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JP4244782B2 - スルホン酸基含有水系分散体 - Google Patents
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JP4244782B2 - スルホン酸基含有水系分散体 - Google Patents

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Description

本発明は、分子中に親水性基を有する重合体を含む水系分散体に関するもので、さらに詳細には、バインダー、コーティング材、電池セパレーターへのコーティング材、好ましくは電池用電解質、燃料電池用高分子固体電解質、固体コンデンサー、イオン交換膜、各種センサーなどに利用可能なスルホン酸基含有水系分散体に関する。
従来、スルホン酸基、カルボキシル基(カルボン酸基)、リン酸基などの、親水性基を有する重合体が知られており、界面活性剤、乳化剤、分散剤、高分子固体電解質、イオン交換膜などに利用されている。一方、近年、このような親水性基の分散性、親水性、イオン捕捉性、小さな体積抵抗(以下、小抵抗性ということがある。)、基材への密着性といった特徴を活かして、バインダー樹脂、コーティング材、表面処理剤、電池用電解質への応用が検討されている。特に、スルホン酸基含有ポリマーは、スルホン酸基の有する強イオン性のため、上記の特徴が発現しやすく、その応用性が注目されている。例えば、特許文献1あるいは特許文献2には、アクリルアミドスルホン酸を共重合したポリマーのイオン交換膜あるいは燃料電池用高分子電解質への応用が提案されている。
しかしながら、スルホン酸基などの親水性基含有ポリマーは、その親水性基が有する親水性、換言すれば水溶性という性質上、親水性基の含有量がある程度以上高い場合には、水に対する耐性が大きく低下し、例えば膜材料、バインダー材、あるいはコーティング材として使用した場合に、水の存在下で著しく膨張し、その結果、膜の機械的強度が大幅に低下したり、基材からの剥離が生じやすくなり、耐久性が低下するといったような問題がある。このため親水性基の含有量が制限され、小抵抗性、親水性といった特徴を十分発揮するには至らなかった。
また、比較的耐水性の良いスルホン酸基含有材料として有機無機複合系の材料が、特許文献3、特許文献4及び特許文献5に開示されている。しかしながら、これらの材料は、成膜性に劣るという欠点があった。また、近年の環境問題への配慮から有機溶剤を減らすことができる水系材料が求められているものの、有機無機複合体からなるスルホン酸基含有水系材料は工業的に使用できるレベルにまで実用化されていない。
特開平11−302410号公報 特開2002−343381号公報 特開2000−90946号公報 特開2001−307752号公報 特開2001−307752号公報
本発明の目的は、十分な耐水性を保持したまま親水性基含有率を高め、体積抵抗が小さく、成膜性が向上したスルホン酸基含有水系分散体を提供することにある。
本発明は、下記(A)〜(D)成分が混合されて、エマルジョンの平均粒子径が0.01〜0.2μmに微細化され、ラジカル重合を行なうことにより得られる水系分散体であって、前記水系分散体に、スルホン酸基を有するポリマーとして、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とジアセトンアクリルアミドとの共重合体が添加されてなる、スルホン酸基を含む水系分散体、を提供するものである。
(A)一般式(1)
(R1n−Si−(OR24-n……(1)
(式中、R1は2個存在するときは同一または異なり、フェニル基または炭素数1〜8の1価の有機基、R2は同一または異なり、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基を示し、nは0〜2の整数である)
で表されるオルガノシラン、その加水分解物およびその縮合物の群から選ばれた少なくとも1種を1〜100重量部
(B)ラジカル重合性モノマー99〜0重量部[ただし、(A)+(B)=100重量部]
(C)乳化剤0.1〜50重量部[ただし、(A)+(B)=100重量部に対して]
(D)水50〜2,000重量部[ただし、(A)+(B)=100重量部に対して]
本発明の水系分散体においては、前記スルホン酸基が0.2〜5mmol/g含まれていることが好ましい。さらに、本発明の水系分散体では、水系媒体を蒸発させて得られる固体の体積抵抗が10-2〜103Ω・cmであることが好ましい。
また、本発明によれば、下記(A)〜(D)成分を混合し、エマルジョンの平均粒子径を0.01〜0.2μmに微細化する工程を含み、ラジカル重合を行なうことにより水系分散体を得るとともに、前記水系分散体に、スルホン酸基を有するポリマーとして、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とジアセトンアクリルアミドとの共重合体を添加することにより、スルホン酸基を含む水系分散体を得る、水系分散体の製造方法が提供される。
(A)一般式(1)
(R1n−Si−(OR24-n……(1)
(式中、R1は2個存在するときは同一または異なり、フェニル基または炭素数1〜8の1価の有機基、R2は同一または異なり、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基を示し、nは0〜2の整数である)
で表されるオルガノシラン、その加水分解物およびその縮合物の群から選ばれた少なくとも1種を1〜100重量部
(B)ラジカル重合性モノマー99〜0重量部[ただし、(A)+(B)=100重量部]
(C)乳化剤0.1〜50重量部[ただし、(A)+(B)=100重量部に対して]
(D)水50〜2,000重量部[ただし、(A)+(B)=100重量部に対して]
上記した水系分散体の製造方法においては、前記(A)〜(D)成分を混合し、エマルジョンの平均粒子径を0.01〜0.2μmに微細化する前および/または後において、該(A)成分の加水分解・縮合反応を促進する触媒(E)を併用することが好ましく、また、前記(B)成分を用いる場合において、ラジカル重合開始剤(F)を用いることが好ましい。
本発明の水系分散体によれば、十分な耐水性を保持したまま親水性基含有率を高め、体積抵抗が小さく、成膜性が向上するという優れた効果を奏する。
以下、本発明について順次説明する。
<ポリオルガノシロキサン>
本発明の水系分散体はポリオルガノシロキサンを必須成分として含む。ポリオルガノシロキサンは、オルガノシランの加水分解物のシラノール基が縮合してSi−O−Si結合を形成したものであるが、本発明では、シラノール基がすべて縮合している必要はなく、一部のシラノール基が縮合したもの、縮合の程度が異なっているものの混合物などをも包含した概念である。
ポリオルガノシロキサンのポリスチレン換算重量平均分子量(以下「Mw」という)は、好ましくは、800〜1,000,000、さらに好ましくは、1,000〜500,000である。ポリオルガノシロキサンのMwが800未満では水系分散体の貯蔵安定性に劣ることがあり、Mwが1,000,000を超えると成膜性が劣ることがある。なお、Mwは一般的な測定法として既に広く採用されているゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPCと略)法にてポリスチレンを標準物質に用いて測定される。
ポリオルガノシロキサンの量は、水系分散体に含まれる全固形分中に、好ましくは1〜100重量%、さらに好ましくは10〜90重量%で含まれる。ポリオルガノシロキサンの量が、1重量%未満では耐水性に劣る。
<平均粒子径>
本発明の水系分散体は、ポリオルガノシロキサンを必須成分として含む、好ましくは平均粒子径が0.002〜0.5μm、さらに好ましくは0.01〜0.2μmの重合体粒子を含有する。なお、本発明において、重合体粒子の平均粒子径は、光散乱法に基づく測定により求められた体積平均粒子径とする。重合体粒子の平均粒子径が0.002μm未満では貯蔵安定性に劣り、0.5μmを超えると耐水性に劣ったり、貯蔵安定性に劣る場合がある。
<スルホン酸基>
本発明のスルホン酸基含有水系分散体はスルホン酸基を含む。
水系分散体におけるスルホン酸基の存在場所は、重合体粒子の内部、重合体粒子の表面、水系媒体中などが挙げられる。スルホン酸基の存在形態は、ポリオルガノシロキサンと共有結合した形態、ポリオルガノシロキサン以外のポリマーと共有結合した形態、乳化剤や無機塩などの中に存在する形態が挙げられる。具体的なスルホン酸基の導入方法は後述の製造方法の説明において記載する。
