JP4244591B2 - ガラス管の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス管の製造方法に関し、さらに詳しくは、軟化させたガラス素材に穿孔治具を圧入することで、ガラス素材を漸次ガラス管に成形するガラス管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光通信技術の進歩に伴い、光ファイバの利用が高まってきている。特に、高ビットレート化、波長多重度の高度化により、情報伝達容量の高密度化が高まっており、高品質の伝送特性を持つ光ファイバが強く望まれている。
【0003】
光ファイバの製造に際しては、通常はプリフォームと呼ばれるガラス成形体を高速で線引きすることによって所望の光ファイバを得るという方法がとられている。したがって、光ファイバの形状は、プリフォームの形状および品質を引き継いでしまうため、プリフォームの形成に際しては、極めて高精度の形状および品質制御が求められている。
【0004】
例えばMCVD法は、ガラス管からなる内付け用パイプの内壁にガラス微粒子(すす)を堆積する方法であるが、このガラス管はそのまま用いられるため、非円率および偏心率が小さく、肉厚が均一で、特性の優れたものである必要がある。非円率または偏心率の大きなガラス管から作製された光ファイバは偏波分散(PMD)が大きな値となってしまう。
【0005】
このようなガラス管の製造方法の例として、特許2798465号公報や特開平7−109135号公報にピアシング法が記載されている。
【0006】
ピアシング法とは、例えば図6に示すように、ガラス素材101に穿孔治具102を当接し、穿孔治具102の当接部周辺を加熱炉103により加熱しながら穿孔治具102をガラス素材101に押圧して圧入させることで、ガラス素材101を先端側から漸次円筒状のガラス管105に成形する方法である。穿孔治具102は、少なくともガラス素材101に接触する部分が、ガラスの軟化温度で使用可能であって、ガラスと化学反応することが極めて少ない、例えばカーボン等の材料から形成されている。
【0007】
なお、加熱炉103は、ガラス素材101と穿孔治具102の当接部周辺を覆う円筒状の発熱体103aと、この発熱体103aの外周に配置された適宜の巻き数のコイル103bとを備えた構成である。コイル103bへ高周波電流を流した際の誘導加熱で、発熱体103aをガラス素材101の軟化点以上の温度に昇温させて、穿孔治具102の当接部周辺のガラス素材101を加熱する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、穿孔治具によって穿孔された直後のガラス管は、温度が軟化点以上にあり、変形しやすい。そのため、自重等によって形状が歪んで、長手方向に均一な内径及び外径を得ることが難しいという状況にあった。
【0009】
特に、ガラス素材は周囲から加熱されて軟化するため、穿孔時のガラス素材は、中心部分に比べて外周部分が高温となっている。また、穿孔の際には、穿孔した孔の内周部分が穿孔治具との接触によって冷やされる。これらの要因によって、穿孔された直後のガラス管は、内周部分より外周部分が高温になり、径方向の温度分布に大きな差が生じ、軟化しているガラス管が冷却されていく過程でその温度差により形状が歪みやすかった。
【0010】
このように、従来のピアシング法ではガラス管の形状を高精度に維持することが困難であるため、多くの場合ピアシングの後工程でガラス管の成形処理(フォーミング)が必要であった。
【0011】
本発明の目的は、穿孔直後のガラス管の変形を防止して、高品質のガラス管を得ることのできるガラス管の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係るガラス管の製造方法は、円柱状または円筒状のガラス素材の周囲に配置した発熱体によりガラス素材を加熱して軟化させ、ガラス素材の軟化した領域に穿孔治具を圧入することで、ガラス素材を漸次ガラス管に成形するガラス管の製造方法において、穿孔治具をガラス素材に圧入する際に、前記ガラス管の内圧及び外圧を制御することによりガラス管の内周側と外周側に付加される応力をそれぞれ制御することを特徴とする。
【0013】
なお、ガラス素材として、具体的には、適切な製造法によって所定の寸法に仕上げた円柱状のガラスロッドや円筒状のガラスパイプ等を使用することが挙げられる。また、ここでいう穿孔とは、円柱状のガラス素材に孔をあけることのみならず、円筒状のガラス素材の孔の内径を拡げる(拡径する)ことも含まれる。
【0014】
また、ガラス管の内圧と外圧との圧力差の変動値が13.3Pa以下となるように制御することが好ましい。
【0015】
