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JP4247082B2 - 過給機 - Google Patents
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Description

本発明は、排気ターボ式過給機に関するものである。
排気ターボ式過給機は、例えば船舶や自動車、発電機などのエンジンに装着されるものであって、エンジンの燃焼室内に空気を強制的に供給することで、燃焼効率を向上させて、エンジン出力の向上を図るものである。
排気ターボ式過給機(以下「過給機」という。)は、エンジンの排気ガス流によって駆動されるタービンと、このタービンによって駆動されて外気をエンジンに圧送するコンプレッサーと、これらタービン及びコンプレッサーを支持するケーシングとを有している。
タービンは、排気ガス流を受けて回転するタービン羽根車を有しており、コンプレッサーは、回転駆動されることで外気を圧送するコンプレッサー羽根車を有している。これらタービン羽根車とコンプレッサー羽根車とは、回転軸を介して同軸かつ相対回転を規制して接続されている。回転軸は、軸受を介してケーシングに支持されていて、その軸線回りの回転が許容されている。
すなわち、タービン羽根車が回転することで、コンプレッサー羽根車も回転軸回りに回転して、コンプレッサーによる外気の圧送が行われるようになっている。
ここで、軸受には、焼付き防止のために、潤滑油溜め等から潤滑系統を介して潤滑油が供給されている。
タービン羽根車は、略円盤形状をなしており、回転軸に対して、同軸かつ軸線回りの回転を規制して設けられている。タービン羽根車において、コンプレッサーとは反対側を向く面(ケーシングとは反対側を向く面)には、回転中心から径方向外側に向けて延びる羽根が周方向に沿って複数設けられている。このタービン羽根車には、径方向外側から排気ガス流が供給され、羽根に当てられてタービン羽根車の回転に寄与した排気ガス流は、羽根が設けられる面側から軸線方向に排出されるようになっている。
ここで、ケーシングとタービン羽根車との間の空間には、コンプレッサーからシール空気通路を通じて外気が圧送されるようになっている。このようにケーシングとタービン羽根車との間の空間に外気(シール空気)が圧送されることで、この空間の内圧が正圧となる。これにより、タービンからケーシング内への排気ガスの流入が防止されるとともに、排気ガス流からコンプレッサー側に向かうスラスト力を受けるタービン羽根車を押し返して、軸受に加わるスラスト荷重を低減するようになっている。
ここで、エンジンのアイドル運転時や低回転・低負荷運転時等、タービンの回転数が低くコンプレッサーによるエンジンへの外気の圧送量が少ない場合には、エンジンの吸気力によってコンプレッサー内の外気が吸引されてその内圧が負圧となる場合がある。
この場合には、シール空気通路を通じてタービン内の排気ガスがケーシング内に流入してしまったり、軸受に供給された潤滑油がケーシング内に吸い出されてしまうなどの不都合が生じる。
このため、シール空気通路には、コンプレッサー側の内圧が負圧となった場合にシール空気通路をケーシング外に開放して、シール空気通路の内圧を正圧に保つバキュームブレーカが設けられている。
このような構成の過給機は、例えば後記の特許文献1に記載されている。
特開2002−70569号公報(段落[0002]〜[0004],及び図1)
しかし、過給機は、タービンを排気ガス流によって駆動するものであるため、高温の排気ガス流(500°C程度)に接するタービンからケーシングに熱が伝わり、ケーシングに設けられる軸受やこの軸受の潤滑を行う潤滑系統等の熱に弱い部材が加熱されてしまう。
これら軸受及び潤滑系統等の熱に弱い部材が過熱してしまうと、回転軸と軸受とが焼き付いてしまうなどの不具合が生じるので、従来は、ケーシング内に水室を設けて、ケーシング外部からこの水室内に冷却水を供給することで、ケーシングの冷却を行い、ケーシングに設けられた熱に弱い部材を保護していた。
しかし、このような水冷構造を採用した場合には、ケーシングには、ケーシング内に冷却水を給水する給水管や使用済みの水を排出する排水管等の管路と、付帯設備とを設ける必要がある。このため、このような水冷構造を採用した過給機は、設置に手間がかかってしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、エンジンに対して容易に設置可能な過給機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の過給機は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる過給機は、エンジンの排気ガス流によってタービン羽根車が回転駆動されるタービンと、該タービンによって駆動されて前記エンジンに外気を圧送するコンプレッサーと、前記タービン及び前記コンプレッサーを支持するケーシングとを有する排気ターボ式過給機であって、前記ケーシングには、前記タービンに隣接させて冷却空気室が設けられており、該冷却空気室には、前記コンプレッサーと接続されて該コンプレッサーが圧送する前記外気の一部が送り込まれる冷却空気通路が接続され、前記冷却空気室には、前記ケーシングと前記タービン羽根車との間の空間に通じる吐出口が設けられていることを特徴とする。