スルホン酸基の量は、固形分中に好ましくは0.2〜5mmol/g、さらに好ましくは0.5〜4mmol/g、最も好ましくは1〜3mmol/gである。0.2mmol/g未満では体積抵抗が大きく、5mmol/gを超えると耐水性に劣る。
<水系媒体>
本発明の水系分散体における水系媒体は、本質的に水からなるが、場合により、アルコールなどの有機溶媒が数重量%程度まで含まれていてもよい。具体的な水の量や有機溶媒については後述の製造方法の説明において記載する。
<体積抵抗>
本発明の水系分散体は、乾燥後の固体の体積抵抗が好ましくは10-2〜103Ω・cm、さらに好ましくは10-2〜102Ω・cmである。本発明における乾燥後の固体の体積抵抗とは、水系分散体に必要に応じて後述の架橋剤、有機溶剤などを添加し、必要に応じて加熱しながら、水系分散体から水系媒体を蒸発させて得られる、厚みが1mm以下のフィルム状の固体を25℃の水中で24時間養生したときの体積抵抗をいう。本発明における体積抵抗は、25℃で湿潤した状態のフィルムに電極を接触させ、交流インピーダンスを測定することにより得られる。測定電極は電圧の負荷による化学反応を伴わないものが好ましく、例えば、白金が好ましい。抵抗測定器は一般的なインピーダンスメーターであれば、特に限定はなく、測定周波数は、例えば、1kHz程度である。
<製造方法および製造方法における各成分について>
本発明の水系分散体は、下記(A)〜(D)成分、さらには必要に応じて(E)成分を混合し、エマルジョンの平均粒子径を1μm以下に微細化する工程を含み、さらに必要に応じて(F)成分を加えてラジカル重合を行なうことにより得られる。
(A)成分
本発明の水系分散体を構成する(A)成分におけるオルガノシラン(以下、「オルガノシラン(i)」ともいう。)は、一般に、下記一般式(1)で表される。
(R1nSi(OR24-n……(1)
(式中、R1は、2個存在するときは同一または異なり、炭素数1〜8の1価の有機基を示し、R2は、同一または異なり、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基を示し、nは0〜2の整数である。)
上記オルガノシラン(i)の加水分解物は、オルガノシランに2〜4個含まれる上記一般式(1)でいうところのOR2基がすべて加水分解されている必要はなく、例えば、1個だけが加水分解されているもの、2個以上が加水分解されているもの、あるいはこれらの混合物であってもよい。
また、上記オルガノシラン(i)の縮合物は、オルガノシランの加水分解物のシラノール基が縮合してSi−O−Si結合を形成したものであるが、本発明では、シラノール基がすべて縮合している必要はなく、僅かな一部のシラノール基が縮合したもの、縮合の程度が異なっているものの混合物などをも包含した概念である。
一般式(1)において、R1の炭素数1〜8の1価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基などのアルキル基;アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、ベンゾイル基、トリオイル基、カプロイル基などのアシル基;ビニル基、アリル基、シクロヘキシル基、フェニル基、エポキシ基、グリシジル基、(メタ)アクリルオキシ基、ウレイド基、アミド基、フルオロアセトアミド基、イソシアナート基などのほか、これらの基の置換誘導体などを挙げることができる。
1の置換誘導体における置換基としては、例えば、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアミノ基、水酸基、メルカプト基、イソシアナート基、グリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、(メタ)アクリルオキシ基、ウレイド基、アンモニウム塩基などを挙げることができる。ただし、これらの置換誘導体からなるR1の炭素数は、置換基中の炭素原子を含めて8以下である。
エポキシ基、メルカプト基、ビニル基などスルホン化によってスルホン酸基を導入できる官能基を含むR1を有する(A)成分を選択し、スルホン化することで、体積抵抗の小さい水系分散体を得ることができる。
一般式(1)中に、R1が2個存在するときは、相互に同一でも異なってもよい。
また、R2の炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基などを挙げることができ、炭素数1〜6のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、カプロイル基などを挙げることができる。
一般式(1)中に複数個存在するR2は、相互に同一でも異なっていてもよい。
このようなオルガノシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどのトリアルコキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ペンチルジメトキシシラン、ジ−n−ペンチルジエトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジエトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジメトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジエトキシシラン、ジ−n−オクチルジメトキシシラン、ジ−n−オクチルジエトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランなどのジアルコキシシラン類のほか、メチルトリアセチルオキシシラン、ジメチルジアセチルオキシシランなどを挙げることができる。
これらのうち、好ましく用いられるのは、トリアルコキシシラン類、ジアルコキシシラン類であり、また、トリアルコキシシラン類としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランが好ましく、さらに、ジアルコキシシラン類としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランが好ましい。
(A)成分は、オルガノシラン(i)、該オルガノシランの加水分解物および該オルガノシランの縮合物から選ばれる少なくとも1種である。すなわち、(A)成分は、これら3種のうちの1種だけでもよいし、任意の2種の混合物であってもよいし、3種類すべてを含んだ混合物であっても良い。本発明においては、オルガノシランの縮合物を「ポリオルガノシロキサン」とも呼ぶ。本発明の水系分散体の製造における(A)成分として、ポリオルガノシロキサンを使用するとビニル化合物が重合する際の重合安定性が著しく向上し、高固形分で重合できるために工業化が容易であるという利点がある。
ポリオルガノシロキサンは、オルガノシランを予め加水分解・縮合させて、オルガノシランの縮合物として使用する。この際、ポリオルガノシロキサンを調製する際に、オルガノシランに適量の水、および必要に応じて、有機溶剤を添加することにより、オルガノシランを加水分解・縮合させることが好ましい。
ここで、水の使用量は、オルガノシラン1モルに対して、通常、1.2〜3.0モル、好ましくは1.3〜2.0モル程度である。
また、この際、必要に応じて用いられる有機溶剤としては、ポリオルガノシロキサンや後記(B)成分を均一に混合できるものであれば特に限定されないが、例えば、アルコール類、芳香族炭化水素類、エーテル類、ケトン類、エステル類などを挙げることができる。
これらの有機溶剤のうち、アルコール類の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−オクチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレンモノメチルエーテルアセテート、ジアセトンアルコールなどを挙げることができる。
また、芳香族炭化水素類の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを、エーテル類の具体例としては、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどを、ケトン類の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトンなどを、エステル類の具体例としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸プロピレンなどを挙げることができる。
