を取得する(S107)。また、これから通過しようとするトラッキングポイントBが過去に通過したことのないポイントである場合も、同様に生産プロセスデータベース26から生産プロセス情報を取得する(S107)。そして、通過しようとするトラッキングポイントBが直前に通過したトラッキングポイントAに対して生産プロセスの上流側に位置しているか否かを判定する(S108)。上流側に位置している場合、手直し工程であることを意味するから、生産プロセス情報として定義されていないにもかかわらず、トラッキングポイントBの通過を許可し(S109)、その旨を生産指示出力部18から出力する(S112)。
【0038】
一方、通過しようとするトラッキングポイントBが上流側にない、すなわち直前に通過したトラッキングポイントAよりも下流側に位置する場合(S108にてNO)、次に通過しようとするトラッキングポイントBは生産プロセス上の正規のルート(正常処理時の関係)として定義されているか否かを照合する(S110)。生産プロセスに存在する場合には通過可と判定し、生産プロセスに存在しない場合には通過不可と判定して生産指示出力部18から出力する(S111及びS112)。
【0039】
このように、本実施形態では、手直し工程についてはデータベースに記憶せずに別途処理し、正常処理のみについて関係を記憶するとともに、これから通過しようとするトラッキングポイントについては手直し車両であるとして生産プロセス情報として存在していなくても通過を許可することにより、簡易なデータベースで生産管理することができる。
【0040】
図7には、正常処理及び異常処理(手直し)工程を共にデータベース化した場合の生産プロセス(A)と、正常処理工程のみをデータベース化した場合の生産プロセスの関係(B)が示されている。図において、Mはメイントラッキングポイントを示し、Sはサブトラッキングポイントであることを示す。(A)では、手直しにより前工程に戻されるサブトラッキングポイント202や手直し工程時に通過するトラッキングポイント204を定義する必要があるが、(B)ではこのような手直しに伴うトラッキングポイントを定義する必要がなく、簡易なデータベースとなっていることが理解できよう。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば簡易なルールで生産ラインを管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態における生産プロセスの説明図である。
【図2】 生産ラインのモデル化に用いられる通過ポイントと工程要素との関係を示す説明図である。
【図3】 本実施形態における通過ポイント間の関係を定義するテーブル説明図である。
【図4】 本実施形態における通過ポイント間の関係を規定するテーブル説明図である。
【図5】 本実施形態に係る全体構成ブロック図である。
【図6】 他の本実施形態の処理フローチャートである。
【図7】 他の実施形態の生産プロセス説明図である。
【符号の説明】
11 工程要素、100 トラッキングポイント。

Claims (4)

  1. 生産ラインを工程要素及び前記工程要素を互いに接続するトラッキングポイントでモデル化したときの、製品毎の前記トラッキングポイントの関係及び前記トラッキングポイントと前記工程要素の関係を記憶する手段と、
    前記トラッキングポイント間の関係及び前記トラッキングポイントと前記工程要素の関係に基づき前記生産ラインを制御する手段と、
    を備え、
    前記記憶する手段は、異常処理時の関係を記憶することなく正常処理時の関係を記憶し、
    前記制御する手段は、前記関係に基づき前記製品のトラッキングポイント通過の可否を判断して制御し、前記製品が通過しようとするトラッキングポイントが直前に通過したトラッキングポイントよりも前記生産ラインの下流側に存在する場合には前記記憶する手段に記憶された前記関係を用いて通過の可否を判断し、前記製品が通過しようとするトラッキングポイントが直前に通過したトラッキングポイントよりも前記生産ラインの上流側に存在する場合には前記記憶する手段に記憶された前記関係によらずに前記製品の通過を許可することを特徴とする生産管理装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記制御する手段は、前記製品が通過しようとするトラッキングポイントの通過回数が制限されている場合には該回数に基づき通過の可否を判断することを特徴とする生産管理装置。
  3. 生産ラインを工程要素及び前記工程要素間を互いに接続するトラッキングポイントでモデル化し、
    製品毎の前記トラッキングポイント間の関係及び前記トラッキングポイントと前記工程要素の関係をコンピュータのメモリに記憶させ、
    前記トラッキングポイント間の関係及び前記トラッキングポイントと前記工程要素の関係に基づき前記生産ラインの所定位置に設けられた出力装置に前記コンピュータから指示を出力することで前記製品を前記生産ライン上で順次加工するコンピュータによる製品生産方法であって、
    前記メモリは、前記関係として異常処理時の関係を記憶することなく正常処理時の関係を記憶し、
    前記コンピュータは、前記関係に基づき前記製品のトラッキングポイント通過の可否 を判断して前記指示を出力し、前記製品が通過しようとするトラッキングポイントが直前に通過したトラッキングポイントよりも前記生産ラインの下流側に存在する場合には前記メモリに記憶された前記関係を用いて通過の可否を判断し、前記製品が通過しようとするトラッキングポイントが直前に通過したトラッキングポイントよりも前記生産ラインの上流側に存在する場合には前記メモリに記憶された前記関係によらずに前記製品の通過を許可するように指示を出力することを特徴とする製品生産方法。
  4. 請求項3記載の方法において、
    前記コンピュータは、前記製品が通過しようとするトラッキングポイントの通過回数が制限されている場合には該回数に基づき通過の可否を判断して出力することを特徴とする製品生産方法。
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