このように構成される過給機では、ケーシングには、タービンに隣接して冷却空気室が設けられており、この冷却空気室には、コンプレッサーが圧送する外気の一部が、冷却空気通路を通じて送り込まれるようになっている。この外気は、ケーシングにおいてタービンから熱を受ける部分よりも十分に低温であるため、ケーシングにおいて冷却空気室近傍の領域を冷却する冷媒として作用する。
すなわち、ケーシングにおいてタービンから熱を受ける領域が、冷却空気室に送り込まれた外気によって冷却され、ケーシングに設けられる部材、例えば軸受や潤滑系統等の過熱が防止される。
ここで、冷却空気室には、コンプレッサーが稼動している間は常に外気が送り込まれる。すなわち、過給機が稼動している間は常にケーシングの冷却が行われる。
また、ケーシングには、このようにタービンに隣接して冷却空気室が設けられているので、ケーシングにおいてタービンに近い側から他の部分(タービンより離れた部分)への熱伝導による伝熱面積が小さい。すなわち、タービンからの熱がケーシングの他の部材側に伝わりにくいので、空冷でも十分な冷却効果を得ることができる。
ここで、冷却空気通路は、その一部または全体が、ケーシング外に設けた管路によって構成されていてもよいが、ケーシング外に新たに部材を設けずに済むよう、全体がケーシング内に形成された通路によって構成されていることが好ましい。
このように構成される過給機では、冷却空気室内に供給された外気は、冷媒として使用されたのちに、吐出口を通じて、ケーシングとタービン羽根車との間の空間に供給される。すなわち、冷却空気室内に供給された外気は、タービンからケーシング内への排ガスの流入の防止と、タービン羽根車に加わるスラスト力を低減させるシール空気としても利用される。
本発明にかかる過給機では、このようにケーシングの冷却に用いられた外気を、シール空気としても利用するので、コンプレッサーから冷却用の空気とシール空気とを別々に取り出す場合に比べて、コンプレッサーから取り出す外気の量が少なくて済む。
これにより、ケーシングの冷却及びケーシングへの排ガスの流入防止を図りながら、コンプレッサーが圧送する外気のうち、エンジンに供給される外気の量の減少を防止して、過給機の性能を維持することができる。
本発明にかかる過給機は、請求項1に記載の過給機であって、前記ケーシングには、前記コンプレッサーと接続されて、該コンプレッサーが供給する外気の一部を前記ケーシングと前記タービン羽根車との間の空間まで導くシール空気通路が設けられており、該シール空気通路のうちの少なくとも一部が、前記冷却空気通路を構成していることを特徴とする。
このように構成される過給機では、ケーシングとタービン羽根車との間の空間に、コンプレッサーからシール空気通路を通じて外気が圧送されるようになっている。すなわち、ケーシングとタービン羽根車との間の空間には、シール空気が供給される。
そして、冷却空気通路とシール空気通路とは、少なくとも一部を共有しているので、これら通路の構造が単純となり、冷却空気通路とシール空気通路とをそれぞれ独立して設けた場合に比べて、過給機の設計及び製造が容易となる。
このように構成される過給機は、コンプレッサーが圧送する外気の一部を冷媒として用いてケーシングの冷却を行う。
このため、本発明にかかる過給機では、従来の過給機のように外部から冷却水等の冷媒を供給するための配管及び付帯設備が不要となるので、エンジンへの設置が容易である。
また、この過給機は、エンジンへの設置にあたって、配管の取り回しを考慮する必要がないので、エンジンへの設置形態の自由度が高い。
以下に、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態にかかる過給機1は、図1及び図2(図1の拡大図)に示すように、図示せぬエンジンの排気ガス流によって駆動されるタービン2と、タービン2によって駆動されてエンジンに外気を圧送するコンプレッサー3と、タービン2とコンプレッサー3との間に設けられてこれらを支持するケーシング4とを有している。