また、ガラス管の内圧及び外圧を制御すること、及び穿孔治具をガラス素材の軟化点以上の温度に加熱することにより、ガラス管の内周側と外周側に付加される応力をそれぞれ制御することが好ましい。
ここで、穿孔治具の加熱方法としては、例えば、誘導加熱炉を用いてガラス素材を加熱し、主に黒鉛からなる穿孔治具を用いて穿孔する場合に、ガラス素材の周囲に配置する発熱体の厚さを薄くして、穿孔治具も誘導加熱することが挙げられる。
また、誘導加熱炉に用いる高周波電流の周波数を10kHz以下に下げることで、穿孔治具も誘導加熱することも可能である。
また、ガラス素材の周囲に配置する発熱体と穿孔治具の少なくとも一方の電気抵抗値を任意の値に設定することで、穿孔治具を誘導加熱することができる。
また、ガラス素材の周囲に配置する発熱体の一部に、穿孔治具に対して磁束を直接作用させる形状(例えば間隙を有する形状)に形成することで、穿孔治具を誘導加熱することもできる。
また、誘導加熱を用いずに、直接に穿孔治具を抵抗加熱させることも可能である。
【0016】
また、穿孔治具は、黒鉛からなり、少なくともガラス素材に接触する部分が、炭化ケイ素、熱分解炭素、金属炭化物のいずれかを含有するように表面処理されていることが好ましい。
また、穿孔治具の黒鉛は、黒鉛以外の不純物イオンの含有量が1ppm以下であることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るガラス管の製造方法の実施の形態を図1〜図5に基づいて説明する。
(第1実施形態)
この第1実施形態では、穿孔治具をガラス素材に圧入する際に、ガラス管の内圧及び外圧を制御することにより、ガラス管の内周側と外周側に付加される応力をそれぞれ制御する態様について説明する。
図1に示すように、本実施形態に用いられるガラス管の製造装置1は、所謂ピアシング法によってガラス管を製造するものであり、ガラスロッド3を加熱する加熱炉40と、加熱炉40の入口側に配置された入口側固定台10と、加熱炉40の出口側に配置された出口側固定台20とが設けられている。
また、孔あけされるガラスロッド3の一端には、ガラス製のダミーパイプ4が接続されている。
【0018】
入口側固定台10の上には、所望の速度で図中左右方向にスライド移動することが可能な第1送りテーブル11が備えられている。この第1送りテーブル11は、ガラスロッド3の穿孔終了端側を第1チャック12により把持して、さらに、ガラスロッド3をその長手方向の軸を中心に回転させることが可能なように構成されている。
【0019】
また、出口側固定台20の上には、第1送りテーブル11と同様に図中左右方向にスライド移動が可能な第2送りテーブル21が備えられている。第2送りテーブル21の移動速度は、第1送りテーブル11の移動速度に対応して適宜制御される。この第2送りテーブル21は、ガラスロッド3の穿孔開始端側に接続されたダミーパイプ4の一端を第2チャック22により把持して、ガラスロッド3をその長手方向の軸を中心に回転させることが可能なように構成されている。また、その回転は、第1送りテーブル11の回転に同期させるように制御可能である。
【0020】
さらに、出口側固定台20の上には、穿孔治具30を固定するための固定部材35が設けられている。穿孔治具30は、支持ロッド32と、支持ロッド32の先端に設けられた駒31を備えており、固定部材35に対して支持ロッド32が固定されている。また、支持ロッド32は、駒31と同一の中心軸を有し、さらにガラスロッド3と中心軸を一致させるように支持される。
【0021】
駒31は、ガラスロッド3の軟化温度で使用可能であって、ガラスロッド3と殆ど化学反応することのない材料から形成されている。好適には、駒31は黒鉛(グラファイト)によって形成されている。黒鉛は、ガラスが軟化する高温時においても安定性に優れているとともに、高い導電性を有している。
また、一般的な黒鉛に含まれる不純物の含有率は400ppm程度であるが、本実施形態の駒31には、高純度の黒鉛を用いることが好ましい。より好ましくは、不純物の含有量を1ppm以下とする。これにより、駒31をガラスロッド3に圧入する際に、駒31からガラスロッド3に対して不純物が浸入しにくくなる。
【0022】
さらに、駒31は、少なくともガラスに接触する部分が、炭化ケイ素(SiC)、熱分解炭素(PyC)、金属炭化物のいずれかを含有するように表面処理されていると良い。なお、金属炭化物は、例えばニオブカーバイト(NbC)、タンタルカーバイト(TaC)、チタンカーバイト(TiC)、ジルコンカーバイト(ZrC)を好適な材質として例示できる。