これらの有機溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
なお、ポリオルガノシロキサン中に有機溶媒を含む場合には、後記する縮合・重合反応の前に、この有機溶媒を水系分散体から除去しておくこともできる。
また、ポリオルガノシロキサンの市販品には、三菱化学社製のMKCシリケート、コルコート社製のエチルシリケート、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製の変性シリコーンオイル(商品名:SFシリーズ、SHシリーズ)、GE東芝シリコーン社製の変性用シリコーンワニス(商品名:TSRシリーズ)、シリコーンレジン(商品名:TSRシリーズ)、ヒドロキシ末端ジメチルポリシロキサン(商品名:YFシリーズ)、信越化学工業社製のシリコーンアルコキシオリゴマー(商品名:Xシリーズ、KRシリーズ)、ダウコーニング・アジア社製のヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサン、日本ユニカー社製のNUC反応性シリコーンオイル(商品名:FZシリーズ)、昭和電工社製のグラスレジンなどがあり、これらをそのまま、またはさらに縮合させて使用してもよい。
(B)ラジカル重合性モノマー
(B)成分としては、ラジカル重合可能な不飽和二重結合を有するモノマーであれば、特に限定されるものではない。
(B)成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、 エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリルリレート、アミル(メタ)アクリレート、i−アミル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメタクリレートなどの(メタ)アクリル酸のエステル類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、 テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどの多官能性(メタ)アクリル酸エステル類;トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ペンタデカフルオロオクチル(メタ)アクリレートなどのフッ素原子含有(メタ)アクリルエステル類;2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−アミノプロピル(メタ)アクリレート、3−アミノプロピル(メタ)アクリレート、などのアミノ基含有(メタ)アクリルエステル類;グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類などの(メタ)アクリル化合物が挙げられる。
そのほか、(B)成分としては、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メトキシスチレン、2−ヒドロキシメチルスチレン、4−エチルスチレン、4−エトキシスチレン、3,4−ジメチルスチレン、3,4−ジエチルスチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロ−3−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、2,4−ジクロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、1−ビニルナフタレンなどの芳香族ビニル単量体;
テトラフロロエチレン、ヘキサフロロプロピレン、3,3,3−トリフロロプロピレン、クロロトリフロロエチレン、メチルトリフルオロビニルエーテル、エチルトリフルオロビニルエーテル、メトキシエチルトリフルオロビニルエーテル、エトキシエチルトリフルオロビニルエーテル、パーフロロ(メチルビニルエーテル)、パーフロロ(エチルビニルエーテル)、パーフロロ(プロピルビニルエーテル)、パーフロロ(ブチルビニルエーテル)、パーフロロ(イソブチルビニルエーテル)、パーフロロ(プロポキシプロピルビニルエーテル)などのフルオロオレフィンおよびフルオロオレフィン誘導体;
ジビニルベンゼンなどの上記以外の多官能性単量体;
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ノルマルプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−2−エチルヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N′−メチレンビスアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、マレイン酸アミド、マレイミドなどの酸アミド化合物;
アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物;
4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンなどのピペリジン系モノマー;
そのほかジカプロラクトンなどが挙げられる。
さらに、官能基を有する(B)成分として、例えば、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの上記以外の不飽和カルボン酸;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和カルボン酸無水物;アクリルアミドt−ブチルスルホン酸などの(メタ)アクリルアミドスルホン酸類;2−(メタ)アクリロイロキシエチルアシッドホスフェートなどのリン酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類;2−ヒドロキシエチルビニルエーテルなどの上記以外の水酸基含有ビニル系単量体;2−アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ基含有ビニル系単量体;1,1,1−トリメチルアミン(メタ)アクリルイミド、1−メチル−1−エチルアミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル−1−(2−ヒドロキシプロピル)アミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル−1−(2′−フェニル−2′−ヒドロキシエチル)アミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル−1−(2′−ヒドロキシ−2′−フェノキシプロピル)アミン(メタ)アクリルイミドなどのアミンイミド基含有ビニル系単量体;アリルグリシジルエーテルなどの上記以外のエポキシ基含有ビニル系単量体などを挙げることができる。
以上の(B)成分のうちでは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル化合物、酸アミド化合物、(メタ)アクリルアミドスルホン酸類が好ましく、なかでも、アクリル酸、メタクリル酸、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ペンタデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、アクリルアミドt−ブチルスルホン酸が特に好ましい。
アクリルアミドt−ブチルスルホン酸などスルホン酸基を有するモノマーを用いることで有機無機複合体に直接スルホン酸基を導入することができ、体積抵抗を小さくすることができる。また、フェニル基、アルコール性水酸基、エポキシ基、メルカプト基などスルホン化によってスルホン酸基を導入できる官能基を含む(B)成分を選択し、スルホン化することでも、体積抵抗を小さくすることができる。
なお、(B)成分中に、酸性官能基を含むラジカル重合性モノマーを使用すると、後述する(E)成分として優れた効果を示すため好ましい。
本発明の水系分散体における(A)成分と(B)成分との配合割合は、(A)成分の合計量が、好ましくは1〜100重量部、さらに好ましくは1〜95重量部、特に好ましくは10〜90重量部、(B)成分が好ましくは99〜0重量部、さらに好ましくは99〜5重量部、特に好ましくは90〜10重量部〔ただし、(A)+(B)=100重量部〕である。ここで、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシシランなど(A)成分としても(B)成分としても作用する成分については、その重量を2で除し、(A)成分および(B)成分として扱うものとする。