ケーシング4には、一端をタービン2側に突出させ、他端をコンプレッサー3側に突出させた状態にして、回転軸6が挿通されている。回転軸6は、ケーシング4に設けられる軸受7によって、軸線回りの回転を可能にして支持されている。また、ケーシング4には、図示せぬ潤滑油溜めから軸受7まで潤滑油を供給する潤滑油供給路8が設けられている。
タービン2は、エンジンの排気系統に接続されてエンジンの排気ガス流の少なくとも一部が供給される排気ガス通路11と、排気ガス導入路11内に供給された排気ガス流を受けて回転するタービン羽根車12とを有している。
タービン羽根車12は、略円盤形状をなしており、回転軸6のタービン2側の端部に対して、同軸かつ軸線回りの回転を規制して設けられている。
タービン羽根車12のケーシング4とは反対側を向く面には、回転中心から径方向外側に向けて延びる羽根12aが周方向に沿って複数設けられている。
タービン羽根車12は、ケーシング4に対向する面をケーシング4に近接させた状態で設けられている。図2に示すように、ケーシング4に対向する面の外周縁には、タービン羽根車12と同心状にして設けられる凹凸からなる凹凸部12bが設けられている。
排気ガス通路11は、エンジンの排気系統と接続されてタービン羽根車12の径方向外側を囲むようにして設けられる供給路11aと、タービン羽根車12の羽根12a側に設けられてタービン羽根車12を通過した排気ガス流を系外、もしくは図示しない排気浄化装置に導く送出路11bとを有している。
すなわち、供給路11aからは、タービン羽根車12に対して径方向外側から排気ガス流が供給され、タービン羽根車12に供給された排気ガス流は、タービン羽根車12の羽根12a側に排出されて、送出路11bに流入するようになっている。
コンプレッサー3は、回転駆動されることで外気を径方向外側に送出するコンプレッサー羽根車16と、コンプレッサー羽根車16の周囲を囲んでコンプレッサー羽根車16が送出した外気を圧縮する渦巻き室17とを有している。
コンプレッサー羽根車16は、略円盤形状をなしており、回転軸6のコンプレッサー3側の端部に対して、同軸かつ軸線回りの回転を規制して設けられている。
コンプレッサー羽根車16のケーシング4とは反対側を向く面には、回転中心から径方向外側に向けて延びる羽根16aが周方向に沿って複数設けられている。
コンプレッサー羽根車16は、ケーシング4に対向する面をケーシング4に近接させた状態で設けられている。図2に示すように、ケーシング4に対向する面の外周縁には、コンプレッサー羽根車16と同心状にして設けられる凹凸からなる凹凸部16bが設けられている。
図3に示すように、ケーシング4において、タービン羽根車12の凹凸部12bに対向する部位には、凹凸部12bと同心状にして、凹凸部4aが設けられている。これら凹凸部4a,12bは、ケーシング4とタービン羽根車12との間の空間Sを封止するラビリンスフィンを構成している。
同様に、ケーシング4において、コンプレッサー羽根車16の凹凸部16bに対向する部位には、凹凸部16bと同心状にして、凹凸部4bが設けられており、これら凹凸部4b,16bは、ケーシング4とコンプレッサー羽根車16との間の空間を封止するラビリンスフィンを構成している。
図1及び図2に示すように、ケーシング4には、タービン2に隣接させて冷却空気室21が設けられている。冷却空気室21は、図1及び図3(図2のB−B矢視断面図)に示すように、タービン2のタービン羽根車12に対向する領域のほぼ全域にわたって設けられている。
図4(図1のA−A矢視断面図)に示すように、冷却空気室21には、コンプレッサー3の渦巻き室17と接続されてコンプレッサー3が圧送する外気の一部が送り込まれる冷却空気通路22が接続されている。
冷却空気通路22は、ケーシング4に穿孔された穴によって構成されている。
また、冷却空気室21には、ケーシング4とタービン羽根車12との間の空間Sに通じる吐出口23が設けられている。ここで、冷却空気室21は、冷却空気通路21から離間した位置で、吐出口23以外の図示せぬ流路を通じて、ケーシング4外に連通されている。
ここで、冷却空気通路22には、その内圧が常に正圧に保たれるよう、コンプレッサー3側(上流側)の圧力がタービン2側(下流側)の圧力以下になった場合に冷却空気通路22をケーシング4外に開放するバキュームブレーカ24が設けられている。
このように構成される過給機1では、ケーシング4には、タービン2に隣接して冷却空気室21が設けられており、この冷却空気室21には、コンプレッサー3が圧送する外気の一部が、冷却空気通路22を通じて送り込まれるようになっている。
この外気は、ケーシング4においてタービン2から熱を受ける部分よりも十分に低温であるため、ケーシング4において冷却空気室21近傍の領域を冷却する冷媒として作用する。