表面処理の方法として、例えば駒31の表面に上記の炭化ケイ素等の被膜層を形成しておくことで、強度や耐磨耗性を向上させることができ、高温状態における酸化も防止できる。さらに、このような表面処理は駒31の表面を高純度に維持することができるとともに、駒31の内部からガラスロッド3への不純物の拡散も防止することができる。
【0023】
また、本実施形態の加熱炉40は、高周波誘電加熱方式の炉であり、コイル42に交流電流を流すことで発熱体41が発熱する。発熱体41は、ガラスロッド3と駒31の当接部周辺を覆う円筒形状の黒鉛である。この発熱体41がガラスの軟化点以上の温度に発熱することによって、ガラスロッド3を加熱して軟化させる。
なお、VAD法等により作成された純度の高いガラス素材の場合、軟化点は1700℃程度である。
【0024】
次に、ガラス管の成形時に、ガラス管の内圧及び外圧を制御するための構成について述べる。
図2(a)に示すように、加熱炉40には、ガラスロッド3を加熱する空間47に連通した給気孔45及び排気孔46が形成されている。給気孔45は、図2(b)に示す給気部50に接続されている。排気孔46は、図2(b)に示す排気部55に接続されている。
【0025】
給気部50は、所望の種類のガスを供給するガス供給部51から、流量調節器(以後MFCと呼ぶ)52を介して供給管53へとガスを供給する。供給管53は、給気孔45に接続されており、空間47に向けて(矢印A1方向)所望のガスを供給する。ここで供給するガスは、成形したガラス管6の品質に悪影響を与えることのないものが好ましく、例えばアルゴン等の不活性ガスを用いることができる。
【0026】
排気部55は、排気孔46に接続された排気管56から、空間47のガスを排気(矢印B1方向)する。排気部55は、下流側に向かって順に、圧力計57と、MFC58と、機械式ダンパ60とが設けられている。
圧力計57は、空間47から排気管56に排気されてきたガスの圧力をモニタする。この圧力計57によって計測された圧力は、空間47内の圧力とほぼ等しい。MFC58は、導入管59から所望の量の余剰空気を適宜導入して、空間47から機械式ダンパ60への排出ガスの流量を調節する。すなわち、機械式ダンパ60に流れるガスの流量は、空間47から排気されるガスの量と、MFC58から導入された余剰空気の量の総和量である。機械式ダンパ60は、予め設定された所望の排気量を得るように流量が設定されている。また、機械式ダンパ60には、上流側の異常加圧を防ぐために逃し弁61が設けられている。
【0027】
このように構成された給気部50及び排気部55は、さらに、MFC52,58と、圧力計57とが、1つの制御系によって制御可能なように構成されている。これにより、圧力計57により計測された圧力を基準として、MFC52,58を制御し、空間47への給気量と排気量とを調節することができる。したがって、空間47の圧力を所望の値に制御することが可能である。
【0028】
また、加熱炉40の入口と出口には、空間47を画成するガスシール43,44が設けられている。これらのガスシール43,44は非接触型であり、ガラスロッド3及び穿孔後のガラス管6との間に微小な間隙を設けるように構成されている。
ガスシール43,44が非接触型であることから、空間47の気圧を安定させるためには、空間47の気圧が誘導加熱炉40の外部空間の気圧に比べて陽圧になるように制御することが好ましい。
【0029】
また、図2(a)に示すように、第2チャック22により把持されたダミーパイプ4の端部には、キャップ23が装着されている。キャップ23は、穿孔治具の支持ロッド32に対して相対回転しないように相互の間を密閉するように固定され、その一方、ダミーパイプ4に対しては、Oリング24を介して相互に密閉した状態で相対回転するように構成されている。
【0030】
さらに、このキャップ23には、ガラス管6の孔5に連通した給気孔25及び排気孔26が形成されている。これらの給気孔25及び排気孔26は、図2(b)に示す給気部50及び排気部55と同じ構成の給気部及び排気部に接続されている。これにより、給気孔25から孔6に向けて(矢印A2方向)、所望の流量に制御されたガスが給気されるとともに、孔6から排気孔26を通して(矢印B2方向)、所望の流量に制御されたガスが排気される。
したがって、孔6の内圧は、上述した空間47と同様にして、所望の値となるように制御することが可能である。
【0031】
本実施形態においてガラス管を製造する際には、上記の給気部及び排気部を稼働させた状態で、図1に示すように、加熱炉40の内部に送られたガラスロッド3を、発熱体41を発熱させることにより加熱して軟化させ、その軟化した領域に穿孔治具30の駒31を圧入することで、ガラスロッド3を漸次穿孔し、ガラス管6を成形してゆく。