(B)成分の割合が99重量部を超えると、耐水性の悪化が顕著となり好ましくない。
(C)乳化剤
乳化剤として用いられる界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エステル(塩)、アルキルアリール硫酸エステル(塩)、アルキルリン酸エステル(塩)、脂肪酸(塩)などのアニオン系界面活性剤;アルキルアミン塩、アルキル四級アミン塩などのカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ブロック型ポリエーテルなどのノニオン系界面活性剤;カルボン酸型(例えば、アミノ酸型、ベタイン酸型など)、スルホン酸型などの両性界面活性剤、商品名で、ラテムルS−180A〔花王社製〕、エレミノールJS−2〔三洋化成社製〕、アクアロンHS−10、KH−10〔第一工業製薬社製〕、アデカリアソープSE−10N、SR−10〔旭電化工業社製〕、Antox MS−60〔日本乳化剤社製〕などの反応性乳化剤などのいずれでも使用可能である。
アルキル硫酸エステル、アルキルアリール硫酸エステルなどのスルホン酸基を有する乳化剤を酸型のまま用いることで体積抵抗を小さくすることができる。
特に、反応性乳化剤を用いると、耐水性に優れ好ましい。
親水性基を有するポリマーのうち分散機能を有するものも乳化剤として使用することができる。このようなポリマーとしては、スチレン・マレイン酸共重合体、スチレン・アクリル酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール、ポリイソプレンのスルホン化物、水添スチレン・ブタジエン共重合体のスルホン化物、スチレン・マレイン酸共重合体のスルホン化物、スチレン・アクリル酸共重合体のスルホン化物などを挙げることができる。特にスルホン酸基を有するポリマーを酸型のまま用いることで体積抵抗を小さくすることができる。このようなポリマーとしては、ポリイソプレンのスルホン化物、水添スチレン・ブタジエン共重合体のスルホン化物、スチレン・マレイン酸共重合体のスルホン化物、スチレン・アクリル酸共重合体のスルホン化物などを挙げることができる。
これらの乳化剤は、1種単独であるいは2種以上を併用することができる。
乳化剤の使用量は特に限定されるものではないが、(A)成分と(B)成分の合計量100重量部に対し、通常、0.1〜50重量部、好ましくは0.2〜20重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量部である。0.1重量部未満では、乳化が充分でなく、また、加水分解・縮合およびラジカル重合時の安定性が低下し好ましくない。一方、50重量部を超えると、泡立ちおよび耐水性が問題となり好ましくない。
(D)水
本発明の水系分散体の製造に用いられ水系媒体の主要成分となる水は、あらかじめ添加された(A)成分の水系の混合液中に存在する水であってもよく、あるいは、(A)成分の混合物にさらに(C)乳化剤とともに添加される水であってもよい。
水の使用量は特に限定されるものではないが、(A)成分および(B)成分の合計量100重量部に対し、通常、50〜2,000重量部、好ましくは80〜1,000重量部、さらに好ましく100〜500重量部である。50重量部未満では、乳化が困難であったり、乳化後のエマルジョンの安定性が低下したりするため、好ましくない。一方、2,000重量部を超えると、生産性が低下するため好ましくない。
(E)加水分解触媒
(A)〜(D)成分を混合し、エマルジョンの平均粒子径を1μm以下に微細化する前および/または後で、(A)成分の加水分解・縮合反応を促進する触媒(E)を併用しても良い。
(E)成分を使用することにより、重合安定性を高めるとともに、使用される(A)成分の重縮合反応により生成されるポリシロキサン樹脂の分子量が大きくなり、耐水性に優れた材料を得ることができる。
このような(E)成分としては、酸性化合物、アルカリ性化合物、塩化合物、アミン化合物、有機金属化合物および/またはその部分加水分解物(以下、有機金属化合物および/またはその部分加水分解物をまとめて「有機金属化合物等」という)が好ましい。
上記酸性化合物としては、例えば、酢酸、塩酸、硫酸、リン酸、アルキルチタン酸、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、フタル酸などを挙げることができ、好ましくは、塩酸、硫酸、リン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸である。
また、上記アルカリ性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを挙げることができるが、体積抵抗が大きくなることがあるので、アルカリ性化合物は使用しないことが好ましい。
また、上記塩化合物としては、例えば、ナフテン酸、オクチル酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸などのアルカリ金属塩などを挙げることができる。
また、上記アミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ピペリジン、ピペラジン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、エタノールアミン、トリエチルアミン、3−アミノプロピル・トリメトキシシラン、3−アミノプロピル・トリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)−アミノプロピル・トリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)−アミノプロピル・トリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)−アミノプロピル・メチル・ジメトキシシラン、3−アニリノプロピル・トリメトキシシランや、アルキルアミン塩類、四級アンモニウム塩類のほか、エポキシ樹脂の硬化剤として用いられる各種変性アミンなどを挙げることができ、好ましくは、3−アミノプロピル・トリメトキシシラン、3−アミノプロピル・トリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)−アミノプロピル・トリメトキシシランである。
また、上記有機金属化合物等としては、例えば、下記一般式(2)で表される化合物(以下「有機金属化合物(2)」という)、同一のスズ原子に結合した炭素数1〜10のアルキル基を1〜2個有する4価スズの有機金属化合物(以下、「有機スズ化合物」という。)、あるいは、これらの化合物の部分加水分解物などを挙げることができる。
M(OR3r(R4COCHCOR5s……(2)
〔式中、Mはジルコニウム、チタンまたはアルミニウムを示し、R3およびR4は、同一または異なって、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基などの炭素数1〜6の1価の炭化水素基を示し、R5は、R3およびR4と同様の炭素数1〜6の1価の炭化水素基のほか、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ラウリルオキシ基、ステアリルオキシ基などの炭素数1〜16のアルコキシル基を示し、rおよびsは0〜4の整数で、(r+s)=(Mの原子価)である。〕
有機金属化合物(2)の具体例としては、
(イ)テトラ−n−ブトキシジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・エチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどの有機ジルコニウム化合物;
(ロ)テトラ−i−プロポキシチタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセテート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトン)チタニウムなどの有機チタン化合物;
(ハ)トリ−i−プロポキシアルミニウム、ジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム、ジ−i−プロポキシ・アセチルアセトナートアルミニウム、i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノアセチルアセトナート・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどの有機アルミニウム化合物;
などを挙げることができる。