すなわち、ケーシング4においてタービン2から熱を受ける領域が、冷却空気室21に送り込まれた外気によって冷却され、ケーシング4に設けられる部材、例えば軸受7や潤滑系統等の過熱が防止される。
ここで、冷却空気室21には、コンプレッサーが稼動している間は常に外気が送り込まれる。すなわち、過給機が稼動している間は常にケーシングの冷却が行われる。
また、ケーシング4には、このようにタービン2に隣接して冷却空気室21が設けられているので、ケーシング4においてタービン2に近い側から他の部分(タービン2より離れた部分)への熱伝導による伝熱面積が小さい。すなわち、タービン2からの熱がケーシング4の他の部材側に伝わりにくいので、空冷でも十分な冷却効果を得ることができる。
このように、本実施形態にかかる過給機1は、コンプレッサー3が圧送する外気の一部を冷媒として用いてケーシング4の冷却を行う構成である。
このため、この過給機1では、従来の過給機のように外部から冷却水等の冷媒を供給するための配管及び付帯設備が不要となるので、エンジンへの設置が容易である。
また、この過給機1は、エンジンへの設置にあたって、配管の取り回しを考慮する必要がないので、エンジンへの設置形態の自由度が高い。
また、冷却空気室21には、ケーシング4とタービン羽根車12との間の空間Sに通じる吐出口23が設けられていて、コンプレッサー3から冷却空気通路22を通じて冷却空気室21内に供給された外気が、吐出口23から吐出されるようになっている。
すなわち、冷却空気通路22、冷却空気室21、及び吐出口23は、コンプレッサー3が供給する外気の一部をケーシング4とタービン羽根車12との間の空間Sまで導くシール空気通路の役割も兼ねており、冷却空気室21内に供給された外気は、冷媒として使用されたのちに、吐出口23を通じて排出されて、タービン2からケーシング4内への排ガスの流入の防止と、タービン羽根車12に加わるスラスト力を低減させるシール空気としても利用される。
これにより、冷却空気通路22とシール空気通路とをそれぞれ独立して設けた場合に比べて、過給機1の設計及び製造が容易となる。
なお、冷却空気室21には、シール空気として必要な流量以上の外気が供給されるようになっている。そして、冷却空気室21内に供給された外気のうち、シール空気として使用される以外のものは、図示せぬ流路を通じてケーシング4外に排出されるようになっている。すなわち、冷却空気室21を流通する外気の流量は、ケーシング4の冷却に十分なだけ確保されている。
また、この過給機1では、ケーシング4の冷却に用いられた外気を、シール空気としても利用するので、コンプレッサー3から冷却用の空気とシール空気とを別々に取り出す場合に比べて、コンプレッサー3から取り出す外気の量が少なくて済む。
これにより、ケーシング4の冷却及びケーシング4への排ガスの流入防止を図りながら、コンプレッサー3が圧送する外気のうち、エンジンに供給される外気の量の減少を防止して、過給機1の性能を維持することができる。
ここで、本実施の形態では、冷却空気通路22を、ケーシング4に穿孔された穴によって構成した例を示したが、これに限られることなく、冷却空気通路22の一部または全体が、ケーシング4外に設けた管路によって構成されていてもよい。
本発明の一実施形態にかかる過給機の構成を示した縦断面図である。 図1の拡大図である。 図2のB−B矢視断面図である。 図1のA−A矢視断面図である。
符号の説明
1 過給機
2 タービン
3 コンプレッサー
4 ケーシング
12 タービン羽根車
21 冷却空気室(シール空気通路)
22 冷却空気通路(シール空気通路)
23 吐出口(シール空気通路)
S 空間

Claims (2)

  1. エンジンの排気ガス流によってタービン羽根車が回転駆動されるタービンと、該タービンによって駆動されて前記エンジンに外気を圧送するコンプレッサーと、前記タービン及び前記コンプレッサーを支持するケーシングとを有する排気ターボ式過給機であって、
    前記ケーシングには、前記タービンに隣接させて冷却空気室が設けられており、
    該冷却空気室には、前記コンプレッサーと接続されて該コンプレッサーが圧送する前記外気の一部が送り込まれる冷却空気通路が接続され
    前記冷却空気室には、前記ケーシングと前記タービン羽根車との間の空間に通じる吐出口が設けられていることを特徴とする排気ターボ式過給機。
  2. 前記ケーシングには、前記コンプレッサーと接続されて、該コンプレッサーが供給する外気の一部を前記ケーシングと前記タービン羽根車との間の空間まで導くシール空気通路が設けられており、
    該シール空気通路のうちの少なくとも一部が、前記冷却空気通路を構成していることを特徴とする請求項1記載の排気ターボ式過給機。
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