このように、駒31をガラスロッド3に圧入する際に、ガラス管6の内圧及び外圧を制御して、ガラス管6の内周側と外周側に付加される応力をそれぞれ制御することができる。したがって、穿孔直後のガラス管6に対して、その形状を維持するように内圧及び外圧を作用させて、所望の内径及び外径を精度良く得ることができる。
【0032】
また、好ましくは、ガラス管6の内圧と外圧との圧力差がほぼ一定となるように制御すると良い。特に、内外圧の気圧差の変動値が13.3Pa以下となるように制御すると、長手方向に均一な形状のガラス管6が得られやすい。
【0033】
なお、空間47の気圧を制御する制御系と、孔6の気圧を制御する制御系は、それぞれ独立して個々の設定値に向けて制御しても良く、互いにリンクさせて内外圧の気圧差を調整するように制御しても良い。
【0034】
(第2実施形態)
この第2実施形態では、穿孔治具をガラスロッドに圧入する際に、穿孔治具をガラスロッドの軟化点以上の温度に誘導加熱することにより、ガラス管の内周側と外周側に付加される応力をそれぞれ制御する態様について説明する。
本実施形態で用いられるガラス管の製造装置の構成は、図1に示したガラス管の製造装置1とほぼ同様である。本実施形態の要部について、図3を参照して説明する。
【0035】
図3に示すように、本実施形態にて使用する加熱炉40aは、発熱体41aの厚さtを、通常の発熱体より薄く形成したものである。
誘導加熱において、被加熱部材に生じる誘導電流の密度は、コイル側の表面が最も高く、内部に向かって減少してゆく(これを表皮効果という)。すなわち、通常の誘導加熱炉では、誘導電流は加熱炉の発熱体のみに生じ、その内側の穿孔治具に誘導電流を発生させるには至らない。
【0036】
本実施形態では、通常より薄い発熱体41aを用いることによって、発熱体41aの内側に配置された駒31にも誘導電流を発生させることができ、駒31は積極的に誘導加熱される。
【0037】
また、誘導加熱の表皮効果は、被加熱部材の電気抵抗、比透磁率、及びコイルに流れる交流電流の周波数によって決まる。一般に、被加熱部材のコイル側表面の電流密度を1としたとき、電流密度が36.7%まで減衰する距離が、電流の浸透深さδと定義されている。被加熱部材の電気抵抗をρ(Ωcm)、被加熱部材の比透磁率をμ、交流電流の周波数をf(Hz)とおくと、浸透深さδ(cm)は、[数1]によって表すことができる。
【0038】
【数1】
【0039】
この[数1]に示すように、被加熱部材への誘導電流の浸透深さは、交流電流の周波数が低いほど大きく、被加熱部材の電気抵抗が高いほうが大きい。
【0040】
通常の誘導加熱炉においてコイルに流す交流電流の周波数は、40kHz程度であるが、本実施形態では、10kHz以下の周波数を用いる。これにより、誘導電流の浸透深さが大きくなり、発熱体41aだけでなく駒31にも誘導電流を発生させて、駒31を積極的に誘導加熱することができる。
【0041】
また、発熱体41a及び駒31の少なくとも一方を、所望の電気抵抗値となるように構成することにより、駒31aに誘導電流を発生させやすくすることもできる。例えば、発熱体41aを、多孔質状の黒鉛とすることにより、発熱体41aの電気抵抗値が高くなる。これによって誘導電流の浸透深さを大きくして、駒31に誘導電流を発生させやすくすることができる。
【0042】
以上述べたように、本実施形態では、発熱体41aの厚さtを薄くする方法、交流電流の周波数を低くする方法、あるいは発熱体41aや駒31の電気抵抗値を任意に設定する方法のうち、1つ以上の方法を選択的に採用することにより、発熱体41aの温度と駒31を、ともにガラスの軟化点以上の温度となるように加熱する。例えば、発熱体41aの厚さtを薄くするとともに、交流電流の周波数を低くすることにより、効果的に駒31を誘導加熱することができる。
ここで、駒31の温度は、非接触型の放射温度計を用いるか、あるいは駒31に直接熱電対を設けて測定する。そして、ガラス管6の成形時に、内周側と外周側の温度がほぼ等しくなるように、発熱体41aの厚さtと、コイル42に流す交流電流の電力を設定する。
これにより、穿孔されたガラス管6が軟化温度から冷えていく際に、ガラス管6の内周側と外周側の温度差によって付加される内部応力のばらつきを減少させることができ、ガラス管6の形状の歪みを抑えることができる。
また、従来のように穿孔治具によってガラス管6を冷やしてしまうことがないため、加熱効率が向上して、コイル42に交流電流を流すための電力を有効に利用することができる。
【0043】
(第3実施形態)
この第3実施形態では、上述した第2実施形態と同様に、穿孔治具をガラス素材の軟化点以上の温度に誘導加熱するための態様について説明する。