これらの有機金属化合物(2)およびその部分加水分解物のうち、トリ−n−ブトキシ・エチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、あるいは、これらの化合物の部分加水分解物が好ましい。
また、有機スズ化合物の具体例としては、
(C492Sn(OCOC11232
(C492Sn(OCOCH=CHCOOCH32
(C492Sn(OCOCH=CHCOOC492
(C8172Sn(OCOC8172
(C8172Sn(OCOC11232
(C8172Sn(OCOCH=CHCOOCH32
(C8172Sn(OCOCH=CHCOOC492
(C8172Sn(OCOCH=CHCOOC8172
(C8172Sn(OCOCH=CHCOOC16332
(C8172Sn(OCOCH=CHCOOC17352
(C8172Sn(OCOCH=CHCOOC18372
(C8172Sn(OCOCH=CHCOOC20412



(C492SnOCOCH3



(C492SnOCOCH3
(C49)Sn(OCOC11233
(C49)Sn(OCONa)3
などのカルボン酸型有機スズ化合物;
(C492Sn(SCH2COOC8172
(C492Sn(SCH2CH2COOC8172
(C8172Sn(SCH2COOC8172
(C8172Sn(SCH2CH2COOC8172
(C8172Sn(SCH2COOC12252
(C8172Sn(SCH2CH2COOC12252
(C49)Sn(SCOCH=CHCOOC8173
(C817)Sn(SCOCH=CHCOOC8173
(C492Sn(SCH2COOC817



(C492Sn(SCH2COOC817
などのメルカプチド型有機スズ化合物;
(C492Sn=S、(C8172Sn=S、
(C492Sn=S



(C492Sn=S
などのスルフィド型有機スズ化合物;
(C49)SnCl3、(C492SnCl2
(C8172SnCl2
(C492Sn−Cl



(C492Sn−Cl
などのクロライド型有機スズ化合物;
(C492SnO、(C8172SnOなどの有機スズオキサイドや、これらの有機スズオキサイドとシリケート、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フタル酸ジオクチルなどのエステル化合物との反応生成物;
などを挙げることができる。
なお、(E)成分として、アクリル酸、メタクリル酸などのラジカル重合性の酸を含むと、(B)成分として共重合することから、耐水性を劣化させることがないという効果が得られる。
(E)成分の使用量は特に限定されるものではないが、上記(A)成分の100重量部に対して、通常、0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜3重量部である。
(F)ラジカル重合開始剤
(B)成分を用いる場合、ラジカル重合開始剤(F)が用いられる。ラジカル重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシマレイン酸、コハク酸パーオキサイド、2,2′−アゾビス〔2−N−ベンジルアミジノ〕プロパン塩酸塩などの水溶性開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、クミルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシオクトエート、アゾビスイソブチロニトリルなどの油溶性開始剤;酸性亜硫酸ナトリウム、ロンガリット、アスコルビン酸などの還元剤を併用したレドックス系開始剤などが使用できる。
これらの(F)成分のなかでも、重合安定性の面から、水溶性開始剤が好ましい。
これらのラジカル重合開始剤の使用量は特に限定されないが、(B)成分の100重量部に対して、0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜4重量部、さらに好ましくは0.1重量部〜3重量部である。0.01重量部未満では、ラジカル重合反応が途中で失活することがあり、一方、5重量部を超えると、耐水性に劣る場合がある。
<水系分散体の製造>
本発明の水系分散体は、上記(A)〜(D)成分を混合し、エマルジョンの平均粒子径を1μm以下に微細化した後、必要に応じて上記(F)成分を加えてラジカル重合を行なうことにより得られる。
また、微細化は、高圧ホモジナイザー、超音波、ホモミキサーなどの機械的手段を用いて、系をミニエマルジョン化する。この際、エマルジョンの平均粒子径を好ましくは1μm以下、さらに好ましくは0.01〜0.5μm、特に好ましくは0.01〜0.2μmとする。エマルジョンの平均粒子径が1μmを超えると、耐水性が劣り好ましくない。
また、ラジカル重合反応の反応条件は、温度が、通常、25〜120℃、好ましくは40〜90℃、反応時間は、通常、0.5〜15時間、好ましくは1〜8時間である。
また、本発明の水系分散体中に、上記(A)成分の調製時に必要に応じて用いられる有機溶媒を含む場合には、この有機溶媒を水系分散体から除去しておくこともできる。
さらに、本発明の水系分散体中には、必要に応じて、(A)成分の調製時に用いられる上記のような各種有機溶媒を添加することもできる。なお、引火性を持たないようにするために、引火性有機溶媒は、加熱・蒸留などの手段で低減させておくことが望ましい。
本発明のスルホン酸基含有水系分散体はスルホン酸基を含む。
スルホン酸基の導入方法を例示すると、
a.エポキシ基、メルカプト基、ビニル基などスルホン化によってスルホン酸基を導入できる官能基を含むR1を有する(A)成分を導入し、スルホン化する方法。
b.アクリルアミドt−ブチルスルホン酸などスルホン酸基を有するモノマーを製造に用いることでスルホン酸基を導入する方法。
c.エポキシ基、メルカプト基などスルホン化によってスルホン酸基を導入できる官能基を含む(B)成分を導入し、スルホン化する方法。
d.アルキル硫酸エステル、アルキルアリール硫酸エステルなどのスルホン酸基を有する乳化剤を酸型のまま用いる方法。
e.スルホン酸基を有するポリマーを添加する方法。
上記a、cのスルホン化は公知の方法を用いることができ、例えば、官能基がエポキシ基の場合は硫酸を添加することにより、官能基がメルカプト基の場合は過酸化水素などの酸化剤を添加することにより、官能基がビニル基など不飽和2重結合の場合は亜硫酸水素を添加することによりスルホン化する事ができる。
b.アクリルアミドt−ブチルスルホン酸などスルホン酸基を有するモノマーを製造に用いることでスルホン酸基を導入する方法では、(b−1)(B)成分としてスルホン酸基を有するモノマーを(A)成分と混合して用いる方法、(b−2)微細乳化の後、スルホン酸基を有するモノマーを添加、次いで(F)成分を添加して重合する方法、(b−3)微細乳化の後、(F)成分を添加、次いでスルホン酸基を有するモノマーを添加して重合することもできる。
耐水性の点からbの方法が好ましく、重合安定性の点から(b−2)または(b−3)の方法が好ましい。
e.スルホン酸基を有するポリマーとしては、特に制限はなく、例えば、ポリブタジエンのスルホン化物、ポリイソプレンのスルホン化物など共役ジエン(共)重合体のスルホン化物;ポリスチレンのスルホン化物、スチレン・ブタジエン共重合体のスルホン化物、水添スチレン・ブタジエン共重合体のスルホン化物、スチレン・マレイン酸共重合体のスルホン化物、スチレン・アクリル酸共重合体のスルホン化物、アセトフェノン系ケトン樹脂のスルホン化物、芳香族ポリイミド樹脂のスルホン化物、ポリエーテルサルホン樹脂のスルホン化物など芳香族系(共)重合体のスルホン化物;イソプレンスルホン酸、アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸などスルホン酸基含有モノマーの(共)重合体;デュポン社製NAFION(商品名)に代表されるスルホン酸基を有するフッ素系ポリマーが挙げられる。これらスルホン酸基を有するポリマーの量は、水系分散体の固形分100重量%に対して、好ましくは99重量%以下、さらに好ましくは50重量%以下、最も好ましくは30重量%以下である。99重量%を超えると耐水性に劣る。スルホン酸基を有するポリマーの添加は、製造の初期から製造後までのいずれかの工程で実施すればよく、(D)成分の水に溶解または分散して製造の初期に添加する方法、乳化機能を有するスルホン酸基を有するポリマーであれば(C)成分として製造の初期に添加する方法、製造後かつ成膜の直前に添加する方法などが挙げられる。
本発明では、a〜eのうち、eの方法を採用する。
スルホン酸基の量は、a、cの方法では導入する官能基量とスルホン化剤の量により、bの方法ではスルホン酸基を有するモノマーの量により、dの方法では酸型の乳化剤の量により、eの方法では添加するポリマー中のスルホン酸基の量により調整することができる。
<添加剤>
本発明のスルホン酸基含有水系分散体は、必要に応じて、架橋剤、溶剤、粒子などの各種添加剤を使用することもできる。
(架橋剤)
(A)成分および/または(B)成分により導入された官能基と反応して硬化物を形成できる化合物を架橋剤として使用することができる。
このような架橋剤としては、たとえば、(ポリ)メチロール化メラミン、(ポリ)メチロール化グリコールウリル、(ポリ)メチロール化ベンゾグアナミン、(ポリ)メチロール化ウレアなどの活性メチロール基の全部または一部をアルキルエーテル化した含窒素化合物;
ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレンおよびその共重合体、低分子フェノール化合物などのフェノール樹脂;
フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂などのエポキシ化合物;
などが挙げられる。
(B)成分としてジアセトンアクリルアミドを用いた場合など、カルボニル基が水系分散体に導入されている場合、アジピン酸ジヒドラジドなど多価ヒドラジド化合物を架橋剤として用いることができる。
(E)成分は(A)成分の硬化触媒としても働き、後添加する架橋剤としては、特に有機金属化合物が好適に用いられる。
(溶剤)
本発明に用いられる溶剤は、スルホン酸基含有水系分散体の取り扱い性を向上させたり、粘度や保存安定性を調節したりするために添加される。
このような溶剤は、本発明の目的を損なわない有機溶媒であれば特に限定されないが、たとえば、
メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノールなどのアルコール類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;
プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;
ブチルカルビトール等のカルビトール類;
乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピル等の乳酸エステル類;
酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;
3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等のエステル類;
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;
2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;
N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;
γ−ブチロラクン等のラクトン類が挙げられる。また、必要に応じて、脂肪族炭化水素類などを混合して使用してもよい。
これらの溶媒は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
(その他の添加剤)
本発明に係るスルホン酸基含有水系分散体は、無機あるいは有機の粒子、密着助剤、増感剤、レベリング剤、着色剤などその他の添加剤を含有していてもよい。
無機粒子としては、たとえば、SrTiO3、FeTiO3、WO3、SnO2、Bi23、In23、ZnO、Fe23、RuO2、CdO、CdS、CdSe、GaP、GaAs、CdFeO3、MoS2、LaRhO3、GaN、CdP、ZnS、ZnSe、ZnTe、Nb25、ZrO2、InP、GaAsP、InGaAlP、AlGaAs、PbS、InAs、PbSe、InSb、SiO2、Al23、AlGaAs、Al(OH)3、Sb25、Si34、Sn−In23、Sb−In23、MgF、CeF3、CeO2、3Al23・2SiO2、BeO、SiC、AlN、Fe、Co、Co−FeOx、CrO2、Fe4N、BaTiO3、BaO−Al23−SiO2、Baフェライト、SmCO5、YCO5、CeCO5、PrCO5、Sm2CO17、Nd2Fe14B、Al43、α−Si、SiN4、CoO、Sb−SnO2、Sb25、MnO2、MnB、Co34、Co3B、LiTaO3、MgO、MgAl24、BeAl24、ZrSiO4、ZnSb、PbTe、GeSi、FeSi2、CrSi2、CoSi2、MnSi1.73、Mg2Si、β−B、BaC、BP、TiB2、ZrB2、HfB2、Ru2Si3、TiO2(ルチル型、アナターゼ型)、TiO3、PbTiO3、Al2TiO5、Zn2SiO4、Zr2SiO4、2MgO2−Al23−5SiO2、Nb25、Li2O−Al23−4SiO2、Mgフェライト、Niフェライト、Ni−Znフェライト、Liフェライト、Srフェライト、Pt、Au、Ag、Fe、Cuなどが挙げられる。このような金属酸化物あるいは金属粒子を使用することにより、スルホン酸基含有水系分散体を硬化して得られる硬化膜の屈折率などの光学特性制御、誘電率や絶縁性、導電性などの電気特性を制御することができる。これら粒子は単独で使用できるが、カーボンブラックや炭酸カルシウムなどの粒子上に担持されたものでもよい。
本発明のスルホン酸基含有水系分散体は、コーティング材、特に電池セパレーター用不織布のコーティング材やバインダー樹脂、高分子固体電解質膜など種々用途に応用可能である。また、種々用途に応用する際、物性等を改良するために、他のポリマーを併用することもできる。他のポリマーとしては、例えばウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル、ポリスチレン、ポリエステルアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、SBRやNBRなどのジエン系ポリマーなど公知のものが挙げられる。
また、本発明のスルホン酸基含有水系分散体は、キャストフィルム成形などの成形法を用いて精度の良いフィルムを得ることができ、例えば、イオン交換膜などに好適に用いることができる。
本発明のスルホン酸基含有水系分散体は、通常、単品あるいは各種添加物を加えた配合物として使用される。コーティング材として使用する場合、コーティング方法には特に制限なく、刷毛塗り、スプレー、ロールコーター、フローコーター、バーコーター、ディップコーターなどを使用することができる。塗布膜厚は、用途によって異なるが、乾燥膜厚で、通常、0.01〜1,000μm、好ましくは0.05〜500μmである。
また、使用される基材には特に制限はなく、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロンなどの高分子材料、アルミニウム、銅、ジュラルミンなどの非鉄金属、ステンレス、鉄などの鋼板、ガラス、木材、紙、石膏、アルミナ、無機質硬化体などが挙げられる。基材の形状に特に制限はなく、平面状のものから不織布などの多孔質材料などにも使用できる。
本発明のスルホン酸基含有水系分散体は、乾燥膜として燃料電池などの高分子固体電解質や、基材表面の改質剤として使用できる。例えば、疎水性表面にコーティングすることにより、親水性、吸湿性の発現あるいはその維持が可能となる。また、静電気などによる汚れ、埃付着防止が可能である。さらに、不織布などの多孔質材料にコーティングした場合には、例えば空気中あるいは水中に存在するアンモニア、アミンなどの弱塩基、またはイオン性物質の捕捉作用を示す。また、電池用セパレータの表面をコーティング処理することにより、電池用電解質との親和性が向上し、自己放電特性など電池特性の向上に繋がるといった効果も期待できる。加えて、前記の各種粒子を高度に分散させることも特徴の一つであり、粒子がもつ機能性を十分発揮できるという特徴もある。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、この実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例、比較例における各種の評価、測定は、下記方法により実施した。
<評価方法>
(平均粒子径の測定)
得られた分散体について、日機装社製のマイクロトラック粒度分布測定装置(UPA150)を用いて体積平均粒子径を測定した。
(貯蔵安定性の測定)
得られた分散体80gを100ccのガラス製スクリュー管に入れて密閉し、25℃で3日間静置してから、分散体の状態を目視観察し、以下の基準で貯蔵安定性を判定した。
○:沈殿も増粘も見られず、初期の状態を維持した。
△:少量の沈殿、または、増粘が観察された。
×:透明な上澄みと白色の沈殿に分離、または、系全体がゲル化した。