図4に示すように、本実施形態で用いられる加熱炉40bは、発熱体41bがガラスロッド3の穿孔方向に2つに分割された構成である。発熱体41bを分割したことにより形成された間隙に対して、駒31を並列させるように配置することにより、駒31に対してコイル42から発生した磁束を直接作用させることができる。したがって、駒31を積極的に誘導加熱して、軟化点以上の温度に昇温させることができる。
したがって、第2実施形態の場合と同じく、ガラス管6の成形時に、内周側と外周側の温度をほぼ等しくすることが可能となり、ガラス管6の形状の歪みを抑えることができる。
【0044】
(第4実施形態)
この第4実施形態では、穿孔治具をガラス素材の軟化点以上の温度に加熱する際に、抵抗加熱方式を用いた態様について説明する。
図5に示すように、本実施形態で用いられる加熱炉は、ガラスロッド3を加熱するための構成が、第1実施形態において述べた加熱炉40と同様である。一方、駒31には、この駒31に電流を流すための電源65が接続されている。駒31は、上述したようにカーボンを主体とした材質であるため、電流を流すことでジュール熱を発生させ、抵抗加熱することができる。
【0045】
このような構成により、加熱炉40の発熱体41及び駒31の加熱温度をそれぞれ制御して、ガラス管6の成形時に、内周側と外周側の温度をほぼ等しくすることができる。したがって、ガラス管6が冷えるときに内周側と外周側に付加される応力をそれぞれ制御して、ガラス管6の変形を抑えることができる。
【0046】
以上、本発明に係る第1〜第4実施形態について説明したが、本発明においてはこれらの実施形態を組み合わせて実施することもできる。例えば、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせて、ガラス管の内外圧、及び温度を同時に制御することにより、さらに効果的にガラス管の形状の歪みを防止することができる。
【0047】
なお、上述した実施形態では、円柱状のガラス素材であるガラスロッドに孔あけを行う態様について説明したが、本発明のガラス管の製造方法は、円筒状のガラス素材であるガラスパイプの孔の内径を拡径する場合についても、同様に採用することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のガラス管の製造方法によれば、穿孔直後のガラス管の変形を防止して、高品質のガラス管を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガラス管の製造方法を実施するための製造装置を示す概要図である。
【図2】図1に示した製造装置における気圧の制御を示す模式図である。
【図3】図1に示した製造装置の第2実施形態を示す要部模式図である。
【図4】図1に示した製造装置の第3実施形態を示す要部模式図である。
【図5】図1に示した製造装置の第4実施形態を示す要部模式図である。
【図6】従来のガラス管の製造方法を実施する装置の要部模式図である。
【符号の説明】
1 ガラス管の製造装置
3 ガラスロッド(ガラス素材)
4 ダミーパイプ
5 孔
6 ガラス管
10 入口側固定台
11 第1送りテーブル
12 第1チャック
20 出口側固定台
21 第2送りテーブル
22 第2チャック
30 穿孔治具
31 駒
32 支持ロッド
35 固定部材
40,40a,40b 加熱炉
41,41a,41b 発熱体
42 コイル
47 空間
50 給気部
55 排気部
Claims (4)
- 円柱状または円筒状のガラス素材の周囲に配置した発熱体により前記ガラス素材を加熱して軟化させ、前記ガラス素材の前記軟化した領域に穿孔治具を圧入することで、前記ガラス素材を漸次ガラス管に成形するガラス管の製造方法において、
前記穿孔治具を前記ガラス素材に圧入する際に、前記ガラス管の内圧及び外圧を制御することにより前記ガラス管の内周側と外周側に付加される応力をそれぞれ制御することを特徴とするガラス管の製造方法。 - 請求項1に記載のガラス管の製造方法において、前記制御は、前記ガラス管の内圧と外圧との圧力差の変動値が13.3Pa以下となるように行うことを特徴とするガラス管の製造方法。
- 請求項1または2に記載のガラス管の製造方法において、前記ガラス管の内圧及び外圧を制御すること、及び前記穿孔治具を前記ガラス素材の軟化点以上の温度に加熱することにより、前記ガラス管の内周側と外周側に付加される応力をそれぞれ制御することを特徴とするガラス管の製造方法。
- 請求項1から3の何れか一項に記載のガラス管の製造方法において、前記穿孔治具は、少なくとも前記ガラス素材に接触する部分が、炭化ケイ素、熱分解炭素、金属炭化物のいずれかを含有するように表面処理されていることを特徴とするガラス管の製造方法。
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