(スルホン酸基量の測定)
得られた分散体について、フェノールフタレインを指示薬、水酸化カリウムエタノール溶液を塩基とした酸塩基滴定でスルホン酸基量を測定した。
(耐水性の評価)
得られた分散体を、乾燥後の膜厚が0.2mmとなるように4フッ化エチレン重合体(登録商標:テフロン)製の枠に流し、25℃にて24hr放置して溶媒を揮発させた。次いで150℃で1時間加熱処理した後、温度25℃、相対湿度60%にて24時間養生した。得られた膜を60℃で水中に12時間浸漬した後に乾燥、浸漬前後の重量変化から膜残存率を測定した。
(体積抵抗の測定)
得られた分散体を、乾燥後の膜厚が0.2mmとなるように4フッ化エチレン重合体(登録商標:テフロン)製の枠に流し、25℃にて24hr放置して溶媒を揮発させた。次いで150℃で1時間加熱処理した後、温度25℃、相対湿度60%にて24時間養生した。得られた膜を25℃で水中に24時間浸漬した後、白金箔を付けた2つのテフロンブロック間に挟み、四隅を止めて測定セルを作成した。この際、膜に対して垂直方向から見たときに、各白金箔間の間隔が0.5cmとなるように調整した。本セルの白金電極部分に、日置電機社製3532−80ケミカルインピーダンスメータを接続し、両白金電極間の交流インピーダンスを周波数1kHzにて測定して該フィルムの体積抵抗を算出した。
参考例1
(スルホン化によってスルホン酸基を導入できる官能基を含むR1を有する(A)成分を導入し、スルホン化する方法)
〔メルカプト基含有エマルジョンの合成〕
(A)ポリオルガノシロキサン(X40−9246:信越シリコーン社製、ジメチルジメトキシシラン50モル%とメチルトリメトキシシラン50モル%からなる平均分子量870の縮合体)45重量部、γ―メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM−803:信越シリコーン社製)15重量部、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1重量部、(B)メチルメタクリレート15重量部、2−エチルヘキシルアクリレート10重量部、シクロヘキシルメタクリレート8重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート2重量部、ジアセトンアクリルアミド4重量部、(C)ドデシルベンゼンスルホン酸0.8重量部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(エマルゲン147:花王社製)3重量部、(D)水300重量部をビーカーに仕込み、常温にて2時間攪拌を行った後、70MPaの圧力で高圧ホモジナイザー(みずほ工業社製、商品名:マイクロフルイダイザーM110Y)で微細化した。このときの平均粒子径は0.14μmであった。この乳化物をセパラブルフラスコに投入し、撹拌しながら、窒素置換後に、(F)アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部を加え、75℃で4時間重合した。
〔メルカプト基の酸化〕
重合反応終了後、60℃まで冷却し、10%過酸化水素水100重量部および1%硫酸第一鉄水溶液250重量部を添加し、60℃にて1時間攪拌して酸化反応を行なった。冷却後、200メッシュのステンレス金網でろ過し、スルホン酸基含有水系分散体を得た。得られた水系分散体について上記の方法に従って、各種測定、試験を行ない、結果を表1に示した。なお、成膜前に架橋剤として(E)アジピン酸ジヒドラジド2重量部を加えた。
参考例2
(スルホン酸基を有するモノマーを製造に用いることでスルホン酸基を導入する方法)
(A)X40−9246 60重量部、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1重量部、(B−1)イソプロピルアクリルアミド8重量部、2−エチルヘキシルアクリレート4重量部、シクロヘキシルメタクリレート4重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート1重量部、ジアセトンアクリルアミド2重量部、(C)ドデシルベンゼンスルホン酸0.8重量部、およびエマルゲン147 3重量部、(D)水300重量部を仕込み、常温にて2時間攪拌を行った後、70MPaの圧力で高圧ホモジナイザー(マイクロフルイダイザーM110Y)で微細化した。このときの平均粒子径は0.10μmであった。この乳化物をセパラブルフラスコに投入し、昇温を開始、反応器内温度60℃にて(F)アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部を加え、75℃で30分間重合、さらに水100重量部に(B−2)2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸20重量部、オクチルチオグリコール0.5重量部を溶解した水溶液70.5重量部を30分間かけて前記セパラブルフラスコに滴下し、75℃に保ちながら3時間攪拌を続けてから冷却した。これを200メッシュのステンレス金網でろ過し、スルホン酸基含有水系分散体を得た。得られた水系分散体について上記の方法に従って、各種測定、試験を行ない、結果を表1に示した。なお、成膜前に架橋剤として(E)アジピン酸ジヒドラジド1重量部とジブチルスズジラウレート1部を加えた。
参考例3
(スルホン酸基を導入できる官能基を含む(B)成分を導入し、スルホン化する方法)
〔前駆体エマルジョンの合成〕
(A)X40−9246 60重量部、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1重量部、(B)グリシジルメタクリレート33重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート2重量部、ジアセトンアクリルアミド4重量部、(C)ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1重量部、エマルゲン147 3重量部、(D)水300重量部を仕込み、常温にて2時間攪拌を行った後、70MPaの圧力で高圧ホモジナイザー(マイクロフルイダイザーM110Y)で微細化した。このときの平均粒子径は0.11μmであった。この乳化物をセパラブルフラスコに投入し、撹拌しながら、窒素置換後に、(F)アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部を加え、75℃で4時間重合した。
〔メルカプト基の導入と酸化)
重合反応終了後、60℃まで冷却し、2−メルカプトエチルアミン18重量部を添加して1時間攪拌、さらに10%過酸化水素水100重量部および1%硫酸第一鉄水溶液250重量部を添加し、60℃にて1時間攪拌して酸化反応を行なった。冷却後、200メッシュのステンレス金網でろ過し、スルホン酸基含有水系分散体を得た。得られた水系分散体について上記の方法に従って、各種測定、試験を行ない、結果を表1に示した。なお、成膜前に架橋剤として(E)アジピン酸ジヒドラジド2重量部を加えた。
実施例
(スルホン酸基を有するポリマーを添加する方法)
(A)X40−9246 60重量部、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1重量部、(B−1)イソプロピルアクリルアミド8重量部、2−エチルヘキシルアクリレート4重量部、シクロヘキシルメタクリレート4重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート1重量部、ジアセトンアクリルアミド2重量部、(C)ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1重量部、およびエマルゲン147 3重量部、(D)水300重量部を仕込み、常温にて2時間攪拌を行った後、70MPaの圧力で高圧ホモジナイザー(マイクロフルイダイザーM110Y)で微細化した。このときの平均粒子径は0.10μmであった。この乳化物をセパラブルフラスコに投入し、攪拌・昇温を開始、反応器内温度60℃にてアゾビスイソブチロニトリル0.2重量部を加え、75℃に保ちながら3時間攪拌を続けてから冷却し、スルホン酸基を含有しない水系分散体を得た。
別のセパラブルフラスコに、水100重量部、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸20重量部、ジアセトンアクリルアミド2重量部、オクチルチオグリコール0.5部を仕込み、昇温を開始、反応器内温度60℃にて(F)アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部を加え、75℃に保ちながら3時間攪拌を続けてから冷却し、スルホン酸基を有するポリマーを得た。
前記スルホン酸基を含有しない水系分散体を攪拌しながら、この中に、前記スルホン酸基を有するポリマーを添加、これを200メッシュのステンレス金網でろ過し、スルホン酸基含有水系分散体を得た。得られた水系分散体について上記の方法に従って、各種測定、試験を行ない、結果を表1に示した。なお、成膜前に架橋剤として(E)アジピン酸ジヒドラジド2重量部とジブチルスズジラウレート1部を加えた。
参考例4
(平均粒子径が大きな例)
参考例1において(C)成分としてドデシルベンゼンスルホン酸0.05重量部のみを用いた以外は同様の操作を行った。
比較例1
(ポリオルガノシロキサンを含まない例)
参考例2にて、(A)成分を加えず、(B)成分を(B−1)イソプロピルアクリルアミド38重量部、2−エチルヘキシルアクリレート 20重量部、シクロヘキシルメタクリレート19重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート1重量部、ジアセトンアクリルアミド2重量部、および(B−2)2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸20重量部とした以外は同様の操作を行った。
比較例2
(スルホン酸基を含まない例)
参考例2にて(B−1)イソプロピルアクリルアミド18重量部、2−エチルヘキシルアクリレート9重量部、シクロヘキシルメタクリレート9重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート1重量部、ジアセトンアクリルアミド2重量部、(C)ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.8重量部とし、(B−2)2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸を加えなかった以外は同様の操作を行った。
Figure 0004244782
表1に示すように、実施例1、参考例1〜4は平均粒子径が0.002〜1μmの範囲内にあり、スルホン酸基を有するため、耐水性および体積抵抗がともに良好な結果となった。
比較例1は、耐水性を発現するポリオルガノシロキサンが含まれていないため、耐水性が劣る結果となった。
比較例2は、スルホン酸基が含まれていないため、体積抵抗が大きい結果となった。
本発明のスルホン酸基含有水系分散体は、コーティング材、特に電池セパレーター用不織布のコーティング材やバインダー樹脂、高分子固体電解質膜など種々用途に適用可能である。また、フィルムにも適用でき、例えば、イオン交換膜などに好適に用いることができる。
本発明のスルホン酸基含有水系分散体は、乾燥膜として燃料電池などの高分子固体電解質や、基材表面の改質剤として使用できる。
本発明のスルホン酸基含有水系分散体は、種々用途に応用可能である。多孔質材料などに応用した場合には、例えば繊維用カチオン染色助剤、吸水性不織布、防汚材料、イオン交換繊維、電池用セパレータ親水化処理剤、アンモニア、イオン性物質などを除去するための空気清浄フィルター、水清浄フィルターなどのフィルター用途、白血球除去用フィルター、花粉症アレルゲン除去材料、水蒸気透過材料、抗菌材料、消臭繊維、消臭塗料、消臭性紙、防曇材、結露防止材料などの調湿材料、帯電防止材料、防食材料、酸素吸収剤、衛生用品、活性炭の表面改質などが挙げられる。また、フロアポリッシュ用、マスキング材、紙用サイズ材、紙力増強材、接着剤、ハロゲン化銀写真感光材料などの写真材料などへの応用も可能である。
また、本発明のスルホン酸基含有水系分散体は、各種機能性粒子を組み合わせることにより、種々用途に適用可能である。例えば、一般塗料、回路基板用塗料、導電性材料、固体電解質のバインダー、あるいは電極物質用バインダーなどの電池材料、電磁波シールド材料、帯電防止塗料、面状発熱体、電気化学的反応電極版、電気接点材料、摩擦材、抗菌材料、摺動材、研磨材料、磁気記録媒体、感熱記録材料、エレクトロクロミック材料、光拡散フィルム、通信ケーブル用遮水材、遮光フィルム、遮音シート、プラスチック磁石、X線増感スクリーン、印刷インキ、農薬粒剤、電子写真トナーなどが挙げられる。また、表面保護用のコーティング材として、例えばステンレス、アルミニウム、銅などの金属、コンクリート、スレートなどの無機物、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルなどの高分子材料、木材、紙への応用も可能である。

Claims (10)

  1. 下記(A)〜(D)成分が混合されて、エマルジョンの平均粒子径が0.01〜0.2μmに微細化され、ラジカル重合を行なうことにより得られる水系分散体であって、
    前記水系分散体に、スルホン酸基を有するポリマーとして、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とジアセトンアクリルアミドとの共重合体が添加されてなる、スルホン酸基を含む水系分散体。
    (A)一般式(1)(R1n−Si−(OR24-n……(1)
    (式中、R1は2個存在するときは同一または異なり、フェニル基または炭素数1〜8の1価の有機基、R2は同一または異なり、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基を示し、nは0〜2の整数である)
    で表されるオルガノシラン、その加水分解物およびその縮合物の群から選ばれた少なくとも1種を1〜100重量部
    (B)ラジカル重合性モノマー99〜0重量部[ただし、(A)+(B)=100重量部]
    (C)乳化剤0.1〜50重量部[ただし、(A)+(B)=100重量部に対して]
    (D)水50〜2,000重量部[ただし、(A)+(B)=100重量部に対して]
  2. 前記スルホン酸基が0.2〜5mmol/g含まれている請求項1に記載の水系分散体。
  3. 水系媒体を蒸発させて得られる固体の体積抵抗が、10-2〜103Ω・cmである請求項1又は2に記載の水系分散体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の水系分散体から成るコーティング材。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の水系分散体を乾燥して成るフィルム。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の水系分散体を乾燥して成る高分子固体電解質。
  7. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の水系分散体を乾燥して成るフィルター。
  8. 下記(A)〜(D)成分を混合し、エマルジョンの平均粒子径を0.01〜0.2μmに微細化する工程を含み、ラジカル重合を行なうことにより水系分散体を得るとともに、前記水系分散体に、スルホン酸基を有するポリマーとして、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とジアセトンアクリルアミドとの共重合体を添加することにより、スルホン酸基を含む水系分散体を得る、水系分散体の製造方法。
    (A)一般式(1)
    (R1n−Si−(OR24-n……(1)
    (式中、R1は2個存在するときは同一または異なり、フェニル基または炭素数1〜8の1価の有機基、R2は同一または異なり、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基を示し、nは0〜2の整数である)
    で表されるオルガノシラン、その加水分解物およびその縮合物の群から選ばれた少なくとも1種を1〜100重量部
    (B)ラジカル重合性モノマー99〜0重量部[ただし、(A)+(B)=100重量部]
    (C)乳化剤0.1〜50重量部[ただし、(A)+(B)=100重量部に対して]
    (D)水50〜2,000重量部[ただし、(A)+(B)=100重量部に対して]
  9. 前記(A)〜(D)成分を混合し、エマルジョンの平均粒子径を0.01〜0.2μmに微細化する前および/または後において、該(A)成分の加水分解・縮合反応を促進する触媒(E)を併用する請求項8に記載の水系分散体の製造方法。
  10. 前記(B)成分を用いる場合において、ラジカル重合開始剤(F)を用いる請求項8又は9に記載の水系分散体の製造方法。
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